JPH0967693A - 電解銅箔の製造方法 - Google Patents
電解銅箔の製造方法Info
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- JPH0967693A JPH0967693A JP7242396A JP24239695A JPH0967693A JP H0967693 A JPH0967693 A JP H0967693A JP 7242396 A JP7242396 A JP 7242396A JP 24239695 A JP24239695 A JP 24239695A JP H0967693 A JPH0967693 A JP H0967693A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 180℃における熱間伸び率が3%以上でか
つマット面の表面粗さの大きい電解銅箔の製造方法の開
発。 【解決手段】 硫酸酸性硫酸銅溶液、随意的にニカワ:
10mg/l以下及び塩化物イオン:20〜100mg
/lを含む硫酸酸性硫酸銅溶液を電解液として使用して
電解銅箔を製造する方法において、電解に脈動率が5%
以上であるリップルを有する直流電流を用い、かつタン
グステン若しくはタングステン化合物をタングステンと
して0.1μg/l以上、好ましくは0.1μg/l〜
20mg/l含有する電解液を用いる。
つマット面の表面粗さの大きい電解銅箔の製造方法の開
発。 【解決手段】 硫酸酸性硫酸銅溶液、随意的にニカワ:
10mg/l以下及び塩化物イオン:20〜100mg
/lを含む硫酸酸性硫酸銅溶液を電解液として使用して
電解銅箔を製造する方法において、電解に脈動率が5%
以上であるリップルを有する直流電流を用い、かつタン
グステン若しくはタングステン化合物をタングステンと
して0.1μg/l以上、好ましくは0.1μg/l〜
20mg/l含有する電解液を用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解銅箔の製造方法
に係わり、特にマット面の表面粗さを容易に制御でき、
かつ180℃における熱間伸び率が3%以上の電解銅箔
の製造方法に関する。熱間伸び率が高い銅箔は高高温伸
び銅箔とも呼ばれる。
に係わり、特にマット面の表面粗さを容易に制御でき、
かつ180℃における熱間伸び率が3%以上の電解銅箔
の製造方法に関する。熱間伸び率が高い銅箔は高高温伸
び銅箔とも呼ばれる。
【0002】
【従来の技術】銅及び銅合金箔(以下、銅箔と称する)
は電器・電子関連産業の発展に大きく寄与しており、特
に印刷回路材として不可欠の存在となっている。銅箔に
は電解銅箔と圧延銅箔があるが、プリント配線板用とし
て使用される銅箔は、その接着強度等の観点から、大部
分が電解銅箔である。
は電器・電子関連産業の発展に大きく寄与しており、特
に印刷回路材として不可欠の存在となっている。銅箔に
は電解銅箔と圧延銅箔があるが、プリント配線板用とし
て使用される銅箔は、その接着強度等の観点から、大部
分が電解銅箔である。
【0003】電解銅箔は電気銅乃至それと同等の純度を
有する電線スクラップを原料として銅イオンを含む電解
液、一般に硫酸酸性硫酸銅溶液を調製し、図6に示すよ
うに電解液中に浸漬されるカソードとしての、回転する
円筒状の陰極11と該陰極に沿って円弧状に配置された
陽極12との間に電解液を流して電解を行い、該陰極上
に銅を電着させた後、電着物を該陰極から剥離させるこ
とにより生箔を製造することを基本とする。整流器13
が陰極と陽極との間に所定の直流電流を流している。そ
の後、印刷回路用銅箔に対する品質要求に応じて、樹脂
基材と接着されるマット面(接着面)と光沢面(非接着
面)とでそれぞれに多くの表面処理がなされる。通常の
電解銅箔では、例えばマット面では、銅のふしこぶ状の
電着を行う粗化処理、電着粒子の脱落を防止するための
かぶせ層を形成する薄い銅めっき処理及び必要に応じ金
属乃至合金層を形成するトリート処理、更に防錆処理が
行われる。
有する電線スクラップを原料として銅イオンを含む電解
液、一般に硫酸酸性硫酸銅溶液を調製し、図6に示すよ
うに電解液中に浸漬されるカソードとしての、回転する
円筒状の陰極11と該陰極に沿って円弧状に配置された
陽極12との間に電解液を流して電解を行い、該陰極上
に銅を電着させた後、電着物を該陰極から剥離させるこ
とにより生箔を製造することを基本とする。整流器13
が陰極と陽極との間に所定の直流電流を流している。そ
の後、印刷回路用銅箔に対する品質要求に応じて、樹脂
基材と接着されるマット面(接着面)と光沢面(非接着
面)とでそれぞれに多くの表面処理がなされる。通常の
電解銅箔では、例えばマット面では、銅のふしこぶ状の
電着を行う粗化処理、電着粒子の脱落を防止するための
かぶせ層を形成する薄い銅めっき処理及び必要に応じ金
属乃至合金層を形成するトリート処理、更に防錆処理が
行われる。
【0004】このようにして得られた印刷回路用銅箔は
一般に、樹脂基材に高温高圧下で積層、接着され、その
後エッチング処理等を経て目的とする回路が形成され
る。その後種々の電気素子が組み付けられて、最終的に
プリント基板が形成される。
一般に、樹脂基材に高温高圧下で積層、接着され、その
後エッチング処理等を経て目的とする回路が形成され
る。その後種々の電気素子が組み付けられて、最終的に
プリント基板が形成される。
【0005】銅張積層板の製造方法としては、ホットプ
レス法や近時では連続法が採用されている。例えば、ホ
ットプレス法による紙基材フェノール樹脂銅張積層板の
製造を例にとると、紙基材へのフェノール樹脂の含浸及
び乾燥を行ってプリプレグを製造し、最後に、所定数量
のプリプレグと銅箔とを組み合わせ、多段式プレス機に
より熱圧成形を行い、解板、耳切りを行い、次工程へと
送られる。連続法の場合、片面銅張積層板及び両面銅張
積層板が製造されている。例えば、紙基材ポリエステル
樹脂銅張積層板の場合、複数個のロール状原紙から原紙
が繰り出され、それぞれ個別に紙処理、樹脂含浸工程を
経て、複数枚の樹脂含浸紙はロール対によって積層され
る。次いで接着剤塗布工程を経た銅箔、片面の場合は銅
箔とキャリアがラミネートされる。この積層およびラミ
ネート工程で製品厚みを制御する。次に硬化炉へ送り込
まれ、樹脂の硬化反応が起こり、硬化する。硬化後定尺
切断、アフターキュアおよび端面の研摩工程を経て、さ
らに外観検査、特性検査を実施し製品となる。片面と両
面の相違点は、片面の場合には、下方よりキャリアフィ
ルムを繰り出し、樹脂硬化後このキャリアを引き剥し、
巻取るのに対し、両面の場合には下方からも接着剤塗布
工程を経た銅箔を繰り出す点であり、他の工程は、片面
も両面も同等である。その他、ガラス−エポキシ樹脂基
板等に関しても同様の工程で製造される。更に、多層プ
リント配線板を製造する場合には、片面及び/又は両面
に銅箔等で回路を形成した内層用の回路板にプリプレグ
を介して外層用回路板もしくは銅箔を重ね、これを積層
形成して内層用の回路板と外層用の回路板もしくは銅箔
とを樹脂含浸基材による絶縁接着層を介して積層するこ
とにより製造するのが一般的である。
レス法や近時では連続法が採用されている。例えば、ホ
ットプレス法による紙基材フェノール樹脂銅張積層板の
製造を例にとると、紙基材へのフェノール樹脂の含浸及
び乾燥を行ってプリプレグを製造し、最後に、所定数量
のプリプレグと銅箔とを組み合わせ、多段式プレス機に
より熱圧成形を行い、解板、耳切りを行い、次工程へと
送られる。連続法の場合、片面銅張積層板及び両面銅張
積層板が製造されている。例えば、紙基材ポリエステル
樹脂銅張積層板の場合、複数個のロール状原紙から原紙
が繰り出され、それぞれ個別に紙処理、樹脂含浸工程を
経て、複数枚の樹脂含浸紙はロール対によって積層され
る。次いで接着剤塗布工程を経た銅箔、片面の場合は銅
箔とキャリアがラミネートされる。この積層およびラミ
ネート工程で製品厚みを制御する。次に硬化炉へ送り込
まれ、樹脂の硬化反応が起こり、硬化する。硬化後定尺
切断、アフターキュアおよび端面の研摩工程を経て、さ
らに外観検査、特性検査を実施し製品となる。片面と両
面の相違点は、片面の場合には、下方よりキャリアフィ
ルムを繰り出し、樹脂硬化後このキャリアを引き剥し、
巻取るのに対し、両面の場合には下方からも接着剤塗布
工程を経た銅箔を繰り出す点であり、他の工程は、片面
も両面も同等である。その他、ガラス−エポキシ樹脂基
板等に関しても同様の工程で製造される。更に、多層プ
リント配線板を製造する場合には、片面及び/又は両面
に銅箔等で回路を形成した内層用の回路板にプリプレグ
を介して外層用回路板もしくは銅箔を重ね、これを積層
形成して内層用の回路板と外層用の回路板もしくは銅箔
とを樹脂含浸基材による絶縁接着層を介して積層するこ
とにより製造するのが一般的である。
【0006】マット面(接着面)と樹脂基材の接着力
は、マット面の凹凸によるアンカー効果に起因してい
る。従って接着強度を向上させるためには、マット面の
表面粗さを大きくする必要がある。
は、マット面の凹凸によるアンカー効果に起因してい
る。従って接着強度を向上させるためには、マット面の
表面粗さを大きくする必要がある。
【0007】一方、電解法によって製造される印刷回路
用銅箔は、マット面の表面粗さの制御を、主に電解液中
に加える有機添加剤によって行っていた。例えば、ニカ
ワを多量に添加した条件で電解銅箔を製造すれば、銅箔
粗面の粗さも大きくなり、樹脂基板と銅箔との接着性も
良好であることが知られている。しかしこの制御方法を
用いて、マット面の表面粗さを大きくすると、180℃
における熱間伸び率が3%未満と低くなり、そのため積
層板との熱圧着時に銅箔の伸びが積層板の伸びに追随で
きないため銅箔に亀裂が入るあるいは銅張積層板に反
り、ねじれが発生する等の欠点があった。特に、長尺の
金属箔を用いて連続的に製造された金属箔張り積層板で
は、その製造時に金属箔を常に引張りながら積層一体化
するため、伸び率が小さいと緩和しろが少ないため一層
著しい反りやねじれ現象を起こさせる。また、両面金属
箔張り積層板の場合、片面の金属箔のみを除去すると、
絶縁層の歪みのために反り、ねじれが大きくなる。
用銅箔は、マット面の表面粗さの制御を、主に電解液中
に加える有機添加剤によって行っていた。例えば、ニカ
ワを多量に添加した条件で電解銅箔を製造すれば、銅箔
粗面の粗さも大きくなり、樹脂基板と銅箔との接着性も
良好であることが知られている。しかしこの制御方法を
用いて、マット面の表面粗さを大きくすると、180℃
における熱間伸び率が3%未満と低くなり、そのため積
層板との熱圧着時に銅箔の伸びが積層板の伸びに追随で
きないため銅箔に亀裂が入るあるいは銅張積層板に反
り、ねじれが発生する等の欠点があった。特に、長尺の
金属箔を用いて連続的に製造された金属箔張り積層板で
は、その製造時に金属箔を常に引張りながら積層一体化
するため、伸び率が小さいと緩和しろが少ないため一層
著しい反りやねじれ現象を起こさせる。また、両面金属
箔張り積層板の場合、片面の金属箔のみを除去すると、
絶縁層の歪みのために反り、ねじれが大きくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、電算機を始めと
する電子工業の分野において、装置の小型化、軽量化が
進んでおり、このため回路の高密度化、多層化が図られ
ている。高密度化、多層化に適するプリント回路を得る
ために、銅箔に要求される特性は幾つかあるが、特に、
基体に確実に接着しそして180℃における熱間時の伸
び率が3%以上であることが重要である。
する電子工業の分野において、装置の小型化、軽量化が
進んでおり、このため回路の高密度化、多層化が図られ
ている。高密度化、多層化に適するプリント回路を得る
ために、銅箔に要求される特性は幾つかあるが、特に、
基体に確実に接着しそして180℃における熱間時の伸
び率が3%以上であることが重要である。
【0009】本発明の課題は、従来技術における上記の
欠点を解消して180℃における熱間伸び率が3%以上
でかつマット面の表面粗さの大きい電解銅箔の製造方法
を開発することにある。なお、本発明において、「表面
粗さの大きい」とは、Raが1.0μm以上を云う(J
IS BO 601に基づき測定)。
欠点を解消して180℃における熱間伸び率が3%以上
でかつマット面の表面粗さの大きい電解銅箔の製造方法
を開発することにある。なお、本発明において、「表面
粗さの大きい」とは、Raが1.0μm以上を云う(J
IS BO 601に基づき測定)。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した通り、工業的に
多く使用されている電解銅箔製造のための硫酸酸性硫酸
銅溶液の多くにはカソードである回転ドラム表面を保護
するために或いは製品のピンホール等の欠陥の発生を防
止するためにニカワを多量に添加しまたその他の目的で
塩素イオンその他の各種有機添加剤を添加しているのが
実情である。こうした中で、本発明者は、上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、電解電流として脈動率
が特定値以上であるリップルを有する直流を用いかつタ
ングステン若しくはタングステン化合物をタングステン
として特定量含有する電解液を用いることにより180
℃における熱間伸び率が3%以上で銅箔マット面の表面
粗さが大きい電解銅箔を製造できることを見いだした。
リップルとは、交流電源から整流して得られた直流電源
の出力に含まれる電圧又は電流の電源交流に同期した脈
流成分を云う。脈動率とは、リップル電流の波形におい
て平均電流値(i2)に対するリップル電流値(i1 )
の比(=i1 /i2 )で定義される。
多く使用されている電解銅箔製造のための硫酸酸性硫酸
銅溶液の多くにはカソードである回転ドラム表面を保護
するために或いは製品のピンホール等の欠陥の発生を防
止するためにニカワを多量に添加しまたその他の目的で
塩素イオンその他の各種有機添加剤を添加しているのが
実情である。こうした中で、本発明者は、上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、電解電流として脈動率
が特定値以上であるリップルを有する直流を用いかつタ
ングステン若しくはタングステン化合物をタングステン
として特定量含有する電解液を用いることにより180
℃における熱間伸び率が3%以上で銅箔マット面の表面
粗さが大きい電解銅箔を製造できることを見いだした。
リップルとは、交流電源から整流して得られた直流電源
の出力に含まれる電圧又は電流の電源交流に同期した脈
流成分を云う。脈動率とは、リップル電流の波形におい
て平均電流値(i2)に対するリップル電流値(i1 )
の比(=i1 /i2 )で定義される。
【0011】すなわち、本発明は、回転する円筒状の陰
極と該陰極に沿って円弧状に配置された陽極との間に硫
酸酸性硫酸銅溶液、随意的にニカワ:10mg/l以下
及び塩化物イオン:20〜100mg/lを含む硫酸酸
性硫酸銅溶液を電解液として流して電解を行い、該陰極
上に銅を電着させた後、電着物を該陰極から剥離させる
ことにより電解銅箔を製造する方法において、電解に脈
動率が5%以上であるリップルを有する直流電流を用
い、かつタングステン若しくはタングステン化合物をタ
ングステンとして0.1μg/l以上、好ましくは0.
1μg/l〜20mg/l含有する電解液を用いること
を特徴とする電解銅箔の製造方法を提供する。
極と該陰極に沿って円弧状に配置された陽極との間に硫
酸酸性硫酸銅溶液、随意的にニカワ:10mg/l以下
及び塩化物イオン:20〜100mg/lを含む硫酸酸
性硫酸銅溶液を電解液として流して電解を行い、該陰極
上に銅を電着させた後、電着物を該陰極から剥離させる
ことにより電解銅箔を製造する方法において、電解に脈
動率が5%以上であるリップルを有する直流電流を用
い、かつタングステン若しくはタングステン化合物をタ
ングステンとして0.1μg/l以上、好ましくは0.
1μg/l〜20mg/l含有する電解液を用いること
を特徴とする電解銅箔の製造方法を提供する。
【0012】タングステン若しくはタングステン化合物
は、タングステン金属、タングステン酸塩、タングステ
ン−銅合金から選ばれる1つ以上の形態で電解液中に添
加される。電解液に沈殿防止剤として亜リン酸、リン
酸、ピロリン酸、ポリリン酸、亜ヒ酸、ヒ酸、メタバナ
ジン酸から選ばれる1種以上の酸或いは塩の形態の化合
物を更に添加することができる。
は、タングステン金属、タングステン酸塩、タングステ
ン−銅合金から選ばれる1つ以上の形態で電解液中に添
加される。電解液に沈殿防止剤として亜リン酸、リン
酸、ピロリン酸、ポリリン酸、亜ヒ酸、ヒ酸、メタバナ
ジン酸から選ばれる1種以上の酸或いは塩の形態の化合
物を更に添加することができる。
【0013】脈動率の制御は、サイリスタ位相制御方式
による直流電源においてトランスの2次電圧を変化させ
ることによって若しくは脈動率の制御を脈動率を小さく
した整流出力と脈動率を大きくした整流出力との比を変
化させて混合することによって行うことができる。
による直流電源においてトランスの2次電圧を変化させ
ることによって若しくは脈動率の制御を脈動率を小さく
した整流出力と脈動率を大きくした整流出力との比を変
化させて混合することによって行うことができる。
【0014】ところで、電気めっきの分野では電解電流
にパルス電流を用いることによりめっきの表面粗さが低
下することが知られているが、表面粗さを増加させるこ
とは出来なかった。
にパルス電流を用いることによりめっきの表面粗さが低
下することが知られているが、表面粗さを増加させるこ
とは出来なかった。
【0015】本発明は、電解電流として脈動率が5%
以上であるリップルを有する直流電流を用い、かつタ
ングステンを0.1μg/l以上、好ましくは0.1μ
g/l〜20mg/l含有する電解液を用いることを特
徴としている。
以上であるリップルを有する直流電流を用い、かつタ
ングステンを0.1μg/l以上、好ましくは0.1μ
g/l〜20mg/l含有する電解液を用いることを特
徴としている。
【0016】のみでは脈動率を5%〜100%と変化
させても表面粗さは0.80〜0.95μm程度であ
り、180℃における熱間伸び率は3%未満である。ま
た、のみでは、180℃における熱間伸び率を3%以
上とすることができるが、表面粗さは約0.9〜1.0
μm未満である。ところが、とを組み合わせること
により、意外にも180℃における熱間伸び率が3%以
上であると共に表面粗さを1.0〜1.3μmまで増加
することが出来ることが判明した。とを組み合わせ
ることにより、の利点を生かしつつ、と単独では
得られない表面粗さの増加という予想外の結果を実現す
ることができたのである。
させても表面粗さは0.80〜0.95μm程度であ
り、180℃における熱間伸び率は3%未満である。ま
た、のみでは、180℃における熱間伸び率を3%以
上とすることができるが、表面粗さは約0.9〜1.0
μm未満である。ところが、とを組み合わせること
により、意外にも180℃における熱間伸び率が3%以
上であると共に表面粗さを1.0〜1.3μmまで増加
することが出来ることが判明した。とを組み合わせ
ることにより、の利点を生かしつつ、と単独では
得られない表面粗さの増加という予想外の結果を実現す
ることができたのである。
【0017】なお、脈動率が5%未満では表面粗さが十
分に大きくならないので好ましくない。一方、電解液中
のタングステン濃度が0.1μg/l未満では180℃
における熱間伸び率は3%未満であり、他方20mg/
l超えると、表面粗さ及び180℃における熱間伸び率
はともにタングステン濃度の増加にかかわらずほとんど
変化しないので、20mg/lを超えて添加するのは経
済的でない。
分に大きくならないので好ましくない。一方、電解液中
のタングステン濃度が0.1μg/l未満では180℃
における熱間伸び率は3%未満であり、他方20mg/
l超えると、表面粗さ及び180℃における熱間伸び率
はともにタングステン濃度の増加にかかわらずほとんど
変化しないので、20mg/lを超えて添加するのは経
済的でない。
【0018】リップルを有する直流電流はマット面の表
面粗さに影響を及ぼすがその機構は明確ではない。しか
し脈動率を大きくすると銅電着初期における核発生が促
進され均一な結晶成長が行われ、銅薄膜の形成が起こる
ことにより本発明の意図とは逆にマット面の表面粗さが
小さく制御されると推定される。
面粗さに影響を及ぼすがその機構は明確ではない。しか
し脈動率を大きくすると銅電着初期における核発生が促
進され均一な結晶成長が行われ、銅薄膜の形成が起こる
ことにより本発明の意図とは逆にマット面の表面粗さが
小さく制御されると推定される。
【0019】一方、タングステン若しくはタングステン
酸塩等のタングステン化合物を銅イオンを含む電解液に
添加することにより180℃における熱間伸び率が3%
以上の電解銅箔を製造できる。その機構は明確ではない
が、電解銅箔の断面を観察すると、柱状晶状を示す結晶
粒がやや乱れているのが観察される。これによって再結
晶が起こりやすくなり、180℃における熱間伸び率が
向上するものと推定される。
酸塩等のタングステン化合物を銅イオンを含む電解液に
添加することにより180℃における熱間伸び率が3%
以上の電解銅箔を製造できる。その機構は明確ではない
が、電解銅箔の断面を観察すると、柱状晶状を示す結晶
粒がやや乱れているのが観察される。これによって再結
晶が起こりやすくなり、180℃における熱間伸び率が
向上するものと推定される。
【0020】ところが、タングステン若しくはタングス
テン化合物を銅イオンを含む電解液に添加し、リップル
を有する直流電流を用いて電解銅箔を製造すると、タン
グステンを添加しない時とは逆に脈動率が大きくなると
マット面の表面粗さが増加する。この予想に反する交互
作用の機構については明確ではないが、脈動率の大きい
直流電流によって電解液中のタングステンが、電着初期
時に全く異なる影響を及ぼすようになったためと考えて
いる。
テン化合物を銅イオンを含む電解液に添加し、リップル
を有する直流電流を用いて電解銅箔を製造すると、タン
グステンを添加しない時とは逆に脈動率が大きくなると
マット面の表面粗さが増加する。この予想に反する交互
作用の機構については明確ではないが、脈動率の大きい
直流電流によって電解液中のタングステンが、電着初期
時に全く異なる影響を及ぼすようになったためと考えて
いる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、一般的に使用されてい
る硫酸酸性硫酸銅電解液並びにそれに公知の添加剤を添
加した電解液全般に適用することができる。本発明で用
いる代表的な電解液の基本的な組成及び電解条件は以下
の通りである(塩化物イオン及びニカワの添加例も示
す)。 (A)電解液組成: CuSO4・5H2O:200〜600g/l 硫酸 :20〜200g/l 塩化物イオン(Cl- ):20〜100mg/l ニカワ:10mg/l以下 W :0.1μg/l以上 好ましくは0.1μg/l〜20mg/l、 (B)電解条件: 電解液温度:20〜70℃ 電流密度 :50〜150A/dm2 電解時間 :10〜300秒 アノード :Pb
る硫酸酸性硫酸銅電解液並びにそれに公知の添加剤を添
加した電解液全般に適用することができる。本発明で用
いる代表的な電解液の基本的な組成及び電解条件は以下
の通りである(塩化物イオン及びニカワの添加例も示
す)。 (A)電解液組成: CuSO4・5H2O:200〜600g/l 硫酸 :20〜200g/l 塩化物イオン(Cl- ):20〜100mg/l ニカワ:10mg/l以下 W :0.1μg/l以上 好ましくは0.1μg/l〜20mg/l、 (B)電解条件: 電解液温度:20〜70℃ 電流密度 :50〜150A/dm2 電解時間 :10〜300秒 アノード :Pb
【0022】既に図6に示したように、生箔を製造は、
電解液中に浸漬されるカソードとしての、回転する円筒
状の陰極11と該陰極に沿って円弧状に配置された陽極
12との間に整流器13を介して所定の直流電流を流
し、例えば2枚の陽極の間から電解液を流して電解を行
い、該陰極上に銅を電着させた後、電着物を該陰極から
剥離させることを基本とする。本発明においては、脈動
率が5%以上、好ましくは20%以上である、リップル
を有する直流電流が使用される。
電解液中に浸漬されるカソードとしての、回転する円筒
状の陰極11と該陰極に沿って円弧状に配置された陽極
12との間に整流器13を介して所定の直流電流を流
し、例えば2枚の陽極の間から電解液を流して電解を行
い、該陰極上に銅を電着させた後、電着物を該陰極から
剥離させることを基本とする。本発明においては、脈動
率が5%以上、好ましくは20%以上である、リップル
を有する直流電流が使用される。
【0023】本発明において用いられる、リップルを有
する直流電流の波形としては、例えば図1に示されるよ
うなものが挙げられる。図1においてTはリップルの周
期を表し、i1 、i2 はそれぞれリップル電流値、平均
電流値を表しており、通常、リップル電流の波形は、脈
動率、即ち平均電流値に対するリップル電流値の比(i
1 /i2 )および周期(T)で規定される。脈動の周期
(T)は、交流電源の周波数および位相(単相、3相
等)等により定まる。所定の設備において、脈動率と生
箔表面粗さとの関係を得ておくことにより、銅箔に求め
られる表面粗さに応じて、タングステン濃度と併せて、
使用する直流電流の脈動率を調節することにより、銅箔
マット面の表面粗さの制御を容易かつ経済的に行うこと
のできる。リップルを大きく又密にすることにより脈動
率は増加する。
する直流電流の波形としては、例えば図1に示されるよ
うなものが挙げられる。図1においてTはリップルの周
期を表し、i1 、i2 はそれぞれリップル電流値、平均
電流値を表しており、通常、リップル電流の波形は、脈
動率、即ち平均電流値に対するリップル電流値の比(i
1 /i2 )および周期(T)で規定される。脈動の周期
(T)は、交流電源の周波数および位相(単相、3相
等)等により定まる。所定の設備において、脈動率と生
箔表面粗さとの関係を得ておくことにより、銅箔に求め
られる表面粗さに応じて、タングステン濃度と併せて、
使用する直流電流の脈動率を調節することにより、銅箔
マット面の表面粗さの制御を容易かつ経済的に行うこと
のできる。リップルを大きく又密にすることにより脈動
率は増加する。
【0024】脈動率を制御する方法としては、第1に、
従来の図2及び図3に示すサイリスタ位相制御方式によ
る直流電源において、トランスの2次電圧を変化させる
ことによって、脈動率を制御する方法を挙げることがで
きる。図2に示すように、単相或いは3相交流電源2か
らの電流はサイリスタ等の電流制御器3、トランス4、
ダイオード等の整流器5、電流計6から電解槽8に流さ
れる。位相制御コントローラー7が電流計6から電流制
御器3へと接続されて位相制御を行っている。別様に
は、図3に示すように、単相或いは3相交流電源2から
の電流をトランス4に通し、その2次電圧を変化させ、
サイリスタ9から電流計6を通して電解槽8に流すよう
にすることもできる。位相制御コントローラー7が電流
計6からサイリスタ9へと接続されて、位相制御を行
う。トランス4の2次電圧を切り替えることで脈動率の
制御を行い、トランス4の2次電圧を高くすることによ
り脈動率が大きくなる。しかし、この方式では、負荷変
動が電源変動の影響を受けやすい。
従来の図2及び図3に示すサイリスタ位相制御方式によ
る直流電源において、トランスの2次電圧を変化させる
ことによって、脈動率を制御する方法を挙げることがで
きる。図2に示すように、単相或いは3相交流電源2か
らの電流はサイリスタ等の電流制御器3、トランス4、
ダイオード等の整流器5、電流計6から電解槽8に流さ
れる。位相制御コントローラー7が電流計6から電流制
御器3へと接続されて位相制御を行っている。別様に
は、図3に示すように、単相或いは3相交流電源2から
の電流をトランス4に通し、その2次電圧を変化させ、
サイリスタ9から電流計6を通して電解槽8に流すよう
にすることもできる。位相制御コントローラー7が電流
計6からサイリスタ9へと接続されて、位相制御を行
う。トランス4の2次電圧を切り替えることで脈動率の
制御を行い、トランス4の2次電圧を高くすることによ
り脈動率が大きくなる。しかし、この方式では、負荷変
動が電源変動の影響を受けやすい。
【0025】そのため安定に動作させるのであれば、例
えば図4及び図5に示す直流電源において、脈動率を小
さくした3相の整流出力と、脈動率を大きくした例えば
単相の整流出力比を変化させて混合することにより、脈
動率を制御する方法が利用できる。3相交流電源1及び
単相或いは3相交流電源2を用いて、電流制御器3、ト
ランス4、整流器5、電流計6、位相制御コントローラ
ー7により制御された電流を混合することによりリプル
のコントロールを行う。図5に示すように、サイリスタ
9を使用することにより回路を簡略化することができ
る。
えば図4及び図5に示す直流電源において、脈動率を小
さくした3相の整流出力と、脈動率を大きくした例えば
単相の整流出力比を変化させて混合することにより、脈
動率を制御する方法が利用できる。3相交流電源1及び
単相或いは3相交流電源2を用いて、電流制御器3、ト
ランス4、整流器5、電流計6、位相制御コントローラ
ー7により制御された電流を混合することによりリプル
のコントロールを行う。図5に示すように、サイリスタ
9を使用することにより回路を簡略化することができ
る。
【0026】通常の直流電流のように脈動率が5%より
小さい値をとる場合には、ほとんど効果が認められず、
一層大きな効果を所望する場合には20%〜100%が
好ましい。
小さい値をとる場合には、ほとんど効果が認められず、
一層大きな効果を所望する場合には20%〜100%が
好ましい。
【0027】本発明のもう一つの特徴は、硫酸酸性硫酸
銅電解液においてタングステン若しくはタングステン化
合物を電解液に添加することであるが、その添加形態
は、タングステン金属、タングステン酸塩、タングステ
ン−銅合金から選ばれるものであれば良い。タングステ
ン金属及びタングステン−銅合金は、線状、粉末状など
で電解液に浸すことで溶解可能である。タングステン酸
塩としては、メタタングステン酸ナトリウム等のアルカ
リ金属塩、アンモニウム塩等が使用可能であり、これら
の塩を水に溶解した後、電解液に添加する。
銅電解液においてタングステン若しくはタングステン化
合物を電解液に添加することであるが、その添加形態
は、タングステン金属、タングステン酸塩、タングステ
ン−銅合金から選ばれるものであれば良い。タングステ
ン金属及びタングステン−銅合金は、線状、粉末状など
で電解液に浸すことで溶解可能である。タングステン酸
塩としては、メタタングステン酸ナトリウム等のアルカ
リ金属塩、アンモニウム塩等が使用可能であり、これら
の塩を水に溶解した後、電解液に添加する。
【0028】溶解しているタングステン濃度が0.1μ
g/l以上であれば、前述したような180℃熱間伸び
率向上及び銅箔粗面の粗さ増大に十分効果がある。20
mg/lを超えると効果が飽和してしまう。
g/l以上であれば、前述したような180℃熱間伸び
率向上及び銅箔粗面の粗さ増大に十分効果がある。20
mg/lを超えると効果が飽和してしまう。
【0029】電解中、タングステン化合物による沈殿の
発生が起こることがあるが、これを防止するためには、
亜リン酸、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等のリンの
酸或いは塩を添加することが望ましい。これらは、電解
液中で最終的にリン酸の形になるため、その場で入手が
容易なものを選択すれば良い。リン酸濃度は、10mg
/l以上であれば、沈殿発生防止に効果がある。また、
上記のリン酸類の他に、亜ヒ酸、ヒ酸、メタバナジン酸
等の存在も、タングステンの沈殿発生防止に効果があ
る。リン酸類、ヒ酸類、メタバナジン酸等の添加による
タングステン化合物の沈殿発生防止は、ヘテロポリ酸等
の錯体形成によるものと推定される。要は、これら沈殿
発生防止剤は、電解条件に応じて、沈殿発生防止効果を
奏するに充分な量を添加すればよい。
発生が起こることがあるが、これを防止するためには、
亜リン酸、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等のリンの
酸或いは塩を添加することが望ましい。これらは、電解
液中で最終的にリン酸の形になるため、その場で入手が
容易なものを選択すれば良い。リン酸濃度は、10mg
/l以上であれば、沈殿発生防止に効果がある。また、
上記のリン酸類の他に、亜ヒ酸、ヒ酸、メタバナジン酸
等の存在も、タングステンの沈殿発生防止に効果があ
る。リン酸類、ヒ酸類、メタバナジン酸等の添加による
タングステン化合物の沈殿発生防止は、ヘテロポリ酸等
の錯体形成によるものと推定される。要は、これら沈殿
発生防止剤は、電解条件に応じて、沈殿発生防止効果を
奏するに充分な量を添加すればよい。
【0030】CuSO4・5H2Oは200〜600g/l、好ま
しくは250〜500g/lとされる。硫酸は20〜2
00g/l、好ましくは40〜120g/lとされる。
適正な銅電着速度を確保するためにこれらが必要とされ
る。硫酸が20g/l未満では、電解液の電導度が低下
し、電解槽電圧が上昇する。200g/lを超えると、
高温伸び銅箔が製造が次第に困難となり、設備の腐蝕が
発生しやすくなる。
しくは250〜500g/lとされる。硫酸は20〜2
00g/l、好ましくは40〜120g/lとされる。
適正な銅電着速度を確保するためにこれらが必要とされ
る。硫酸が20g/l未満では、電解液の電導度が低下
し、電解槽電圧が上昇する。200g/lを超えると、
高温伸び銅箔が製造が次第に困難となり、設備の腐蝕が
発生しやすくなる。
【0031】好ましくは、塩化物イオンが20〜100
ppmの量において添加される。この範囲外では、銅箔
の基本的特性(抗張力、粗さ等)が一定とならない。塩
化物イオンは、塩酸、食塩、塩化カリウム等の形で添加
される。硫酸酸性硫酸銅電解液においてニカワは元来、
カソードである回転ドラム表面を保護するため或いは製
品のピンホール等の欠陥を防止するため、更には銅の結
晶成長を抑止させて均一化させるため10mg/l以下
添加するのが通例である。
ppmの量において添加される。この範囲外では、銅箔
の基本的特性(抗張力、粗さ等)が一定とならない。塩
化物イオンは、塩酸、食塩、塩化カリウム等の形で添加
される。硫酸酸性硫酸銅電解液においてニカワは元来、
カソードである回転ドラム表面を保護するため或いは製
品のピンホール等の欠陥を防止するため、更には銅の結
晶成長を抑止させて均一化させるため10mg/l以下
添加するのが通例である。
【0032】電解液温度は20〜70℃、好ましくは3
0〜60℃にすることが望ましい。電解液温度を下げる
と、ニカワ濃度が高めでも高温伸び銅箔が製造できる。
20℃未満では、電解液の電導度が低下し、電解槽電圧
が上昇する。70℃を超えると高温伸び銅箔が製造が次
第に困難となり、エネルギーコストも増大する。
0〜60℃にすることが望ましい。電解液温度を下げる
と、ニカワ濃度が高めでも高温伸び銅箔が製造できる。
20℃未満では、電解液の電導度が低下し、電解槽電圧
が上昇する。70℃を超えると高温伸び銅箔が製造が次
第に困難となり、エネルギーコストも増大する。
【0033】電流密度範囲は、安定してかつ実用上許容
される時間で電解銅箔を製造するためには50〜150
A/dm2 である。電解時間は、必要とする銅箔の厚さ
(5〜100μm)に応じて、他の電解条件にもよるが
通常10〜300秒の範囲で実施される。
される時間で電解銅箔を製造するためには50〜150
A/dm2 である。電解時間は、必要とする銅箔の厚さ
(5〜100μm)に応じて、他の電解条件にもよるが
通常10〜300秒の範囲で実施される。
【0034】
(a)実施例 以下に示す条件で製造した電解銅箔のマット面の表面粗
さ及び180℃における熱間伸び率について表1に示
す。表面粗さの測定は実施例及び比較例ともにJIS
BO 601に基づき測定し、180℃における熱間伸
び率は実施例及び比較例ともにIPC−TM−650
3.3に基づき、温度180℃の熱オーブン型引張り装
置に5分間静置した後、破断するまで引張り、破断時の
伸び率を測定したものである。 (電解条件): CuSO4 濃度:300 g/l H2SO4 濃度:120 g/l Cl- 濃度 : 70 mg/l にかわ濃度: 2 mg/l タングステン濃度: 1×10-4、 0.1、 5、 20 mg/l 電解温度 : 55 ℃ 電流密度 :100 A/dm2 銅箔厚み : 30 μm 脈動率 :5、 100 %
さ及び180℃における熱間伸び率について表1に示
す。表面粗さの測定は実施例及び比較例ともにJIS
BO 601に基づき測定し、180℃における熱間伸
び率は実施例及び比較例ともにIPC−TM−650
3.3に基づき、温度180℃の熱オーブン型引張り装
置に5分間静置した後、破断するまで引張り、破断時の
伸び率を測定したものである。 (電解条件): CuSO4 濃度:300 g/l H2SO4 濃度:120 g/l Cl- 濃度 : 70 mg/l にかわ濃度: 2 mg/l タングステン濃度: 1×10-4、 0.1、 5、 20 mg/l 電解温度 : 55 ℃ 電流密度 :100 A/dm2 銅箔厚み : 30 μm 脈動率 :5、 100 %
【0035】
【表1】
【0036】(b)比較例 電解電流の脈動率0%の直流電流を用いた以外は実施例
と同様の条件で製造した電解銅箔のマット面の表面粗さ
に及び180℃における熱間伸び率について表2に示
す。
と同様の条件で製造した電解銅箔のマット面の表面粗さ
に及び180℃における熱間伸び率について表2に示
す。
【0037】
【表2】
【0038】電解電流に脈動率0、5、100%の直流
電流を用い、タングステン濃度が0又は5×10-5mg
/lである以外は実施例と同様の条件で製造した電解銅
箔のマット面の表面粗さ及び180℃における熱間伸び
率について表3に示す。
電流を用い、タングステン濃度が0又は5×10-5mg
/lである以外は実施例と同様の条件で製造した電解銅
箔のマット面の表面粗さ及び180℃における熱間伸び
率について表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明を用いれば、
180℃における熱間伸び率が3%以上でありかつ表面
粗さを制御した電解銅箔を容易に製造できるので、今後
のプリント回路の高密度化、多層化に対応することがで
きる。
180℃における熱間伸び率が3%以上でありかつ表面
粗さを制御した電解銅箔を容易に製造できるので、今後
のプリント回路の高密度化、多層化に対応することがで
きる。
【図1】本発明において用いるリップルを有する直流電
流の波形の例を示す図である。
流の波形の例を示す図である。
【図2】サイリスタ位相制御方式によるリップルを有す
る直流電流を発生する整流器の1例を示す模式図であ
る。
る直流電流を発生する整流器の1例を示す模式図であ
る。
【図3】サイリスタ位相制御方式によるリップルを有す
る直流電流を発生する整流器の別の例を示す模式図であ
る。
る直流電流を発生する整流器の別の例を示す模式図であ
る。
【図4】2種の整流出力比を変化させて混合するリップ
ルを有する直流電流を発生する整流器の1例を示す模式
図である。
ルを有する直流電流を発生する整流器の1例を示す模式
図である。
【図5】2種の整流出力比を変化させて混合するリップ
ルを有する直流電流を発生する整流器の別の例を示す模
式図である。
ルを有する直流電流を発生する整流器の別の例を示す模
式図である。
【図6】生箔製造設備の簡略図である。
1 3相交流電源 2 単相或いは3相交流電源 3 電流制御器(サイリスタ等) 4 トランス 5 整流器(ダイオード等) 6 電流計 7 位相制御コントローラ 8 電解セル 9 サイリスタ 11 陰極円筒 12 陽極 13 整流器
Claims (7)
- 【請求項1】 回転する円筒状の陰極と該陰極に沿って
円弧状に配置された陽極との間に硫酸酸性硫酸銅溶液を
電解液として流して電解を行い、該陰極上に銅を電着さ
せた後、電着物を該陰極から剥離させることにより電解
銅箔を製造する方法において、電解に脈動率が5%以上
であるリップルを有する直流電流を用い、かつタングス
テン若しくはタングステン化合物をタングステンとして
0.1μg/l以上含有する電解液を用いることを特徴
とする電解銅箔の製造方法。 - 【請求項2】 電解液がニカワ:10mg/l以下及び
塩化物イオン:20〜100mg/lを含むことを特徴
とする請求項1の電解銅箔の製造方法。 - 【請求項3】 電解液にタングステン若しくはタングス
テン化合物をタングステンとして0.1μg/l〜20
mg/l添加することを特徴とする請求項1乃至2の電
解銅箔の製造方法。 - 【請求項4】 タングステン若しくはタングステン化合
物がタングステン金属、タングステン酸塩、タングステ
ン−銅合金から選ばれる1つ以上の形態で電解液中に添
加されることを特徴とする請求項1〜3項のうちいずれ
か一項の電解銅箔の製造方法。 - 【請求項5】 電解液に沈殿防止剤として亜リン酸、リ
ン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、亜ヒ酸、ヒ酸、メタバ
ナジン酸から選ばれる1種以上の酸或いは塩の形態の化
合物を更に添加することを特徴とする請求項1〜4項の
うちいずれか一項の電解銅箔の製造方法。 - 【請求項6】 脈動率の制御をサイリスタ位相制御方式
による直流電源においてトランスの2次電圧を変化させ
ることによって行う請求項1乃至2の電解銅箔の製造方
法。 - 【請求項7】 脈動率の制御を脈動率を小さくした整流
出力と脈動率を大きくした整流出力との比を変化させて
混合することによって行う請求項1乃至2の電解銅箔の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7242396A JPH0967693A (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | 電解銅箔の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7242396A JPH0967693A (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | 電解銅箔の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0967693A true JPH0967693A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=17088534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7242396A Withdrawn JPH0967693A (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | 電解銅箔の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0967693A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2013018773A1 (ja) | 2011-07-29 | 2013-02-07 | 古河電気工業株式会社 | 電解銅合金箔、その製造方法、それの製造に用いる電解液、それを用いた二次電池用負極集電体、二次電池及びその電極 |
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-
1995
- 1995-08-29 JP JP7242396A patent/JPH0967693A/ja not_active Withdrawn
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