JP6818164B2 - 糖化用パルプ繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、使用済み吸収性物品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法に関する。
使用済みの使い捨ておむつ等の吸収性物品から糖化液を得る方法が知られている。例えば、特許文献1に、吸水性高分子を含むセルロース含有廃棄物、例えば使用済みの使い捨ておむつ等の衛生用品の糖化方法が開示されている。この方法は、吸水性高分子を含むセルロース含有廃棄物を離解する工程、少なくともセルラーゼを含む酵素でセルロース含有廃棄物を処理してグルコースを含む糖化液を得る工程、糖化液に塩化カルシウムを添加して攪拌し、吸水性高分子を塩析させる工程、塩析させた吸水性高分子を除去する工程、を有する。
特開2013−202021号公報
使用済み吸収性物品のパルプ繊維(セルロースを含む)から得られる糖化液をより有用とするためには、糖化液の不純物である高吸水性ポリマーの濃度の低減や、糖化液の回収効率の向上が重要である。特許文献1の方法は、使用済み吸収性物品から糖化液を生成した後、生成された糖化液に含まれる高吸水性ポリマーを除去し、使用可能な糖化液の回収効率を高めようとしている。しかし、この方法は、糖化液の生成後に高吸水性ポリマーを除去するので、高吸水性ポリマーが糖化反応に悪影響を与えるおそれがある。そうなると、糖化液が十分に生成できなかったり、高水性ポリマー又はそれに関連する不純物が多くなり糖化液から除去し難くなったりして、糖化液の不純物を低減できず、回収効率を向上できない可能性がある。使用済み吸収性物品から糖化液を生成するとき、糖化液の不純物の低減や回収効率の向上には改善の余地がある。
本発明の目的は、使用済み吸収性物品からの糖化液用のパルプ繊維を製造するとき、高吸水性ポリマーが少なく、よって糖化液の生成のときの回収効率を高めることが可能な糖化用パルプ繊維を製造することが可能な方法を提供することにある。
本発明における糖化用パルプ繊維を製造する方法は次のとおりである。(1)使用済み吸収性物品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法であって、使用済み吸収性物品から分離されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を、前記パルプ繊維及び前記高吸水性ポリマーを含む固体と、前記高吸水性ポリマー及び前記不活化水溶液を含む液体とに分離しながら、前記高吸水性ポリマーを押し潰す固液分離工程と、分離された前記固体の前記パルプ繊維を液体中で洗浄して、残存する前記高吸水性ポリマーを洗い流すことにより、糖化用パルプ繊維を製造する除去工程と、を備える方法。
本方法は、固液分離工程において、パルプ繊維に残存する、吸水したゲル状(塊状又は略球状)の高吸水性ポリマーを押し潰すことにより、高吸水性ポリマーを薄く且つ細分化して、パルプ繊維から取り除き易くできる。それゆえ、除去工程において、パルプ繊維に残存する高吸水性ポリマーを、液体(例示:水)で比較的容易に洗い流すことができる。それにより、パルプ繊維から高吸水性ポリマーを効率的に削減することができ、したがって、高吸水性ポリマー(不純物)の少ない、純度の高い糖化用パルプ繊維を効率的に製造できる。この高吸水性ポリマーの少ない糖化用パルプ繊維を用いて糖化液を製造することで、高吸水性ポリマーが糖化反応に悪影響を与えるおそれがなく、糖化液の生成後に高吸収性ポリマーを除去する必要も無いので、糖化液の回収効率を高めることができる。
本方法は、(2)前記固液分離工程は、前記パルプ繊維及び前記高吸水性ポリマーを含む前記不活化水溶液を、加圧式脱水法で処理して、前記パルプ繊維に残存する前記高吸水性ポリマーを押し潰す押し潰し工程を含む、上記(1)に記載の方法、であってもよい。
本方法は、加圧式脱水法により、パルプ繊維に残存する高吸水性ポリマーを押し潰すので、固液分離と、パルプ繊維上の高吸水性ポリマーの押し潰しとを同時に効率的かつ確実に実行することができる。すなわち、本方法は、効率的かつ確実にパルプ繊維上の高吸水性ポリマーを薄く且つ細分化して、パルプ繊維から剥がれ易くすることができる。それにより、パルプ繊維から高吸水性ポリマーをより効率的に削減できる。
本方法は、(3)前記固液分離工程の前に、前記パルプ繊維と前記高吸水性ポリマーとを含む前記不活化水溶液から、前記高吸水性ポリマー及び前記不活化水溶液の一部を分離する工程を更に備える、上記(1)又は(2)に記載の方法、であってもよい。
本方法は、固液分離工程の前に、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含む不活化水溶液から、一定量の高吸水性ポリマー及び不活化水溶液を分離する。そのため、本方法は、固液分離工程に供給される不活化水溶液における高吸水性ポリマーの割合を低く抑えることができ、したがってパルプ繊維に残存し得る高吸水性ポリマーを固液分離工程の前に削減できる。それにより、固液分離工程において、パルプ繊維に付着している高吸水性ポリマーをより効率的に押し潰すことができ、パルプ繊維から高吸水性ポリマーを除去する処理の効率を高めることができる。
本方法は、(4)前記固液分離工程の前に、前記使用済み吸収性物品を不活化水溶液中で破砕する工程と、前記破砕する工程で得られた破砕物を含む不活化水溶液から、パルプ繊維と高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を分離する工程と、を更に備える、上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の方法、であってもよい。
本方法では、固液分離工程において供給される、使用済み吸収性物品から分離されたパルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含む不活化水溶液を、破砕する工程及び分離する工程により生成している。それにより、不活化水溶液中に異物(使い捨て吸収性物品のパルプ繊維及び高吸水性ポリマー以外の資材(例示:フィルム(裏面シートなど)、不織布(表面シートなど)、弾性体(防漏壁用ゴムなど))が混入することを抑制できる。それにより、異物に邪魔されることなく高吸水性ポリマーをより的確に押し潰すことができる。その結果、パルプ繊維から高吸水性ポリマーを除去する処理の効率を高めることができる。
本方法は、(5)前記除去工程は、前記分離された前記固体を、酸化剤を含む水溶液で処理して、前記パルプ繊維から、前記押し潰された前記高吸水性ポリマーを除去する酸化剤処理工程を含む、上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の方法、でもよい。
本方法は、固液分離工程において、パルプ繊維に残存するゲル状(塊状又は略球状)の高吸水性ポリマーを押し潰して、薄く且つ細分化し、高吸水性ポリマーの表面積を拡げることができ、塊状又は略球状の高吸水性ポリマーの内部を表側に露出させることができる。それゆえ、酸化剤処理工程において、塊状又は略球状の高吸水性ポリマーの場合には酸化剤と接触し難かった高吸水性ポリマーの内部を酸化剤に接触させることができるなど、高吸水性ポリマーおける酸化剤との接触面積を大きくできる。それにより、高吸水性ポリマーの酸化剤による酸化分解をより効率的に進めることができるので、パルプ繊維から高吸水性ポリマーをより効率的に削減できる。したがって、高吸水性ポリマー(不純物)のより少ない、より純度の高い糖化用パルプ繊維をより効率的に製造できる。ここで、酸化剤としては、オゾン、二酸化塩素、過酢酸、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素などが挙げられる。酸化剤を用いることは、殺菌も可能であり好ましい。
本方法は(6)前記酸化剤は、オゾンである、上記(5)に記載の方法、でもよい。
本方法は、酸化剤がオゾンであるため、高吸水性ポリマーの酸化分解をより強力に進行させることができ、高吸水性ポリマー(不純物)のより少ない、より純度の高い糖化用パルプ繊維をより効率的に製造できる。また、オゾンにより殺菌、漂白、消臭などの効果により、高吸水性ポリマー以外の不純物をパルプ繊維から取り除くことができ、より純度の高い糖化用パルプ繊維をより効果的に製造できる。
本方法は、(7)前記不活化水溶液は、酸性水溶液である、上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の方法、でもよい。
本方法は、不活化水溶液が酸性水溶液であるため、使用済み吸収性物品中の高吸水性ポリマーを確実に脱水し、所定の粒径以下にすることができる。それにより、固液分離工程において、容易に、固液分離を行いつつ、高吸水性ポリマーを押し潰すことができる。その結果、パルプ繊維から高吸水性ポリマーをより効率的に削減できる。
本方法は(8)前記除去工程の後に、前記糖化用パルプ繊維を糖化して糖化液を製造する糖化工程を更に備える、上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の方法でもよい。
本方法では、少なくとも上記の固液分離工程と除去工程とにより製造された糖化用パルプ繊維を糖化して、糖化液を製造している。すなわち、高吸水性ポリマー(不純物)の少ない糖化用パルプ繊維を用いて糖化液を製造しているので、高吸水性ポリマーが糖化反応に悪影響を与えるおそれがなく、糖化液の生成後に高吸収性ポリマーを除去する必要も無いので、糖化液の回収効率を高めることができる。
本発明の方法によれば、使用済み吸収性物品からの糖化液用のパルプ繊維を製造するとき、高吸水性ポリマーが少なく、よって糖化液の生成のときの回収効率を高めることが可能な糖化用パルプ繊維を製造することが可能となる。
実施形態に係るシステムの一例を示すブロック図である。 図1の第3分離装置の構成例を示す模式図である。 図1の酸化剤処理装置の構成例を示す模式図である。 実施形態に係る方法の一例を示すフローチャートである。
以下、実施形態に係る、使用済み吸収性物品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法及び装置について説明する。ただし、使用済み吸収性物品とは、使用者によって使用された吸収性物品であって、使用者の排泄物を吸収・保持した状態の吸収性物品を含み、使用されたが排泄物を吸収・保持していないものや未使用だが廃棄されたものも含む。吸収性物品としては、例えば紙おむつ、尿取りパッド、生理用ナプキン、ベッドシート、ペットシートが挙げられる。
吸収性物品の構成例について説明する。吸収性物品は、表面シートと、裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配置された吸収体とを備える。吸収性物品の大きさとしては長さ約15〜100cm、幅5〜100cmが例示される。なお吸収性物品は、一般的な吸収性物品が備える更に他の部材、例えば拡散シートや防漏壁などを含んでもよい。
表面シートの構成部材としては、例えば液透過性の不織布、液透過孔を有する合成樹脂フィルム、これらの複合シート等が挙げられる。裏面シートの構成部材としては、例えば液不透過性の不織布、液不透過性の合成樹脂フィルム、これらの複合シートが挙げられる。拡散シートの構成部材としては、例えば液透過性の不織布が挙げられる。防漏壁の構成部材としては、例えば液不透過性の不織布が挙げられ、ゴムのような弾性部材を含んでもよい。ここで、不織布や合成樹脂フィルムの材料としては、吸収性物品として使用可能であれば特に制限はない。その材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂等が挙げられる。本実施形態では、裏面シートの構成部材をフィルムとし、表面シートの構成部材を不織布とする吸収性物品を例にして説明する。
吸収体の構成部材としては吸収体材料、すなわちパルプ繊維及び高吸水性ポリマーが挙げられる。パルプ繊維としては、糖化液の原料となる繊維であれば制限は無いが、セルロース系繊維が挙げられる。セルロース系繊維としては、例えば木材パルプ、架橋パルプ、非木材パルプ、再生セルロース、半合成セルロース等が挙げられる。パルプ繊維の大きさとしては、繊維の長径の平均値が例えば数十μmが挙げられ、20〜40μmが好ましく、繊維長の平均値が例えば数mmが挙げられ、2〜5mmが好ましい。高吸水性ポリマー(SuperAbsorbent Polymer:SAP)としては、吸収性物品として使用可能であれば制限はないが、例えばポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系の吸水性ポリマーが挙げられる。高吸水性ポリマーの大きさ(乾燥時)としては、粒径の平均値が例えば数百μmが挙げられ、200〜500μmが好ましい。糖化用パルプ繊維は、使用済み吸収性物品の上記のパルプ繊維から製造される。
吸収体の一方の面及び他方の面は、それぞれ表面シート及び裏面シートに接着剤を介して接合されている。平面視で、表面シートのうちの、吸収体を囲むように、吸収体の外側に延出した部分(周縁部分)は、裏面シートのうちの、吸収体を囲むように、吸収体の外側に延出した部分(周縁部分)と接着剤を介して接合されている。したがって、吸収体は表面シートと裏面シートとの接合体の内部に包み込まれている。接着剤としては、吸収性物品として使用可能であれば特に制限はないが、例えばホットメルト型接着剤が挙げられる。ホットメルト型接着剤としては、例えばスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン等のゴム系主体、又はポリエチレン等のオレフィン系主体の感圧型接着剤又は感熱型接着剤が挙げられる。
次に、実施形態に係る使用済み吸収性物品から分離されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーの混合物からリサイクルパルプ繊維を製造する方法及び装置について説明する。本実施形態では、リサイクルのために使用済みの吸収性物品を外部から回収又は取得し、回収等された使用済み吸収性物品からパルプ繊維及び高吸水性ポリマーの混合物を分離し、分離された混合物を、リサイクルパルプ繊維の製造に用いる。その際、使用済み吸収性物品が、複数個まとめられ、排泄物の汚れや菌類が外部に漏れないように収集用の袋(以下「収集袋」ともいう。)に封入されて回収等される。各使用済み吸収性物品は、臭気や排泄物が周囲に拡散しないように表面シートを内側にして丸められ又は折り畳まれる。
まず、使用済み吸収性物品から分離されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーの混合物からリサイクルパルプ繊維を製造する方法に使用されるシステム1について説明する。システム1は、使用済み吸収性物品からパルプ繊維を回収し、リサイクルパルプ繊維を製造するシステムである。図1は、本実施形態に係るシステム1の一例を示すブロック図である。システム1は、第3分離装置18と、洗浄装置21と、を備え、好ましくは破袋装置11と、破砕装置12と、第1分離装置13と、第1除塵装置14と、第2除塵装置15と、第3除塵装置16と、第2分離装置17と、酸化剤処理装置19と、第4分離装置20と、糖化装置22と、を備える。
破袋装置11は、使用済み吸収性物品が封入された収集袋に、不活化水溶液中で穴を開ける。破袋装置11は、例えば溶液槽と、攪拌機と、破砕刃とを備える。溶液槽は、不活化水溶液を貯留する。攪拌機は、溶液槽内に設けられ、不活化水溶液を撹拌して、旋回流を生じさせる。破砕刃は、溶液槽の下部に設けられ、旋回流により溶液槽内の不活化水溶液の下方へ引き込まれた収集袋に穴を開ける。ただし、不活化水溶液とは、高吸水性ポリマーを不活化する水溶液である。不活化により、高吸水性ポリマーの吸水性能は低下する。その結果、高吸水性ポリマーは、吸水性能で許容できる量まで水を放出する、すなわち脱水する。以下では、不活化水溶液として酸性水溶液を用いる場合を例に説明する。
破砕装置12は酸性水溶液の水面下に沈んだ酸性水溶液中の使用済み吸収性物品を収集袋ごと破砕する。破砕装置12は、例えば破砕部と、ポンプと、を含む。破砕部は、溶液槽と連接されており、溶液槽から酸性水溶液と共に送出された収集袋内の使用済み吸収性物品(混合液91)を、収集袋ごと酸性水溶液中で破砕する。破砕部としては、例えば二軸破砕機(例示:二軸回転式破砕機、二軸差動式破砕機、二軸せん断式破砕機)が挙げられ、具体的にはスミカッター(住友重機械エンバイロメント株式会社製)が挙げられる。ポンプは、破砕部の下流側に連接されており、破砕部で得られる破砕物を酸性水溶液と共に破砕部から引き出し(混合液92)次工程へ送出する。破砕物は、パルプ繊維及び高吸水性ポリマー及びその他の資材(収集袋の素材、フィルム、不織布、弾性体等)を含む。
第1分離装置13は、破砕装置12で得られた破砕物と酸性水溶液とを含む混合液92を撹拌し、排泄物等の汚れを洗浄で破砕物から除去しつつ、混合液92からパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液を分離し(混合液93)、第1除塵装置14へ送出する。第1分離装置13としては例えば洗濯槽兼脱水槽及びそれを囲む水槽を備える洗濯機が挙げられ、具体的には横型洗濯機ECO−22B(株式会社稲本製作所製)が挙げられる。洗濯槽兼脱水槽(回転ドラム)が洗浄槽兼ふるい槽(分離槽)として用いられる。洗濯槽の周面に設けられた複数の貫通孔の大きさは、例えば、丸孔の場合、直径5〜20mmφ、スリットの場合、幅5〜20mmである。
第1除塵装置14は、第1分離装置13から送出されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液(混合液93)を、複数の開口を有するスクリーンにより、酸性水溶液中のパルプ繊維及び高吸水性ポリマー(混合液94)と他の資材(異物)とに分離する。酸性水溶液のpHは所定範囲内で維持されることが、高吸水性ポリマーの不活化(大きさ、比重の調整を含む)の点で好ましい。所定範囲とはpHの変動が±1.0以内の範囲であり、必要に応じて酸性の溶液等を付加して調整する。第1除塵装置14としては例えばスクリーン分離機が挙げられ、具体的にはパックパルパー(株式会社サトミ製作所製)が挙げられる。スクリーン(ふるい)の開口の大きさは例えば、丸孔の場合、直径2〜5mmφ、スリットの場合、幅2〜5mmである。少なくとも10mm角程度以上の他の資材(異物)を除去できる。
第2除塵装置15は、第1除塵装置14から送出されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液(混合液94)を、複数の開口を有するスクリーンにより、酸性水溶液中のパルプ繊維及び高吸水性ポリマー(混合液95)と他の資材(異物)とに分離する。酸性水溶液のpHは上記のように所定範囲内で維持されることが好ましい。第2除塵装置15としては例えばスクリーン分離機が挙げられ、具体的にはラモスクリーン(相川鉄工株式会社製)が挙げられる。スクリーンの開口の大きさは例えば、スリットの場合、幅0.2〜0.5mm、丸孔の場合、直径0.2〜0.5mmφである。少なくとも3mm角程度以上の他の資材を除去できる。
第3除塵装置16は、第2除塵装置15から送出されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液(混合液95)を、遠心分離で、酸性水溶液中のパルプ繊維及び高吸水性ポリマー(混合液96)と他の資材(比重の大きい異物)とに分離する。酸性水溶液のpHは上記のように所定範囲内で維持されることが好ましい。第3除塵装置16としては例えばサイクロン分離機が挙げられ、具体的にはACT低濃度クリーナー(相川鉄工株式会社製)が挙げられる。相対的に比重の軽い酸性水溶液中のパルプ繊維及び高吸水性ポリマーが上昇し、比重の重い異物(金属など)が下降するように所定の流速でパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液(混合液95)を、第3除塵装置16の逆向き円錐筐体内に供給する。
第2分離装置17は、第3除塵装置16から送出されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液(混合液96)を、複数の開口を有するスクリーンにより、酸性水溶液中のパルプ繊維(混合液97)と、酸性水溶液中の高吸水性ポリマーとに分離する。ただし、混合液97の酸性水溶液中のパルプ繊維には分離しきれなかった高吸水性ポリマーが残存している。第2分離装置17としては例えばドラムスクリーン分離機が挙げられ、具体的にはドラムスクリーン脱水機(東洋スクリーン株式会社製)が挙げられる。ドラムスクリーンの開口の大きさは例えば、スリットの場合、幅0.2〜0.8mm、丸孔の場合、直径0.2〜0.8mmφである。多くの高吸水性ポリマーを除去できる。
ただし、破袋装置11から第2分離装置17までは、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を準備する装置と見ることができる。なお、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を準備する装置は、上記の各装置に限定されず、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を得られれば、他の装置であってもよい。
第3分離装置18は、第2分離装置17から送出されたパルプ繊維、分離できず残った高吸水性ポリマー及び酸性水溶液(混合液97)を、複数の開口を有するスクリーンにより、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む固体(混合物98)と、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液を含む液体とに分離しつつ、固体に圧力を印加して、固体中の高吸水性ポリマーを押し潰す。ただし、固体は若干の酸性水溶液を含んでいる。
図2は、図1の第3分離装置18の構成例を示す模式図である。第3分離装置18は、例えばスクリュープレス脱水機が挙げられる。第3分離装置18は、例えば、ドラムスクリーン81と、スクリュー軸82と、スクリュー羽根83と、駆動装置86と、蓋体84と、調圧装置85と、を備える。ドラムスクリーン81は、筐体80内に設けられた円筒状のスクリーン(ふるい)である。スクリュー軸82は、ドラムスクリーン81の円筒の軸に沿って延び、その直径がドラムスクリーン81の先端部に向かうに連れて徐々に大きくなっている。スクリュー羽根83は、スクリュー軸82の外側に螺旋状に設けられ、ドラムスクリーン81の内周面に沿って回転する。スクリュー羽根83のピッチは、ドラムスクリーン81の先端部に向かうに連れて徐々に狭くなっていてもよい。駆動装置86は、スクリュー軸82を回転させる。蓋体84は、ドラムスクリーン81の先端部を塞ぐように設けられている。調圧装置85は、蓋体84をドラムスクリーン81の先端部に押し付ける押圧の圧力を調整する。ただし、ドラムスクリーン(ふるい)81の開口の大きさは例えば、スリットの場合、幅0.1〜0.5mm、丸孔の場合、直径0.1〜0.5mmφである。第3分離装置18は、ドラムスクリーン81側面のスリットから高吸水性ポリマーと酸性水溶液を含む液体Eを送出しつつ、ドラムスクリーン81先端部と蓋体84との隙間Gからパルプ繊維と高吸水性ポリマーを含む固体(混合物98)を送出する。固体(混合物98)の送出のとき、蓋体84で高吸水性ポリマーが押し潰される。蓋体84に印加される押圧の圧力は、例えば、0.01MPa以上、1MPa以下が挙げられる。第3分離装置18としてはスクリュープレス脱水機(川口精機株式会社製)が挙げられる。
酸化剤処理装置19は、第3分離装置18から送出された固体中の押し潰された高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維(混合物98)を、高吸水性ポリマーを溶解可能に分解するガス状物質(例示:酸化剤)を含む水溶液(処理液)で処理する。それにより、高吸水性ポリマーを酸化分解し、処理液中に溶解させて、パルプ繊維から除去して、高吸水性ポリマーを含まないパルプ繊維を処理液と共に送出する(混合液99)。
図3は、酸化剤処理装置19の構成例を示す模式図である。酸化剤処理装置19は、前処理装置19−1と処理装置19−2とを備える。前処理装置19−1は、混合物98のパルプ繊維から高吸水性ポリマーの少なくとも一部を除去する。それにより、混合物98の高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維の粘度を低下させる。処理装置19−2は、前処理装置19−1で高吸水性ポリマーの少なくとも一部を除去され、粘度を低下された混合物98のパルプ繊維から更に高吸水性ポリマーを除去する。
前処理装置19−1は、前処理槽101と、ガス状物質放散装置102と、ポンプ122(前処理液移送部)と、ポンプ121(前処理液循環部)と、ガス状物質分解装置103と、を備える。
前処理槽101は、前処理液P1を含む槽である。前処理液P1は、例えば初期的には水であり、前処理装置19−1の処理が進行するに連れて前処理用のガス状物質Z1(後述)が溶け込む、又は、事前にガス状物質Z1を溶け込ませてもよい。ガス状物質放散装置102は、前処理槽101内の前処理液P1中に前処理用のガス状物質Z1を放散するための装置であり、ガス状物質放散部102aとガス状物質生成部102bとを含む。ガス状物質生成部102bは、高吸水性ポリマーを前処理液P1に溶解可能に分解する前処理用のガス状物質Z1を生成する。ガス状物質Z1は酸化剤を含むガス状の物質であり、酸化剤としては例えばガス状のオゾン、二酸化塩素が挙げられ、酸化力等の観点から好ましくはオゾンである。ガス状物質放散部102aは、前処理槽101内に設けられており、前処理液P1中にて、前処理槽101の底部から離れて前処理液P1中に存在する混合物98(高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維)に向い、混合物98の下方から前処理用のガス状物質Z1を放散する。ガス状物質Z1は例えば多数の細かい気泡状に放散される。それにより、混合物98の高吸水性ポリマーが酸化分解し、前処理液P1中に溶解して、低減される。すなわち、パルプ繊維の高吸水性ポリマーが低減されて、高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維の粘度が低下する。なお、酸化剤は、ガスでなくてもよく、液体や固体を液体中に溶融させたものでもよく、そのような酸化剤としては例えば過酢酸、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素が挙げられる。その場合、ガス状物質放散部102aは酸化剤が溶融した液体を放出する。
ポンプ122(前処理液移送部)は、前処理槽101の下部に設けられた送出口101cと、処理装置19−2の処理槽105(後述)の上部に設けられた供給口105aとを連接する配管135の途中に設けられる。ポンプ122は、前処理槽101において高吸水性ポリマーが低減された混合物98を含む前処理液P1の少なくとも一部を、前処理槽101の下部から抜き出して、処理槽105の上部から処理液P2へ移送する。
ポンプ121(前処理液循環部)は、前処理槽101の下部に設けられた送出口101bと、前処理槽101の上部に設けられた供給口101aとを連接する配管132の途中に設けられる。ポンプ121は、混合物98を含む前処理液P1の少なくとも一部を、前処理槽101の下部から抜き出し、前処理槽101の上部から前処理液P1中に供給する。なお、ポンプ121は、混合物98と水とを混合した水溶液を、配管131、132を介して受け取り、配管132を介して供給口101aから前処理槽101へ供給する。配管131、132の液体の流通は、配管131のバルブV1及び配管132のバルブV2で制御される。ガス状物質分解装置103は、前処理槽101の上部に蓄積したガス状物質Z1を、配管134を介して受け取り、分解し無害化して外部へ放出する。
なお、前処理槽101内の前処理液P1は、初期的には前処理液P1のみであり、開始後は前処理液P1と混合物98や前処理用のガス状物質Z1とが混合された液となるが、本実施形態ではその液も含めて、前処理槽101内の液を前処理液P1とする。
処理装置19−2は、処理槽105と、ガス状物質供給装置106と、エジェクタ107と、ポンプ123と、ポンプ124と、ガス状物質分解装置108と、を備える。
処理槽105は、処理液P2を含む槽であり、エジェクタ107から吐出される混合液98L(後述)が処理液P2に旋回流を生じさせ易くする観点から、円筒形が好ましい。処理液P2は、例えば初期的には水であり、処理装置19−2の処理が進行するに連れて処理用のガス状物質Z2(後述)が溶け込み、前処理装置19−1の処理が進行するに連れて、混合物98(高吸水性ポリマーとパルプ繊維)を含む前処理液P1が含有される。又は、事前にガス状物質Z2を溶け込ませてもよい。ガス状物質供給装置106は、高吸水性ポリマーを処理液P2に溶解可能に分解するガス状物質Z2を生成し、エジェクタ107に供給する。ガス状物質Z2は、ガス状物質Z1と同様であるが、物質の種類が違っていてもよい。ポンプ123は、高吸水性ポリマーとパルプ繊維の混合物98を含む水溶液をエジェクタ107に供給する。ポンプ123は、配管136の途中に設けられ、配管136は、処理槽105の下部の送出口105bと、処理槽105の下部であって送出口105bよりも上方の供給口105cと、を連接している。供給口105c近傍の配管136は、エジェクタ107から吐出される混合液98Lが処理液P2に形成する旋回流を上昇させ易くする観点から、少し上向に傾いていることが好ましい。
エジェクタ107(アスピレータ)は、配管136の途中に設けられており、駆動流体供給口DIと、吸引流体供給口AIと、混合流体吐出口COとを有する。エジェクタ107は、駆動流体を駆動流体供給口DIから混合流体吐出口COへ流して、流路途中の狭窄部をベンチュリ効果で減圧状態にし、吸引流体を吸引流体供給口AIから狭窄部に引き込み、駆動流体と混合させ、混合流体として混合流体吐出口COから吐出する。ここでは、ポンプ123により処理槽105における高吸水性ポリマーとパルプ繊維(混合物)を含む処理液P2が、駆動流体供給口DIに供給され、混合流体吐出口COへ向かって流される。それに伴い、ガス状物質供給装置106からのガス状物質Z2が吸引流体供給口AIからエジェクタ107内に吸引される。それにより、高吸水性ポリマーとパルプ繊維を含む処理液P2とガス状物質Z2とが混合されて、混合液98Lとして混合流体吐出口COから処理槽105に吐出される。吐出された混合液は、高吸水性ポリマーがガス状物質Z2により酸化分解され、除去されつつ、処理槽105内を旋回し、処理液P2を攪拌しながら、上方へ徐々に上昇する。ポンプ124は、処理槽105の下部に設けられた送出口105dと、後段の機器(図示されず)とを連接する配管139の途中に設けられる。ポンプ124は、処理槽105において高吸水性ポリマーが除去された混合物98を含む処理液P2の少なくとも一部を、処理槽105の下部から抜き出して、後段の機器へ移送する。ガス状物質分解装置108は、処理槽105の上部に蓄積したガス状物質Z2を、配管138を介して受け取り、ガス状物質Z2を分解し無害化して外部へ放出する。
なお、処理槽105内の処理液P2は、初期的には処理液P2のみであり、開始後は処理液P2と混合物やガス状物質とが混合された液となるが、本実施形態ではその液も含めて、処理槽105内の液を処理液P2とする。
ここで、酸化剤処理装置19において、前処理装置19−1と処理装置19−2とを併用しているのは以下の理由による。処理効率という点では、エジェクタ107を備える処理装置19−2のみを用いる方がよい。しかし、酸化剤処理装置19に供給される、混合物98を含んだ水溶液において、パルプ繊維に付着する高吸水性ポリマーの濃度が高いと混合物98の粘度が高くなり、エジェクタ107が詰まることが考え得る。そこで、それに対処するために、本実施形態では、まず、混合物98を含んだ水溶液を前処理装置19−1で処理することで、エジェクタ107が詰まらない程度に、混合物98の粘度を低下させる、すなわち高吸水性ポリマーを低減している。
次いで、第4分離装置20は、酸化剤処理装置19にて処理されたパルプ繊維を含む処理液(混合液99)を、複数の開口を有するスクリーンにより、処理液とパルプ繊維(混合物100)とに分離する。第4分離装置20としては、例えばスクリーン分離機が挙げられる。ただし、スクリーン分離機のスクリーン(ふるい)の開口の大きさは例えば、スリットの場合、幅0.2〜0.8mm、丸孔の場合、直径0.2〜0.8mmφである。
次いで、洗浄装置21は、分離されたパルプ繊維(混合物100)を液体(例示:水)中で洗浄、例えばゆすいで、パルプ繊維に付着している不純物を洗い流すことで、リサイクルパルプ繊維、すなわち糖化用パルプ繊維を生成する。ただし、洗浄装置21は、第3分離装置18で得られた、パルプ繊維を含む固体(混合物98)を、酸化剤処理装置19及び第4分離装置20を経ずに、液体中で洗浄等してもよい。第3分離装置18で得られたパルプ繊維には、高吸水性ポリマーが付着している。しかし、その高吸水性ポリマーは押し潰されているため、洗浄等によりパルプ繊維から概ね取り除くことができる。したがって、洗浄装置21は、第3分離装置18で得られた、パルプ繊維を含む固体(混合物98)を、液体中で洗浄等することで、高吸水性ポリマーを洗い流して、リサイクルパルプ繊維、すなわち糖化用パルプ繊維を生成する。洗浄等とは、液体への浸漬や、ゆすぎやすすぎなど液体中でのパルプ繊維の相対的な移動を含む。
糖化装置22は、洗浄装置21の後に、リサイクルパルプ繊維、すなわち糖化用パルプ繊維を糖化し、糖化液を生成する。糖化装置22としては、特に制限されるものではなく、当技術分野で公知の糖化方法を実行する装置が含まれる。
次に、使用済み吸収性物品から分離されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーの混合物からリサイクルパルプ繊維を製造する方法について説明する。この方法は、使用済み吸収性物品からパルプ繊維を回収し、したがってリサイクルパルプ繊維を生成する方法である。図4は、本実施形態に係る方法の一例を示すフローチャートである。この方法は、第3分離工程S18と、洗浄工程S21と、を備え、好ましくは、穴開け工程S11と、破砕工程S12と、第1分離工程S13と、第1除塵工程S14と、第2除塵工程S15と、第3除塵工程S16と、第2分離工程S17と、酸化剤処理工程S19と、第4分離工程S20と、糖化工程S22とを備える。
穴開け工程S11は、破袋装置11により実行される。使用済み吸収性物品を封入した収集袋が、酸性水溶液を溜めた溶液槽に投入され、収集袋における酸性水溶液に接する表面に穴が開けられる。酸性水溶液は、収集袋に穴が開けられると、収集袋内の使用済み吸収性物品の汚れや菌類や臭気が外部に放出されぬよう、収集袋の周りを囲んで封止する。穴から酸性水溶液が収集袋内に浸入すると、収集袋内の気体が収集袋Aの外部へ抜け、収集袋の比重が酸性水溶液より重くなり、収集袋が溶液槽の酸性水溶液内により深く沈降する。酸性水溶液は、収集袋内の使用済み吸収性物品内の高吸水性ポリマーを不活化する。
使用済み吸収性物品内の高吸水性ポリマーが不活化し、その吸水能力が低下することで、高吸水性ポリマーが脱水して、粒径が小さくなる。その結果、後続の各工程において、高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維の取り扱いが容易になり、処理効率が向上する。不活化水溶液として酸性水溶液(無機酸又は有機酸の水溶液)を用いる理由は、石灰や塩化カルシウムなどの水溶液を用いる場合と比較して、パルプ繊維に灰分が残らず、高吸水性ポリマーの不活化の程度(粒径や比重の大きさ)をpHで調整し易いからである。酸性水溶液のpHとしては1.0以上、4.0以下が好ましく、1.2以上、2.5以下がより好ましい。pHが高過ぎると、高吸水性ポリマーの吸水能力を十分に低下できず、更に殺菌能力が低下するおそれもある。pHが低過ぎると、設備の腐食のおそれがあり、排水処理で中和処理に多くのアルカリ薬品が必要となる。特に、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーと、他の資材とに分離するためには、パルプ繊維の大きさや比重と高吸水性ポリマーの大きさや比重とが比較的近い方が好ましい。したがって、酸性水溶液のpHを1.0以上、4.0以下とすることで、不活化により高吸水性ポリマーをより小さくでき、それにより、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとの大きさや比重を互いに比較的近くできる。有機酸としては、例えばクエン酸、酒石酸、グルコン酸、グリコール酸、リンゴ酸、等が挙げられるが、クエン酸等のヒドロキシカーボネート系の有機酸が特に好ましい。クエン酸のキレート効果により、排泄物中の金属イオン等がトラップされ除去でき、かつクエン酸の洗浄効果で、高い汚れ除去効果が期待できる。一方、無機酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸が挙げられるが、塩素を含まないことやコスト等の観点から硫酸が好ましい。pHは水温により変化するため、本発明におけるpHは、水溶液温度20℃で測定したpHをいうものとする。有機酸水溶液の有機酸濃度は、特に限定されないが、有機酸がクエン酸の場合は、0.5質量%以上4質量%以下が好ましい。無機酸水溶液の無機酸濃度は、特に限定されないが、無機酸が硫酸の場合は、0.1質量%以上0.5質量%以下が好ましい。
破砕工程S12は、破砕装置12により実行される。穴が開いて酸性水溶液の水面下に沈んだ収集袋を含む酸性水溶液、すなわち混合液91が溶液槽から排出されつつ、収集袋内の使用済み吸収性物品が、収集袋ごと酸性水溶液中で破砕される。そして、ポンプにより、破砕部で得られた破砕物を含む酸性水溶液(混合液92)が破砕部から引き出され、次工程へ送出される。
ここで、破砕工程S12において、破砕物の大きさの平均値が5cm以上、10cm以下となるように、使用済み吸収性物品が収集袋ごと破砕されることが好ましい。吸収性物品としては、長さ約15〜100cm、幅10〜100cmが想定されている。破砕物の大きさの平均値を5cm以上、10cm以下となるように破砕することで、各使用済み吸収性物品の裏面シート及び/又は表面シートに確実に切れ目を入れることができる。それにより、各使用済み吸収性物品において切れ目から概ね残らずパルプ繊維を取り出すことができるので、パルプ繊維の回収率(再生されるパルプ繊維の総量/供給される使用済み吸収性物品のパルプ繊維の総量)を高めることができる。大きさの平均値を5cm未満にすると、パルプ繊維以外の他の資材(例示:フィルム(収集袋の素材、裏面シートなど)、不織布(表面シートなど)、弾性体(防漏壁用ゴムなど))が小さく切断され過ぎて、後続の工程においてそれら資材とパルプ繊維とを分離し難くなり、パルプ繊維の回収率が低下する。一方、大きさの平均値を10cmより大きくすると、使用済みの吸収性物品に切り目を入れ難くなり、パルプ繊維の回収率が低下する。
第1分離工程S13は、第1分離装置13により実行される。破砕装置12で得られた破砕物と酸性水溶液とを含む混合液92が撹拌され、破砕物から汚れを除去する洗浄が行われつつ、混合液92がパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液と他の資材とに分離される。その結果、混合液92のうちのパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液(一部、他の資材等を含む)が貫通孔を通過して分離され、第1分離装置13から送出される(混合液93)。混合液92のうちのパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液を除いた他の資材が貫通孔を通過できず第1分離装置13内に残存又は別途送出される。
本方法(システム)は、使用済み吸収性物品を破砕する破砕処理(穴開け工程S11(破袋装置11)〜第1分離工程S13(第1分離装置13))において、少なくとも、穴開け工程S11(破袋装置11)、破砕工程S12(破砕装置12)を備える。したがって、収集袋に入った使用済み吸収性物品を収集袋ごと不活化水溶液中で破砕するので、少なくとも破砕を開始するまでは不活化水溶液に排泄物の汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりすることはほとんどない。そして、使用済み吸収性物品が破砕されるとき、不活化水溶液に汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりするとしても、破砕とほぼ同時に、汚れや菌類の混入した不活化水溶液が破砕物と共に溶液槽から送出されるので、溶液槽に汚れや菌類をほとんど残さず、流し去ることができる。加えて、臭気を不活化水溶液で封止できるので、臭気の発生も低く抑えられる。それにより、使用済み吸収性物品の破砕のときに、汚れや菌類が飛散したり、臭気が放出されたりすることを抑制できる。
なお、不活化水溶液中で収集袋ごと使用済み吸収性物品を破砕せず、気体中(例示:空気中)で収集袋ごと使用済み吸収性物品を破砕してもよい。その場合には、穴開け工程S11は不要であり、不活化水溶液の無い状態の空気中で破砕工程S12は破砕を行う。その後、破砕工程S12の破砕物と共に不活化水溶液を第1分離工程S13に供給する。
次いで、第1除塵工程S14は、第1除塵装置14により実行される。第1分離装置13から送出されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液、すなわち混合液93は、pHが所定範囲内で維持されつつ、スクリーンにより、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液と他の資材とに分離される。その結果、混合液93のうちのパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液(一部、他の資材等を含む)がスクリーンを通過して分離されて、第1除塵装置14から送出される(混合液94)。混合液93のうちのパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液を除いた他の資材がスクリーンを通過できず第1除塵装置14内に残存又は別途送出される。酸性溶液中のパルプ繊維と高吸水性ポリマーとを合わせた濃度としては、例えば0.1質量%以上、10質量%以下が挙げられ、0.1質量%以上、5質量%以下が好ましい。また、酸性溶液中のパルプ繊維と高吸水性ポリマーとの比は、例えば50〜90質量%:50〜10質量%が挙げられる。
なお、酸性水溶液は、少なくとも第1除塵工程S14までに、高吸水性ポリマーの比重及び大きさとそれぞれパルプ繊維の比重及び大きさとの相違が所定範囲内になるようにpHを調整され、第3分離工程S18まで維持されることが好ましい。所定範囲内とは、例えば一方が他方の0.2〜5倍の範囲内とする。この場合、第1除塵工程S14以前の工程は、高吸水性ポリマーとパルプ繊維とにおける比重及び大きさの相違がいずれも所定範囲内になるようにpHを調整された酸性水溶液と、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーとを混合して、高吸水性ポリマーを不活化する不活化工程と見ることができる。
第2除塵工程S15は、第2除塵装置15により実行される。第1除塵装置14から送出されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液、すなわち混合液94が、pHが所定範囲内で維持されつつ、スクリーンにより、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液と他の資材とに分離される。その結果、混合液94のうちのパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液(一部、他の資材等を含む)がスクリーンを通過して分離され、第2除塵装置15から送出される(混合液95)。混合液94のうちのパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液を除いた他の資材がスクリーンを通過できず第2除塵装置15内に残存又は別途送出される。
第3除塵工程S16は、第3除塵装置16により実行される。第2除塵装置15から送出されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液、すなわち混合液95が、pHが所定の範囲内で維持されつつ、逆向き円錐筐体内で遠心分離されて、酸性水溶液中のパルプ繊維及び高吸水性ポリマーと他の資材(比重の大きい異物)とに分離される。その結果、混合液95のうちのパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液が第3除塵装置16(サイクロン分離機)の上部から送出される(混合液96)。一方、混合液95のうちのパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液を除いた金属のような比重の大きい他の資材が第3除塵装置16(サイクロン分離機)の下部から送出される。
本方法(システム)は、異物(他の資材)を除去する除塵処理(第1除塵工程S14(第1除塵装置14)〜第3除塵工程S16(第3除塵装置16))に少なくとも第2除塵工程S15(第2除塵装置15)、第3除塵工程S16(第3除塵装置16))を備える。したがって、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを除いた使用済み吸収性物品の他の資材のうちの主に樹脂材料から大きさで容易に分離し(第2除塵工程S15(第2除塵装置15))、他の資材のうちの比重の大きい材料、例えば金属材料から比重で容易に分離できる(第3除塵工程S16(第3除塵装置16))。そして、その後にパルプ繊維と高吸水性ポリマーとを互いに分離することで(第2、3分離工程S17、S18(第2、3分離装置17、18))、使用済み吸収性物品からパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを容易に回収できる。このとき、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーと他の資材とを分離する処理の回数を低減でき、処理効率を高めることができる。
第2分離工程S17は、第2分離装置17により実行される。第3除塵装置16から送出されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液、すなわち混合液96が、ドラムスクリーンにより、酸性水溶液中のパルプ繊維と酸性水溶液中の高吸水性ポリマーとに分離される。その結果、混合液96から高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液がドラムスクリーンを通過して分離され、第2分離装置17から送出される(混合液97)。混合液96のうちのパルプ繊維を含む酸性水溶液がドラムスクリーンを通過できず第2分離装置17から別途送出される。混合液97の酸性水溶液中のパルプ繊維には分離しきれなかった高吸水性ポリマーが残存する。分離された高吸水性ポリマー及び酸性水溶液から高吸水性ポリマーをスクリーン分離機等で分離することで、高吸水性ポリマーを回収できる。
穴開け工程S11から第2分離工程S17までは、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液(例示:酸性水溶液)、すなわち混合液97を準備する工程と見ることができる。なお、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を準備する工程は、上記の各工程に限定されるものではなく、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を得られれば、他の工程であってもよい。
第3分離工程S18(固液分離工程)は、第3分離装置18により実行される。第2分離装置17から送出され、分離されず残った高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維及び酸性水溶液、すなわち混合液97が、ドラムスクリーンにより、パルプ繊維及び分離できなかった高吸水性ポリマーを含む固体、すなわち混合物98と、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液を含む液体とに分離される。そして分離と共に、固体中の高吸水性ポリマーが加圧されて押し潰される。その結果、混合液97から高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液がドラムスクリーンを通過して分離され、第3分離装置18から送出される。混合液97のうちの高吸水性ポリマーが押し潰されたパルプ繊維がドラムスクリーンを通過できず、ドラムスクリーン先端部の蓋体84の隙間Gから第3分離装置18の外側へ送出される(混合物98)。
例えば、図2に示す第3分離装置18では、まず、第2分離装置17から送出された、パルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液を含む混合液97がドラムスクリーン81内に投入されて、スクリュー軸82の周囲に到達する。駆動装置86によりスクリュー軸82が回転することで、スクリュー軸82の周囲の混合液97が、スクリュー軸82及びスクリュー羽根83によりドラムスクリーン81の側面に押し付けられて加圧されつつ、ドラムスクリーン81の先端部へ向かって搬送される。そのとき、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液がドラムスクリーン81の側面のスクリーンを通過することで混合液97から分離され、パルプ繊維及び一部の高吸水性ポリマーがドラムスクリーン81内に残存する。すなわち、混合液97からパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む固体である混合物98と、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液を含む液体Eとが分離される。そして、混合物98は、加圧されつつ、ドラムスクリーン81の先端部と、混合物98の搬送方向とは逆方向に加圧された蓋体84との隙間Gから、強制的に送出される。加圧されながら搬送され送出される過程で、混合物98中の高吸水性ポリマーが押し潰される。一方、液体Eは、筐体80から送出される。蓋体84に印加される押圧の圧力は、例えば、高吸水性ポリマーを十分に押し潰す観点から0.01MPa以上が挙げられ、圧力が高い方が高吸水性ポリマーをより押し潰せるが、省エネルギーの観点から1MPa以下が挙げられる。高吸水性ポリマーを十分に押し潰すことで、酸化剤処理工程S19で酸化剤処理の時間を大きく短縮できる。また、酸化剤処理工程S19を実行せず、洗浄工程S21を実行する場合には、洗浄工程S21にて、ある程度の量の高吸水性ポリマーを洗い流すことができる。
酸化剤処理工程S19は、酸化剤処理装置19により実行される。第3分離装置18から送出された固体中のパルプ繊維及び押し潰された高吸水性ポリマー(混合物98)が、酸化剤を含む水溶液で処理される。それにより、高吸水性ポリマーが酸化分解してパルプ繊維から除去される。その結果、混合物98のパルプ繊維に付着(例示:パルプ繊維の表面に残存)していた高吸水性ポリマーが、酸化剤(例示:オゾン)を含む水溶液(処理液)により酸化分解して、水溶液に可溶な低分子量の有機物に変化することで、パルプ繊維から除去される。ここで、高吸水性ポリマーが酸化分解し、水溶液に可溶な低分子量の有機物に変化した状態とは、高吸水性ポリマーが2mmのスクリーンを通過する状態をいう。それにより、パルプ繊維に含まれる高吸水性ポリマー等の不純物を除去し、純度の高いパルプ繊維を生成でき、酸化剤処理によるパルプ繊維の殺菌、漂白及び消臭を行うことができる。本実施形態では、酸化剤としてオゾンを用いる。
例えば図3に示す酸化剤処理装置19は、酸化剤処理工程S19として、前処理装置19−1にて、前処理供給工程S19−1a、前処理工程S19−1b及び前処理液移送工程S19−1cを行い、更に、処理装置19−2にて、供給工程S19−2a及び処理工程S19−2bを行う。
前処理供給工程S19−1aは、混合物98を、前処理槽101内の前処理液P1中に供給する。前処理工程S19−1bは、前処理槽101内にて、前処理槽101の底部から離れて前処理液P1中に存在する混合物98に向い、ガス状物質Z1を混合物98の下方からガス状物質放散部102aにより放散して、混合物98の高吸水性ポリマーを低減する。前処理液移送工程S19−1cは、前処理工程S19−1bにおいて高吸水性ポリマーが低減された混合物98を含む前処理液P1の少なくとも一部を、前処理槽101の下部から抜き出して、前処理槽105の上部から処理液P2へ移送する。
具体的には次のとおりである。
前処理供給工程S19−1aにおいて、第3分離工程S18にて分離された、高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維を含む混合物98は、水を追加されて水溶液となっている。その水溶液は、配管131、132を介して(V1開、V2閉)、ポンプ121で、前処理槽101の上部の供給口101aから前処理液P1中に供給される。
次いで、前処理工程S19−1bにおいて、前処理液P1は酸性水溶液であり、比重としては概ね1である。したがって、パルプ繊維は、前処理液P1の上部から下部へ向かって沈降してゆく。一方、ガス状物質生成部102bで生成されたオゾンを含有するガス状物質Z1は、配管133を介してガス状物質放散部102aから前処理槽101に放散される。ガス状物質Z1は、前処理槽101の下部付近から前処理液P1内に細かい気泡の状態(例示:マイクロバブル又はナノバブル)で連続的に放散され、前処理液P1の下部から上部へ向かって上昇してゆく。前処理液P1内を、上部から下部へ向かって沈降するパルプ繊維と、下部から上部へ向かって上昇するガス状物質Z1とが、対向して進みつつ衝突し合う。そして、ガス状物質Z1は、パルプ繊維の表面に、パルプ繊維を包み込むように付着する。そのとき、ガス状物質Z1中のオゾンが、パルプ繊維中の高吸水性ポリマーと反応し、高吸水性ポリマーを酸化分解して、前処理液P1に溶解させる。対向流なので、パルプ繊維に含まれる高吸水性ポリマーとガス状物質Z1との接触確率を高められる。それによりパルプ繊維の高吸水性ポリマーが低減され、高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維の粘度が低減される。よって、後段の処理工程S19−2bにおいて、エジェクタ107が高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維により詰まるということを防止できる。
次いで、前処理液移送工程S19−1cにおいて、前処理工程S19−1bにおいて高吸水性ポリマーが低減された混合物98を含む前処理液P1の少なくとも一部が、前処理槽101の下部の送出口101cから配管135を介してポンプ122により引き出され、処理槽105の上部の供給口105aから処理液P2中へ供給される。なお、前処理槽101の上部に蓄積したオゾンを含有するガス状物質Z1のオゾンはガス状物質分解装置103で分解され無害化されて外部へ放出される。
ただし、前処理供給工程S19−1aは、混合物を含む前処理液P1の少なくとも一部を、前処理槽101の下部から抜き出し、前処理槽101の上部から前処理液P1中に供給する工程を有してもよい。具体的には、混合物を含む前処理液P1の少なくとも一部が、前処理槽101の下部の送出口101bから配管132を介して(V1閉、V2開)ポンプ121により引き出され、前処理槽101の上部の供給口101aから前処理液P1中へ供給される。
供給工程S19−2aは、混合物98を含む水溶液をエジェクタ107の駆動流体供給口DIに供給しつつ、ガス状物質Z2をエジェクタ107の吸引流体供給口AIに供給する。処理工程S19−2bは、水溶液とガス状物質Z2とがエジェクタ107内で混合された混合液98Lを、処理槽105の下部に連接されたエジェクタ107の混合流体吐出口COから、処理槽105内の処理液P2中に吐出して、混合物98中の高吸水性ポリマーを低減する。
具体的には次のとおりである。前処理液移送工程S19−1cにおいて、高吸水性ポリマーが低減された混合物98を含む前処理液P1の少なくとも一部が、処理槽105の処理液P2中へ供給され、混合物98が処理液P2に沈降しつつ、処理液P2に含有される。処理液P2は酸性水溶液(オゾンの失活抑制及び高吸水性ポリマーの不活化のため)であり、比重としては概ね1である。
供給工程S19−2aでは、混合物98を含む処理液P2の少なくとも一部が、処理槽105の下部から引き出され、水溶液として駆動流体供給口DIに供給される。すなわち、混合物98を含む前処理液P1を含有した処理液P2の少なくとも一部が、配管136を介してポンプ123により処理槽105の下部の送出口105bから引き出され、水溶液としてエジェクタ107の駆動流体供給口DIに供給される。更に、ガス状物質供給装置106で生成されたオゾンを含有するガス状物質Z2が、配管137を介してエジェクタ107の吸引流体供給口AIに供給される。
続く処理工程S19−2bにおいて、エジェクタ107で混合物98を含む処理液P2とガス状物質Z2とが混合されて生成された混合液98Lが混合流体吐出口COから処理槽105内の処理液P2に吐出される。このとき、混合物98を含む処理液P2とガス状物質Z2とはエジェクタ107内の極めて狭い領域で混合されるので、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーの混合物98とガス状物質Z2とが極めて密接した混合液98Lを形成できる。また、混合液98Lが処理槽105内の処理液P2中に吐出されることで、処理液P2を撹拌することができる。更に、ガス状物質Z2は、処理液P2に吐出されるとき、細かい気泡の状態(例示:マイクロバブル又はナノバブル)で連続的に吐出されるので、処理液P2内で極めて広く拡散することができる。これらによって、処理槽105中のパルプ繊維に含まれる高吸水性ポリマーと、ガス状物質Z2に含まれるオゾンとの接触確率を極めて高くできる。それにより、パルプ繊維の高吸水性ポリマーが除去される。
その後、処理工程S19−2bにおいて高吸水性ポリマーが除去されたパルプ繊維を含む処理液P2の少なくとも一部が、処理槽105の下部の送出口105dから配管139を介してポンプ124により引き出され、混合液99として後段の機器へ移送される。なお、処理槽105の上部に蓄積したオゾンを含有するガス状物質Z2のオゾンはガス状物質分解装置108で分解され無害化されて外部へ放出される。
前処理液P1、処理液P2にオゾンを含有するガス状物質Z1、Z2を供給する場合、前処理液P1、処理液P2中のオゾン濃度は、例えば1〜50質量ppmが挙げられる。ガス状物質Z1、Z2中のオゾン濃度は、例えば40〜200g/mが挙げられる。ガス状物質Z1、Z2中のパルプ繊維(高吸水性ポリマーを含む)の濃度は、例えば0.1〜20質量%が挙げられる。パルプ繊維が前処理槽101、処理槽105内に存在する時間は、例えば2分〜60分が挙げられる。ガス状物質Z1、Z2は、好ましくは、マイクロバブル又はナノバブルで前処理液P1、処理液P2中に供給される。マイクロバブルは気泡の直径が1〜1000μm程度、ナノバブルは気泡の直径が100〜1000nm程度である。マイクロバブル又はナノバブルは微細な気泡であり、単位体積当たりの表面積が大きく、液中の上昇速度が遅いため、気泡がパルプ繊維に接触する確率を高められると共に、多くのパルプ繊維の表面に接触できる。それにより、パルプ繊維を微細な気泡で満遍なく包み込み、パルプ繊維とガス状物質との接触面積をより増加させることができる。更に、気泡の浮力により、高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維の沈降速度を低下させ、パルプ繊維とガス状物質との接触時間をより増加させることができる。よって、パルプ繊維に含まれる高吸水性ポリマーをより確実に酸化分解させて、パルプ繊維から除去できる。
ただし、酸化剤がオゾンの場合、処理液を酸性水溶液にすることで、オゾンの失活を抑制することができ、オゾンの効果(高吸水性ポリマーの酸化分解、殺菌、漂白、消臭)を高めることができる。加えて、高吸水性ポリマーを不活化できる他、破砕処理や除塵処理で酸性水溶液を用いている場合には、各処理間に連続性があるので、各処理間で水溶液が相違することで何らかの不都合が生じるおそれがなく、安定的かつ確実に処理を行うことができる。更に、酸による作業者や装置への影響の低減の観点から、酸性水溶液のうちの有機酸が好ましく、中でも金属の除去の観点からクエン酸が好ましい。
第4分離工程S20は、第4分離装置20により実行され、酸化剤処理装置19にて処理されたパルプ繊維を含む処理液、すなわち混合液99が、複数の開口を有するスクリーンを通過して、混合液99からパルプ繊維と処理液とが分離される。その結果、混合液99から処理液P2がスクリーンを通過して分離され、第4分離装置20から送出される。一方、混合液99のうちのパルプ繊維がスクリーンを通過できず第4分離装置20に残存、又は別途送出される。
洗浄工程S21(除去工程)は、洗浄装置21により実行され、第4分離装置20にて分離されたパルプ繊維(混合物100)が液体(例示:水)中で洗浄され、パルプ繊維に付着している不純物が洗い流されることで、リサイクルパルプ繊維、すなわち糖化用パルプ繊維が生成される。ただし、洗浄工程S21では、第3分離装置18で得られた、パルプ繊維を含む固体(混合物98)が、酸化剤処理工程S19及び第4分離工程S20を経ずに供給されて、液体中で洗浄等されてもよい。第3分離工程S18で得られたパルプ繊維に付着している高吸水性ポリマーが、洗浄等によりパルプ繊維から概ね取り除かれる。したがって、洗浄工程S21では、第3分離装置18で得られた、パルプ繊維を含む固体(混合物98)が、液体中で洗浄等されることで、高吸水性ポリマーが洗い流されて、リサイクルパルプ繊維、すなわち糖化用パルプ繊維が生成される。生成されるリサイクルパルプ繊維、すなわち糖化用パルプ繊維に含まれる高吸水性ポリマーは、糖化用パルプ繊維の10質量%以下である。第3分離工程S18の後に洗浄工程S21に移行する場合には、第3分離装置18の蓋体84に対する押圧をより強くすることで、糖化用パルプ繊維に含まれる高吸水性ポリマーを更に低減でき、5質量%以下にできる。更に、第3分離工程S18の後に酸化剤処理工程S19及び第4分離工程S20を経て洗浄工程S21に移行する場合には、洗浄工程S21前の段階でも、糖化用パルプ繊維に含まれる高吸水性ポリマーを実質的にゼロ質量%にできる。
糖化工程S22は、例えば糖化装置22により実行される。洗浄工程S21(除去工程)の後、リサイクルパルプ繊維、すなわち糖化用パルプ繊維が糖化され、糖化液が生成される。糖化工程S22としては、特に制限されるものではなく、当技術分野で公知の糖化方法が含まれる。上記糖化方法としては、例えば、特開2006−141244号公報、特開2009−183211号公報、特開2010−17084号公報、特開2010−36058号公報、特開2013−202021号公報などに記載の方法が挙げられる。高吸水性ポリマーが糖化用パルプ繊維の10質量%以下である糖化用パルプ繊維を用いると、糖化液の回収率及び糖回収率を向上できる。
ただし、高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維中の高吸水性ポリマーの割合は以下のようにして計測した。まず、高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維を、所定の絶乾方法(120℃で10分間加熱し、乾燥させる方法)で絶乾し、得られた絶乾物の絶乾重量W1を測定した。次いで、絶乾物を、オゾンを含有する水溶液中に浸漬して、得られた物を上記の絶乾方法で絶乾し、パルプ繊維として絶乾重量W2を測定した。そして、絶乾重量W1から絶乾重量W2を引いた重量を高吸水性ポリマーの重量とし、高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維中の高吸水性ポリマーの割合を、以下の式で計算した。すなわち、(高吸水性ポリマーの割合)=(絶乾重量W1−絶乾重量W2)/(試料重量W1)とした。
ただし、水溶液中のオゾンの濃度は、以下のようにして測定した。まず、ヨウ化カリウム約0.15gと10%のクエン酸溶液5mLを入れた100mLメスシリンダーに、オゾンが溶解した水溶液85mLを入れた。反応後、200mLの三角フラスコに移した。そこに、デンプン溶液を加え、紫色に着色させた後、0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウムで無色になるまで撹拌しながら滴定を行った。滴定値より以下の式を用いて、水溶液中のオゾンの濃度を算出した。水溶液中のオゾンの濃度(質量ppm)=滴定に要した0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム(mL)×0.24×0.85(mL)
本方法(システム1)は、パルプ繊維などを回収する回収処理(第2分離工程S17(第2分離装置17)〜洗浄工程S21(洗浄装置21))において、少なくとも固液分離工程(固液分離装置)、すなわち第3分離工程S18(第3分離装置18)と、除去工程(除去装置)、すなわち洗浄工程S21(洗浄装置21)と、を備えている。そして、第3分離工程S18(第3分離装置18)において、パルプ繊維に残存する、吸水したゲル状(塊状又は略球状)の高吸水性ポリマーを押し潰すことにより、高吸水性ポリマーを薄く且つ細分化して、パルプ繊維から取り除き易くできる。それゆえ、洗浄工程S21(洗浄装置21)において、パルプ繊維に残存する高吸水性ポリマーを、液体(例示:水)で比較的容易に洗い流すことができる。それにより、パルプ繊維から高吸水性ポリマーを効率的に削減することができ、したがって、高吸水性ポリマー(不純物)の少ない、純度の高い糖化用パルプ繊維を効率的に製造できる。この高吸水性ポリマー(不純物)の少ない糖化用パルプ繊維を用いて糖化液を製造することで、高吸水性ポリマーが糖化反応に悪影響を与えるおそれがなく、糖化液の生成後に高吸収性ポリマーを除去する必要も無いので、糖化液の回収効率を高めることができる。
実施の形態における好ましい態様として、第3分離工程S18(第3分離装置18)は、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液(例示:酸化水溶液)を、加圧式脱水法で処理して、パルプ繊維に残存する前記高吸水性ポリマーを押し潰す押し潰し工程(スクリュープレス脱水機)を含んでいてもよい。
本方法又はシステムは、加圧式脱水法により、パルプ繊維に残存する高吸水性ポリマーを押し潰すので、固液分離と、パルプ繊維上の高吸水性ポリマーの押し潰しとを同時に効率的かつ確実に実行することができる。すなわち、本方法又はシステムは、効率的かつ確実にパルプ繊維上の高吸水性ポリマーを薄く且つ細分化して、パルプ繊維から取り除き易くすることができる。それにより、パルプ繊維から高吸水性ポリマーをより効率的に削減できる。
実施の形態における好ましい態様として、第3分離工程S18(第3分離装置18)の前に、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含む不活化水溶液から、高吸水性ポリマー及び不活化水溶液の一部を分離する工程、すなわち第2分離工程S17(第2分離装置17)、を更に備えていてもよい。
本方法又はシステムは、第3分離工程S18(第3分離装置18)の前に、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含む不活化水溶液から、一定量の高吸水性ポリマー及び不活化水溶液を分離する。そのため、本方法又はシステムは、第3分離工程S18(第3分離装置18)に供給される材料(パルプ繊維、高吸水性ポリマー及び不活化水溶液)における高吸水性ポリマーの割合を低く抑えることができる。したがってパルプ繊維に残存し得る高吸水性ポリマーを第3分離工程S18(第3分離装置18)の前に削減できる。それにより、第3分離工程S18(第3分離装置18)において、パルプ繊維に付着している高吸水性ポリマーをより効率的に押し潰すことができ、パルプ繊維から高吸水性ポリマーを除去する処理の効率を高めることができる。
実施の形態における好ましい態様として、第3分離工程S18(第3分離装置18)の前に使用済み吸収性物品を不活化水溶液中で破砕する工程(S12を含む)と、破砕する工程(S12を含む)で得られた破砕物を含む不活化水溶液から、パルプ繊維と高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を分離する工程(S13を含み、好ましくはS14〜S16を含む)、と、を更に備えていてもよい。
本方法又はシステムは、第3分離工程S18(第3分離装置18)において供給される、使用済み吸収性物品から分離されたパルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含む不活化水溶液を、破砕する工程及び分離する工程により生成している。それにより、不活化水溶液中に異物(使い捨て吸収性物品のパルプ繊維及び高吸水性ポリマー以外の資材(例示:フィルム、不織布、弾性体))が混入することを抑制できる。それにより、異物に邪魔されることなく高吸水性ポリマーをより的確に押し潰すことができる。その結果、パルプ繊維から高吸水性ポリマーを除去する処理の効率を高めることができる。
実施の形態における好ましい態様として、第3分離工程S18(第3分離装置18)と洗浄工程S21(洗浄装置21)との間に、分離された固体を、酸化剤を含む水溶液で処理して、パルプ繊維から、押し潰された高吸水性ポリマーを除去する酸化剤処理工程S19(酸化剤処理装置19)を更に備えていてもよい。
本方法又はシステムでは、第3分離工程S18(第3分離装置18)においてパルプ繊維に残存するゲル状(塊状又は略球状)の高吸水性ポリマーを押し潰して、薄く且つ細分化し、高吸水性ポリマーの表面積を拡げることができ、塊状又は略球状の高吸水性ポリマーの内部を表側に露出させることができる。それゆえ、酸化剤処理工程S19(酸化剤処理装置19)において、塊状又は略球状の高吸水性ポリマーの場合には酸化剤と接触し難かった高吸水性ポリマーの内部を酸化剤に接触させることができるなど、高吸水性ポリマーおける酸化剤との接触面積を大きくできる。それにより、高吸水性ポリマーの酸化剤による酸化分解をより効率的に進めることができるので、パルプ繊維から高吸水性ポリマーをより効率的に削減できる。したがって、高吸水性ポリマー(不純物)のより少ない、より純度の高い糖化用パルプ繊維をより効率的に製造できる。ここで、酸化剤としては、オゾン、二酸化塩素、過酢酸、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素などが挙げられる。酸化剤を用いることは、殺菌も可能であり好ましい。
実施の形態における好ましい態様として、酸化剤は、オゾンであってもよい。
本方法又はシステムでは、酸化剤がオゾンであるため、高吸水性ポリマーの酸化分解をより強力に進行させることができ、高吸水性ポリマー(不純物)のより少ない、より純度の高い糖化用パルプ繊維をより効率的に製造できる。また、オゾンにより殺菌、漂白、消臭などの効果により、高吸水性ポリマー以外の不純物をパルプ繊維から取り除くことができ、より純度の高い糖化用パルプ繊維をより効果的に製造できる。
実施の形態における好ましい態様として、不活化水溶液は、酸性水溶液でもよい。
本方法又はシステムでは、不活化水溶液が酸性水溶液であるため、使用済み吸収性物品中の高吸水性ポリマーを確実に脱水し、所定の粒径以下にすることができる。それにより、第3分離工程S18(第3分離装置18)において、容易に、固液分離を行いつつ、高吸水性ポリマーを押し潰すことができる。その結果、パルプ繊維から高吸水性ポリマーをより効率的に削減できる。
実施の形態における好ましい態様として、洗浄工程S21(洗浄装置21)の後に、糖化用パルプ繊維を糖化して糖化液を製造する糖化工程を更に備えていてもよい。
本方法又はシステムは、少なくとも上記の第3分離工程S18(第3分離装置18)と洗浄工程S21(洗浄装置21)とにより製造された糖化用パルプ繊維を糖化して、糖化液を製造している。すなわち、高吸水性ポリマー(不純物)の少ない糖化用パルプ繊維を用いて糖化液を製造しているので、高吸水性ポリマーが糖化反応に悪影響を与えるおそれがなく、糖化液の生成後に高吸収性ポリマーを除去する必要も無いので、糖化液の回収効率を高めることができる。
実施の形態における好ましい態様として、酸化剤処理工程S19(酸化剤処理装置19)、を備える。そして、酸化剤処理工程S19(酸化剤処理装置19)において、少なくとも供給工程S19−2a及び処理工程S19−2b(処理装置19−2)を備える。供給工程S19−2a及び処理工程S19−2b(処理装置19−2)において、駆動流体である水溶液(高吸水性ポリマーとパルプ繊維を含む混合物98を含有)と吸引流体であるガス状物質Z2とをそれぞれエジェクタ107に供給し、エジェクタ107内で混合して、両者がよく混合された混合流体である混合液98Lを効率的に形成できる。このとき、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーの混合物98とガス状物質Z2とを極めて密接させることができる。また、その混合液98Lを処理槽105内の処理液P2中に吐出することで、処理液P2を撹拌することができる。更に、ガス状物質Z2は、処理液P2に吐出されるとき、細かい気泡の状態で連続的に吐出されるので、処理液P2内で極めて広く拡散することができる。それらにより、エジェクタ107から吐出される混合液98L中の高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維だけでなく、処理槽105内の処理液中の高吸水性ポリマーを含むパルプ繊維の両方で、高吸水性ポリマーとガス状物質Z2との反応を極めて効率的に進行できる。そして混合物98中の高吸水性ポリマーを適切に酸化分解して、処理液P2中に溶解させて除去できると共に、パルプ繊維の処理のムラを抑制できる。それにより、再生されたパルプ繊維、すなわちリサイクルパルプ繊維の純度を高くでき、再利用し易いリサイクルパルプ繊維を製造できる。よって、パルプ繊維から高吸水性ポリマーを適切に除去でき、リサイクルパルプ繊維を効率よく製造することが可能となる。
上述のように、供給工程S19−2a及び処理工程S19−2b(処理装置19−2)では、高吸水性ポリマーが付着したパルプ繊維とガス状物質との密接な接触や、混合液98Lによる処理液の攪拌や、気泡の広範囲な拡散などが、高吸水性ポリマーの除去に対して効果的に機能する。したがって、前処理工程S19−1b(前処理装置19−1)と比較して、処理工程S19−2b(処理装置19−2)の方が、処理効率が高い。ただし、パルプ繊維に付着する高吸水性ポリマーが多い場合には、高吸水性ポリマーにより混合物98の粘度が比較的高くなり得る。その場合、酸化剤処理工程S19(酸化剤処理装置19)に供給される、混合物98を含む水溶液を直接に処理装置19−2に供給すると、混合物98によりエジェクタ107が詰まることが考え得る。そこで、そのような場合に対処できるように、本実施形態では、供給工程S19−2a及び処理工程S19−2b(処理装置19−2)の前に、前処理工程S19−1b(前処理装置19−1)により混合物98のパルプ繊維に付着した高吸水性ポリマーを低減する。具体的には、供給工程S19−2aにて駆動流体供給口DIに供給される水溶液中の混合物98を、供給工程S19−2aの前に、前処理工程S19−1bにおいて前処理用のガス状物質Z1(例示:オゾンガス)に接触させる。それにより、供給工程S19−2aの前に、高吸水性ポリマーをある程度酸化分解させて、前処理液P1中に溶解させて除去できる。すなわち、前処理工程S19−1bにおいて、混合物98中の高吸水性ポリマーを、ある程度低減できる。更に、本実施形態では、前処理工程S19−1b後の前処理液P1の一部を、処理液P2へ移送することで、混合物98がエジェクタ107の駆動流体供給口DIに供給される前に、処理液P2中でも混合物98中の高吸水性ポリマーを低減することができる。それらにより、処理工程S19−2bにおいて、水溶液中の混合物98、すなわちパルプ繊維及び高吸水性ポリマーでエジェクタ107が詰まることを抑制できる。したがって、水溶液中の混合物98の量を多くしても、混合物98とガス状物質Z2との混合液98Lを形成して、処理槽105内へ安定的に吐出できる。それにより、処理工程S19−2bで処理できる水溶液中の混合物98を増加でき、リサイクルパルプ繊維をより効率よく製造することが可能となる。
なお、処理すべき混合物98の量が多い場合には、複数のエジェクタ107(及びポンプ123と配管136)を処理槽105に設けてもよい。この場合でも、上述のリサイクルパルプ繊維をより効率よく製造する効果を奏することができると共に、より多くの混合物98を処理することができ、処理効率をより向上することができる。また、複数のエジェクタ107を処理槽105に設けると、一つのエジェクタ107に供給する混合物98を少なくすることができるので、混合物98の粘度が高い場合であっても、前処理供給工程S19−1a及び前処理工程S19−1b(前処理装置19−1)を省略できる。
以下、実施例について説明する。本実施例では、使用済み吸収性物品に由来するリサイクルパルプ繊維を模擬した、模擬リサイクルパルプ繊維を用いて、リサイクルパルプ繊維における不活化高吸水性ポリマーの残存率と糖化との関係を測定した。
(1)模擬リサイクルパルプ繊維
第3分離工程S18後に酸化剤処理工程S19を経ずに洗浄工程S21を実行して得られるリサイクルパルプ繊維を模擬するために、以下のように、模擬不活化高吸収性ポリマー及び模擬パルプ繊維を形成した。
まず、水分を吸収していない高吸水性ポリマー、及び、不活化水溶液として1%クエン酸水溶液を準備した。そして、高吸水性ポリマーの体積の9倍の体積を有する1%クエン酸水溶液を、高吸収性ポリマーに吸収させて、10%不活化高吸水性ポリマーを調整した。その後、10%不活化高吸水性ポリマーをホモジェナイザー(型番:AHG−160D、アズワン社製)でペースト状になるまですり潰して、模擬不活化高吸収性ポリマーとした。一方、バージンパルプを準備して、模擬パルプ繊維とした。そして、バージンパルプ10gに対して、模擬不活化高吸収性ポリマー(水分未吸収換算)の残存率が、それぞれ0、1、5、10、20、30%となるように、模擬不活化高吸収性ポリマーを準備した。これら、模擬パルプ繊維と模擬不活化高吸収性ポリマーとを組み合わせたものは、それぞれ高吸収性ポリマー(水分未吸収換算)の残存率が0、1、5、10、20、30%のリサイクルパルプ繊維を模擬した模擬リサイクルパルプ繊維とみなすことができる。
(2)糖化
溶媒として250mMクエン酸緩衝溶液、溶質として模擬リサイクルパルプ繊維、すなわち模擬パルプ繊維及び模擬不活化高吸収性ポリマー、酵素としてCtec2(液体:Novozymes社製)、をそれぞれ準備した。
そして、容器に入れた溶媒に、10gの模擬パルプ繊維、模擬パルプ繊維に対して所定の質量%相当の模擬不活化高吸収性ポリマー、及び1.0gのCtec2をそれぞれ加えて攪拌して試料を生成した。その後、容器をラップフィルムで包んで50℃で静置し、24時間毎に、各試料のpH及びグルコース濃度を測定した。次いで、168時間経過後の各試料をナイロンメッシュ(N−NO.250HD:NBC工業製)に入れ、遠心分離機(分離機HI30:国産遠心株式会社製)を用いて150G(回転数850rpm)で遠心した。得られた残渣量を測定し、溶媒、模擬パルプ繊維、模擬不活化高吸収性ポリマー、酵素を合わせたすべての仕込み量から差分することで採取可能な糖液回収量を推定した。回収した糖液のグルコース濃度は、グルコース計(GF−501−H:タニタ製)を用いて測定した。グルコース濃度と推定した糖液回収量の積からそれぞれ回収可能なグルコース量を算出した。なお、グルコース濃度は測定期間中の最大値を採用した。すべての仕込み量に対する採取可能な糖液回収量を糖液回収率、すべてのパルプ繊維がグルコースに転換した理論量に対する回収可能なグルコース量を糖回収率とした。具体的には、糖回収率は、((グルコース量(g)))/((模擬パルプ繊維の仕込み量:10(g))×1.1)×100、の式で算出した。模擬不活化高吸収性ポリマーの残存率が0%の試料をブランクとし、模擬不活化高吸収性ポリマーの所定残存率の試料とブランクの試料とで糖液回収率及び糖回収率を比較することで、糖化反応に影響していない模擬不活化高吸収性ポリマーの混入可能濃度の最小値を探索した。
(3)結果
表1に、パルプ繊維(模擬リサイクルパルプ繊維)に残存する不活化高吸水性ポリマー(模擬不活化高吸収性ポリマー)の糖化への影響を示す。糖液回収率は、パルプ繊維中の不活化高吸水性ポリマーの残存率が増加するに連れて減少した。特に、残存率が10%を超えると、糖液回収率は著しく減少した。一方、糖回収率は、残存率5%までは、ブランクの試料と大差はなかった。しかし、残存率が10%を超えると、糖回収率は著しく減少し、残存率が20%では糖化が困難であった。したがって、リサイクルパルプ繊維に対する不活化高吸水性ポリマーの残存率は、10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。
Figure 0006818164
上記の実施形態は、裏面シートの構成部材をフィルムとし、表面シートの構成部材を不織布とする場合について説明している。しかし、裏面シートの構成部材を不織布とし、表面シートの構成部材をフィルムとする場合や、裏面シート及び表面シートの両方の構成部材をフィルムとする場合の実施形態についても、上記の実施形態と同様の方法で実現でき、同様の作用効果を奏することができる。
本発明の吸収性物品は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。
98 固体
E 液体
S18 第3分離工程(固液分離工程)
S21 洗浄工程(除去工程)

Claims (8)

  1. 使用済み吸収性物品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法であって、
    使用済み吸収性物品から分離されたパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を、前記パルプ繊維及び前記高吸水性ポリマーを含む固体と、前記高吸水性ポリマー及び前記不活化水溶液を含む液体とに分離しながら、前記高吸水性ポリマーを押し潰す固液分離工程と、
    分離された前記固体の前記パルプ繊維を液体中で洗浄して、残存する前記高吸水性ポリマーを洗い流すことにより、糖化用パルプ繊維を製造する除去工程と、
    を備える方法。
  2. 前記固液分離工程は、
    前記パルプ繊維及び前記高吸水性ポリマーを含む前記不活化水溶液を、加圧式脱水法で処理して、前記パルプ繊維に残存する前記高吸水性ポリマーを押し潰す押し潰し工程を含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記固液分離工程の前に、前記パルプ繊維と前記高吸水性ポリマーとを含む前記不活化水溶液から、前記高吸水性ポリマー及び前記不活化水溶液の一部を分離する工程を更に備える、
    請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記固液分離工程の前に、
    前記使用済み吸収性物品を不活化水溶液中で破砕する工程と、
    前記破砕する工程で得られた破砕物を含む不活化水溶液から、パルプ繊維と高吸水性ポリマーを含む不活化水溶液を分離する工程と、
    を更に備える、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記除去工程は、
    前記分離された前記固体を、酸化剤を含む水溶液で処理して、前記パルプ繊維から、前記押し潰された前記高吸水性ポリマーを除去する酸化剤処理工程を含む、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記酸化剤は、オゾンである、
    請求項5に記載の方法。
  7. 前記不活化水溶液は、酸性水溶液である、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記除去工程の後に、前記糖化用パルプ繊維を糖化して糖化液を製造する糖化工程を更に備える、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
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