JP6061875B2 - 使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法 - Google Patents

使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法 Download PDF

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Description

本発明は、使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法およびその方法により得られる再生パルプに関する。特に、パルプ繊維および高分子吸収材を含む使用済みの使い捨て紙おむつ等の衛生用品からパルプ繊維を回収する方法およびその方法により得られる再生パルプに関する。
使用済みの使い捨て紙おむつ等の衛生用品を再資源化する試みがなされている。使用済み衛生用品を再資源化するために、通常、使用済み衛生用品を水中で分解し、衛生用品の構成成分に分離し、回収することが行われる。しかし、衛生用品に含まれる高分子吸収材は、水分を吸収して質量が増加する上に、ゲル状になって流動性を失い、処理装置の処理能力を低下させる。
そこで、特許文献1は、水分を吸収した使用済み紙おむつ中の高分子吸収材を石灰で脱水することを開示している(請求項2)。それにより、高分子吸収材が軽量化されると共に、ゲル状から元の状態に戻って流動性を回復するので、処理装置の処理能力低下が避けられる(段落[0020])。
また、特許文献2は、使用済み紙おむつをリサイクルするにあたり、薬剤を使わずに紙おむつに含まれる高分子ポリマーを微粒子状にできる使用済みおむつの再生利用方法を開示している。その再生利用方法は、使用済み紙おむつを破断するとともにパルプ成分と非パルプ成分とに分解し、該分解したパルプ成分とビニール等の非パルプ成分との混合物を水で洗浄したのちに、該混合物から非パルプ成分を分離して回収し、非パルプ成分が除去されたパルプ成分に混在していて吸水膨張している高分子ポリマーを、粉砕機によってパルプ成分の繊維を破断することなく10μm以下の微粒子状に破断して、微粒子状の高分子ポリマーとパルプ成分と水とを含む懸濁液を形成し、該懸濁液を脱水してパルプ成分から高分子ポリマーを水と共に除去して、パルプ成分を回収するものである(請求項1)。特許文献2は、さらに、計量工程において、紫外線ランプやオゾン(気体)やオゾン水等を用いて使用済み紙おむつの殺菌および消臭を行うことを開示している(段落[0015])。
特開2009−183893号公報 特開2010−59586号公報
特許文献1に記載のように、石灰を用いて脱水された高分子吸水材は、粒子サイズが数μm〜数百μmの固形粉末となり、特に微小な粒子はパルプ繊維間に引っかかりやすく、物理的な水洗だけでは完全に除去しきれない。これにより回収したパルプ繊維を再利用しようとした際には、残存した高分子吸水材が異物となってしまうだけでなく、カルシウム塩の状態となっているため、回収したパルプ繊維中からは衛生用品基準値以上の灰分が検出されやすくなる。
また、特許文献2に記載のように、粉砕機によって、10μm以下の微粒子状に破断された高分子吸水材は、微小な粒子はパルプ繊維間に引っかかりやすく、物理的な水洗だけでは完全に除去しきない。これにより回収したパルプ繊維を再利用しようとした際には、残存した高分子吸水材が異物となってしまう。また、吸水膨張している高分子ポリマーを粉砕機で粉砕するため、手間と粉砕設備および処理エネルギーが多く必要となり、生産効率が悪い。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、パルプ繊維および高分子吸収材を含む使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法であって、該方法が、
使用済み衛生用品をオゾン水に浸漬して、高分子吸収材を分解する工程、
分解した高分子吸収材が溶けたオゾン水を排出して、高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を得る工程、および
高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を、消毒薬を含む水溶液中または水中で攪拌することにより、衛生用品の残渣を洗浄するとともに衛生用品の残渣を構成要素に分解する工程
を含むことを特徴とする。
本発明は、さらに、次の態様を含む。
[1] パルプ繊維および高分子吸収材を含む使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法であって、該方法が、
使用済み衛生用品をオゾン水に浸漬して、高分子吸収材を分解する工程、
分解した高分子吸収材が溶けたオゾン水を排出して、高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を得る工程、および
高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を、消毒薬を含む水溶液中または水中で攪拌することにより、衛生用品の残渣を洗浄するとともに衛生用品の残渣を構成要素に分解する工程
を含むことを特徴とする方法。
[2] オゾン水が酸性であることを特徴とする[1]に記載の方法。
[3] オゾン水が有機酸を含み、オゾン水のpHが3.0以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の方法。
[4] 使用済み衛生用品100質量部に対し300〜5000質量部のオゾン水に浸漬することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1つに記載の方法。
[5] 消毒薬が、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、酸性電解水、オゾン水、酸性のオゾン水、または有機酸を含むオゾン水であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1つに記載の方法。
[6] 前記方法がさらにパルプ繊維を乾燥する工程を含み、パルプ繊維を乾燥する工程により乾燥後のパルプ繊維の水分率を5〜13%にすることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1つに記載の方法。
[7] パルプ繊維を乾燥する温度が100〜200℃であることを特徴とする[6]に記載の方法。
[8] さらに、分解された衛生用品の残渣からパルプ繊維を分離する工程を含む[1]〜[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9] さらに、分離したパルプ繊維を洗浄する工程を含む[8]に記載の方法。
[10] さらに、洗浄したパルプ繊維を脱水する工程を含む[9]に記載の方法。
[11] さらに、プラスチック素材を分離回収する工程を含む[1]〜[10]のいずれか1つに記載の方法。
[12] パルプ繊維および高分子吸収材を含む使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法によって得られた灰分が0.8質量%以下かつ吸水倍率が12倍以上となるようにされた再生パルプであって、前記方法が、
使用済み衛生用品をオゾン水に浸漬して、高分子吸収材を分解する工程、
分解した高分子吸収材が溶けたオゾン水を排出して、高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を得る工程、および
高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を、消毒薬を含む水溶液中または水中で攪拌することにより、衛生用品の残渣を洗浄するとともに衛生用品の残渣を構成要素に分解する工程
を含むことを特徴とする再生パルプ。
[13] オゾン水が酸性であることを特徴とする[12]に記載の再生パルプ。
[14] オゾン水が有機酸を含み、オゾン水のpHが3.0以下であることを特徴とする[12]または[13]に記載の再生パルプ。
本発明は、使用済み衛生用品中の高分子吸収材をオゾン水で分解して、除去するので、パルプ繊維を効率的に回収することができるとともに、灰分の少ないパルプ繊維を再生することができる。
本発明は、パルプ繊維および高分子吸収材を含む使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法である。
衛生用品としては、パルプ繊維および高分子吸収材を含むものであれば、特に限定されるものではなく、使い捨て紙おむつ、尿取りパッド、生理用ナプキン、パンティーライナー等を例示することができる。
パルプ繊維としては、特に限定するものではないが、フラッフ状パルプ繊維、化学パルプ繊維等を例示することができる。
高分子吸収材とは、高吸収性ポリマー(SAP)とも呼ばれ、水溶性高分子が適度に架橋された三次元網目構造を有するもので、数百倍〜千倍の水を吸収するが本質的に水不溶性であり、一旦吸収された水は多少の圧力を加えても離水しないものであり、たとえば、デンプン系、アクリル酸系、アミノ酸系の粒子状または繊維状のポリマーを例示することができる。
本発明の方法は、
使用済み衛生用品をオゾン水に浸漬して、高分子吸収材を分解する工程、
分解した高分子吸収材が溶けたオゾン水を排出して、高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を得る工程、および
高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を、消毒薬を含む水溶液中で攪拌することにより、衛生用品の残渣を洗浄するとともに衛生用品の残渣を構成要素に分解する工程
を含む。
本発明の方法は、必要に応じ、さらに、
分解された衛生用品の残渣からパルプ繊維を分離する工程、
分離したパルプ繊維を洗浄する工程、
洗浄したパルプ繊維を脱水する工程、
脱水したパルプ繊維を乾燥する工程
を含む。
最初の工程は、使用済み衛生用品をオゾン水に浸漬して、高分子吸収材を分解する工程(以下単に「オゾン水浸漬工程」という。)である。
この工程において、高分子吸収材は分解し、低分子量化し、可溶化する。ここで、高分子吸収材が分解し、低分子量化し、可溶化した状態とは、2mmのスクリーンメッシュを通過する状態をいうものとする。すなわち、この工程において、高分子吸収材を、2mmのスクリーンメッシュを通過する程度にまで分解する。
この工程において用いるオゾン水とは、オゾンが溶けた水をいう。オゾン水は、たとえば、オゾン水発生装置(エコデザイン株式会社製オゾン水曝露試験機ED−OWX−2、三菱電機株式会社製オゾン発生装置OS−25Vなど)を用いて調製することができる。
オゾン水のオゾン濃度は、高分子吸収材を分解することができる濃度であれば、特に限定されないが、好ましくは1〜50質量ppmであり、より好ましくは2〜40質量ppmであり、さらに好ましくは3〜30質量ppmである。濃度が低すぎると、高分子吸収材を完全に可溶化することができず、回収したパルプ繊維に高分子吸収材が残存する虞がある。逆に、濃度が高すぎると、酸化力も高まるため、パルプ繊維に損傷を与える虞があるとともに、安全性にも問題を生じる虞がある。
オゾン水に浸漬する時間は、高分子吸収材を分解することができる時間であれば、特に限定されない。オゾン水に浸漬する時間は、オゾン水のオゾン濃度が高ければ短くてよく、オゾン水のオゾン濃度が低ければ長い時間を要する。
オゾン水のオゾン濃度(ppm)とオゾン水に浸漬する時間(分)の積(以下「CT値」ともいう。)は、好ましくは100〜6000ppm・分であり、より好ましくは200〜4800ppm・分であり、さらに好ましくは300〜3600ppm・分である。CT値が小さすぎると、高分子吸収材を完全に可溶化することができず、回収したパルプ繊維に高分子吸収材が残存する虞がある。逆に、CT値が大きすぎると、パルプ繊維の損傷、安全性の低下、製造原価の増加につながる虞がある。
オゾン水に浸漬する時間は、オゾン水のオゾン濃度に依存することは、上述のとおりであるが、好ましくは20〜120分であり、より好ましくは30〜100分であり、さらに好ましくは40〜80分である。
オゾン水の量は、高分子吸収材を分解することができる量であれば、特に限定されないが、使用済み衛生用品100質量部に対し、好ましくは300〜5000質量部であり、より好ましくは500〜4000質量部であり、さらに好ましくは800〜3000質量部である。オゾン水の量が少なすぎると、高分子吸収材を完全に可溶化することができず、回収したパルプ繊維に高分子吸収材が残存する虞がある。逆に、オゾン水の量が多すぎると、製造原価の増加につながる虞がある。
オゾン水浸漬工程において、使用済み衛生用品をオゾン水に浸漬する方法は、特に限定されないが、たとえば、容器にオゾン水を入れ、そのオゾン水の中に使用済み衛生用品を入れればよい。浸漬している間、容器の内容物を攪拌してもよいが、攪拌しなくてもよい。また、容器に入れたオゾン水の中にオゾンガスを吹き込み、オゾンガスの泡の上昇によって、オゾン水の中に弱い流れを発生させてもよい。オゾン水の温度は、高分子吸収材を分解することができる温度であれば、特に限定されない。オゾン水を加熱してもよいが、室温のままでもよい。
オゾン水浸漬工程では、高分子吸水材がオゾンによる酸化分解作用を受け、高分子吸水材の三次元網目構造が崩れ、高分子吸水材は保水性を失い、低分子量化し、可溶化する。流動性が高くなった高分子吸水材はオゾン水中に溶け出す。また、衛生用品の接合等に使用されているホットメルト接着剤もオゾン水で酸化劣化し、衛生用品の構成要素間の接合強度が弱くなる。さらに、この工程では、オゾンの殺菌作用により、使用済み衛生用品が一次消毒される。
オゾン水は酸性であることが好ましい。より好ましくは、オゾン水のpHは3.0以下であり、さらに好ましくは1.5〜2.5である。酸性のオゾン水で処理することにより、初期の高分子吸水材の吸水膨張を抑制することができ、オゾンによる高分子吸水材の分解除去効果が飛躍的に向上する(短時間で高分子吸水材を分解することができる)とともに、酸による消毒効果も付与することができる。ちなみに、高分子吸水材の吸水膨張の抑制の原理は、酸性水溶液に対しては、マイナスに帯電したカルボキシル基がプラスに帯電された水素イオンによって中和されるため、カルボキシル基のイオン反発力が弱まり、吸水力が低下することとなると考えられる。
酸性のオゾン水は、オゾン水に酸を添加することにより製造することができる。
酸としては、特に限定されるものではなく、無機酸および有機酸を用いることができるが、好ましくは有機酸である。有機酸は弱酸域で機能しかつ環境に優しいので、安全性と環境負荷の観点から有機酸の方が好ましい。有機酸としては、特に限定するものではないが、酒石酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、アスコルビン酸等を挙げることができる。
酸性のオゾン水のpHは、酸の種類および酸の添加量により、調製することができる。酸性のオゾン水中の有機酸の濃度は、pHが所定の範囲内にある限り、限定されないが、好ましくは0.1〜2.0質量%であり、より好ましくは0.1〜1.0質量%である。
また、有機酸によりpH3.0以下とすることにより、特にオゾンガスが直接触れ難い、紙おむつ内部の消毒効果を高めることができる。
次の工程は、分解した高分子吸収材が溶けたオゾン水を排出して、高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を得る工程(以下単に「オゾン水排出工程」という。)である。この工程では、オゾン水に溶け出した分解した高分子吸収材が、オゾン水とともに排出され、使用済み衛生用品の残渣には高分子吸収材の固形粒子は残らない。オゾン水を排出する方法は、特に限定されないが、たとえば、容器の底部に栓を設けておき、その栓を抜いて、オゾン水を排出してもよいし、容器から衛生用品の残渣を取り出し、その後、オゾン水を容器から排出してもよい。この工程では、たとえば、分解した高分子吸収材が溶けたオゾン水を2mmのスクリーンメッシュに通過させて排出する。この工程の前のオゾン水浸漬工程において、高分子吸収材は2mmのスクリーンメッシュを通過する程度にまで分解されているので、このオゾン水排出工程において、分解した高分子吸収材は、2mmのスクリーンメッシュを通過し、オゾン水とともに排出される。
次の工程は、高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を、消毒薬を含む水溶液中または水中で攪拌することにより、衛生用品の残渣を洗浄するとともに衛生用品の残渣を構成要素に分解する工程(以下単に「洗浄・分解工程」という。)である。
洗浄・分解工程において使用する水に、消毒薬は必ずしも含まれる必要はないが、消毒薬を含む水溶液を使用してもよい。消毒薬は、特に限定されないが、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、酸性電解水、オゾン水等を例示することができ、なかでも経済性・汎用性の観点から次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
消毒薬を含む水溶液を使用する場合、消毒薬を含む水溶液中の消毒薬の濃度は、消毒の効果が発揮される限り、特に限定されないが、好ましくは10〜300質量ppmであり、より好ましくは30〜280質量ppmであり、さらに好ましくは50〜250質量ppmである。濃度が低すぎると、十分な消毒の効果が得られず、回収されたパルプ繊維に細菌等が残存する虞がある。逆に、濃度が高すぎると、消毒薬の浪費につながるばかりでなく、パルプ繊維を傷めたり、安全性の問題を生じたりする虞がある。
洗浄・分解工程における攪拌は、衛生用品の残渣が洗浄され構成要素に分解される限り、特に限定されないが、たとえば洗濯機を用いて行うことができる。攪拌の条件も、衛生用品の残渣が洗浄され構成要素に分解される限り、特に限定されないが、たとえば、攪拌時間は、好ましくは5〜60分であり、より好ましくは10〜50分であり、さらに好ましくは20〜40分である。
洗浄・分解工程では、高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣が洗浄されるとともに、衛生用品が構成要素にばらばらに分解される。前記のオゾン水浸漬工程において、衛生用品の接合等に使用されているホットメルト接着剤がオゾン水で酸化劣化し、衛生用品の構成要素間の接合強度が弱くなっているので、この洗浄・分解工程において、攪拌により簡単に衛生用品を構成要素に分解することができる。消毒薬を含む水溶液を使用した場合には、消毒薬による消毒も行われる。
次の工程は、分解された衛生用品の残渣からパルプ繊維を分離する工程(以下単に「パルプ繊維分離工程」という。)である。
分解された衛生用品の残渣からパルプ繊維を分離する方法は、限定するものではないが、たとえば、分解された衛生用品の残渣を含む液中に浮遊するパルプ繊維をすくい取ることによって行うことができる。
次の工程は、分離したパルプ繊維を洗浄する工程(以下「パルプ繊維洗浄工程」という。)である。
分離したパルプ繊維を洗浄する方法は、限定するものではないが、たとえば、分離したパルプ繊維をメッシュ袋に入れ、水ですすぎ洗いをすることにより行うことができる。すすぎ洗いは、回分式で行ってもよいし、半回分式で行ってもよいし、流通式で行ってもよい。回分式で行う場合は、たとえば洗濯機を用いてすすぎ洗いを行うことができる。
洗浄の条件は、パルプ繊維以外の物質が十分に除去される限り、特に限定されないが、たとえば、洗浄時間は、好ましくは3〜60分であり、より好ましくは5〜50分であり、さらに好ましくは10〜40分である。回分式で行う場合、使用する水の量は、パルプ繊維100質量部(絶乾質量)に対し、好ましくは500〜5000質量部であり、より好ましくは800〜4000質量部であり、さらに好ましくは1000〜3000質量部である。
次の工程は、洗浄したパルプ繊維を脱水する工程(以下「パルプ繊維脱水工程」という。)である。
洗浄したパルプ繊維を脱水する方法は、限定するものではないが、たとえば、メッシュ袋に入った洗浄したパルプ繊維を、脱水機で脱水することにより行うことができる。
脱水の条件は、水分率を目標とする値まで下げることができる限り、特に限定されないが、たとえば、脱水時間は、好ましくは1〜10分であり、より好ましくは2〜8分であり、さらに好ましくは3〜6分である。
パルプ繊維洗浄工程とパルプ繊維脱水工程は、1回ずつでもよいが、交互に複数回繰り返してもよい。
最後の工程は、脱水したパルプ繊維を乾燥する工程(以下「パルプ繊維乾燥工程」という。)である。
脱水したパルプ繊維を乾燥する方法は、限定するものではないが、たとえば、熱風乾燥機等の乾燥機を用いて行うことができる。
乾燥の条件は、パルプ繊維が十分に乾燥される限り、特に限定されないが、たとえば、乾燥温度は、好ましくは100〜200℃であり、より好ましくは110〜180℃であり、さらに好ましくは120〜160℃である。乾燥時間は、好ましくは10〜120分であり、より好ましくは20〜80分であり、さらに好ましくは30〜60分である。
乾燥後のパルプ繊維の水分率は、好ましくは5〜13%であり、より好ましくは6〜12%であり、さらに好ましくは7〜11%である。水分率が低すぎると、水素結合が強くなり、硬くなりすぎる場合があり、逆に、水分率が多すぎるとカビ等が発生する場合がある。
パルプ繊維の水分率は、次のように測定する。なお、この測定は、20℃±1℃の雰囲気下にて実施する。
(1)測定対象サンプルを入れる容器(ふたの無い容器)の質量A(g)を測定する。
(2)測定対象サンプル約5gを準備し、(1)で質量を測定した容器内に入れ、サンプルの入った容器の質量B(g)を測定する。
(3)サンプルの入った容器を、105℃±3℃の温度とされたオーブン内に2時間置く。
(4)サンプルの入った容器をオーブンから取り出し、デシケータ(乾燥剤:着色シリカゲルの入ったもの)内に30分間置く。
(5)サンプルの入った容器をデシケータから取り出し、質量C(g)を測定する。
(6)水分率(%)を、次式により算出する。
水分率(%)=(B−C)/(C−A)×100
本発明の方法は、さらに、プラスチック素材を分離回収する工程(以下「プラスチック素材分離回収工程」という。)を含むことができる。ここで、プラスチック素材とは、不織布素材、フィルム素材、エラストマー素材等をいう。プラスチック素材分離回収工程は、前記の洗浄・分解工程の後、パルプ繊維分離工程と並列して行うことができる。プラスチック素材分離回収工程では、前記のパルプ繊維洗浄工程、パルプ繊維脱水工程およびパルプ繊維乾燥工程と同様の洗浄工程、脱水工程および乾燥工程を含むことができる。回収されたプラスチック素材は、たとえば、RPF化処理して、固形燃料として利用することができる。
本発明は、高分子吸水材をオゾン水で分解することにより低分子量化し、可溶化することによって、高分子吸水材がオゾン水に溶け、オゾン水とともに高分子吸水材を排出することができるので、高分子吸水材がパルプ繊維間に残留することがなく、衛生材料基準に適合した灰分のパルプ繊維を効率良く回収することができる。本発明の方法によれば、高分子吸水材の吸水能失活に石灰等の金属塩を使用しないため、不活性化された高分子吸水材(Ca架橋体)に由来した灰分は検出されない。また、本発明の方法によれば、高分子吸水材を可溶化するので、膨潤した高分子吸水材によって処理槽内の流動性を失うことが無く、処理装置の能力低下は起こらない。また、本発明の方法によれば、溶存オゾン濃度1〜50ppmの比較的低濃度で、高分子吸収材の分解可溶化が可能であり、安全に処理することが可能である。また、本発明の方法によれば、オゾン水浸漬工程において、衛生用品の接合等に使用されているホットメルト接着剤がオゾン水で酸化劣化し、衛生用品の構成要素間の接合強度が弱くなっているので、洗浄・分解工程において、攪拌により簡単に衛生用品を構成要素に分解することができる。
また、本発明の方法によれば、最初の段階で、回収おむつをオゾン水に浸漬し、オゾンの酸化力で高分子吸収材を酸化分解することによって、膨潤粒子状であったものを水溶液化させるとともに、一次消毒を行い、次の洗浄工程では、オゾン水で落としきれなかった汚れや追加消毒(二次消毒)を行い、その後、パルプ繊維とその他素材(プラスチック素材等)に分離し、それぞれ加熱乾燥を行い、乾燥と熱消毒(三次消毒)を行う。初期段階で高分子吸収材を溶解除去することにより、シンプルな工程で効率良くリサイクル可能となり、また高分子吸収材の溶解にオゾン水を使用することにより、合計3回の消毒が可能となり、高いレベルの安全性を担保することが可能となる。
本発明は、また、前記のパルプ繊維および高分子吸収材を含む使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法によって得られた灰分が0.8質量%以下かつ吸水倍率が12倍以上となるようにされた再生パルプである。ここで、再生パルプとは、使用済みの衛生用品のパルプから回収・処理されたものを指す。再生パルプは、灰分の比率により、吸収性物品としての性能(パルプの吸水倍率)が変化する。本発明の方法にて、得られる再生パルプは、吸水倍率が一定以上になるようにオゾン水を使って処理される。
灰分とは、有機質が灰化されてあとに残った無機質または不燃性残留物の量をいう。灰分は、生理処理用品材料規格の「2.一般試験法」の「5.灰分試験法」に従って測定する。すなわち、灰分は、次のようにして測定する。
あらかじめ白金製、石英製または磁製のるつぼを500〜550℃で1時間強熱し、放冷後、その質量を精密に量る。試料2〜4gを採取し、るつぼに入れ、その質量を精密に量り、必要ならばるつぼのふたをとるか、またはずらし、初めは弱く加熱し、徐々に温度を上げて500〜550℃で4時間以上強熱して、炭化物が残らなくなるまで灰化する。放冷後、その質量を精密に量る。再び残留物を恒量になるまで灰化し、放冷後、その質量を精密に量り、灰分の量(%)とする。
吸水倍率は、単位質量あたりのパルプ繊維が吸収する水の質量をいう。吸水倍率は、次のように測定する。
(1)ナイロンネット(株式会社NBCメッシュテック製250メッシュナイロンネット)の袋(200mm×200mm)を準備し、その質量N(g)を測定する。
(2)ナイロンネットに測定サンプル約5gを入れ、ナイロンネットの袋を含む質量A(g)を測定する。
(3)ビーカーに0.9%濃度の生理食塩水1Lを入れ、準備したサンプル入りのナイロンネットの袋を浸漬させ3分間放置する。
(4)袋を引き上げ、水切りネット上に3分間静置し、水切りする。
(5)サンプルの入ったナイロンネットの袋の水切り後の質量A(g)を測定する。
(6)同一のサイズにて切り出したナイロンネットをもう1セット準備し、サンプルを入れずに(3)、(4)を同様に実施し、水切り後のナイロンネットの袋のみの質量N(g)を測定する。
(7)次式により、吸水倍率(倍)を算出する。
吸水倍率=(A−N−(A−N))/(A−N
(8)測定は10回行い、10回の測定値を平均する。
[高分子吸収材のオゾン水処理]
オゾン水発生装置(エコデザイン株式会社製オゾン水曝露試験機ED−OWX−2)を用いて、オゾン濃度6.1ppmのオゾン水を調製した。
高分子吸収材(住友精化株式会社製高吸水性ポリマー「アクアキープ」SA60)1.00gに0.9%濃度の生理食塩水を50mL吸水させた。あらかじめ生理食塩水を吸水させたのは、尿を吸収した状態に近づけるためである。その生理食塩水を吸水させた高分子吸収材を25cm×25cmのメッシュ袋(25cm四方、株式会社NBCメッシュテック製N−No.250HD)に入れ、2リットルのガラス容器中で、オゾン濃度6.1ppmのオゾン水に240分間浸漬した。高分子吸収材の粒子形状の経時変化を観察するとともに、その質量を経時的に測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006061875
なお、高分子吸収材の質量は、次のとおり測定した。
予め9個のサンプルをオゾン水に浸漬し、浸漬時間ごとに1袋ずつ取り出し、105℃の温風式恒温槽にて乾燥後、電子天秤にて質量を測定し、最初のメッシュ袋質量を差し引き高分子吸収材の溶解除去量を算出した。
[オゾン水の初期濃度の影響]
オゾン水発生装置(エコデザイン株式会社製オゾン水曝露試験機ED−OWX−2)を用いて、オゾン濃度10ppm、6.1ppm、1.7ppmのオゾン水を調製した。
高分子吸収材(住友精化株式会社製高吸水性ポリマー「アクアキープ」SA60)1.00gを25cm×25cmのメッシュ袋(25cm四方、株式会社NBCメッシュテック製N−No.250HD)に入れ、2リットルのガラス容器中で、各オゾン濃度のオゾン水に浸漬した。高分子吸収材の質量を経時的に測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006061875
処理開始時のオゾン濃度が高い方が、高分子吸収材の溶解が速くなり、短時間で溶解除去が可能となる。
実施例1
市販の紙おむつ(ユニ・チャーム株式会社製「ムーニー」Mサイズ)に生理食塩水200mLを吸水させた後、2Lのガラス容器中でオゾン濃度約5ppmのオゾン水の中に240分間入れて前処理を行なった。前処理を行なった紙おむつを2槽式小型洗濯機(アルミス社製「晴晴」AST−01)の洗濯槽に8個投入し、続けて濃度250ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製次亜塩素酸ナトリウムを水道水で希釈したもの)6.5Lを加えた。15分間洗濯後に洗濯槽内の液を排水し、濃度250ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液6.5Lを新たに投入した。
15分間洗濯後、水洗濯槽内の液中に浮遊するパルプのみをすくい取り、メッシュ袋(25cm四方、株式会社NBCメッシュテック製N−No.250HD)に入れ、脱水槽で5分間脱水した。回収したパルプをメッシュ袋ごと水道水で15分間すすぎ洗いを行ない、再び脱水槽で5分間脱水した。回収したパルプを105℃の熱風乾燥機で24時間乾燥させた。
回収したパルプの灰分を、生理処理用品材料規格の「2.一般試験法」の「5.灰分試験法」により測定したところ、0.23質量%であった。なお、実施例および比較例に用いた市販の紙おむつにもともと含まれていたパルプの灰分は、0.18質量%であった。
回収したパルプの吸水倍率を、前述の方法により測定したところ、16倍であった。なお、実施例および比較例に用いた市販の紙おむつにもともと含まれていたパルプの吸水倍率は16倍であった。
実施例2
市販の紙おむつ(ユニ・チャーム株式会社製「ムーニー」Mサイズ)に生理食塩水200mLを吸水させた後、2Lのガラス容器中でオゾン濃度約5ppmのオゾン水の中に60分間入れて処理を行なった。処理を行なった紙おむつを2槽式小型洗濯機(アルミス社製「晴晴」AST−01)の洗濯槽に8個投入し、続けて6.5Lの水と5gのCaOを加え、15分間攪拌した。洗濯槽内の液を排水し、濃度250ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製次亜塩素酸ナトリウムを水道水で希釈したもの)6.5Lを加えた。15分間洗濯後に洗濯槽内の液を排水し、濃度250ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液6.5Lを新たに投入した。
15分間洗濯後、水洗濯槽内の液中に浮遊するパルプのみをすくい取り、メッシュ袋(25cm四方、株式会社NBCメッシュテック製N−No.250HD)に入れ、脱水槽で5分間脱水した。回収したパルプをメッシュ袋ごと水道水で15分間すすぎ洗いを行ない、再び脱水槽で5分間脱水した。回収したパルプを105℃の熱風乾燥機で24時間乾燥させた。
回収したパルプの灰分を、実施例1と同様に測定したところ、0.7質量%であった。
回収したパルプの吸水倍率を、実施例1と同様に測定したところ、12倍であった。
比較例1
市販の紙おむつ(ユニ・チャーム株式会社製「ムーニー」Mサイズ)に生理食塩水200mLを吸水させた後、紙おむつを2槽式小型洗濯機(アルミス社製「晴晴」AST−01)の洗濯層に8個投入し、続けてCaO(和光純薬工業株式会社製)を80gを投入し、その後、濃度250ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製次亜塩素酸ナトリウムを水道水で希釈したもの)6.5Lを加えた。
15分間洗濯後に洗濯槽内の液を排水し、濃度250ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液6.5Lを新たに投入した。15分間洗濯後、水洗濯層内の液中に浮遊するパルプのみをすくい取り、メッシュ袋(25cm四方、株式会社NBCメッシュテック製N−No.250HD)に入れ、脱水槽で5分間脱水した。回収したパルプをメッシュ袋ごと水道水で15分間すすぎ洗いを行ない、再び脱水槽で5分間脱水した。回収したパルプを105℃の熱風乾燥機で24時間乾燥させた。
回収したパルプの灰分を、実施例1と同様に測定したところ、8.51質量%であった。
比較例2
CaOの使用量を変更した以外は比較例1と同様にして、灰分が6.4質量%、吸水倍率が8倍のパルプを得た。
比較例3
CaOの使用量を変更した以外は比較例1と同様にして、灰分が2.5質量%、吸水倍率が9倍のパルプを得た。
[有機酸による高分子吸収材の吸水膨張抑制効果の検証]
高分子吸収材(住友精化製「アクアキープ」SA60S)2.0gを10cm×20cmのメッシュ袋(25cm四方、株式会社NBCメッシュテック製N−No.250HD)に入れ、1Lのガラス容器中で生理用食塩水(0.9%)を60mL吸水させて生理用食塩水を吸水しゲル化した状態にし、10分間静置する。その後、各有機酸水溶液または塩酸水溶液500mLを0.1質量%、0.5質量%または1.0質量%の濃度となるように調整し、10分間静置後の生理用食塩水を吸水した高分子吸収材を各有機酸水溶液、塩酸水溶液または過酸化水素水に浸漬し、24時間静置する。24時間後に生理用食塩水を吸水した高分子吸収材の質量を測定した。結果を表3〜表5に示す。
Figure 0006061875
Figure 0006061875
Figure 0006061875
表3〜表5に示すように、有機酸の種類にかかわらず、pH3.0以下の時に生理用食塩水を吸水した高分子吸収材が再吸水し、ゲル膨張することを抑制できることが判った。また、無機塩である塩酸でもpH1.2以下で膨張抑制可能であるが、有機酸より強酸域が必要であり安全性と塩素による環境負荷を考慮すると有機酸の方が選りすぐれている。
[有機酸を含むオゾン水処理による紙おむつ中の高分子吸収材の溶解除去評価]
市販の紙おむつ(ユニ・チャーム株式会社製「ムーニー」Mサイズ)を3Lの生理用食塩水に10分間浸漬吸水させた後、25Lの各有機酸溶液中で約80ppmの濃度のオゾンガスを吹き込み約25ppmのオゾン水を調製し60分間と120分間入れて処理を行なった。その後、紙おむつを取り出し、メッシュ袋(30cm四方、NBCメッシュテック社製N−No.250HD)に入れ、脱水槽で5分間脱水し、質量を測定した。結果を表6に示す。
なお、この実験では、オゾン水発生装置(製造元:三菱電機株式会社、名称:オゾン発生装置、型番:OS−25V、オゾン水濃度可変範囲:1〜80ppm)を用いて、オゾン水を調製した。
また、生理用食塩水として、濃度0.9%の食塩水を用いた。
Figure 0006061875
表6中、「初期」の紙おむつの質量とは、市販の紙おむつ(ユニ・チャーム社製「ムーニー」Mサイズ)1枚を3Lの生理用食塩水に10分間浸漬吸水させた後、メッシュ板の上に引上げた後、測定した質量をいう。つまり、使用済み紙おむつの最大吸収後質量を想定したものである。
表6に示すように、有機酸を含まないオゾン水による処理の場合に比べ、有機酸を併用することにより、短時間でおむつの保水質量が減少し、効率よく紙おむつ中の高分子吸収材を分解除去することができていることが判る。
オゾンのみで処理した場合、一時的に処理槽内の水を高分子吸収材が吸水し、初期質量よりも重くなっており、吸収体内部では、ゲルブロッキングした状態となり、オゾンガスが内部に入り込み難くなるが、有機酸の併用により、高分子吸収材の吸水が抑制され、紙おむつ内部にオゾンが入り込み、高分子吸収材の分解を効率よく行うことができる。
60分後、有機酸を含まないオゾン水のみの場合に質量が増えているのは、高分子吸収材が水分を吸水しているためであり、120分後、質量が軽くなっているのは、高分子吸収材が可溶化したためである。
酸性の水溶液、特にpH3.0以下の有機酸水溶液中では、高分子吸収材の吸水を抑制しながら高分子吸収材を分解・可溶化できるので、処理時間を短縮でき、処理濃度(使用済みおむつの処理量)を上げることが可能となる。
実施例3
オゾン水発生装置(製造元:三菱電機株式会社、名称:オゾン発生装置、型番:OS−25V、オゾン水濃度可変範囲:1〜80ppm)を用いて、1質量%のクエン酸水溶液の中に約80ppmの濃度のオゾンガスを投入し、クエン酸を含む約25ppmのオゾン水(pH2.0)25Lを調製した。
市販の紙おむつ(ユニ・チャーム株式会社製「ムーニー」Mサイズ)に生理食塩水200mLを吸水させた後、上記のクエン酸を含むオゾン水(pH2.0)25Lの中に投入し、120分間、処理を行なった。処理を行なった紙おむつを2槽式小型洗濯機(アルミス社製「晴晴」AST−01)の洗濯槽に8個投入し、続けて濃度250ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製次亜塩素酸ナトリウムを水道水で希釈したもの)6.5Lを加えた。15分間洗濯後に洗濯槽内の液を排水し、濃度250ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液6.5Lを新たに投入した。
15分間洗濯後、水洗濯槽内の液中に浮遊するパルプのみをすくい取り、メッシュ袋(25cm四方、株式会社NBCメッシュテック製N−No.250HD)に入れ、脱水槽で5分間脱水した。回収したパルプをメッシュ袋ごと水道水で15分間すすぎ洗いを行ない、再び脱水槽で5分間脱水した。回収したパルプを105℃の熱風乾燥機で24時間乾燥させた。
回収したパルプの灰分、吸収倍率および保水倍率を測定した。結果を表7に示す。
なお、実施例および比較例に用いた市販の紙おむつにもともと含まれていたパルプの灰分、吸収倍率および保水倍率は、0.18質量%、16.4g/gおよび7.60g/gであった。
Figure 0006061875
なお、保水倍率の測定方法は、次のとおりである。
[保水倍率の測定方法]
吸収倍率測定後のサンプルを、遠心分離機(国産遠心(株)分離機、型H130、回転数850rpm=150G)にて、150Gで90秒間脱水後の質量B(g)を測定する。
保水倍率=(B−N−(A−N))/(A−N
測定は10回行い、10回の測定値を平均する。
本発明の方法により回収されたパルプ繊維は、再度、衛生用品の製造に好適に利用することができる。

Claims (12)

  1. パルプ繊維および高分子吸収材を含む使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法であって、該方法が、
    使用済み衛生用品をオゾン水に浸漬して、高分子吸収材を分解する工程、
    分解した高分子吸収材が溶けたオゾン水を排出して、高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を得る工程、および
    高分子吸収材が取り除かれた衛生用品の残渣を、消毒薬を含む水溶液中または水中で攪拌することにより、衛生用品の残渣を洗浄するとともに衛生用品の残渣を構成要素に分解する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  2. オゾン水が酸性であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. オゾン水が有機酸を含み、オゾン水のpHが3.0以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 使用済み衛生用品100質量部に対し300〜5000質量部のオゾン水に浸漬することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 消毒薬が、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、酸性電解水、オゾン水、酸性のオゾン水、または有機酸を含むオゾン水であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記方法がさらにパルプ繊維を乾燥する工程を含み、パルプ繊維を乾燥する工程により乾燥後のパルプ繊維の水分率を5〜13%にすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. パルプ繊維を乾燥する温度が100〜200℃であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. さらに、分解された衛生用品の残渣からパルプ繊維を分離する工程を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. さらに、分離したパルプ繊維を洗浄する工程を含む請求項8に記載の方法。
  10. さらに、洗浄したパルプ繊維を脱水する工程を含む請求項9に記載の方法。
  11. さらに、プラスチック素材を分離回収する工程を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. オゾン水のオゾン濃度が1〜50質量ppmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
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