JPWO2014119562A1 - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、サンドブラスト用マスク材、及び被処理体の表面加工方法 - Google Patents

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秀一 板垣
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Abstract

本発明は、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマと、(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)メルカプト基を有するシラン化合物と、を含有し、(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物がウレタン(メタ)アクリレート化合物を含む感光性樹脂組成物を提供する。

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、並びに該感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、サンドブラスト用マスク材、及び被処理体の表面加工方法に関する。
従来、ガラス、セラミックス等の被処理体の所定箇所を選択的に切削する方法として、被処理体上にマスク材として感光性樹脂組成物からなる感光層を設け、これをパターニングすることでレジストパターン(マスク部)を形成した後、ドライエッチング工法又はウェットエッチング工法を用いて、被処理体を選択的に切削する方法が知られている。
ウェットエッチング工法用のマスク材として用いられる感光性樹脂組成物としては、例えば、特定のシラン化合物を含むフッ酸エッチング用感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
ドライエッチング工法としては、例えば、研磨剤を吹き付けて非マスク部を選択的に切削する(すなわちサンドブラスト処理する)方法が知られている。
このサンドブラスト処理用マスク材として用いられる感光性樹脂組成物は、例えば、支持体上に感光性樹脂組成物からなる感光層を設けた感光性エレメントとして用いられている。感光性樹脂組成物としては、アルカリ可溶性樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート及び光重合開始剤を含む組成等が用いられてきた。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基含有セルロース、カルボキシル基含有アクリル樹脂等が使用される(例えば、特許文献2及び3参照)。
このような従来の感光性樹脂組成物については、感光性エレメントを製造した場合に、感光性樹脂組成物のべたつきにより、支持体から感光層を剥離することが困難であるという問題があった。
この問題を解決するために、例えば特許文献4には、ポリビニルアルコール等に、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を添加した水溶性樹脂層(剥離層)を設ける方法が開示され、特許文献5には、支持体と感光性樹脂層の間に、アルカリ可溶性セルロース誘導体等を含む剥離層を設ける方法が開示されている。
特許第4969154号公報 特許第3449572号公報 特許第3846958号公報 特開平6−161098号公報 特開2012−27357号公報
しかし、特許文献2〜5等に記載の従来の感光性樹脂組成物は、ガラス基板等の基材との密着性が充分ではなく、そのような基材上でのパターン形成が困難であるという問題がある。そこで密着性を上げるために密着助剤等を用いると、今度はアルカリ現像性が低下して、やはりパターン形成が困難になるという問題がある。
そこで本発明は、剥離層を設けなくとも支持体を感光層から容易に剥離することが可能であり、ガラス基板等の基材上で良好なパターンを形成することができ、かつ形成されるレジストパターンが良好なブラスト耐性を有する、サンドブラストに適した感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。さらに本発明は、該感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、サンドブラスト用マスク材、及び被処理体の表面加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマと、(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)メルカプト基を有するシラン化合物と、を含有し、(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物がウレタン(メタ)アクリレート化合物を含む感光性樹脂組成物を提供する。
かかる感光性樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、支持体を感光層から容易に剥離することが可能であり、ガラス基板、シリコンウエハ、セラミック基板等の基材上で良好なパターンを形成することができ、かつ良好なブラスト耐性を有するレジストパターンを形成することできる。そのため、上記感光性樹脂組成物は、サンドブラスト用マスク材として好適に用いることができる。
また、(D)メルカプト基を有するシラン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014119562
[式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aはアルキル基を示し、Bはアルコキシ基、クロル基、アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基又はアルケニルオキシ基を示し、nは0〜2の整数を示す。]
感光性樹脂組成物がこのような化合物を含有することにより、ガラス基板、シリコンウエハ、セラミック基板等の基材との密着性が向上し、より良好なパターンを形成することができる。また、一般的に市販されているシラン化合物のうち、ビニル基、アリル基、スチリル基、アミノ基、ウレイド基、スルフィド基又はイソシアネート基を有するものを用いると、基材との密着性の向上が見られない。また、ビニル基を有するシラン化合物は沸点がシラン化合物の中で低いため、これを用いると、感光層を形成するために乾燥するときに揮発しやすく、品質のばらつきが大きくなりやすい。アミノ基を有するシラン化合物を用いると、感光性樹脂組成物を溶剤に溶解した溶液の粘性が増しやすく、支持体又は基材上に感光層を形成しにくい。一方、エポキシ基又は(メタ)アクリロイル基を有するものを用いると、基材との密着性の向上は見られるが、これらを含有する感光性樹脂組成物の硬化物の弾性率が高くなってしまうので、サンドブラスト処理用マスク材として用いた場合にブラスト耐性が低下してしまう。これに対して、メルカプト基を有するシラン化合物を用いた場合、感光性樹脂組成物の基材との密着性を向上させることができ、また硬化物の弾性率が高くならないため、感光性樹脂組成物から形成されるレジストパターンが良好なブラスト耐性を有する。
また(D)メルカプト基を有するシラン化合物の含有率が、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として0.01〜10質量%であることが好ましい。
(D)メルカプト基を有するシラン化合物の含有率が0.01質量%以上であると、基材との密着性がより向上し、より良好なパターンを形成できる傾向がある。一方、含有率が10質量%以下であると、アルカリ現像時にレジスト残渣が発生しにくい傾向がある。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量は2000〜45000であることが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量が2000以上であると、感光性樹脂組成物のべたつきがより低減される傾向があり、45000以下であると、アルカリ現像性がより向上し、レジスト残渣が発生しにくく、解像度がより向上する傾向がある。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、エチレン性不飽和基を2つ有することが好ましい。これにより、硬化後の被膜の弾性率が低くなり、レジストパターンのブラスト耐性がより向上する。
本発明はまた、支持体と、該支持体上に形成された上記感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性エレメントを提供する。かかる感光性エレメントによれば、上記感光性樹脂組成物からなる感光層を備えるので、感光層のべたつきが小さく、支持体を感光層から容易に剥離することができる。さらに、上記感光性エレメントによれば、均一な厚みの感光層を得ることができる。
本発明はまた、被処理体上に、上記感光性樹脂組成物からなる感光層を形成する感光層形成工程と、上記感光層に活性光線を照射して所定箇所に光硬化部を形成する露光工程と、上記光硬化部以外の部分を現像により除去してレジストパターンを形成する現像工程と、研磨剤を吹き付けてレジストパターンが形成されていない部分の被処理体を切削するサンドブラスト処理工程と、を含む、被処理体の表面加工方法を提供する。
上記感光性樹脂組成物は、ガラス基板等の基材上で良好なパターンを形成することができ、かつ形成されるレジストパターンが良好なブラスト耐性を有するので、サンドブラスト用マスク材として好適に応用することができる。また、上記感光性樹脂組成物は、サンドブラスト用マスク材の製造のために好適に応用することができる。
本発明によれば、支持体を感光層から容易に剥離することが可能であり、ガラス基板、シリコンウエハ、セラミック基板等の基材上で良好なパターンを形成することができ、かつ形成されるレジストパターンが良好なブラスト耐性を有する、サンドブラストに適した感光性樹脂組成物を提供することができる。さらに、本発明によれば、該感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、サンドブラスト用マスク材、及び被処理体の表面加工方法を提供することができる。
感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。 (a)、(b)及び(c)はサンドブラスト処理工程及び剥離工程の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 被処理体の表面加工方法の好適な一実施形態を示す模式斜視図である。 被処理体の表面加工方法の好適な一実施形態を示す模式斜視図である。 被処理体の表面加工方法の好適な一実施形態を示す模式斜視図である。 被処理体の表面加工方法の好適な一実施形態を示す模式斜視図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示すものとする。また本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル酸」等の他の類似の表現においても同様である。
(感光性樹脂組成物)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマ(以下、場合により「(A)成分」という。)と、(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(以下、場合により「(B)成分」という。)と、(C)光重合開始剤(以下、場合により「(C)成分」という。)と、(D)メルカプト基を有するシラン化合物(以下、場合により「(D)成分」という。)と、を含有する。
以下、本実施形態に係る感光性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
<(A)成分:カルボキシル基を有するバインダーポリマ>
(A)成分としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂又はセルロース誘導体であってカルボキシル基を有するものが挙げられる。(A)成分は、アルカリ現像性に優れる点で、カルボキシル基を有するアクリル樹脂又はカルボキシル基を有するセルロース誘導体を含むことが好ましい。これらは単独で、又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
カルボキシル基を有するセルロース誘導体としては、例えば、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等が挙げられる。
カルボキシル基を有するアクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルをモノマー単位として含むアクリル樹脂等が挙げられる。このようなアクリル樹脂においては、モノマー単位として(メタ)アクリル酸を用いることにより、カルボキシル基を導入することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で、又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
カルボキシル基を有するアクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルに加えてさらにその他のエチレン性不飽和基を有する単量体(重合性単量体)をモノマー成分として用いた共重合体であってもよい。その他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸系単量体;N−ビニルカプロラクタム;N−ビニルピロリドン;スチレン;ビニルトルエン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−クロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体などが挙げられる。これらは単独で、又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
(A)成分がカルボキシル基を有するアクリル樹脂である場合、アルカリ現像性を良好にする観点から、(A)成分の酸価は、50〜250mgKOH/gであることが好ましく、70〜230mgKOH/gであることがより好ましく、100〜200mgKOH/gであることがさらに好ましい。
ここで、酸価は、次のようにして測定することができる。まず、酸価を測定すべき樹脂を含む溶液1gを精秤した後、この樹脂溶液にアセトンを30g添加し、これを溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、下記式(α)により酸価を算出する。
A=10×Vf×56.1/(Wp×I) …(α)
式(α)中、Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfは0.1NのKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)を示し、Iは測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、感光性樹脂組成物のべたつき低減及び、アルカリ現像性を良好にする観点から、20000〜150000であることが好ましく、30000〜120000であることがより好ましく、40000〜100000であることがさらに好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、標準ポリスチレンによる換算を行うことにより測定できる。
上記感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、20〜60質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。(A)成分が20質量%以上であると、感光性樹脂組成物のべたつきがより低減される傾向があり、60質量%以下であると、感光性樹脂組成物から形成されるレジストパターンのブラスト耐性がより向上する傾向がある。
<(B)成分:エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物>
本実施形態の(B)成分は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含む。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ジオール化合物とジイソシアネート化合物とが反応した末端イソシアネート基を有する化合物と、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物との反応生成物を用いることができる。
上記ジオール化合物としては、例えば、末端にヒドロキシル基を有するポリエステル類、ポリエーテル類、ポリカーボネート類等が挙げられる。ポリエステル類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレングリコールと、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸との縮合反応で得られたポリエステル類、ラクトン類が開環重合したポリエステル類などが挙げられる。
上記ラクトン類としては、例えば、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、β,β−ジメチル−β−プロピオラクトン等が挙げられる。
また、上記ポリカーボネート類としては、例えば、ビスフェノールA、ヒドロキノン、ジヒドロキシシクロヘキサノン等のジオールと、ジフェニルカーボネート、ホスゲン、無水コハク酸等のカルボニル化合物との反応生成物などが挙げられる。また、上記ポリエーテル類としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール等が挙げられる。
上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,5−ジメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ナノメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式のジイソシアネート化合物などが挙げられる。これらは単独で、又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独で、又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ジオール化合物とジイソシアネート化合物とが反応した末端イソシアネート基を有する化合物と、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物との反応生成物に、さらに(メタ)アクリル酸アルキルを反応させたものであってもよい。(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量は、2000〜45000であることが好ましく、5000〜43000であることがより好ましく、10000〜40000であることがさらに好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の硬化後のガラス転移点は50℃以下であることが好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、エチレン性不飽和基を2つ有することが好ましい。エチレン性不飽和基は、例えば上記ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物由来のものとすることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、「KAYARAD UX−3204」(日本化薬株式会社製、商品名)、「紫光 UV−3000B」(日本合成化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として15〜60質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
その他の(B)成分としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
上述の化合物のうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、例えば、BPE−500(新中村化学工業株式会社製、商品名)又はFA−321M(日立化成株式会社製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、例えば、BPE−1300NH(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
(B)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。(B)成分が30質量%以上であると、パターン形成がより容易となり、感光性樹脂組成物から形成されるレジストパターンのブラスト耐性がより良好となる傾向があり、また、70質量%以下であると感光性樹脂組成物のべたつきがより低減される傾向がある。
<(C)成分:光重合開始剤>
(C)成分である光重合開始剤としては、例えば、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等のイミダゾール誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル誘導体、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ミヒラーズケトン、9−フェニルアクリジン、ジメチルベンジルケタール、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、トリブロモメチルフェニルスルホン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどが挙げられる。これらは単独で、又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
(C)成分の含有量は、光感度の観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。
<(D)成分:メルカプト基を有するシラン化合物>
(D)成分であるメルカプト基を有するシラン化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2014119562
Rは、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。その具体例としては、プロピレン基等が挙げられる。
Aは、アルキル基を示す。その具体例としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
Bは、アルコキシ基、クロル基、アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基又はアルケニルオキシ基を示す。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。アルコキシアルコキシ基としては、例えば、メトキシエトキシ基等が挙げられる。アルケニルオキシ基としては、例えば、イソプロペノキシ基等が挙げられる。
また、nは、0〜2の整数を示し、基材との密着性の観点から、0又は1が好ましい。
(D)成分としては、メルカプトアルキル基及びアルコキシ基を有するシラン化合物(メルカプトアルキルアルコキシシラン)が好ましい。このような(D)成分としては、例えば、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、加水分解が起こりやすく、かつ3点での架橋が可能なメルカプトプロピルトリメトキシシランが、基材との密着性を向上させる観点から好ましい。
(D)成分であるメルカプト基を有するシラン化合物は、商業的に入手可能であり、例えば、Z−6062、Z−6862、Z−6911(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名)等が挙げられる。これらは単独で、又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
(D)メルカプト基を有するシラン化合物の含有率は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜3質量%であることがさらに好ましい。
また、本実施形態に係る感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料、二酸化チタン等の無機顔料、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤(前記無機顔料を含まない)、消泡剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤などを含有させることができる。これらの成分を含有させる場合には、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、各々0.01〜20質量%程度含有させることが好ましい。また上記の成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに、本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解し、固形分30〜70質量%程度の溶液として用いることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、ガラス基板、シリコンウエハ、セラミック基板等の基材上で良好なパターンを形成することができ、かつ感光性樹脂組成物から形成されるレジストパターンが良好なブラスト耐性を有するので、サンドブラスト用マスク材として好適に使用することができる。また、本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、支持体上に感光層を形成することによって得られる感光性エレメントの形態で用いることもできる。
(感光性エレメント)
次に、上述した本実施形態に係る感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメントについて説明する。図1は、本実施形態に係る感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した感光性エレメント1は、支持体10と、支持体10上に設けられた感光層14と、を備える。感光層14は、上述した本実施形態に係る感光性樹脂組成物からなる層である。また、本実施形態に係る感光性エレメント1は、感光層14上の支持体10に接する面とは反対側の面F1を保護フィルムで被覆してもよい。
感光層14は、上述の感光性樹脂組成物の溶液を支持体10上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。上記塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。また、上記乾燥は、加熱及び/又は熱風吹き付けにより、70〜150℃、5〜30分間程度で行うことができる。
感光層14の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで、10〜120μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましい。厚みが上記の範囲内である場合、工業的に塗布が容易になる傾向にある。また、厚みが10μm以上であると、レジストパターンのブラスト耐性がより良好になる傾向があり、120μm以下であると、解像度がより向上する傾向がある。
感光性エレメント1が備える支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムなどが挙げられる。
支持体10の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚みが5μm以上であると現像前に支持体を剥離する際に当該支持体が破れにくくなる傾向があり、また、100μm以下であると解像度がより向上する傾向がある。
上述したような支持体10と感光層14との2層からなる感光性エレメント1又は支持体10と感光層14と保護フィルムとの3層からなる感光性エレメントは、例えば、そのまま保管してもよく、保護フィルムを介在させた上で巻芯にロール状に巻き取って保管してもよい。
(被処理体の表面加工方法)
本実施形態に係る被処理体の表面加工方法は、被処理体上に、上述の感光性樹脂組成物からなる感光層を形成する感光層形成工程と、上記感光層に活性光線を照射して所定箇所に光硬化部を形成する露光工程と、上記光硬化部以外の部分を現像により除去してレジストパターンを形成する現像工程と、研磨剤を吹き付けてレジストパターンが形成されていない部分の被処理体を切削するサンドブラスト処理工程とを含む。また、本実施形態に係る被処理体の表面加工方法は、サンドブラスト処理工程後に、切削された被処理体から剥離液を用いてレジストパターンを除去する剥離工程を含んでいてもよい。
感光層形成工程においては、上述の感光性エレメントを基材側から感光層、支持体の順になるように基材上に積層することによって、感光層を形成することができる。なお、必要に応じて、上記積層の前に、上述した感光性エレメントから保護フィルムを除去することもできる。
積層方法としては、感光層を加熱しながら基材に圧着することにより積層する方法等が挙げられる。
上記積層の際の感光層の加熱温度は70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.1〜1.0MPa程度とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光層を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め基材を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために、基材の予熱処理を行うこともできる。
なお、感光層形成工程においては、被処理体上に、上述の感光性樹脂組成物を直接塗布し、乾燥させることにより、感光層を形成してもよい。
このようにして感光層を形成した後に、露光工程において感光層の所定部分に活性光線を照射して光硬化部を形成する。光硬化部の形成方法としては、アートワークと呼ばれるネガマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法が挙げられる。この際、感光層上に存在する支持体が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができるが、不透明の場合には、支持体を除去した後に感光層に活性光線を照射する。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを用いることができる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものを用いることもできる。
次いで、露光後、感光層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、現像工程において、ウエット現像、ドライ現像等で光硬化部以外の感光層を除去し、レジストパターンを形成させる。
ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液等の現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。現像液としては、安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられ、例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5質量%水溶液)等が用いられる。
サンドブラスト処理工程においては、得られたレジストパターンをマスク材として用い、研磨剤を吹き付けて、レジストパターンが形成されていない部分の被処理体を切削する。
サンドブラストに用いる研磨剤(ブラスト材)としては、公知の種々のものが用いられ、例えば、ガラスビーズ、SiC、SiO、Al、ZrO等の2〜100μm程度の微粒子が用いられる。被処理体としては、例えば、ガラス基板、シリコンウエハ、セラミック基板等の基材が挙げられる。被処理体の厚みは、用いられる被処理体の材質等により適宜調整することができるが、例えば、0.01mm〜10mmとすることができる。
研磨剤による被処理体の切削の後、剥離液を用いて被処理体上からレジストパターンを除去する剥離工程を行う。剥離工程に用いられる剥離液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液などが挙げられる。なお、剥離工程の代わりに、高温でレジストパターンを焼き飛ばす工程を設けることによりレジストパターンを除去することもできる。
図2は、サンドブラスト処理工程及び剥離工程の好適な一実施形態を示す模式断面図である。まず、サンドブラスト処理工程において、レジストパターン19を通して被処理体16に研磨剤18が吹き付けられることにより、被処理体16のレジストパターン19が形成されていない箇所が切削され(図2(a))、個片化された被処理体20が得られる(図2(b))。さらに、剥離工程により、個片化された被処理体20上のレジストパターン19が剥離される(図2(c))。
本実施形態に係る被処理体の表面加工方法の一例として、上述の感光性樹脂組成物を、大判ガラスをカバーガラスに個片化するためのサンドブラスト用マスク材として用いた例を、図3〜6に基づいて説明する。図3〜6は、大判ガラスをカバーガラスに個片化する工程を示す模式斜視図である。
まず、図3に示すように、大判ガラス(被処理体)22上に、本実施形態に係る感光層21を設ける(感光層形成工程)。次に、大判ガラス22上に設けた感光層に露光及び現像を行い、図4に示すように、所望の形状を有するレジストパターン24を形成する(露光工程及び現像工程)。そして、レジストパターン24をマスク材としてサンドブラスト処理を行い、非マスク部を切削すると、図5に示すように、大判ガラス22を個片化したカバーガラス26が得られる(サンドブラスト工程)。最後に、図6に示すように、各カバーガラス26の外縁を機械研磨し、切断面を平滑化する。このような加工方法は、特にスマートフォン用のカバーガラス製造に好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜5)
まず、下記の各成分を、表1に示す質量比(ただし、当該成分を溶液として配合する場合には、固形分換算での質量比)で配合することにより、感光性樹脂組成物を含む溶液を得た。
(A)−1:メタクリル酸/アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/スチレン(質量比:26/20/34/20)を共重合してなるアクリル樹脂のトルエン/メチルセロソルブ(質量比=2/3)溶液(重量平均分子量:50000、固形分酸価:170mgKOH/g、固形分:43質量%)であり常法により重合して得られたもの。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線で換算することによって得ることができる。GPCにおける測定の条件は以下のとおりである。
カラム:Gelpack GL−R440+GL−R450+GL−R400M(以上の計3本、日立化成株式会社製、商品名)
流量:2.05mL/min
濃度:120mg/5mL
注入量:200μL
溶離液:THF
(B)−1:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(日立化成株式会社製、商品名:「FA−321M」)
(B)−2:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学株式会社製、商品名「BPE−1300NH」)
(B)−3:ウレタンアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名「KAYARAD UX−3204」)重量平均分子量:13000、エチレン性不飽和基の数:2、ガラス転移点−14℃
(B)−4:ウレタンアクリレート(日本合成化学工業株式会社製、商品名「紫光 UV−3000B」)重量平均分子量:18000、エチレン性不飽和基の数:2、ガラス転移点−39℃
なお硬化後のガラス移転点は以下の方法で測定することができる。ウレタン(メタ)アクリレート化合物を100gと、光開始剤としてイルガキュア184(BASF製商品名)を4g混合し、厚みが100μmとなるように塗膜を作製し、500mJ/cmで露光後、TMA法によりガラス転移点を測定した。
(C)−1:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
(C)−2:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(D)−1:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「Z−6062」)
(D)−2:3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「Z−6862」)
(D)−3:3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「Z−6911」)
Z−6030:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名)
KBE−585:3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名)
KBE−846:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業株式会社製、商品名)
(X)−1:ロイコクリスタルバイオレット
(X)−2:メチルエチルケトン
Figure 2014119562
注)表1中の記号「−」は、該当する成分を含有していないことを示す。
[感光性エレメントの作製]
得られた感光性樹脂組成物を含む溶液を、支持体である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製、商品名「G2−16」)上に、それぞれ別に、厚みが均一になるように塗布することにより感光層を形成した。得られた感光層を、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥した。感光層の乾燥後の厚みは、50μmであった。
次いで、感光層の、支持体と接している面とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名「NF−13」)を保護フィルムとして貼り合わせ、感光性エレメントを得た。
[評価用積層体の作製]
次に、手動式ラミネータ(日立化成株式会社製、商品名「HLM−3000」)を用いて、ロール温度110℃、ラミネート速度1.0m/分、ロール圧力0.4MPaの条件の下で、感光性エレメントのポリエチレンフィルムを剥離しつつ、80℃で10分間加熱したガラス基板上に、感光層をガラス基板側にして圧着し、評価用積層体を得た。
[光感度の評価]
得られた評価用積層体上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製のEXM−1201型露光機を使用して、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行い、光硬化部を形成した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、感光層に、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を、液温30℃、スプレー圧力0.16MPaの条件の下で40秒間スプレーして現像を行った。露光時の上記エネルギー量の値を光感度として評価した。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。その結果を表2に示す。
[解像度の評価]
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを10μm刻みで有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行い、光硬化部を形成した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、感光層に、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を液温30℃、スプレー圧力0.16MPaの条件の下で40秒間スプレーして現像を行った。ここで、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)を解像度として評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。その結果を表2に示す。
[タック性の評価]
評価用積層体に対し、露光を行わずに、該積層体上のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、その剥離しやすさを次の基準で評価した。その結果を表2に示す。
A:ポリエチレンテレフタレートフィルムが感光層から容易に剥離できるもの。
B:ポリエチレンテレフタレートフィルムと感光層との密着がやや強いが、剥離できるもの。
C:ポリエチレンテレフタレートフィルムと感光層との密着力が強く、剥離困難なもの。
[ブラスト耐性の評価]
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が300/300(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行い、光硬化部を形成した。
次いで、PETフィルムを剥離した後、感光層に、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を液温30℃、スプレー圧力0.16MPaの条件の下で40秒間スプレーして現像を行った。
次いで、サンドブラスト装置(株式会社エルフォテック製、商品名「ELP−5TR」)、研磨剤としてSiC(炭化ケイ素)♯800を使用し、ブラスト圧:0.15MPa、ノズル移動幅:300mm、ノズル移動速度:8m/分、コンベアスピード:15mm/分で、現像後のレジストパターンに5回サンドブラスト処理を行った。ここで、ブラスト耐性を、次の基準で評価した。その結果を表2に示す。
A:サンドブラスト後にレジストパターンに欠け又は剥がれが見られず、かつ、ブラスト後のレジストパターンの線幅変化がネガ値に対し20%以内であった。
B:サンドブラスト後にレジストパターンに欠け又は剥がれが一部見られ、かつ、ブラスト後のレジストパターンの線幅変化がネガ値に対し20%超50%以下であった。
C:サンドブラスト後にレジストパターンに欠け又は剥がれが見られ、かつ、ブラスト後のレジストパターンの線幅変化がネガ値に対し50%を超えた。
Figure 2014119562
表2に示した結果から明らかなように、実施例1〜5の感光性樹脂組成物によれば、十分な光感度及び解像度が得られることが確認された。また、支持体を感光層から容易に剥離することが可能であり、感光性樹脂組成物から形成されるレジストパターンが良好なブラスト耐性を有することが確認された。
1…感光性エレメント、10…支持体、14…感光層、16…被処理体、18…研磨剤、19…レジストパターン、20…個片化された被処理体、21…感光層、22…大判ガラス、24…レジストパターン、26…カバーガラス。

Claims (8)

  1. (A)カルボキシル基を有するバインダーポリマと、
    (B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、
    (C)光重合開始剤と、
    (D)メルカプト基を有するシラン化合物と、
    を含有し、前記(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物がウレタン(メタ)アクリレート化合物を含む感光性樹脂組成物。
  2. 前記(D)メルカプト基を有するシラン化合物が下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2014119562
    [式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aはアルキル基を示し、Bはアルコキシ基、クロル基、アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基又はアルケニルオキシ基を示し、nは0〜2の整数を示す。]
  3. 前記(D)メルカプト基を有するシラン化合物の含有率が、前記感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として0.01〜10質量%である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量が、2000〜45000である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、エチレン性不飽和基を2つ有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性エレメント。
  7. 被処理体上に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層を形成する感光層形成工程と、
    前記感光層に活性光線を照射して所定箇所に光硬化部を形成する露光工程と、
    前記光硬化部以外の部分を現像により除去してレジストパターンを形成する現像工程と、
    研磨剤を吹き付けてレジストパターンが形成されていない部分の被処理体を切削するサンドブラスト処理工程と、
    を含む、被処理体の表面加工方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物から形成されるサンドブラスト用マスク材。
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