JPWO2014021465A1 - 合金材料、コンタクトプローブおよび接続端子 - Google Patents

合金材料、コンタクトプローブおよび接続端子 Download PDF

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Abstract

導電性に優れているとともに、コンタクトプローブ用として高硬度でかつ加工性に優れた合金材料、この合金材料からなるコンタクトプローブおよび接続端子を提供すること。銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)の3元合金の組成領域において、Agが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%を占める組成とし、該組成を基本として、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)、アンチモン(Sb)、チタン(Ti)、およびマグネシウム(Mg)の少なくとも1つを4.5at%以下の範囲で添加し、かつMnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加される。

Description

本発明は、例えば、合金材料に関するものであって、この合金材料からなり、半導体集積回路や液晶パネルなどの検査対象の導通状態検査または動作特性検査に用いられるコンタクトプローブや、電気接点同士を接続する接続端子に関するものである。
従来、半導体集積回路や液晶パネルなどの検査対象の導通状態検査や動作特性検査を行う際には、検査対象と検査用信号を出力する回路基板を有する信号処理装置との間の電気的な接続を図る導電性のコンタクトプローブが用いられる。正確な導通状態検査や動作特性検査を行うため、コンタクトプローブを介した検査用信号の入出力を確実に行うことが求められている。ここで、コンタクトプローブは、半導体集積回路や液晶表示装置などの検査対象物に繰り返し接触して電気検査や測定が行われる。このとき、例えば繰り返しの使用によってコンタクトプローブが酸化すると、検査結果に影響を及ぼす。
このため、コンタクトプローブに用いられる材料には、高い導電性や耐食性、良好な耐酸化性が要求される。この要求に対し、耐酸化性を向上させるため、例えば、SK材(工具鋼)にAuメッキを施した材料を使用することが挙げられるが、メッキ膜が剥がれて工具鋼地肌が露出し、検査対象物に接触させた際の電気抵抗値が増加する。また、工具鋼地肌が露出することで、検査対象物に異物として付着し、導通不良を起こす場合がある。この導通不良を解消するには、用いる材料において、繰り返しの検査によって検査対象物との接触を行ってもコンタクトプローブ自体の磨耗を抑制させるために、電気抵抗値が低く、かつ磨耗しにくい高硬度の特性を有することが最も重要となる。
高硬度の特性を有する材料のうち、金属材料として銅(Cu)−ベリリウム(Be)合金やタングステンワイヤーが挙げられるが、コンタクトプローブとして用いるには耐酸化性に劣る。貴金属以外の金属を多く含有したCu−Be合金やタングステンワイヤーなどは、高硬度ではあるが、酸化しやすい性質があり、酸化が起こると導電性が劣り安定した検査測定はできない。そのため、耐酸化性や導電性にも優れ、長期間の使用が可能であり、且つ高い導電性を有した金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、Cuのいずれかを主成分とする合金が使用されている(例えば、特許文献1〜5を参照)。
特許第4878401号公報 特許第4176133号公報 特許第4216823号公報 特開2004−93355号公報 特開2011−122194号公報
しかしながら、Ptを主成分とする合金は、極細線や薄板の加工性に劣る場合がある。また、Auを主成分とする合金は、加工性には優れているものの、時効硬化によるビッカース硬さの向上が得られにくいため、コンタクトプローブに用いるのには適していない。また、Pdを主成分とする合金は、PtまたはAuを主成分とする合金と比べて、加工性が安定しているものの、組成割合や添加金属の種類では、時効硬化により要望の硬度が得られない場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、導電性に優れているとともに、高硬度でかつ加工性に優れた合金材料、この合金材料からなるコンタクトプローブおよび接続端子を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる合金材料は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)の3元合金の組成領域において、Agが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%を占める組成とし、該組成を基本として、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)、アンチモン(Sb)、チタン(Ti)およびマグネシウム(Mg)の少なくとも1つを4.5at%以下の範囲で添加し、かつMnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加されることを特徴とする。
また、本発明にかかる合金材料は、上記の発明において、イリジウム(Ir)およびルテニウム(Ru)の1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%さらに添加したことを特徴とする。
また、本発明にかかる合金材料は、上記の発明において、300℃〜450℃で加熱して時効処理させたビッカース硬さが、HV480〜560であることを特徴とする。
また、本発明にかかるコンタクトプローブは、長手方向の両端で接触対象とそれぞれ接触する導電性のコンタクトプローブであって、少なくとも一部が、上記の発明にかかる合金材料を用いて形成されたことを特徴とする。
また、本発明にかかるコンタクトプローブは、上記の発明において、一端で一方の接触対象と接触する導電性の第1プランジャと、一端で他方の接触対象と接触する導電性の第2プランジャと、前記第1および第2プランジャの間に設けられて該第1および第2プランジャを伸縮自在に連結するコイルばねと、を有し、前記第1プランジャ、前記第2プランジャおよび前記コイルばねのうち、少なくとも一つが前記合金材料からなることを特徴とする。
また、本発明にかかる接続端子は、長手方向の両端で接触対象とそれぞれ接触する導電性の接続端子であって、少なくとも一部が、上記の発明にかかる合金材料を用いて形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、Ag、Pd、Cuの3元合金の組成領域において、Agが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%を占める組成とし、該組成を基本として、Mn、Sn、Si、Sb、TiおよびMgの少なくとも1つを4.5at%以下の範囲で添加し、かつMnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加されるようにしたので、導電性に優れているとともに、コンタクトプローブや接続端子用として高硬度でかつ加工性に優れた合金材料を得ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態の合金材料の一使用態様にかかるソケットの概略構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態の合金材料の一使用態様にかかるソケットの要部の構成を示す部分断面図である。 図3は、本発明の実施の形態の合金材料の一使用態様にかかるソケットの検査時におけるソケットの要部の構成を示す部分断面図である。 図4は、本発明の実施の形態の合金材料の他の使用態様にかかるプローブカードの構成を示す部分断面図である。 図5は、本発明の実施の形態の合金材料の他の使用態様にかかるプローブカードの要部の構成を示す部分断面図である。 図6は、本発明の実施例にかかる合金材料を示す図である。 図7は、本発明の比較例にかかる合金材料を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
本発明の実施の形態にかかる合金材料について説明する。本実施の形態にかかる合金材料は、Ag−Pd−Cuの3元合金を含む。本実施の形態にかかるAg−Pd−Cuの3元合金は、17at%Ag−30at%Pd−53at%Cu、25at%Ag−30at%Pd−45at%Cu、17at%Ag−45at%Pd−38at%Cu、25at%Ag−45at%Pd−30at%Cuの領域内において形成される合金である。このような原子比割合の合金組成であると、銀リッチ相のα(Ag)、PdCuのβの2相を出現させるスピノーダル分解を400℃付近の時効処理で起こすことになり、他の出現相を出来るだけ混在させないためにも好ましい。これらの理由からも、2相の出現相により硬さの向上を満足するためにAg−Pd−Cuの3元合金の組成域を限定する必要がある。
Ag−Pd−Cu合金は、高温域においてAg、Pd、Cuがお互いに溶け合うことによって、面心立方格子(FCC:Face‐Centered Cubic)の相を形成する。ここで、AgとPdとは、高温域も低温域もお互いに溶け合う性質がある。また、PdとCuとは、高温域では溶け合って400℃付近で化合物相であるβ相を形成することで硬化に関与するが、この場合、ビッカース硬さは、せいぜいHV250程度である。AgとCuとは、高温域では溶け合うが、低温域においては、銅リッチ相α(Cu)とα(Ag)とに分離する性質がある。この3元合金の特定な組成域では、様々な相が出現することから十分な硬さが得られないことが多い。
例えば、20at%Ag−25at%Pd−55at%Cuの組成では、400℃付近で時効処理すると、2相のα(Cu)、α(Ag)が出現する。また、22at%Ag−55at%Pd−23at%Cuの組成では、α(Ag)、パラジウムリッチ相のα(Pd)、βの3相が出現する。これら出現相は、ビッカース硬さに影響を及ぼし、特にα(Cu)やα(Pd)の出現量が多くなると、時効処理後におけるビッカース硬さの向上が得られにくい。
ここで、Pdの原子比割合が低く、Cuの原子比割合が多い一部の組成領域では、α(Cu)の出現はあるがわずかな出現量となるため硬さに大きく影響しない。さらに最大限のビッカース硬さの向上を得るためには、上述した本実施の形態にかかる合金材料のAg−Pd−Cuの3元合金の組成領域内において、18at%Ag−35at%Pd−47at%Cu、22at%Ag−35at%Pd−43at%Cu、18at%Ag−40at%Pd−42at%Cu、22at%Ag−40at%Pd−38at%Cuの領域内であることが好ましい。
さらに本実施の形態にかかる合金材料には、上述したAg−Pd−Cuの3元合金の組成域内の該組成を基本としてMn、Sn、Si、Sb、TiおよびMgの少なくとも1つが4.5at%以下の範囲で添加される。また、各元素は、Mnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加される。これにより、時効処理後のビッカース硬さがHV480〜560に上昇させることができる。
これに対して、上述した組成域のAg−Pd−Cuの3元合金を基本としてMn、Sn、Si、Sb、Ti、Mgの少なくともいずれか1つを添加しないとビッカース硬さの向上は得られない。
また、上述した組成の合金材料に対して、IrおよびRuの1つ若しくはこれらの組み合わせで0.01at%〜0.05at%さらに添加することによって、HV480〜560のビッカース硬さであって、加工性が良好な合金材料を得ることができる。
上述した実施の形態によれば、Ag、Pd、Cuの3元合金の組成領域において、Agが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%を占める組成とし、該組成を基本として、Mn、Sn、Si、Sb、TiおよびMgの少なくとも1つを4.5at%以下の範囲で添加し、かつMnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加されるようにしたので、導電性に優れているとともに、コンタクトプローブ用として高硬度でかつ加工性に優れた合金材料を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、Ag、Pd、Cuを基本としたAg−Pd−Cuの3元合金において、この3元合金に対して半導体検査装置用のコンタクトプローブとしてビッカース硬さや導電性を確保するための添加金属を見出すことができた。
Ag−Pd−Cuの3元合金は、組成領域において相変態の違いにより時効硬化に差が見られるが、本実施の形態にかかる合金材料によれば、組成領域においてAg17at%〜25at%、Pd30at%〜45at%、Cu30at%〜53at%の領域内を占める組成で最大の硬化作用を有する組成バランスを図っている。
ここで、PdとCuは化合物相を生成して硬化するが、最大の硬さでもHV250程度が限界である。これに対し、Agを適量に含有すると時効硬化によりα2(Ag)とβ相を最大限に微細分離させることが可能となる。この結果として、ビッカース硬さを増大させることができる。
また、本実施の形態によれば、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mn、Sn、Si、Sb、TiおよびMgの少なくとも1つを4.5at%以下の範囲で添加し、かつMnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加されることにより、300℃〜450℃で加熱して時効処理した時効材のビッカース硬さがHV480〜560であるため、合金材料として耐摩耗性が向上し、半導体検査用装置の材料に好適となる。
また、本実施の形態によれば、AgやCuは比抵抗を減少させる傾向があり、Pdは比抵抗や耐酸化性を増大させる傾向がある。すなわち、本実施の形態にかかる合金材料は、高硬度の特性を確保しつつ導電性や耐酸化性を有する組成バランスを図っている。
本実施の形態の合金材料に関わる割合は、高硬度を満足するものとして17at%Ag−30at%Pd−53at%Cu、25at%Ag−30at%Pd−45at%Cu、17at%Ag−45at%Pd−38at%Cu、25at%Ag−45at%Pd−30at%Cuの領域内のAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mn、Sn、Si、Sb、TiおよびMgの少なくとも1つを4.5at%以下の範囲で添加し、かつMnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加されることにより、300℃〜450℃で加熱し時効処理したビッカース硬さがHV480〜560に達する。このAg−Pd−Cu3元合金の領域外の組成に添加を行っても、硬さの向上は得られにくい。
また、Ag−Pd−Cuの3元合金に対する添加については、Mn、Sn、Si、Sb、Ti、Mgの組合せ添加でも硬さは向上するが、Mn、Sn、Si、Sb、TiまたはMgの単独添加の方が組合せ添加より効果があり好ましい。
また、Mnが0.5at%、Snが1at%、Siが0.5at%、Sbが0.5at%、Tiが0.5at%またはMgが0.5at%未満の場合には、硬さの向上が小さくい。一方で、Mnが3.5at%、Snが2at%、Siが2at%、Sbが3at%、Tiが2at%またはMgが3.5at%を超える場合には、加工性が著しく劣化する。したがって、Mnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲で添加されることが好適である。
なお、Mn、Sn、Si、Sb、Ti、Mgの組み合わせが4.5at%を超えると加工性が劣化して好ましくない。ビッカース硬さは、鋳造したものを850℃で溶体化処理し、300℃〜450℃で加熱することで時効硬化を発揮する。300℃未満による時効硬化では硬さの向上は得られにくく、450℃を超える温度による時効硬化では硬さが低くなる傾向になりやすいため、上記の温度範囲が適正である。
本実施の形態にかかる合金材料は、更にIr、Ruのいずれか1つまたはそれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加することができる。これらの添加金属は、加工性に有用であり、添加しないものと比べて圧延加工時に合金表面の細かな割れが減少して加工性が改善される。Ir、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせの添加量は、0.05at%以上でも効果は変わらないため、0.05at%が適量である。Ir、Ruは、結晶粒を微細化させる作用があり、結晶粒が小さいと圧延加工時に粒界割れを起こしにくいからである。
また、本実施の形態にかかる合金材料は、Pt,Auを主成分とする合金と比して、低い材料コストとすることができる。
次に、本実施の形態にかかる合金材料をコンタクトプローブとして使用する場合について説明する。図1は、本発明の実施の形態の合金材料の一使用態様にかかるソケット(コンタクトプローブ)の概略構成を示す斜視図である。図1に示すソケット1は、検査対象物である半導体集積回路100の電気特性検査を行う際に使用する装置であって、半導体集積回路100と半導体集積回路100へ検査用信号を出力する回路基板200との間を電気的に接続する装置である。
ソケット1は、長手方向の一方の端部側で被接触体である半導体集積回路100の一つの電極(接触対象)と接触し、他方の端部側で回路基板200の電極(接触対象)とそれぞれ接触する複数のコンタクトプローブ2(以下、単に「プローブ2」という)と、複数のプローブ2を所定のパターンにしたがって収容して保持するプローブホルダ3と、プローブホルダ3の周囲に設けられ、検査の際に複数のプローブ2と接触する半導体集積回路100の位置ずれが生じるのを抑制するホルダ部材4と、を有する。
図2は、本実施の形態の合金材料の一使用態様にかかるソケット(コンタクトプローブ)の要部の構成を示す部分断面図であって、プローブホルダ3に収容されるプローブ2の詳細な構成を示す図である。図2に示すプローブ2は、半導体集積回路100の検査を行なうときに、その半導体集積回路100の接続用電極に接触する第1プランジャ21と、検査回路を備えた回路基板200の電極に接触する第2プランジャ22と、第1プランジャ21と第2プランジャ22との間に設けられて2つの第1プランジャ21および第2プランジャ22を伸縮自在に連結するコイルばね23とを備える。プローブ2を構成する第1プランジャ21および第2プランジャ22、ならびにコイルばね23は同一の軸線を有している。プローブ2は、半導体集積回路100をコンタクトさせた際に、コイルばね23が軸線方向に伸縮することによって半導体集積回路100の接続用電極への衝撃を和らげるとともに、半導体集積回路100および回路基板200に荷重を加える。
第1プランジャ21は、先細な先端形状をなす爪部21bを複数有する先端部21aと、先端部21aの基端側から延び、先端部21aの径と比して大きい径を有するフランジ部21cと、フランジ部21cの先端部21aに連なる側と異なる端部から延び、フランジ部21cの径と比して小さい径を有するボス部21dと、ボス部21dのフランジ部21cに連なる側と異なる端部から延び、ボス部21dの径と略同一の径を有する基端部21eとを同軸上に有する。また、基端部21eは、先端がR面取りされた形状をなす。
第2プランジャ22は、先細な先端形状を有する先端部22aと、先端部22aの基端側から延び、先端部22aの径と比して大きい径を有するフランジ部22bと、フランジ部22bの先端部22aに連なる側と異なる端部から延び、ボス部21dの径と略同一の径を有するボス部22cと、ボス部22cのフランジ部22bに連なる側と異なる端部から延び、ボス部21d,22cの径と略同一の径を有する基端部22dとを同軸上に有する。この第2プランジャ22は、コイルばね23の伸縮作用によって軸線方向に移動が可能であり、コイルばね23の弾性力によって回路基板200方向に付勢され、回路基板200の電極と接触する。
コイルばね23は、第1プランジャ21側がボス部21dの径と略同一の内径で巻回された密着巻き部23aである一方、第2プランジャ22側が基端部22dの径以上の内径で所定ピッチに巻回された粗巻き部23bである。密着巻き部23aの端部は、例えばボス部21dと略等しい内径の場合、ボス部21dに圧入されて、フランジ部21cに当接している。一方、粗巻き部23bの端部は、ボス部22cに圧入され、フランジ部22bに当接している。なお、コイルばね23は、密着巻き部23aおよび粗巻き部23bの内径が、同一の内径で巻回されていることが好ましい。このとき、第1プランジャ21および第2プランジャ22とコイルばね23とは、半田付けによって接合されていてもよい。
第1プランジャ21、第2プランジャ22およびコイルばね23の少なくとも一つは上述した合金材料を用いて形成され、全ての部材がこの合金材料を用いて形成されることが好ましい。また、コイルばね23は、所定荷重が加わったときの粗巻き部23bの縮み量が、初期荷重が加わったとき、例えば、プローブ2がプローブホルダ3に収容された状態(図1参照)における基端部22dと密着巻き部23aとの最短距離より大きくなるようなばね特性となるように線材の径や、巻回されてなる径が設計される。このばね特性を有するコイルばね23を用いることによって、プローブ2に所定荷重を加えた場合に基端部22dを密着巻き部23a内に摺接させ、基端部22dと密着巻き部23aとの間の電気的導通が可能となる。
プローブホルダ3は、樹脂、マシナブルセラミックス、シリコンなどの絶縁性材料を用いて形成され、図2の上面側に位置する第1部材31と下面側に位置する第2部材32とが積層されてなる。第1部材31および第2部材32には、複数のプローブ2を収容するためのホルダ孔33および34が同数ずつ形成され、プローブ2を収容するホルダ孔33および34は、互いの軸線が一致するように形成されている。ホルダ孔33および34の形成位置は、半導体集積回路100の配線パターンに応じて定められる。
ホルダ孔33および34は、ともに貫通方向に沿って径が異なる段付き孔形状をなしている。すなわち、ホルダ孔33は、プローブホルダ3の上端面に開口を有する小径部33aと、この小径部33aよりも径が大きい大径部33bとからなる。小径部33aは、先端部21aの径と比して若干大きい径である。また、大径部33bは、フランジ部21cの径および/またはコイルばね23の径と比して若干大きい径である。
他方、ホルダ孔34は、プローブホルダ3の下端面に開口を有する小径部34aと、この小径部34aよりも径が大きい大径部34bとからなる。小径部34aは、先端部22aと比して若干大きい径である。また、大径部34bは、フランジ部22bの径および/またはコイルばね23の径と比して若干大きい径である。これらのホルダ孔33および34の形状は、収容するプローブ2の構成に応じて定められる。
第1プランジャ21のフランジ部21cは、ホルダ孔33の小径部33aと大径部33bとの境界壁面に当接することにより、プローブ2のプローブホルダ3からの抜止機能を有する。また、第2プランジャ22のフランジ部22bは、ホルダ孔34の小径部34aと大径部34bとの境界壁面に当接することにより、プローブ2のプローブホルダ3からの抜止機能を有する。なお、ホルダ孔33,34の各境界壁面は、フランジ部21c,22b、コイルばね23の径にそれぞれ対応した段付き形状でもよい。
図3は、本実施の形態の合金材料の一使用態様にかかるソケット(コンタクトプローブ)の、半導体集積回路の検査時におけるソケットの要部の構成を示す部分断面図であって、プローブホルダ3を用いた半導体集積回路100の検査時の状態を示す図である。半導体集積回路100の検査時には、半導体集積回路100からの接触荷重により、コイルばね23は長手方向に沿って圧縮された状態となる。コイルばね23が圧縮されると、図3に示すように、第2プランジャ22の基端部22dは、密着巻き部23a内に進入し、密着巻き部23aの内周側と摺接する。この際には、第2プランジャ22の軸線が大きくぶれることはないため、基端部22dと密着巻き部23aの内周との摺接が安定するとともに、密着巻き部23aがわずかに蛇行するため、基端部22dとコイルばね23との接触抵抗が安定し、確実な導通が得られる。
検査時に回路基板200から半導体集積回路100に供給される検査用信号は、回路基板200の電極201からそれぞれプローブ2を経由して半導体集積回路100の接続用電極101へ到達する。具体的には、プローブ2において、第2プランジャ22、密着巻き部23a、第1プランジャ21を経由して半導体集積回路100の接続用電極101へ到達する。このように、プローブ2では、第1プランジャ21と第2プランジャ22が密着巻き部23aを介して導通するため、電気信号の導通経路を最小にすることができる。したがって、検査時に粗巻き部23bに信号が流れるのを防止し、インダクタンスの低減および安定化を図ることができる。
また、爪部21bの先端が先細に形成されているため、接続用電極101の表面に酸化皮膜が形成されている場合であっても酸化皮膜を突き破り、爪部21bの先端を接続用電極101と直接接触させることができる。
図4は、本発明の実施の形態の合金材料の他の使用態様にかかるプローブカード5の構成を示す部分断面図である。プローブカード5は、ダイシングする前の半導体ウェハの状態で導電性を有するプローブをコンタクトさせることによって電気特性検査を行い、不良品を検出(ウェハレベルテスト)するものである。
プローブカード5は、薄い円盤状をなし、検査装置(図示せず)との電気的な接続を図る基板51と、基板51の一方の面に装着され、基板51を補強する補強部材52と、基板51からの配線を中継するインターポーザ53と、インターポーザ53によって中継された配線の間隔を変換するスペーストランスフォーマ54と、基板51よりも径が小さい円盤状をなしてスペーストランスフォーマ54に積層され、検査対象の配線パターンに対応して複数のプローブ2aを収容保持するプローブヘッド55と、を備える。また、プローブカード5は、基板51に固着され、インターポーザ53およびスペーストランスフォーマ54を積層した状態で一括して保持する保持部材56と、保持部材56に固着されてプローブヘッド55の端部を固定するリーフスプリング57と、を備える。
また、基板51に形成される配線58の一端は、検査装置との接続を行うために基板51の表面であって補強部材52が装着された側の表面に配設された複数のオスコネクタ59に接続される一方、その配線58の他端は、スペーストランスフォーマ54の下端部に形成される電極パッド541(図5参照)を介してプローブヘッド55で収容保持するプローブ2aに接続されている。なお、図4では、記載を簡略にするために、一部の配線58のみを示している。
各オスコネクタ59は、基板51の中心に対して放射状に配設され、検査装置のコネクタ座6で対向する位置に設けられるメスコネクタ60の各々と対をなし、互いの端子が接触することによってプローブ2aと検査装置との電気的な接続を確立する。
図5は、プローブカード5の要部の構成を示す部分断面図である。図5に示すプローブ2aは、ウェハチャック70に載置された半導体ウェハ100a(図4参照)の接続用電極101aの配置パターンに対応して一方の先端が突出するように配設されており、各プローブ2aの先端(底面側)が半導体ウェハ100aの複数の接続用電極101aの表面に対して垂直な方向から接触する。
プローブ2aは、先端がスペーストランスフォーマ54の電極パッド541(接触対象)に接触する第1プランジャ24と、検査対象である半導体ウェハ100aの接続用電極101a(接触対象)に接触する第2プランジャ22と、プランジャ24、22の間に設けられ、第1プランジャ24、第2プランジャ22を伸縮自在に連結するコイルばね23とを備える。互いに連結される第1プランジャ24、第2プランジャ22およびコイルばね23は同一の軸線を有している。なお、第2プランジャ22およびコイルばね23は、上述した構成を有する。また、図1等で説明した構成と同一の構成要素には、同一の符号が付してある。
第1プランジャ24は、先細な先端形状をなす先端部21fと、先端部21fの基端側から延び、先端部21fの径と比して大きい径を有するフランジ部21cと、上述したボス部21dおよび基端部21eとを同軸上に有する。
プローブヘッド55は、例えばセラミックス等の絶縁性材料を用いて形成される。プローブヘッド55には、半導体ウェハ100aの接続用電極101aの配列に応じてプローブ2aを個別に収容するホルダ孔551がプローブヘッド55の厚さ方向(図5の上下方向)に貫通して設けられている。ホルダ孔551は、半導体ウェハ100a側の端面から、少なくとも先端部22aの長手方向の長さよりも小さい長さにわたって形成された小径部551aと、この小径部551aと同じ中心軸を有し、小径部551aの径よりも大きい径を有する大径部551bとを備える。小径孔551aの内径は、先端部22aの外径よりも若干大きくフランジ部22bの外径よりも若干小さい。このため、ホルダ孔551は第2プランジャ22を抜け止めしている。
プローブヘッド55に収容されるプローブ2aの数や配置パターンは、半導体ウェハ100aに形成される半導体チップの数や接続用電極101aの配置パターンに応じて定まる。例えば、直径8インチ(約200mm)の半導体ウェハ100aを検査対象とする場合には、数十〜数千個のプローブ2aが必要となる。また、直径12インチ(約300mm)の半導体ウェハ100aを検査対象とする場合には、数百個〜数万個のプローブ2aが必要となる。
半導体ウェハ100aの検査時には、図3にも示したように、半導体ウェハ100aからの接触荷重により、コイルばね23は長手方向に沿って圧縮された状態となる。コイルばね23が圧縮されると、第2プランジャ22の基端部22dは、密着巻き部23a内に進入し、密着巻き部23aの内周側と摺接する。この際には、第2プランジャ22の軸線が大きくぶれることはないため、基端部22dと密着巻き部23aの内周との摺接が安定するとともに、密着巻き部23aがわずかに蛇行するため、基端部22dとコイルばね23との接触抵抗が安定し、確実な導通が得られる。
なお、ここで説明したプローブ2,2aの構成はあくまでも一例に過ぎず、従来知られているさまざまな種類のプローブに上述した合金材料を適用することが可能である。例えば、上述したようなプランジャとコイルばねとで構成されるものに限らず、ポゴピン、またはワイヤを弓状に撓ませて荷重を得るワイヤープローブや、電気接点同士を接続する接続端子(コネクタ)でもよい。
ここで、接続端子は、電気接点同士を接続するものであって、例えば、上述したプローブ2,2aのように、各電気接点とそれぞれ接触する導電性の2つの端子と、各端子を摺動可能に保持する弾性部材(または保持部材)と、を備えるものである。このような接続端子では、少なくとも端子が上述した合金材料からなる。
以下、この発明の合金材料の実施例および比較例について詳細に説明する。まず、本実施例にかかる合金材料の製造および測定内容について説明する。
実施例および比較例にかかる各合金材料は、所定の組成で配合して、高周波溶解して丸棒(φ5mm、長さ1000mm)のインゴットとして作製した。硬さ試験に用いる硬さ試験片は、以下のようにして作製した。上述したインゴットを切断して、φ5mm、長さ50mmの切断インゴットを2つ得た後、850℃で1時間加熱し水冷して溶体化処理を行った。その後切断した一方の切断インゴットをφ5mm、長さ10mmに切断して硬さ試験片を作製した。ビッカース硬さ試験機を用いて、溶体化処理後の硬さ試験片(溶体化材)のビッカース硬さを測定した。また、溶体化処理した他方の切断インゴットを400℃で1時間加熱(時効処理)した後、φ5mm、長さ10mmに切断して硬さ試験片(時効材)とし、時効処理後のビッカース硬さを測定した。
電気伝導度用の試験片は、以下のようにして作製した。先に作製したインゴットをφ5mm、長さ200mmに切断して850℃で1時間加熱し水冷して溶体化処理を行った。その後、溶体化処理した溶体化材をφ2.0mmまで伸線機にて圧延加工して84%の加工率を加えた。その後、圧延加工した溶体化材を400℃で1時間加熱(時効処理)して、φ2mm、長さ300mmに切断して電気伝導度用の試験片として作製した。電気抵抗測定機を用いて、この電気伝導度用の試験片の抵抗値を測定し、電気伝導度を求めた。
加工性は、電気伝導度用の試験片において84%の加工率を加えた(圧延加工)時の加工性の可否および表面の割れを光学顕微鏡で観察した。加工性の評価は、破断せずに加工できて割れは無いものを○とし、破断せずに加工できたが割れは有るものを△とし、破断して加工ができないものを×とした。
次に、本実施例にかかる合金材料の各金属の原子比割合について説明する。表1は、実施例1〜32にかかる合金材料の原子比割合(組成)と測定結果とを示すものである。表2は、比較例1〜17にかかる合金材料の原子比割合と測定結果とを示すものである。実施例1〜13は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mnを3.5at%添加した組成、または原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mnを0.5at%〜3.5at%添加し、さらにIr、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。なお、実施例2では、Mn、Ir、Ruの添加により、AgおよびPdの最終原子比割合が17at%を下回っている。また、実施例11では、MnおよびIrの添加により、Cuの最終原子比割合が30at%を下回っている。
実施例14〜16は、原子比割合がAg17at%〜25at%、Pd30〜45at%、Cu30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Snを1at%〜2at%添加し、さらにIr、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。なお、実施例14では、SnおよびRuの添加により、Agの最終原子比割合が17at%を下回っている。
実施例17,18は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Siを0.5at%〜2at%添加し、さらにIr、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。
実施例19,20は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Sbを0.5at%〜3at%添加し、さらにIr、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。
実施例21,22は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Tiを0.5at%〜2at%添加し、さらにIr、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。
実施例23,24は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mgを0.5at%〜3.5at%添加し、さらにIr、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。
実施例25〜32は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mnを0.5at%〜3.5at%、Snを1at%〜2at%、Siを0.5at%〜2at%、Sbを0.5at%〜3at%、Tiを0.5at%〜2at%、Mgを0.5at%〜3.5at%の組み合わせを4.5at%を超えない範囲で添加し、さらにIr、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。
比較例1〜5は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金である。比較例6は、上述した組成域から外れた組成である。
比較例7,8は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%の範囲から外れたAg量が低い組成である。また、比較例7は、このAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mnを3.5at%添加した組成であり、比較例8は、Snを2at%添加した組成である。
比較例9は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%(最終原子比割合20.00at%)、Pdが30at%〜45at%(36.00at%)、Cuが30at%〜53at%(40.00at%)からなるAg−Pd−Cuの3元合金にMnを4at%(>3.5at%)添加した組成である。
比較例10は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%(17.50at%)、Pdが30at%〜45at%(38.80at%)、Cuが30at%〜53at%(40.66at%)からなるAg−Pd−Cuの3元合金にSnを3at%(>2at%)、Irを0.04at%添加した組成である。
比較例11は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%(21.30at%)、Pdが30〜45at%(36.30at%)、Cuが30〜53at%(39.35at%)からなるAg−Pd−Cuの3元合金にSiを3at%(>2at%)、Irを0.05at%添加した組成である。
比較例12は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%(17.20at%)、Pdが30at%〜45at%(33.40at%)、Cuが30at%〜53at%(45.37at%)からなるAg−Pd−Cuの3元合金にSbを4at%(>3at%)、Ruを0.03at%添加した組成である。
比較例13は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%(21.40at%)、Pdが30at%〜45at%(33.80at%)、Cuが30at%〜53at%(41.75at%)からなるAg−Pd−Cuの3元合金にTiを3at%(>2at%)、Ruを0.05at%添加した組成である。
比較例14は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%(21.20at%)、Pdが30at%〜45at%(38.40at%)、Cuが30at%〜53at%(36.35at%)からなるAg−Pd−Cuの3元合金にMgを4at%(>3.5at%)添加し、Irを0.03at%とRuを0.02at%の組合せを添加した組成である。
比較例15は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%(20.00at%)、Pdが30at%〜45at%(35.50at%)、Cuが30at%〜53at%(40.00at%)からなるAg−Pd−Cuの3元合金にMnを3.5at%とSnを2at%の組合せを添加した組成である。
比較例16は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%(24.35at%)、Pdが30at%〜45at%(33.05at%)、Cuが30at%〜53at%(41.55at%)からなるAg−Pd−Cu3元合金にインジウム(In)を1at%、Irを0.05at%添加した組成である。
比較例17は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%(20.00at%)、Pdが30at%〜45at%(35.50at%)、Cuが30at%〜53at%(39.95at%)からなるAg−Pd−Cuの3元合金にMnを3.5at%とInを1at%の組合せを添加し、Irを0.05at%添加した組成である。
以下、実施例1〜32および比較例1〜17の測定結果について説明する。実施例1は、時効処理後のビッカース硬さが、HV480以上(HV543)であることが確認された。また、Ag−Pd−Cuの3元合金に対してMnを添加しない組成である比較例1〜6と比べて時効処理後のビッカース硬さが硬く、Mn添加によりビッカース硬さが向上したことが確認された。また、比較例6は、Agが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%の範囲からそれぞれ外れた組成であり、比較例1〜5に比べて特に硬さが低いことが確認された。ただし、比較例1〜6については1時間では充分な硬化が進んでいなかったため400℃で2時間加熱して切断し、時効処理後の硬さを測定した。
また、Ag−Pd−Cuの3元合金に対してMnを3.5at%添加した組成である比較例7と比べると、3元合金はAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%の範囲内であることにより、時効処理後のビッカース硬さが向上したことが確認された。さらに比較例9においては、上記のAg−Pd−Cu3元合金の組成域にも関わらず、Mnを4.0at%添加したことで逆に時効硬化しにくく、ビッカース硬さの向上は認められず、また加工性も劣化することが確認された。
実施例2〜13は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mnを0.5at%〜3.5at%添加し、Ir、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。実施例2〜13は、時効処理後のビッカース硬さがHV487〜554であり、加工性も良好であった。この結果により、MnやIr、Ruを添加しない比較例1〜5と比べて、MnやIr、Ruの添加が、ビッカース硬さの向上に関与していることが確認された。
図6は、本発明の実施例8にかかる合金材料を示す図であって、加工率84%のφ2.0mm合金表面の画像である。図6に示すように、合金材料の表面には、細かな割れもなく良好であった。
実施例14〜16は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Snを1at%〜2at%添加し、Ir、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。実施例14〜16は、時効処理後のビッカース硬さがHV506〜553であり、加工性も良好であった。この結果により、Snを添加しない比較例1〜5と比べて、Snの添加が、ビッカース硬さの向上に関与していることが確認された。
これに対し、比較例8は、Snが添加されているものの、Ag−Pd−Cuの3元合金において上述したAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%の組成域から外れた組成であり、この組成において、ビッカース硬さの向上は認められないことが確認された。
また、比較例10は、本実施の形態にかかる組成域内のAg−Pd−Cuの3元合金にSnを3at%(>2at%)添加でした組成であり、硬さの向上は得られた一方で、加工性が劣化したことが確認された。
実施例17,18は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Siを0.5at%〜2at%添加し、Ir、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。実施例17,18は、時効処理後のビッカース硬さがHV523,HV494であり、加工性も良好であった。この結果により、比較例1〜5と比べて、Siの添加が、ビッカース硬さの向上に関与していることが確認された。
これに対し、比較例11は、本実施の形態にかかる組成域内のAg−Pd−Cuの3元合金にSiを3at%(>2at%)添加した組成であり、硬さの向上は得られた一方で、加工性が劣化したことが確認された。
実施例19,20は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Sbを0.5at%〜3at%添加し、Ir、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。実施例19,20は、時効処理後のビッカース硬さがHV512,HV524であり、加工性も良好であった。この結果により、比較例1〜5と比べて、Sbの添加が、ビッカース硬さの向上に関与していることが確認された。
これに対し、比較例12では、上述したAg−Pd−Cuの3元合金の組成域にも関わらず、Sbを4at%(>3at%)添加すると、逆に時効硬化しにくく、加工性が劣化することが確認された。
実施例21,22は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Tiを0.5at%〜2at%添加し、Ir、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。実施例21,22は、時効処理後のビッカース硬さがHV515,HV526であり、加工性も良好であった。この結果により、比較例1〜5と比べて、Tiの添加が、ビッカース硬さの向上に関与していることが確認された。
これに対し、比較例13では、上述したAg−Pd−Cuの3元合金の組成域にも関わらず、Tiを3at%(>2at%)添加すると、逆に時効硬化しにくく、加工性が劣化することが確認された。
実施例23,24は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mgを0.5at%〜3.5at%添加し、Ir、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。実施例23,24は、時効処理後のビッカース硬さがHV511,523であり、加工性も良好であった。この結果により、比較例1〜5と比べて、Mgの添加が、ビッカース硬さの向上に関与していることが確認された。
これに対し、比較例14では、上述したAg−Pd−Cuの3元合金の組成域にも関わらず、Mgを4at%(>3.5at%)添加すると、逆に時効硬化しにくく、加工性が劣化することが確認された。
実施例25〜32は、原子比割合においてAgが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mn、Sn、Si、Sb、TiおよびMgの少なくとも1つを4.5at%以下の範囲で添加し、かつMnが0.5at%〜3.5at%、Snが1〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加されるとともに、Ir、Ruの1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%添加した組成である。実施例25〜32は、時効処理後のビッカース硬さがHV523〜530であり、加工性も良好であった。この結果により、比較例1〜5と比べて、Mn、Sn、Si、Sb、TiおよびMgの組み合わせ添加がビッカース硬さの向上に関与していることが確認された。
これに対し、比較例15は、本実施の形態にかかる組成域内のAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mnを3.5at%、Snを2at%の組合せで添加した組成である。比較例15は、実施例25〜32と比べて、ビッカース硬さは変わらないが、加工性は劣化した。この結果により、Mn、Sn、Si、Sb、TiおよびMgの組み合わせで4.5at%以上となる場合には加工性が劣化し、合金材料として好ましくないことが確認された。
また、比較例16は、本実施の形態にかかる組成域内のAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Inを1at%とIrを0.05at添加した組成である。比較例16は、ビッカース硬さがHV470であり、比較例1〜5に比べると硬さの向上は得られたが、類似組成であるMnを1at%添加した組成である実施例10や、Snを1at%添加した組成である実施例16に比べると、ビッカース硬さの向上が小さい。また、比較例16は、類似組成であるSi、Sb、Ti、Mgのいずれかを組合せて0.5at%添加した組成である実施例17,19,21,23と比べると、ビッカース硬さの向上が小さい。
また、比較例17は、本実施の形態にかかる組成域内のAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mnを3.5at%とInを1at%の組合せを添加し、Irを0.05at%添加した組成である。比較例17は、Mn、Sn、Si、Sb、Ti、Mgの単独添加や組合せ添加に比べて大きな硬さの変化はなく加工性がやや劣化する。これにより、Agが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%からなるAg−Pd−Cuの3元合金に対する添加金属の違いによるビッカース硬さは、Mn、Sn、Si、Sb、Ti、Mgの方がInより効果があることが確認された。
図7は、本発明の比較例17にかかる合金材料を示す図であって、加工率84%のφ2.0mm合金表面の画像である。図7に示すように、合金材料の表面には、細かな割れが見られた。
また、上述した実施例1〜32および比較例1〜17では、時効処理の温度を400℃として処理されたものとして説明したが、実施例7の組成において、時効処理の温度を300℃(実施例7−1)、350℃(実施例7−2)、450℃(実施例7−3)として処理した硬さ、電気伝導度、加工性を表1に示す。また、実施例7−1〜実施例7−3と添加金属が同じ合金材料(本実施の形態にかかる組成域内のAg−Pd−Cuの3元合金を基本として、Mnを3.5at%とIrを0.05at%の組合せを添加)において、時効処理の温度を275℃(比較例18−1)、475℃(比較例18−2)として処理した硬さ、電気伝導度、加工性を表2に示す。
実施例7−1,7−2,7−3は、時効処理後のビッカース硬さがHV481〜541であり、加工性も良好であった。この結果により、時効処理の温度が300℃、350℃、450℃であっても、良好なビッカース硬さの合金材料が得られることが確認された。一方で、比較例18−1,18−2は、時効処理後のビッカース硬さがHV380,401であった。この結果により、時効処理の温度が300℃より低温、または450℃より高温であると、良好なビッカース硬さの合金材料が得られない。
また、電気伝導度測定では、上述した実施例1〜32、実施例7−1,7−2,7−3において導電性が良好であることが確認された。
なお、実施例1や実施例3〜10、実施例15〜17、実施例19〜32は、上述した組成領域内の18at%Ag−35at%Pd−47at%Cu、22at%Ag−35at%Pd−43at%Cu、18at%Ag−40at%Pd−42at%Cu、22at%Ag−40at%Pd−38at%Cuの各組成を基本として、Mn、Sn、Si、Sb、TiおよびMgの少なくとも1つを4.5at%以下の範囲で添加し、かつMnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加される組成である。実施例1や実施例3〜10、実施例15〜17、実施例19〜32は、実施例2や実施例11〜14、実施例18に比べて、ビッカース硬さの向上が大きいため、最大限の硬さを得るには、この組成域内のAg−Pd−Cuの3元合金を用いることがより好ましい。
以上のように、本発明にかかる合金材料、この合金材料からなるコンタクトプローブおよび接続端子は、導電性、硬度および加工性の面で、コンタクトプローブ用として有用である。
1 ソケット
2,2a コンタクトプローブ(プローブ)
3 プローブホルダ
4 ホルダ部材
5 プローブカード
6 コネクタ座
21,24 第1プランジャ
21a,21f,22a 先端部
21b 爪部
21c,22b フランジ部
21d,22c ボス部
21e,22d 基端部
22 第2プランジャ
23 コイルばね
23a 密着巻き部
23b 粗巻き部
31 第1部材
32 第2部材
33,34 ホルダ孔
33a,34a 小径部
33b,34b 大径部
51 基板
52 補強部材
53 インターポーザ
54 スペーストランスフォーマ
55 プローブヘッド
56 保持部材
57 リーフスプリング
58 配線
59 オスコネクタ
60 メスコネクタ
70 ウェハチャック
100 半導体集積回路
100a 半導体ウェハ
101,101a 接続用電極
200 回路基板
201 電極
541 電極パッド

Claims (6)

  1. 銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)の3元合金の組成領域において、Agが17at%〜25at%、Pdが30at%〜45at%、Cuが30at%〜53at%を占める組成とし、該組成を基本として、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)、アンチモン(Sb)、チタン(Ti)およびマグネシウム(Mg)の少なくとも1つを4.5at%以下の範囲で添加し、かつMnが0.5at%〜3.5at%、Snが1at%〜2at%、Siが0.5at%〜2at%、Sbが0.5at%〜3at%、Tiが0.5at%〜2at%、Mgが0.5at%〜3.5at%の範囲内でそれぞれ添加されることを特徴とする合金材料。
  2. イリジウム(Ir)およびルテニウム(Ru)の1つ若しくはこれらの組み合わせを0.01at%〜0.05at%さらに添加したことを特徴とする請求項1に記載の合金材料。
  3. 300℃〜450℃で加熱して時効処理させたビッカース硬さが、HV480〜560であることを特徴とする請求項1または2に記載の合金材料。
  4. 長手方向の両端で接触対象とそれぞれ接触する導電性のコンタクトプローブであって、
    少なくとも一部が、請求項1〜3のいずれか一つに記載の合金材料を用いて形成されたことを特徴とするコンタクトプローブ。
  5. 一端で一方の接触対象と接触する導電性の第1プランジャと、
    一端で他方の接触対象と接触する導電性の第2プランジャと、
    前記第1および第2プランジャの間に設けられて該第1および第2プランジャを伸縮自在に連結するコイルばねと、
    を有し、
    前記第1プランジャ、前記第2プランジャおよび前記コイルばねのうち、少なくとも一つが前記合金材料からなることを特徴とする請求項4に記載のコンタクトプローブ。
  6. 長手方向の両端で接触対象とそれぞれ接触する導電性の接続端子であって、
    少なくとも一部が、請求項1〜3のいずれか一つに記載の合金材料を用いて形成されたことを特徴とする接続端子。
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