JPWO2014156099A1 - 熱発電素子および熱発電素子の製造方法 - Google Patents

熱発電素子および熱発電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

本願に開示された熱発電素子は、互いに対向して配置された第1電極(E1)および第2電極(E2)と、第1主面および第2主面と、第1主面および第2主面の間に位置しており、第1電極および第2電極がそれぞれ電気的に接続された第1端面(25)および第2端面(27)とを有する積層体(10L)とを備え、積層体は、金属およびその金属よりも熱伝導率が低い粒子を含む第1材料であって、粒子が金属に分散している第1材料から形成された第1層と、第1材料よりもゼーベック係数が高く熱伝導率が低い第2材料から形成された第2層とが交互に積層された構造を有し、複数の第1層と複数の第2層の積層面は、第1電極および第2電極が対向する方向に対して傾斜しており、第1主面と第2主面との間の温度差によって第1電極および第2電極間に電位差が発生する。

Description

本願は、熱を電力に変換する熱発電素子および熱発電素子の製造方法に関する。
熱電変換素子(Thermoelectric conversion element)は、熱を電力に、あるいは電力を熱に変換することができる素子である。ゼーベック効果を示す熱電材料から形成した熱電変換素子は、比較的低温(例えば200℃以下)の熱源から熱エネルギーを得て電力に変換することができる。このような熱電変換素子を利用した熱発電技術によれば、従来、蒸気、温水、排気ガスなどの形態で未利用のまま周囲環境に捨てられていた熱エネルギーを回収して有効に活用することが可能になる。
以下、熱電材料から形成した熱電変換素子を「熱発電素子(Thermoelectric generator)」と称する。一般の熱発電素子は、キャリアの電気的極性が互いに異なるp型半導体およびn型半導体が組み合わされた、いわゆる「π型構造」を有する(例えば、特許文献1)。「π型構造」の熱発電素子では、p型半導体とn型半導体とが電気的に直列に、かつ熱的に並列に接続される。「π型構造」では、温度勾配の方向と電流の流れる方向とは互いに平行または反平行である。このため、高温熱源側または低温熱源側の電極に出力端子を設ける必要がある。したがって、各々が「π型構造」を有する複数の熱発電素子を電気的に直列に接続するためには、複雑な配線構造が必要になる。
特許文献2は、互いに対向する第1電極および第2電極の間に、ビスマス層と、ビスマスとは異なる金属からなる金属層とが交互に積層された積層体を有する熱発電素子を開示している。特許文献2に開示される熱発電素子では、第1電極と第2電極とを結ぶ直線の方向に対して積層面が傾斜している。また、特許文献3ならびに非特許文献1および2は、チューブ型熱発電素子を開示している。特許文献2および特許文献3の開示内容の全体を本願に援用する。
特開2013−016685号公報 国際公開第2008/056466号 国際公開第2012/014366号
菅野他、第72回応用物理学会学術講演会 講演予稿集、30a−A−14「非対角熱電効果を用いたチューブ型発電デバイス」 (2011) A.Sakai et al., International conference on thermoelectrics 2012 "Enhancement in performance of the tubular thermoelectric generator (TTEG)" (2012)
熱発電技術を利用した実用的な熱発電素子が望まれている。
本開示の一態様である熱発電素子は、互いに対向して配置された第1電極および第2電極と、第1主面および第2主面と、前記第1主面および第2主面の間に位置しており、前記第1電極および第2電極がそれぞれ電気的に接続された第1端面および第2端面とを有する積層体とを備え、前記積層体は、金属および前記金属よりも熱伝導率が低い粒子を含む第1材料であって、前記粒子が前記金属に分散している第1材料から形成された第1層と、前記第1材料よりもゼーベック係数が高く熱伝導率が低い第2材料から形成された第2層とが交互に積層された構造を有し、前記複数の第1層と前記複数の第2層の積層面は、前記第1電極および第2電極が対向する方向に対して傾斜しており、前記第1主面と前記第2主面との間の温度差によって前記第1電極および第2電極間に電位差が発生する。
本開示の熱発電素子によれば、熱発電の実用性が向上する。
本開示による熱発電素子の一実施形態を示す断面図である。 図1Aの熱発電素子10の上面図である。 熱発電素子10の上面10aに高温熱源120を接触させ、かつ、下面10bに低温熱源140を接触させた状態を示す図である。 積層体がチューブ形状を有する熱発電素子(熱発電チューブ)Tを示す斜視図である。 熱発電チューブTの軸(中心軸)を含む平面に沿って熱発電チューブTを切断したときの断面を示す図である。 熱発電素子の製造工程を示す工程図である。 (a)から(d)は、積層体を形成するための圧粉体の形状を示す側面図、断面図、上面図および斜視図である。 熱発電素子の製造工程を示す工程図である。 図6Aに対応する断面図である。 熱発電素子の製造工程を示す工程図である。 熱発電素子の製造工程を示す工程図である。 熱発電素子の製造工程を示す工程図である。 各熱発電素子の積層体の上面と下面との間に温度差を与えるための構成の例を示す概略図である。 各熱発電チューブの外周面と内周面との間に温度差を与えるための構成の例を示す概略図である。 第1材料における粒子の含有量と第1材料の熱伝導率との間の関係を示すグラフである。 ニッケルにシリカの粒子を分散させた材料における、シリカの粒子の含有量と、熱伝導率κおよび電気抵抗率ρの積κρとの間の関係を示すグラフである。 本開示の実施形態による例示的な熱発電ユニット100の概略構成を示す斜視図である。 熱発電チューブTの外周面と内周面との間に温度差を与えるための構成の例を示すブロック図である。 熱発電チューブT1〜T10の電気的接続の例を模式的に示す図である。 熱発電ユニットの一態様を示す正面図である。 熱発電ユニット100の側面のうちの一つを示す図(ここでは右側面図)である。 図16BのM−M断面の一部を示す図である。 熱発電ユニット100に導入された高温媒体および低温媒体の流れ方向の例を模式的に示す図である。 電気的に直列に接続された熱発電チューブTを流れる電流の向きを模式的に示す図である。 電気的に直列に接続された熱発電チューブTを流れる電流の向きを模式的に示す図である。 図16Aに示される熱発電ユニット100の側面のうちの他の一つを示す図(左側面図)である。 熱発電ユニットが備える電気回路の構成例を示すブロック図である。
上述したように、特許文献2には、ビスマス層と、ビスマスとは異なる金属からなる金属層とが交互に積層された積層体を有する熱発電素子が開示されている。例えば直方体形状を有する積層体は、特許文献2の図1に示されるように、互いに対向する第1電極および第2電極の間に配置されている。積層体の積層面は、第1電極と第2電極とを結ぶ直線の方向に対して傾斜している。特許文献2の図2に示されるように、熱発電素子の積層体の上面に高温熱源を接触させ、下面に低温熱源を接触させることにより、第1電極と第2電極との間に電位差を発生させることができる。大局的に見た場合、熱発電素子に与えられる温度勾配の方向と、熱発電素子が発生させる電流の方向とは直交する。
高温熱源から供給される熱は、熱発電素子を介して低温熱源に向かって流れる。一般的に、熱電材料層を構成する材料よりも金属層を構成する材料の方が熱伝導性は高い。そのため、特許文献2の図1に示されるような熱発電素子の上面および下面に高温熱源および低温熱源がそれぞれ接触させられると、高温熱源から供給される熱は金属層を優先的に伝達する。その結果、発電に利用されずに低温熱源に捨てられる熱も多かった。したがって、熱発電素子を利用した発電における熱的なロスの低減が望まれる。
本願発明者は、このような課題に鑑み、新規な熱発電素子および熱発電素子の製造方法を想到した。本開示の一態様の概要は以下の通りである。
本開示の一態様である熱発電素子は、互いに対向して配置された第1電極および第2電極と、第1主面および第2主面と、前記第1主面および第2主面の間に位置しており、前記第1電極および第2電極がそれぞれ電気的に接続された第1端面および第2端面とを有する積層体と、を備え、前記積層体は、金属および前記金属よりも熱伝導率が低い粒子を含む第1材料であって、前記粒子が前記金属に分散している第1材料から形成された第1層と、前記第1材料よりもゼーベック係数が高く熱伝導率が低い第2材料から形成された第2層とが交互に積層された構造を有し、前記複数の第1層と前記複数の第2層の積層面は、前記第1電極および第2電極が対向する方向に対して傾斜しており、前記第1主面と前記第2主面との間の温度差によって前記第1電極および第2電極間に電位差が発生する。
前記第1主面および前記第2主面は平面であり、前記積層体は直方体形状を有していても良い。
前記積層体は管形状を有し、前記第1主面および前記第2主面は、それぞれ、前記管の外周面および内周面であって良い。
前記第1材料は、Biを含まず、かつBiとは異なる金属を含み、前記第2材料は、Biを含んでいても良い。
前記第1材料における前記粒子の含有量は、例えば、0.1wt%以上10wt%以下である。
前記第1材料における前記粒子の含有量は、1wt%以上5wt%以下であっても良い。
前記粒子は、例えば、酸化物粒子である。
前記粒子は、二酸化ケイ素の粒子であっても良い。
前記粒子の粒径は、例えば、5nm以上100nm以下である。
前記金属は、例えば、ニッケル、コバルト、銀、金、銅、クロムおよびアルミニウムからなる群から選ばれる1種以上を含む。
前記第2材料は、例えば、Bi0.5Sb1.5Te3である。
本開示の一態様である熱発電チューブは上記熱発電素子を含み、前記積層体が管形状を有する。
本開示の一態様である熱発電ユニットは、上記熱発電チューブを複数備える熱発電ユニットであって、前記複数の熱発電チューブの各々は、外周面および内周面と、前記内周面によって区画される流路と、を有し、前記内周面と前記外周面との間の温度差によって各熱発電チューブの軸方向に起電力を発生するように構成されており、前記熱発電ユニットは、前記複数の熱発電チューブを内部に収容する容器であって、前記内部に流体を流すための流体入口および流体出口と、各熱発電チューブが挿入される複数の開口部とを有する容器と、前記複数の熱発電チューブを電気的に接続する複数の導電性部材とを更に備える。
本開示の一態様である熱発電素子の製造方法は、金属および前記金属よりも熱伝導率が低い粒子を含む第1材料であって、前記粒子が前記金属に分散している第1材料の原料からなり、一対の積層面と、前記一対の積層面との間に位置し、前記一対の積層面に対して非垂直な第1側面および第2側面とを有する複数の第1圧粉体、および、前記第1材料よりもゼーベック係数が高く熱伝導率が低い第2材料の原料からなり、一対の積層面と、前記一対の積層面との間に位置し、前記一対の積層面に対して非垂直な第1側面および第2側面とを有する複数の第2圧粉体を用意する工程(A)と、前記複数の第1圧粉体および前記複数の第2圧粉体を、前記積層面が互いに接触するように交互に積層することにより、積層圧粉体を形成する工程(B)と、前記積層圧粉体を焼結する工程(C)とを包含する。
前記工程(A)は、前記金属の粒子と前記粒子とを混合する工程を更に包含しても良い。
<熱発電素子の実施形態>
以下、本開示による熱発電素子の実施形態を詳細に説明する。
本開示の限定的ではない例示的なある熱発電素子の一態様は、互いに対向して配置された第1電極および第2電極と、第1主面および第2主面と、第1主面および第2主面の間に位置しており、第1電極および第2電極がそれぞれ電気的に接続された第1端面および第2端面とを有する積層体とを備える。本開示の実施形態による熱発電素子は、第1主面と第2主面との間の温度差によって、第1電極および第2電極間に電位差が発生するように構成されている。
この熱発電素子における積層体は、第1材料から形成された第1層と、第1材料よりもゼーベック係数が高く熱伝導率が低い第2材料から形成された第2層とが交互に積層された構造を有する。積層体における複数の第1層と複数の第2層の積層面は、第1電極および第2電極が対向する方向に対して傾斜している。第1材料は、金属およびその金属よりも熱伝導率が低い粒子を含み、粒子は、金属に分散している。第1材料に用いられる金属よりも熱伝導率が低い粒子がその金属に分散しているので、粒子が金属に分散されない場合と比較して、第1材料の熱伝導率が低下する。本願発明者は、第1材料の熱伝導率と電気抵抗率との積が大きく上昇しない場合においては、熱発電素子の熱発電特性が向上することを見出した。本開示の限定的ではない例示的なある熱発電素子の一態様によれば、第1主面と第2主面との間の温度差が有効に利用され、熱的なロスの発生が抑制される。
<熱発電素子の構成>
まず、図1Aおよび図1Bを参照する。図1Aは、本開示による熱発電素子の一実施形態を示す断面図である。図1Bは、熱発電素子10の上面図である。参考のため、図1Aおよび図1Bには、直交するX軸、Y軸、Z軸が示されている。図示されている熱発電素子10は、積層体10Lと、互いに対向して配置された第1電極E1および第2電極E2とを備える。熱発電素子10は、第1主面24および第2主面26を有する。図1Aおよび図1Bに示した例では、熱発電素子10は、概略的に直方体の形状に形成されており、第1主面24(ここでは熱発電素子10の下面10b)および第2主面26(ここでは熱発電素子10の上面10a)は平面である。この例において、積層体10Lの形状は直方体であるが、積層体10Lの形状は直方体に限定されない。
積層体10Lは、第1主面24および第2主面26の間に位置し、第1電極E1および第2電極E2がそれぞれ電気的に接続された第1端面25および第2端面27を有する。積層体10Lは、複数の第1層20と複数の第2層22とを含む。積層体10Lは、複数の第1層20と複数の第2層22とが交互に積層された構成を有している。積層体10Lにおける第1層20と第2層22の積層面は、図1Aに示したように、第1電極E1および第2電極E2が対向する方向に対して傾斜している。本明細書では、第1電極E1と第2電極E2とを結ぶ直線の方向を「積層方向」と称する場合がある。熱発電素子10は、後述するように、第1主面24と第2主面26との間の温度差によって第1電極E1および第2電極E2間に電位差を発生させる。
第1層20は、金属およびその金属よりも熱伝導率が低い粒子を含む第1材料から形成される。より詳細には、熱発電素子10の第1層20は、粒子が金属に分散している第1材料から形成された複合材料層である。本明細書において、「分散」という場合には、ほぼ均一に分散していても良いし、局所的に粒子の密度が高い、あるいは、一方側から他方側に従って粒子密度が変化しているなどの分布をもって分散していても良い。
第1材料における金属は、任意の金属材料から選択され得る。第1材料における金属の例は、ニッケルまたはコバルトである。ニッケルおよびコバルトは、高い熱発電特性を示す金属材料の例である。第1材料における金属は、銀または金を含んでいても良い。第1材料における金属は、これらの例示された金属材料を単独で含んでいても良いし、合金として含んでいても良い。第1材料における金属が合金として形成される場合、この合金が、銅、クロムまたはアルミニウムを含んでいても良い。このような合金の例は、コンスタンタン、クロメルまたはアルメルである。
第1材料における粒子は、第1材料における金属よりも熱伝導率が低い粒子であれば良く、任意の材料から形成され得る。第1材料における粒子は、典型的には、無機粒子である。第1材料における粒子の例は、二酸化ケイ素(シリカ)、ジルコニア、イットリウム安定化ジルコニア、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫などの酸化物の粒子である。第1材料における粒子として、導電性セラミクスの粒子も用いられ得る。
粒子は、金属に分散している。第1材料における粒子の含有量は、典型的には、0.1wt%以上10wt%以下である。粒子の含有量を0.1wt%以上10wt%以下とすることによって、熱発電素子の熱発電特性が向上する。粒子の含有量は、1wt%以上5wt%以下であっても良い。粒子の含有量を1wt%以上5wt%以下とすることによって、発電により得られる電力をより増大させることができる。
第1材料中の粒子の粒径は、典型的には、5nm以上100nm以下である。本明細書において、第1材料中または第2材料中の粒子の「粒径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて得られた断面画像における、粒子を包含する仮想的な円の直径d1、d2、…dk(kは1以上の整数)の算術平均を指す。なお、本明細書では、第1材料における金属または第2材料についても「粒子」の用語を使用する場合がある。
第2層22は、第1材料よりもゼーベック係数が高く熱伝導率が低い第2材料から形成される。第2材料は、典型的には、熱電材料であり、第2層22は、使用温度に応じて任意の熱電材料から形成され得る。第2層22に使用され得る熱電材料の例は、Bi、Sbなどの単元素からなる熱電材料、BiTe系、PbTe系、SiGe系などの合金系熱電材料、CaxCoO2、NaxCoO2、SrTiO3などの酸化物系熱電材料を含む。本明細書における「熱電材料」は、典型的には、絶対値が30μV/K以上のゼーベック係数を有し、かつ、電気抵抗率が10mΩcm以下の材料である。このような熱電材料は、結晶でも、非晶質でも良い。高温媒体の温度が200℃程度またはそれ以下である場合、第2層22は、例えばBiSbTe系合金の緻密体から形成され得る。BiSbTe系合金の代表的な化学組成は、Bi0.5Sb1.5Te3であるが、これに限定されない。BiSbTeはSeなどのドーパントを含んでいても良い。BiとSbの組成比は、適宜調整され得る。
第2層22を構成する熱電材料の他の例としては、BiTe、PbTeなどが挙げられる。第2層22がBiTeから構成される場合、BiTeの化学組成をBi2TeXと表記したとき、2<X<4であれば良い。代表的な化学組成は、Bi2Te3である。Bi2Te3は、SbまたはSeを含有し得る。Sbを含有するBiTeの化学組成は(Bi1-YSbY2TeXのように表される。このとき、0<Y<1であれば良く、0.6<Y<0.9であるとより好ましい。このように、ある態様における熱発電素子10では、第1材料は、Biを含まず、かつBiとは異なる金属を含み、第2材料は、Biを含む。
第1電極E1および第2電極E2を構成する材料は、導電性に優れる材料であれば任意である。第1電極E1および第2電極E2は、ニッケル、銅、銀、モリブデン、タングステン、アルミニウム、チタン、クロム、金、白金、インジウムなどの金属から形成され得る。あるいは、窒化チタン(TiN)、スズ添加酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO2)などの窒化物または酸化物から形成されても良い。ハンダ、銀ロウ、導電性ペーストなどから第1電極E1または第2電極E2を形成しても良い。なお、積層体10Lの両端が第1層20である場合、第1電極E1および第2電極E2は、第1層20で代用され得る。
図1Aを参照して説明したように、積層体10Lにおける第1層20と第2層22の積層面は、第1電極E1および第2電極E2が対向する方向に対して傾斜している。積層体10Lにおける積層面の、第1電極E1と第2電極E2とが対向する方向に対する傾斜角度(以下、単に「傾斜角度」と称する。)θは、例えば、5°以上60°以下の範囲内に設定され得る。傾斜角度θは、20°以上45°以下であっても良い。傾斜角度θの適切な範囲は、第1層20を構成する第1材料と第2層22を構成する第2材料との組み合わせに依存して異なる。例えば、第1層20がニッケルとシリカ粒子との混合体である第1材料から形成され、第2層22がBi0.5Sb1.5Te3などのBiSbTe系合金から形成される場合、傾斜角度θは、5°以上45°以下であり得る。
積層体10Lにおける第1層20の厚さと第2層22の厚さとの比(以下、単に「積層比」と称する。)は、例えば、20:1〜1:9の範囲に設定され得る。ここで、第1層20の厚さは、積層面に垂直な方向における厚さ(図1A中、Thで示す厚さ)を意味する。同様に、第2層22の厚さは、積層面に垂直な方向における厚さを意味する。例えば、第1層20がニッケルとシリカ粒子との混合体である第1材料から形成され、第2層22がBi0.5Sb1.5Te3などのBiSbTe系合金から形成される場合、積層比は、1:9〜9:1の範囲に設定され得る。積層比を1:9〜9:1の範囲に設定することによって、より大きな電力が得られる。なお、第1層20および第2層22の積層の総数は適宜設定され得る。
<熱発電素子の動作原理>
次に、熱発電素子の動作原理の概略を説明する。
図1Aおよび図1Bに示した熱発電素子10では、上記の積層体10Lを左右から挟み込むように第1電極E1および第2電極E2が設けられている。図1Aに示される断面において、積層面はZ軸方向に対して角度θ(0<θ<πラジアン)だけ傾斜している。
このような構成を有する熱発電素子10では、上面10aと下面10bとの間に温度差が与えられると、第2層22よりも熱伝導性の高い第1層20を優先的に熱が伝達するため、各第2層22の温度勾配にZ軸方向成分が生じる。このため、各第2層22にはゼーベック効果によってZ軸方向の起電力が発生し、起電力が積層体内で直列的に重畳される結果、全体として第1電極E1と第2電極E2との間に大きな電位差が発生する。
図2は、熱発電素子10の上面10aに高温熱源120を接触させ、かつ、下面10bに低温熱源140を接触させた状態を示している。この状態では、高温熱源120から低温熱源140に熱発電素子10を介して熱Qが流れ、熱発電素子10から第1電極E1および第2電極E2を介して電力Pを取り出すことができる。大局的に見た場合、熱発電素子10では、温度勾配の方向(Y軸方向)と電流の方向(Z軸方向)とは直交しており、電力を取り出すための一対の電極E1、E2間に温度差を与える必要がない。なお、図2に示した例では、図の左側から右側に向かって電力Pが流れる様子を模式的に示している。しかしながら、これはあくまでも例示である。例えば、熱発電素子10に使用される熱電材料の種類が変更されることによって、電力Pの流れ方向が図2とは反対になることもある。
このように、熱発電素子10によれば、従来の熱発電素子とは異なり、温度勾配の方向と電流の流れる方向とを直交させることができる。これによって、従来の熱発電素子では実現が容易ではなかった高温熱源および低温熱源の配置を取ることができ、実用的な熱発電素子を提供し得る。
<チューブ形状を有する熱発電素子>
上述したように、熱発電素子の積層体の形状は、直方体に限定されない。以下では、積層体がチューブ形状を有する熱発電素子を例に挙げる。このようなチューブ状の熱発電素子を本明細書では「熱発電チューブ(Tubular Thermoelectric Generator)」と称する。なお、本明細書において、「チューブ」の用語は「パイプ」の用語とは区別されず、「チューブ」および「パイプ」の両方を含むように解釈される。本開示の熱発電素子はチューブ状を有する場合、高温熱源および低温熱源をより利用しやすい場合がある。
図3Aは、積層体がチューブ形状を有する熱発電素子(熱発電チューブ)Tを示す斜視図であり、図3Bは、熱発電チューブTの軸(中心軸)を含む平面に沿って熱発電チューブTを切断したときの断面を示す図である。熱発電チューブTの積層体28は、図3Aに示すように管形状を有する。熱発電チューブTの形状は、チューブ状であれば良く、円筒に限定されない。言い換えると、熱発電チューブTの軸に対して垂直な面で熱発電チューブTを切断したとき、「外周面」および「内周面」の切断面上における形状は円である必要は無く、楕円、多角形などの閉曲線であれば良い。また、熱発電チューブTの軸は、典型的には直線であるが、直線に限定されない。
熱発電チューブTは、積層体28と第1の電極E1および第2の電極E2とを備える。積層体28は、第1主面である外周面24と、第2主面である内周面26との間に位置し、第1電極E1および第2電極E2がそれぞれ電気的に接続された第1端面25および第2端面27を有する。積層体28は、複数の第1層20と複数の第2層22とを含む。複数の第1層20と複数の第2層22とは交互に積層されている。
内周面26によって区画される領域が流路F1を形成している。図示されている例では、外周面24および内周面26は、それぞれ、軸方向に垂直な断面の形状が円であるが、これらの形状は前述したように、円に限定されず、楕円または多角形であっても良い。
図示されている例において、第1電極E1および第2電極E2は、それぞれ、円筒形状を有しているが、第1電極E1および第2電極E2の形状はこれに限定されない。第1電極E1および第2電極E2は、それぞれ、積層体28の両端またはその近傍において、第1層20および第2層22の少なくとも一方に電気的に接続され、かつ、流路F1を閉塞しない任意の形状を有し得る。図3Bの例では、第1電極E1および第2電極E2の外周面が積層体28の外周面24に整合しているが、第1電極E1および第2電極E2の外周面と積層体28の外周面24とが整合している必要はない。例えば、第1電極E1および第2電極E2の外周面の直径(外径)が積層体28の外周面24の直径(外径)よりも大きくても良いし、小さくても良い。また、軸方向に垂直な平面で切った第1電極E1および第2電極E2の断面形状が、軸方向に垂直な平面で切った積層体28の外周面24の断面形状と異なっていても良い。
第1電極E1および第2電極E2は、導電性を有する材料、典型的には金属から形成される。第1電極E1および第2電極E2は、積層体28の両端またはその近傍に位置する1個または複数の第1層20から構成されていても良い。その場合、積層体28の一部が第1電極E1および第2電極E2として機能することになる。あるいは、第1電極E1および第2電極E2は、積層体28の外周面の一部を覆うように設けられた金属層または輪帯状金属部材から形成されていても良いし、積層体28の内周面と接触するように積層体28の両端から流路F1内に部分的に嵌め込まれた一対の円筒状金属部材であっても良い。
第1層20および第2層22は、図3Bに示されるように、傾斜した状態で交互に積層されている。このような構成を有する熱発電素子は、基本的には、図2を参照しながら説明した原理と同様の原理で動作する。したがって、熱発電チューブTの外周面24と内周面26との間に温度差を与えると、第1電極E1と第2電極E2との間に電位差が生じる。このときの温度勾配の概略的な方向は、外周面24と内周面26とに垂直な方向である。
熱発電チューブTは、その内周面26によって規定される内部の流路(以下、「内部流路」と称する場合がある。)に、例えば高温媒体が流れるように配管に接続され得る。その場合、熱発電チューブTの外周面は低温媒体に接触させられる。こうして、熱発電チューブTの内周面と外周面との間に温度差が与えられることにより、一対の電極E1、E2の間に電位差が発生し、電力を取り出すことが可能になる。なお、軸方向に垂直な面で切断したときの流路の断面積の大きさは、特に限定されない。熱発電チューブTの内部流路に供給される媒体の流量に応じて、流路の断面積が適宜設定されれば良い。
本明細書では、「高温媒体」または「低温媒体」における「高温」および「低温」の語は、それぞれの媒体の具体的な温度ではなく、これらの間の相対的な温度の高低を表す。また、「媒体」は、典型的には、気体、液体、またはこれらの混合体からなる流体である。「媒体」は、流体中に分散した粉末などの固体を含んでいても良い。
本実施形態によれば、第1材料において金属に粒子が分散されているので、第1材料の熱伝導率を低下できる。これにより、第1主面および第2主面のうち、低温熱源側に接触する側の主面の温度上昇を抑制できる。このとき、第1材料において金属に粒子が分散されることによって、第1材料の電気抵抗率は上昇し得る。しかしながら、後述する実施例により説明するように、第1層および第2層が傾斜した状態で交互に積層されるような構成を有する熱発電素子では、第1材料における熱伝導率κおよび電気抵抗率ρの積κρがほぼ一定であれば、出力電力は増大し得る。このように、本開示の実施形態によれば、第1主面と第2主面との間の温度差を有効に利用でき、熱的なロスの発生を抑制することができる。
<熱発電素子の製造方法の実施形態>
次に、本開示の実施形態による熱発電素子の製造方法を説明する。以下では、積層体がチューブ形状を有する熱発電素子の製造方法を例に挙げる。
まず、第1層20を構成する第1材料の原料からなる圧粉体(第1圧粉体)を用意する。より詳細には、第1層20を構成する第1材料の原料の粉末を用意し、用意した粉末を油圧プレス機などによって固め、第1圧粉体20’を形成する。
第1材料の原料の粉末は、金属の粉末と、金属よりも熱伝導率が低い粒子とを含む。第1材料の原料の粉末としては、例えば、ニッケルの粉末およびシリカの粉末(粒子)の混合体を用いることができる。この場合、ニッケルの粉末およびシリカの粉末をそれぞれ秤量した後、これらを混合する。ニッケルの粉末およびシリカの粉末の混合には、乳鉢またはボールミルなどを使用した乾式混合を適用し得る。分散液などを使用した湿式混合を適用しても良い。金属の粉末にシリカの粉末のような粒子を混合することによって、第1圧粉体20’(第1層20)の成形性も向上する。
ここで、第1材料の原料を構成する金属(例えばニッケル)の粒子の粒径は、典型的には、2μm以上75μm以下である。第1材料の原料を構成する、金属よりも熱伝導率が低い粒子(例えばシリカの粒子)の粒径は、典型的には、1nm以上50nm以下である。なお、本明細書における原料の「粒径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて原料粉末の観察を行い、観察された粒子を包含する仮想的な円の直径e1、e2、…eh(hは1以上の整数)の算術平均を指す。
更に、第1層20の場合と同様に、第2層22を構成する第2材料の原料からなる圧粉体(第2圧粉体)を用意する。第2圧粉体22’は、第1材料よりもゼーベック係数が高く熱伝導率が低い第2材料の原料から形成される。このような原料としては、例えばBi0.5Sb1.5Te3の粉末を用いることができる。Bi0.5Sb1.5Te3の製法は、特に限定されない。例えば、Bi、SbおよびTeを所定の割合のもとで溶融させて合金を得、冷却後にその合金を粉砕することによって、Bi0.5Sb1.5Te3の粉末が得られる。後述するように、第2圧粉体22’を焼結することによって、例えばBi0.5Sb1.5Te3の緻密な焼結体が得られる。
図4は、熱発電素子の製造工程を示す工程図である。図4は、断面図を示している。図4に示すように、あらかじめ用意した中棒71、ダイ72および下側パンチ73dから形成される空間に、原料粉末Rp(第1材料の原料の粉末または第2材料の原料の粉末)を充填する。その後、上側パンチ73uを挿入し、上側パンチ73u、下側パンチ73dおよびスペーサ75を介して、油圧プレス機などによって原料粉末Rpを上下から圧縮する。上記の作業を繰り返すことによって、複数の第1圧粉体20’と、複数の第2圧粉体22’とが得られる。
図5(a)から(d)は、それぞれ、第1材料の原料からなる第1圧粉体20’および第2の材料からなる第2圧粉体22’の形状を示す側面図、断面図、上面図および斜視図である。第1圧粉体20’および第2圧粉体22’は、それぞれ、内周面23aおよび外周面23bを有する管形状を備える。内周面23aおよび外周面23bは、円錐台形状の積層面23cおよび積層面23dによって接続されている。言い換えれば、第1圧粉体20’および第2圧粉体22’の各々は、積層面23cおよび積層面23dの間に、これらに対して非垂直な内周面23aおよび外周面23bを有している。内周面23aおよび外周面23bが形成する円筒の直径は、それぞれ、図5(c)に示すdinおよびdoutによって表される。管形状の軸を通る断面を見た場合(図5(b))、内周面23aに対して、積層面23cおよび積層面23dはθの角度をなしている。
次に、複数の第1圧粉体20’と複数の第2圧粉体22’とが交互に積層された積層圧粉体を形成する。より詳細には、図6Aに示すように、中棒71に、第1圧粉体20’および第2圧粉体22’を交互に挿入し、積層する。このとき、隣接する第1圧粉体20’および第2圧粉体22’の間において、積層面23cと積層面23dとが互いに接触する。図6Bは積層した第1圧粉体20’および第2圧粉体22’の断面を示している。必要に応じて、中棒71の外周面に離型剤が付与される。これにより、中棒71の外周面と第1圧粉体20’および第2圧粉体22’の各内周面23aとの間の化学的な固着が抑制される。例えば、第1圧粉体20’および第2圧粉体22’の挿入に先立って、中棒71にカーボンペーパーを巻きつけておいても良い。
図7Aは、第1圧粉体20’および第2圧粉体22’の積層が完了した積層圧粉体80を示している。第1圧粉体20’および第2圧粉体22’の各外周面23bが積層圧粉体80の外周面24’を構成する。
次に、図7Bに示すように、積層圧粉体80をダイ72の空間に挿入する。このとき、積層圧粉体80の外周面24’にカーボンペーパーを巻きつけておいても良い。これにより、積層圧粉体80の外周面24’とダイ72の内周面との間の化学的な固着を抑制し得る。
次に、積層圧粉体80を焼結する。焼結には、例えば、ホットプレス法や放電プラズマ焼結法(SPS)を適用し得る。焼結は、第1材料の原料および第2材料の原料や、原料粉末の形状などに応じて適切な温度を選択し得る。例えば、第1圧粉体20’にニッケルの粉末とシリカの粉末との混合体を用い、第2圧粉体22’にBiSbTe系合金の粉末を用いる場合、200℃以上600℃以下の範囲で適切な温度を選択することができる。
緻密な焼結体を得るために、焼結時に積層圧粉体80に圧力を加えてもよい。図8は積層圧粉体80の断面を示している。例えば、図8に示すような治具73Uおよび73Lを用いて管形状の両端から圧力を加えることによって、ダイ72内で積層圧粉体80は三方向から圧力を受ける。放電プラズマ焼結法が適用される場合、治具73Uおよび治具73Lを介して、積層圧粉体80およびダイ72に直流パルス電圧が印加される。印加されたパルス電圧によって、積層圧粉体80が加熱される。これにより、第1圧粉体20’および第2圧粉体22’がそれぞれ焼結するとともに、互いに材料が異なる第1圧粉体20’と第2圧粉体22’と間の接合が行われる。なお、焼結の工程によって得られた焼結体は、例えば切削、研削などによって、平板状、円盤状などの所望の形状に加工され得る。
その後、焼結により得られた管形状の成形体の一端(第1端面25)に第1電極E1を形成し、他端(第2端面27)に第2電極E2を形成する。第1電極E1および第2電極E2の形成には、蒸着法、スパッタ法などの気相成長を適用し得る。導電性ペーストの塗布、めっき、溶射、はんだなどにより、第1電極E1および第2電極E2を形成しても良い。焼結体の両端が第1材料から形成される第1層20である場合には、第1電極および第2電極の形成を省略し得る。電極の形成を容易にするために、焼結体の両端をあらかじめ研削して平坦化しておいても良い。
このように、第1端面25および第2端面27に、第1電極E1および第2電極E2をそれぞれ電気的に接合することによって、熱発電素子が完成する。
上記の製造方法の説明では、複数の第1圧粉体20’と複数の第2圧粉体22’とを交互に積層することによる積層圧粉体80の形成を例示したが、この例に限定されない。例えば、鋳造法を適用して形成されたカップを積層することによって、積層体が形成されても良い。第1圧粉体20’の焼結体と第2圧粉体22’の焼結体とは、ハンダなどで互いに接合されても良い。
なお、積層体が直方体形状を有する熱発電素子を製造する場合には、例えば、直方体形状を有する積層体(焼結体)を形成した後、特許文献2に記載されているように、積層面を斜めに横断するように積層体の切り出しを行えば良い。平行六面体形状を有する第1圧粉体および第2圧粉体を形成し、これらを交互に積層した後、焼結を行っても良い。
<実施例>
本実施形態の熱発電素子を下記条件で作製し、特性を調べた。
(実施例1)
平板形状を有する熱発電素子を作製し、出力電力の評価を行った。
まず、第1材料の原料として、ニッケルの粉末および粒子としてのシリカの粉末を用意した。ニッケルの粉末の粒径は、3μm以上5μm以下の範囲にあり、シリカの粉末の粒径は、7nmであった。このときの第1材料におけるシリカの粉末の含有量は、0.1wt%であった。次に、ボールミルを用いた乾式混合によってこれらを混合し、ニッケルおよびシリカの混合体(第1材料の原料)を得た。ニッケルの粉末とシリカの粉末との混合は、単位時間あたり1000回転の条件で5分間行った。また、第2材料の原料として、Bi0.5Sb1.5Te3の粉末を用意した。Bi0.5Sb1.5Te3の粉末の粒径は、0μmを超え、75μm以下の範囲にあった。
次に、第1材料の原料および第2材料の原料から、第1圧粉体および第2圧粉体をそれぞれ形成し、放電プラズマ焼結法によってこれらを焼結した。焼結時の温度および圧力は、それぞれ、およそ500℃および50MPaに設定した。なお、焼結時の雰囲気は5×10-3Paの真空であった。これにより、円盤状の焼結体を得た。各焼結体の寸法は、直径がおよそ30mm、厚さがおよそ5mmであった。
次に、ワイヤーソーを用いて、得られた各焼結体から複数の直方体形状の焼結体片を作製した。各焼結体片の寸法は、20mm×1mm×5mm(「×」は乗算を表す)程度であった。そして、積層面の傾斜角度が30°となるように調整しながら、第1材料からなる焼結体片と第2材料からなる焼結体片とを交互に積層し、積層体を形成した。このとき、第1材料からなる焼結体片が積層体の両端に配置されるように構成した。なお、各焼結体片はハンダを用いて接合した。
ニッケルからなる第1電極および第2電極を積層体に接合した後、積層体の上面および下面が平坦となるまで研磨を行った。これにより、積層体が直方体形状を有する、実施例1−1の熱発電素子が得られた。実施例1−1の熱発電素子の奥行き、幅および高さは、それぞれ、20mm、20mmおよび2mmであり、第1層および第2層の平均の厚さは、それぞれ、およそ1mmであった。
また、第1材料におけるシリカの粉末の含有量を変更すること以外は実施例1−1の熱発電素子の場合と同様にして、実施例1−2、実施例1−3、実施例1−4、実施例1−5、比較例1−1および比較例1−2の熱発電素子をそれぞれ作製した。実施例1−2、実施例1−3、実施例1−4、実施例1−5、比較例1−1および比較例1−2の熱発電素子の第1材料におけるシリカの粉末の含有量は、それぞれ、1wt%、2wt%、5wt%、10wt%、0wt%、20wt%とした。
次に、以下に説明する手順に従って、各熱発電素子の出力電力の評価を行った。
図9は、各熱発電素子の積層体の上面と下面との間に温度差を与えるための構成の例を示す概略図である。図9に示したように、熱発電素子10の積層体の下面10b(第1主面24)および上面10a(第2主面26)に、それぞれ、アピエゾングリースを用いて銅製のヒートシンクHS1およびHS2を固定した。各ヒートシンクの表面には、絶縁コーティングとして、厚さ1μmの窒化アルミニウム層が設けられており、各ヒートシンクの内部には、銅製のパイプが配置されている。ヒートシンク内部のパイプに温水または冷水を導入することによって、ヒートシンクを加熱または冷却することができる。更に、第1電極E1および第2電極E2に、インジウム材を用いて銅線L1およびL2をそれぞれ接続した。銅線L1およびL2を介して、熱発電素子10によって発生した電力を測定することができる。
出力電力の測定においては、ヒートシンクHS1およびHS2のうちの一方に10℃の冷水を導入するとともに、他方に90℃の温水を導入して、熱発電素子10の第1主面24と第2主面26との間に温度差を与えた。冷水の流量および温水の流量は、5L/minとなるように調整した。このときの各熱発電素子の出力電力を下記の表1に示す。
Figure 2014156099
表1から、金属(ここではニッケル)およびその金属よりも熱伝導率が低い粒子(ここではシリカ)を含む第1材料から第1層を形成することによって、第1材料が粒子を含まない場合と比較して、熱発電素子の熱発電特性が向上し得ることがわかった。また、表1から、第1材料における粒子の含有量を0.1wt%以上10wt%以下とすることによって、発電により得られる電力が増大することがわかった。
(実施例2)
チューブ形状を有する熱発電素子(以下、熱発電チューブと称する場合がある。)を作製し、出力電力の評価を行った。
実施例1の場合と同様に、まず、第1材料の原料として、ニッケルの粉末および粒子としてのシリカの粉末を用意した。このときの第1材料におけるシリカの粉末の含有量は、0.1wt%であった。次に、ボールミルを用いた乾式混合によってこれらを混合し、ニッケルおよびシリカの混合体(第1材料の原料)を得た。また、第2材料の原料として、Bi0.5Sb1.5Te3の粉末を用意した。
次に、第1材料の原料および第2材料の原料から、図5(a)から(d)に示すような形状の第1圧粉体および第2圧粉体をそれぞれ形成した。このときの第1圧粉体および第2圧粉体の内径(図5中のdin)、外径(図5中のdout)、高さおよび角度θの大きさは、それぞれ、10mm、14mm、6.4mm、30°であった。ここでは、8個の第1圧粉体と7個の第2圧粉体とを作製した。
次に、第1圧粉体と第2圧粉体とを交互に積層して積層圧粉体を形成し、放電プラズマ焼結法によって積層圧粉体を焼結した。焼結時の温度および圧力は、それぞれ、およそ500℃および100MPaに設定した。なお、焼結時の雰囲気は5×10-3Paの真空であった。これにより、概略的に管形状を有する焼結体を得た。
上記の焼結体の作製を4回繰り返して4つの焼結体を得た後、ハンダを用いて、軸方向に延長するようにこれらを接合した。その後、管形状の両端を切断および平坦化した。このとき、第1材料からなる第1層が熱発電チューブの両端に配置されるように構成した。これにより、実施例2−1の熱発電チューブが得られた。
実施例2−1の熱発電チューブは、図3Bに示した熱発電チューブTと同様に、軸方向に貫通孔(内部流路)を有し、第1層および第2層が、傾斜した状態で交互に積層されている。第1層および第2層の平均の厚さは、それぞれ、およそ1.3mmであり、積層面の傾斜角度は30°であった。実施例2−1の熱発電チューブの軸方向の長さ、外径および内径は、それぞれ、およそ110mm、14mmおよび10mmであった。
また、第1材料におけるシリカの粉末の含有量を変更すること以外は実施例2−1の熱発電チューブの場合と同様にして、実施例2−2、実施例2−3、実施例2−4、実施例2−5、比較例2−1および比較例2−2の熱発電チューブをそれぞれ作製した。実施例2−2、実施例2−3、実施例2−4、実施例2−5、比較例2−1および比較例2−2の熱発電チューブの第1材料におけるシリカの粉末の含有量は、それぞれ、1wt%、2wt%、5wt%、10wt%、0wt%、20wt%とした。
次に、以下に説明する手順に従って、各熱発電チューブの出力電力の評価を行った。
図10は、各熱発電チューブの外周面と内周面との間に温度差を与えるための構成の例を示す概略図である。図10に示したように、熱発電チューブTの両端には、貫通孔を有するシリコーンチューブST1およびST2が接続されている。このとき、熱発電チューブTの内部流路と、シリコーンチューブST1およびST2の貫通孔とは連通している。また、熱発電チューブTの一端(端部に位置する第1層)に、インジウム材spを用いて銅線L1を接続した。同様に熱発電チューブTの他端(端部に位置する第1層)に、インジウム材spを用いて銅線L2を接続した。銅線L1およびL2を介して、熱発電チューブTによって発生した電力を測定することができる。
出力電力の測定においては、図10に示すように、低温媒体LMとしての冷水で満たされた水槽AQに熱発電チューブTを沈めた。水槽AQは、図10中に黒い矢印により模式的に示したように、冷水が循環可能なように構成されている。水槽AQ中に導入される冷水の流量は、5L/minとした。これにより、水槽AQ中の冷水の温度が10℃に保持されている。水槽AQに熱発電チューブTを沈めた状態において、図10中に白い矢印により模式的に示したように、シリコーンチューブST1を介して熱発電チューブTの内部流路に高温媒体HMとしての温水を循環させた。温水の温度および流量は、それぞれ、90℃および5L/minに設定した。このときの各熱発電チューブの出力電力を下記の表2に示す。
Figure 2014156099
表2から、金属(ここではニッケル)およびその金属よりも熱伝導率が低い粒子(ここではシリカ)を含む第1材料から第1層を形成することによって、第1材料が粒子を含まない場合と比較して、熱発電素子の熱発電特性が向上し得ることがわかった。また、表2から、第1材料における粒子の含有量を0.1wt%以上10wt%以下とすることによって、第1材料が粒子を含まない場合と比較して、得られる出力電力が最大で約3倍に増大することがわかった。
(実施例3)
チューブ形状を有する熱発電素子を作製し、出力電力の評価を行った。本実施例は、第1圧粉体および第2圧粉体を形成せずに、第1材料からなる第1層および第2材料からなる第2層が交互に積層された焼結体を得る点で、実施例2と異なる。
まず、実施例2の場合と同様にして、ニッケルおよびシリカの混合体(第1材料の原料)を用意した。このときの第1材料におけるシリカの粉末の含有量は、0.1wt%であった。
次に、鋳造法により、図5(a)から(d)に示すような形状を有する、Bi0.5Sb1.5Te3の緻密体(以下、カップ状部材と称する場合がある。)を形成した。その後、図8に示したような中棒71、ダイ72および治具73Lを組み立て、中棒71とダイ72との間の空間に、所定量の第1材料の原料を充填した。充填された第1材料の原料の上にカップ状部材を重ねた後、再び所定量の第1材料の原料を充填した。この作業を所定の回数だけ繰り返し、最後に治具73Uを重ねた。
ここで、放電プラズマ焼結法を適用して、圧力を加えながら、第1材料の原料とカップ状部材とが交互に積層された積層体を加熱した。なお、焼結時の温度、圧力および雰囲気は、実施例2と同様に設定した。これにより、概略的に管形状を有する焼結体が得られた。この焼結体から、実施例2−1の熱発電チューブとほぼ同様の形状を有する、実施例3−1の熱発電チューブを作製した。
また、第1材料におけるシリカの粉末の含有量を変更すること以外は実施例3−1の熱発電チューブの場合と同様にして、実施例3−2、実施例3−3、実施例3−4、実施例3−5、比較例3−1および比較例3−2の熱発電チューブをそれぞれ作製した。実施例3−2、実施例3−3、実施例3−4、実施例3−5、比較例3−1および比較例3−2の熱発電チューブの第1材料におけるシリカの粉末の含有量は、それぞれ、1wt%、2wt%、5wt%、10wt%、0wt%、20wt%とした。
次に、実施例2の場合と同様の手順に従って、各熱発電チューブの出力電力の評価を行った。このときの各熱発電チューブの出力電力を下記の表3に示す。
Figure 2014156099
表3から、金属(ここではニッケル)およびその金属よりも熱伝導率が低い粒子(ここではシリカ)を含む第1材料から第1層を形成することによって、第1材料が粒子を含まない場合と比較して、熱発電素子の熱発電特性が向上し得ることがわかった。また、表3から、第1材料における粒子の含有量を0.1wt%以上10wt%以下とすることによって、第1材料が粒子を含まない場合と比較して、得られる出力電力が最大で約3倍に増大することがわかった。
(実施例4)
チューブ形状を有する熱発電素子を作製し、出力電力の評価を行った。本実施例は、金属よりも熱伝導率が低い粒子(ここではシリカ)の粒径を変化させる点で、実施例2と異なる。
まず、実施例2−4の熱発電チューブと同様の材料および製法を適用して、実施例4−1の熱発電チューブを作製した。すなわち、第1材料におけるシリカの粉末の含有量および粒径は、それぞれ、5wt%および7nmであった。
次に、第1材料におけるシリカの粉末の粒径を変更すること以外は実施例4−1の熱発電チューブの場合と同様にして、実施例4−2、実施例4−3および実施例4−4の熱発電チューブをそれぞれ作製した。実施例4−2、実施例4−3および実施例4−4の熱発電チューブの第1材料におけるシリカの粉末の粒径は、それぞれ、100nm、1μm、10μmとした。また、比較例4−1として、第1材料中にシリカの粉末を含まない熱発電チューブ(比較例2−1の熱発電チューブと同様の構成を有する熱発電チューブ)を作製した。
次に、実施例2の場合と同様の手順に従って、各熱発電チューブの出力電力の評価を行った。このときの各熱発電チューブの出力電力を下記の表4に示す。
Figure 2014156099
表4から、金属(ここではニッケル)およびその金属よりも熱伝導率が低い粒子(ここではシリカ)を含む第1材料から第1層を形成することによって、第1材料が粒子を含まない場合と比較して、熱発電素子の熱発電特性が向上し得ることがわかった。また、表4から、第1材料における粒子の粒径が、7nm、100nm、1μmまたは10μmのいずれの場合であっても、得られる電力が増大することがわかった。
以上のことから、本実施形態の熱発電素子によれば、第1材料に用いられる金属よりも熱伝導率が低い粒子をその金属に分散させておくことにより、粒子が金属に分散されない場合と比較して、熱発電素子の熱発電特性を向上できることがわかった。
<粒子の分散と熱発電特性との間の関係>
ここで、粒子の分散と実施形態による熱発電素子の熱発電特性との間の関係を説明する。
図11は、第1材料における粒子の含有量と第1材料の熱伝導率との間の関係を示すグラフである。図11は、ニッケルにシリカの粒子を分散させた場合における熱伝導率の測定結果の一例を示している。なお、図11は、第1材料におけるシリカの粉末の含有量が、0wt%、0.1wt%、1wt%、2wt%、5wt%とされたときの測定結果を示している。図11に示したように、焼結時の圧力が50MPaおよび100MPaのいずれの場合であっても、粒子の含有量の増加に伴い、熱伝導率κは低下する。このように、第1材料において金属に粒子を分散させることによって、第1材料の熱伝導率を低下させることができる。第1材料の熱伝導率を低下させることにより、第1主面24および第2主面26のうち、低温熱源側に接触する側の主面の温度上昇が抑制され、より大きな起電力が得られる。
その一方で、第1材料において金属に粒子が分散されることによって、第1材料の電気抵抗率ρは上昇する。図2を参照して説明したように、熱発電素子10では、大局的に見た場合、温度勾配の方向(Y軸方向)と電流の方向(Z軸方向)とは直交する。別の言い方をすれば、熱発電素子10の第1主面24と第2主面26との間に温度差が与えられた状態で熱発電素子10に負荷が接続されると、電流は、積層方向に沿った方向に流れる。すなわち、電流は、第1材料から形成された複数の第1層を通過する。そのため、第1材料の電気抵抗率が大きくなると、熱発電素子全体としての内部抵抗が増大し、熱発電素子の出力電力が低下してしまうと考えられる。
ところが、第1層および第2層が傾斜した状態で交互に積層されるような構成を有する熱発電素子では、意外なことに、第1材料の金属に粒子を分散させることによって、出力電力は増大し得る(前述の実施例参照)。
ここで、図12を参照する。図12は、ニッケル(粒径:3μm以上5μm以下)にシリカの粒子(粒径:7nm)を分散させた材料における、シリカの粒子の含有量と、熱伝導率κおよび電気抵抗率ρの積κρとの間の関係を示すグラフである。図12は、シリカの粉末の含有量が、0wt%、0.1wt%、1wt%、2wt%、5wt%とされたときの測定結果を示している。なお、図12は、ニッケルにシリカの粒子を分散させた材料の焼結時の温度が500℃の場合の測定結果を示している。図12中、白い四角形によるプロットは、焼結時の圧力が50MPaの場合の測定結果に対応し、黒い四角形によるプロットは、焼結時の圧力が100MPaの場合の測定結果に対応する。なお、図12の網掛けは、ニッケルのみを圧力50MPa、温度500℃の条件下で焼結して得た材料における積κρに関して±25%の範囲を模式的に表している。
図12に示すように、焼結時の圧力が50MPaおよび100MPaのいずれの場合も、積κρは、第1材料が粒子を含まない場合を基準としたときの±25%の範囲内にある。図12から、電気抵抗率が増大する場合であっても、積κρの変化がほぼ一定の範囲内にあれば、出力電力が増大し得るといえる。このとき、積κρの変化を、第1材料が粒子を含まない場合を基準としたときの±25%の範囲内とすることにより、第1材料が粒子を含まない場合と比較して、出力電力を約3倍程度に増大し得る。
これに対して、第2材料が粒子を含む場合、第1材料が粒子を含む場合とは異なり、熱発電素子の出力電力が低下する。具体的には、第1材料の原料がニッケル、第2材料の原料がBi0.5Sb1.5Te3の場合、シリカの粒子の含有量が増加するに従い、Bi0.5Sb1.5Te3の層の熱伝導率は減少し、電気抵抗率は増大する。しかし、熱発電素子全体の熱伝導率および電気抵抗率に着目すると、主として電気抵抗率の増加傾向が確認される。その結果、熱発電素子の出力電力は減少する。
上記現象は、第1材料および第2材料の物性値の差に起因する。第1材料は、第2材料と比較して熱伝導率が高い。そのため、第1材料の熱伝導率が、熱発電素子全体の熱伝導率に支配的な影響を与える。また、一般的に、熱伝導率が高い物質は、電気抵抗率が低い傾向にある。そのため、第1材料よりも熱伝導率が低い第2材料の電気抵抗率が、熱発電素子全体の電気抵抗率に支配的な影響を与える。その結果、第2材料が粒子を含む場合は、第1材料が粒子を含む場合とは異なり、熱発電素子の出力電力が低下する。
このように、本開示の実施形態によれば、第1主面と第2主面との間の温度差を有効に利用でき、熱的なロスの発生を抑制することができる。これにより、出力電力を増大させることができ、熱発電技術を利用した実用的な熱発電素子を提供できる。
<熱発電ユニットの実施形態>
前述の熱発電素子10は、単独で使用されても良いし、複数で使用されても良い。複数の熱発電素子10を電気的に接続することで、より大きな電力を取り出すことが可能である。
図13は、本開示の実施形態による例示的な熱発電ユニット100の概略構成を示す斜視図である。図13に示される熱発電ユニット100は、複数の熱発電チューブと、これらの熱発電チューブを内部に収容する容器30と、熱発電チューブを電気的に接続する複数の導電性部材Jとを備えている。図13の例では、容器30の内側に10本の熱発電チューブT1〜T10が収められている。10本の熱発電チューブT1〜T10は、典型的には、互いに略平行に配置されるが、配置の態様はこれに限定されない。熱発電チューブT1〜T10の各々には、前述のチューブ形状を有する熱発電素子(熱発電チューブ)Tが用いられる。
熱発電チューブT1〜T10の各々は、外周面および内周面と、内周面によって区画される内部流路とを有する。熱発電チューブT1〜T10の各々は、内周面と外周面との間の温度差によってそれぞれの軸方向に起電力を発生するように構成されている。すなわち、熱発電チューブT1〜T10の各々において、外周面と内周面との間に温度差を与えることにより、熱発電チューブT1〜T10から電力が取り出される。例えば、熱発電チューブT1〜T10の各々における内部流路に高温媒体を接触させ、かつ、熱発電チューブT1〜T10の各々の外周面に低温媒体を接触させることにより、熱発電チューブT1〜T10から電力を取り出すことができる。また、逆に、熱発電チューブT1〜T10の各々における内周面に低温媒体を接触させ、かつ、外周面に高温媒体を接触させても良い。図13に示す例では、容器30の内部において熱発電チューブT1〜T10の外周面に接する媒体と、各熱発電チューブT1〜T10の内部流路において各熱発電チューブT1〜T10の内周面に接する媒体とは、それぞれ別々の配管(不図示)を介して供給され、混ざり合わないように分離されている。
図14は、熱発電チューブTの外周面と内周面との間に温度差を与えるための構成の例を示すブロック図である。図14に破線で示す矢印Hは、高温媒体の流れを模式的に示し、実線で示す矢印Lは、低温媒体の流れを模式的に示している。図14に示した例では、高温媒体および低温媒体が、ポンプP1およびP2によってそれぞれ循環する。例えば、熱発電チューブT1〜T10の各々の内部流路に高温媒体が供給され、容器30の内部に低温媒体が供給される。図14では記載が省略されているが、高温媒体には不図示の高温熱源(例えば熱交換器)から熱が供給され、低温媒体からは不図示の低温熱源に熱が供給される。高温熱源としては、従来、未利用のまま周囲環境に捨てられていた比較的低温(例えば200℃以下)の蒸気、温水、排気ガスなどを使用することができる。もちろん、より高温の熱源を用いても良い。
図14に示す例では、高温媒体および低温媒体が、それぞれ、ポンプP1およびP2によって循環しているが、本開示の熱発電システムは、そのような例に限定されない。高温媒体および低温媒体の一方または両方が、循環系を構成することなく、各々の熱源から周囲環境に捨てられても良い。例えば、地中から湧き出した高温の温泉水が高温媒体として熱発電ユニット100に与えられ、その後、温度が低下した温泉水として発電以外の用途に利用されたり、そのまま捨てられたりしても良い。低温媒体についても、地下水、川の水、海水が汲み上げられて熱発電ユニット100に与えられても良い。これらは、低温媒体として利用された後、必要に応じて適当な温度に低下され、元の水源に返されたり、周囲環境に捨てられたりしても良い。
再び図13を参照する。熱発電ユニット100では、導電性部材Jを介して複数の熱発電チューブTが電気的に接続される。図13の例では、隣接して配置されている2本の熱発電チューブTが個々の導電性部材Jによって接続されている。全体として、複数の熱発電チューブTは電気的に直列に接続されている。例えば、図13において最も手前に見える2本の熱発電チューブT3および熱発電チューブT4の右端部は、導電性部材J3によって相互に接続されている。一方、これら2本の熱発電チューブT3、T4の左端部は、それぞれ、導電性部材J2、J4によって他の熱発電チューブT2、T5に接続されている。
図15は、熱発電チューブT1〜T10の電気的接続の例を模式的に示している。図15に示すように、導電性部材J1〜J9の各々は、2本の熱発電チューブを電気的に接続している。導電性部材J1〜J9は、全体として熱発電チューブT1〜T10を電気的に直列に接続するように配列されている。この例では、熱発電チューブT1〜T10および導電性部材J1〜J9から形成される回路は、一筆書き(traversable)である。この回路は、一部に並列的に接続された熱発電チューブを含んでいて良く、回路が一筆書きであることは必須ではない。
図15の例では、例えば熱発電チューブT1から熱発電チューブT10に電流が流れる。電流は、熱発電チューブT10から熱発電チューブT1に流れても良い。この電流の向きは、熱発電チューブTに使用する熱電材料の種類、熱発電チューブTの内周面と外周面との間で生じる熱流の向き、熱発電チューブTにおける積層面の傾斜の方向などに依存して決まる。熱発電チューブT1〜T10の接続は、熱発電チューブT1〜T10の各々で生じた起電力が相殺されず、重畳されるように決定される。
なお、熱発電チューブT1〜T10を流れる電流の向きと、熱発電チューブT1〜T10の内部流路を流れる媒体(高温媒体または低温媒体)の流れ方向とは、相互に無関係である。例えば、図15の例では、熱発電チューブT1〜T10の内部流路を流れる媒体の流れ方向は、全てに共通して例えば図中の左側から右側であっても良い。
<熱発電ユニットの一態様>
次に、図16Aおよび図16Bを参照する。図16Aは、熱発電ユニットの一態様を示す正面図であり、図16Bは、熱発電ユニット100の側面のうちの一つを示す図(ここでは右側面図)である。図16Aに示されるように、この態様における熱発電ユニット100は、複数の熱発電チューブTと、複数の熱発電チューブTを内部に収容する容器30とを備えている。
図14を参照しながら説明したように、熱発電ユニット100には、高温媒体および低温媒体が供給される。例えば、複数の開口部Aを介して、熱発電チューブT1〜T10の各々の内部流路に高温媒体が供給される。一方、容器30の内部には、後述する流体入口38aを介して低温媒体が供給される。これにより、熱発電チューブTの外周面と内周面との間に温度差が与えられる。このとき、熱発電ユニット100において、高温媒体と低温媒体との間の熱交換が行われるとともに、熱発電チューブT1〜T10の各々において、それぞれの軸方向に起電力が発生する。
本実施形態における容器30は、熱発電チューブTを取り囲む筒状の胴部(シェル)32と、胴部32の開放された両端を塞ぐように設けられた一対のプレート34、36とを有している。より詳細には、プレート34は胴部32の左端に固定され、プレート36は胴部32の右端に固定されている。プレート34および36には、各々に各熱発電チューブTが挿入される複数の開口部Aが設けられており、プレート34、36の対応する一対の開口部Aには、それぞれ、熱発電チューブTの両端部が挿入されている。
図16Aに示されている例において、プレート34は、胴部32に固定された第1プレート部分34aと、第1プレート部分34aに対して脱着可能に取り付けられた第2プレート部分34bとを有している。同様に、プレート36は、胴部32に固定された第1プレート部分36aと、第1プレート部分36aに対して脱着可能に取り付けられた第2プレート部分36bを有している。プレート34および36に設けられた開口部Aは、それぞれ、第1プレート部分34a、36aおよび第2プレート部分34b、36bを貫通し、各熱発電チューブTの流路を容器30の外部に開放している。
図16Bに示されるように、プレート36には10個の開口部Aが設けられている。同様に、プレート34にも10個の開口部Aが設けられている。図16Aおよび図16Bに示される例において、プレート34の開口部Aとプレート36の開口部Aとは鏡面対称の配置関係にあり、対応する一対の開口部Aの中心点を結ぶ10本の直線は互いに平行である。このような構成によれば、対応する一対の開口部Aによって各熱発電チューブTが平行に支持され得る。容器30内において、複数の熱発電チューブTは平行の関係にある必要はなく、「非平行」または「ねじれ」の関係にあっても良い。
プレート36は、図16Bに示されるように、プレート36に設けられた開口部Aのうちの少なくとも2つを相互に連結するように形成されたチャネル(以下、「連結溝」と称する場合がある。)Cを有する。図16Bに示す例では、チャネルC61は、開口部A61と開口部A62とを相互に連結している。他のチャネルC62〜C65についても同様に、プレート36に設けられた開口部Aのうちの2つを相互に連結している。チャネルC61〜C65の各々には、導電性部材が収容される。
チャネルCの各々は、例えば、第1プレート部分に設けられた凹部および第2プレート部分に設けられた凹部から形成される。第1プレート部分および第2プレート部分のいずれか一方に設けられた凹部からチャネルCが形成されても良い。容器30が金属から構成される場合、導電性部材(後述する連結プレート、端子プレート)と容器30とが導通しないように、チャネルC内部に絶縁性コーティングが施されていても良い。例えば、プレート34(34aおよび34b)が、金属から形成された本体と、本体の表面の少なくとも一部を覆う絶縁性コートとを有していても良い。プレート36(36aおよび36b)も同様に、金属から形成された本体と、本体の表面の少なくとも一部を覆う絶縁性コートとを有していても良い。
導電性部材は、典型的には、金属から形成される。導電性部材を構成する材料の例は、銅(無酸素銅)、真鍮、アルミニウムなどである。腐食防止の観点から、ニッケルめっきまたは錫めっきが施されても良い。導電性部材は、金属から形成された本体と、本体の表面の少なくとも一部を覆う絶縁性コートとを有していても良い。例えば、テフロン(登録商標)などの樹脂から絶縁性コートが形成されても良い。導電性部材Jの本体がアルミニウムから構成される場合には、表面の一部に絶縁性コートとしての絶縁酸化被膜を形成しても良い。
図17は、図16BのM−M断面の一部を示す。なお、図17では、容器30の下半分における断面は示されておらず、その正面が示されている。図17に示されるように、容器30は、その内部に流体を流すための流体入口38aおよび流体出口38bを有している。熱発電ユニット100では、流体入口38aおよび流体出口38bが、容器30の上部に配置されている。流体入口38aの配置は、容器30の上部に限定されず、流体入口38aが、例えば容器30の下部に配置されても良い。流体出口38bも同様である。流体入口38aおよび流体出口38bは、それぞれ、流体の入口および出口として固定して使用される必要はなく、流体の入口および出口が定期的または不定期的に反転して用いられても良い。流体の流れ方向が固定されている必要はない。また、流体入口38aおよび流体出口38bの各々の個数は1個に限定されず、流体入口38aおよび流体出口38bの一方または両方が複数であっても良い。
図18は、熱発電ユニット100に導入された高温媒体および低温媒体の流れ方向の例を模式的に示す図である。図18の例では、熱発電チューブT1〜T10の各々の内部流路に高温媒体HMが供給されており、容器30の内部に低温媒体LMが供給されている。この場合、プレート34に設けられた開口部Aを介して、各熱発電チューブの内部流路に高温媒体HMが導入される。各熱発電チューブの内部流路に導入された高温媒体HMは、各熱発電チューブの内周面と接触する。一方、流体入口38aから容器30の内部に低温媒体LMが導入される。容器30の内部に導入された低温媒体LMは、各熱発電チューブの外周面と接触する。
図18に示した例では、高温媒体HMは、各熱発電チューブの内部流路を流れる間に、低温媒体LMと熱の交換を行う。低温媒体LMと熱の交換を行い、温度の低下した高温媒体HMは、プレート36に設けられた開口部Aを介して熱発電ユニット100の外部に排出される。一方、低温媒体LMは、容器30の内部を流れる間に、高温媒体HMと熱の交換を行う。高温媒体HMと熱の交換を行い、温度の上昇した低温媒体LMは、流体出口38bから熱発電ユニット100の外部に排出される。なお、図18に示した高温媒体HMの流れ方向および低温媒体LMの流れ方向は、あくまでも例である。高温媒体HMおよび低温媒体LMのいずれか一方またはこれらの両方が、図の右側から左側に向かって流れていても良い。
ある態様では、熱発電チューブTの流路に高温媒体HM(例えば温水)を導入し、かつ、流体入口38aから低温媒体LM(例えば冷却水)を導入して容器30の内部を低温媒体LMで満たすことができる。逆に、熱発電チューブTの流路には低温媒体LM(例えば冷却水)を導入し、かつ、流体入口38aから高温媒体HM(例えば温水)を導入して容器30の内部を高温媒体HMで満たしても良い。こうして、熱発電チューブTの各々における外周面24と内周面26との間に発電に必要な温度差を与えることができる。
<熱流の向きと積層面の傾斜の方向との間の関係>
ここで、図19Aおよび図19Bを参照しながら、熱発電チューブTにおける熱流の向きと、熱発電チューブTにおける積層面の傾斜の方向との間の関係を説明する。
図19Aは、電気的に直列に接続された熱発電チューブTを流れる電流の向きを模式的に示す図である。図19Aでは、熱発電チューブT1〜T10のうちの3本(T1〜T3)の断面を模式的に示している。
図19Aでは、熱発電チューブT1の一端(例えば第1電極側の端部)に、後述する端子プレートとしての導電性部材K1が接続されており、熱発電チューブT1の他端(例えば第2電極側の端部)には、導電性部材(連結プレート)J1が接続されている。導電性部材J1は、熱発電チューブT2の一端(第1電極側の端部)とも接続されており、これにより、熱発電チューブT1と熱発電チューブT2とが電気的に接続される。更に、熱発電チューブT2の他端(第2電極側の端部)と、熱発電チューブT3の一端(第1電極側の端部)とは、導電性部材J2によって電気的に接続されている。
このとき、図19Aに示したように、熱発電チューブT1における積層面の傾斜の方向と、熱発電チューブT2における積層面の傾斜の方向とは、互いに反対である。同様に、熱発電チューブT2における積層面の傾斜の方向と、熱発電チューブT3における積層面の傾斜の方向とは、互いに反対である。すなわち、熱発電ユニット100では、熱発電チューブT1〜T10の各々は、連結プレートを介して自身に接続される熱発電チューブとは、積層面の傾斜の方向が互いに反対である。
ここで、図19Aに示したように、熱発電チューブT1〜T3の各々の内周面に高温媒体HMを接触させ、外周面に低温媒体LMを接触させたとする。すると、熱発電チューブT1では、例えば図の右側から左側に向かって電流が流れる。これに対して、熱発電チューブT2では、熱発電チューブT1とは積層面の傾斜の方向が互いに反対であるので、図の左側から右側に向かって電流が流れる。
次に、図19Bを参照する。図19Bは、図19Aと同様に、電気的に直列に接続された熱発電チューブTを流れる電流の向きを模式的に示している。図19Bにおいても、図19Aに示した例と同様に、積層面の傾斜の方向が交互に反対となるように、熱発電チューブT1〜T3が順に接続されている。この場合も、相互に接続された2本の熱発電チューブにおいて積層面の傾斜の方向が互いに反対であるので、熱発電チューブT1〜T3の各々で生じた起電力は、相殺されることなく重畳される。
ここで、図19Bに示したように、熱発電チューブT1〜T3の各々の内周面に低温媒体LMを接触させ、外周面に高温媒体HMを接触させると、各熱発電チューブT1〜T3で発生する電圧の極性は、図19Aに示した場合とは逆になる。別の言い方をすれば、各熱発電チューブにおける温度勾配の向きを反転させると、各熱発電チューブにおける起電力の極性(各熱発電チューブを流れる電流の向きといっても良い。)が反転する。したがって、例えば、図19Aに示した場合と同様に導電性部材K1側から導電性部材J3側に向かって電流が流れるようにするには、各熱発電チューブT1〜T3における第1電極側および第2電極側が図19Aに示した場合と反対になるようにすれば良い。なお、図19Aおよび図19Bに示した電流の向きはあくまで例示である。第1層20を構成する第1材料および第2層22を構成する第2材料によっては、電流の向きは、図19Aおよび図19Bに示した電流の向きと反対になることもある。
<熱発電ユニット100の外部に電力を取り出すための電気的接続構造>
再び図15を参照する。図15に示す例では、10本の熱発電チューブT1〜T10が導電性部材J1〜J9によって電気的に直列に接続されている。導電性部材J1〜J9の各々による2つの熱発電チューブTの接続については、前述した通りである。以下、直列回路の両端に位置する2本の発電チューブT1、T10から熱発電ユニット100の外部に電力を取り出すための電気的接続構造の例を説明する。
図20を参照する。この図20は、図16Aに示される熱発電ユニット100の側面のうちの他の一つを示す図(左側面図)である。図16Bがプレート36の側の構成を示しているのに対して、図20は、プレート34の側の構成を示している。プレート36について説明した構成とほぼ同様の構成がプレート34にも設けられている。前述したように、プレート34の開口部Aとプレート36の開口部Aとの関係は鏡面対称にある。ただし、プレート34とプレート36とにおいて、2つの開口部Aを連結する溝部が形成されている位置は鏡面対称ではない。プレート36について説明した構成および動作と共通する構成および動作の説明は繰り返さない。
図20に示されるように、チャネルC42〜C45は、プレート34に設けられた開口部Aのうちの少なくとも2つを相互に連結している。本明細書では、このようなチャネルを「相互接続部分」と称する場合がある。各相互接続部分に収容される導電性部材は、導電性部材J1と同様の構成を有する。これに対して、プレート34に設けられたチャネルC41は、プレート34における開口部A41から外縁まで延びるように設けられている。本明細書では、プレートに設けられた開口部から外縁まで延びるように設けられているチャネルを「端子接続部分」と称する場合がある。図20に示したチャネルC41およびC46は、端子接続部分である。端子接続部分には、外部回路に接続するための端子として機能する導電性部材K1が収容される。導電性部材K1の一端は、プレート34の外部に突出する。したがって、導電性部材K1のうち、プレート34の外部に突出した部分は、熱発電ユニットと外部回路とを接続するための端子として機能し得る。本明細書では、一端に熱発電チューブが挿入され、他端が外部に突出する導電性部材を「端子プレート」と称する場合がある。
このように、熱発電ユニット100では、端子接続部分に収容された2個の端子プレートに、熱発電チューブT1および熱発電チューブT10がそれぞれ接続されている。また、複数の熱発電チューブT1〜T10は、2個の端子プレートの間において、チャネルの相互接続部分に収容された連結プレートを介して電気的に直列に接続されている。したがって、一端がプレートの外部に突出する2個の端子プレートを介して、複数の熱発電チューブT1〜T10によって生じた電力を外部に取りだすことができる。
本開示の実施形態による熱発電ユニット自体もまた、直列的または並列的に連結され得る。複数の熱発電ユニットは、電気的に直列にも接続され得るし、電気的に並列にも接続され得る。
<熱発電ユニットに接続される電気回路の構成例>
次に、図21を参照しながら、熱発電ユニットに接続される電気回路の構成例を説明する。
図21の例において、本実施形態の熱発電ユニットを備える熱発電システム200は、熱発電ユニット100から出力される電力を受け取る電気回路250を備えている。すなわち、ある態様では、複数の導電性部材は、複数の熱発電チューブに電気的に接続された電気回路を有し得る。
この電気回路250は、熱発電ユニット100から出力される電力の電圧を上昇させる昇圧回路252と、昇圧回路252から出力される直流電力を交流電力(周波数は例えば50/60Hzまたはその他の周波数)に変換するインバータ(DC−ACインバータ)回路254とを有している。インバータ回路254から出力される交流電力は、負荷400に供給され得る。負荷400は、交流電力を使用して動作する各種の電気機器または電子機器であり得る。負荷400は、それ自体が充電機能を有していても良いし、電気回路250に固定されている必要も無い。負荷400で消費されない交流電力は、商用系統410に連系されて売電され得る。
図21の例における電気回路250は、熱発電ユニット100から得られる直流電力を蓄積するための充放電制御部262および蓄電部264を備えている。蓄電部264は、例えばリチウムイオン二次電池などの化学電池や、電気二重層コンデンサなどのキャパシタであり得る。蓄電部264に蓄えられた電力は、必要に応じて、充放電制御部262によって昇圧回路252に与えられ、インバータ回路254を介して交流電力として使用または売電され得る。
熱発電ユニット100から得られる電力の大きさは、時間に応じて周期的または不定期的に変動する場合がある。例えば、高温媒体の熱源が工場の廃熱である場合、工場の稼働スケジュールに応じて高温媒体の温度が変動する可能性がある。そのような場合、熱発電ユニット100の発電状態が変動するため、熱発電ユニット100から得られる電力の電圧および/または電流の大きさが変動してしまう。そのような発電状態の変動があっても、図21に示される熱発電システム200では、充放電制御回路262を介して蓄電部264に電力を蓄積すれば、発電量の変動による影響は抑制され得る。
発電とともにリアルタイムで電力を消費する場合は、発電状態の変動に応じて昇圧回路252の昇圧比を調整しても良い。また、発電状態の変動を検知または予測して、熱発電ユニット100に供給する高温媒体または低温媒体の流量および温度などを調整し、それによって発電状態を定常状態に保持する制御を行っても良い。
再び図14を参照する。図14に例示されるシステムでは、高温媒体の流量がポンプP1によって調整され得る。同様に、低温媒体の流量はポンプP2によって調整され得る。高温媒体および低温媒体の一方または両方の流量を調整することにより、熱発電チューブの発電量を制御することが可能である。
なお、不図示の高温熱源から高温媒体に供給する熱の量を調整することにより、高温媒体の温度を制御することも可能である。同様に、低温媒体から不図示の低温熱源に放出する熱の量を調整することにより、低温媒体の温度を制御することも可能である。
図14には示されていないが、高温媒体の流路および低温媒体の流路の少なくとも一方に弁および分岐路を設け、それによって発電システムに供給される各媒体の流量を調整しても良い。
本開示による熱発電素子は、例えば、自動車や工場などから排出される排ガスなどの熱を用いた発電機、あるいは、小型の携帯発電機として利用可能である。
10 熱発電素子
10a 上面
10b 下面
10L 積層体
20 第1層
20’ 第1圧粉体
22 第2層
22’ 第2圧粉体
23a 内周面
23b 外周面
23c、23d 積層面
24 第1主面
24’ 積層圧粉体80の外周面
25 第1端面
26 第2主面
27 第2端面
28 積層体
30 容器
32 胴部
34、36 プレート
34a プレート34の第1プレート部分
34b プレート34の第2プレート部分
36a プレート36の第1プレート部分
36b プレート36の第2プレート部分
38a 容器30の流体入口
38b 容器30の流体出口
71 中棒
72 ダイ
73d 下側パンチ
73u 上側パンチ
73L、73U 治具
80 積層圧粉体
100 熱発電ユニット
120 高温熱源
140 低温熱源
200 熱発電システム
250 電気回路
252 昇圧回路
254 インバータ回路
262 充放電制御部
264 蓄電部
400 負荷
410 商用系統
A プレート34、36の開口部
A41、A410 プレート34の開口部
A61、A62 プレート36の開口部
AQ 水槽
C プレート34、36のチャネル
C41〜C46 プレート34のチャネル
C61〜C65 プレート36のチャネル
E1 第1電極
E2 第2電極
HM 高温媒体
HS1、HS2 ヒートシンク
J 導電性部材
J1〜J9 導電性部材
K1 導電性部材
L1、L2 銅線
LM 低温媒体
Rp 原料粉末
sp インジウム材
ST1、ST2 シリコーンチューブ
T 熱発電チューブ
T1〜T10 熱発電チューブ

Claims (15)

  1. 互いに対向して配置された第1電極および第2電極と、
    第1主面および第2主面と、前記第1主面および第2主面の間に位置しており、前記第1電極および第2電極がそれぞれ電気的に接続された第1端面および第2端面とを有する積層体と、
    を備え、
    前記積層体は、金属および前記金属よりも熱伝導率が低い粒子を含む第1材料であって、前記粒子が前記金属に分散している第1材料から形成された第1層と、前記第1材料よりもゼーベック係数が高く熱伝導率が低い第2材料から形成された第2層とが交互に積層された構造を有し、
    前記複数の第1層と前記複数の第2層の積層面は、前記第1電極および第2電極が対向する方向に対して傾斜しており、
    前記第1主面と前記第2主面との間の温度差によって前記第1電極および第2電極間に電位差が発生する、熱発電素子。
  2. 前記第1主面および前記第2主面は平面であり、前記積層体は直方体形状を有する請求項1に記載の熱発電素子。
  3. 前記積層体は管形状を有し、前記第1主面および前記第2主面は、それぞれ、前記管の外周面および内周面である請求項1に記載の熱発電素子。
  4. 前記第1材料は、Biを含まず、かつBiとは異なる金属を含み、
    前記第2材料は、Biを含む請求項1から3のいずれかに記載の熱発電素子。
  5. 前記第1材料における前記粒子の含有量は、0.1wt%以上10wt%以下である請求項1から4のいずれかに記載の熱発電素子。
  6. 前記第1材料における前記粒子の含有量は、1wt%以上5wt%以下である請求項5に記載の熱発電素子。
  7. 前記粒子は、酸化物粒子である請求項1から6のいずれかに記載の熱発電素子。
  8. 前記粒子は、二酸化ケイ素の粒子である請求項1から7のいずれかに記載の熱発電素子。
  9. 前記粒子の粒径は、5nm以上100nm以下である請求項1から8のいずれかに記載の熱発電素子。
  10. 前記金属は、ニッケル、コバルト、銀、金、銅、クロムおよびアルミニウムからなる群から選ばれる1種以上を含む請求項1から9のいずれかに記載の熱発電素子。
  11. 前記第2材料は、Bi0.5Sb1.5Te3である請求項1から10のいずれかに記載の熱発電素子。
  12. 請求項1に規定される熱発電素子を含み、
    前記積層体が管形状を有する、熱発電チューブ。
  13. 請求項12に記載の熱発電チューブを複数備える熱発電ユニットであって、
    前記複数の熱発電チューブの各々は、外周面および内周面と、前記内周面によって区画される流路と、
    を有し、前記内周面と前記外周面との間の温度差によって各熱発電チューブの軸方向に起電力を発生するように構成されており、
    前記熱発電ユニットは、
    前記複数の熱発電チューブを内部に収容する容器であって、前記内部に流体を流すための流体入口および流体出口と、各熱発電チューブが挿入される複数の開口部とを有する容器と、
    前記複数の熱発電チューブを電気的に接続する複数の導電性部材と
    を更に備える熱発電ユニット。
  14. 金属および前記金属よりも熱伝導率が低い粒子を含む第1材料であって、前記粒子が前記金属に分散している第1材料の原料からなり、一対の積層面と、前記一対の積層面との間に位置し、前記一対の積層面に対して非垂直な第1側面および第2側面とを有する複数の第1圧粉体、および、前記第1材料よりもゼーベック係数が高く熱伝導率が低い第2材料の原料からなり、一対の積層面と、前記一対の積層面との間に位置し、前記一対の積層面に対して非垂直な第1側面および第2側面とを有する複数の第2圧粉体を用意する工程(A)と、
    前記複数の第1圧粉体および前記複数の第2圧粉体を、前記積層面が互いに接触するように交互に積層することにより、積層圧粉体を形成する工程(B)と、
    前記積層圧粉体を焼結する工程(C)と
    を包含する、熱発電素子の製造方法。
  15. 前記工程(A)は、前記金属の粒子と前記粒子とを混合する工程を更に包含する、請求項14に記載の熱発電素子の製造方法。
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