JPWO2014157608A1 - 耐熱性に優れたチョコレート類利用食品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

チョコレート類またはチョコレート類利用食品、特にチョコレート類を水分活性0.4未満の食品ないし食品原料と接触させるチョコレート類利用食品において、耐熱性付与のために加熱処理工程や焼成工程を必要とせず、チョコレート類中の油脂の融点を超える温度域での耐熱性があり、チョコレート本来の食感、口溶け及び風味を有するチョコレート類及びチョコレート類利用食品の製造方法を提供する。特定の粉乳類または糖類及び特定量のレシチンを含有するチョコレート類またはチョコレート類を食品ないし食品原料と接触させたチョコレート類利用食品を、冷却固化後に結露、水の噴霧または塗布のいずれかの方法によりチョコレート類表面に水分を付着させることにより、耐熱性とチョコレート本来の食感、口溶け及び風味を有するチョコレート類及びチョコレート類利用食品を得る。

Description

本発明は、耐熱性に優れたチョコレート類利用食品の製造方法に関する。
チョコレートやチョコレート類は油脂の連続相の中に他の原材料であるココア固形分や粉乳類、糖類などの微粒子が分散されたものであるため、チョコレートやチョコレート類の固化や融解などの挙動は油脂の物理的性質に依存している。チョコレートに使用される油脂の代表がココアバターであり、その融点が33℃前後であるため、体温付近で急激に融解し優れた口溶けを示す一方で、35℃を超えると油脂が殆ど融解して耐熱性が失われ、結果として表面のべとつき、互いの付着、保型性の喪失のような問題が生じる。
上記のような問題を防止するために、ココアバターに代わる油脂としてココアバター改良油脂、ココアバター代用油脂などの融点34〜42℃の各種油脂が使用されているが、かかる油脂を用いてもチョコレート類の耐熱性は38℃程度が限界であるとともに、体温以上の融点を有する油脂を使用したチョコレート類の口溶けは大幅に低下し嗜好性の低いものになるという問題があった。
上記より、夏場の日本市場や熱帯地域の国々などの40℃を超える耐熱性が要求される市場では、チョコレート類の使用に大きな制限があり、チョコレート類への高いニーズにも拘わらず空調設備の充実した場所での販売に限定されている。
上記ニーズに対応するべく、耐熱性に優れたチョコレート類の製造方法に関し、様々な提案がされている。特許文献1は、砂糖の一部または全部を結晶ブドウ糖、果糖、結晶ソルビトール、粉末水飴、粉末水添水飴等の代替糖類の一種または二種以上と置換して調整したチョコレート類生地を成形後に80℃以上に数秒から数十分間の加熱固化させる方法であり、油脂の融点以上の40〜90℃でもべたつきのない油性菓子に関するものである。
特許文献2は、油脂及び糖類を主成分とし水分3%以下の油脂性菓子生地表面を吸湿させ、これを焼成する耐熱性の優れた菓子の製造法であり、形が崩れたり、表面がべたついたり、互いに付着したりせず、しかも油脂性菓子生地本来の食感を損なわない、耐熱性の優れた菓子に関するものである。
特許文献3は、含水食品素材上にチョコレート類を載置又は、デポジットして焼成することにより、耐熱性を向上させた複合菓子の製造法である。本方法は、特許文献2の油脂性菓子生地表面を吸湿させる方法に代えて、含水食品素材からチョコレート類生地及び/又はチョコレート類への水分移行を利用して、焼成後のチョコレート類に耐熱性を付与する方法である。
特開昭52−148662号公報 特開2001−245594号公報 特開2001−333697号公報
特許文献1の方法は、耐熱性は確かに付与できる方法であるが、硬くてボソボソとした食感になり本来のチョコレートの滑らかな食感と口当たりが得られないという問題に加え、通常のチョコレート類製造工程にない加熱固化工程を追加する必要があった。また、砂糖の一部または全部を代替糖類に置き換えてチョコレート類生地を調製する際に、ロールなどのリファイナー粉砕が容易でなく微粒化が困難で、ざらつく食感の原因になったり、チョコレート類生地のコンチング工程において凝集によるダマ(粗大粒子)の発生や生地の粘度上昇の問題があり、実質的に実用的な方法ではなかった。
特許文献2の方法は、チョコレート類表面を吸湿させるために、チョコレート類を成形後にチョコレート類表面に水や糖類を含有する水をスプレーや塗布し、その後焼成する方法であるが、吸湿後に焼成工程が必須であるという問題と吸湿や焼成の度合いによっては、チョコレート類表面が硬い食感となりチョコレート類本来のソフトな食感が得られないという問題があった。
特許文献3の方法は、含水食品素材からチョコレート類生地及び/又はチョコレート類への水分移行を利用をするため、チョコレート類へ吸湿させる手間は省けるが、やはり含水食品素材へチョコレート類を載置してから焼成する工程が必須であるという問題と焼成によりチョコレート本来の風味がやや低下するという問題があった。
上記のように、従来の耐熱性チョコレート類の製造方法では、耐熱性付与のために加熱処理工程や焼成工程が必須であり、通常のチョコレート類利用の複合菓子、例えばコーチングチョコレート類と焼菓子の複合菓子の製造において、かかる加熱処理工程や焼成工程を追加する必要があった。また、加熱処理工程や焼成工程を経ることによって、チョコレート類表面が硬くなる、チョコレート類が硬くてボソボソとした食感になる、チョコレート風味が低下するというような問題があった。
上記より、耐熱性付与のために加熱処理工程や焼成工程を必要とせず、表面からチョコレート内部までチョコレート本来の滑らかな食感、口溶け及び風味を示すチョコレート類は未だ得られておらず、耐熱性と優れた食感、口溶け及び風味を両立する耐熱性チョコレート類の製造方法が求められていた。
本発明者らは上記課題に対して、特定量の粉乳類、グルコース及びレシチンを含有するチョコレート類生地を水分活性0.4〜0.95の食品ないし食品原料に被覆または載置後に冷却固化することにより、該チョコレート類生地を加熱処理または焼成することなく、油脂の融点を超える温度域、例えば35〜90℃の耐熱性があり、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来のソフトで滑らかな食感、口溶け及び風味に優れるチョコレート類の製造が可能であることを見出し、先に特願2012−274388号を出願した。本出願にかかる発明は、粉乳類3〜35重量%を含有するチョコレート類に関するものである。粉乳類3重量%未満のビターチョコレート類において、耐熱性と優れた食感、口溶け及び風味を両立する耐熱性チョコレート類の製造方法として、特願2013−56890号を出願した。本出願に係る発明は、マルトース、トレハロース、フルクトース、パラチノース、還元パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール及びソルビトールから選択される糖類1種または2種以上を2〜20重量%含有するチョコレート類を水分活性0.4〜0.95の食品ないし食品原料に接触させることにより、該チョコレート類生地を加熱処理または焼成することなくチョコレート類中の、油脂の融点を超える温度域での耐熱性を付与する方法に関する。前記2出願にかかる発明は、チョコレート類を水分活性0.4〜0.95の食品ないし食品原料と接触させることによりチョコレート類に優れた耐熱性を付与する方法であるが、水分活性0.4未満の食品ないし食品原料と組み合わせるチョコレート類利用食品やチョコレート類単独の板チョコレート、ブロックチョコレート、チップチョコレートなどに簡便にチョコレート類中の油脂の融点を超える温度域での耐熱性を付与する方法が課題として残されていた。
本発明の目的は、チョコレート類またはチョコレート類利用食品、特に水分活性0.4未満の食品ないし食品原料と接触させるチョコレート類利用食品において、耐熱性付与のために加熱処理工程や焼成工程を必要とせず、チョコレート類中の油脂の融点を超える温度域、例えば35〜90℃、の耐熱性があり、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来の滑らかな食感、口溶け及び風味を示すチョコレート類及びその製造方法を提供することにある。また、チョコレート類生地調製中の微粒化が困難となる問題、ダマの発生及び生地の粘度上昇の問題がなく、しかもコーチング適性のある特定の粘度範囲のチョコレート類生地調製法と該生地を利用した耐熱性チョコレート類利用食品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、特定の配合のチョコレート類またはチョコレート類を食品ないし食品原料に接触させたチョコレート類を冷却固化後、結露、水の噴霧または塗布のいずれかの方法によりチョコレート類表面に水分を付着させることにより、該チョコレート類生地を加熱処理または焼成することなく、油脂の融点を超える温度域、例えば35〜90℃の耐熱性があり、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来のソフトで滑らかな食感、口溶け及び風味に優れるチョコレート類の製造が可能であることを見出し、本発明を完成させた。また、本発明のチョコレート類生地であれば、チョコレート類生地調製中の微粒化困難、ダマの発生及び生地の粘度上昇の問題がなく、生地粘度としてコーチング適性のある特定の粘度に調製することもできて、しかもコーチング作業中の経時的な粘度変化もほとんど生じない。
即ち、本発明は
(1)下記(A)または(B)であるチョコレート類において、チョコレート類または食品ないし食品原料に接触させたチョコレート類を冷却固化後、結露、水の噴霧または塗布のいずれかの方法によりチョコレート類表面に水分を付着させることを特徴とするチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
(A)粉乳類3〜35重量%または粉乳類3〜35重量%及びグルコース5〜30重量%とレシチンを0.4重量%以下含有するチョコレート類。
(B)マルトース、トレハロース、フルクトース、パラチノース、還元パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール及びソルビトールから選択される糖類1種または2種以上を2〜20重量%または前記糖類2〜20重量%及びグルコース5〜30重量%とレシチンを0.4重量%以下含有するチョコレート類。
(2)冷却固化後のチョコレート類表面温度が結露条件温度及び相対湿度における露点温度より低い表面温度のチョコレート類を結露条件下に保持して結露させる(1)記載のチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
(3)冷却固化後のチョコレート類表面温度が結露条件温度15〜50℃、相対湿度40〜100%における露点温度より低い0〜25℃であり、かつ露点温度より1℃〜25℃低い表面温度のチョコレート類を結露条件下に保持して結露させる(1)または(2)記載のチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
(4)冷却固化後のチョコレート類表面温度が結露条件温度15〜35℃、相対湿度40〜70%における露点温度より低い4〜20℃であり、かつ露点温度より5℃〜15℃低い表面温度のチョコレート類を結露条件下に保持して結露させる(1)〜(3)のいずれか1記載のチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
(5)結露時間が0.2秒〜24時間である(1)〜(4)のいずれか1記載のチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
(6)チョコレート類利用食品が、水分活性0.4未満の食品ないし食品原料にチョコレート類を接触させてから冷却固化したものである(1)〜(5)のいずれか1記載のチョコレート類利用食品の製造方法。
に関するものである。
本発明によれば、チョコレート類またはチョコレート類利用食品、特に水分活性0.4未満の食品ないし食品原料と接触させるチョコレート類利用食品において、チョコレート類に耐熱性を付与するための加熱処理や焼成することなく、チョコレート類中の油脂の融点を超える温度域、例えば35〜90℃、の耐熱性があり、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来のソフトで滑らかな食感、口溶け及び風味に優れるチョコレート類の製造が可能となる。また、チョコレート類生地調製中の微粒化が困難となる問題、ダマの発生及び生地の粘度上昇の問題がなく、生地粘度としてコーチング適性のある特定の粘度に調製することができて、しかもコーチング作業中の経時的な粘度変化もほとんど生じない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるチョコレート類とは、油脂が連続相を為すもので、チョコレートやチョコレート様食品が挙げられる。チョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(昭和46年3月29日、公正取引委員会告示第16号)による「チョコレート生地」及び「準チョコレート生地」を含むものであって、カカオ豆から調製したカカオマス、ココアバター、ココアパウダー及び糖類を原料とし、必要により他の食用油脂、乳製品、香料等を加え、通常のチョコレート製造の工程を経たものをいう。
上記チョコレート様食品とは、物性改良や製造コストの節約等の目的にて、ココアバターの一部または全部に代えて他の油脂(CBEと称される1,3位飽和、2位不飽和のトリグリセリド型油脂に富むものと、CBSと称されるラウリン系タイプ、CBRと称される高エライジン酸タイプ及び低トランス非ラウリンタイプのハードバター、さらには菓子類、パン類、冷菓類のコーチング用には用途に合わせて高融点〜低融点の各種油脂や液状油の混合油)を使用したものが挙げられる。
本発明のチョコレート類原料としては、カカオマス、ココアパウダー、糖類、粉乳、油脂類、乳化剤、香料、香味剤、着色料等、通常のチョコレート類に使用される任意の成分等を利用することができる。本発明のチョコレート類は下記の(A)または(B)のチョコレート類である。
本発明のチョコレート類(A)は、粉乳類3〜35重量%または粉乳類3〜35重量%及びグルコース5〜30重量%とレシチン0.4重量%以下を含有するものである。また、本発明のチョコレート類(B)は、マルトース、トレハロース、フルクトース、パラチノース、還元パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール及びソルビトールから選択される糖類1種または2種以上を必須成分として2〜20重量%または前記糖類2〜20重量%及びグルコース5〜30重量%とレシチン0.4重量%以下を含有するものである。かかるチョコレート類の冷却固化後の表面に結露、水の噴霧または塗布のいずれかの方法によるチョコレート類表面への水分付着させることにより、チョコレート類に耐熱性を付与するための加熱処理や焼成することなく、チョコレート類中の油脂の融点を超える温度域、例えば35〜90℃、の耐熱性を付与することができる。また、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来のソフトで滑らかな食感、口溶け及び風味に優れるチョコレート類の製造が可能となる。さらに、チョコレート類生地調製中の微粒化が困難となる問題、ダマの発生及び生地の粘度上昇の問題がなく、生地粘度としてコーチング適性のある特定の粘度に調製することができて、しかもコーチング作業中の経時的な粘度変化もほとんど生じない。
本発明における粉乳類とは、乳等省令に規定されている粉乳類を意味し、生乳、牛乳、特別牛乳を原料として得られる全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエーパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳及び調製粉乳が該当し、本発明にはかかる粉乳類から選択される1種または2種以上を使用することができる。また、本発明の粉乳類または前記糖類と併用するグルコースとしては、無水グルコースとグルコースー1水和物のいずれも使用することができる。
チョコレート類(A)の粉乳類含有量が3重量%未満であると、結露、水の噴霧または塗布のいずれかの方法により表面に水分付着させたチョコレート類の耐熱性が不十分となるため好ましくない。逆に、粉乳類含有量が35重量%を超えると、チョコレート類生地調製中の微粒化が困難になるとともに、調製後の生地粘度が上昇して後の成型作業やコーチング作業が困難になるため好ましくない。また本発明のチョコレート類(A)は、粉乳類3〜35重量%及びグルコース5〜30重量%を併用したものであるのが好ましい。結露、水の噴霧または塗布のいずれかの方法によるチョコレート類表面への水分付着の度合いによるが、水分付着が十分の場合は粉乳類3〜35重量%のみで所望の耐熱性が得られる。一方、水分付着がやや不十分の場合は、粉乳類3〜35重量%及びグルコース5〜30重量%を併用することにより所望の耐熱性を得ることができる。水分付着がやや不十分の場合において、グルコース含有量が5重量%未満であると所望の耐熱性が得られないため好ましくない。逆に、上限の30重量%を超えると、チョコレート類生地調製中の微粒化が困難になるとともに、調製後の生地粘度上昇が顕著になり好ましくない。
チョコレート類(B)で必須成分とする前記糖類含有量が2重量%未満であると、結露、水の噴霧または塗布のいずれかの方法により表面に水分付着させたチョコレート類がチョコレート中の油脂の融点を超える温度域での耐熱性が得られず、チョコレート表面がべとついたり、手指に付着するという問題があり好ましくない。逆に20重量%を超えると、チョコレート類の生地粘度が上昇して後の成型作業やコーチング作業が困難になるという問題と甘味の低下や風味の低下があるため好ましくない。また本発明のチョコレート類(B)は、必須成分とする前記糖類2〜20重量%及びグルコース5〜30重量%を併用したものであるのが好ましい。結露、水の噴霧または塗布のいずれかの方法によるチョコレート類表面への水分付着の度合いによるが、水分付着が十分の場合は必須成分とする前記糖類2〜20重量%のみで所望の耐熱性が得られる。一方、水分付着がやや不十分の場合は、必須成分とする前記糖類2〜20重量%及びグルコース5〜30重量%を併用することにより所望の耐熱性を得ることができる。水分付着がやや不十分の場合において、グルコース含有量が5重量%未満であると所望の耐熱性が得られないため好ましくない。逆に、上限の30重量%を超えると、チョコレート類生地調製中の微粒化が困難になるとともに、調製後の生地粘度上昇が顕著になり好ましくない。
本発明のチョコレート類表面に結露させる方法は、常法通り成型固化したチョコレート類や食品ないし食品原料に被覆や載置したチョコレート類を冷却固化したチョコレート類利用食品を、結露が発生する特定の条件下に置くことにより容易に結露させることができる。結露条件は、冷却固化後のチョコレート類表面温度が結露条件温度及び相対湿度における露点温度より低い温度である必要があり、該表面温度のチョコレート類をかかる結露条件下に保持することにより所望の結露が得られる。具体的な結露条件としては、冷却固化後のチョコレート類表面温度が0〜25℃、結露条件が温度15〜50℃、相対湿度40〜100%であり、チョコレート類表面温度が結露条件における露点温度より1℃〜25℃低いのが好ましい。より好ましくは冷却固化後のチョコレート類表面温度が4〜20℃、結露条件が温度15〜35℃、相対湿度40〜70%であり、チョコレート類表面温度が結露条件における露点温度より5℃〜15℃低いのが好ましい。例えば、結露条件が25℃、相対湿度60%における露点温度は約17℃であるため、この場合のチョコレート表面温度は0〜16℃が好ましく、より好ましくは0〜12℃である。また、結露条件が20℃、相対湿度60%における露点温度は約12℃であるため、この場合のチョコレート表面温度は0〜11℃が好ましく、より好ましくは0〜7℃である。
チョコレート類表面温度が0℃未満であると結露が多くなりすぎてチョコレート表面に糖類の溶解・固化によるシュガーブルームの発現のリスクが高くなり、また冷却固化の作業効率が低下するため好ましくない。逆に、25℃を超えると結露条件温度を30℃以上とする必要があり、チョコレート類の溶解やブルームの発生を引き起こしやすくなるため好ましくない。結露条件温度が15℃未満であると、相対的にチョコレート類表面温度を10℃未満とする必要があり冷却固化の負荷が高くなるとともに十分な結露によるチョコレート類表面への水分付着が得られないため好ましくない。逆に、50℃を超えるとチョコレート類の融解やブルームの発生を引き起こしやすくなるため好ましくない。結露条件の相対湿度が40%未満であると、結露温度を高めに設定する必要があるとともに十分な結露によるチョコレート類表面への水分付着が得られないため好ましくない。連続生産を考慮した場合、冷却固化直後のチョコレート表面温度5〜15℃のチョコレート類またはチョコレート類利用食品を包装作業室の温度15〜35℃、相対湿度40〜70%の環境下で結露させるのが作業効率の観点から有利である。また、十分な結露によるチョコレート表面への水分付着を得たい場合は、温度25〜50℃、相対湿度が70〜100%の高温高湿度条件下に置くことも可能である。なお、チョコレート表面温度は結露条件における露点温度より1℃〜25℃低いのが好ましく、さらに好ましくは5℃〜15℃低いのが好ましい。チョコレート表面温度が結露条件における露点温度より1℃未満低い場合は、結露による水分付着が不十分となり、所望の耐熱性を得られない場合がある。チョコレート表面温度が結露条件における露点温度より25℃を超えてさらに低いと、結露による水分付着が多すぎてチョコレート類表面にシュガーブルーム発現のリスクが高くなるため好ましくない。
前記結露条件下での結露時間はチョコレート類表面温度と結露条件にもよるが、特に制限もなく、0.2秒〜24時間であればよい。実質的に、冷却固化直後のチョコレート類またはチョコレート類食品を結露させる条件化で0.2秒〜数秒以内に速やかに包装してもよいし、その条件下で一定時間置いて十分に結露させてから包装してもよい。結露時間は生産効率の観点から24時間以内であるのが好ましい。
また、冷却固化したチョコレート類表面に水分付着させる方法として、水、糖水溶液、乳化剤水溶液に例示される水性溶液をチョコレート類表面に噴霧または塗布により、容易に水分付着させることができる。水分付着はチョコレート類表面を微小水滴が均一に覆うようにするのが好ましい。大きな水滴が部分的に覆うとシュガーブルーム発生によるチョコレート表面の白変が発生するため好ましくない。
本発明のチョコレート類は粉乳類及び前記糖類を必須成分として含有するとともに、レシチン含有量を制限するのが好ましい。レシチンの含有量は0.4重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.3重量%、最も好ましくは0.1〜0.2重量%である。レシチンの含有量が0.1重量%以下の場合、チョコレート類生地の粘度が高くなりすぎて、チョコレート類のモールディング(型流し)やコーチング作業が困難となるため、粘度調整剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(以下PGPRと略す。)を添加するのが好ましい。逆に、レシチンの含有量が上限を超えると、結露させたチョコレート類の耐熱性が低下し、目的とするチョコレート類中の油脂の融点を超える温度域での耐熱性が得られにくくなるため好ましくない。本発明はチョコレート類生地粘度調製のために、レシチンに加えてPGPRを0.1〜0.5重量%含有するのが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.3重量%、最も好ましくは0.1〜0.2重量%である。レシチンに加えてPGPRを含有することにより、チョコレート類生地粘度を低減できる利点がある。すなわち、レシチン単独で目的とする40℃以上の耐熱性を得る場合は、チョコレート類生地粘度を比較的高く設定する必要があり、モールディングやコーチング作業が困難になる傾向にあるが、PGPR併用により粘度を低く設定することができる。PGPR含有量が下限未満ではチョコレート生地粘度の低減効果が不十分であり、逆に上限を超えてもそれ以上の粘度低減効果が得られない。
本発明のチョコレート類利用食品とは、任意の食品ないし食品原料に被覆または載置によりチョコレート類を接触させ、冷却固化したものである。食品ないし食品原料の水分活性が0.4〜0.95であれば、本発明のチョコレート類を冷却固化後にチョコレート類表面へ水分付着させなくても、または水分付着させてもチョコレート類に焼成または加熱処理することなく、チョコレート類中の油脂の融点を超える温度域での耐熱性を付与することができる。チョコレート類と接触させる食品ないし食品原料の水分活性が0.4未満である場合、本発明のチョコレート類を冷却固化後にチョコレート類表面へ水分付着させることにより、チョコレート類に焼成または加熱処理することなく、チョコレート類中の油脂の融点を超える温度域での耐熱性を付与することができる。本発明のチョコレート類利用食品のチョコレート類が優れた耐熱性を示す理由は定かではないが、水分活性0.4〜0.95の食品ないし食品原料との組み合わせの場合は、食品ないし食品原料からチョコレート類へ水分移行した水分をチョコレート類中の粉乳類または糖類が吸水することによって、ガラス状構造体が形成される結果、チョコレート類中の油脂が融解する温度域である35〜90℃でも耐熱性を有するものになると考えられる。また、水分活性が0.4未満の食品ないし食品原料との組み合わせの場合、食品ないし食品原料からの水分移行が不十分であるため、チョコレート類表面に水分付着させて、その付着した水分をチョコレート類中の粉乳類または糖類が吸水することによって、ガラス状構造体が形成される結果、チョコレート類中の油脂が融解する温度域である35〜90℃でも耐熱性を有するものになると考えられる。
上記の水分活性0.4〜0.95の食品ないし食品原料としては、葡萄やパパイヤなどの乾燥フルーツ、煎餅、丸ボーロ、キャラメル、マシュマロ、ゼリービーンズなどの水分7〜21重量%の干菓子、マロングラッセ、カップケーキ、バウムクーヘン、パウンドケーキ、バターケーキ、スポンジケーキ、ワッフルなどの水分14〜44重量%の半生菓子、プリン、ゼリーなどの水分65〜75重量%のデザート菓子、ドーナッツ、パイ、デニッシュ、スナックパン、コッペパン、ロールパンなどの水分20〜45重量%のパン類が例示できる。また、水分活性0.4未満の食品ないし食品原料としては、クッキー、ビスケット、ウェハース、クラッカー、ポテトチップス、煎餅、おかき、あられ、おこしなど水分7%未満のものが例示できる。
本発明のチョコレート類生地の粘度は、生地調製後の用途にもよるが、該生地中の油脂を完全融解後に45℃に温調した粘度測定値において2,000〜20,000cPであるのが好ましい。生地粘度が20,000cPを超えると、チョコレート類のモールディング(型流し)やコーチング作業が困難となるため、好ましくない。チョコレート類用途が焼菓子類やパン類コーチングの場合、該生地中の油脂を完全融解後に45℃に温調した粘度測定値において、2,000〜10,000cPであるのが好ましく、さらに好ましくは3,000〜8,000cPである。生地粘度が2,000cP未満であるとチョコレート類のコーチング厚みが薄くなりすぎて下地が透けたり、チョコレート風味が薄くなる問題があり、逆に10,000cPを超えるとコーチング厚みが厚くなりすぎる問題とコーチング前保持時間中に更なる粘度上昇の恐れがあり、好ましくない。
本発明のチョコレート類またはチョコレート類利用食品は、チョコレート類中の油脂の融点を超える温度域で耐熱性を保持するものであるが、例えば40℃〜90の温度域で流通、保管する場合においてチョコレート類の品温が30℃以下に低下した時にチョコレート類表面にブルームによる白変が発生することがあるため、かかる場合は上記のハードバターの中でも、エライジン酸を構成脂肪酸とするトランス酸型ハードバター、低トランス非ラウリン酸型ハードバター、ラウリン酸型ハードバター等の所謂ノーテンパリング型ハードバターのいずれかを配合するのが好ましい。
本発明におけるチョコレート類に含まれてもよい更なる成分は、カカオマス、ココアパウダー、大豆粉、豆乳粉末、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、大豆ホエー、コーヒー、バニラ、キャラメル、フルーツ、ナッツ、及び、フルーツパウダー及びドライフルーツ、ナッツ、バニラ、ハーブ(例えばミント)などの香味剤や、バニラ香料、ハーブ香料、キャラメル香料などの香料や、ナッツ、シリアル、膨化物、フルーツ、クリーム、又はそれらの混合物や、その他の食用成分である。着色料、香味剤、香料は、前述の成分に限られず、当業者に周知の任意のものが使用される。
レシチン及びPGPR以外の乳化剤は、チョコレート類の生地粘度と加熱処理後の耐熱性を両立する範囲内で適宜利用することができる。例えばショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、分別レシチン及び燐酸アンモニウム等を利用することができる。利用目的は、保管、輸送中に油脂の融点以上の高温に晒された場合の対策として、ブルームの抑制やグレーニングの発生防止などである。
本発明のチョコレート類生地は、例えば下記のような常法通りの製造方法で調製することができる。ココアパウダー、糖類、粉乳などの固形粉末原料に対し、加熱融解したカカオマスや油脂類とレシチン、PGPRなどの乳化剤を添加し、ホバートミキサーなどを用いて混合して、油脂分20〜30重量%のぺースト状の生地を調製する。得られた該生地をロールなどのリファイナーで平均粒子径が15〜30μmの滑らかな粒子になるよう微粒化する。次いで、40〜70℃に保温しながらコンチング(攪拌、混合)を行い滑らかなペースト状としてから、さらに油脂類、乳化剤、香料等を添加、混合して所定のチョコレート類生地を得る。なお、コンチング温度が80℃を超えるとチョコレート類生地の粘度が著しく上昇するため、本発明のチョコレート類生地は40〜70℃でのコンチングが好ましい。
上記のチョコレート類生地の調製において、リファイナーなどによる微粒化は平均粒子径が15〜30μmであるのが好ましく、さらに好ましくは18〜25μm、最も好ましくは18〜22μmであり、30μmを超えるとややざらつきを感じる食感となるため好ましくない。また、コンチング工程において生地が粘度上昇を起こすと、ダマが発生したり、ミキサー壁面に付着しやすくなり滑らかなペースト状とするために長時間を要したり、最終的に調製されたチョコレート類生地の粘度が高すぎたりして、後の成形工程に支障を来たすような問題が生じる。従って、コンチング工程で生地の粘度上昇が許容範囲となるようなチョコレート類生地の配合設定が重要である。かかる配合設定に適合するのが、本発明のチョコレート類の生地配合である。
本発明のチョコレート類生地の水分は2重量%以下であるのが好ましく、さらに好ましくは1重量%以下である。水分が上限を超えると、上記のような生地調製中の粘度上昇やダマの発生の問題が起こりやすくなるため好ましくない。また、本発明のチョコレート類生地の油脂分は25〜45重量%であるのが好ましく、さらに好ましくは30〜40重量%、最も好ましくは32〜38重量%である。油脂分が25重量%未満ではチョコレートの滑らかな食感が損なわれて、ごりごりした食感になったり、保管環境によっては糖の吸湿によりべたつく物性になる傾向があるため好ましくない。また、油脂分が45重量%を超えると、チョコレート表面へのオイルオフが顕著になるため好ましくない。
以下に実施例を記載する。各例中の%及び部は重量基準を意味する。
なお、各例において調製したチョコレート類生地の平均粒子径、粘度、ダマの発生は下記の方法で測定または確認した。
(平均粒子径)
マイクロメーター(株式会社ミツトヨ社製、商品名「デジマチック標準外側マイクロメーター MDC−25PJ」)の測定面にチョコレート類(油分が50%未満に満たない場合は、液油により希釈し油分50〜60%に調製)を付着させ、測定面同士を付着させてチョコレート類が測定面よりはみ出す状態で粒度を測定する。粒度は5回測定し、最大と最小の値を除く3回の測定値の平均値を平均粒子径とした。
(粘度)
チョコレート類の品温を45℃に調整し、BM型粘度計(東京計器株式会社製)で10,000cP以下の場合は3号ローター、12rpmにて測定し、10,000cPを超える場合は4号ローター、12rpmにて測定した。
(ダマの確認)
コンチング終了後のチョコレート類生地1.5Kgを100メッシュ篩を通過させ、メッシュ上の粒状物の有無を目視で確認する。粒状物がないものを合格、あるものを不合格とした。
また、調製したチョコレート類利用食品のチョコレート類の耐熱性評価、食感と風味評価は下記の基準で評価した。
(耐熱性評価)
板状チョコレート類:チョコレート類生地を45℃、30分間以上保持して融解状としたものを5cm×2cm×0.5cmのプラスチックモールドに流し込み、5℃冷蔵庫で30分間、冷却固化してから型抜きして板状チョコレート類を調製した。
チョコレート類利用食品:チョコレート類生地を45℃、30分間以上保持して融解状としたものを食品ないし食品原料の表面に被覆し、5℃冷蔵庫で30分間、冷却固化して、チョコレート類利用食品を調製した。
冷却固化して型抜き直後の表面温度5℃の板状チョコレートまたは冷却固化した表面温度5℃のチョコレート類利用食品を温度25℃、相対湿度60%の条件下で15分間放置し、チョコレート類表面に結露させた。その後、板状チョコレート類またはチョコレート類利用食品をガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してから、チョコレート表面を手で触って手指への付着の有無、オイルオフの有無、変形の有無を確認した。また、ガゼット袋へのチョコレート類の付着の有無を確認した。
(耐熱性:手指への付着)
◎:非常に良好(手指への付着、オイルオフ、変形いずれもない)
○:良好 (手指へわずかにオイルが付着するが、変形はない)
△:やや不良 (手指への付着、オイルオフがあるが、変形はない)
×:不良 (手指への付着とオイルオフが激しく、変形も発生)
(耐熱性:ガゼット袋への付着)
◎:非常に良好(ガゼット袋への付着、オイルオフ、変形いずれもない)
○:良好 (ガゼット袋へわずかにオイルが付着するが、変形はない)
△:やや不良 (ガゼット袋への付着、オイルオフがあるが、変形はない)
×:不良 (ガゼット袋への付着とオイルオフが激しく、変形も発生)
試作例1
ココアパウダー(油分11%)7部、砂糖55.6部、全脂粉乳5部を計量、混合し、あらかじめ融解したカカオマス(油分55%)3.5部、ラウリン酸型ハードバター(商品名「パルケナH」、上昇融点35℃、不二製油株式会社製)21部をミキサー(愛工舎株式会社製AM30)を用いて攪拌しながら添加した。得られたドウ状の生地をロールリファイナー(BUHLER株式会社製「Three−roll mill SDY−300」)により微粉砕し、ロールフレークを得た。得られたロールフレークをパルケナH 4部とレシチン0.2部及びPGPR(商品名:CRS75、阪本薬品工業株式会社製)0.15部と共にコンチングミキサー(株式会社品川工業所製)にて、55℃に保温しながら中速攪拌した。フレークがややソフトなドウ状となってから、パルケナH 4部を攪拌しながら添加し、チョコレート類生地1を得た。チョコレート類生地1の平均粒子径は20μm、粘度は6,230cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例2
試作例1の砂糖55.6部を45.6部に代えて、全脂粉乳5部を15部に代えて、試作例1同様にチョコレート類生地2を得た。チョコレート類生地1の平均粒子径は20μm、粘度は4,400cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例3
試作例1の砂糖55.6部を30.6部に代えて、全脂粉乳5部を30部に代えて、試作例1同様にチョコレート類生地2を得た。チョコレート類生地1の平均粒子径は20μm、粘度は4,000cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例4
試作例1の砂糖55.6部/全脂粉乳5部を、砂糖41.2部/グルコースー1水和物(商品名「ハイメッシュ」、サンエイ糖化株式会社製)8部/全脂粉乳11.4部に代えて、試作例1同様にチョコレート類生地4を得た。チョコレート類生地4の平均粒子径は22μm、粘度は4,950cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例5
試作例1の砂糖55.6部を60.6部に代えて、全脂粉乳5部をゼロに代えて、試作例1同様にチョコレート類生地5を得た。チョコレート類生地1の平均粒子径は20μm、粘度は5,200cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
実施例1
試作例1のチョコレート類生地を45℃、30分保持して融解状としてから、市販のビスケット(水分活性0.18)をチョコレート類生地1に浸漬し、浸漬後のビスケットをピンセットで取り出し、約2秒間振って余分なチョコレート類生地を振り落としてチョコレート類生地が被覆されたビスケットを得た。得られたチョコレート類被覆ビスケットを5℃冷蔵庫で30分間急冷固化し、冷蔵庫から取り出して室温25℃、相対湿度60%の条件下で15分間放置し、チョコレート類表面に結露させた。その後、ガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してからチョコレート表面を手で触って手指への付着の有無、ガゼット袋へのチョコレート類の付着の有無を確認したところ、手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
実施例2〜4
実施例1のチョコレート類生地1を、チョコレート類生地2〜4にそれぞれ代えて、実施例1同様にチョコレート類生地が被覆されたビスケットを得た。得られたチョコレート類被覆ビスケットを実施例1同様に結露させてから、実施例1同様に被覆チョコレート類の耐熱性を評価したところ、実施例2〜4のいずれも手指及びガゼット袋への付着は全くなく、良好な耐熱性を示した。
比較例1
実施例1のチョコレート類生地1を、チョコレート類生地5に代えて、実施例1同様にチョコレート類生地が被覆されたビスケットを得た。得られたチョコレート類被覆ビスケットを実施例1同様に結露させてから、実施例1同様に被覆チョコレート類の耐熱性を評価したところ、手指及びガゼット袋への付着が激しく、全く耐熱性がないものであった。
比較例2
実施例1において、急冷固化直後のチョコレート類被覆ビスケットを速やかに25℃室温のデシケーター中に入れて1晩放置後、デシケーターから取り出してガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してから、実施例1同様に被覆チョコレート類の耐熱性を評価したところ、手指及びガゼット袋への付着が激しく、全く耐熱性がないものであった。
表1に実施例1〜4及び比較例1〜2の被覆チョコレート類の耐熱性評価結果を示す。
表1
Figure 2014157608
結露処理:25℃、60%相対湿度、15分間
全脂粉乳5〜30%含有するチョコレート類を結露させた実施例1〜4はいずれもチョコレート類中の油脂の融点35℃を超える40℃で良好な耐熱性を示した。全脂粉乳を含有しない比較例1と全脂粉乳5%含有で結露をさせていない比較例2では、40℃における耐熱性は全くないものであった。なお、実施例1〜4の被覆チョコレート類は、表面〜内部までソフトで滑らかな食感であった。
実施例5
実施例1の結露条件下15分間保持を保持なしに変更して、冷蔵庫から取り出して室温25℃、相対湿度60%の条件下で速やかにガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してからチョコレート表面を手で触って手指への付着の有無、ガゼット袋へのチョコレート類の付着の有無を確認したところ、手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
実施例6
実施例1の結露条件下15分間保持を14時間保持に代えて、チョコレート類表面に結露させた。その後、実施例1同様に被覆チョコレート類の耐熱性を評価したところ、手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
実施例7
実施例1の結露条件を、30℃、相対湿度100%、結露時間10分に変更して、チョコレート類表面に結露させた。その後、実施例1同様に被覆チョコレート類の耐熱性を評価したところ、手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
試作例6
ココアパウダー(油分11%)7部、砂糖55.9部、マルトース−1水和物(商品名「サンマルトミドリ」、株式会社 林原商事製)4.8部を計量、混合し、あらかじめ融解したカカオマス(油分55%)3.5部、ラウリン酸型ハードバター(商品名「パルケナH」、上昇融点35℃、不二製油株式会社製)21部をミキサー(愛工舎株式会社製AM30)を用いて攪拌しながら添加した。得られたドウ状の生地をロールリファイナー(BUHLER株式会社製「Three−roll mill SDY−300」)により微粉砕し、ロールフレークを得た。得られたロールフレークをパルケナH 4部とレシチン0.2部及びPGPR(商品名:CRS75、阪本薬品工業株式会社製)0.15部と共にコンチングミキサー(株式会社品川工業所製)にて、55℃に保温しながら中速攪拌した。フレークがややソフトなドウ状となってから、パルケナH 4部を攪拌しながら添加し、チョコレート類生地1を得た。チョコレート類生地1の平均粒子径は19μm、粘度は6,390cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例7〜15
試作例6のマルトース−1水和物を、下記の糖類に置き換えて試作例6同様にチョコレート類生地を作成し、チョコレート類生地7〜15を得たチョコレート類生地7〜15の平均粒子径は19〜22μm、粘度は5,000〜10,500cP、水分はいずれも0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例7:トレハロース(株式会社 林原商事製)
試作例8:フルクトース(商品名「Krystar 300」、ダニスコジャパン株式会社製)
試作例9:パラチノース(商品名「結晶パラチノース IC」、三井製糖株式会社製)
試作例10:還元パラチノース(商品名「粉末還元パラチニット PNP」、三井製糖株式会社製)
試作例11:マルチトール(商品名「Sweet Pearl P35」、ROQUETTE社製)
試作例12:エリスリトール(商品名「Zerose Erythritol 16952」、株式会社カーギルジャパン製)
試作例13:ラクチトール(商品名「Lactitol MC」、ダニスコジャパン株式会社製)
試作例14:ソルビトール(商品名「LTS−P50M」、三菱商事フードテック株式会社製)
試作例15:砂糖
実施例8
試作例6のチョコレート類生地6を45℃、30分間以上保持して融解状としたものを5cm×2cm×0.5cmのプラスチックモールドに流し込み、5℃冷蔵庫で30分間、冷却固化してから型抜きして板状チョコレート類を調製した。冷却固化して型抜き直後の表面温度5℃の板状チョコレートを温度25℃、相対湿度60%の条件下で14時間放置し、チョコレート類表面に結露させた。その後、板状チョコレート類をガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してから、チョコレート表面を手で触って手指への付着の有無、ガゼット袋へのチョコレート類の付着の有無を確認したところ、手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
実施例9〜16
実施例8のチョコレート類生地6をチョコレート類生地7〜14にそれぞれ代えて、実施例8同様に板状チョコレートの調製し、結露させてから、実施例8同様に板状チョコレート類の耐熱性を評価したところ、いずれも手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
比較例3〜4
実施例8及び実施例9において、急冷固化直後の板状チョコレート類を速やかに25℃室温のデシケーター中に入れて1晩放置後、デシケーターから取り出してガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してから、実施例1同様に被覆チョコレート類の耐熱性を評価したところ、手指及びガゼット袋への付着が激しく、全く耐熱性がないものであった。
比較例5
実施例8のチョコレート類生地6をチョコレート類生地15に代えて、実施例8同様に板状チョコレートの調製し、結露させてから、実施例8同様に板状チョコレート類の耐熱性を評価したところ、手指及びガゼット袋への付着が激しく、全く耐熱性がないものであった。
表2に、実施例8〜16及び比較例3〜5の板状チョコレートの耐熱性評価結果を示す。
表2
Figure 2014157608
結露処理:25℃、60%相対湿度、14時間
表2のように、マルトース、トレハロース、フルクトース、パラチノース、還元パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール及びソルビトールをそれぞれ4.8%含有するチョコレート類生地6〜14を冷却固化後に結露させた実施例8〜16はいずれも40℃において優れた耐熱性を示した。一方、マルトースまたはトレハロースを4.8%含有するチョコレート類6〜7を冷却固化後に結露させなかった比較例3〜4は、手指及びガゼット袋への付着が激しく、全く耐熱性がないものであった。また、糖類として砂糖のみを含有するチョコレート類生地15を冷却固化後に結露させた比較例5は、手指及びガゼット袋への付着が激しく、全く耐熱性がないものであった。
試作例16
試作例7の砂糖55.9部を58.5部に、トレハロース4.8部を2.1部に変更して、試作例1同様にチョコレート類生地を作成し、チョコレート類生地16を得た。チョコレート類生地16の平均粒子径は19μm、粘度は6,500cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例17
試作例7の砂糖55.9部を48.1部に、トレハロース4.8部を12.5部に変更して、試作例1同様にチョコレート類生地を作成し、チョコレート類生地17を得た。チョコレート類生地17の平均粒子径は21μm、粘度は4,800cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例18
試作例7の砂糖55.9部を45.6部に、トレハロース4.8部を15部に変更して、試作例1同様にチョコレート類生地を作成し、チョコレート類生地18を得た。チョコレート類生地18の平均粒子径は22μm、粘度は3,940cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例19
試作例10の砂糖55.9部を58.5部に、還元パラチノース4.8部を2.1部に変更して、試作例1同様にチョコレート類生地を作成し、チョコレート類生地19を得た。チョコレート類生地19の平均粒子径は19μm、粘度は6,870cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例20
試作例10の砂糖55.9部を48.1部に、還元パラチノース4.8部を12.5部に変更して、試作例1同様にチョコレート類生地を作成し、チョコレート類生地20を得た。チョコレート類生地20の平均粒子径は20μm、粘度は7,120cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例21
試作例10の砂糖55.9部を45.6部に、還元パラチノース4.8部を15部に変更して、試作例1同様にチョコレート類生地を作成し、チョコレート類生地21を得た。チョコレート類生地20の平均粒子径は20μm、粘度は5,380cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
実施例17
試作例16のチョコレート類生地16を45℃、30分保持して融解状としてから、市販のクッキー(水分活性0.36)をチョコレート類生地1に浸漬し、浸漬後のクッキーをピンセットで取り出し、約2秒間振って余分なチョコレート類生地を振り落としてチョコレート類生地が被覆されたクッキーを得た。得られたチョコレート類被覆クッキーを5℃冷蔵庫で30分間急冷固化し、冷蔵庫から取り出して室温25℃、相対湿度60%の条件下で15分間放置し、チョコレート類表面に結露させた。その後、ガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してからチョコレート表面を手で触って手指への付着の有無、ガゼット袋へのチョコレート類の付着の有無を確認したところ、手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
実施例18〜22
実施例17のチョコレート類生地16を試作例17〜21チョコレート類生地17〜21にそれぞれ代えて、実施例17同様にチョコレート類被覆クッキーを得た。実施例17同様に結露させ耐熱性を評価したところ、いずれも手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
比較例6〜7
実施例17及び実施例19において、急冷固化直後のチョコレート類被覆クッキーを速やかに25℃室温のデシケーター中に入れて1晩放置後、デシケーターから取り出してガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してから、実施例17同様に被覆チョコレート類の耐熱性を評価したところ、手指及びガゼット袋への付着が激しく、全く耐熱性がないものであった。
表3に、実施例17〜22及び比較例6〜7の被覆チョコレート類の耐熱性評価結果を示す。
表3
Figure 2014157608
結露処理:25℃、60%相対湿度、15分間
表3のように、トレハロースまたは還元パラチノースを2.1〜15%含有するチョコレート類生地16〜21を被覆したチョコレート類被覆クッキーを、冷却固化後に結露させた実施例18〜22はいずれも40℃において優れた耐熱性を示した。一方、トレハロースを2.1%または15%含有するチョコレート類生地16または18を被覆したチョコレート類被覆クッキーを、冷却固化後に結露させなかった比較例6〜7は、手指及びガゼット袋への付着が激しく、全く耐熱性がないものであった。
試作例22
試作例1のチョコレート類生地1のラウリン酸型ハードバター「パルケナH」29部を、トランス酸型ハードバター(商品名:メラノH1000、上昇融点37℃、不二製油株式会社製)に代えて、試作例1同様にチョコレート類生地22を調製した。チョコレート類生地16の平均粒子径は19μm、粘度は6,500cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
試作例23
試作例22において、レシチン配合量0.2部をレシチン0.5部に代えて、試作例1同様にチョコレート類生地23を調製した。チョコレート類生地236の平均粒子径は20μm、粘度は11,500cP、水分は0.8%であり、ダマの発生はなく合格であった。
実施例23
試作例22のチョコレート類生地22を45℃、30分保持して融解状としてから、市販のクッキー(水分活性0.36)をチョコレート類生地22に浸漬し、浸漬後のクッキーをピンセットで取り出し、約2秒間振って余分なチョコレート類生地を振り落としてチョコレート類生地が被覆されたクッキーを得た。得られたチョコレート類被覆クッキーを5℃冷蔵庫で30分間急冷固化し、冷蔵庫から取り出して室温25℃、相対湿度60%の条件下で15分間放置し、チョコレート類表面に結露させた。その後、ガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してからチョコレート表面を手で触って手指への付着の有無、ガゼット袋へのチョコレート類の付着の有無を確認したところ、手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
比較例8
実施例23のチョコレート類生地22をチョコレート類生地23に代えて、実施例23同様にチョコレート類被覆クッキーを得た。得られたチョコレート類被覆クッキーを実施例23同様に結露させ耐熱性を評価したところ、手指への付着が認められガゼット袋へのチョコレート類の付着もあり、耐熱性が不十分であった。
実施例24
試作例22のチョコレート類生地22を45℃、30分保持して融解状としてから、市販のクッキー(水分活性0.36)をチョコレート類生地22に浸漬し、浸漬後のクッキーをピンセットで取り出し、約2秒間振って余分なチョコレート類生地を振り落としてチョコレート類生地が被覆されたクッキーを得た。得られたチョコレート類被覆クッキーを20℃、1時間にて冷却固化させてから、チョコレート類表面を微小水滴が覆うように水を噴霧した。その後、ガゼット袋に密封し20℃、1日間安定化後、40℃恒温槽に1日間放置してからチョコレート表面を手で触って手指への付着の有無、ガゼット袋へのチョコレート類の付着の有無を確認したところ、手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
実施例25
実施例24の耐熱評価条件を40℃、1日から60℃、1日に変更して、実施例24同様に耐熱性評価を行ったところ、手指への付着は全くなくガゼット袋への付着もほとんど見られなかった。
本発明により、チョコレート類またはチョコレート類利用食品、特に水分活性0.4未満の食品ないし食品原料と接触させるチョコレート類利用食品において、耐熱性付与のために加熱処理工程や焼成工程を必要とせず、チョコレート類中の油脂の融点を超える温度域、例えば35〜90℃、の耐熱性があり、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来の滑らかな食感、口溶け及び風味を示すチョコレート類及びチョコレート類利用食品を製造することができる。

Claims (6)

  1. 下記(A)または(B)であるチョコレート類において、チョコレート類または食品ないし食品原料に接触させたチョコレート類を冷却固化後、チョコレート類表面に結露、水の噴霧または塗布のいずれかの方法によりチョコレート類表面に水分を付着させることを特徴とするチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
    (A)粉乳類3〜35重量%または粉乳類3〜35重量%及びグルコース5〜30重量%とレシチンを0.4重量%以下含有するチョコレート類。
    (B)マルトース、トレハロース、フルクトース、パラチノース、還元パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール及びソルビトールから選択される糖類1種または2種以上を2〜20重量%または前記糖類2〜20重量%及びグルコース5〜30重量%とレシチンを0.4重量%以下含有するチョコレート類。
  2. 冷却固化後のチョコレート類表面温度が結露条件温度及び相対湿度における露点温度より低い表面温度のチョコレート類を結露条件下に保持して結露させる請求項1記載のチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
  3. 冷却固化後のチョコレート類表面温度が結露条件温度15〜50℃、相対湿度40〜100%における露点温度より低い0〜25℃であり、かつ露点温度より1℃〜25℃低い表面温度のチョコレート類を結露条件下に保持して結露させる請求項1または請求項2記載のチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
  4. 冷却固化後のチョコレート類表面温度が結露条件温度15〜35℃、相対湿度40〜70%における露点温度より低い4〜20℃であり、かつ露点温度より5℃〜15℃低い表面温度のチョコレート類を結露条件下に保持して結露させる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
  5. 結露時間が0.2秒〜24時間である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のチョコレート類またはチョコレート類利用食品の製造方法。
  6. チョコレート類利用食品が、水分活性0.4未満の食品ないし食品原料にチョコレート類を接触させてから冷却固化したものである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のチョコレート類利用食品の製造方法。
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