JPWO2014112619A1 - 電解銅箔、リチウムイオン電池用負極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

電解銅箔、リチウムイオン電池用負極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

[要約][課題]プレス加工時と充放電時においても皺が入りにくく、かつ、炭素系及びSi系の負極活物質と高い密着性が保持でき、機械的強度(引張強さ)及び硬さを有する銅箔、それを用いたリチウムイオン二次電池用負極及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供する。[解決手段]550MPa以上の引張強さを有する第1銅層と、第1銅層の少なくとも片方の面に備えた第1銅層より硬度が低い第2銅層とを有する銅箔である。前記銅箔の300℃で1時間熱処理後に常温で測定した引張強さは400MPa以上である。[選択図]なし

Description

本発明は、銅箔、それを用いたリチウムイオン二次電池用負極及びそれを用いたリチウムイオン二次電池に関し、特に、リチウムイオン二次電池用負極に適した機械的強度(引張強さ)及び硬度を有する銅箔、それを用いたリチウムイオン二次電池用負極及びそれを用いたリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年リチウムイオン二次電池の負極活物質として炭素材料の理論容量を大きく超える充放電容量を持つ次世代の負極活物質の開発が進められている。例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)などリチウム(Li)と合金化可能な金属を含む材料が期待されている。
特に、SiやSnなどを活物質に用いる場合、これらの材料は、充放電時のLiの吸蔵・放出に伴う体積変化が大きいため、集電体と活物質との接着状態を良好に維持することが難しい。また、これらの材料はLiの挿入、脱離に伴う体積変化率が非常に大きく、充放電サイクルによって膨張、収縮を繰り返し、活物質粒子が微粉化したり、脱離したりするため、サイクル特性の劣化が非常に大きいという欠点がある。
このような欠点を解消する目的で、活物質と集電体の密着性を改善するためポリイミドバインダを用いる提案がなされている。しかし、ポリイミドバインダの硬化温度が300℃程度であるため、従来の電解銅箔を集電体として使用すると、電解銅箔は300℃程度の温度で焼鈍され、再結晶が進み軟化することから、活物質の体積膨張に耐えられず、破断する恐れがある。
そのため、300℃程度の加熱処理を行っても軟化が小さく、高い引張強さ等の機械的強度を有する電解銅箔が求められている。
以下、機械的強度とは、引張強さ等を指す。
例えば、特許文献1には、二次電池用負極集電体用に最適な銅箔として粗面粗さRzが2.0μm以下で均一に低粗度化された粗面を持ち、180℃における伸び率が10.0%以上である低粗面電解銅箔が記載されている。
そして、硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、ポリエチレンイミン又はその誘導体、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩及び塩素イオンを添加することで上記の電解銅箔が得られるとしている。
また、特許文献2には、電解銅箔の粗面粗さRzが2.5μm以下であり、電着完了時点から20分以内に測定した25℃における引張強さが820MPa以上であり、電着完了時点から20分以内に測定した25℃における引張強さに対する電着完了時点から300分経過時に測定した25℃における引張強さの低下率が10%以下である電解銅箔が記載されている。
そして、硫酸−硫酸銅水溶液を電解液として、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンイミン、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩、アセチレングリコール、及び塩素イオンを添加することで上記の電解銅箔が得られるとしている。
更に、特許文献3には、円柱状粒子および双晶境界がなく、10μmまでの平均粒子サイズを有する粒子構造を持つ電着銅箔であって、該粒子構造が実質的に一様でランダムに配向する粒子構造である、制御された低プロフィルの電着銅箔が記載されている。
この電着銅箔は、23℃における最大引張強さが87,000〜120,000psi(600MPa〜827MPa)の範囲にあり、180℃における最大引張強さが25,000〜35,000psi(172MPa〜241MPa)である、としている。
上記特許文献1〜3に開示されている従来の高強度電解銅箔は常態での機械的強度が大きく、180℃前後で加熱してもほとんど機械的強度は変化しない。しかし、このような箔を300℃程度で加熱すると焼鈍され、再結晶が進むため急速に軟化して機械的強度が低下する。
一方、例えば特許文献4及び5には、硫酸−硫酸銅電解液中にWを加え、さらにニカワと塩素イオンを加えた電解液で電解銅箔を製造する方法が記載され、その効果として180℃における熱間伸び率が3%以上であり、粗面の粗さが大きく、ピンホール発生の少ない銅箔が製造可能であると記載されている。
しかしながら、上記のWを加えて製造された銅箔は、常温(RT)での機械的強度(引張強さ)は高いが、300℃で1時間加熱処理すると機械的強度が保持できない。
この銅箔を分析した結果、電析銅中にWが共析していないことが判明した。
また、特許文献6には集電体の表面に塑性変形しやすい表層部を有する集電体が記載されている。この中で表層部のビッカース硬度は200以下、好ましくは160以下である事が望ましいと記載されている。
また、特許文献6においては、集電体の表面に塑性変形しやすい表層部を有する集電体と記載されているが実際には表面の塑性変形は十分ではなく、活物質の形状を限定する必要が生じる。特許文献6に於いては集電体の表層の粗度を大きくし尚且つ活物質層を柱状粒子状に形成させ、活物質間に空隙を持たせる事で上記課題を解決している。活物質間に空隙を持たせる事で電池容量が減少する事は勿論であるが、局所的に電流が流れる事で活物質及び集電体の一部に応力が集中し、サイクル特性が低下する問題が発生する。
非特許文献1にはビッカース硬度(HV)とナノインデンテーションによる硬度(HIT)の相関が示されており、HV=0.0945HITの関係にあると記載されている。
そこで、非特許文献1の相関から特許文献6のナノインデンターによる硬度を換算すると、2116mgf/μm以下、好ましくは1693mgf/μm以下の硬度が好ましいと述べていると言える。
上記の従来の銅箔を用いてリチウムイオン二次電池の負極集電体とした場合、銅箔の機械的強度(引張強さ)が低いと、リチウムイオン二次電池の電極形成工程におけるプレス加工時に皺が入りやすい不利益がある。
また、銅箔の機械的強度(引張強さ)が低いと、二次電池として充放電を繰り返すうちに皺が入りやすくなる不利益がある。
また、銅箔の硬度が高いと、例えば炭素系やSi系の負極活物質が銅箔に食い込みにくくなり、活物質と銅箔との密着性が低くなりやすく、電池の容量とサイクル特性が低下しやすいという不利益がある。
このため、プレス加工時と充放電時においても皺が入りにくく、かつ、Si系の負極活物質と銅箔との高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び硬度を有する、リチウムイオン二次電池の負極集電体に適した銅箔が求められている。
特許第4120806号公報 特許第4273309号公報 特許第3270637号公報 特許第3238278号公報 特開平9−67693号公報 特開2008−98157号公報
INTERNATIONAL STANDARD ISO14577‐1 金属材料−硬さの為のインデンテーション試験テストと材料パラメーター
本発明の目的は、プレス加工時及び充放電時においても皺や変形が入りにくく、かつ、負極活物質と銅箔との高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び表面硬度を有する銅箔、それを用いたサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することである。
本発明者は、鋭意研究の結果、プレス加工時及び充放電時においても皺が入りにくく、かつ、炭素系及びSi系の負極活物質と銅箔との高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び表面硬度を有する銅箔の開発に成功した。
本発明に係る銅箔は、常温で550MPa以上の引張強さを有する第1銅層と、前記第1銅層の少なくとも片方の面に前記第1銅層より硬度が低い第2銅層とを有する。
上記の本発明の銅箔は、好適には、前記第1銅層と前記第2銅層を合わせた銅箔全体の厚みが7〜12μmである。
上記の本発明の銅箔は、好適には、前記第2銅層の厚みが0.3〜3μmである。
上記の本発明の銅箔は、好適には、前記第1銅層の厚みが前記第2銅層の厚み以上である。
上記の本発明の銅箔は、好適には、前記第1銅層の常温におけるヤング率が75〜130GPaである。
上記の本発明の銅箔は、好適には、常温における引張強さが500MPa以上である。
上記の本発明の銅箔は、好適には、常温におけるヤング率が70〜120GPaである。
上記の本発明の銅箔は、好適には、前記銅箔の常温における表面硬度が180〜370mgf/μmである。
上記の本発明の銅箔は、好適には、300℃で1時間の熱処理後に常温で測定した引張強さが400MPa以上である。
上記の本発明の銅箔は、好適には、300℃で1時間の熱処理後に常温で測定したヤング率が65GPa以上である。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、上記いずれかに記載の銅箔を集電体とする負極である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極として上記に記載のリチウムイオン二次電池用負極が用いられている。
本発明の銅箔によれば、常温で550MPa以上の引張強さを有する第1銅層の少なくとも片方の面に第1銅層より硬度が低い第2銅層を備えた構成とすることにより、プレス加工時及び充放電時においても皺が入りにくく、かつ、炭素系及びSi系の負極活物質と銅箔との高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び表面硬度を有する銅箔を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極を構成する集電体として、プレス加工時及び充放電時においても皺が入りにくく、かつ、炭素系及びSi系の負極活物質と銅箔との高い密着性を保持する機械的強度(引張強さ)及び硬度を有する銅箔を使用するので、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記負極を用いることで、充放電特性に優れた電池を提供することができる。
以下、本発明に係る銅箔、それを用いたリチウムイオン二次電池用負極、並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
[銅箔の構成]
本実施形態に係る銅箔は、常温で550MPa以上の引張強さを有する第1銅層と、第1銅層の少なくとも片方の面に備えた第1銅層より硬度が低い第2銅層とを有する。
上記の第1銅層としては、例えば、電解銅箔(電解銅合金箔を含む、以下同様)あるいは圧延銅箔(圧延銅合金箔を含む、以下同様)を用いることができる。
上記の第2銅層は、例えば、第1銅層の表面に電解メッキなどの電解処理、スパッタリングあるいは化学気相成長などの無電解処理、張り合わせ(クラッド)等、いずれの方法でも形成することができる。
本実施形態の銅箔は、第1銅層は常温で550MPa以上の引張強さを有する銅層からなり、第2銅層は第1銅層より硬度が低い銅層からなっている。
上記の本実施形態の銅箔をリチウムイオン二次電池用負極の集電体として採用することで、該銅箔がプレス加工時及び充放電時においても皺が入りにくく、かつ、炭素系及びSi系の負極活物質と銅箔(集電体)との高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び硬度を両立することができる。
本実施形態の銅箔は表面が平滑な方が好ましく、Raは1.0μm以下、Rzは4.0μm以下が好ましい(JIS B 0601:1994)。銅箔の表面の凹凸が大きいと活物質の接触面積が減少する、若しくは凹凸の谷部に活物質が入り込む事が出来ずに活物質と銅箔との密着性が低下しやすく、サイクル特性が低下するためである。
本実施形態の銅箔において、第1銅層は、少なくともタングステン(W)、またはモリブデン(Mo)を含有する電解銅合金箔もしくは圧延銅合金箔からなることが好ましい。
少なくともタングステンまたはモリブデンを含有する銅箔を用いることで、常温での引張強さ550MPa以上を実現することができる。
なお、第1銅層としては前記タングステン、またはモリブデンを含有する電解銅合金箔に限定するものではなく、常温での引張強さが550MPa以上の電解銅箔であれば使用可能であることは勿論である。
本実施形態の銅箔において、リチウムイオン二次電池用の集電体として用いる場合は第1銅層と第2銅層を合わせた銅箔全体の厚みが7〜12μmであることが好ましい。
厚さが7μm未満では銅箔のハンドリング性が低くなり、12μmを超えるとエネルギー密度が低下してリチウムイオン二次電池用負極集電体に適さなくなる。但しプリント配線板やサスペンション材料等他の用途に用いる場合はこれ以外の箔厚で使用可能である。
本実施形態の銅箔において、第1銅層表面に備える第2銅層の片面あたりの厚さ(両面に第2銅層を備える場合は片面の厚さ)が0.3〜3μmであることが好ましい。
厚さが0.3μm未満では銅箔の表面の硬度が不適となる場合があり、また、3μmを超えても活物質との密着性向上効果は殆どないためである。このため、第1銅層の片面に備えた第2銅層の厚さは現実的には3μm以下で充分である。本発明の効果を最大限に得るためには、第2銅層の厚さは、第1銅層の厚さより薄いことが好ましい。
第1銅層の厚みが第2銅層の厚み以上であることで銅箔の機械的強度(引張強さ)と表面の硬度のバランスをとった構成とすることができる。
本実施形態の銅箔において、第1銅層の常温におけるヤング率が75〜130GPaであることが好ましい。ヤング率が75GPaより小さいと銅箔の破断強度(引張強さ)が高くても、低い応力で銅箔が変形し易く、集電体としたときにサイクル特性が低下し易いためである。また、ヤング率が130GPaより高い銅箔は、負極(集電体)としたとき、
充電時の活物質の膨張で加わる応力で集電体(銅箔)に破断が生じる可能性があり、上記範囲であることが好ましい。
なお、第1銅層の厚みが第2銅層の厚み以上である銅層のヤング率は第1銅層のヤング率が大きく寄与するため、第1銅層のヤング率を上記範囲とすることが望ましい。
本実施形態の第1銅層の厚みが第2銅層の厚み以上である銅箔において、銅箔の引張強さは常温で500MPa以上であることが好ましい。
また、本実施形態の銅箔において、銅箔のヤング率が常温において70〜120GPaであることが好ましい。
また、本実施形態の銅箔において、銅箔の表層の常温における硬度が180〜370mgf/μmであることが好ましい。
本実施形態の銅箔は上記機械的強度(引張強さ)及び硬度を有することで、該銅箔を集電体とした負極を形成する際のプレス加工時に皺が入り難く、二次電池の負極とした際の充放電時においても皺が入り難く、かつ、炭素系やSi系の負極活物質と銅箔(集電体)との間で高い密着性を保持できる。
本実施形態の銅箔は、300℃で1時間熱処理後に常温で測定した引張強さが400MPa以上であることが好ましい。
また、本実施形態の銅箔は、300℃で1時間熱処理後に常温で測定したヤング率が65GPa以上であることが好ましい。
銅箔のヤング率が上記65GPaよりも低い場合は充電時に活物質の膨張により生じる応力で銅箔に変形が生じ、負極が正極と短絡する恐れがあるためである。
上記の第1銅層と第2銅層の間に、局部電池や著しい抵抗増加などの不具合がなければ、他の金属層、酸化物層、あるいは有機物層などを適宜介在させる構成とすることができる。
また、第2銅層の表面に、他の金属層、酸化物層、あるいは有機物層などを適宜備えることも有効である。
本実施形態の銅箔の第1銅層は、例えば下記の銅メッキ浴基本組成及びメッキ条件において、後述の各種添加物を添加したメッキ浴を用いた電解メッキにより製造することができる。
第一銅箔製箔用銅メッキ浴基本組成及びメッキ条件
銅濃度:50〜100g/l
硫酸濃度:40〜100g/l
液温:40〜70℃
電流密度:35〜60A/dm
添加物(A)
上記の銅メッキ浴基本組成に対して、塩素、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)を添加する。
塩素(Cl):2ppm以下
W濃度:20〜300ppm
Mo濃度:10〜100ppm
上記のメッキ浴を用いた電解メッキにより、WまたはMoが銅箔中に含有され、機械的強度(引張強さ)の高い第1銅層となる第一銅箔を形成することができる。
なお、上記のWまたはMoの金属は、2種以上含有してもよい。また、その他の金属も必要に応じて適宜添加してもよい。
上記のWまたはMoの濃度は、それぞれ上記の上限を超えて添加してもよいが、上限を超える濃度にしても第一銅箔の機械的強度(引張強さ)の向上に対する影響は小さいので、製造コストを考慮すると上記を上限とすることが好ましい。
添加物(B)
上記の銅メッキ浴基本組成に対して、塩素(Cl)と、有機添加剤及び金属(W)を添加する。
Cl濃度:10〜60ppm
チオ尿素類:2〜20ppm
W濃度:10〜200ppm
チオ尿素類としては、例えばチオ尿素(TU)、エチレンチオ尿素(ETU)、テトラメチルチオ尿素(TMTU)を用いることができる。
上記のメッキ浴を用いた電解メッキにより、Wを含有する銅からなり、機械的強度(引張強さ)の高い第1銅層を形成することができる。
添加剤(C)
上記の銅メッキ浴基本組成に対して、塩素(Cl)と有機添加剤を添加する。
Cl濃度:10〜60ppm
チオ尿素類:2〜20ppm
HEC(ヒドロキシエチルセルロース):0〜20ppm
チオ尿素類としては、例えばチオ尿素(TU)、エチレンチオ尿素(ETU)、テトラメチルチオ尿素(TMTU)を用いることができる。さらに、膠を添加してもよい。
上記のメッキ浴を用いた電解メッキにより、Cuからなり、機械的強度(引張強さ)の高い第一銅箔(第1銅層)を形成することができる。
また、本実施形態に係る銅箔の第1銅層として、例えば圧延銅箔を用いてもよい。
圧延銅箔は、例えば、Cuに対して、Zrを0.03%含有する銅箔を用いることができる。
第1銅層としては、上記以外の方法で製造されたものであっても、引張強さが常温で550MPa以上の銅箔であれば適宜用いることができる。
本実施形態に係る銅箔の第2銅層は、例えば下記の銅メッキ浴基本組成及びメッキ条件の電解処理により第1銅層の少なくとも片面に形成することができる。
第二銅箔製箔用銅メッキ浴組成及びメッキ条件
銅濃度:50〜100g/l
硫酸濃度:40〜100g/l
液温:40〜70℃
電流密度:35〜60A/dm
また、第1銅層の少なくとも片面に形成する第2銅層は、例えば、スパッタリングあるいは化学気相成長などの無電解処理、あるいは、張り合わせ(クラッド)等により備えることも可能である。
本実施形態の銅箔の厚さは、リチウムイオン二次電池の集電体用であれば、第1銅層と第2銅層を合わせた銅箔全体で7〜12μmであり、第2銅層の厚みが0.3〜3μmであり、第1銅層の厚みが第2銅層の厚み以上であることが好ましい。しかし、プリント配線板やサスペンション等の用途に用いる場合はこの限りではない。
第1銅層の常温での引張強さが550MPa以上で、第2銅層の硬度が第1銅層の硬度より低くなる構成とすることで、銅箔を負極として加工する際のプレス加工時と電池とした時の充放電時においても皺が入りにくく、かつ、炭素系及びSi系の負極活物質と銅箔との間で高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び硬さを両立した銅箔とすることができ、このような銅箔は前記製造方法で製造することができる。
Si系活物質を塗布した負極は、充放電によって活物質の体積が3倍以上に変化する。この大きな変化に対し、W含有銅箔あるいはMo含有銅箔を用いた場合、引張強さは高いが、伸びが小さいという不利益がある。
このため、リチウムイオン二次電池に組み込まれる負極、即ち、活物質を塗布した後加熱加圧された集電体に対しては、引張強さが400MPa以上、活物質の体積変化に追随できるよう、0.2%耐力が340MPa以上でヤング率が65GPa以上であることが望ましい。
ところで、引張強さが650MPa以上の銅箔は一般に脆い性質を有する。
本発明者らは、例えば、引張強さが常温で550MPa以上の第1銅層と、その少なくとも片方の面に第2銅層を0.3〜3μmの厚みで形成し、表面の硬度を180〜370mgf/μmとすることで、銅箔の脆さを克服でき、炭素系及びSi系活物質を用いたリチウムイオン二次電池の負極集電体に適した銅箔を作成することができる、との知見を得た。
これは、第2銅層を第1銅層の硬度より低い硬さとし、厚さを0.3〜3μmとすることにより、該第2銅層表面に塗布され、300℃で1時間加圧加熱処理されるSi系などの活物質を、第2銅層の表面に食い込ませることができ、さらに、第1銅層の硬度が高くても、それより硬度が低い第2銅層がSi系などの活物質の体積変化に追随することができるからである、と考えられる。
本実施形態の銅箔では、リチウムイオン二次電池の負極とするためにプレス加工する際に、活物質と接触する銅箔表面(第2銅層表面)の硬度が低いので、銅箔表面が加工圧力により活物質の形状に沿って変形し、活物質と銅箔の密着性を高め、接触面積を増加するので導電率の高い負極とすることができる。
第1銅層として圧延銅箔を用いる場合、圧延銅箔の表面を硬化する加工を行い、上記のように第2銅層を備えることで表面の常温における硬度が180〜370mgf/μmの銅箔を作成することができ、上記と同様の効果を得ることができる。
<第2実施形態>
本実施形態は、リチウムイオン二次電池に係る。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極は、負極集電体として第1実施形態の銅箔を用いる。
また、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、上記銅箔を負極集電体とした負極をリチウムイオン二次電池用負極とする。
上記の本実施形態によれば、負極を構成する銅箔が、プレス加工時と充放電時においても皺が入りにくく、かつ、Si系などの負極活物質と銅箔との高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び硬さを有することから、特に充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、本件発明に係る銅箔の特性について実施例で更に詳細に説明する。
1.第1銅層の作製
・実施例1〜23
表1に示す組成の銅メッキ浴を用いて、上記の添加物(A)を添加する方法により、実施例1〜9に係る第1銅層を作製した。
また、表1に示す組成の銅メッキ浴を用いて、上記の添加物(B)を添加する方法により、実施例10〜17に係る第1銅層を作製した。
また、表1に示す組成の銅メッキ浴を用いて、上記の添加物(C)を添加する方法により、実施例18〜22に係る第1銅層を作製した。
また、第1銅層として表1に示す圧延銅箔を用いた実施例を実施例23とした。
上記各実施例の常温における引張強さ(MPa)、ヤング率(GPa)、硬度(ナノインデンター硬度、mgf/μm)並びにその標準偏差(σ)を表1にまとめて示す。
上記の実施例1〜23をリチウムイオン二次電池の負極集電体の第1銅層として用いる場合の電極番号を表1に示すようにA〜Wとした。
・比較例1〜10の形成
上記の表に示す添加物(A)を添加する方法により、比較例1〜3に係る第1銅層を作製した。
また、表に示す添加物(B)を添加する方法により、比較例4〜7に係る第1銅層を作製した。
また、表に示す添加物(C)を添加する方法により、比較例8及び9に係る第1銅層を作製した。
また、第1銅層として圧延銅箔(TPC:タフピッチ銅)を用いた例を比較例10とした。
上記各比較例の引張強さ(MPa)、ヤング率(GPa)、硬度(ナノインデンター硬度、mgf/μm)並びにその標準偏差(σ)を表1にまとめて示す。
上記の比較例1〜10をリチウムイオン二次電池の負極集電体の第1銅層として用いる場合の電極番号を表1に示すようにa〜jとした。
Figure 2014112619
表1に示すように、実施例1〜23では、第一銅箔の常温での引張強さが550MPa以上であったが、比較例1〜10では引張強さが550MPa未満であった。
2.第二銅箔(第2銅層)の形成及びリチウムイオン二次電池の組立
・実施例24〜34
実施例1〜23から選択した第一銅箔の表面に、以下に示す組成の第二銅箔製箔用銅メッキ浴及びメッキ条件による電解メッキで、或いは無電解メッキ、クラッド法により第2銅層を形成して実施例24〜34とし、機械特性等を測定するとともに該銅箔を負極とするリチウムイオン二次電池を組立て、電池特性を測定した。
第1銅層の厚み(μm)及び第2銅層の厚み(μm)を表2に示す。
第二銅箔を電解メッキで形成する場合の銅メッキ浴組成及びメッキ条件
銅濃度:50〜100g/l
硫酸濃度:40〜100g/l
液温:40〜70℃
電流密度:35〜60A/dm
第二銅箔を無電解メッキで形成する場合は、奥野製薬工業株式会社製のめっき液 OPC−700を用いて所定の箔厚になるまでメッキした。
第二銅箔をクラッド法で形成(積層)する場合は、一般的な圧延法を用い、脱脂・酸化皮膜を除去した後、クラッド圧延を用いた。
上記各実施例の機械特性として、常温(RT)での表面粗度(Rz、Ra)、引張強さ(MPa)及び0.2%耐力(MPa)、ヤング率(GPa)、及び硬度(ナノインデンター硬度、mgf/μm)並びにその標準偏差(σ)を表2にまとめて示す。なお、硬度は押し込み深さ1μmでサンプル数n=30を測定し、その平均値及び標準偏差を用いた。
また、各実施例の300℃1時間の熱処理後に常温で測定した引張強さ(MPa)及び0.2%耐力(MPa)、ヤング率(GPa)及び硬度(ナノインデンター硬度、mgf/μm)並びにその標準偏差(σ)を表2にまとめて示す。
ここで、
・ナノインデンター硬度は、エリオニクス社製の超微小押し込み硬度試験機ENT−2100を用いて測定し、・ヤング率は島津製作所製AUTOGRAPH AG−IS (500N)を用いて標点間距離50mm、引張速度10mm/分で常温にて測定した。
・引張強さ及び0.2%耐力はIPC−TM−650に基づき測定を実施し、表面粗度はJIS B 0601:1994に準拠して測定した。
金属材料の硬度測定には一般にビッカース硬度を用いることが多いが、ビッカース硬度はJIS Z2244に記載されている様に試料の最小厚さがくぼみの対角線の1.5倍以上と定められており、本発明の様な薄い銅箔の測定には箔が破けてしまうため適さない。また、正四角錘の圧子を押し込んで凹み量を測定するため、本発明の様に二層構造の銅箔は第一層(中心材)の強度の影響を受けてしまい銅箔の表面硬度・硬さを測定するのは困難なためナノインデンターを用いて測定を行った。
実施例24〜34について、線圧500kg/cm、130〜150℃のプレス条件のロールプレスでの活物質密着性と、箔の変形を調べた。本実施例において活物質は集電体の片側部に連続的に塗工した。この場合、活物質の塗工部にはプレス時に圧力がかかり、未塗工部にはプレス時に圧力がかからないため塗工部の厚みが薄くなり変形が生じる。実施例24〜34はいずれも、活物質密着性が良好であり、箔の変形も見られなかった。
なお、活物質の密着性の評価は90度の剥離試験で行い、活物質層内部で凝集破壊しているものを○、活物質層の一部が集電体の表面に残っているものを△、完全に界面で剥離しているものを×とした。また、プレス後の箔の変形は未塗工部1mに対し塗工部の変形が1mm(0.1%)未満のものを○、3mm(0.3%)未満のものを△、3mm(0.3%)以上のものを×として評価し、評価結果を表2に示した。
・比較例11〜14
実施例24〜34と同じ電解メッキあるいは無電解メッキにより、実施例1〜23または比較例1〜10から選択した第一銅箔(第1銅層)に、表2に示す条件で第2銅層を形成し、銅箔を作製して比較例11〜14とした。ここで、比較例11は第2銅層を形成していない。各比較例について、機械特性等を測定するとともに該銅箔を負極とするリチウムイオン二次電池を組立て、電池特性を測定した。
第1銅層の厚み(μm)、第2銅層の厚みを表2に示す。
上記各比較例の機械特性として、常温(RT)での表面粗度(Rz、Ra)、引張強さ(MPa)及び0.2%耐力(MPa)、ヤング率(GPa)、及び硬度(ナノインデンター硬度、mgf/μm)並びにその標準偏差(σ)を表2にまとめて示す。なお、硬度は押し込み深さ1μmでサンプル数n=30を測定し、その平均値及び標準偏差を用いた。
また、各比較例の300℃1時間の熱処理後に常温で測定した引張強さ(MPa)及び0.2%耐力(MPa)、ヤング率(GPa)及び硬度(ナノインデンター硬度、mgf/μm)並びにその標準偏差(σ)を表2にまとめて示す。
比較例11〜14について、線圧500kg/cm、130〜150℃のプレス条件のロールプレスでの活物質密着性と、箔の変形を調べた。比較例11〜14はいずれも、活物質密着性と箔の変形のいずれかに不良が見られた(表2で×と表示)。
また、Si−C系の活物質を用いた際の充放電時の容量維持率についても表2に合わせて示す。
本試験では2500mAh/gとなる様に配合したSiとCのハイブリッド活物質を用いて0.2Cの充放電レートで50サイクル充放電時の容量維持率を確認した。なお、電極はバインダとして日立化成製のポリイミドバインダを用い、300℃の焼成を行い作成した。50サイクル後の容量維持率が70%以上あれば実用可能であるがより好ましくは80%以上である。
Figure 2014112619

表2に示すように、実施例24〜33の第1銅層と第2銅層を有する銅箔の全体の引張強さが常温で500MPa以上であった。
また、実施例24〜33の第1銅層と第2銅層を有する銅箔の全体のヤング率が常温で70〜120GPaであった。
また、実施例24〜34の第1銅層と第2銅層を有する銅箔の第2銅層の表面のナノインデンター硬度が180〜370mgf/μmであった。
また、実施例24〜34の第1銅層と第2銅層を有する銅箔の全体の引張強さが300℃で1時間の熱処理後に常温で測定した値で400MPa以上であった。
また、実施例24〜34の第1銅層と第2銅層を有する銅箔の全体のヤング率が300℃で1時間の熱処理後に常温で測定した値で65GPa以上であった。
また、表2に示すように、実施例24〜34の試料は50サイクル後の容量維持率が80%以上または70%以上の評価が得られた。
上述したように、実施例24〜34は活物質との密着性が良好であり、活物質装着時に皺が発生せず、電池特性も良好な銅箔であった。
上記実施例24〜34との比較
比較例11は、第2銅層を有さない試料であり、表面の硬度(ナノインデンター硬度)が硬かったために、活物質との密着性が劣り、充放電特性を満足することができなかった。
比較例12〜14は、常温での引張強さとヤング率が低く、300℃で1時間の熱処理後も引張強さとヤング率が低く、活物質装着時に箔に皺が入り充放電特性を満足することができなかった。
また、表2に示すように、50サイクル後の容量維持率は、比較例11〜14の全てで70%未満の評価であった。
上述したように本実施例によれば、活物質密着性が良好であり、箔の変形も見られないことから、プレス加工時と充放電においても皺が入りにくく、かつ、Si系の負極活物質と銅箔との高い密着性を保持でき、機械的強度(引張強さ)及び硬さを有する銅箔を提供することができる。
本発明の目的は、プレス加工時及び充放電時においても皺や変形が入りにくく、かつ、負極活物質と銅箔との高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び表面硬度を有する電解銅箔、それを用いたサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することである。
本発明者は、鋭意研究の結果、プレス加工時及び充放電時においても皺が入りにくく、かつ、炭素系及びSi系の負極活物質と銅箔との高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び表面硬度を有する電解銅箔の開発に成功した。
本発明に係る電解銅箔は、常温で550MPa以上の引張強さを有する第1銅層と、前記第1銅層の少なくとも片方の面に前記第1銅層より硬度が低い第2銅層とを有する。
上記の本発明の電解銅箔は、好適には、前記第1銅層と前記第2銅層を合わせた銅箔全体の厚みが7〜12μmである。
上記の本発明の電解銅箔は、好適には、前記第2銅層の厚みが0.3〜3μmである。
上記の本発明の電解銅箔は、好適には、前記第1銅層の厚みが前記第2銅層の厚み以上である。
上記の本発明の電解銅箔は、好適には、前記第1銅層の常温におけるヤング率が75〜130GPaである。
上記の本発明の電解銅箔は、好適には、常温における引張強さが500MPa以上である。
上記の本発明の電解銅箔は、好適には、常温におけるヤング率が70〜120GPaである。
上記の本発明の電解銅箔は、好適には、前記銅箔の常温における表面硬度が180〜370mgf/μm2である。
上記の本発明の電解銅箔は、好適には、300℃で1時間の熱処理後に常温で測定した引張強さが400MPa以上である。
上記の本発明の電解銅箔は、好適には、300℃で1時間の熱処理後に常温で測定したヤング率が65GPa以上である。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、上記いずれかに記載の電解銅箔を集電体とする負極である。
本発明の電解銅箔によれば、常温で550MPa以上の引張強さを有する第1銅層の少なくとも片方の面に第1銅層より硬度が低い第2銅層を備えた構成とすることにより、プレス加工時及び充放電時においても皺が入りにくく、かつ、炭素系及びSi系の負極活物質と銅箔との高い密着性を保持できる機械的強度(引張強さ)及び表面硬度を有する電解銅箔を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極を構成する集電体として、プレス加工時及び充放電時においても皺が入りにくく、かつ、炭素系及びSi系の負極活物質と電解銅箔との高い密着性を保持する機械的強度(引張強さ)及び硬度を有する電解銅箔を使用するので、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極を提供することができる。
本発明によれば、常温での引張強さが550MPa以上である第1銅層と、前記第1銅層の少なくとも片方の面に備えた前記第1銅層より硬度が低い製箔銅層とを有するリチウムイオン二次電池用負極に用いる電解銅箔が提供される。
好ましくは、前記第1銅層と前記製箔銅層を合わせた銅箔全体の厚みが7〜12μmである。
また好ましくは、前記製箔銅層の厚みが0.3〜3μmである。
また好ましくは、前記第1銅層の厚みが前記製箔銅層の厚み以上である。

Claims (12)

  1. 常温での引張強さが550MPa以上である第1銅層と、前記第1銅層の少なくとも片方の面に備えた前記第1銅層より硬度が低い第2銅層とを有する銅箔。
  2. 前記第1銅層と前記第2銅層を合わせた銅箔全体の厚みが7〜12μmである請求項1に記載の銅箔。
  3. 前記第2銅層の厚みが0.3〜3μmである請求項1または2に記載の銅箔。
  4. 前記第1銅層の厚みが前記第2銅層の厚み以上である請求項1〜3のいずれかに記載の銅箔。
  5. 前記第1銅層の常温でのヤング率が75〜130GPaである請求項1〜4のいずれかに記載の銅箔。
  6. 常温での引張強さが500MPa以上である請求項1〜5のいずれかに記載の銅箔。
  7. 常温でのヤング率が70〜120GPaである請求項1〜6のいずれかに記載の銅箔。
  8. 常温での表面の硬度が180〜370mgf/μmである請求項1〜7のいずれかに記載の銅箔。
  9. 銅箔の300℃で1時間熱処理後に常温で測定した引張強さが400MPa以上である請求項1〜8のいずれかに記載の銅箔。
  10. 銅箔の300℃で1時間熱処理後に常温で測定したヤング率が65GPa以上である請求項1〜9のいずれかに記載の銅箔。
  11. 負極集電体が請求項1〜10のいずれかに記載の銅箔であるリチウムイオン二次電池用負極。
  12. 負極が請求項11に記載のリチウムイオン二次電池用負極であるリチウムイオン二次電池。
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