JPWO2014181814A1 - 生体試料のラマン定量分析用バイオチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ラマン定量分析により生体液中のDNAを含め、特定のタンパク質の網羅的解析のためのバイオチップの提供。【解決手段】 Au、Ag、PtまたはPdから選ばれるプラズモン金属の錯体を含む金属錯体水溶液を錯体金属より卑なる電極電位を有する担時金属上に滴下し、担体金属上で金属錯体をナノサイズの量子結晶として晶出させてなり、金属錯体は担持金属の電極電位Eと相関する式(I)で示される錯体安定度定数(logβ)以上を有するように選択され、式(I):E゜= (RT/|Z|F)ln(βi)(ここでE゜は、標準電極電位、Rは、気体定数、Tは、絶対温度、Zは、イオン価、Fは、ファラデー定数を表す。)担持金属上の金属錯体量子結晶が晶出前の水溶液中または晶出後に検出対象に応じて表面性状を調節してなるバイオチップが提供される。【選択図】 図1
Description
本発明は生体試料のラマン定量分析用バイオチップに関する。
ヒト疾病の診断、段階分け、理解および治療に有用である情報の入手を可能にするには、推定30,000超のヒトタンパク質の配列を知るだけでなく、疾病の差し迫った発症を予告するタンパク質発現の主要な変化を同定することを必要とする。また、疾病のサブタイプを分子レベルにおいて正確に分類し、疾病の過程に密接に関係するタンパク質の機能、相互作用および活動を調節する方法を理解することも必要である。タンパク質の機能を理解する最も基礎的な方法の1つは、発現レベルの変化を増殖状態、細胞周期段階、疾病の病期、外部からの刺激、他のタンパク質の発現レベルまたは他の変数の関数として関連させることであり、DNAマイクロアレイ分析は、ゲノム規模でのmRNA発現分析方法を提供するが、mRNAのインビボにおける濃度とコードされるタンパク質との間には直接的な関係がないことが多い。したがって、mRNAのタンパク質への翻訳速度の差およびインビボにおけるタンパク質分解速度の差は、mRNAのタンパク質発現プロファイルへの外挿を混乱させる要因となっている。
さらに、このようなマイクロアレイ分析は、タンパク質機能調節の主要な役割を果たすことが多いが、タンパク質修飾を検出、同定または定量することができない。
従って、種々の生物試料における低濃度の分析物の検出および分析に対する定量分析は、通常、放射性同位体または蛍光試薬による標識化を必要とし、このような手法は、一般に、時間がかかり、不便である、例えば、種々の様式の質量分析法、二次元電気泳動法、液体クロマトグラフィがタンパク質プロファイリングのために広範に使用されているが、簡易測定には不向きである。
また、ソリッド-ステートセンサ、特にバイオセンサは、化学的、生物的および薬学的研究および疾病診断における利用が増加していることにより、最近大きな注目を集めているが、二つの要素:特異性の高い認識要素および分子認識事象を定量化可能な信号に変換する変換構造からなり、オリゴヌクレオチド対、抗体-抗原、ホルモン-受容体、酵素-基質およびレクチン-糖タンパク質相互作用を含む種々の生物分子複合体を検出するように開発されているが、未だ不十分である。
そこで、生物試料の個々の分子の感度の高い正確な検出または同定という目標を達成しようとラマン分光法または表面プラズモン共鳴の使用が提案される。ラマン発光スペクトルの波長は、試料中のラマン散乱分子の化学的組成および構造に特徴的であり、ラマン散乱光線の強度は試料中の分子の濃度に依存する。このラマン分光法において、金、銀、銅およびその他のプラズモン金属のナノ粒子は、レーザー光を受けて表面増強ラマン散乱効果を示し、これを使用して、関心対象の生物分子を特徴づけ、ヌクレオチド、デオキシアデノシン一リン酸およびタンパク質、ヘモグロビンが1分子レベルで検出されているものの、結果として、SERSは、血漿などの複合生物試料のタンパク質含有量を定量分析するのに好適であると考えられなかった。
従って、ラマン分光分析技法を使用して、血清などの複合生物試料のタンパク質組成を分析し、個々のタンパク質を信頼性高く検出および/または同定する方法、さらに、複合試料中の低濃度レベルのタンパク質を定性的および定量的に検出するハイスループット手段の提供が必要となっている。そこで、タンパク質の化学的および/または物理的特性に基づいて試料中のタンパク質およびタンパク質断片を分離し、固体基板上または流動中の液体の流れの中の離散的な位置に分離されたタンパク質を分離された状態で維持し、離散的な位置の分離されたタンパク質によって形成されるラマンスペクトルを検出し、離散的な位置のスペクトルにより、離散的な位置の1つ以上の特定のタンパク質の構造についての情報を提供する生物試料のタンパク質含有量を分析する方法が提案されている(特許文献1)。また、SERS現象は、1)メカニズムが完璧に理解されていないばかりか、2)正確に構造的に定義されているナノ物質合成及び制御の困難性と、3)スペクトルを測定する時使用される光の波長、偏光方向による増強効率の変化などにより、再現性及び信頼性側面で解決すべき問題が多く、ナノ−バイオセンサーの開発及び商用化を始めとしたSERS現象の応用に大きい課題として残っている。そのため、ナノワイヤとナノパーティクルのハイブリッド構造を利用して、生体抽出物及び蛋白質、DNAのようなバイオ分子のSERS信号の増強と測定の再現性、敏感度及び信頼度向上を図る技術が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、従来方法の前者は試料中のタンパク質およびタンパク質断片を分離し、基板上に固定するのが簡単でなく、後者はバイオチップのハイブリッド構造の作成が難しいという問題点があり、試料中のタンパク質の定量に有効利用されているといえる状態でない。本発明はかかる問題点に鑑み、各試料中のタンパク質をチップ上に容易に吸着固定させ、レーザーの照射によりDNAを含め、特定のタンパク質の定量を容易に行えるSERS分析用バイオチップを提供し、これを用いてDNAを含め、特定のタンパク質のプロファイルから疾病の同定および進行度を解析することができる方法を提供することを目的とする。そこで、本発明者らは鋭意研究の結果、水溶液中で金属錯体を形成する場合、錯体安定度定数が高い、例えば二座配位以上の多座配位子で形成される高い錯体安定度定数を有する金属錯体はその平衡電位近傍の還元反応で析出させると、金属基板上に金属錯体のまま量子結晶として析出させることができることを見出した。また、金属錯体は生体試料中のタンパク質を吸着する物性を示し、各種検出に用いるのに適する固相化表面を容易に形成することを見出した。更に、金属錯体の金属がプラズモン金属である場合はナノクラスタサイズ(5〜20nm)の量子ドットを規則的に分配して内包する金属錯体の量子結晶(100〜200nm)形成するためか、適正に分配されたナノ金属クラスタが金属としてラマン光に対し表面プラズモン共鳴増強効果を発揮するとともに、量子結晶が被検体を吸着して電荷移動錯体を形成してSPR又はSERS分析に適するバイオチップを形成することを見出した。
本発明は上記知見に基づいて、血漿を金属錯体量子結晶上に滴下すると、血漿中のDNAを含め、特定のタンパク質量が定量でき、しかも正常者とガン患者との間にDNAを含め、特定のタンパク質量に有意量の差異が見られる結果、このラマンスペクトルの網羅的解析によりガンの種類の同定、ガンの進行度を知ることができることを見出し、完成したもので、必要に応じて量子結晶の極性または表面性状を調整し、尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙、粘液、呼気成分等からなる群から選ばれる生体試料を滴下して、量子結晶に固定された生体試料中のタンパク質に特定波長のレーザー光を照射してラマンスペクトルを得、得られたラマンスペクトルのピーク高さ、ピーク積分値、ピーク発現時間などの網羅的情報から疾病を解析することにより生体液中DNAを含め、特定のタンパク質分析から疾病解析するバイオチップを提供するものである。したがって、本発明においては、Au、Ag、PtまたはPdから選ばれるプラズモン金属の錯体を含む金属錯体水溶液を錯体金属より卑なる電極電位を有する担持金属上に滴下し、担体金属上で金属錯体をナノサイズの量子結晶として晶出させてなる。金属錯体は担持金属の電極電位Eと相関する式(I)で示される錯体安定度定数(logβ)以上を有するように選択される、
式(I):E゜= (RT/|Z|F)ln(βi)
(ここでE゜は、標準電極電位、Rは、気体定数、Tは、絶対温度、Zは、イオン価、Fは、ファラデー定数を表す。)。
式(I):E゜= (RT/|Z|F)ln(βi)
(ここでE゜は、標準電極電位、Rは、気体定数、Tは、絶対温度、Zは、イオン価、Fは、ファラデー定数を表す。)。
本発明のバイオチップは生体試料中の検出対象に応じて担持金属上の金属錯体量子結晶が晶出前の水溶液中または晶出後に表面性状または極性を調節するのが好ましい。抗原‐抗体反応を利用するときは抗原または抗体を晶出前に金属錯体水溶液に混合して量子結晶を析出させるときに配位子と同様に量子結晶に分散させることができる。金属錯体水溶液中に混合される抗原または抗体は錯体配位子と同様に金属錯体の析出時に混在して析出するものと思われる。したがって、血漿タンパク結合を用いた検出、カルシウム結合タンパク質を用いた検出、糖結合タンパク(レクチン)を用いた検出(感染症、免疫疾患)に利用できる。各種疾病(アルツハイマー、HIV、インフルエンザ等のウイルス)の検出に利用できる。
金属錯体量子結晶の抄出後はハロゲンイオンを含むアルカリ水溶液として次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いてアルカリ処理することによりチオ硫酸銀量子結晶の場合は基板の電極電位が影響するためか過酸化銀を含む銀酸化物が自己組織化によって集合し、ニューロン状に三次元配列した超構造体であるメソ結晶が再結晶して得られることが分かった。
金属錯体が銀錯体であるときは、安定度定数(生成定数)(log βi)が8以上の銀錯化剤とハロゲン化銀との反応により形成され、錯化剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、亜硫酸塩、チオ尿素、ヨウ化カリ、チオサリチル酸塩、チオシアヌル酸塩から選ばれる1種であると銀イオンだけが還元されるのではなく、銀錯体の量子結晶として析出することが見出されている。
銀錯体は平均直径が5〜20nmであるナノクラスタからなる量子ドットを有し、量子結晶のサイズが100〜200nmとなる。金属錯体の水溶液中の銀濃度は500から2000ppmの濃度であるのが好ましい。
上述したように、量子結晶がチオ硫酸銀である場合ハロゲンイオンの存在下でアルカリ処理(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)して得られる、過酸化銀を含む銀酸化物が自己組織化によって集合し、ニューロン状に三次元配列した超構造体であるメソ結晶は、その構造的特徴だけでなく、水中で負電荷を示し、正電荷の癌関連物質を吸着して電荷移動錯体と形成可能であるとともに光照射により銀粒子を析出可能で、レーザー照射により表面プラズモン増強効果が得られる領域を有することが見出された。したがって、本発明によれば、癌関連物質ラマン定量用バイオチップを提供することができる。
本発明に係るバイオチップによれば、金属錯体の特性により正電荷をおびやすいので水溶液中で負電荷を帯び易い試料の吸着に適する。金属錯体を析出させるときに適当な配位子を金属錯体水溶液に混合することにより量子結晶中に配位子を混入させることができる。例えば、エンドトキシンは本発明の金属錯体水溶液とともにリムルス試薬(LAL試薬)を量子結晶中に混入させることにより基板上に析出させることによりその検出が可能である。また、基板上に析出した量子結晶の性質を利用して抗体等の検出試薬を固相化することもできる。他方、本発明に係るバイオチップは金属錯体の量子結晶をハロゲンイオンの存在下にアルカリ処理することにより金属酸化物結晶として再結晶することができる。チオ硫酸銀の量子結晶を塩素イオンの存在下にアルカリ処理することにより過酸化銀(AgO又はAg2O3)を含む銀酸化物のメソ結晶を形成するため、水溶液中で負荷電を帯びやすく、生体液中のDNAを含め、特定のタンパク質の定量を実現し各種疾病を予知し、その進行度を知ることができる。正常者とガン患者との間に血漿中のタンパク量に有意量の差異が見られる結果、ガンの種類の同定および進行度を判定することができ、ガンの早期診断、癌治療方針の決定、治療薬を含め治療効果の判定、転移の判定、再発診断が血液検査により容易に判断できることになる。したがって、本発明に係るバイオチップを使い分けることにより他の生体試料、尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙、粘液、呼気成分等を用いることにより、特定の疾病に特有のタンパク質プロファイルを検出して簡易検査による疾病の早期発見、疾病の進行度に関する情報を与えることができる。
本明細書において使用する「生体試料」は、宿主の生体液などの数百のタンパク質を含有する分析物を含有する試料を意味する。試料は直接ラマン分析に付しても、または試料中のタンパク質-含有分子を変性もしくは断片化するように前処理して、それらをより容易に検出できるようにしてもよい。さらに、測定対象の分析物は、測定対象の分析物が試料中に存在する場合にのみ存在が検出される、測定対象の分析物に相補的な特定の結合ペアメンバーなどの対象の分析物を実証する物質を検出することによって判定してもよいが、DNAを含め、特定のタンパク質を網羅的に検出するラマンスペクトルの解析によって疾病の同定を行うのが望ましい。従って、分析物を実証する物質は、アッセイにおいて検出される分析物となる。生体試料は、例えば、尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙、粘液、呼気成分等であってもよい。
本明細書において使用する「タンパク質」という用語は、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質ならびに抗原、糖タンパク質、リポタンパク質等などのタンパク質-含有分析物を含む。
本発明による一態様において、患者試料などの複合生体試料からタンパク質組成情報を得る方法が提供される。生体試料中のタンパク質は水溶液または親水性溶媒に溶解され、希釈できる。任意に、試料中のタンパク質は、還元剤、界面活性剤、カオトロピック塩等から選択される薬剤を使用して変性してもよい。ジスルフィド結合を還元するために使用することができる一般的な化学物質には、DTT、DTE、2-メルカプトエタノール等が挙げられるが、それに限定されるわけではない。タンパク質を変性するために使用することができる代表的な界面活性剤には、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシル硫酸リチウム(LDS)、Triton X 100(登録商標)、Tween-20(登録商標)等が挙げられるが、それに限定されるわけではない。タンパク質を変性するために使用することができる典型的なカオトロピック塩には、GuSCN、NaSCN、GuClO4、NaClO4および尿素が挙げられるが、それに限定されるわけではない。切片等の固形タンパク質は、タンパク質を消化するための化学的切断剤またはトリプシンなどのセリン-プロテアーゼを使用して変性することができる。タンパク質は、ラマン分光またはSERS分析のために未変性の構造(未-変性)であってもよい。
また、本発明の金属錯体量子結晶は金属上で析出され、バイオチップを形成するため、ナノ金属粒子として機能する金属ナノドッドが金属イオン化しやすく、水溶液中で試料(ターゲット分子)と接触して電荷移動錯体を形成すると思われる。したがって、規則的に配列する金属ナノ粒子の持つ表面プラズモン共鳴増強効果とターゲット分子と容易に電荷移動錯体を形成するイオン性金属性質を兼ね備える(我々は金属性質とイオン性質を兼ね備え、金属と金属イオンの中間性質を有するため、これを亜金属性という)ため、表面増強ラマン散乱(SERS)測定用に好適なバイオチップを提供できる。
金属錯体は担持金属の電極電位Eと相関する式(I)で示される錯体安定度定数(logβ)以上を有するように選択される。
式(I):E゜ = (RT/|Z|F)ln(βi)
(ここでE゜は、標準電極電位、Rは、気体定数、Tは、絶対温度、Zは、イオン価、Fは、ファラデー定数を表す。)
金属錯体が、Au、Ag、PtまたはPdから選ばれるプラズモン金属の錯体である場合は、ラマン光に対して表面プラズモン共鳴増強効果を有する。
金属錯体が銀錯体であるときは、安定度定数(生成定数)(log βi)が8以上の銀錯化剤とハロゲン化銀との反応により形成されるのがよい。ハロゲン化銀としては塩化銀が好ましく、錯化剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、亜硫酸塩、チオ尿素、ヨウ化カリ、チオサリチル酸塩、チオシアヌル酸塩から選ばれる1種であるのが好ましい。
式(I):E゜ = (RT/|Z|F)ln(βi)
(ここでE゜は、標準電極電位、Rは、気体定数、Tは、絶対温度、Zは、イオン価、Fは、ファラデー定数を表す。)
金属錯体が、Au、Ag、PtまたはPdから選ばれるプラズモン金属の錯体である場合は、ラマン光に対して表面プラズモン共鳴増強効果を有する。
金属錯体が銀錯体であるときは、安定度定数(生成定数)(log βi)が8以上の銀錯化剤とハロゲン化銀との反応により形成されるのがよい。ハロゲン化銀としては塩化銀が好ましく、錯化剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、亜硫酸塩、チオ尿素、ヨウ化カリ、チオサリチル酸塩、チオシアヌル酸塩から選ばれる1種であるのが好ましい。
銀錯体は平均直径が5〜20nmであるナノクラスタからなる量子ドットを有し、量子結晶のサイズが100〜200nmとなる。
金属錯体の水溶液中の濃度は主として形成する量子結晶のサイズを考慮して決定すべきであり、分散剤を使用するときはその濃度をも考慮するのがよい。通常、100ppmから5000ppmの範囲で使用できるが、配位子の機能にも依存してナノクラスタというべきナノサイズを調製するには500から2000ppmの濃度が好ましい。
金属基板又は金属粒子上に形成された量子結晶は金属錯体結晶として水溶液中では正極性を持ちやすいものと思われ、生体試料中のタンパク質を吸着固定するためには、アルカリ性液、例えばpH11以上の次亜塩素酸ソーダ水溶液を滴下して極性を調整するのが好ましい。アルカリ処理により形成される金属酸化物のメソ結晶は水溶液中で負極性を示しやすい。試料中タンパク質のバイオチップ晶への固定化を促進することができる。
疾病を原因として発生するタンパク質は尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙、粘液、呼気成分等の生体試料に含まれる。滴下試料の濃度は水溶液または親水性溶媒に溶解されて適切な濃度に希釈される。
生体試料中のタンパク濃度の定量は、特定波長のレーザー光を照射してラマンスペクトルを得ることにより知ることができる。図3は大腸ガン患者の血漿試料であり、それを10倍、100倍、500倍、1000倍および一万倍に純水で希釈して633nmのレーザー(30mW)で測定したラマンスペクトルであり、濃度とともにピーク上昇値(PSV)およびピーク積分値が変化する。よって、血漿中のDNAを含め、特定のタンパク質の定量分析を行うことができることがわかる。
得られたラマンスペクトルのピーク高さ、ピーク積分値、ピーク発現時間などの情報から疾病を解析することができる。図1はラマン波形のピーク算出法を示し、ヒト血漿サンプルの633nmレーザーによるラマン散乱のスペクトルは1350cm−1近辺と1550cm−1近辺に散乱強度のピークを形成することが確認される。よって、800cm−1(a)と2000cm−1(b)の散乱強度の平均値(m)を基準とした最大上昇値(p−m)をピーク上昇値(Shifting Peak Value:PSV)として定義した。また、ピーク全体の面積をピーク積分値として定義した。これらのピーク上昇値およびピーク積分値はヒト血漿中のDNAを含め、特定のタンパク質量を見る上で重要であり、ピーク発現時間とともに、ガンの同定および進行度を示す指標とすることができる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(実施例1)
図4に示すように、チオ硫酸銀1000ppm水溶液を調製し、その1滴をりん青銅板上に滴下し、約3分間放置し、溶液を吹き飛ばすと、右横のSEM像を示す量子結晶が作成されていた。
図5は実施例1で製造したナノ粒子凝集体(量子結晶)の各種SEM像を示す写真であり、図6はナノ粒子の拡大SEM像を示す。100nm前後の薄い六角柱状結晶であって、表面に数nmオーダの凹凸が発現している。金属ナノ結晶に特有のファセットは確認できなかった。
図7はりん青銅坂上に滴下後の放置時間と量子結晶形状の関係を示す写真である。まず、六角形の量子結晶が生成し、形状を維持しつつ成長するのが認められる。
図8は量子結晶のEDSスペクトル(元素分析)の結果を示すグラフである。りん青銅板上に形成された結晶は銀及び錯体配位子由来の元素を検出したが、銅板上にチオ硫酸銀1000ppm水溶液を調製し、その1滴を滴下し、約3分間放置し、溶液を吹き飛ばした場合は、銀のみを検出したに過ぎなかった。
(実施例1)
図4に示すように、チオ硫酸銀1000ppm水溶液を調製し、その1滴をりん青銅板上に滴下し、約3分間放置し、溶液を吹き飛ばすと、右横のSEM像を示す量子結晶が作成されていた。
図5は実施例1で製造したナノ粒子凝集体(量子結晶)の各種SEM像を示す写真であり、図6はナノ粒子の拡大SEM像を示す。100nm前後の薄い六角柱状結晶であって、表面に数nmオーダの凹凸が発現している。金属ナノ結晶に特有のファセットは確認できなかった。
図7はりん青銅坂上に滴下後の放置時間と量子結晶形状の関係を示す写真である。まず、六角形の量子結晶が生成し、形状を維持しつつ成長するのが認められる。
図8は量子結晶のEDSスペクトル(元素分析)の結果を示すグラフである。りん青銅板上に形成された結晶は銀及び錯体配位子由来の元素を検出したが、銅板上にチオ硫酸銀1000ppm水溶液を調製し、その1滴を滴下し、約3分間放置し、溶液を吹き飛ばした場合は、銀のみを検出したに過ぎなかった。
(量子結晶の作成の考察)
量子結晶は1000ppmチオ硫酸銀錯体水溶液の場合、りん青銅板上に滴下して3分間放置すると、100nm前後の六角柱状に形成され、各六角柱状の量子結晶は数nmオーダの凹凸を持つことがSEM像から確認された(図4、図5及び図6)が、金属ナノ結晶に特有のファセットは確認できず、EDS元素分析で銀及び錯体配位子由来の元素を検出されたため、全体は銀錯体のナノ結晶であって、その表面に現れる凹凸は錯体中の銀がクラスタとして量子ドットを形成して広がっていると推測される。本発明の銀錯体量子結晶がりん青銅板上に形成される一方、銅基板上には銀のみのナノ粒子が析出する現象を見ると、チオ硫酸銀錯体の平衡電位が0.33で銅の電極電位(0.34)と同等であるため、銅基板上には銀(0.80)のみが析出し、りん青銅の場合は0.22と電極電位がわずかに卑であるため、銀錯体の結晶が析出したものと思われる。したがって、量子結晶を作成するためには1)錯体水溶液が500〜2000ppmという希薄な領域であること、2)金属錯体水溶液の平衡電位に対し担持金属の電極電位がわずかに卑であること、3)電極電位差で金属錯体が凝集させることが重要であると思われる。また、1000ppmチオ尿素銀錯体水溶液を使用した場合も同様であった。
量子結晶は1000ppmチオ硫酸銀錯体水溶液の場合、りん青銅板上に滴下して3分間放置すると、100nm前後の六角柱状に形成され、各六角柱状の量子結晶は数nmオーダの凹凸を持つことがSEM像から確認された(図4、図5及び図6)が、金属ナノ結晶に特有のファセットは確認できず、EDS元素分析で銀及び錯体配位子由来の元素を検出されたため、全体は銀錯体のナノ結晶であって、その表面に現れる凹凸は錯体中の銀がクラスタとして量子ドットを形成して広がっていると推測される。本発明の銀錯体量子結晶がりん青銅板上に形成される一方、銅基板上には銀のみのナノ粒子が析出する現象を見ると、チオ硫酸銀錯体の平衡電位が0.33で銅の電極電位(0.34)と同等であるため、銅基板上には銀(0.80)のみが析出し、りん青銅の場合は0.22と電極電位がわずかに卑であるため、銀錯体の結晶が析出したものと思われる。したがって、量子結晶を作成するためには1)錯体水溶液が500〜2000ppmという希薄な領域であること、2)金属錯体水溶液の平衡電位に対し担持金属の電極電位がわずかに卑であること、3)電極電位差で金属錯体が凝集させることが重要であると思われる。また、1000ppmチオ尿素銀錯体水溶液を使用した場合も同様であった。
(実施例2)
実施例1で調整したりん青銅板上のチオ硫酸銀量子結晶基板にpH11の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を滴下し、3分後水溶液を吹き飛ばし、その直後、胃癌患者12例から得られた血清を純粋で10倍希釈して調整した試料、大腸がん患者12例から得られた血清を純粋で10倍希釈して調整した試料および良性疾患患者12例から得られた血清を純粋で10倍調整した試料のそれぞれを633nmのレーザー光を照射してラマンスペクトルを測定した。胃がんおよび大腸がんの進行度とピーク上昇値およびピーク積分値との間には相関関係が認められるということができる。また、胃がんの場合、ラマンスペクトルはレーザー照射後1分後に、大腸がんの場合はレーザー照射後2〜3分後にラマンスペクトルにピークが発現した。また、図2Dは胃癌、大腸がん、良性疾患試料のラマン散乱ピーク上昇値の比較を示すグラフである。良性疾患患者に対し、胃癌試料および大腸がん試料のピークは有意に高いことが認められる。胃癌試料と大腸がん試料とはピーク上昇値では差を見つけるのが困難であるということができるが、ピーク発現時間およびピーク積分値を考慮すると、両者のがん同定は可能であるということができる。ここで、検出すべき対象の遊離DNAは糸巻きに相当するヒストンというタンパク質に巻き付いており、ひと巻きされた単位構造(1セット)はヌクレオソームと呼び、ヌクレオソームが集まりひも状になった構造をクロマチン(線維)と呼ぶ。そして、細胞ががん化して分裂を繰り返すとき、がんが増えるのに都合の悪い遺伝子(がん抑制遺伝子)が出てこないようしっかりヒストンに巻きついて蓋をし、ヒストンへの巻き方をさらにきつくして、DNAが簡単にはほどけないようにして、メチル化という修飾が起こっているが、通常ヒストンは(+)、DNAは(−)にチャージされていて、2つは磁石のようにくっつきあい、しかもメチル化して解けないようになっており、ヒストンに巻き付いたDNAは(+)に帯電している(図11(a)参照)。他方、アセチル化は(−)にチャージするため、通常は(+)のヒストンがアセチル化されれば、(−)同士となってDNAと反発する。すると、DNAという‘糸’がヒストンからほどけて遺伝子が発現するメカニズムとなっている(図11(b)参照)。したがって、癌細胞由来の遊離DNAを選択的に吸着させるには、ヒストンに巻き付いたDNAは(+)に帯電しているので、吸着させる基板は(−)に帯電しているのが好ましいと考えられる。
実施例1で調整したりん青銅板上のチオ硫酸銀量子結晶基板にpH11の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を滴下し、3分後水溶液を吹き飛ばし、その直後、胃癌患者12例から得られた血清を純粋で10倍希釈して調整した試料、大腸がん患者12例から得られた血清を純粋で10倍希釈して調整した試料および良性疾患患者12例から得られた血清を純粋で10倍調整した試料のそれぞれを633nmのレーザー光を照射してラマンスペクトルを測定した。胃がんおよび大腸がんの進行度とピーク上昇値およびピーク積分値との間には相関関係が認められるということができる。また、胃がんの場合、ラマンスペクトルはレーザー照射後1分後に、大腸がんの場合はレーザー照射後2〜3分後にラマンスペクトルにピークが発現した。また、図2Dは胃癌、大腸がん、良性疾患試料のラマン散乱ピーク上昇値の比較を示すグラフである。良性疾患患者に対し、胃癌試料および大腸がん試料のピークは有意に高いことが認められる。胃癌試料と大腸がん試料とはピーク上昇値では差を見つけるのが困難であるということができるが、ピーク発現時間およびピーク積分値を考慮すると、両者のがん同定は可能であるということができる。ここで、検出すべき対象の遊離DNAは糸巻きに相当するヒストンというタンパク質に巻き付いており、ひと巻きされた単位構造(1セット)はヌクレオソームと呼び、ヌクレオソームが集まりひも状になった構造をクロマチン(線維)と呼ぶ。そして、細胞ががん化して分裂を繰り返すとき、がんが増えるのに都合の悪い遺伝子(がん抑制遺伝子)が出てこないようしっかりヒストンに巻きついて蓋をし、ヒストンへの巻き方をさらにきつくして、DNAが簡単にはほどけないようにして、メチル化という修飾が起こっているが、通常ヒストンは(+)、DNAは(−)にチャージされていて、2つは磁石のようにくっつきあい、しかもメチル化して解けないようになっており、ヒストンに巻き付いたDNAは(+)に帯電している(図11(a)参照)。他方、アセチル化は(−)にチャージするため、通常は(+)のヒストンがアセチル化されれば、(−)同士となってDNAと反発する。すると、DNAという‘糸’がヒストンからほどけて遺伝子が発現するメカニズムとなっている(図11(b)参照)。したがって、癌細胞由来の遊離DNAを選択的に吸着させるには、ヒストンに巻き付いたDNAは(+)に帯電しているので、吸着させる基板は(−)に帯電しているのが好ましいと考えられる。
(銀酸化物のメソ結晶についての考察:その1)
上記量子結晶基板に5%次亜塩素酸ソーダ水溶液を滴下して2分間処理して除去すると図12に示す結晶構造が見られ、針状の結晶とラクビーボール状の塊と大きい塊が見られたので、それぞれの組成をEDSスペクトル(元素分析)で分析すると、以下の反応式から針状の結晶はともに塩化銀と酸化銀の複合結晶からなるものと考えられるが、図12の結果は塩素は確認できず、銀と酸素が支配的であることがわかる。
Na2S2O3+4NaClO+H2O →Na2SO4+H2SO4+4NaCl (1)
Ag+ + NaCl → AgCl + Na+ (2)
Ag+ + 3NaOCl → 2AgCl + NaClO3 + 2Na+ (3)
Ag+ + OH- → AgOH (4)
2Ag++ 2OH → Ag2O +H2O (5)
したがって、本発明に係るメソ結晶の形成には銀イオンとチオ硫酸イオンが塩素イオンの存在下にアルカリ酸化反応により生ずるものと思われるが、通常の水溶液中では酸化銀が形成されるに過ぎないが、以下のXPS測定から過酸化銀が支配的に形成されていると推測される。
上記量子結晶基板に5%次亜塩素酸ソーダ水溶液を滴下して2分間処理して除去すると図12に示す結晶構造が見られ、針状の結晶とラクビーボール状の塊と大きい塊が見られたので、それぞれの組成をEDSスペクトル(元素分析)で分析すると、以下の反応式から針状の結晶はともに塩化銀と酸化銀の複合結晶からなるものと考えられるが、図12の結果は塩素は確認できず、銀と酸素が支配的であることがわかる。
Na2S2O3+4NaClO+H2O →Na2SO4+H2SO4+4NaCl (1)
Ag+ + NaCl → AgCl + Na+ (2)
Ag+ + 3NaOCl → 2AgCl + NaClO3 + 2Na+ (3)
Ag+ + OH- → AgOH (4)
2Ag++ 2OH → Ag2O +H2O (5)
したがって、本発明に係るメソ結晶の形成には銀イオンとチオ硫酸イオンが塩素イオンの存在下にアルカリ酸化反応により生ずるものと思われるが、通常の水溶液中では酸化銀が形成されるに過ぎないが、以下のXPS測定から過酸化銀が支配的に形成されていると推測される。
(銀酸化物のメソ結晶についての考察:その2)
XPS測定:
上記量子結晶基板に次亜塩素酸ナトリウム水溶液25μlを2分間滴下し、再結晶基板を作り、エッチングせずそのまま(使用機種: アルバック・ファイ(株)/PHI5000 Versa Probe II(走査型X線光電子分光分析装置))でAgとOとをXPS測定した。また、比較対象のため、酸化銀の粉と塩化銀の粉のAgを測定した。他方、再結晶基板をアルゴンガスクラスターイオン銃で5分間エッチングしてAgとOをXPS測定した。図13及び図14のXPS測定結果を図12に基づくEDSの結果から推測すると、529eV付近のピークは過酸化銀(AgO)に由来するOピークで、530eV付近のピークは酸化銀(Ag2O)に由来するOピークであると認められる。エッチングした場合に、酸素量は減少するが、529eV付近のピークの過酸化銀(AgO)に由来するOピークが、530eV付近のピークは酸化銀(Ag2O)に由来するOピークよりも大きいことは基板近傍に過酸化銀が形成されているのを物語るものといえる。これは、メソ結晶形成時の触媒作用と基板の電極電位が影響しているものと推測される。
なお、EDS測定は上記再結晶基板を使用機種: 日本電子株式会社/JSM-7001F(電界放出形分析走査電子顕微鏡)を用いて行った。
また、チオ硫酸銀の量子結晶を次亜塩素酸水溶液、0.01規定苛性ソーダ水溶液、0.01規定塩酸水溶液、0.1モル炭酸ナトリウム水溶液で処理しても同様の結果は得られなかった。よって、この針状結晶の形成には銀イオンとチオ硫酸イオンの存在下に上記反応により生ずるものと思われる。酸化銀は水溶液中で負電荷を帯び、光により還元されて金属銀を析出させる。過酸化銀はその傾向が顕著なので、正電荷の癌関連物質を吸着し、しかも吸着した癌関連物質と銀粒子との間の表面プラズモン増強効果が得られるものと思われる。
XPS測定:
上記量子結晶基板に次亜塩素酸ナトリウム水溶液25μlを2分間滴下し、再結晶基板を作り、エッチングせずそのまま(使用機種: アルバック・ファイ(株)/PHI5000 Versa Probe II(走査型X線光電子分光分析装置))でAgとOとをXPS測定した。また、比較対象のため、酸化銀の粉と塩化銀の粉のAgを測定した。他方、再結晶基板をアルゴンガスクラスターイオン銃で5分間エッチングしてAgとOをXPS測定した。図13及び図14のXPS測定結果を図12に基づくEDSの結果から推測すると、529eV付近のピークは過酸化銀(AgO)に由来するOピークで、530eV付近のピークは酸化銀(Ag2O)に由来するOピークであると認められる。エッチングした場合に、酸素量は減少するが、529eV付近のピークの過酸化銀(AgO)に由来するOピークが、530eV付近のピークは酸化銀(Ag2O)に由来するOピークよりも大きいことは基板近傍に過酸化銀が形成されているのを物語るものといえる。これは、メソ結晶形成時の触媒作用と基板の電極電位が影響しているものと推測される。
なお、EDS測定は上記再結晶基板を使用機種: 日本電子株式会社/JSM-7001F(電界放出形分析走査電子顕微鏡)を用いて行った。
また、チオ硫酸銀の量子結晶を次亜塩素酸水溶液、0.01規定苛性ソーダ水溶液、0.01規定塩酸水溶液、0.1モル炭酸ナトリウム水溶液で処理しても同様の結果は得られなかった。よって、この針状結晶の形成には銀イオンとチオ硫酸イオンの存在下に上記反応により生ずるものと思われる。酸化銀は水溶液中で負電荷を帯び、光により還元されて金属銀を析出させる。過酸化銀はその傾向が顕著なので、正電荷の癌関連物質を吸着し、しかも吸着した癌関連物質と銀粒子との間の表面プラズモン増強効果が得られるものと思われる。
したがって、本発明を利用することにより、他の生体試料、尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙、粘液、呼気成分等用いることにより、特定の疾病に特有のタンパク質プロファイルを検出して簡易検査による疾病の早期発見、疾病の進行度に関する情報を与えることができるだけでなく、各種検出物質を選択的に検出することができるので、ラマンスペクトルにより各種判定を行うことができる。
Claims (5)
- Au、Ag、PtまたはPdから選ばれるプラズモン金属の錯体を含む金属錯体水溶液を錯体金属より卑なる電極電位を有する担時金属上に滴下し、担体金属上で金属錯体をナノサイズの量子結晶として晶出させてなり、金属錯体は担持金属の電極電位Eと相関する式(I)で示される錯体安定度定数(logβ)以上を有するように選択され、
式(I):E゜= (RT/|Z|F)ln(βi)
(ここでE゜は、標準電極電位、Rは、気体定数、Tは、絶対温度、Zは、イオン価、Fは、ファラデー定数を表す。)
担持金属上の金属錯体量子結晶が晶出前の水溶液中または晶出後に検出対象に応じて表面性状を調節してなることを特徴とするプラズモン金属錯体の量子結晶からなるバイオチップ。 - 担持金属上の金属錯体量子結晶が晶出前の水溶液中または晶出後に検出対象に応じて表面性状または電荷を調節してなる請求項1記載のバイオチップ。
- 金属錯体が銀錯体であるときは、安定度定数(生成定数)(log βi)が8以上の銀錯化剤とハロゲン化銀との反応により形成され、錯化剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、亜硫酸塩、チオ尿素、ヨウ化カリ、チオサリチル酸塩、チオシアヌル酸塩から選ばれる1種である請求項1記載のバイオチップ。
- 銀錯体は平均直径が5〜20nmであるナノクラスタからなる量子ドットを有し、量子結晶のサイズが100〜200nmとなる請求項1記載のバイオチップ。
- 請求項4の銀錯体量子結晶をハロゲンイオンの存在下でアルカリ処理して得られる過酸化銀を含む銀酸化物ナノ結晶(メソ結晶)を含むラマン定量用バイオチップ。
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