JPWO2014156308A1 - インクジェットプリンタ用インク及び印字済み部材 - Google Patents
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Abstract
樹脂、顔料、導電剤及び溶剤を含む帯電制御方式のインクジェットプリンタ用インクにおいて、前記樹脂としてカルボキシル基又は水酸基を含むものを用いる。これにより、紫外線照射その他の特別な処理をすることなく、可塑剤を大量に含む部材に印字した場合における印字を長期間安定させることができる。
Description
本発明は、インクジェットプリンタ用インク及びそれを印字した印字済み部材に関する。
電線は、銅線等が樹脂で被覆された構造を有し、その樹脂は、安価で難燃性のポリ塩化ビニルが主に用いられている。しかし、ポリ塩化ビニル自体は剛直な樹脂であるため、柔軟性を必要とする電線に用いる際は、可塑剤が添加されている。可塑剤は、主に安価なフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DEHP)が、ポリ塩化ビニル100質量部に対して30〜100質量部程度添加されている。これ以外、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)等が用いられている。
電線にはインクで製造番号等が印字されるが、印字した後、屋内外での保管中に、添加された可塑剤が電線表面に浸み出してくる。可塑剤はエステル構造が主である。一方、インクの溶剤には、印字後の乾燥が早いメチルエチルケトン(MEK)が使われることが多く、MEKに溶解する樹脂のほとんどがフタル酸エステル又はアジピン酸エステルに溶解する。そのため、印字されたドット中の樹脂が可塑剤により溶解し、ドット自体も溶解する。ドットが溶解すると表示が不鮮明となり、完全に消失する場合もあるため、長期間安定した印字を保つことができない。
タイヤ等のゴム製品にも大量の可塑剤が添加されており、その多くがDEHP等のフタル酸エステル構造であるため、電線と同様の問題が生じる。
特許文献1には、吐出安定性に優れ、かつ黒地ないし暗色地の基材に対する印刷物の視認性に優れたインクジェット記録用紫外線硬化型白色インク組成物を提供することを目的として、酸化チタンを光重合性化合物中に安定に分散させることを主眼とし、少なくとも、酸化チタンと、酸性の極性基を有する高分子分散剤と、光重合性化合物と、光重合開始剤からなる紫外線硬化型インクジェット記録用白色インク組成物において、酸化チタンがシリカとアルミナで表面処理されており、表面処理に用いたアルミナの質量は、表面処理に用いたシリカの質量より多いという特徴を有するものが開示されている。この文献には、PETフィルム面に印刷したものに紫外線を照射し、印刷被膜の硬化状態をメタノールラビングにより評価した結果についても記載されている。
しかし、特許文献1に記載のインクの場合は、印字したものを固化するために必ず紫外線を照射しなければならない。
本発明の目的は、紫外線でインクを硬化させることなく、可塑剤を大量に含む部材に印字した場合における印字を長期間安定させることにある。
本発明は、樹脂、顔料、導電剤及び溶剤を含む帯電制御方式のインクジェットプリンタ用インクにおいて、樹脂がカルボキシル基又は水酸基を含むことを特徴とする。
また、本発明は、被印字部材と、この被印字部材の表面に形成された印字物とを含む印字済み部材において、印字物は、樹脂及び顔料を含み、樹脂は、カルボキシル基又は水酸基を含むことを特徴とする。
本発明によれば、紫外線照射その他の特別な処理をすることなく、可塑剤を大量に含む部材に印字した場合における印字を長期間安定させることができる。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。
1.インクの構成材料
インクは、顔料、樹脂、溶剤、種々の添加剤を含む。これらをオーバーヘッドスターラ等により攪拌しお互いを相溶させ、インクが形成される。インク中に、塩素、臭素、ヨウ素等のイオンが含有されていると、印字される部材が鉄やステンレス等の金属の場合、それら部材を腐食させる傾向があるので本発明ではこれらを含まないインク組成とした。
インクは、顔料、樹脂、溶剤、種々の添加剤を含む。これらをオーバーヘッドスターラ等により攪拌しお互いを相溶させ、インクが形成される。インク中に、塩素、臭素、ヨウ素等のイオンが含有されていると、印字される部材が鉄やステンレス等の金属の場合、それら部材を腐食させる傾向があるので本発明ではこれらを含まないインク組成とした。
(1)顔料
色は、特に問わないが、電線などには白色インクが多く用いられ、この場合の顔料は、酸化チタン(比重:4.1)や酸化ジルコニウム(比重:6.1)が用いられる。より比重が小さい酸化チタンの方が長時間放置しても沈降しにくいため好ましい。インク溶剤であるMEK、可塑剤であるフタル酸エステル、セバシン酸エステルにも不溶である。
色は、特に問わないが、電線などには白色インクが多く用いられ、この場合の顔料は、酸化チタン(比重:4.1)や酸化ジルコニウム(比重:6.1)が用いられる。より比重が小さい酸化チタンの方が長時間放置しても沈降しにくいため好ましい。インク溶剤であるMEK、可塑剤であるフタル酸エステル、セバシン酸エステルにも不溶である。
酸化チタンの平均の粒子サイズは、おおよそ100nm〜1000nmである。これより小さいと凝集しやすくなり、また大きいと、沈降しやすくなる。
顔料を溶剤に分散させるため、分散剤を添加する場合もある。この場合は、界面活性剤が有効である。顔料の表面は溶剤に比べて親水性が高いので、界面活性剤の親水基は顔料粒子側に向き、疎水基が溶剤側を向くミセル構造で顔料を分散させると考えられる。分散剤はMEK等の溶剤への溶解のしやすさを考え、ノニオン系の界面活性剤が望ましい。アニオン系、或いはカチオン系界面活性剤はアンモニウム塩、リン酸塩等の塩構造であり、窒素、或いはリンに数本のアルキル鎖が結合した形になっている。アルキル鎖が短い場合は、MEK等の溶剤に溶解しにくくなる傾向がある。そこで、アニオン系、或いはカチオン系界面活性剤の場合は、溶剤への溶解性を確保するためアルキル鎖の炭素原子の合計は12以上が好適である。
(2)樹脂
本発明の樹脂は、親水性の置換基であるカルボキシル基、或いは水酸基を有する樹脂を用いる。これは可塑剤であるフタル酸エステル、セバシン酸エステルに対して不溶、或いは難溶にするためである。このような置換基を有する樹脂は、水、アルコール等の親水性溶剤中に溶解、或いは膨潤するようになる。反対にフタル酸エステル、セバシン酸エステルといった疎水性の可塑剤には溶解、膨潤しにくい傾向がある。置換基の割合が多いほど溶解しやすい。
本発明の樹脂は、親水性の置換基であるカルボキシル基、或いは水酸基を有する樹脂を用いる。これは可塑剤であるフタル酸エステル、セバシン酸エステルに対して不溶、或いは難溶にするためである。このような置換基を有する樹脂は、水、アルコール等の親水性溶剤中に溶解、或いは膨潤するようになる。反対にフタル酸エステル、セバシン酸エステルといった疎水性の可塑剤には溶解、膨潤しにくい傾向がある。置換基の割合が多いほど溶解しやすい。
カルボキシル基を有する樹脂は、具体的には、下記化学式(1)〜(6)で表される構造を有するもの等を選択する。
上記化学式(1)で表される化合物は、スチレン/アクリル酸の共重合体である。上記化学式(2)で表される化合物は、スチレン/メタクリル酸の共重合体である。上記化学式(3)で表される化合物は、アクリル酸メチル/アクリル酸の共重合体である。上記化学式(4)で表される化合物は、アクリル酸メチル/メタクリル酸の共重合体である。上記化学式(5)で表される化合物は、メタクリル酸メチル/アクリル酸の共重合体である。上記化学式(6)で表される化合物は、メタクリル酸メチル/メタクリル酸の共重合体である。
帯電制御方式のインクジェットプリンタ用インクの樹脂の平均分子量は、概ね4000〜40000程度である。この範囲より大きい場合は、インクの粘度が高くなるため、吐出が円滑に行えない可能性があり、この範囲より小さい場合は、形成される印字ドットが脆くなり、剥離しやすくなる傾向があるので適当ではない。インクに用いる樹脂として示す上記化学式(1)〜(6)は、その繰り返し単位の構造の分子量は72〜104である。平均分子量は概ね4000〜40000程度であるため、構造中に示すmとnの和は、概ね40〜500程度である。
図1は、樹脂の酸価とDEHPに対する溶解率との関係を示したものである。
ここで、酸価とは、樹脂の試料1g中にある酸性基(カルボキシル基、スルホン酸基など)をカリウム塩構造に変化させるのに必要な水酸化カリウムのmg数をいう。
ガラス製のサンプル瓶に樹脂を1g、DEHPを9g加え、超音波洗浄機で1時間振動を与えたのち、DEHPに溶解した樹脂の割合を核磁気共鳴法(NMR法)で調べたものである。カッコ内は、試験した樹脂の重量平均分子量である。DEHPに対する溶解性に対する重量平均分子量の影響は確認されなかった。
これらの樹脂のカルボキシル基の割合を酸価で表わした場合、酸価が200以上では、DEHPに殆ど溶解しないことが判った。また、酸価が0の場合は、DEHPにほぼ全部溶解した。よって、選択する樹脂は、酸価がなるべく高いものが好ましく、酸価が200以上の樹脂が更に好適である。
水酸基を有する樹脂は、具体的には、下記化学式(7)及び(8)で表される構造を有するもの等を選択する。
上記化学式(7)で表される化合物は、ポリビニルブチラール樹脂である。上記化学式(8)で表される化合物は、ポリビニルアセタール樹脂である。両者とも原料は、ポリ酢酸ビニルである。これを加水分解してポリビニルアルコールを合成する。この反応では加水分解は100%進行せず、若干(約1〜5%程度)の酢酸ビニル基(−〔CH2CH(OCOCH3)〕N−)が残る。
こうして合成したポリビニルアルコールに対してブチルアルデヒドを作用させることによりポリビニルブチラール樹脂を合成できる。また、ブチルアルデヒドの代わりにアセトアルデヒドを作用させることによりポリビニルアセタール樹脂を合成できる。
上記化学式(7)及び(8)で表される化合物の繰り返し単位の割合L、Mは作用させるブチルアルデヒド及びアセトアルデヒドの割合により制御することができる。
また、上記化学式(7)及び(8)において、LとMとNとの比率は、概ね40〜80:15〜55:1〜5である。
ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂に対して図1に示す可塑剤への溶解性実験を行ったところ、DEHP等のフタル酸エステル、セバシン酸エステル構造からなる可塑剤にはほとんど溶解しなかった。ポリビニルブチラール樹脂の場合は、ポリビニルアルコールユニットの割合を20%以上(水酸基価92以上)にすると、可塑剤にはより溶解しにくくなり、ポリビニルアセタール樹脂の場合は、ポリビニルアルコールユニットの割合を17%以上(水酸基価91以上)にすると、可塑剤にはより溶解しにくくなった。以上のことから、ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂とも、水酸基価は90以上のものを用いることが好ましい。
ここで、水酸基価とは、樹脂の試料1g中に含まれる水酸基を無水酢酸でアセチル化し、アセチル化によって生じる酢酸を酢酸カリウムに変化させるのに必要な水酸化カリウムのmg数をいう。
一方、ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコールユニットの割合が50%以上(水酸基価302以上)になると、MEKやエタノール等のインク溶剤に溶解しにくく、常温で撹拌し、溶解させようとした場合は、若干の溶け残りが発生するようになる。ポリビニルアセタール樹脂の場合、ポリビニルアルコールユニットの割合が45%以上(水酸基価306以上)になると、同様の現象が発生する。以上のことから、ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂とも、水酸基価は300以下のものを用いることが好ましい。
上記好適な水酸基価の範囲において、ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂を比較した場合、ポリビニルブチラール樹脂の方が疎水性のブチル基を有しており、インクドットを形成する樹脂部材への相溶性が高く、密着性の高い印字が形成できるメリットがある。
また、ポリビニルアセタール樹脂の方は、2個の水酸基間に立体的に嵩高いブチラールユニットと違い、小さなアセタールユニットを形成しているので、樹脂の鎖間の距離が狭くなり、高密度の印字ドットが形成できる。高密度になれば、耐擦性の高い印字が形成されるメリットがある。
ところで、水酸基を有する樹脂とカルボキシル基を有する樹脂とを比較した場合、カルボキシル基を有する樹脂は、2種類のモノマを共重合することにより、容易に合成可能である。水酸基を有する樹脂は、重合の後、加水分解、及び架橋反応により合成されるものである。よって、合成が簡便であるという点で、カルボキシル基を有する樹脂の方にメリットがある。一方、水酸基を有する樹脂は、ポリ酢酸ビニルの加水分解の程度、及びその後のブチルアルデヒド、或いはアセトアルデヒドを添加する割合を変えることにより、水酸基の割合を制御できるので、可塑剤による膨潤を合成の際の条件により容易に制御することが可能となる。
(3)導電剤
帯電制御式インクジェットプリンタの場合、インクの抵抗が大きすぎると、インク滴がまっすぐ飛ばず、曲がる傾向がある。そのため、抵抗は、概ね2000Ωcm以下にする必要がある。インクの組成は、主にMEK又はエタノールを主成分とする有機溶媒、樹脂及び顔料である。これらは導電性が低いので、これだけでインクが構成されると、抵抗は5000〜数万Ωcm程度と大きく、帯電制御式インクジェットプリンタでは所望の印字が困難となる。
帯電制御式インクジェットプリンタの場合、インクの抵抗が大きすぎると、インク滴がまっすぐ飛ばず、曲がる傾向がある。そのため、抵抗は、概ね2000Ωcm以下にする必要がある。インクの組成は、主にMEK又はエタノールを主成分とする有機溶媒、樹脂及び顔料である。これらは導電性が低いので、これだけでインクが構成されると、抵抗は5000〜数万Ωcm程度と大きく、帯電制御式インクジェットプリンタでは所望の印字が困難となる。
そこで、導電剤を添加する必要がある。導電剤は、用いる溶剤に溶解することが必要で、色調に影響を与えないことも重要である。特に、白色インクは有色の導電剤が添加されると、白色とは言えない色調になるため、溶剤に溶解した状態では、透明もしくは白色であることが必要となる。また、導電剤は、一般には塩構造のものが用いられる。これは、分子内に電荷の偏りを有するので、高い導電性が発揮しやすいためである。
以上より、導電剤は、塩構造で、陽イオンはテトラアルキルアンモニウムイオン構造が好適である。アルキル鎖は直鎖、分岐どちらでもよい。炭素数が大きいほど溶媒に対する溶解性は向上し、炭素数が小さいほど僅かの添加率で抵抗を下げることが可能となる。インクに使う際の炭素数は、2〜8程度が好ましい。
陰イオンは、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン等が溶剤に対する溶解性が高い点で好ましい。それ以外に、塩素、臭素、ヨウ素イオンも挙げられるが、これらは鉄やステンレス等の金属に接触するとそれらを腐食させる傾向があるので好ましくない。
以上より、好ましい導電剤は、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラプロピルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラペンチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラヘキシルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラオクチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラプロピルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラペンチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラオクチルアンモニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。
(4)レベリング剤
インクが着弾した後、溶剤揮発によりドットが形成される。その際、ドットの端部が盛り上がり、中心付近が低くなる傾向がある。これは着弾後、溶剤が揮発するまでの間、ドット内では溶剤は端部付近で揮発割合が増え、その結果、端部が盛り上がる。この現象が顕著に発現すると、例えば黒色の電線に印字した場合、ドット中心部分が白色ではなく灰色にみえることがある。これはドットの中心付近が薄くなり、下地の電線の黒色が透けてくるためである。
インクが着弾した後、溶剤揮発によりドットが形成される。その際、ドットの端部が盛り上がり、中心付近が低くなる傾向がある。これは着弾後、溶剤が揮発するまでの間、ドット内では溶剤は端部付近で揮発割合が増え、その結果、端部が盛り上がる。この現象が顕著に発現すると、例えば黒色の電線に印字した場合、ドット中心部分が白色ではなく灰色にみえることがある。これはドットの中心付近が薄くなり、下地の電線の黒色が透けてくるためである。
これを抑制するため、末端にアルコシキシ基を有するポリジメチルシロキサン誘導体をインクに添加することで、ドットの端部の盛り上がりを抑制し、ドットの中心部分も白色にみえるようになった。
本発明の実施例においては、レベリング剤としてジメチルシロキサン鎖の両末端にポリアルコキシ基を有する化合物を用いた。この化合物の一般式は、下記化学式(9)及び(10)で表される。
上記化学式(9)で表される化合物は、両末端にポリエトキシ基を有する化合物であり、上記化学式(10)で表される化合物は、両末端にポリプロポキシ基を有する化合物である。xはジメチルシロキサンユニットの繰り返し数、mはエトキシユニットの繰り返し数、nはイソプロポキシユニットの繰り返し数を示す。この構造の材料を用いることで、僅かな添加量で高いレベリング性能を発揮する。この構造のうち、ジメチルシロキサン鎖がレベリング性を発揮する。また、ポリアルコキシ基がインクに対する相溶性を向上させる。
上記化学式(9)及び(10)で表されるレベリング剤は、溶剤であるMEKに溶解する必要がある。また、印字が空気中の水分を吸収して膨潤し、剥離するような支障を生じない程度の疎水性が必要となる。我々が検討した結果から、上記化学式(9)においては、xが20〜60、mが10〜40であることが望ましく、上記化学式(10)においては、xが20〜60、nが20〜60であることが望ましい。
レベリング剤の効果について図を使って説明する。
図2は、片末端がアルコキシ基のレベリング剤を使用した場合であり、図3は、両末端がアルコキシ基のレベリング剤を使用した場合である。
インクは、被印字物1に付着した後、溶剤が揮発し、ドット2を形成する。その際、レベリング剤は、ドット2の表面及びその近傍に局在化する。インクに用いる樹脂等との相溶性が低いレベリング剤中のジメチルシロキサン鎖3がドット2の表面及びその近傍に、また、インクに用いる樹脂等との相溶性が高いレベリング剤中のポリアルコキシ基4がドット2の内部に入り込む形になる。
この際、図2に示すようにポリアルコキシ基4が片末端の場合は、もう片方の末端はジメチルシロキサン鎖3となるので、ドット2の内部に入り込まず、ドット2の表面に浮いたような形になる。つまり、ジメチルシロキサン鎖3が有効にドット2の表面を覆えなくなる。これに対して、図3に示すように両末端にポリアルコキシ基4がある場合は、ジメチルシロキサン鎖3全体がドット2の表面を覆うようになるので、僅かな添加量で高いレベリング性能を発揮できる。
ジメチルシロキサン鎖は、MEKに対して溶解性が低い構造であるため、インクへの添加割合が大きくなると、染料や樹脂等の析出が生じやすくなり、これがインクのノズル詰まりの原因になる問題がある。特に、寒冷地での冬場の保管では−20℃以下になることもあるため、上記析出が更に発生しやすくなる。そのため、レベリング剤は、極力添加割合を下げたい。その点で、ジメチルシロキサン鎖の両末端にアルコキシ基を有する化合物は僅かな添加割合で高いレベリング性能を発揮するので好適である。
レベリング剤の添加率は、インクに対して0.02質量%〜2質量%が好ましい。添加率が0.02質量%未満の場合は、添加率が少なく、レベリング剤添加の効果が認められない。一方、添加率が2質量%を超えると、20℃前後の常温でも1日程度の放置でインクを入れた容器の下部に析出が認められる。これはMEKよりもレベリング剤の方の比重が小さいため、分離した後は下部に沈んだものと考えられる。
ジメチルシロキサン鎖の繰り返し数(x)が大きくなるほど、MEKに溶解しにくくなる。また、両末端のポリアルコキシ基の繰り返し数(m或いはn)が大きいほど、MEKに対する溶解性が向上する。また、xに対してm或いはnが大きくなるほど、レベリング性は低下する傾向がある。ポリアルコキシ基のm或いはnというより、具体的にはポリアルコキシ基中の炭素原子の数が溶解性及びレベリング性に反映する。
具体的にいえば、ジメチルシロキサン鎖中のケイ素原子の数をA、ポリアルコキシ基中の炭素原子の数をBとしたとき、Bが0.5A≦B≦9Aの範囲であれば、MEKに対する常温(20℃)での長期安定的な溶解性の確保、及びレベリング性を両立可能である。
2.インクジェットプリンタ
上記で説明したインクをインクジェットプリンタに入れて、印字を行い、所望の印字を与えることが可能である。帯電制御式のインクジェットプリンタのインク吐出、着弾までのプロセスを図4に示す。
上記で説明したインクをインクジェットプリンタに入れて、印字を行い、所望の印字を与えることが可能である。帯電制御式のインクジェットプリンタのインク吐出、着弾までのプロセスを図4に示す。
ノズル5から吐出したインク滴6は、帯電電極7で電荷を付与され、その後、偏向電極8で方向を制御され、被印字物9(被印字部材)に着弾する。印字されないインクはガター10から回収され、インクタンク(図4では図示省略)に戻される。ここで、被印字部材は、特に限定されるものではないが、樹脂で被覆した電線、ゴム(合成ゴムを含む。)で形成されたタイヤ、ポリエチレンテレフタレート(PET)で形成されたボトル等である。
このプロセスでインクタンクに戻ったインクは空気中の水分が若干混入するので、水に対する相溶性の低いレベリング剤や染料等は析出の可能性がある。しかし、水酸基を有する樹脂が混合されているため、このような析出が抑制される。
さらに、インクだけでなく補給する溶剤の粘度を測定する機構を設けることにより、他種類の溶剤或いは複数の溶剤の混合物を用いた場合でも、印字に支障が無いようなフィードバックが可能となる。インクの粘度は、20℃で概ね2〜10mPa・s程度に制御される。これより高粘度の場合は、インクがプリンタヘッドから吐出しにくくなる。また、これより低粘度の場合は、ヘッドからの液漏れ等が発生する。
また、本インクジェットプリンタは、インクを飛翔させることが可能な距離は数十ミリメートルもあるので、印字ヘッドを被印字部材との距離を離しても印字可能である。この特徴を生かすことにより、凸面若しくは凹面への印字、又は電線若しくはタイヤのような曲率の大きな部材への印字も可能となる。ここで、印字された「被印字部材」は、「印字済み部材」と呼ぶことにする。すなわち、「印字済み部材」は、被印字部材の表面に印字物が形成されたものである。被印字部材は、樹脂又はゴムで形成されていてもよい。
被印字部材を構成する樹脂としては、電線の場合、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンが挙げられる。被印字部材がタイヤ等のゴム製品の場合は、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらの樹脂又はゴムを単独で用いて被印字部材を作製してもよいし、可塑剤を混合したものを用いてもよい。
本発明の実施例を以下に示す。
攪拌羽根を設けた容器に770gの2−ブタノン、樹脂として平均分子量4,900、酸価215のスチレンアクリル酸樹脂(BASF社製ジョンクリル680)を100g、顔料として平均粒子径がメジアンで0.2μmの酸化チタン粒子を100g、分散剤としてテトラエチレングリコールモノブチルエーテルを10g、導電剤としてテトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートを10g、レベリング剤としてジメチルシロキサン鎖の両末端にポリエトキシ基を有する化合物(上記化学式(9)で表される化合物であり、xが29、mが22のものである。)を10g加え、酸化チタンが分散するまで攪拌して白色インクを作製した。
このインクをインクジェットプリンタ(株式会社日立産機システム製)に充填し、黒色被覆電線(日立電線株式会社製IV100SQ、被覆材は質量比でポリ塩化ビニル:フタル酸ジ2−エチルヘキシルが7:3の組成)を長さ100mmに切断したものにドット径が300〜400μmとなるよう調整して製造番号を印字した。
次に、転写試験について説明する。
具体的には、この電線の印字部分に同じ種類で長さ100mmに切断した電線の被覆材を接触させるよう固定し、20℃で7日間放置した。7日後、印字していない電線を取り除くと、目視確認で印字部分が印字直後と同様の状態であることが確かめられた。また、印字していない電線の印字部分が接していた部分は、印字の転写が認められなかった。
樹脂として平均分子量4,900、酸価215のスチレンアクリル酸樹脂を100g用いる代わりに、平均分子量4,600、酸価108のスチレンアクリル酸樹脂(BASF社製ジョンクリル586)を100g用いる以外は、実施例1と同様にして白色インクを作製した。このインクを用い、実施例1と同様の部材及び装置を用いて被覆電線に印字した後、実施例1と同様の転写試験を実施したところ、印字の転写が認められなかった。
樹脂として平均分子量4,900、酸価215のスチレンアクリル酸樹脂を100g用いる代わりに、平均分子量32,000、水酸基価97のポリビニルブチラール樹脂(積水化学製エスレックBL−5)を100g用いたこと以外は、実施例1と同様にして白色インクを作製した。このインクを用い、実施例1と同様の部材及び装置を用いて被覆電線に印字した後、実施例1と同様の転写試験を実施したところ、印字の転写が認められなかった。
樹脂として平均分子量4,900、酸価215のスチレンアクリル酸樹脂を100g用いる代わりに、平均分子量17,000、水酸基価146のポリビニルアセタール樹脂(積水化学製エスレックKS−10)を100g用いたこと以外は、実施例1と同様にして白色インクを作製した。このインクを用い、実施例1と同様の部材及び装置を用いて被覆電線に印字した後、実施例1と同様の転写試験を実施したところ、印字の転写が認められなかった。
(比較例1)
樹脂として平均分子量4,900、酸価215のスチレンアクリル酸樹脂を100g用いる代わりに、平均分子量25,000、酸価が0のポリメチルメタクリレート樹脂を100g用いる以外は、実施例1と同様にして白色インクを作製した。なお、ポリメチルメタクリレート樹脂は、メチルメタクリレートを重合させて得た。このインクを用い、実施例1と同様の部材及び装置を用いて被覆電線に印字した後、実施例1と同様の転写試験を実施したところ、印字部分が薄くなり、一部は消えかかっていた。また、印字していない電線の印字部分が接していた部分には印字の一部が転写されていた。よって、酸価0のポリメチルメタクリレート樹脂を用いた場合、転写が起こることが判った。
樹脂として平均分子量4,900、酸価215のスチレンアクリル酸樹脂を100g用いる代わりに、平均分子量25,000、酸価が0のポリメチルメタクリレート樹脂を100g用いる以外は、実施例1と同様にして白色インクを作製した。なお、ポリメチルメタクリレート樹脂は、メチルメタクリレートを重合させて得た。このインクを用い、実施例1と同様の部材及び装置を用いて被覆電線に印字した後、実施例1と同様の転写試験を実施したところ、印字部分が薄くなり、一部は消えかかっていた。また、印字していない電線の印字部分が接していた部分には印字の一部が転写されていた。よって、酸価0のポリメチルメタクリレート樹脂を用いた場合、転写が起こることが判った。
(比較例2)
樹脂として平均分子量4,900、酸価215のスチレンアクリル酸樹脂を100g用いる代わりに、平均分子量25,000、酸価が0のポリスチレン/ポリメチルメタクリレート共重合物を100g用いる以外は、実施例1と同様にして白色インクを作製した。なお、ポリスチレン/ポリメチルメタクリレート共重合物は、スチレンとメチルメタクリレートを共重合させて得た。このインクを用い、実施例1と同様の部材及び装置を用いて被覆電線に印字した後、実施例1と同様の転写試験を実施したところ、印字部分が薄くなり、一部は消えかかっていた。また、印字していない電線の印字部分が接していた部分には印字の一部が転写されていた。よって、酸価0のポリメチルメタクリレート樹脂を用いた場合、転写が起こることが判った。
樹脂として平均分子量4,900、酸価215のスチレンアクリル酸樹脂を100g用いる代わりに、平均分子量25,000、酸価が0のポリスチレン/ポリメチルメタクリレート共重合物を100g用いる以外は、実施例1と同様にして白色インクを作製した。なお、ポリスチレン/ポリメチルメタクリレート共重合物は、スチレンとメチルメタクリレートを共重合させて得た。このインクを用い、実施例1と同様の部材及び装置を用いて被覆電線に印字した後、実施例1と同様の転写試験を実施したところ、印字部分が薄くなり、一部は消えかかっていた。また、印字していない電線の印字部分が接していた部分には印字の一部が転写されていた。よって、酸価0のポリメチルメタクリレート樹脂を用いた場合、転写が起こることが判った。
実施例1〜4で転写試験の際の放置条件を、20℃で7日間放置する代わりに、60℃で7日間放置としたところ、実施例2及び3で試作した被覆電線のサンプルは、僅かだが転写が見られた。しかし、実施例1及び4で試作した被覆電線のサンプルは、転写が見られなかった。
実施例1と実施例2とを比べると、実施例1で用いた樹脂は酸価が215と高いが、実施例2で用いた樹脂は酸価が108と低い。よって、酸価が200程度と高い樹脂を用いた方が転写を抑制できることが示された。
実施例3と実施例4とを比べると、実施例4で用いた樹脂は水酸基価が146と高いが、実施例3で用いた樹脂は水酸基価が97と低い。よって、水酸基価が100以上の樹脂を用いた方が転写を抑制できることがわかった。
1:被印字物、2:ドット、3:ジメチルシロキサン鎖、4:ポリアルコキシ基、5:ノズル、6:インク滴、7:帯電電極、8:偏向電極、9:被印字物、10:ガター。
(2)樹脂
本発明の樹脂は、親水性の置換基であるカルボキシル基、或いは水酸基を有する樹脂を用いる。これは可塑剤であるフタル酸エステル、セバシン酸エステルに対して不溶、或いは難溶にするためである。このような置換基を有する樹脂は、水、アルコール等の親水性溶剤中に溶解、或いは膨潤するようになる。反対にフタル酸エステル、セバシン酸エステルといった疎水性の可塑剤には溶解、膨潤しにくい傾向がある。置換基の割合が多いほど溶解しにくい。
本発明の樹脂は、親水性の置換基であるカルボキシル基、或いは水酸基を有する樹脂を用いる。これは可塑剤であるフタル酸エステル、セバシン酸エステルに対して不溶、或いは難溶にするためである。このような置換基を有する樹脂は、水、アルコール等の親水性溶剤中に溶解、或いは膨潤するようになる。反対にフタル酸エステル、セバシン酸エステルといった疎水性の可塑剤には溶解、膨潤しにくい傾向がある。置換基の割合が多いほど溶解しにくい。
Claims (13)
- 樹脂、顔料、導電剤及び溶剤を含む帯電制御方式のインクジェットプリンタ用インクにおいて、前記樹脂がカルボキシル基又は水酸基を含むことを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
- 請求項1において、前記樹脂が、スチレンとアクリル酸との共重合体、スチレンとメタクリル酸との共重合体、アクリル酸メチルとアクリル酸との共重合体、アクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体、メタクリル酸メチルとアクリル酸との共重合体、又はメタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体であることを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
- 請求項1において、前記樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂又はポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
- 請求項1において、前記顔料が酸化チタンであることを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
- 請求項1において、前記導電剤が塩構造であり、テトラアルキルアンモニウムイオン又はヘキサフルオロフォスフェートイオンを含むことを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
- 請求項1において、更に添加剤を含み、前記添加剤が両末端にポリアルコキシ基を有するポリジメチルシロキサンであることを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
- 請求項2において、前記樹脂の酸価が200以上であることを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
- 請求項3において、前記樹脂の水酸基価が90〜300であることを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
- 被印字部材と、この被印字部材の表面に形成された印字物とを含み、前記印字物は、樹脂及び顔料を含み、前記樹脂は、カルボキシル基又は水酸基を含むことを特徴とする印字済み部材。
- 請求項9において、前記被印字部材は、樹脂又はゴムで形成されていることを特徴とする印字済み部材。
- 請求項10において、前記被印字部材は、フタル酸エステル又はアジピン酸エステルを含むことを特徴とする印字済み部材。
- 請求項9において、前記顔料が酸化チタンであることを特徴とする印字済み部材。
- 請求項9において、前記印字物が、更に添加剤を含み、前記添加剤が両末端にポリアルコキシ基を有するポリジメチルシロキサンであることを特徴とする印字済み部材。
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