JPWO2014021003A1 - 積層シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

ポリアミド系樹脂を主たる構成成分とする層(P1層)と、オレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層(P3層)とを有する積層シートであって、P3層が無機粒子を含有し、さらにP1層が表層に位置し、P1層とは逆表層にP3層が位置し、積層シート全体の厚みをTa(μm)、P1層の厚みをT1(μm)、P3層の厚みをT3(μm)、P3層中の無機粒子の含有量をM(質量%)とした時に、下記式(1)〜(3)の全てを満たす、従来のポリアミド系樹脂を用いた積層シートと比べて耐久性と難燃性と水蒸気バリア性の両立が可能で、特に太陽電池用バックシートとして好適に使用できる積層シートの提供。0.05≦M/T3≦0.5・・・(1)200≦Ta≦500 ・・・(2)0.3≦T1/Ta≦0.5・・・(3)

Description

本発明は耐久性と難燃性と水蒸気バリア性の両立が可能な積層シートに関する。特に太陽電池用バックシートとして好適に使用できる積層シート、および該積層シートの製造方法に関する。
近年、半永久的で無公害の次世代エネルギー源として太陽光発電が注目を浴びており、太陽電池は急速に普及しつつある。太陽電池は、発電素子をエチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)などの透明な封止材により封止したものに、ガラスなどの透明基板と、バックシートと呼ばれる樹脂シートを貼り合わせて構成される。太陽光は透明基板を通じて太陽電池内に導入される。太陽電池内に導入された太陽光は、発電素子にて、吸収され、吸収された光エネルギーは、電気エネルギーに変換される。変換された電気エネルギーは発電素子に接続したリード線にて取り出されて、各種電気機器に使用される。ここで、従来のバックシートは安価で高性能である二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)に種々の素材をドライラミネートにて貼り合わせることによってバリア性や電気特性を付与する構成が検討されてきた。また、オレフィン系樹脂はバリア性に加えて上記封止材との密着性が良好であるため、バックシートとして一般的に用いられる素材である。
一方、バックシートの耐久性、生産性を高めるためにPET以外の樹脂材料の適用検討が行われていて、耐久性があるポリアミド系樹脂をベースとしたバックシートが開発されている(特許文献1、2)。
特表2010−528454号公報 特表2010−527142号公報
しかしながら、ポリアミド系樹脂は一般に水蒸気バリア性が二軸延伸PETに比べて低いという欠点を有していた。さらに、熱によって劣化しやすく、色調が黄色に変化しやすいという課題がある。また、特許文献2に記載のポリアミド系樹脂に二軸延伸PETを積層したシートでは、水蒸気バリア性は得られるものの、高い耐湿熱性と層間密着性を得るためには二軸延伸プロセスが必須であり、生産性に課題がある。そこで、本発明では従来の課題を鑑みて、生産性が高く、黄変しにくく、耐久性と層間密着性、水蒸気バリア性を兼ね備えた太陽電池用バックシートに好適に用いることが可能な積層シートを提供する。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成をとる。すなわち、以下である。
ポリアミド系樹脂を主たる構成成分とする層(P1層)と、オレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層(P3層)とを有する積層シートであって、
P3層が無機粒子を含有し、
さらにP1層が表層に位置し、P1層とは逆表層にP3層が位置し、
積層シート全体の厚みをTa(μm)、P1層の厚みをT1(μm)、P3層の厚みをT3(μm)、P3層中の無機粒子の含有量をM(質量%)とした時に、下記式(1)〜(3)の全てを満たすことを特徴とする、積層シート。
0.05≦M/T3≦0.5・・・(1)
200≦Ta≦500・・・(2)
0.3≦T1/Ta≦0.5・・・(3)
本発明によれば、太陽電池用バックシートに好適に使用できるレベルの耐久性、層間密着性、水蒸気バリア性、封止剤密着性、難燃性、黄変に優れた積層シートを提供することができる。かかる積層シートは太陽電池用バックシートに好適に使用でき、さらに該バックシートを用いることによって高性能な太陽電池を提供することができる。
本発明の積層シートを用いた太陽電池の構成の一例を模式的に示す断面図である。
本発明の積層シートは、ポリアミド系樹脂を主たる構成成分とする層(P1層)とポリオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層(P3層)とを有する。
本発明におけるP1層の主たる構成成分であるポリアミド系樹脂とは、1)ラクタム骨格を有する化合物を開環重合したもの、2)一分子中にアミノ基とカルボキシル基を有するアミノ酸化合物を重縮合したもの、3)ジアミン化合物とジカルボン酸化合物を重縮合したもの、および1)〜3)を共重合したもの等が挙げられる。そしてP1層の主たる構成成分であるポリアミド系樹脂は、これらを単独で用いることも、混合して用いることも可能である。
1)に用いられるラクタム骨格を有する化合物の例としてはε−カプロラクタム(開環重合によりナイロン6が得られる)、ω−ウンデカンラクタム(開環重合によりナイロン11が得られる)、ω−ラウロラクタム(開環重合によりナイロン12が得られる)などのラクタム化合物が挙げられる。
また2)に用いられる一分子中にアミノ基とカルボキシル基を有するアミノ酸化合物の例としては、ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノ酸化合物が挙げられる。
また3)に用いられるジアミン化合物としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1,2,2,4−テトラメチルへキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルへキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−p−アミノシクロヘキシルメタン、2,2−ビス−p−アミノシクロへキシルプロパン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。また、3)に用いられるジカルボン酸化合物としては、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セパシン酸、ドデカンニ酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などのジカルボン酸化合物が挙げられる。
これらの化合物について、1)ラクタム骨格を有する化合物、2)アミノ酸化合物、について単独または混合物、あるいは3)ジアミンとジカルボン酸の混合物、等の形で重合に供され、そうして得られるポリアミド系樹脂は、単独の重合体、共重合体のいずれも本発明で用いることができる。つまり、例えば、1)ラクタム骨格を有する化合物が用いられる場合であれば、1種または2種以上のラクタム骨格を有する化合物が重合され、ポリアミド系樹脂が得られる(なお、2種以上の化合物が用いられる場合、得られるポリアミド系樹脂は共重合体となる)。同様に、2)アミノ酸化合物が用いられる場合であれば、1種または2種以上のアミノ酸化合物が重合され、ポリアミド系樹脂が得られる。また、3)ジアミン化合物とジカルボン酸化合物が用いられる場合であれば、1種または2種以上のジアミン化合物および1種または2種以上のジカルボン酸化合物が重合され、ポリアミド系樹脂が得られる。これらの中でもポリアミド系樹脂としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリへキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリへキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、が好ましい。
ここで、本発明の積層シートにおいて、P1層の主たる構成成分であるポリアミド系樹脂は、結晶性の高さや強度、耐熱性、剛性面で、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、及びナイロン12からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂であることがより好ましい。
なおP1層について、ポリアミド系樹脂を主たる構成成分とするとは、該層の全成分100質量%において、ポリアミド系樹脂を50質量%を超えて100質量%以下含有していることを意味する。
本発明の積層シートを構成するP1層は、0.1質量%以上30質量%以下の範囲で無機粒子を含有することが好ましい。P1層中の無機粒子の含有量は、より好ましくは2質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上20質量%以下である。この無機粒子は、その目的に応じて必要な機能をシートに付与するために用いられる。P1層中の無機粒子の含有量が30質量%超であると、ハンドリング性が低下したり、耐久性が低下したりすることがある。P1層中の無機粒子の含有量が0.1質量%未満であると、無機粒子を含有させたことによる効果が得られにくく、黄変が起こることがある。
P1層に好適に用いられる無機粒子としては、紫外線吸収能のある無機粒子、ポリアミド系樹脂との屈折率差が大きな粒子、導電性を持つ粒子、顔料といったものが例示され、これにより耐紫外線性や、光反射性、白色性といった光学特性、帯電防止性などを付与することができる。なお、粒子とは、投影した等価換算円の直径による一次粒径として5nm以上のものをいう。また、特に断らない限り、本発明において粒径は一次粒径を意味し、粒子は一次粒子を意味する。
さらに詳細に説明すると、本発明のP1層に好適に用いられる無機粒子は、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、レニウム、バナジウム、オスミウム、コバルト、鉄、亜鉛、ルテニウム、プラセオジウム、クロム、ニッケル、アルミニウム、スズ、亜鉛、チタン、タンタル、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、イットリウム、ランタニウム等の金属、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セシウム、酸化アンチモン、酸化スズ 、インジウム・スズ酸化物、酸化イットリウム 、酸化ランタニウム 、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の金属酸化物、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム 、フッ化アルミニウム 、氷晶石等の金属フッ化物、リン酸カルシウム等の金属リン酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム等の硫酸塩、タルクおよびカオリン等が挙げられる。
本発明においては、屋外で使用されることが多いことを鑑みれば、P1層中の無機粒子として、紫外線吸収能を有する無機粒子である酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、などの金属酸化物が好ましい。紫外線吸収能を有する無機粒子を用いた場合に、無機粒子による耐紫外線性を活かして、長期に渡ってシートの劣化による着色を低減するという効果を発揮することができる点で好ましい。さらには、高い反射特性も付与できるという点で、P1層中の無機粒子としては酸化チタンを用いるのがより好ましく、耐紫外線性がより高いという点でルチル型酸化チタンを用いるのがさらに好ましい。つまり、本発明では、P1層が酸化チタンを含有することが特に好ましく、中でもルチル型の酸化チタンを含有することが好ましい。
P1層中にポリアミド系樹脂及び無機粒子を含有させる方法は、予めポリアミド系樹脂と無機粒子を、ベント式二軸混練押出機やタンデム型押出機を用いて、溶融混練する方法が好ましい。ここで、無機粒子を含有させる際に熱履歴を受けるため、少なからずポリアミド系樹脂が劣化することがある。そのため、P1層に含まれることとなる無機粒子量に比べて、無機粒子含有量の多い高濃度マスターペレットを作製し、それをポリアミド系樹脂と混合して希釈し、所定のP1層の無機粒子含有率とするのが、耐久性の観点から好ましい。
また、本発明の積層シートのP1層およびP3層には、本発明の効果が損なわれない範囲内でその他の添加剤(例えば、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、有機の易滑剤、顔料、染料、充填剤、帯電防止剤、核剤などが挙げられる。但し、本発明にいう無機粒子は、ここでいう添加剤には含まれない)を含有していてもよい。例えば、添加剤として紫外線吸収剤を選択して、P1層及び/又はP3層に含有させた場合には、本発明の積層シートの耐紫外線性をより高めることが可能となる。また、P1層及び/又はP3層に帯電防止剤などを含有させると、耐電圧向上が期待できる。
また、本発明におけるP1層は、難燃性の観点から積層シートの表層に位置することが重要である。ここでP1層が表層に位置するとは、本発明の積層シートの一方の最表層に、P1層が位置することを意味する。
本発明では、P1層と後述するP3層との間に、P2層を設けることが好ましい。ここでP2層とは、低結晶性軟質重合体、アクリル系接着剤、及びエチレン酢酸ビニル系共重合体からなる群より選ばれる1つを主たる構成成分とする層である。なおP2層について、低結晶性軟質重合体、アクリル系接着剤、及びエチレン酢酸ビニル系共重合体からなる群より選ばれる1つを主たる構成成分とするとは、該層の全成分100質量%において、低結晶性軟質重合体、アクリル系接着剤、及びエチレン酢酸ビニル系共重合体からなる群より選ばれる1つを50質量%を超えて100質量%以下含有していることを意味する。
P2層は、P1層とP3層の間にあることが好ましい。P2層が、P1層とP3層の間にあるとは、本発明の積層シートの表層であるP1層と、逆表層であるP3層の間、つまり、P2層が内層にあることを意味する。つまり、P2層は、P1層とP3層の間にありさえすれば、P1層やP3層と接してもいいし、これらと接しない配置であっても構わない。例えばP2層は、P1層/P2層/P3層と、P1層及びP3層と接していても構わないし、P1層/P2層/P5層/P2層/P3層など、他の層と接していても構わない。
また、P2層は、P1層とP3層の両層に接着する機能を有することが好ましい。なおP2層の主たる構成成分の一つである低結晶性軟質重合体としては、例えば、酸変性ポリオレフィン、不飽和ポリオレフィンなどを挙げることができる。またP2層の主たる構成成分の一つであるアクリル系接着剤とはアクリル酸エステルおよびメタアクリル酸エステルを原料として用いるものをさし、アクリル系接着剤としては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体などを挙げることができる。中でもP1層とP3層の両層に接着するという観点から、P2層は酸変性ポリオレフィンを主たる構成成分とすることが好ましい。ここで酸変性ポリオレフィンとしては、例えば市販品では三井化学(株)社製“アドマー”や三菱化学(株)社製の“モディック”が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンとは、酸化合物とポリオレフィンの共重合体である(ただし、原料として、アクリル酸エステルおよびメタアクリル酸エステルが用いられているものは除く)。酸化合物は、本発明の目的を著しく逸脱しない限り特に限定されないが、好ましくはカルボキシル基を少なくとも1以上有する、飽和又は不飽和のカルボン酸及び無水カルボン酸である。より好ましくはカルボキシル基を2以上有するカルボン酸及び無水カルボン酸である。具体的には、例えばマレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アコニット酸、クロトン酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、チオマリン酸、酒石酸、アジピン酸、クエン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸等のカルボン酸、ならびに、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、及び無水コハク酸等の無水カルボン酸が挙げられる。好ましくはマレイン酸及び無水マレイン酸であり、特に好ましくは無水マレイン酸である。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリシクロオレフィン、ポリヘキセン、ポリオクテン、ポリデセン、ポリドデセン等が挙げられこの中でも加工が容易で比較的安価であることから各種プロピレン系重合体を用いることが好ましい。例えば、プロピレン単独重合体(ポリプロピレンホモポリマー)、エチレン及びプロピレンの共重合体、プロピレンとその他のコモノマー、例えばブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、シクロペンテン、シクロヘキセン、及びノルボルネンなどの炭素数2以上のα−オレフィンコモノマーとの共重合体、もしくはこれらコモノマーの2種類以上の共重合体を用いることができる。α−オレフィンコモノマーとして好ましくは炭素数2〜6のα−オレフィンコモノマーである。ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
また、P2層は、ポリオレフィン系エラストマーを含有することが好ましい。ポリオレフィン系エラストマーとは、一般的にポリプロピレンにエチレン−プロピレンゴムを微分散させたもの、またはポリプロピレンに他のα−オレフィンを共重合させたものなどをいう。これらポリオレフィン系エラストマーは、P2層の全成分100質量%に対して、0.1質量%以上20質量%以下の割合で含有されることが好ましい。ポリオレフィン系エラストマーを含むことにより、P2層に粘着性を付与することができ、P1層とP2層との密着性及びP3層とP2層との密着性が向上する。P2層中のポリオレフィン系エラストマーの含有量は、好ましくは10質量%以上20質量%以下である。ポリオレフィン系エラストマーは市販品でもよく、例えば三菱化学(株)社製“サーモラン”、“ゼラス”、住友化学(株)社製“エクセレン”、“タフセレン”、“エスプレン”、クラレ製“ハイブラー”、“セプトン”、三井化学(株)社製“ノティオ”などが好ましく挙げられる。
本発明におけるP3層は、オレフィン系樹脂を主たる構成成分とする。本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリシクロオレフィン、ポリヘキセン、ポリオクテン、ポリデセン、ポリドデセン等が挙げられる。この中でも加工が容易で比較的安価であることなどから、P3層のオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンであることが好ましい。これらオレフィン系樹脂は、混合および他のオレフィン化合物を共重合しても良く、例えばエチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ブテンコポリマーとすると樹脂の融点を低下させることができる。
なおP3層について、オレフィン系樹脂を主たる構成成分とするとは、該層の全成分100質量%において、オレフィン系樹脂を50質量%を超えて100質量%以下含有していることを意味する。
本発明におけるP3層中のオレフィン系樹脂の融点(以下、融解吸熱ピーク温度ともいう)は、120℃以上155℃以下であることが好ましい。P3層中のオレフィン系樹脂の融点が120℃未満であると、耐熱性に劣る可能性がある。一方、P3層中のオレフィン系樹脂の融点が155℃超であると、封止材との接着性が低くなることがある。
本発明では、積層シート全体の厚みをTa(μm)、P1層の厚みをT1(μm)、P3層の厚みをT3(μm)、P3層中の無機粒子の含有量をM(質量%)とするときに、式(1)〜(3)の全てを満たすことが重要である。
0.05≦M/T3≦0.5・・・(1)
200≦Ta≦500・・・(2)
0.3≦T1/Ta≦0.5・・・(3)
式(1)〜(3)を同時に満たすことによって、耐久性と層間密着性、水蒸気バリア性、電気特性を兼ね備えた積層シートとすることができる。
なお、本発明の積層シートが、P1層やP3層を複数層有する場合には、表層のP1層を用いてT1を求め、逆表層のP3層を用いてT3、Mを求めて、これが式(1)〜(3)を同時に満たすことが重要である。
式(1)は、厚みあたりの無機粒子の量を数式化したものであり、無機粒子の効果を発現させるためには、厚みが厚いほど無機粒子の量を増やすことが重要であることを示す。
本発明者らは、従来の知見から、熱劣化に伴う色調の変化は、主として無機粒子の濃度に依存すると考えた。
しかし、本発明者らが検討を進めたところ、熱劣化に伴う色調の変化は、無機粒子の濃度にのみ単純に依存するものではなく、P1層の厚みにも依存することが見出された。本発明者らは、この理由として、劣化により生じる色調の変化量(可視光の吸収量)は厚み方向の積算で得られるため、厚みが大きいほど色調変化が大きくなるものと推測し、色調変化を効率的に抑制するために、厚みに応じて無機粒子の量を制御することを着想した。
それゆえ、式(1)は、無機粒子の濃度と厚みを用いて表現されており、本発明においては、当該式(1)の関係が満たされることが重要となる。
式(1)において、M/T3が0.05より小さいと、P3層が劣化により黄変しやすく問題である。M/T3が0.5より大きいと、EVAとの密着性が低下する問題がある。
P3層は無機粒子を含有することが重要であり、この無機粒子はその目的に応じて必要な機能をシートに付与するために用いられる。P3層中の無機粒子としては、前述のP1層中の無機粒子として挙げた無機粒子と同様のものを用いることができる。そして本発明においては、屋外で使用されることが多いことを鑑みれば、P3層中の無機粒子は、紫外線吸収能を有する酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、などの金属酸化物が好ましい。紫外線吸収能を有する無機粒子を用いた場合に、無機粒子による耐紫外線性を活かして、長期に渡ってシートの劣化による着色を低減するという効果を発揮することができる点で好ましい。さらには、高い反射特性も付与できるという点で、P3層中の無機粒子として酸化チタンを用いるのがより好ましく、耐紫外線性がより高いという点でルチル型酸化チタンを用いるのがさらに好ましい。つまり、本発明では、P3層が酸化チタンを含有することが特に好ましく、中でもルチル型の酸化チタンを含有することが好ましい。
式(2)は、積層シート全体の厚みの範囲を表し、Taが200μmよりも小さいと、耐久性や難燃性、水蒸気バリアが劣る。Taが500μmよりも大きいと、加工性が悪く搬送がしにくいため工程適性が悪いという問題や重量が重くなる問題がある。さらに、本発明の積層シートを太陽電池バックシートとして用いる場合、軽量化・省スペース化が求められる太陽電池モジュールが厚くなりすぎる問題がある。
式(3)は、全体厚みに対する、P1層の厚み割合を示したものであり、耐久性はポリアミド系樹脂の影響が大きく、T1/Taの値が0.3より小さいと、耐久性が低下する問題がある。T1/Taの値が大きいほど耐久性は向上するが、ポリアミド系樹脂は吸湿性が高いため、電気特性に悪影響を与え、T1/Taの値が0.5を超えると電気特性が問題となる。
P2層の厚みT2(μm)は、15〜50μmであることが好ましい。なお、P2層が複数存在する場合には、それぞれのP2層の厚みT2(μm)が15〜50μmであることが好ましい。T2が15μmより小さいと、P1層やP3層との密着性が低下し、層間剥離が起こりやすく好ましくない。T2が50μmより大きいと、難燃性の悪化が起こりやすい。T2は、より好ましくは20μm以上40μm以下である。ここで、層間剥離は、P1層とP2層の間およびP2層とP3層の間など界面剥離するものをいう。
本発明における積層シートの積層構成は、少なくともP1層が表層に位置し、P1層とは逆表層にP3層が位置した構成である。ここで、P1層とは逆表層にP3層が位置するとは、P1層が積層シートの一方の最表層に位置するので、他方の最表層にP3層が位置することを意味する。このような観点から、本発明の積層シートの層構成(層の順序)は、P1層/P2層/P3層が好ましい。さらには、本発明の積層シートは、例えば、(i)4種五層構成である、P1層/P2層/P5層/P2層/P3層のように、P1層とP3層の間にその他の機能を有する層が含まれていても構わない。さらに本発明の積層シートは、(ii)P1層/P2層/P3層/P2層/P1層/P2層/P3層、とした層構成など、P2層を介してP1層とP3層が複数積層される多層積層構成なども好ましい態様である。
また、本発明の積層シートは、他のフィルム等と積層した積層体することができる。このような積層体においても、P1層はいずれか一方の表層に設けられる積層構成を取ることが好ましい。他のフィルムの例として、機械的強度を高めるためのポリエステル層、帯電防止層、他素材との密着層、耐紫外線性をさらに向上させるための耐紫外線層、難燃性付与のための難燃層、耐衝撃性や耐擦過性を高めるためのハードコート層など、用途に応じて、任意に選択して用いることができる。本発明の積層シートを、他のフィルム等と積層した積層体とした場合の具体例として、本発明の積層シートを太陽電池バックシートとして用いる場合は、他のシート材料や、発電素子を埋包している封止材(例えばエチレンビニルアセテート)との密着性を更に向上させるため易接着層、耐紫外線層、難燃層の他、絶縁性の指標である部分放電現象の発生する電圧を向上させる導電層を形成させることなどが挙げられる。
次に、本発明の積層シートの製造方法について例を挙げて説明する。本発明の積層シートにおいてP1層、P2層、P3層を積層する方法としては、例えば、P1層用のポリアミド系樹脂を主たる構成成分とする原料、P2層用の低結晶性軟質重合体、アクリル系接着剤、及びエチレン酢酸ビニル系共重合体からなる群より選ばれる1つを主たる構成成分とする原料、およびP3層用のオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする原料を、それぞれ別の押出機に供給し、各々溶融後にP1層、P2層、P3層をこの順に合流させて積層し、Tダイからシート状に押し出す工程を含んでシートに加工する方法(共押出法)、単膜で作製したシートに被覆層原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、各フィルムをそれぞれ別々に作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、接着剤を介して貼り合わせる方法(接着法)、その他、溶媒に溶解させたものを塗布・乾燥する方法(コーティング法)、およびこれらを組み合わせた方法等を使用することができる。これらのうち製造工程が短く、かつ層間の接着性が良好であるという点で共押出法が好ましい。以下、共押出法での製法を詳述する(ただし、以下において詳述される製法は一例である)。
本発明の積層シートを共押出法で作製する場合、まず乾燥したP1層用のポリアミド系樹脂を主たる構成成分とする原料、P2層用の低結晶性軟質重合体、アクリル系接着剤、及びエチレン酢酸ビニル系共重合体からなる群より選ばれる1つを主たる構成成分とする原料、およびP3層用のオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする原料を、窒素気流下で、P1層は240℃以上300℃以下、P2層およびP3層は180℃以上250℃以下に加熱された3台の押出機にそれぞれ供給し溶融する。次いで、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー、ピノール等を用いて、P1層、P2層およびP3層をこの順に合流、積層させて、Tダイからシート状に共押出する。各層の溶融粘度差が大きい場合は、積層ムラ抑制の観点からマルチマニホールドダイを用いることが好ましい。
前記の方法によってTダイから吐出した積層シートを、キャスティングドラム等の冷却体上に押出、冷却固化することにより、本発明の積層シートを得ることができる。
前記の方法で得られた本発明の積層シートを本発明の効果が損なわれない範囲で、必要に応じて熱処理やエージングなどの加工処理を加えてもよい。熱処理することで、本発明の積層シートの熱寸法安定性を向上することができる。また、前記の方法で得られた本発明の積層シートの密着性を向上させるために、コロナ処理、プラズマ処理を実施してもよい。
本発明の太陽電池バックシートは、本発明の積層シートからなる。つまり本発明の積層シートは、太陽電池バックシートとして好適に用いることができる。本発明の太陽電池は、本発明の太陽電池バックシートを用いたことを特徴とする。本発明の積層シートを太陽電池中に用いることで、従来の太陽電池と比べて耐久性を高めたり、薄くすることが可能となる。本発明の太陽電池の構成例を図1に示す。図1では、電気を取り出すリード線(図1には示していない)を接続した発電素子3を、EVA系樹脂などの透明な封止材2で封止したものに、ガラスなどの透明基板4と、本発明の積層シートを太陽電池用バックシート1として貼り合わせて構成されるが、本発明の太陽電池の構成例はこれに限定されず、任意の構成に用いることができる。なお、図1では本発明の積層シート単体での例を示したが、その他必要とされる要求特性に応じて本発明の積層シートと他のフィルムとの複合シートを用いることも可能である。
また、本発明の太陽電池部材とは、太陽電池に用いられ、かつ、本発明の積層シートを有する部材である。また、上述の太陽電池バックシートも本発明の太陽電池部材に含まれる。本発明の積層シートは、上述のとおり、太陽電池バックシートに適した特性を持つので、本発明の積層シートを用いてなる太陽電池部材は、太陽電池用途に好適に供せられる。
本発明の積層シートにおいて、他のフィルム等と積層する方法としては、例えば、共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製したシートに被覆層原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、各フィルムをそれぞれ別々に作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、接着剤を介して貼り合わせる方法(接着法)、その他、溶媒に溶解させたものを塗布・乾燥する方法(コーティング法)、およびこれらを組み合わせた方法等を使用することができる。
本発明の太陽電池において、上述の太陽電池バックシート1は、発電素子を封止した封止材2の背面に設置される。ここで、本発明の太陽電池バックシートが非対称の構成であり、P3層が封止材2側に位置するように配置されるのが、封止材との密着性をより高くすることができるという点で好ましい。また、封止材2と反対側に本発明の積層シートのP1層が位置するように配置される構成となるため、地面からの照り返しの紫外線などに対する耐性を高めることが可能となり、高耐久の太陽電池としたり、厚さを薄くすることができる。
また、本発明の積層シートは、積層シートと封止材を有してなる太陽電池の部材として好適に用いることができる。
したがって、本発明の積層シートと封止材を有してなる太陽電池部材は、太陽電池用途に特に好適に供せられる。特に、上述のとおり、該封止材が該積層シートのP3層の表面側に位置することが好ましい。
さらに、本発明では、封止材を積層シートとあらかじめ積層しておくことが好ましく、特に封止材も同時に共押出してシート状に加工する方法が好ましい。
発電素子3は、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、結晶シリコン系、多結晶シリコン系、微結晶シリコン系、アモルファスシリコン系、銅インジウムセレナイド系、化合物半導体系、色素増感系など、目的に応じて任意の素子を、所望する電圧あるいは電流に応じて複数個を直列または並列に接続して使用することができる。透光性を有する透明基板4は太陽電池の最表層に位置するため、高透過率のほかに、高耐候性、高耐汚染性、高機械強度特性を有する透明材料が使用される。本発明の太陽電池において、透光性を有する透明基板4は上記特性と満たせばいずれの材質を用いることができ、その例としてはガラス、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン樹脂などのフッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、およびこれらの混合物などが好ましく挙げられる。ガラスの場合、強化されているものを用いるのがより好ましい。また樹脂製の透光基材を用いる場合は、機械的強度の観点から、上記樹脂を一軸または二軸に延伸したものも好ましく用いられる。
また、これら基材には発電素子の封止材であるEVA系樹脂などとの接着性を付与するために、表面に、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、易接着処理を施すことも好ましく行われる。
発電素子を封止するための封止材2は、発電素子の表面の凹凸を樹脂で被覆し固定し、外部環境から発電素子保護し、電気絶縁の目的の他、透光性を有する基材やバックシートと発電素子に接着するため、高透明性、高耐候性、高接着性、高耐熱性を有する材料が使用される。その例としては、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、およびこれらの混合物などが好ましく用いられる。
以上のように、本発明の積層シートを用いた太陽電池バックシートを太陽電池中に組み込むことにより、従来の太陽電池と比べて、高耐久および/または薄型の太陽電池とすることが可能となる。本発明の太陽電池は、太陽光発電システム、小型電子部品の電源など、屋外用途、屋内用途に限定されず各種用途に好適に用いることができる。
[特性の評価方法]
(1)層厚みT1、T2、T3、Ta、積層比T1/Ta
積層シートの層厚みT1、T2、T3、Taおよび積層比T1/Taを、下記(A1)〜(A4)の手順にて求めた。なお、測定は10ヶ所場所を変えて測定し、その平均値をP1層の厚みT1(μm)、P2層の厚みT2(μm)、P3層の厚みT3(μm)、シート全体の厚みTa(μm)として、さらにここで得られたT1及びT3を用いて積層比T1/T3を求めた。
(A1)ミクロトームを用いて、積層シート断面を厚み方向に潰すことなく、積層シート面方向に対して垂直に切断する。
(A2)次いで切断した断面を、電子顕微鏡を用いて観察し、500倍に拡大観察した画像を得る。なお、観察場所は無作為に定めるものとするが、画像の上下方向が積層シートの厚み方向と、画像の左右方向が積層シートの面方向とそれぞれ平行になるようにする。なお、厚み方向全体が1枚の画像中に入りきらない場合は、厚み方向に観察位置をずらして観察し、複数の画像をあわせることによって厚み全体が確認できる画像を準備する。
(A3)前記(A2)で得られる画像中におけるP1層の厚みT1、P2層の厚みT2、P3層の厚みT3、シート全体の厚みTaを求めた。
(A4)T1をTaで除し、積層比T1/Taを算出した。
(2)無機粒子の含有量(質量%)
積層シートからP1層、P3層のそれぞれを削る、または剥がして、P1層およびP3層を分離し、それらについて、以下の方法で無機粒子の含有量を算出した。
削りだしたものの質量wa(g)を測定し、次いで、P1層はギ酸、P3層はオルト−ジクロロベンゼン(100℃)に溶解させ、遠心分離により不溶物のうち、無機粒子を分取した。得られた無機粒子をギ酸、オルト−ジクロロベンゼンにて洗浄、遠心分離した。なお、洗浄作業は、遠心分離後の洗浄液にエタノールを添加しても白濁しなくなるまで繰り返した。得られた無機粒子の質量wa’(g)を求め、下記式(4)から無機粒子の含有量を算出した。
無機粒子の含有量(質量%)Wa1=(wa’/wa)×100・・・(4)。
(3)封止材との密着性
JIS K 6854(1994年版)に基づいて、EVAシート(封止材)とP3層の剥離強度から封止材の密着性を評価した。測定試験片は、厚さ3mmの半強化ガラス上に、サンビック(株)製の500μm厚のEVAシート、およびP3層の表面にコロナ処理(20W・分/m)を施した実施例または比較例の積層シートを、EVAシートとP3層が接触するように重ね、市販のガラスラミネーターを用いて真空引き後に135℃加熱条件下、29.4N/cm荷重で15分プレス処理をしたものを用いた。剥離強度試験の試験片の幅は10mmとし、2つの試験片を準備し、それぞれの試験片について場所を変えて3カ所測定し、得られた測定値の平均値を剥離強度の値とした。
つまり、十分な大きさ(例えば、幅が100mm以上、長さが100mm以上)を持つ測定試験片を2つ準備した。そして、各々の測定試験片から、幅が10mm(長さは100mm以上)の大きさの試験片を3つずつ切り出した。切り出された6つの試験片の剥離強度を測定し、得られた測定値の平均値を、当該シートの剥離強度とした。
得られた剥離強度から封止材の密着性を以下のように判定した。
剥離強度が50N/10mm以上の場合:S
剥離強度が40N/10mm以上50N/10mm未満の場合:A
剥離強度が30N/10mm以上40N/10mm未満の場合:B
剥離強度が20N/10mm以上30N/10mm未満の場合:C
剥離強度が20N/10mm未満の場合:D
S〜Cが合格であり、その中でもSが最も優れている。
(4)層間密着性
積層シートの層間剥離強度から密着性を評価した。ここで、層間剥離強度はJIS K6854−3(1999年版)に則って測定されたT形で剥離した際の強度を用いた。ここで、層間とはP1層とP2層の間およびP2層とP3層の間など界面剥離できる層間とした。層間剥離強度試験の試験片の幅は15mmとし、2つの試験片を準備し、それぞれの試験片について場所を変えて3カ所測定し、得られた測定値の平均値を層間剥離強度として、以下のように層間密着性の判定を行った。
剥離強度が10N/15mm以上の場合:S
剥離強度が6N/15mm以上10N/15mm未満の場合:A
剥離強度が3N/15mm以上6N/15mm未満の場合:B
剥離強度が1N/15mm以上3N/15mm未満の場合:C
剥離強度が1N/15mm未満の場合:D
S〜Cが合格であり、その中でもSが最も優れている。
(5)難燃性
UL94HB試験に基づいて、積層シートを13mm×125mmの大きさに切り出し、切り出した長手方向の端から25.4mmのところに第一標線、101.6mmのところに第二標線を引き、水平に保持して燃焼試験を行った時の第一標線から第二標線までの燃焼速度で、積層シートの幅方向及び長手方向についてそれぞれN=3で行いその平均値とした。得られた燃焼速度について以下のように判定を行った。
燃焼速度が100mm/分未満の場合:S
燃焼速度が100mm/分以上110mm/分未満の場合:A
燃焼速度が110mm/分以上130mm/分未満の場合:B
燃焼速度が130mm/分以上150mm/分未満の場合:C
燃焼速度が150mm/分以上の場合:D
難燃性はS〜Cが合格であり、その中でSが最も優れている。
(6)ガスバリア性
MOCON社製PERMATRAN W−TWINを用いて、1992年8月1日制定の「プラスチックフィルムおよびシートの水蒸気透過度試験方法(機器測定法)JIS−K7129B法(1992年版)」に従い、40℃、90%RH条件下で測定を行った。得られた水蒸気透過率より積層シートのガスバリア性について以下のように判定を行った。
水蒸気透過率が2g/m・day未満の場合:S
水蒸気透過率が2g/m・day以上、3g/m・day未満の場合:A
水蒸気透過率が3g/m・day以上、5g/m・day未満の場合:B
水蒸気透過率が5g/m・day以上、10g/m・day未満の場合:C
水蒸気透過率が10g/m・day以上の場合:D
S〜Cが合格であり、その中でもSが最も優れている。
(7)部分放電電圧
部分放電試験器KPD2050(菊水電子工業(株)製)を用いて、積層シートの部分放電電圧を求めた。なお試験条件は下記のとおりとする。
・出力シートにおける出力電圧印加パターンは、1段階目が0Vから所定の試験電圧までの単純に電圧を上昇させるパターン、2段階目が所定の試験電圧を維持するパターン、3段階目が所定の試験電圧から0Vまでの単純に電圧を降下させるパターンの3段階からなるパターンのものを選択する。
・周波数は50Hzとする。試験電圧は1kVとする。
・1段階目の時間T1は10sec、2段階目の時間T2は2sec、3段階目の時間T3は10secとする。
・パルスカウントシートにおけるカウント方法は「+」(プラス)、検出レベルは50%とする。
・レンジシートにおける電荷量はレンジ1,000pcとする。
・プロテクションシートでは、電圧のチェックボックスにチェックを入れた上で2kVを入力する。また、パルスカウントは100,000とする。
・計測モードにおける開始電圧は1.0pc、消滅電圧は1.0pcとする。
なお、測定は積層シート面内において任意の10カ所で測定を実施し、その平均値を、部分放電電圧V0とした。また、測定試料は、23℃、65%Rhの室内で一晩(12時間)放置したものを用いて測定を実施した。
部分放電電圧が1,050V以上の場合:S
部分放電電圧が950V以上1,050V未満の場合:A
部分放電電圧が700V以上950V未満の場合:B
部分放電電圧が300V以上700V未満の場合:C
部分放電電圧が300V未満の場合:D
S〜Cが合格であり、その中でもSが最も優れている。
(8)破断伸度測定
ASTM−D882(1997)に基づいて、サンプルを1cm×20cmの大きさに切り出し、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minにて引っ張ったときの破断伸度を測定した。なお、積層シートの長手方向、幅方向のそれぞれについて、サンプル数はn=5で測定した後、それらの平均値を破断伸度とした。
(9)耐熱黄変性
積層シートを測定片(サンプル)の形状(3cm×3cm)に切り出した後、エスペック(株)製熱風オーブンPV(H)−212で120℃にて72時間処理を行った。該処理の前後のサンプルについて、サンプル数n=5として、分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用い、JIS Z−8722(2000)に準じて反射モードにて、試料測定径を30mmφとして、b値を測定して、平均値を算出することで、該処理の前後のb値を求めた。処理後のb値から処理前のb値を引くことでΔbを求め、以下のように判定を行った。
色調変化Δbが3未満の場合:S
色調変化Δbが3以上5未満の場合:A
色調変化Δbが5以上8未満の場合:B
色調変化Δbが8以上10以下の場合:C
色調変化Δbが10を超える場合:D
S〜Cが合格であり、その中でもSが最も優れている。
(10)耐候性(紫外線照射後の色調変化Δb)
積層シートを岩崎電気(株)製アイスーパー紫外線テスターS−W131にて、温度60℃、相対湿度50%、強度100mW/cm(光源:メタルハライドランプ、波長範囲:295〜450nm、ピーク波長:365nm)の条件下でP1側から48時間照射した。照射前後のサンプルについて、サンプル数n=5として、分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用い、JIS Z−8722(2000)に準じて反射モードにて、照射前後のP1層側のb値を測定し、平均値を算出することで、該照射前後のb値を求めた。その差(照射後のb値から照射前のb値)を紫外線照射後の色調変化Δbとした。
得られた色調変化(Δb)について以下のように判定を行った。
色調変化Δbが1以下の場合:S
色調変化Δbが1より大きく3以下の場合:A
色調変化Δbが3より大きく6以下の場合:B
色調変化Δbが6より大きく9以下の場合:C
色調変化Δbが9より大きい場合:D
S〜Cが合格であり、その中でもSが最も優れている。
(11)耐久性(耐湿熱試験後の伸度保持率)
積層シートを測定片(サンプル)の形状(1cm×20cm)に切り出した後、平山製作所(株)製プレッシャークッカーにて、温度125℃、相対湿度100%RHの条件下にて48時間処理を行い、その後上記(8)項に従って破断伸度を測定した。なお、測定はn=5とし、積層シートの長手方向(縦方向)および幅方向(横方向)のそれぞれ5サンプルについて測定した後、その平均値を破断伸度E1とした。また、処理を行う前の積層シートについても上記(8)項に従って破断伸度E0を測定し、得られた破断伸度E0,E1を用いて、次の式(5)により伸度保持率を算出した。
伸度保持率(%)=(E1/E0)×100 ・・・(5)
得られた伸度保持率について、以下のように判定した。
伸度保持率が50%以上の場合:S
伸度保持率が40%以上50%未満の場合:A
伸度保持率が30%以上40%未満の場合:B
伸度保持率が20%以上30%未満の場合:C
伸度保持率が20%未満の場合:D
S〜Cが合格であり、その中でもSが最も優れている。
(12)融点(Tm)
本発明において、融点とは、示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:20℃/min)で求まる値であり、測定対象物をJIS K−7121(1999)に基づいた方法により、25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で昇温して、さらに300℃の状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で昇温して得られた示差走査熱量測定チャートにおける結晶融解ピークにおけるピークトップの温度とする。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(原料)
・ポリアミド系樹脂
実施例1〜23、実施例28〜36、比較例1、比較例3〜8におけるP1層を構成するポリアミド系樹脂(PA6)としてナイロン6樹脂“アミラン”(登録商標)CM1021T(東レ(株)製、Tm;225℃)を用いた。
実施例24につきナイロン66樹脂”アミラン”CM3001(PA66)、実施例25につきナイロン610樹脂”アミラン”CM2001(PA610)、実施例26につきナイロン11樹脂”リルサン”BESN−O−TL(PA11)、実施例27につきナイロン12樹脂”リルサン”AESN−TL(PA12)を用いた。
・オレフィン系樹脂
実施例1〜15、20〜23、24〜36、および、比較例2〜8につき、共重合ポリプロピレンである住友化学(株)製”ノーブレン”WF345S(エチレン3.5質量%およびブテン4.0質量%が共重合された共重合ポリプロピレン)を「EPBC1」として用いた。
実施例16につき、リニア低密度ポリエチレンである住友化学(株)社製“エボリュー”SP2530を「LLDPE1」として用いた。
実施例17につき、リニア低密度ポリエチレンである住友化学(株)社製“エボリュー”SP2540を「LLDPE2」として用いた。
実施例18につき、エチレン質量1%共重合ポリプロピレンを「EPC1」として用いた。
実施例19につき、ポリプロピレンである住友化学(株)製”ノーブレン”FLX80E4を「PP1」として用いた。
・酸変性ポリオレフィン
実施例1〜23、24〜27および比較例3〜8におけるP2層を構成する樹脂として三菱化学(株)社製“モディック”P553A(ポリオレフィンとしてポリプロピレンが用いられた酸変性ポリオレフィン)を「樹脂1」として用いた。
実施例28につき、三菱化学(株)社製“モディック”M545(ポリオレフィンとしてリニア低密度ポリエチレンが用いられた酸変性ポリオレフィン)を「樹脂2」として用いた。
実施例29につき、三菱化学(株)社製“モディック”F535(ポリオレフィンとして共重合オレフィンが用いられた酸変性ポリオレフィン)を「樹脂3」として用いた。
実施例30につき、三菱化学(株)社製“モディック”A515(ポリオレフィンとしてエチレン−ビニルアセテート共重合体が用いられた酸変性ポリオレフィン)を「樹脂4」として用いた。
実施例31につき、三菱化学(株)社製“モディック”L504(ポリオレフィンとして低密度ポリエチレンが用いられた酸変性ポリオレフィン)を「樹脂5」として用いた。
実施例32につき、三菱化学(株)社製“モディック”H503(ポリオレフィンとして高密度ポリエチレンが用いられた酸変性ポリオレフィン)を「樹脂6」として用いた。
実施例33につき、三井化学(株)社製“アドマー”SF731(ポリオレフィンとしてポリエチレンが用いられた酸変性ポリオレフィン)を「樹脂7」として用いた。
実施例34につき、三井化学(株)社製“アドマー”QB550(ポリオレフィンとして共重合オレフィンが用いられた酸変性ポリオレフィン)を「樹脂8」として用いた。
実施例35につき、三井化学(株)社製“アドマー”QF500(ポリオレフィンとしてポリプロピレンが用いられた酸変性ポリオレフィン)を「樹脂9」として用いた。
・アクリル系接着剤
実施例36につき、アルケマ(株)社製“ボンダイン”TX8030(エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸3元共重合体タイプ)を「樹脂10」として用いた。
・ポリオレフィン系エラストマー
実施例20〜23につき、ポリオレフィン系エラストマーとして三井化学(株)社製“ノティオ”PN2060を「エラストマー1」として用いた。
・無機粒子
実施例1〜7,9〜23および24〜36、ならびに比較例1および3〜8のP1層および、実施例1〜23、比較例2〜8のP3層に用いた無機粒子はルチル型二酸化チタンを用いた。また、P1層の二酸化チタンは各実施例、比較例につきP1層の主たる構成成分として用いた樹脂と二酸化チタンが50質量%/50質量%の割合でマスター化した樹脂を希望濃度になるように添加した。P3層の二酸化チタンは各実施例、比較例につきP3層の主たる構成成分として用いた樹脂と二酸化チタンが30質量%/70質量%の割合でマスター化した樹脂を希望濃度になるように添加した。
(実施例1〜27、比較例3〜8)
押出機1、押出機2および押出機3を用い、表1に示す原料を所望の配合比になるように各押出機に供給し、次いで押出機1から溶融押出された層がP1層、押出機2がP2層、押出機3がP3層として、P1層/P2層/P3層の順に積層されるようマルチマニホールドにて各層を合流させ、口金から吐出された樹脂をキャストドラム上に冷却固化して積層シートを得た。P1層、P2層、P3層は表2に示す厚みとなった。得られた積層シートについて表2に示す評価を実施した。その結果、表2に示す通り、実施例については優れた積層シートであることがわかった。
さらに、実施例20〜23はP2層にエラストマーを含有しているため、層間密着性がきわめて優れていた。
一方、比較例3は式(1)のT1/Taが0.3よりも小さいため耐久性、難燃性に劣るものであった。比較例4はT1/Taが0.5よりも大きいため電気特性が劣るものであった。比較例5は式(2)のTaが200よりも小さかったため耐久性、難燃性、ガスバリア性に劣るものであった。比較例7は式(3)のM/T3が0.05よりも小さいため耐熱黄変が劣るものであった。比較例8はM/T3が0.5よりも大きいため封止材との密着性が劣るものであった。
(比較例1)
押出機1を用い表1に示す原料を所望の配合比になるように押出機に供給し、次いで押出機1から溶融押出され口金から吐出された樹脂をキャストドラム上に冷却固化して単層シートを得た。オレフィン樹脂層がないため電気特性、バリア性、封止材との密着性が劣るものであった。
(比較例2)
押出機3を用い表1に示す原料を所望の配合比になるように押出機に供給し、次いで押出機3から溶融押出され口金から吐出された樹脂をキャストドラム上に冷却固化して単層シートを得た。ポリアミド系樹脂層がないため耐久性、難燃性が劣るものであった。
(実施例28〜36)
表1に示す原料を所望の配合比になるように各押出機に供給したこと以外は実施例1と同様に積層シートを得た。得られた積層シートについて表2に示す評価を実施した。その結果、表2に示す通り、優れた積層シートであることがわかった。
従来のポリアミド系樹脂を用いた積層シートと比べて黄変しにくく、耐久性と難燃性と水蒸気バリア性の両立が可能な積層シートを提供することができる。かかる積層シートは、太陽電池用バックシートの他、液晶ディスプレイ用反射板、自動車用材料、建築材料をはじめとした、黄変、耐湿熱性、紫外線に対する耐性、光反射性が重視されるような用途に好適に使用することができる。特に太陽電池用バックシートとして好適に使用できる積層シート、および該積層シートの製造方法を提供することができる。
Figure 2014021003
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1:太陽電池バックシート(積層シート)
2:封止材
3:発電素子
4:透明基板
5:太陽電池バックシートの封止材2側の面
6:太陽電池バックシートの封止材2と反対側の面

Claims (10)

  1. ポリアミド系樹脂を主たる構成成分とする層(P1層)と、オレフィン系樹脂を主たる構成成分とする層(P3層)とを有する積層シートであって、
    P3層が無機粒子を含有し、
    さらにP1層が表層に位置し、P1層とは逆表層にP3層が位置し、
    積層シート全体の厚みをTa(μm)、P1層の厚みをT1(μm)、P3層の厚みをT3(μm)、P3層中の無機粒子の含有量をM(質量%)とした時に、下記式(1)〜(3)の全てを満たすことを特徴とする、積層シート。
    0.05≦M/T3≦0.5・・・(1)
    200≦Ta≦500・・・(2)
    0.3≦T1/Ta≦0.5・・・(3)
  2. P1層が無機粒子を0.1〜30質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の積層シート。
  3. 低結晶性軟質重合体、アクリル系接着剤、及びエチレン酢酸ビニル系共重合体からなる群より選ばれる1つを主たる構成成分とする層をP2層とした際に、P1層とP3層の間にP2層があり、そのP2層の厚みが15〜50μmである、請求項1または2に記載の積層シート。
  4. P3層のオレフィン系樹脂の融点が120〜155℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
  5. P2層がポリオレフィン系エラストマーを0.1〜20質量%含有する、請求項3に記載の積層シート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層シートからなる太陽電池バックシート。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層シートを有してなる太陽電池部材。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層シートと封止材を有してなる太陽電池部材であって、該封止材が該積層シートのP3層の表面側に位置する、太陽電池部材。
  9. 請求項3または5に記載の積層シートの製造方法であって、
    P1層用のポリアミド系樹脂を主たる構成成分とする原料、P2層用の低結晶性軟質重合体、アクリル系接着剤、及びエチレン酢酸ビニル系共重合体からなる群より選ばれる1つを主たる構成成分とする原料、および、P3層用のオレフィン系樹脂を主たる構成成分とする原料を、それぞれ別の押出機に供給し、各々溶融後にP1層、P2層、P3層をこの順に合流させて積層し、Tダイからシート状に押し出す工程を含むことを特徴とする、積層シートの製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート、請求項6に記載の太陽電池バックシート、または請求項7もしくは8に記載の太陽電池部材を用いた太陽電池。
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