JPWO2014171506A1 - シリコーン系樹脂用表面改質剤、表面が改質されたシリコーン系樹脂、表面が改質されたコンタクトレンズ、並びに上記樹脂およびレンズの製造方法 - Google Patents

シリコーン系樹脂用表面改質剤、表面が改質されたシリコーン系樹脂、表面が改質されたコンタクトレンズ、並びに上記樹脂およびレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

脂質吸着抑制効果に優れるシリコーン系樹脂用表面改質剤、表面が改質されたシリコーン系樹脂、表面が改質されたコンタクトレンズ、並びに上記樹脂およびレンズの製造方法を提供すること。下記繰り返し単位(A):65質量%以下と下記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を含有する、シリコーン系樹脂用表面改質剤。(A)スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位(B)繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位

Description

本発明は、シリコーン系樹脂用表面改質剤、表面が改質されたシリコーン系樹脂、表面が改質されたコンタクトレンズ、並びに上記樹脂およびレンズの製造方法に関する。
コンタクトレンズは含水性コンタクトレンズと非含水性コンタクトレンズに大別され、含水性コンタクトレンズは、一般に、非含水性コンタクトレンズよりも装着感が良好であるという利点がある。
しかしながら、従来の含水性コンタクトレンズは含水性が高いため、レンズの乾燥が早い、酸素透過性が低下する場合がある等の問題があった。
そこで、低含水性でありながら高い酸素透過性をもつシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズが開発され、近年ではこれがコンタクトレンズの主流となっている。
しかしながら、シリコーンハイドロゲルは、脂質汚れ(白濁汚れ)がつきやすいという問題があった。
そのため、上記脂質汚れの抑制を目的として、ポリヘキサニドとクロルフェニラミン等を含むシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物が提案されている(特許文献1)。
特開2011−136980号公報
本発明の課題は、脂質吸着抑制効果に優れるシリコーン系樹脂用表面改質剤、表面が改質されたシリコーン系樹脂、表面が改質されたコンタクトレンズ、並びに上記樹脂およびレンズの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位と該繰り返し単位以外の繰り返し単位とをそれぞれ特定の含有量で有する重合体が、シリコーン系樹脂に対する脂質吸着を抑制する効果に優れ、シリコーン系樹脂の表面改質に適することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、<1>下記繰り返し単位(A):65質量%以下と下記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を含有する、シリコーン系樹脂用表面改質剤を提供するものである。
(A)スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位
(B)繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位
また、本発明は、<2>上記繰り返し単位(A):65質量%以下と上記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を表面の少なくとも一部に有する、表面が改質されたシリコーン系樹脂を提供するものである。
更に、本発明は、<3>上記繰り返し単位(A):65質量%以下と上記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を表面の少なくとも一部に有する、表面が改質されたコンタクトレンズを提供するものである。
更に、本発明は、<4>上記繰り返し単位(A):65質量%以下と上記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を、シリコーン系樹脂表面の少なくとも一部にコーティングする工程を含むことを特徴とする、表面が改質されたシリコーン系樹脂の製造方法を提供するものである。
更に、本発明は、<5>上記繰り返し単位(A):65質量%以下と上記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を、コンタクトレンズ表面の少なくとも一部にコーティングする工程を含むことを特徴とする、表面が改質されたコンタクトレンズの製造方法を提供するものである。
更に、本発明は、<6>上記繰り返し単位(A):65質量%以下と上記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を、シリコーン系樹脂表面の少なくとも一部にコーティングする工程を含むことを特徴とする、シリコーン系樹脂の表面を改質する方法を提供するものである。
更に、本発明は、<7>上記繰り返し単位(A):65質量%以下と上記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を、コンタクトレンズ表面の少なくとも一部にコーティングする工程を含むことを特徴とする、コンタクトレンズの表面を改質する方法を提供するものである。
本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤は、シリコーン系樹脂に対する脂質吸着を抑制する効果に優れる。また、シリコーン系樹脂に対するタンパク質吸着を抑制する効果にも優れる。しかも、表面処理剤として使用した場合には、シリコーン系樹脂に対し高い吸着性をもち剥離しにくい。
また、本発明の表面が改質された樹脂およびコンタクトレンズは、脂質およびタンパク質が吸着しにくく、しかもその効果の持続性に優れる。
〔シリコーン系樹脂用表面改質剤〕
本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤は、上記繰り返し単位(A):65質量%以下と上記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を含有するものである。
<繰り返し単位(A)>
本発明で用いる重合体が有する繰り返し単位(A)は、スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位であり、繰り返し単位(A)に該当する繰り返し単位を1種または2種以上有していてよい。
繰り返し単位(A)は、スルフィニル基の他に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、スルホ基、チオール基、リン酸基、アルデヒド基等の親水性基を有していてもよい。また、斯かる親水性基の位置および個数は任意であるが、その位置は好ましくは繰り返し単位の側鎖である。一方、スルフィニル基以外の親水性基の個数としては、脂質・タンパク質吸着抑制効果、親水性付与の観点から、繰り返し単位1個中に、0〜12個が好ましく、1〜10個がより好ましく、2〜5個が更に好ましく、2または3個が特に好ましい。また、上記親水性基の中でも、脂質・タンパク質吸着抑制効果、親水性付与の観点から、ヒドロキシ基が好ましい。なお、本発明の効果が失われない範囲で、重合体に含まれる複数のスルフィニル基の一部がスルフィド基、スルホニル基となっていてもよい。
また、上記繰り返し単位(A)の好適な具体例としては、下記式(1)で表される構造を側鎖中に少なくとも1つ含む繰り返し単位が挙げられる。式(1)で表される構造を側鎖中に有する繰り返し単位となるポリマー種としては公知のものを用いることができ、中でも、(メタ)アクリレート系のポリマー種、(メタ)アクリルアミド系のポリマー種、スチレン系のポリマー種等が好ましい。より具体的には、下記式(2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2014171506
〔式(1)中、R3は、直接結合または炭素数1〜24の2価の有機基を示し、R4は、炭素数1〜10の有機基を示す。〕
Figure 2014171506
〔式(2)中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、基−O−、基*−(C=O)−O−、基*−(C=O)−NR5−、基*−NR5−(C=O)−(R5は、水素原子または炭素数1〜10の有機基を示し、*は、式(2)中のR1が結合している炭素原子と結合する位置を示す)またはフェニレン基を示し、R3およびR4は前記と同義である。〕
ここで、式(1)および(2)中の各記号について詳細に説明する。
1は、水素原子またはメチル基を示すが、メチル基が好ましい。
また、R2は、基−O−、基*−(C=O)−O−、基*−(C=O)−NR5−、基*−NR5−(C=O)−またはフェニレン基を示す。斯かるフェニレン基としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基が挙げられる。
また、上記R5で示される有機基の炭素数は、好ましくは2〜8であり、さらに好ましくは2〜6である。上記有機基としては、炭化水素基が挙げられる。斯かる炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基を包含する概念である。
上記R5における脂肪族炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。
また、上記脂環式炭化水素基は、単環の脂環式炭化水素基と橋かけ環炭化水素基に大別される。上記単環の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。また、橋かけ環炭化水素基としては、イソボルニル基等が挙げられる。
また、上記芳香族炭化水素基としては、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
上述のようなR2の中でも、脂質・タンパク質吸着抑制効果、親水性付与の観点から、基*−(C=O)−O−、フェニレン基が好ましく、基*−(C=O)−O−が特に好ましい。
3は、直接結合または炭素数1〜24の2価の有機基を示す。斯かる直接結合としては、単結合が挙げられる。
斯様なR3の中でも、炭素数1〜24の2価の有機基が好ましい。斯かる2価の有機基の炭素数は、好ましくは2〜18であり、より好ましくは2〜10であり、更に好ましくは2〜9であり、特に好ましくは3〜6である。
上記2価の有機基としては、2価の炭化水素基が挙げられる。2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。具体的には、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
また、上記2価の炭化水素基は、置換基を有していてもよく、炭素−炭素結合間にエーテル結合を含んでいてもよい。
上記2価の炭化水素基が有していてもよい置換基としては、前記親水性基が挙げられる。該置換基の個数は、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3であり、更に好ましくは1または2である。
また、上記2価の炭化水素基が含んでいてもよいエーテル結合の個数としては、0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
また、2価の有機基の好適な具体例としては、下記式(3)で表される連結基、炭素数1〜24のアルカンジイル基が挙げられ、より好ましくは式(3)で表される連結基である。
Figure 2014171506
〔式(3)中、R6は、単結合、基−R8−O−(R8は、炭素数1〜4のアルカンジイル基を示す)または下記式(4)で表される連結基を示し、R7は、炭素数1〜4のアルカンジイル基を示し、nは1または2を示し、**は、式(1)、(2)中のイオウ原子と結合する位置を示す。〕
Figure 2014171506
〔式(4)中、R9は、炭素数1〜4のアルカンジイル基を示し、R10は、炭素数2または3のアルカンジイル基を示し、m1は1または2を示し、m2は1〜3の整数を示す。〕
上記R6としては、脂質・タンパク質吸着抑制効果、親水性付与の観点から、単結合、基−R8−O−が好ましく、単結合が特に好ましい。
また、上記R7、R8およびR9で示されるアルカンジイル基の炭素数は1〜4であるが、1または2が好ましい。
また、上記アルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、前述のアルカンジイル基と同様のものが挙げられる。
また、上記R10で示されるアルカンジイル基の炭素数は、好ましくは2である。また、該アルカンジイル基としては、R7で示されるものと同様のものが挙げられる。なお、m2が2または3の場合、m2個のR10は同一であっても異なっていてもよい。
また、nおよびm1としては1が好ましく、m2としては1または2が好ましい。
また、R4は、炭素数1〜10の有機基を示す。斯かる有機基としては、R5で示されるものと同様のものが挙げられる。また、R4が炭化水素基である場合、斯かる炭化水素基は置換基を有していてもよく、該置換基およびその個数としては、前記2価の炭化水素基が有していてもよいものと同様のものが挙げられる。また、Rとしては、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等の環構造を含まないものが好ましい。
上述のようなR4の好適な具体例としては、前記親水性基を有する炭素数1〜10の有機基が挙げられ、より好ましくは下記式(5)で表される1価の基、親水性基を有する炭素数1〜10のアルキル基であり、更に好ましくは式(5)で表される1価の基である。
Figure 2014171506
〔式(5)中、k1は、1〜4の整数を示し、k2は、0〜4の整数を示し、***は、式(1)、(2)中のイオウ原子と結合する位置を示す。〕
式(5)中、k1としては、1または2が好ましい。また、k2としては、0〜2の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
また、繰り返し単位(A)としては親水性を示すものが好ましい。ここで、本明細書において、親水性とは、水との親和力が強い性質を持つことを意味する。具体的には1種の繰り返し単位のみからなるホモポリマー(実施例の測定法による数平均分子量が1万〜10万程度のもの)が、常温(25℃)において純水100gに対して1g以上溶解する場合にはその繰り返し単位は親水性である。
また、繰り返し単位(A)は特に限定されないが、ノニオン性のものが好ましい。
また、繰り返し単位(A)の合計含有量は重合体中65質量%以下であるが、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、20〜65質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましく、40〜55質量%が更に好ましく、45〜55質量%が特に好ましい。斯かる含有量が65質量%を超える場合、本発明の効果が不十分となる。
なお、繰り返し単位(A)の含有量は13C−NMR等により測定可能である。
<繰り返し単位(B)>
本発明で用いる重合体は、上記繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位(B)を有し、この繰り返し単位に該当する繰り返し単位を1種または2種以上有していてよい。
繰り返し単位(B)の好適な具体例としては、下記式(8)で表される構造を側鎖中に少なくとも1つ含む繰り返し単位、該繰り返し単位以外の(メタ)アクリレート類由来の繰り返し単位が挙げられ、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、下記式(6)または(7)で表される繰り返し単位が好ましく、式(6)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 2014171506
〔式(8)中、R14およびR15は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の有機基を示し、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、基−OSi(R20(R20は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8の有機基を示す)または炭素数1〜10の有機基を示し、pは0〜200の整数を示す。〕
Figure 2014171506
〔式(6)中、R11は、水素原子またはメチル基を示し、R12は、基−O−、基****−(C=O)−O−、基****−(C=O)−NR19−、基****−NR19−(C=O)−(R19は、水素原子または炭素数1〜10の有機基を示し、****は、式(6)中のR11が結合している炭素原子と結合する位置を示す)またはフェニレン基を示し、R13は、炭素数1〜10の2価の有機基を示し、R14〜R18およびpは前記と同義である。〕
Figure 2014171506
〔式(7)中、R21は、水素原子またはメチル基を示し、R22は、基−O−、基*****−(C=O)−O−、基*****−(C=O)−NR24−、基*****−NR24−(C=O)−(R24は、水素原子または炭素数1〜10の有機基を示し、*****は、式(7)中のR21が結合している炭素原子と結合する位置を示す)またはフェニレン基を示し、R23は、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。〕
ここで、式(6)および(8)中の各記号について詳細に説明する。
式(6)中、R11は、水素原子またはメチル基を示すが、メチル基が好ましい。
また、R12は、基−O−、基****−(C=O)−O−、基****−(C=O)−NR19−、基****−NR19−(C=O)−またはフェニレン基を示す。これらR12で示される基としては、いずれもRで示される基と同様のものが挙げられる(すなわち、R19で示される基としてはRで示される基と同様のものが挙げられる)。
斯様なR12の中でも、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、基*−(C=O)−O−、基****−NR19−(C=O)−が好ましく、基*−(C=O)−O−が特に好ましい。
また、R13は、炭素数1〜10の2価の有機基を示す。斯かる2価の有機基の炭素数は、好ましくは2〜8であり、より好ましくは2〜6であり、更に好ましくは2〜4である。
上記2価の有機基としては、2価の炭化水素基が挙げられる。2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。具体例としては、Rにおけるアルカンジイル基と同様のものが挙げられる。
式(6)および(8)中、R14およびR15は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の有機基を示す。斯かる有機基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜4であり、更に好ましくは1または2である。
上記有機基としては、Rで示される有機基と同様に炭化水素基が挙げられ、その炭化水素基の具体例もRにおける炭化水素基の具体例と同様である。
また、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、基−OSi(R20または炭素数1〜10の有機基を示す。
上記R20は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8の有機基を示すが、炭素数1〜8の有機基が好ましい。斯かる有機基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜4であり、更に好ましくは1または2である。
また、R16、R17およびR18で示される炭素数1〜10の有機基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜4であり、更に好ましくは1または2である。
なお、上記R20、R16、R17およびR18で示される有機基としては、R14で示される有機基と同様のものが挙げられる。
斯様なR16、R17およびR18の中でも、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、基−OSi(R20が好ましい。
また、pとしては、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、0〜100が好ましく、0〜50がより好ましく、0〜25が更に好ましく、0〜10が更に好ましく、0〜5が更に好ましく、0が特に好ましい。
また、式(7)中のR22は、基−O−、基*****−(C=O)−O−、基*****−(C=O)−NR24−、基*****−NR24−またはフェニレン基を示す。これらR22で示される基としては、いずれもRで示される基と同様のものが挙げられる(すなわち、R24で示される基としてはRで示される基と同様のものが挙げられる)。斯様なR22としては、R12と同様に、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、基*−(C=O)−O−、基****−NR19−(C=O)−が好ましく、基*−(C=O)−O−が特に好ましい。
また、R23は、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。該炭化水素基の炭素数は、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、好ましくは2〜16であり、より好ましくは4〜14であり、更に好ましくは6〜10である。
また、R23で示される炭化水素基は、Rにおける炭化水素基と同様に、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基を包含する概念であるが、脂肪族炭化水素基が好ましい。
上記R23における脂肪族炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、好ましくは分岐鎖状である。分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチル−ヘキシル基等の分岐アルキル基が挙げられる。
なお、上記脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基としては、Rにおける脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
なお、式(6)で表される繰り返し単位を誘導するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル、(メタ)アクリル酸3−[ビス(トリメチルシロキシ)(メチル)シリル]プロピル、シリコーン(メタ)アクリレート(X−22−2475(信越シリコーン社製)等)等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、式(7)で表される繰り返し単位を誘導するモノマーとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、繰り返し単位(B)の合計含有量は重合体中35質量%以上であるが、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、35〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましく、45〜60質量%が更に好ましく、45〜55質量%が特に好ましい。斯かる含有量が35質量%未満の場合、本発明の効果が不十分となる。
なお、繰り返し単位(B)の含有量は、繰り返し単位(A)の含有量と同様にして測定すればよい。
また、本発明で用いる重合体に含まれる繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)との質量比〔(A):(B)〕としては、脂質・タンパク質吸着抑制効果および親水性付与の観点、並びに表面処理剤として使用した場合の耐剥離性の観点から、20:80〜65:35が好ましく、30:70〜60:40がより好ましく、40:60〜55:45が更に好ましく、45:55〜55:45が特に好ましい。
また、本発明で用いる重合体は、上記繰り返し単位(A)および(B)を有するものであるが、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。
また、本発明で用いる重合体の数平均分子量(M)としては、5千〜100万が好ましく、1万〜50万がより好ましく、1万〜25万が更に好ましく、1万〜15万が特に好ましい。
また、本発明で用いる重合体の重量平均分子量(M)としては、1万〜200万が好ましく、3万〜100万がより好ましく、3万〜50万が更に好ましく、3万〜20万が特に好ましい。
また、分子量分布(M/M)としては、1〜10が好ましく、1〜7がより好ましく、1〜5が更に好ましく、1〜4が特に好ましい。
なお、上記数平均分子量、重量平均分子量および分子量分布は、後述する実施例に記載の方法に従い測定すればよい。
また、本発明で用いる重合体としては、炭素数1〜4程度の低級アルコールまたは水に溶解するものが好ましい。ここで、本明細書において、溶解するとは、1質量%のポリマー固形分となるように重合体を上記低級アルコールまたは水(25℃)に添加・混合したときに、目視で透明となることをいう。
また、本発明で用いる重合体としては、ノニオン性のものが好ましい。
また、本発明で用いる重合体は、(1)重合させたときに側鎖となる部分にスルフィド基を導入可能なモノマーを他のモノマーと共重合させ、得られた共重合体の側鎖にスルフィド基を導入した後、さらにスルフィド基をスルフィニル基に変換する方法、(2)重合させたときに側鎖となる部分にスルフィド基を有するモノマーを他のモノマーと共重合させ、得られた共重合体のスルフィド基をスルフィニル基に変換する方法、或いは(3)重合させたときに側鎖となる部分にスルフィニル基を有するモノマーを他のモノマーと共重合させる方法等の公知の反応を適宜組み合わせた方法で製造できる。例えば、以下のような合成経路で得ることができる。なお、上記の方法において、他のモノマーの使用量は、重合体における繰り返し単位(A)の含有量が65質量%以下、且つ繰り返し単位(B)の含有量が35質量%以上となるように調整すればよい。
Figure 2014171506
(式中のiはその繰り返し単位が重合体中35質量%以上であることを示し、jはその繰り返し単位が重合体中65質量%以下であることを示し、その他の各記号は前記と同義である。)
また、本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤中の上記重合体の含有量は、0.001〜20質量%が好ましく、0.01〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が更に好ましい。
本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤は、上記重合体の他に、溶剤を含んでいてもよく、溶剤としては、水;リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、グッド緩衝液、トリス緩衝液、アンモニア緩衝液等の各種緩衝液;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤等が挙げられ、これら溶剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて含まれていてもよい。これらの中でも、アルコール系溶剤が好ましい。
上記溶剤の含有量としては、50〜99.9質量%が好ましく、80〜99.9質量%がより好ましい。
また、本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤は、前記重合体と溶剤の他に、殺菌剤、防腐剤等を含んでいてもよい。
そして、後記実施例に記載のとおり、本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤は、シリコーン系樹脂に対する脂質およびタンパク質の吸着を抑制する効果に優れる。しかも、表面処理剤として使用した場合には、シリコーン系樹脂に対し高い吸着性をもち剥離しにくいため、上記脂質およびタンパク質吸着抑制効果の持続性にも優れる。なお、上記重合体をシリコーン系樹脂の一部または全部にコーティングする表面改質方法も同様の効果を奏する。
したがって、本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤は、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ、シリコーン系樹脂製医療用デバイス基材、シリコーン系樹脂製マイクロ流路基材等の脂質やタンパク質による汚染が懸念されるシリコーン系樹脂製品の表面改質に広く利用できる。特に、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの表面改質に有用であり、プラズマ処理やUVオゾン処理がされたシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの表面改質に極めて有用である。
なお、シリコーン系樹脂とは、ポリシロキサン鎖を主鎖または側鎖に有する樹脂のことをいい、シリコーンハイドロゲル等を含む概念である。ポリシロキサン鎖を主鎖または側鎖に有する樹脂としては、例えばジメチルポリシロキサン(PDMS)が挙げられる。
ここで、本明細書において、「表面改質」とは、本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤を用いた表面処理の他に、〔1〕本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤を、重合前のシリコーン系モノマーに添加しておくことによって、当該モノマーを重合させて得られるシリコーン系樹脂中に本発明の重合体を入れ込み、シリコーン系樹脂の表面を改質すること、〔2〕溶融などにより液状にされたシリコーン系樹脂に本発明のシリコーン系樹脂用表面改質剤を混合し、次いでシリコーン系樹脂を固体の状態とすることによって、シリコーン系樹脂中に本発明の重合体を入れ込み、シリコーン系樹脂の表面を改質することを含む概念である。
また、上記「表面処理」とは、シリコーン系樹脂の一部または全部を上記重合体でコーティングすることをいう。斯かる表面処理の方法としては、例えば、(1)表面処理剤をシリコーン系樹脂に接触させ、溶媒を残したまま溶液中で上記重合体を樹脂表面に物理吸着させる方法、(2)表面処理剤をシリコーン系樹脂に接触させ、乾燥により溶媒を揮発させ、上記重合体の乾燥膜を樹脂表面に形成させる方法が挙げられる。なお、上記(1)の方法においては、上記物理吸着をさせたのち、通常、溶液が流れ出るように樹脂を傾ける、樹脂を溶液から引き上げる、樹脂上の溶液を吹き飛ばす、溶媒を多量に注ぎ込む等の方法により、残存した溶液を取り除く工程を経て、上記重合体が吸着した樹脂を得る。
本発明の表面改質剤を、表面処理剤として使用した場合には、シリコーン系樹脂表面を簡便に改質することができる。また、当該表面処理剤は、シリコーン系樹脂に対し高い吸着性をもち剥離しにくいため、上記脂質およびタンパク質吸着抑制効果の持続性にも優れる。
〔シリコーン系樹脂〕
本発明の表面が改質されたシリコーン系樹脂は、上記本発明で用いる重合体を表面の少なくとも一部に有するものである。具体的には、上記本発明で用いる重合体が少なくとも一部に塗布されたものであるか、または、上記〔1〕や〔2〕の方法によりシリコーン系樹脂に重合体が混合されたことで表面が改質されたものである。また、シリコーン系樹脂表面に脂質およびタンパク質吸着抑制層が形成されることによって、シリコーン系樹脂の表面が改質されたものである。
上記シリコーン系樹脂の形態としては、シリコーン系樹脂製医療用デバイス基材、シリコーン系樹脂製マイクロ流路基材、シリコーン系樹脂製インプラントやセンサーなどの生体内に移植する機器の本体またはその部品が挙げられる。また、シリコーン系樹脂は、プラズマ処理、UVオゾン処理、内部浸潤剤処理等がされていてもよいが、プラズマ処理、UVオゾン処理されたシリコーン系樹脂が好ましい。プラズマ処理、UVオゾン処理されたシリコーン系樹脂は表面が親水化されているため、重合体が吸着しにくくなる場合があるが、本発明で用いる重合体はこのようなプラズマ処理等がされたシリコーン系樹脂にも吸着し、優れた脂質・タンパク質吸着抑制効果が付与される。
また、本発明の表面が改質されたシリコーン系樹脂は、上記本発明で用いる重合体を、シリコーン系樹脂表面の少なくとも一部にコーティングすることにより製造できる。該コーティング以外は通常のシリコーン系樹脂の製法と同様にして製造すればよい。
コーティング法としては、シリコーン系樹脂の少なくとも一部に本発明で用いる重合体を塗布する方法が挙げられる。斯かる塗布は、上記本発明で用いる重合体を含むポリマー溶液(シリコーン系樹脂用表面処理剤)をコーティングしたい部位に接触させればよい。例えば、ポリマー溶液をシリコーン系樹脂に接触させた後、必要に応じて洗浄や乾燥する方法が挙げられる。
〔コンタクトレンズ〕
本発明の表面が改質されたコンタクトレンズは、上記本発明で用いる重合体を表面の少なくとも一部に有するものである。具体的には、上記本発明で用いる重合体が少なくとも一部に塗布されたものであるか、または、上記〔1〕や〔2〕の方法によりシリコーン系樹脂に重合体が混合されたことで表面が改質されたものである。また、コンタクトレンズ表面に脂質およびタンパク質吸着抑制層が形成されることによって、コンタクトレンズの表面が改質されたものである。
上記コンタクトレンズとしては、シリコーン系樹脂を含むものが好ましく、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズがより好ましい。当該シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、非イオン性でもイオン性でもよい。
また、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとしては、シロキシ基含有ビニルモノマーまたはマクロマーと、親水性ビニルモノマーとに由来するものが挙げられる。その一例として、シリコーンアクリルアミドモノマーと親水性アクリルアミドモノマー、親水性メタクリル酸エステル、および表面に濡れ性を付与するための内部湿潤剤を含む重合原液を重合して得られるシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズが知られている(米国特許7396890号、米国特許7214809号、米国特許4711943号、特開平10−212355号公報)。シロキシ基含有ビニルモノマーまたはマクロマーとしては、例えば、ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシプロピル基で末端化されたジメチルポリシロキサン等が挙げられ、1種以上を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いたものでよい。親水性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、グリセロール(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種以上を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いたものでよい。
また、コンタクトレンズは、プラズマ処理、UVオゾン処理、内部浸潤剤処理等がされていてもよいが、プラズマ処理、UVオゾン処理されたコンタクトレンズが好ましい。プラズマ処理、UVオゾン処理されたコンタクトレンズは表面が親水化されているため、重合体が吸着しにくくなる場合があるが、本発明で用いる重合体はこのようなプラズマ処理等がされたコンタクトレンズにも吸着し、優れた脂質・タンパク質吸着抑制効果が付与される。
また、本発明の表面が改質されたコンタクトレンズは、上記本発明で用いる重合体を、コンタクトレンズ表面の少なくとも一部にコーティングすることにより製造できる。該コーティング以外は通常のコンタクトレンズの製法と同様にして製造すればよい。
コーティング法としては、コンタクトレンズの少なくとも一部(好ましくは凹面)に本発明で用いる重合体を塗布する方法が挙げられる。斯かる塗布は、上記本発明で用いる重合体を含むポリマー溶液(シリコーン系樹脂用表面処理剤)をコーティングしたい部位に接触させればよい。例えば、ポリマー溶液をコンタクトレンズに接触させた後、必要に応じて洗浄や乾燥する方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例における各分析条件は以下に示すとおりである。
<分子量測定>
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、東ソー社製 TSKgel α−Mカラムを用い、流量:0.5ミリリットル/分、溶出溶媒:NMP溶媒(HPO:0.016M、LiBr:0.030M)、カラム温度:40℃の分析条件で、ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
<NMRスペクトル>
13C−NMRスペクトルは、溶媒および内部標準物質としてd−DMSOを用いて、BRUKER製モデルAVANCE500(500MHz)により測定した。
合成例1 共重合体(N−1−1)の合成
以下の合成経路に従い、共重合体(N−1−1)を得た。なお、下記式中、i−1およびj−1は、それぞれ、その繰り返し単位が重合体中50質量%であることを示す。
Figure 2014171506
グリシジルメタクリレート7.0gと、メタクリル酸3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル(東京化成社製)13.0gと、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.2gと、アミド系溶媒(エクアミドB−100、出光興産社製)47gとを混合しフラスコに入れた。これに窒素を吹き込み、70℃まで昇温し、8時間重合させ、その後室温に冷却することで共重合体(S−1−1)を得た。
次いで、得られた共重合体(S−1−1)の溶液20gと、チオグリセロール4.7gと、メタノール9.7gとを混合してフラスコに入れた。これに窒素を吹き込みながら60℃まで昇温し、触媒としてトリエチルアミン0.7gを添加した後2時間反応させ、その後室温に冷却することで共重合体(G−1−1)を得た。
次いで、得られた共重合体(G−1−1)の溶液35.1gおよび精製水5.3gを混合してフラスコへ入れた。これに、30%過酸化水素水溶液を9.9g添加し、40℃まで昇温し、2時間反応させた。得られた溶液を水による再沈殿で精製することで、共重合体(N−1−1)を得た。
得られた共重合体(N−1−1)において、スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位(A)の含有量は50質量%であり、繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位(B)の含有量は50質量%であった。なお、これら含有量は13C−NMRにより測定した。
また、得られた共重合体(N−1−1)の数平均分子量は49000であり、重量平均分子量は171000であり、分子量分布は3.49であった。なお、共重合体(N−1−1)とエタノールを混合し、濃度を1質量%に調整したところ、共重合体(N−1−1)はエタノールに溶解していた。
参考例1 共重合体(N−1−2)の合成
グリシジルメタクリレート14.7gと、下記式で表されるシリコーンメタクリレート(X−22−2475、信越シリコーン社製)5.3gと、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.2gと、アミド系溶媒(エクアミドB−100、出光興産社製)47gとを混合しフラスコに入れた。これに窒素を吹き込み、70℃まで昇温し、8時間重合させ、その後室温に冷却することで共重合体(S−1−2)を得た。
Figure 2014171506
次いで、得られた共重合体(S−1−2)の溶液20gと、チオグリセロール5.9gと、メタノール9.0gとを混合してフラスコに入れた。これに窒素を吹き込みながら60℃まで昇温し、触媒としてトリエチルアミン0.7gを添加した後2時間反応させ、その後室温に冷却することで共重合体(G−1−2)を得た。
次いで、得られた共重合体(G−1−2)の溶液35.6gおよび精製水9.0gを混合してフラスコへ入れた。これに、30%過酸化水素水溶液を12.2g添加し、40℃まで昇温し、2時間反応させた。得られた水溶液を透析することで、共重合体(N−1−2)を得た。
得られた共重合体(N−1−2)において、スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位(A)の含有量は84質量%であり、繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位(B)の含有量は16質量%であった。なお、これら含有量は13C−NMRにより測定した。
また、得られた共重合体(N−1−2)の数平均分子量は54000であり、重量平均分子量は184000であり、分子量分布は3.41であった。なお、共重合体(N−1−2)と水を混合し、濃度を1質量%に調整したところ、共重合体(N−1−2)は水に溶解していた。
実施例1
合成例1で得た共重合体(N−1−1)1質量部とエタノール99質量部とを混合して表面処理剤を得た。
比較例1
参考例1で得た共重合体(N−1−2)1質量部と水99質量部とを混合して表面処理剤を得た。
試験例1 接触角測定試験
まず、10×5mmに切り出した厚さ0.5mmのシリコーンゴムシート(SR−50、タイガースポリマー社製)と、HDT−400電子顕微鏡用親水化処理装置(日本電子社製)を用いて上記シリコーンゴムシートをプラズマ処理により表面親水化したプラズマ処理シートを用意した。
次いで、上記シリコーンゴムシートを実施例1または比較例1の表面処理剤1mLに、プラズマ処理シートを実施例1の表面処理剤1mLに、それぞれ浸漬し、室温で2時間静置した後、PBSバッファーで3回洗浄し未吸着ポリマーを除去した(なお、プラズマ処理シートを実施例1の表面処理剤に浸漬した場合を実施例2とする)。その後、各シート表面の水分を拭き取った後、接触角計DM−701(協和界面科学社製)を用いて気泡法による接触角を測定した。気泡法による測定結果は、濡れた状態での表面親水性を示し、親水性が高ければ値は高くなる。
試験結果を表1に示す。なお、表中のコントロールは、実施例1の表面処理剤をPBSバッファーに変更してシリコーンゴムシートを浸漬した以外は上記と同様に試験した結果を示し、比較例2は、プラズマ処理シートを表面処理剤に浸漬しなかった以外は上記と同様に試験した結果を示す。
Figure 2014171506
表1に示すとおり、繰り返し単位(A):50質量%および繰り返し単位(B):50質量%を有する重合体を含有する表面処理剤を用いた場合(実施例1および2)は、濡れた状態における表面親水性向上が顕著であった。
試験例2 タンパク質防汚試験
まず、試験に先立ち、アルブミン:0.39質量%、γ−グロブリン:0.16質量%および卵白リゾチーム:0.12質量%をPBSバッファーに溶解させたタンパク質溶液を準備した。
次いで、φ14mmに切り出した厚さ0.5mmのシリコーンゴムシート(SR−50、タイガースポリマー社製)を、実施例1または比較例1の表面処理剤1mLに浸漬し室温で2時間静置した後、超純水で3回洗浄し未吸着ポリマーを除去した。
次いで、チューブに上記タンパク質溶液1mLと上記シートを入れて、室温で2時間撹拌した後、上記シートをチューブから取り出し、PBSバッファーで3回洗浄した。その後、シートをPBSバッファーに浸漬し、MicroBCAキット(Pierce社製)を用いて吸着したタンパク質量を測定した。タンパク質濃度既知の溶液について予め前記同様の方法により吸光度を測定して検量線を作成しておき、前記測定結果からシートに吸着したタンパク質量を決定した。
試験結果を表2に示す。なお、表中のコントロールは、実施例1の表面処理剤を水に変更する以外は上記と同様に試験した結果を示す。
Figure 2014171506
表2に示すとおり、繰り返し単位(A):84質量%および繰り返し単位(B):16質量%を有する重合体を含有する表面処理剤を用いた場合(比較例1)は、シリコーン系樹脂表面に対するタンパク質吸着を十分には抑制できなかった。
これに対し、繰り返し単位(A):50質量%および繰り返し単位(B):50質量%を有する重合体を含有する表面処理剤を用いた場合(実施例1)は、シリコーン系樹脂表面に対するタンパク質吸着が十分に抑制された。
試験例3 脂質防汚試験
まず、試験に先立ち、ソルビタンモノオレイン酸エステル:6質量%、ヒマシ油:16質量%、ラノリン:35質量%、オレイン酸:5質量%、ソルビタントリオレイン酸エステル:4質量%、セチルアルコール:2質量%、コレステロール:2質量%および酢酸コレステロール:30質量%を加熱撹拌によって均一化した脂質液を得て、この脂質液1質量部と水99質量部とを混合して人工脂質溶液を調製した。
また、φ14mmに切り出した厚さ0.5mmのシリコーンゴムシート(SR−50、タイガースポリマー社製)と、HDT−400電子顕微鏡用親水化処理装置(日本電子社製)を用いて上記シリコーンゴムシートをプラズマ処理により表面親水化したプラズマ処理シートを用意した。
次いで、上記シリコーンゴムシートを実施例1または比較例1の表面処理剤1mLに、プラズマ処理シートを実施例1の表面処理剤1mLに、それぞれ浸漬し、室温で2時間静置した後、PBSバッファーで3回洗浄し未吸着ポリマーを除去した(なお、プラズマ処理シートを実施例1の表面処理剤に浸漬した場合を実施例2とする)。次いで、チューブに上記人工脂質溶液1mLと上記シリコーンゴムシートまたはプラズマ処理シートを入れて、37℃で15時間撹拌した後、上記シリコーンゴムシートまたはプラズマ処理シートをチューブから取り出し、超純水で3回洗浄し、減圧乾燥した。その後、このシリコーンゴムシートまたはプラズマ処理シートをメタノール/クロロホルム(50/50体積%)溶液3mLに浸漬し、1時間超音波洗浄することでシリコーンゴムシートまたはプラズマ処理シートに残存する脂質を抽出した。この抽出液1gを試験管に採取し、90℃で溶媒を蒸発させた。
次いで、試験管中に濃硫酸0.5mLを添加し、90℃15分間加熱した。加熱後の溶液に0.6質量%バニリン水溶液/リン酸(20/80体積%)溶液を2.5mL添加し、37℃で10分間保持した。この溶液を室温まで冷却後、540nmにおける吸光度を測定した。脂質濃度既知の溶液について予め前記同様の方法により吸光度を測定して検量線を作成しておき、前記測定結果の吸光度からシートに吸着した脂質量を決定した。
試験結果を表3に示す。なお、表中のコントロールは、実施例1の表面処理剤を水に変更してシリコーンゴムシートを浸漬した以外は上記と同様に試験した結果を示し、比較例2は、プラズマ処理シートを表面処理剤に浸漬せずにチューブに入れた以外は上記と同様に試験した結果を示す。
Figure 2014171506
表3に示すとおり、繰り返し単位(A):84質量%および繰り返し単位(B):16質量%を有する重合体を含有する表面処理剤を用いた場合(比較例1)や、プラズマ処理による表面親水化のみを行った場合(比較例2)は、シリコーン系樹脂表面に対する脂質吸着を十分には抑制できなかった。
これに対し、繰り返し単位(A):50質量%および繰り返し単位(B):50質量%を有する重合体を含有する表面処理剤を用いた場合(実施例1および2)は、シリコーン系樹脂表面に対する脂質吸着が十分に抑制された。
試験例4 耐剥離性試験
10×5×0.5mmに切り出した厚さ0.5mmのシリコーンゴムシート(SR−50、タイガースポリマー社製)を、実施例1または比較例1の表面処理剤1mLに浸漬し室温で2時間静置した後、超純水で1回洗浄し未吸着ポリマーを除去した。
次いで、表4に示す4種の処理のいずれかを上記シートにそれぞれ行い、シート表面の水分を軽く拭き取り減圧乾燥した後、X線光電子分光分析法(XPS)測定装置(クレイトス社製、AXIS ULTRA)を用い測定角度90°の条件でシート表面の元素組成を分析した。シートへのポリマーの吸着量はポリマーのみに含有されるS原子の検出比率で表した。
試験結果を表5に示す。なお、表中のコントロールは、実施例1の表面処理剤を水に変更する以外は上記と同様に試験した結果を示す。
Figure 2014171506
Figure 2014171506
表5に示すとおり、繰り返し単位(A):84質量%および繰り返し単位(B):16質量%を有する重合体を含有する表面処理剤(比較例1)は、耐剥離性が不十分であった。
これに対し、繰り返し単位(A):50質量%および繰り返し単位(B):50質量%を有する重合体を含有する表面処理剤(実施例1)は、優れた耐剥離性を示した。
試験例5 脂質防汚試験
まず、試験に先立ち、オレイン酸:1.20質量%、リノール酸:1.20質量%、トリパルミチン:16.23質量%、セチルアルコール:4.01質量%、パルミチン酸:1.20質量%、パルミチン酸セチル:16.23質量%、コレステロール:1.60質量%、パルミチン酸コレステロール:1.60質量%およびレシチン:56.71質量%を加熱撹拌によって均一化して脂質液を得て、この脂質液0.5質量部と水99.5質量部とを混合して乳化させた人工脂質溶液を調製した。
次いで、コンタクトレンズとして、シリコーンハイドロゲルからなる市販のコンタクトレンズ(ジョンソン・エンド・ジョンソン社製、ACUVUEOASYS)を準備し、斯かるコンタクトレンズをPBSで3回洗浄した後、各実施例および比較例の処理剤1mL中にそれぞれ浸漬し、室温で2時間静置した後、PBSで3回洗浄した。
次いで、処理したコンタクトレンズを人工脂質溶液1mLに浸漬し、1時間振とうした後、コンタクトレンズを取り出し、PBSで3回洗浄し、減圧乾燥した。その後、このコンタクトレンズをエタノール/ジエチルエーテル(75/25体積%)溶液1mLに浸漬し、30分静置することでコンタクトレンズに残存する脂質を抽出した。この抽出液0.5mLを試験管に採取し、90℃で溶媒を蒸発させた。
次いで、試験管中に濃硫酸0.5mLを添加し、90℃30分間加熱した。この溶液を室温まで冷却した後、0.6質量%バニリン水溶液/リン酸(20/80体積%)溶液を2.5mL添加し、37℃で15分間保持した。この溶液を室温まで冷却後、540nmにおける吸光度を測定した。脂質濃度既知の溶液について予め前記同様の方法により吸光度を測定して検量線を作成しておき、前記測定結果の吸光度からコンタクトレンズに吸着した脂質量を決定した。
試験結果を表6に示す。なお、表中のコントロールは、各処理剤の代わりにPBSを用いて上記と同様に試験した結果を示す。また、脂質防汚量はコントロールと比較して低下した脂質付着量を示し、その値が大きい程、脂質防汚効果が高い。
Figure 2014171506
表6に示すとおり、繰り返し単位(A):84質量%および繰り返し単位(B):16質量%を有する重合体を含有する表面処理剤(比較例1)は、脂質防汚性を示さなかった。
これに対し、繰り返し単位(A):50質量%および繰り返し単位(B):50質量%を有する重合体を含有する表面処理剤(実施例1)は、優れた脂質防汚性を示した。

Claims (7)

  1. 下記繰り返し単位(A):65質量%以下と下記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を含有する、シリコーン系樹脂用表面改質剤。
    (A)スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位
    (B)繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位
  2. 繰り返し単位(A)が、下記式(2)で表されるものである請求項1に記載の表面改質剤。
    Figure 2014171506
    〔式(2)中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、基−O−、基*−(C=O)−O−、基*−(C=O)−NR5−、基*−NR5−(C=O)−(R5は、水素原子または炭素数1〜10の有機基を示し、*は、式(2)中のR1が結合している炭素原子と結合する位置を示す)またはフェニレン基を示し、R3は、直接結合または炭素数1〜24の2価の有機基を示し、R4は、炭素数1〜10の有機基を示す。〕
  3. 繰り返し単位(B)が、下記式(6)または(7)で表されるものである請求項1または2に記載の表面改質剤。
    Figure 2014171506
    〔式(6)中、R11は、水素原子またはメチル基を示し、R12は、基−O−、基****−(C=O)−O−、基****−(C=O)−NR19−、基****−NR19−(C=O)−(R19は、水素原子または炭素数1〜10の有機基を示し、****は、式(6)中のR11が結合している炭素原子と結合する位置を示す)またはフェニレン基を示し、R13は、炭素数1〜10の2価の有機基を示し、R14およびR15は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の有機基を示し、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、基−OSi(R20(R20は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8の有機基を示す)または炭素数1〜10の有機基を示し、pは0〜200の整数を示す。〕
    Figure 2014171506
    〔式(7)中、R21は、水素原子またはメチル基を示し、R22は、基−O−、基*****−(C=O)−O−、基*****−(C=O)−NR24−、基*****−NR24−(C=O)−(R24は、水素原子または炭素数1〜10の有機基を示し、*****は、式(7)中のR21が結合している炭素原子と結合する位置を示す)またはフェニレン基を示し、R23は、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。〕
  4. 下記繰り返し単位(A):65質量%以下と下記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を表面の少なくとも一部に有する、表面が改質されたシリコーン系樹脂。
    (A)スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位
    (B)繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位
  5. 下記繰り返し単位(A):65質量%以下と下記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を表面の少なくとも一部に有する、表面が改質されたコンタクトレンズ。
    (A)スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位
    (B)繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位
  6. 下記繰り返し単位(A):65質量%以下と下記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を、シリコーン系樹脂表面の少なくとも一部にコーティングする工程を含むことを特徴とする、表面が改質されたシリコーン系樹脂の製造方法。
    (A)スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位
    (B)繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位
  7. 下記繰り返し単位(A):65質量%以下と下記繰り返し単位(B):35質量%以上とを有する重合体を、コンタクトレンズ表面の少なくとも一部にコーティングする工程を含むことを特徴とする、表面が改質されたコンタクトレンズの製造方法。
    (A)スルフィニル基を側鎖に有する繰り返し単位
    (B)繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位
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