JPWO2014119384A1 - 熱伝導シートおよび構造体 - Google Patents

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Abstract

硬化状態の有機樹脂中に熱伝導性フィラーを含んでなる熱伝導シートであって、熱伝導性フィラーは、プラスチック粒子の表面を、熱伝導性材料によりコーティングされてなる複数の粒子からなり、下記式(1)で算出される粒子の粒子径のCV値(変動係数)が、10%以下である熱伝導シート。粒子径のCV値(%)=粒子径の標準偏差/算術平均粒子径dn×100 (1)

Description

本発明は、熱伝導シートおよび構造体に関する。
半導体チップなどの発熱体と、ヒートシンクなどの放熱体と、の間などのように、高い熱伝導性が要求される接合界面に設けられる熱伝導シートが知られている(特許文献1乃至6)。
特許文献1及び2に記載された熱伝導シートの製造方法では、まず、熱伝導性フィラーの長軸方向が一次シートの面方向に配向された樹脂製の一次シートを作製する。次に、一次シートを積層して成形体を得て、その後、成形体を加熱して硬化させる。そして、一次シートの積層方向に成形体をスライスすることにより、熱伝導性フィラーの長軸方向が熱伝導シートの厚さ方向に配向された熱伝導シートを得る。
また、特許文献3にも特許文献1、2と同様の製造方法が記載されている。ただし、特許文献3に記載された熱伝導シートの製造方法は、成形体を加熱して硬化させる工程を含まない。
更に、特許文献4及び5には、両面又は片面に粘着層が形成された熱伝導シートが記載され、特許文献6には、両面又は片面に絶縁層が形成された熱伝導シートが記載されている。
特開2012−38763号公報 特開2011−162642号公報 特開2012−15273号公報 特開2012−109313号公報 特開2012−109312号公報 特開2011−230472号公報
上記の製造方法では、樹脂が未硬化の状態の一次シートを積層して成形体を得るため、一次シートの相互間で樹脂が流動し、樹脂の流動につられて熱伝導性フィラーの配向が乱れてしまう。その結果、上記の製造方法により得られる熱伝導シートは、その厚み方向における熱伝導性が不十分となる可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、熱伝導性フィラーの配向性が良好で厚み方向において十分な熱伝導性を有する熱伝導シートを提供する。
本発明によれば、硬化状態の有機樹脂中に熱伝導性フィラーを含んでなる熱伝導シートであって、
前記熱伝導性フィラーは、プラスチック粒子の表面を、熱伝導性材料によりコーティングされてなる複数の粒子からなり、
下記式(1)で算出される前記粒子の粒子径のCV値(変動係数)が、10%以下である熱伝導シートが提供される。
粒子径のCV値(%)=粒子径の標準偏差/算術平均粒子径dn×100 (1)
また、本願発明によれば、一対の対向する平板と、
前記一対の対向する平板の間に配置された上記の熱伝導シートと、
を有する構造体が提供される。
本発明によれば、熱伝導性フィラーの配向性が良好で厚み方向において十分な熱伝導性を有する熱伝導シートが得られる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本実施形態に係る熱伝導シートの断面図である。 本実施形態に係る熱伝導性フィラー製造装置の一例を示す図である。 本実施形態に係る熱伝導性フィラー製造装置の一例を示す図である。 本実施形態に係る熱伝導性フィラー製造装置の一例を示す図である。 本実施形態に係る熱伝導性フィラー製造装置の一例を示す図である。 本実施形態に係る熱伝導性フィラー製造装置の一例を示す図である。 本実施形態に係る構造体の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
<<熱伝導シート>>
本実施形態に係る熱伝導シートは、硬化状態の有機樹脂中に、熱伝導性フィラーを含んでなるものである。上記熱伝導性フィラーは、プラスチック粒子の表面を、熱伝導性材料によりコーティングされてなる複数の粒子からなり、これら粒子について下記式(1)で算出されるCV値(変動係数)が、特定の条件を満たす構成となっている。
粒子径のCV値(%)=粒子径の標準偏差/算術平均粒子径dn×100 (1)
具体的には、熱伝導性フィラーを形成する粒子径のCV値が、10%以下である。粒子径のCV値が上記特定の範囲にあると、熱伝導性フィラーの配向性が良好で厚み方向において十分な熱伝導性を得ることができる。
本実施形態によれば、熱伝導性フィラーを形成する粒子について、当該粒子径のCV値が上記特定の範囲にある。これにより、熱伝導性フィラーを形成する粒子の粒子径を、高度に均一となるように制御することができる。そして、粒子径のCV値が上記特定の範囲にある場合、熱伝導シートを被着体に付ける際にかかる成型圧力により該熱伝導性フィラーがギャップ材のような働きをするために、熱伝導シートの厚み方向において最短経路で熱伝導させることができ、樹脂成分に対する粒子の配合量を計算しておくことで、熱伝導シート中に隣接する粒子同士の接触を最小限に抑えられた状態で複数の粒子が配置される。また、本実施形態に係る熱伝導性フィラーのように、高度に均一な粒子径を有することによって、当該熱伝導シートの厚みを従来と比べて均一にすることができる。さらに、本実施形態に係る熱伝導性フィラーによれば、熱伝導性フィラーを構成する粒子の粒子径が高度に制御されているため、ギャップ制御効果により、熱伝導性フィラーを構成する粒子同士の接触による熱伝導抵抗を最小限に抑えることができる。なお、本実施形態に係る熱伝導シートにおいて熱伝導性フィラーは、上記で述べたように当該シート中に、隣接する粒子同士が接触するように配置されても、離間するように配置されてもよい。この理由については、後述する。
また、本実施形態に係る熱伝導性フィラーは、たとえば、当該熱伝導性フィラーを用いて形成した熱伝導シートの厚み方向に対して9.8MPa程度の圧力を印加した場合、変形する(押しつぶされる)程度の柔軟性を有するものである。本実施形態に係る熱伝導シート120を導体(第一の基材110および第二の基材130)に対して圧着させる際、成形圧力により、プラスチック粒子140の表面を熱伝導性材料150によりコーティングしてなる熱伝導性フィラー160は、押しつぶされる。このため、導体との接触面積が広がる(図1)。すなわち、熱伝導シートの厚み方向において広面積での熱伝導が可能となり、より一層良好な熱伝導性を得ることができる。
また、本実施形態に係る熱伝導性フィラーによれば、均一な粒子径を有する粒子であるため、フィラー同士の凝集を抑制することができる。また、本実施形態に係る熱伝導性フィラーは、プラスチック粒子の表面を、熱伝導性材料によりコーティングする態様としているため、熱伝導性材料の使用量を抑制することができる。こうすることで、酸化アルミニウムや窒化ホウ素によるワニス調整時の溶剤や水分の吸収を抑えることができる。このため、加熱加圧成型時に熱伝導シート中にボイドが発生することを抑制できる。
また、本実施形態に係る熱伝導シートでは、熱伝導性フィラーとして、プラスチック粒子の表面を、熱伝導性材料によりコーティングされてなるものを用いている。本実施形態に係る熱伝導性材料としては、特に限定されないが、たとえば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、アルミニウム、窒化珪素、ジルコニア、金、酸化マグネシウムおよび結晶性シリカからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウムおよび窒化ホウ素からなることが好ましい。
以下、本実施形態に係る熱伝導性材料については、酸化アルミニウムおよび/窒化ホウ素からなる場合を例に挙げて説明する。
酸化アルミニウムや窒化ホウ素は、熱伝導性に優れたものである。この酸化アルミニウムおよび/または窒化ホウ素を用いて、耐熱性および耐薬品性に優れ、かつ均一な粒子径分布を有しているという理由から半導体実装分野で広く使用されているプラスチック粒子をコーティングすることで、熱伝導性に優れた熱伝導シートを得ることができる。また、本実施形態によれば、上記で説明した熱伝導性フィラーを用いているため、厚みの均一な熱伝導シートを実現できる。
また、本実施形態に係るプラスチック粒子は、架橋プラスチック材料(たとえば、積水化学工業社製、ミクロパール等)によって形成されている。この架橋プラスチック材料は、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂および合成ゴムの中から選ばれる少なくとも1種である。これらの中でも、ポリスチレンや合成ゴムであることが好ましい。また、架橋プラスチック材料の形状は、特に限定されないが、球状であることが好ましい。また、架橋プラスチック材料は、中空構造であってもよい。
また、本実施形態に係る熱伝導性フィラーを構成する複数の粒子について、当該粒子径のCV値は、10%以下であり、5%以下であるとさらに好ましい。かかる範囲の粒子径を有していることによって、厚み方向において良好な熱伝導性を有する熱伝導シートを実現することができる。
また、本実施形態に係る熱伝導性フィラーを構成する複数の粒子について、当該粒子の算術平均粒子径dnは、20μm以上150μm以下であることが好ましく、30μm以上100μm以下であるとさらに好ましい。こうすることにより、厚み方向においてより一層良好な熱伝導性と絶縁性(耐電圧)を有する熱伝導シートを得ることができる。
また、本実施形態に係る熱伝導性フィラーを形成する粒子は、球状であることが好ましい。こうすることで、上記で説明したように当該粒子は圧力の印加により変形したとしても、当該粒子同士の接触面が互いに凸曲面を保持することができるため、、粒子同士の接触面積を最小限に抑えることができる。このため、粒子同士の接触による熱伝導のロスを低減させることができ、さらには、導体との接触面積を増大させることが可能であるとともに、熱伝導シートの厚さ方向においてより一層短い経路で熱伝導させることができるものと考えられる。
また、上記で述べたように、本実施形態に係る熱伝導シートにおいて熱伝導性フィラーは、当該シート中に、隣接する粒子同士が接触するように配置されても、離間するように配置されてもよい。隣接する粒子同士が離間するように配置される場合、熱伝導性フィラーは、熱伝導シートの総量当たり、50体積%以上75体積%以下となるように配合することが好ましい。こうすることによって、厚み方向に対して充分な熱伝導性が得られる。また、酸化アルミニウムや窒化ホウ素の使用量を抑制することができる。このため、酸化アルミニウムや窒化ホウ素による溶剤の吸収を抑制でき、熱伝導シート中にボイドが発生することを抑制することができる。また、本実施形態によれば酸化アルミニウムや窒化ホウ素の使用量を抑制できるため、窒化ホウ素の加水分解に伴い発生するアンモニア量を低減させることができ、熱伝導シート中のボイドが抑えられ、得られる熱伝導シートの信頼性が向上する。
以下、本実施形態に係る熱伝導シートについて詳細に説明する。
本実施形態に係る熱伝導性フィラーの材質は、熱伝導性が良好で、有機樹脂の硬化処理を経ても所定の形状を維持できるものであればよい。
また、熱伝導シートは、その厚み方向に電気伝導性を有さなくてもよい用途に用いる場合は、絶縁性のものであっても良い。厚み方向に電気伝導性を有する熱伝導シートを作製する場合、熱伝導性フィラーとしては、導電性のものを用いることが好ましい。絶縁性の熱伝導シートを作製する場合、熱伝導性フィラーとしては、絶縁性のものを用いる。なお、熱伝導シートの厚み方向における電気伝導性は、たとえば、フラッシュ・アニール法を用いて測定することができる。
また、本実施形態に係る有機樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド又はベンゾオキサジンからなる群より選択される少なくとも1種以上であることが挙げられる。エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型又はビスフェノールF型のいずれであっても良い。エポキシ樹脂を使用する場合、有機樹脂中には、たとえば、イミダゾール、アミン又はフェノール化合物等の硬化剤が含まれていてもよい。
また、本実施形態に係る熱伝導シートの厚さは、例えば、30μm以上150μm以下とすることができ、好ましくは、80μm程度である。こうすることで、厚み方向においてより一層良好な熱伝導性と絶縁性(耐電圧)を有する熱伝導シートを得ることができる。
また、本実施形態に係る熱伝導シートの厚み方向における熱伝導率は、10W/m・K以上であることが好ましく、30W/m・K以上であるとさらに好ましい。こうすることで、より一層優れた熱伝導シートを実現することができる。そして、熱伝導シートの厚み方向における熱伝導率の上限値については特に制限されるものではないが、50W/m・K以下程度であれば十分である。なお、本実施形態に係る熱伝導シートの厚み方向における熱伝導率は、たとえば、以下の方法を用いれば測定することができる。まず、熱伝導シートの密度を水中置換法により測定し、比熱をDSC(示差走査熱量測定)により測定し、さらに、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定する。そして、得られた各測定値を用いて、式(2)から熱伝導シートの厚み方向における熱伝導率を算出する。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m/s)×1000 (2)
本実施形態に係る熱伝導シートは、例えば、発熱体(半導体チップなど)と放熱体(ヒートシンクなど)との間などのように、高い熱伝導性が要求される接合界面に設けられ、発熱体から放熱体への熱伝導を促進する。なお、熱伝導シートを有する具体的な半導体装置構造の一例としては、例えば、半導体チップが配線基板(インターポーザ)上に搭載され、且つ、この配線基板がヒートシンク上に搭載されており、半導体チップと配線基板との接合界面、並びに、配線基板とヒートシンクとの接合界面に、それぞれ熱伝導シートを設けた構造が挙げられる。
また、本実施形態に係る熱伝導シートを、上述のように、発熱体と放熱体との間に設け、当該熱伝導シートの厚み方向に対して、たとえば圧力9.8MPaでヒートプレスした場合、図1の(b)に示すように熱伝導性フィラーは、熱伝導シートの厚み方向に対して押しつぶされる程度の柔軟性を有している。
次に、本実施形態における熱伝導シートの製造方法を説明する。
本実施形態に係る熱伝導シートを得るためには、高度に大きさを制御した熱伝導性フィラーを得る必要がある。本実施形態に係る熱伝導性フィラーは、上記で説明したように、プラスチック粒子の表面を、熱伝導性材料によりコーティングされてなる複数の粒子からなるものを用いている。しかしながら、本実施形態に係る上記粒子径のCV値が特定の条件を満たす熱伝導シートを、背景技術の項で前述した従来の技術に記載の方法で得ることは困難である。具体的に、本実施形態に係る熱伝導シートは、プラスチック粒子の表面をコーティングする際に用いる装置の選択、単位時間当たりの熱伝導性材料供給量、プラスチック粒子と熱伝導性材料の粒径比、プラスチック粒子の回転速度等の各因子を高度に制御して組み合わせることで初めて製造することができる。このように、本実施形態に係る熱伝導性フィラーの配向性が良好で厚み方向において十分な熱伝導性を有する熱伝導シートを得るためには、上記各因子を高度に制御することが特に重要となる。
なお、本実施形態に係る熱伝導シートの製造方法の一例としては、粉体処理装置を用いるものがある。ただし、本実施形態の熱伝導シートの製造方法は、これに限定されない。
以下、熱伝導シートの製造に用いる粉体処理装置について説明する。
図2および図3に示す粉体処理装置100は、被処理粉体を受け入れる横型円筒状のケーシング1と、ケーシング1の横軸心X1廻りで回転可能に支持されたロータ2と、ロータ2を回転駆動するモータM1とを備えている。このモータM1の回転数は、インバータ10を介して制御される。
この粉体処理装置100においてケーシング1の上部には被処理粉体を供給する開口部1hが形成されており、開口部1hに設置された供給装置14からケーシング1内に被処理粉体を供給することができる。なお、粉体処理装置100は、バッチ式で粉体処理を行うことを前提として構成されている。
<ロータ>
図4に示すように、ロータ2は概して円柱状のシャフト部3を備えるが、このシャフト部3は横軸心X1に関してほぼ中央付近に位置する一つの小径部3aと、小径部3aから前後に延びた一対の大径部3bとからなる。開口部1hは小径部3aと対向する位置に設けられている。
各大径部3bの外周面には、モータM1に近接した位置(以下、「モータM1側」と示す。)およびモータM1と離間した位置(以下、「反モータM1側」と示す。)の各々に設けた領域を除いて、凸状の複数枚の羽根部5が横軸心X1方向に向かって延設されている。また、羽根部5の形状は、大径部3bよりも径の小さな円柱又は楕円柱の一部で構成されており、モータM1によるロータ2の回転駆動に応じて、羽根部5の外周とケーシング1の内面との間で被処理粉体に強い圧縮剪断力を加えることができる。羽根部5はシャフト部3と一体成形することができるが、別体の羽根部5をシャフト部3の外周に溶接などで接合してもよい。
図4の例では、モータM1側に配置された羽根部5と反モータM1側に配置された羽根部5とが同じ角度位相で配置されているが、モータM1側の羽根部5と反モータM1側の羽根部5とを異なる角度位相で配置してもよい。
さらに、粉体処理装置100によれば、羽根部5を横軸心X1に対して傾斜した配置とすることで被処理粉体を横軸心X1に沿って積極的に移動させる移動力を付与させることができる。また、各々の羽根部5を横軸心X1に沿って2つ以上に分割してもよい。分割することで、各羽根部5にかかる力を分散させて羽根部5およびロータ2等への負荷を軽減させることができる。
また、羽根部5はロータ2の回転に基づく振動の発生を抑制するために、横軸心X1に関して回転対称状に、言い換えれば隣接する羽根部5どうしが全て等間隔となるように配置されている。その結果、羽根部5の枚数をNとし、互いに周方向で隣接する羽根部5どうしのなす角度をθとすると、θ=360/N(但しN≧2)が成立する。図2では4枚の羽根部5が90°間隔で設けられているが、2枚、3枚、5枚など任意の枚数の羽根部5で構成することもできる。なお、羽根部5の枚数は、処理の目的、被処理粉体の粒径その他の特性、粉体処理装置の全体的な規模、羽根部5を構成する素材などに応じて適宜決定される。
図5に示すように、羽根部5の断面形状を構成する円弧の半径をr、大径部3bから羽根部5の先端までの高さをh、シャフト部3の大径部3bの外径をRとすると、rは(2r/R)<1なる数式を満たすように、hは(h/R)<0.5なる数式を満たすように決められる。図2に示す装置100は、(R:r:h=5:1:0.7)の関係となるように構成されている。羽根部5の径方向における先端とケーシング1の円弧状の内面との間の間隙は約0.5〜5.0mmに設定されている。
中央の小径部3aの外周面、および、大径部3bの最もモータM1側および最も反モータM1側の両端部領域には、羽根部5の代わりに複数枚の偏向パドル6(偏向手段の一例)が径方向外側に向かって延設されている。小径部3aの偏向パドル6は、横軸心X1に関して中心付近に位置する被処理粉体を左右の羽根部5に向けて送り出すように、横軸心X1に対して傾斜した送りパドル6aと、左右の羽根部5付近に位置する被処理粉体を中心付近に導くように傾斜した戻しパドル6bとを備える。端部領域の傾斜した比較的短い偏向パドル6cは、ロータ2を図4の左側から見て時計方向(矢印Aで示す)に回転させた時に、シャフト部3の両端に位置する被処理粉体を左右の羽根部5に向けて送り出すように構成されている。
各領域に配置するパドル6a,6b,6cの各枚数やパドル6を構成する素材等は、粉体処理装置の大きさや、処理の目的、被処理粉体の材料とその粒径、その他の特性などに応じて適宜決定される。
ロータ2の両端面には直線状のフィン8(戻し部材の一例)が延設されている。ロータ2の両端面とケーシング1との間隙に被処理粉体が進入しても、フィン8によってロータ2の外周部に押し戻されるため、未処理または処理の不十分な被処理粉体が同間隙に滞留することがなくなる。横軸心X1に沿った方向において、フィン8の先端とケーシング1の側面との間隙は約0.5mmに設定されている。
<供給装置>
供給装置14は、粉体処理装置100を運転開始する前に被処理粉体をケーシング1に供給する(供給工程の一例)機能と、ロータの回転駆動によって被処理粉体に生じる混合、粉砕、合成、被覆、表面改質(いずれも処理工程の一例)などの作用によって被処理粉体の見掛け体積が減少した時に、その減少した体積に見合う量の被処理粉体をケーシング1に補充する(粉体補充工程の一例)補充手段の機能とを果たす。
供給装置14は、被処理粉体を貯留可能なホッパー15(原料チャンバーの一例)と、ホッパー15の下部から開口部1hに延びたスクリュー16(押し込み手段の一例)とを有する。スクリュー16は、スクリュー16を構成する円筒状のシャフト16aに固定されたスクリュー羽根16bと、シャフト16aの上端に取り付けられたプーリ16cと、プーリ16cに巻回された無端ベルト16dを回転駆動するモータM2によって適宜駆動される。
小径部3aの位置する付近は、羽根部5がなく、ケーシング1の内面に大きな空間を形成するため、圧縮剪断力の効果はあまり発揮しないが、開口部1hからの被処理粉体を円滑に受け入れ、貯留するためのバッファ領域7(貯留領域の一例)を構成している。バッファ領域7に受け入れられた被処理粉体は送りパドル6aによって左右の羽根部5の在る粉体処理領域に送り出され、その時に、粉体処理領域にある被処理粉体が代わりにバッファ領域7に進入するため、圧縮剪断処理による粉体処理において、処理の進行レベルの異なる被処理粉体どうしがバッファ領域7で混合され、その一部が再び羽根部5側に移動するという一連の操作が連続的に行われる。
<制御ユニット>
粉体処理装置100の各部の駆動を制御する制御ユニット50を図6に示す。制御ユニット50は、被処理粉体の処理目的や粉体処理装置100の運転状況などに基づいてロータ2の回転速度を制御する回転速度制御部51と、ケーシング1内で被処理粉体が占める体積比率を設定する目標体積設定部52と、実際にケーシング1内で被処理粉体が占めている体積比率を判定する体積比率判定部53などを備える。
粉体処理装置100に接続されたコンピュータにキーボードなどから被処理粉体の処理目的が入力されると、回転速度制御部51が処理目的に適したロータ2の基本的な回転速度を設定し、インバータ10を介してモータM1が回転駆動される。同時に、この際、目標体積設定部52には処理目的に適した体積比率を設定しておく。次にモータM1の回転駆動時の体積比率判定部53による判定結果が、目標体積設定部52によって設定された体積比率(体積比率の所定値の一例)を下回るときは、モータM2によってスクリュー16が駆動されて、不足分の被処理粉体がバッファ領域7に補充される。
体積比率判定部53(判定手段の一例)は、ロータ2を回転駆動させているモータM1の負荷動力を検出する負荷動力検出器12(判定手段の一例)の検出結果から体積比率を判定する。判定は予め測定された種々の実験結果に基づいて作成されたLUT54を参照して行われる。原則的には負荷動力の低下傾向は体積比率の低下に対応する。
被処理粉体の補充は、ロータ2を停止した状態で行われてもよいが、ロータ2の回転駆動による処理を継続しながら行ってもよい。いずれの場合にも、被処理粉体の補充後もロータ2の回転駆動による処理が続けられ、通常は、1バッチの処理量として事前に設定された量の被処理粉体の処理が終了するまで、粉体補充工程と補充後の処理工程とからなる一連の操作が複数回に亘って繰り返される。
また、制御ユニット50が、体積比率判定部53の判定結果に基づいて、被処理粉体に対して目的とする処理が完了したか否かを判定し、同判定に基づいてロータ2の駆動を停止する構成としてもよい。
ケーシング1の一部に、ケーシング1の内面付近の温度を測定する温度センサ18を設け、この温度センサ18による測定温度値によって、ケーシング1やロータ2が過熱により損傷することのないようにロータ2の回転数を制御してもよい。
また、回転速度制御部51が、負荷動力の変動のみに基づいてロータ2の回転数を制御することができる。すなわち、回転速度制御部51が、ロータ2を駆動するモータM1への負荷動力が一定値(例えば8kW)に近似するようにロータ2の回転数を制御する動力制御法で実施することも可能である。
なお、ケーシング1の外周には水などの流体を温調用として循環させるジャケット1cを設け、ここに冷却水などを流入させる。循環経路には冷却水を送り出すポンプ20と、冷却水の流量を制御する操作バルブ21と、冷却水を冷やす熱交換器22が介装される。制御ユニット50が温度センサ18による測定温度値に基づいて操作バルブ21の開度を調節することでケーシング1の温度を或る程度自動的に制御できるように構成してもよい。
<弁>
開口部1hには、開口部1hを開閉操作できる弁30を設けてもよい。図に例示した弁30は、スクリュー16のシャフト16a内を貫通し、同シャフト16aによって軸支されたロッド30bと、同ロッド30bの下端に固定された弁体30aと、ロッド30bを介して弁体30aを上下に移動操作するためのアクチュエータ30cとを備える。弁体30aはアクチュエータ30cによって下方の閉鎖位置と上方の開放位置との間で切り換え可能とされている。ロータ2による被処理粉体の処理中は基本的に弁体30aを閉鎖位置に維持し、粉体補充の際にのみ弁体30aを開放位置に切り換える。弁体30aが閉鎖位置にあるときに開口部1hが密閉されるように、弁体30aの下面はケーシング1の内面と一致した形状を呈している。また、弁体30aが開放位置にあるときに開口部1hから被処理粉体を補充できるように、被処理粉体の補充が円滑にできるように弁体30aの上面はテーパ形状を備えている。アクチュエータ30cはエアシリンダによって構成することができるが、電動シリンダまたは油圧シリンダなどで構成してもよい。
ロータ2の停止後に開口部1hを弁30で閉鎖した後に、処理済み粉体をケーシング1から回収することで、スクリュー16内の未処理の被処理粉体などが落下して処理済み粉体に混入する虞がなくなる。尚、ロータ2の回転中でも、被処理粉体を補充する必要がない間は弁30を閉鎖しておくことで、スクリュー16内の未処理の被処理粉体が不用意に処理済み粉体に混入することを防止できる。
ケーシング1の下面には、処理中は常に密閉蓋17によって密閉状に閉じられた円形の下部開口1gが形成されている。下部開口1gはバッファ領域7に設けられており、処理済み粉体を排出・回収する際には、密閉蓋17を取り外した状態でロータ2を正転または逆転することで大半の処理済み粉体は下部開口1gを介して回収することができる。下部開口1gと密閉蓋17との間の密閉性を確保するために、密閉蓋17の側面部を上に向かって縮径されるテーパ状としたり、密閉蓋17の上面に加圧気体で膨張させたパッキンを設けてもよい。
なお、ケーシング1はロータ2の外周と対向する内面を備えた円筒状のケーシング本体1aと、ケーシング本体1aの反モータM1側の開放部を閉鎖するカバー部1bとからなり、ケーシング本体1aを密閉しているカバー部1bを取り外し、ロータ2をモータM1の軸から切り離して、ケーシング本体1aから図2の左側に引抜けば、ロータ2やケーシング1の内面に付着した粉体を除去することができる。
こうすることによって、プラスチック粒子を回転させている間に、熱伝導性材料を当該プラスチック粒子の表面にこすりつけることができる。このため、熱伝導性フィラーを形成する粒子の粒子径を、高度に均一となるように制御することができる。
また、本実施形態に係る熱伝導シートの製造方法は、以下の(A)〜(C)の工程を有する。
(A)プラスチック粒子の表面を、熱伝導性材料によりコーティングされてなる複数の粒子からなる熱伝導性フィラーを作製する工程。
(B)(A)で得られた熱伝導性フィラーを有機樹脂と混練し、混練物を得る工程。
(C)(B)で得られた混練物を、基板上に薄膜状に塗布、Bステージ化し、その後、熱プレス成形をすることによって熱伝導シートを得る工程。
まず、上記で説明した方法により、高度に粒子径が均一となるように制御して得られた熱伝導性フィラーを準備する(上記工程(A))。
次に、硬化前、且つ半硬化前の有機樹脂と多数の粒子からなる熱伝導性フィラーとを混合し、有機樹脂中に熱伝導性フィラーが均一に存在するように混練する。以下、有機樹脂と多数の粒子からなる熱伝導性フィラーとを混練することにより得られたものを混練物(または樹脂組成物)と称する(上記工程(B))。
そして、得られた混練物を、基板上に塗布し、その後、熱プレス成形をすることによって熱伝導シートを得る。このとき、混練物を塗布する方法としては、特に限定されないが、たとえば、スピンコート法、スクリーン印刷法、ダイコーター法、バーコーター法、グラビアコーター法等の方法を用いる。こうすることで、厚みが均一な熱伝導シートを得ることができる(上記工程(C))。
<<構造体>>
図7は、本実施形態に係る構造体の断面図である。
図7に示すように、本実施形態に係る構造体は、一対の対向する平板と、一対の対向する平板の間に配置される上述した本実施形態に係る熱伝導シートとを有するものである。
本実施形態に係る構造体中の熱伝導シート中に含まれる複数の粒子は、粒子径のCV値が上記特定の範囲にある。このように本実施形態に係る粒子は、粒子径が均一となるように制御されたものである。それ故、当該粒子は、一対の対向する平板間のスペースを埋めるスペーサーとしても機能させることができる。すなわち、本実施形態に係る構造体において熱伝導フィラーは、放熱スペーサーとして機能させることができる。
なお、本実施形態に係る構造体における一対の対向する平板は、それぞれ発熱体(半導体チップなど)と放熱体(ヒートシンクなど)であることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
<熱伝導性フィラーの製造>
まず、プラスチック粒子(積水化学工業社製、ミクロパール)の表面を、粉体処理装置(ホソカワミクロン社製、ノビルタ)を用いて、六方晶窒化ホウ素(昭和電工社製UHP−1K、平均粒子径8μm)でコーティングすることで、熱伝導性フィラーを得た。なお、上記粉体処理装置は、被処理粉体を受け入れるケーシングと、ケーシングに対して相対回転され、その外周にケーシングの内面との間で被処理粉体に圧縮剪断力を加える羽根部を設けたロータと、相対回転の開始後、被処理粉体がケーシング内で占める体積比率が所定値以上に保持されるように、ケーシング内に被処理粉体を補充する補充手段と、を備えるものである。
具体的には、まず、粉体処理装置のケーシングに、プラスチック粒子をセットした。次に、ケーシングに、粉末状の窒化ホウ素を供給するとともに、ロータを回転駆動させた。こうすることで、プラスチック粒子の表面に窒化ホウ素をコーティングし、球状の熱伝導性フィラーを得た。なお、ロータは、ケーシングの内面付近温度が50℃以上にならないように水冷制御した上で、5000rpmで、15分間駆動させた。
また、プラスチック粒子としては、粒子径のCV値が3%であり、かつ算術平均粒子径dnが30μmのものを用いた。
(製造例2)
プラスチック粒子として、粒子径のCV値が3%であり、かつ算術平均粒子径dnが60μmの粒子を用いた点以外は、実施例1と同様の方法で、熱処理フィラーを製造した。
(製造例3)
プラスチック粒子として、粒子径のCV値が10%であり、かつ算術平均粒子径dnが90μmの粒子を用いた点以外は、実施例1と同様の方法で、熱処理フィラーを製造した。
(比較製造例1)
熱伝導性フィラーとして、プラスチック粒子を使用せずに、算術平均粒子径dnが12μmの六方晶窒化ホウ素(昭和電工社製UHP−2)を単独で60v%配合して用いた。
(比較製造例2)
熱伝導性フィラーとして、プラスチック粒子を使用せずに、算術平均粒子径dnが2.2μmのアルミナ(日本軽金属社製LS−130)を単独で60v%配合して用いた。
<熱伝導シートの製造>
まず、上記製造例1の熱伝導性フィラーと、Bステージ状のエポキシ樹脂とを混練した。なお、混練には、ディスパーザーを用いた。
次に、得られた混練物を基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、乾燥機にて120℃15分間処理しBステージ化した。その後、プレス機を用いて、ツール圧8MPa、ツール温度180℃の条件下で、当該基板を挟み込むようにして30分間にわたってプレスすることにより、実施例1の熱伝導シートを得た。
なお、製造例2〜3および比較製造例1〜2の熱伝導性フィラーについても、同様の方法を用いて熱伝導シートを作製した。ここで、製造例2の熱伝導性フィラーを用いて得られた熱伝導シートを、実施例2の熱伝導シートとし、製造例3の熱伝導性フィラーを用いて得られた熱伝導シートを、実施例3の熱伝導シートとした。また、比較製造例1の熱伝導性フィラーを用いて得られた熱伝導シートを、比較例1の熱伝導シートとし、比較製造例2の熱伝導性フィラーを用いて得られた熱伝導シートを、比較例2の熱伝導シートとした。
また、得られた実施例および比較例の各熱伝導シートを、半導体チップとヒートシンクとの間に設け、当該熱伝導シートの厚み方向に対して圧力9.8MPaでヒートプレスした。これにより、熱伝導性フィラーが、熱伝導シートの厚み方向に押しつぶされる程度の柔軟性を有していることを確認した。
<評価方法>
粒子径分布:レーザー解折式粒度分布計(島津製作所社製、SALD−7000)を用いて、得られた熱伝導性フィラーの粒子径分布を測定した。なお、単位は、μmである。
粒子径のCV値:粒子径分布の測定結果から、下記式(1)により算出した。なお、単位は、%である。
粒子径のCV値(%)=粒子径の標準偏差/算術平均粒子径dn×100 (1)
熱伝導率:実施例および比較例で得られた熱伝導シートそれぞれについて、密度を水中置換法により測定し、比熱をDSC(示差走査熱量測定)により測定し、さらに、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定した。そして、実施例および比較例で得られた熱伝導シートの各々について、厚み方向における熱伝導率を以下の式(2)から算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m/s)×1000 (2)
上記評価項目に関する評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2014119384
実施例の熱伝導性フィラーを形成する粒子の粒子径のCV値は、いずれも比較例の値と比較して小さい。実際に、実施例に記載の粒子を用いて熱伝導シートを製造した場合、熱伝導性フィラーの配向性が良好で厚み方向において十分な熱伝導性を有する熱伝導シートが得られた。
この出願は、2013年2月1日に出願された日本出願特願2013−018727号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (15)

  1. 硬化状態の有機樹脂中に熱伝導性フィラーを含んでなる熱伝導シートであって、
    前記熱伝導性フィラーは、プラスチック粒子の表面を、熱伝導性材料によりコーティングされてなる複数の粒子からなり、
    下記式(1)で算出される前記粒子の粒子径のCV値(変動係数)が、10%以下である熱伝導シート。
    粒子径のCV値(%)=粒子径の標準偏差/算術平均粒子径dn×100 (1)
  2. 前記粒子の前記算術平均粒子径dnが、20μm以上150μm以下である請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 前記熱伝導性フィラーが、球状である請求項1または2に記載の熱伝導シート。
  4. 前記熱伝導性材料が、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、アルミニウム、窒化珪素、ジルコニア、金、酸化マグネシウムおよび結晶性シリカからなる群より選択される少なくとも1種によって形成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
  5. 前記プラスチック粒子が、架橋プラスチック材料によって形成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
  6. 前記架橋プラスチック材料が、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂および合成ゴムの中から選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の熱伝導シート。
  7. 厚み方向における熱伝導率が、10W/m・K以上50W/m・K以下である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
  8. 前記有機樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド又はベンゾオキサジンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
  9. 発熱体と放熱体との間に設けられる熱伝導シートであって、
    前記発熱体と前記放熱体との間に設けて、当該熱伝導シートの厚み方向に対して、圧力9.8MPaでヒートプレスした場合、前記熱伝導性フィラーが前記厚み方向に押しつぶされる程度の柔軟性を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
  10. 前記発熱体が、半導体チップである請求項9に記載の熱伝導シート。
  11. 前記放熱体が、ヒートシンクである請求項9または10に記載の熱伝導シート。
  12. 一対の対向する平板と、
    前記一対の対向する平板の間に配置された請求項1乃至11のいずれか一項に記載の熱伝導シートと、
    を有する構造体。
  13. 前記一対の対向する平板が、それぞれ発熱体と放熱体である請求項12に記載の構造体。
  14. 前記発熱体が、半導体チップである請求項13に記載の構造体。
  15. 前記放熱体が、ヒートシンクである請求項13または14に記載の構造体。
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