JP7353327B2 - リサイクル資材の清浄度を評価する方法、及び使用済の衛生用品からリサイクル資材を製造する方法 - Google Patents
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Description
従って、本開示は、使用済の衛生用品に由来するリサイクル資材の清浄度を簡単に評価する方法を提供することを目的とする。
[態様1]
使用済の衛生用品に由来するリサイクル資材の清浄度の評価方法であって、
上記リサイクル資材が水に分散している分散水溶液を準備する準備ステップ、
上記分散水溶液を遠心分離し、液状成分と、固形成分とに分離する分離ステップ、
上記液状成分中のタンパク質の濃度を、タンパク質測定手段を用いて測定する測定ステップ、
を含む、上記評価方法。
また、上記評価方法は、リサイクル資材を、そのタンパク質含有成分の量に応じて、適切な物品にリサイクルすることに資することができ、リサイクル資材の製造方法において、清浄性を制御することに資することができ、そしてリサイクル資材を用いるユーザーに安心感を付与することができる。
上記準備ステップと、上記分離ステップとの間に、上記分散水溶液中に含まれる上記衛生用品の構成資材及び/又は上記リサイクル資材を除去する除去ステップをさらに含む、態様1に記載の評価方法。
上記使用済の衛生用品がパルプ繊維を含み、上記リサイクル資材がリサイクルパルプ繊維である、態様1又は2に記載の評価方法。
上記評価方法では、リサイクル資材がリサイクルパルプ繊維であるとともに、リサイクルパルプ繊維中の、水中に溶出しうるタンパク質含有成分、例えば、菌、体液等の量を簡易に測定することができるので、評価されるリサイクル資材(リサイクルパルプ繊維)に、一定の安全性を付与することができる。
上記分散水溶液の固形分濃度が、5.0質量%である、態様3に記載の評価方法。
上記タンパク質測定手段が、Modified Lowry法である、態様3又は4に記載の評価方法。
上記リサイクルパルプ繊維が、以下のステップ、
上記パルプ繊維を含む水溶液を、エジェクタを備える処理槽であって、上記エジェクタが、駆動流体供給口と、上記処理槽に連接される混合流体吐出口と、それらの間の吸引流体供給口とを備えるものの上記駆動流体供給口に供給しつつ、オゾンを上記吸引流体供給口に供給する供給ステップと、
上記水溶液及び上記オゾンが上記エジェクタ内で混合されることにより形成された混合液を、上記混合流体吐出口から、上記処理槽内の処理液中に吐出して、上記パルプ繊維中のタンパク質含有成分を分解し、リサイクルパルプ繊維を形成するリサイクルパルプ繊維形成ステップと、
を含む製造方法により製造された、態様3~5のいずれか一項に記載の評価方法。
上記使用済の衛生用品が、高吸水性ポリマーをさらに含み、上記供給ステップにおいて、上記水溶液が、上記高吸水性ポリマーをさらに含み、上記リサイクルパルプ繊維形成ステップにおいて、上記高吸水性ポリマーをさらに分解する、態様6に記載の評価方法。
上記製造方法が、上記供給ステップの前に、酸性水溶液を用いて、上記高吸水性ポリマーを不活化する不活化ステップを含む、態様7に記載の評価方法。
使用済の衛生用品からリサイクル資材を製造する方法であって、
上記使用済の衛生用品から上記リサイクル資材を形成するリサイクルステップ、
態様1~8のいずれか一項に記載の評価方法を用いて、上記リサイクル資材の清浄度を評価する評価ステップ、
を含む、上記方法。
<リサイクル資材の清浄度を評価する方法>
本開示のリサイクル資材の清浄度を評価する方法(以下、「リサイクル資材の清浄度を評価する方法」を、単に、『清浄度評価方法』と称する場合がある)は、以下のステップを含む。
・上記リサイクル資材が水に分散している分散水溶液を準備する準備ステップ(以下、「分散水溶液準備ステップ」と称する場合がある)
・上記分散水溶液を遠心分離し、液状成分と、固形成分とに分離する分離ステップ(以下、「固液分離ステップ」と称する場合がある)
・上記液状成分中のタンパク質の濃度を、タンパク質測定手段を用いて測定する測定ステップ(以下、「タンパク質濃度測定ステップ」と称する場合がある)
・分散水溶液中に含まれる上記衛生用品の構成資材又は上記リサイクル資材を除去する除去ステップ(以下、「資材除去ステップ」と称する場合がある)
準備ステップでは、リサイクル資材が水に分散している分散水溶液を準備する。
リサイクル資材を水に分散させることにより、リサイクル資材の表面に付着しているタンパク質含有成分、リサイクル資材(例えば、リサイクルパルプ繊維)の内部に入り込んでいるタンパク質含有成分等を水中に溶出させることができる。
なお、本明細書では、「溶出」は、対象成分が、任意の形態、例えば、溶解、分散等により水溶液中に移動することを意味する。
上記構成資材としては、例えば、液透過性シート、液不透過性シート、吸収体、例えば、パルプ繊維、高吸水性ポリマー、コアラップ等が挙げられる。
上記リサイクル資材が、湿潤状態にある場合、例えば、構成資材のリサイクル途中であり、水中に分散されている場合には、そのまま、分散水溶液とすることができる。
上記リサイクル資材がリサイクルパルプ繊維である場合には、上記水分散液は、リサイクルパルプ繊維を、5.0質量%の固形分濃度で含む。そうすることにより、水分散液を撹拌しやすくなるとともに、リサイクルパルプ繊維に含まれるタンパク質含有成分が水中に溶出しやすくなる。
なお、上記固形分濃度は、水分散液が、リサイクルパルプ繊維以外の不純物を含むことを考慮したものである。
なお、上記固形分濃度は、水分散液が、リサイクル資材以外の不純物を含むことを考慮したものである。
固形分(質量%),固形分濃度(質量%)=100×m1/m0
により測定することができる。
上記構成資材除去ステップは、所望によるステップで有り、分散水溶液中に含まれる上記衛生用品のリサイクル資材又は構成資材を除去する。そうすることにより、続く、固液分離ステップを実施しやすくなり、ひいては、タンパク質濃度測定ステップにおいて、タンパク質測定手段が、衛生用品のリサイクル資材及び構成資材の影響を受けにくくなる。
上記資材除去ステップは、衛生用品のリサイクル資材又は構成資材を透過させず、分散水溶液中のタンパク質含有成分を透過させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、分散水溶液を、フィルター、例えば、メッシュフィルターに通すことにより実施することができる。
なお、上記資材除去ステップでは、リサイクル資材又は構成資材の全量を除去する必要はない。続く固液分離ステップにて、液状成分と、固形成分とを分離するからである。
上記固液分離ステップでは、上記分散水溶液を遠心分離し、液状成分と、固形成分とに分離する。そうすることにより、固形成分、具体的には、衛生用品の構成資材が、続くタンパク質濃度測定ステップにおいて、測定値に影響を与えることを抑制することができる。
上記固液分離ステップでは、当技術分野で公知の遠心機を用いることができ、上記遠心機としては、例えば、久保田商事株式会社製のマイクロ冷却遠心機 Model 3740が挙げられる。
上記タンパク質濃度測定ステップでは、上記液状成分中のタンパク質濃度を、タンパク質測定手段を用いて測定する。
上記タンパク質測定手段としては、使用済の衛生用品に含まれうるタンパク質含有成分、具体的には、体液(例えば、排泄物、分泌物)、食品残渣、細菌等を測定することができる手段であれば特に制限されず、そして体液(例えば、排泄物、分泌物)、食品残渣、細菌等を一括して測定することができる手段であることが好ましい。
Modified Lowry法は、衛生用品の構成資材である、不織布、フィルム、パルプ繊維、高吸水性ポリマー等の影響を受けにくいために好ましい。
上記Modified Lowry法を行うためのキットとしては、例えば、Thermo Fisher Scientific社製のModified Lowry Protein Assay Kitが挙げられる。
上記Coomassie法を行うためのキットとしては、例えば、Thermo Fisher Scientific社製のCoomassie (Bradford) Protein Assay Kitが挙げられる。
Micro BCA法を行うためのキットとしては、例えば、Thermo Fisher Scientific社製のMicro BCA Protein Assay Kitが挙げられる。
Modified Lowry法、Coomassie法及びMicro BCA法を用いて、タンパク質濃度を測定する方法については、公知であるため、説明を省略する。
C(μg/mL)=B×(5.0/A)
で計算される濃度を意味する。
本開示の使用済の衛生用品からリサイクル資材を製造する方法(以下、「リサイクル資材製造方法」と称する場合がある)は、以下のステップを含む。
・上記使用済の衛生用品から上記リサイクル資材を形成するリサイクルステップ(以下、「リサイクルステップ」と称する場合がある)
・所定の清浄度評価方法を用いて、上記リサイクル資材の清浄度を評価する評価ステップ(以下、「評価ステップ」と称する場合がある)
上記リサイクルステップでは、使用済の衛生用品からリサイクル資材を形成する。
使用済の衛生用品からリサイクル資材を形成する具体的な手段としては、特に限定されず、当技術分野で公知のリサイクル手段を採用することができる。
例えば、リサイクル資材が高吸水性ポリマーで有り、高吸水性ポリマーをリサイクルする手段としては、例えば、特開2013-198862、特開2003-326161、特開2003-225645等に記載のものが挙げられる。
また、リサイクル資材が液不透過性シートであり、液不透過性シートをリサイクルする手段としては、例えば、特許文献2、特開2001-47023、特開2010-230807に記載のものが挙げられる。
[第1実施形態]
第1実施形態では、リサイクルのために使用済みの衛生用品を外部から回収又は取得し、回収等された使用済みの衛生用品からパルプ繊維及び高吸水性ポリマーの混合物を分離し、分離された混合物を、リサイクルパルプ繊維の製造に用いる。その際、使用済みの衛生用品が、複数個まとめられ、排泄物、細菌等が外部に漏れないように収集用の袋(以下「収集袋」ともいう。)に封入されて回収等される。各使用済みの衛生用品は、臭気、排泄物等が周囲に拡散しないように表面シートを内側にして丸められ又は折り畳まれている。
オゾン放散装置102は、前処理槽101内の前処理液P1中に前処理用のオゾンZ1を放散するための装置であり、オゾン放散部102aとオゾン生成部102bとを含む。オゾン生成部102bは、高吸水性ポリマーを前処理液P1に溶解可能に分解する前処理用のオゾンZ1を生成する。
オゾン分解装置103は、前処理槽101の上部に蓄積したオゾンZ1を、配管134を介して受け取り、オゾンを分解し無害化して外部へ放出する。
オゾン供給装置106は、高吸水性ポリマーを処理液P2に溶解可能に分解するオゾンZ2を生成し、エジェクタ107に供給する。
オゾン分解装置108は、処理槽105の上部に蓄積したオゾンZ2を、配管138を介して受け取り、オゾンZ2を分解し無害化して外部へ放出する。
上記不活化水溶液としては、酸性水溶液、多価金属イオンを含む水溶液等が挙げられる。
なお、本明細書において、pHは、温度20℃におけるpHを意味する。
上記アルカリ土類金属イオンとしては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムのイオンが挙げられる。上記アルカリ土類金属イオンとしては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム等が好ましく、そして塩化カルシウム水溶液がより好ましい。
また、オゾン処理により、パルプ繊維の表面又は内部に付着しているタンパク質含有成分が分解され、パルプ繊維(リサイクルパルプ繊維)から水中に溶出しうるタンパク質含有成分が除去される。
前処理工程S19-1bは、前処理槽101内にて、前処理槽101の底部から離れて前処理液P1中に存在する混合物98に向って、混合物の下方から、オゾンZ1を、前処理槽101内のオゾン放散部102aにより放散して、混合物98の高吸水性ポリマーを低減する。
前処理液移送工程S19-1cは、前処理工程S19-1bにおいて高吸水性ポリマーが低減された混合物98を含む前処理液P1の少なくとも一部を、前処理槽101の下部から抜き出して、前処理槽101の上部から処理液P2へ移送する。
前処理供給工程S19-1aにおいて、第3分離工程S18にて分離されたパルプ繊維(高吸水性ポリマーが残存)を含む混合物98は、水を追加されて水溶液となっている。その水溶液は、配管131、132を介して(V1開、V2閉)、ポンプ121で、前処理槽101の上部の供給口101aから前処理液P1中に供給される。
処理工程S19-2bは、水溶液とオゾンZ2とがエジェクタ107内で混合された混合液98Lを、処理槽105の下部に連接されたエジェクタ107の混合流体吐出口COから、処理槽105内の処理液P2中に吐出して、混合物98中の高吸水性ポリマーを低減する。
(1)100mLメスシリンダーに、ヨウ化カリウム約0.15gと、10質量%のクエン酸溶液5mLと、オゾンが溶解しているサンプル85mLとを投入する。
(2)メスシリンダーの内容物を反応させた後、反応物を200mLの三角フラスコに移す。
(3)三角フラスコに、デンプン溶液を加え、紫色に着色させる。
(4)三角フラスコの内容物を撹拌しながら、0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウムを用いて、三角フラスコの内容物が無色になるまで滴定し、滴定量:A(mL)を読み取る。
(5)水溶液中のオゾンの濃度(質量ppm)を、以下の式:
水溶液中のオゾンの濃度(質量ppm)
=A(mL)×0.24×0.85(mL)
により算出する。
第2実施形態では、オゾン処理工程S19a及びオゾン処理装置19aが、それぞれ、第1実施形態のオゾン処理工程S19及びオゾン処理装置19と相違する。以下、主に相違点について説明する。
第3実施形態では、オゾン処理工程S19b及びオゾン処理装置19bが、それぞれ、第1実施形態のオゾン処理工程S19及びオゾン処理装置19と相違する。以下、主に相違点について説明する。
評価ステップでは、所定の清浄度評価方法を用いて、上記リサイクル資材の清浄度を評価する。
所定の清浄度評価方法は、「リサイクル資材の清浄度を評価する方法」と同様であるため、説明を省略する。
上記水分非吸収用途としては、例えば、段ボール、紙(印刷用紙、包装用紙、書籍、雑誌等)等が挙げられる。
上記水分吸収用途としては、例えば、使い捨ておむつ、尿取りパッド、生理用ナプキン、生理用ショーツ、ベッドシート、ペットシート、食包シート、ウェットティッシュ等が挙げられる。
タンパク質測定手段として、ML法用のThermo Fisher Scientific社製のModified Lowry Protein Assay Kit(定量下限値:60μg/mL)と、Coomassie法用のCoomassie (Bradford) Protein Assay Kit(定量下限値:7μg/mL)と、Micro BCA法用のMicro BCA Protein Assay Kit(定量下限値:7μg/mL)とを準備した。
破砕装置として、スミカッター(住友重機械エンバイロメント株式会社製)を用いて、老人介護施設から回収された、計1400枚の使用済の使い捨ておむつ(約250kg)を破砕し、破砕物含有水溶液を形成した。なお、不活化水溶液として、約1tの0.16質量%水酸化カルシウム水溶液が用いられた。
破砕物含有水溶液を、第1分離装置としての横型洗濯機ECO-22B(株式会社稲本製作所製)に導入して、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーと、それ以外の構成資材とを分離し、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む水溶液を形成した。次いで、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む水溶液を、第1除塵装置、第2除塵装置及び第3除塵装置に通したのち、撹拌槽に移動させた。
第1抜取サンプルを、マイクロ冷却遠心機(久保田商事株式会社製 Model 3740,回転数:12,000rpm,温度:4℃,時間:5分間)を用いて遠心分離し、サンプルNo.1(製造例1)を形成した。
固形分濃度を約5質量%に調整した第2抜取サンプルを、マイクロ冷却遠心機(久保田商事株式会社製 Model 3740,回転数:12,000rpm,温度:4℃,時間:5分間)を用いて遠心分離し、サンプルNo.2(製造例2)を形成した。
ヴァージンパルプ繊維(Weyerhaeuser社製,NB416)を、2質量%のクエン酸水溶液に分散させ、5.0質量%の固形分濃度のヴァージンパルプ繊維分散水溶液を準備し、ヴァージンパルプ繊維分散水溶液を、製造例2と同一の条件で、オゾン処理及びエジェクタ処理を行った。処理後のヴァージンパルプ繊維分散水溶液の一部を抜き取り、第3抜取サンプルを形成した。第3抜取サンプルの固形分濃度を5.0質量%に調整した。
第3抜取サンプルを、マイクロ冷却遠心機(久保田商事株式会社製 Model 3740,回転数:12,000rpm,温度:4℃,時間:5分間)を用いて遠心分離し、サンプルNo.3を形成した。
高吸水性ポリマー(住友精化株式会社製,アクアキープ)を、2質量%のクエン酸水溶液に分散させ、5.0質量%の固形分濃度の高吸水性ポリマー分散水溶液を準備し、高吸水性ポリマー分散水溶液を、製造例2と同一の条件で、オゾン処理及びエジェクタ処理を行った。処理後の高吸水性ポリマー分散水溶液の一部を抜き取り、第4抜取サンプルを形成した。第4抜取サンプルには、5質量%の高吸水性ポリマーに相当する、分解した高吸水性ポリマーが含まれていた。
第4抜取サンプルを、マイクロ冷却遠心機(久保田商事株式会社製 Model 3740,回転数:12,000rpm,温度:4℃,時間:5分間)を用いて遠心分離し、サンプルNo.4を形成した。
サンプルNo.3及び4のそれぞれに、牛血清アルブミン(BSA)を、BSAの濃度が100μg/mL(ML法用)及び20μg/mL(Coomassie法及びMicro BCA法)となるように添加し、サンプルNo.5及び6を準備した。
サンプルNo.2を限外濾過してられたろ液及び残渣のうち、ろ液を、サンプルNo.7とした。
また、上記残渣を、限外濾過フィルターを、上記ろ液と略同量の脱イオン水を用いて洗浄し、洗浄液を、マイクロ冷却遠心機(久保田商事株式会社製 Model 3740,回転数:12,000rpm,温度:4℃,時間:5分間)を用いて遠心分離し、サンプルNo.8を形成した。
[検量線の作成]
Modified Lowry Protein Assay Kit、Coomassie (Bradford) Protein Assay Kit及びMicro BCA Protein Assay Kitに記載の方法に従って、検量線を作成した。
サンプルNo.1~No.8のタンパク質濃度を、ML法、Coomassie法及びMicro BCA法にて測定した。結果を表1に示す。
具体的には、ML法では、サンプル0.2mLに、Lowry試薬を1.0mL添加し、10分間室温でインキュベートし、次いで、Folin-Ciocalteu試薬を100μL添加し、室温で30分間インキュベートすることにより試験溶液を準備した。当該試験溶液を、純水を対照として、光路長1cmの石英マイクロセルで、750nmにおける吸光度を測定し、検量線を用いてタンパク質濃度を算出した。
なお、いずれのタンパク質測定手段においても、吸光度は、株式会社島津製作所製のUV-2450型紫外可視分光光度計を用いて測定した。
ML法では、サンプルNo.3及びNo.4において、タンパク質濃度が検出限界以下であり、そしてサンプルNo.5及びNo.6において、タンパク質濃度が、添加したBSAの濃度と同程度の100μg/mLであった。また、ML方では、タンパク質が検出限界以下であるサンプルNo.2に由来する、サンプルNo.7及びサンプルNo.8において、タンパク質が検出されなかった。
従って、ML法は、使用済の衛生用品の任意のリサイクル資材から水中に溶出しうるタンパク質含有成分の全量を、一度に、簡易に測定することができることがわかる。
Coomassie法では、サンプルNo.3において、タンパク質濃度が検出限界以下であり、そしてサンプルNo.5において、タンパク質濃度が、添加したBSAの濃度と同程度の22μg/mLであった。しかし、サンプルNo.4において、タンパク質濃度が30μg/mLと測定され、そしてサンプルNo.6においてタンパク質濃度が、添加したBSAよりも高濃度で検出されたことから、サンプルNo.4及びサンプルNo.6には、タンパク質の定量を阻害する要因が有ると考えられる。また、Coomassie法では、サンプルNo.7からタンパク質が検出されない一方で、サンプルNo.8からタンパク質が検出された。
それらの結果より、Coomassie法では、分解した高吸水性ポリマーがタンパク質に類する応答(偽陽性)を示したものと考えられる。
従って、Coomassie法は、使用済の衛生用品のリサイクル資材(高吸水性ポリマーを含まないもの)から水中に溶出しうる全てのタンパク質含有成分の量を、一度に、簡易に測定することができることが示唆される。
Micro BCA法では、サンプルNo.4において、タンパク質が検出限界以下であり、そしてサンプルNo.5及びNo.6において、タンパク質濃度が、添加したBSAの濃度と概ね同程度であった。しかし、タンパク質を含まないサンプルNo.2及びサンプルNo.3からタンパク質が検出された。また、Micro BCA法では、サンプルNo.7からタンパク質が検出される一方で、サンプルNo.8からタンパク質が検出されないことから、水溶性成分(キレート化剤として作用するクエン酸)が、偽陰性を示す阻害物質として、タンパク質の検出を阻害しているものと考えられる。
以上より、Micro BCA法では、クエン酸が、タンパク質の定量に影響を与えていることが示唆される。
従って、Micro BCA法は、使用済の衛生用品のリサイクル資材(キレート化剤を含まないもの)から水中に溶出しうる全てのタンパク質含有成分の量を、一度に、簡易に測定することができることが示唆される。
19-2a 供給工程
19-2b 処理工程
98 混合物
105 処理槽
107 エジェクタ
AI 吸引流体供給口
CO 混合流体吐出口
DI 駆動流体供給口
P2 処理液
Z2 オゾン
Claims (8)
- 使用済の衛生用品に由来するリサイクルパルプ繊維及び分解した高吸水性ポリマーを含む段ボール用混合物であって、
前記段ボール用混合物を5.0質量%の固形分濃度で分散させた水分散液が、タンパク質を、Modified Lowry法又はMicro BCA法により測定された150μg/mL以下の濃度で含む、
前記段ボール用混合物。 - 請求項1に記載の段ボール用混合物を含む段ボール。
- 使用済の衛生用品に由来するリサイクルパルプ繊維及び分解した高吸水性ポリマーを含む紙用混合物であって、
前記紙用混合物を5.0質量%の固形分濃度で分散させた水分散液が、タンパク質を、Modified Lowry法又はMicro BCA法により測定された150μg/mL以下の濃度で含む、
前記紙用混合物。 - 請求項3に記載の紙用混合物を含む紙。
- 使用済の衛生用品に由来するリサイクルパルプ繊維及び分解した高吸水性ポリマーを含む衛生用品の構成資材用混合物であって、
前記衛生用品の構成資材用混合物を5.0質量%の固形分濃度で分散させた水分散液が、タンパク質を、Modified Lowry法又はMicro BCA法により測定された150μg/mL以下の濃度で含み、
前記衛生用品の構成資材用混合物における衛生用品が、使い捨ておむつ、尿取りパッド、生理用ナプキン、生理用ショーツ、ベッドシート、ペットシート、食包シート又はウェットティッシュである、
前記衛生用品の構成資材用混合物。 - 前記構成資材が、透過性シート、液不透過性シート、吸収体、例えば、パルプ繊維、高吸水性ポリマー及び/又はコアラップである、請求項5に記載の衛生用品の構成資材用混合物。
- 請求項5又は6に記載の衛生用品の構成資材用混合物を含む衛生用品の構成資材。
- 請求項7に記載の衛生用品の構成資材を含む衛生用品。
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