JPWO2014020981A1 - 電気銀めっき液 - Google Patents

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Abstract

シアン化合物を用いずに、幅広い電流密度範囲において半光沢〜光沢めっき外観が得られる電気銀めっき浴及びそれらを用いためっき方法を提供すること。(A)少なくとも1種の可溶性銀化合物と(B)少なくとも1種の安息香酸誘導体又は該誘導体の塩と(C)少なくとも1種の酸及び/又は錯化剤とを含む水溶液である電気銀めっき液であって、前記安息香酸誘導体が下記の一般式Iで表される該めっき液。(ただし、mは、1、2、3、4、又は5であり、Raは、カルボキシル基であり、Rbは、それぞれ独立して、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基又はスルホン酸基から選択され、Rcは、それぞれ独立して、水素又は任意の置換基であり、Ra、又はRbとベンゼン環との結合間に酸素又はCH2が1以上挿入されてもよい。)

Description

本発明は、半光沢〜光沢外観が得られる非シアンの電気銀めっき液及びそれらを用いためっき方法に関するものである。
銀めっきはその美麗な白色系光沢外観から、装飾的用途に古くから用いられている。また銀めっきは、電気伝導性、ボンディング性、潤滑性等に優れているため、工業的用途にも多用されている。しかしながら、工業的にはその殆どが毒性の高いシアン化合物を含むシアン浴を用いて操業されているのが現状である。
電気銀めっきの非シアン化についてはこれまでに多くの研究が行われてきており、良好なめっき外観を得るための各種化合物が提案されている。
例えば、特開平11−343591号公報には、銀イオン、しゅう酸イオン、塩素イオン及びスルファミン酸イオンを含む酸性水溶液からなる銀めっき浴が開示されている。また、特開平4−99890号公報には、電気銀めっき浴中の銀濃度を10〜100g/Lとするとともに、該電気銀めっき浴中にクエン酸を20〜200g/L加えたことを特徴とする電気銀めっき浴が開示されている。さらに、特開平3−61393号公報には、主成分として酸性銀錯塩を用いる銀めっき法において、添加剤が少なくとも含窒素カルボン酸誘導体、アルデヒド、C=S含有化合物を含むことを特徴とする銀めっき方法が開示されており、含窒素カルボン酸誘導体として、ニコチン酸化合物が挙げられている。
上記以外に、シアンを用いない電気銀めっき方法として、特開平8−104993号公報では、ヒダントイン化合物を錯形成剤として用いた方法を開示している。また、該文献では光沢度調整剤としてカルボキシル基を有する有機硫黄化合物を用いる旨を開示している。さらに、特開2007−327127号公報では、ホスフィンを錯形成剤として用いた方法を開示している。該文献では、カルボキシル基を有する化合物を用いる旨を明示していないものの、チオサリチル酸を置換析出防止剤として用いる旨を教示している。
特開平11−343591号公報 特開平4−99890号公報 特開平3−61393号公報 特開平8−104993号公報 特開2007−327127号公報
以上のように、銀めっき浴の添加剤としてカルボキシル基を含有する化合物が数多く開示されているものの、いずれの開示されためっき浴を用いても、得られるめっき皮膜の光沢性は不十分である。また、使用できる電流密度範囲が狭いため、例えば形状が複雑な品物をめっきする場合、品物の場所間での電流分布が大きいため、光沢ムラが発生してしまう。このようにこれまで開示されためっき浴の性能は、一般的なシアン浴より劣る。そのため、実際には工業的に使用されておらず、未だに毒性の高いシアン浴が主に利用されているのが現状である。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、シアン化合物を用いずに、幅広い電流密度範囲において半光沢〜光沢めっき外観が得られる電気銀めっき浴及びそれらを用いためっき方法を提供するものである。
本願発明者は、シアン化合物を含まず、光沢剤としてある特定の安息香酸誘導体を含有する電気銀めっき液から幅広い電流密度範囲において半光沢〜光沢めっき皮膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)上記知見を基礎として完成した本発明は一側面において、
(A)少なくとも1種の可溶性銀化合物と
(B)少なくとも1種の安息香酸誘導体又は該誘導体の塩と
(C)少なくとも1種の酸及び/又は錯化剤と
を含む水溶液である電気銀めっき液であって、前記安息香酸誘導体が下記の一般式Iで表される該めっき液である。
Figure 2014020981
(ただし、
mは、1、2、3、4、又は5であり、
Raは、カルボキシル基であり、
Rbは、それぞれ独立して、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基又はスルホン酸基から選択され、
Rcは、それぞれ独立して、水素又は任意の置換基であり、
Ra、又はRbとベンゼン環との結合間に酸素又はCH2が1以上挿入されてもよい。
(2)本発明に係る電気銀めっき液は別の一実施形態において、シアン化合物を実質的に含まない上記(1)に記載のめっき液である。
(3)本発明に係る電気銀めっき液は別の一実施形態において、少なくとも1種のアゾール系化合物又は/及びチオフェン系化合物を更に含有する上記(1)又は(2)に記載のめっき液である。
(4)本発明に係る電気銀めっき液は別の一実施形態において、少なくとも1種の界面活性剤を更に含有する上記(1)〜(3)いずれかに記載のめっき液である。
(5)本発明に係る電気銀めっき液は別の一実施形態において、前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤である上記(4)に記載のめっき液である。
(6)本発明に係る電気銀めっき液は別の一実施形態において、前記安息香酸誘導体又は該誘導体の塩の濃度が合計で0.0001g/L以上である上記(1)〜(5)いずれかに記載のめっき液である。
(7)本発明に係る電気銀めっき液は別の一実施形態において、前記アゾール系化合物又は/及びチオフェン系化合物の濃度が合計で0.01g/L以上である上記(3)に記載のめっき液。
(8)本発明に係る電気銀めっき液は別の一実施形態において、前記界面活性剤の濃度が合計で0.001g/L以上である上記(4)に記載のめっき液である。
(9)本発明は、一側面において、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のめっき液を用いる電気銀めっき方法である。
(10)本発明は、一側面において、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のめっき液を用いて電気銀めっき製品を製造する方法である。
(11)本発明は、一側面において、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のめっき液を用いて製造された電気銀めっき製品である。
(12)本発明は、一側面において、前記めっき液を用いて電気銀めっきを行った後、更に以下のいずれか1種以上の皮膜処理を行う上記(9)〜(11)のいずれかに記載の方法又はめっき製品である。
・有機化合物又は樹脂系材料の膜を形成させる処理;
・銀以外の金属の膜を形成させる処理;及び
・クロム酸化成皮膜を形成させる処理。
本発明の非シアンの電気銀めっき液は、シアン化合物を必要とせず、光沢剤としてある特定の安息香酸誘導体を含有することで、幅広い電流密度範囲において、半光沢〜光沢外観を有するめっき皮膜が得られる。その結果、美麗な外観が要求される装飾用途だけでなく、光の正反射が重視されるような機能用途への適用が可能になる。もちろん、シアン化合物のような有毒な物質を必要としないため、作業者や環境への負担は大きく軽減される。
以下、本発明の銀めっき液について詳しく説明する。
1.可溶性銀化合物
本発明の浴には、銀源として可溶性銀化合物を用いる。特に限定はされないが例えば、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、酸化銀、炭酸銀、硫酸銀、メタンスルホン酸銀、アルカノールスルホン酸銀、フェノールスルホン酸銀、スルファミン酸銀、チオシアン酸銀、チオ硫酸銀等が挙げられる。これらの可溶性銀化合物のめっき液中での濃度は、銀イオンとして1〜100g/L程度が適当であり、好ましくは5〜80g/Lであり、より好ましくは10〜50g/Lである。
2.安息香酸誘導体
本発明で用いられる特定の安息香酸誘導体は、銀めっき時に基板表面に強く作用し、析出する結晶を微細・均一にすることで銀めっき皮膜の光沢化に大きく寄与する。同時に該誘導体を用いることで、広範囲の電流密度を適用することが可能となる。特定の安息香酸誘導体とは、下記一般式(I)で表される安息香酸を指す。
Figure 2014020981
(ただし、
mは、1、2、3、4、又は5であり、
Raは、カルボキシル基であり、
Rbは、それぞれ独立して、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基又はスルホン酸基から選択され、
Rcは、それぞれ独立して、水素又は任意の置換基であり、
随意的に、Ra、又はRbとベンゼン環との結合間に酸素又はCH2が1以上(典型的には10以下、5以下、又は3以下)挿入されてもよい。
ここで、Rcは特に限定されず、水素原子のまま、又は、アルキル基(例えば炭素数10以下、5以下、又は3以下)、アルキルアリール基、アセチル基、ニトロ基、ハロゲン基、アルコキシ基(例えば炭素数10以下、5以下、又は3以下)など任意の置換基で置換されていても良い。また、Rcについては、Ra及びRbと同様に、随意的に、ベンゼン環とRc置換基との間に酸素又はCH2が1以上(典型的には10以下、5以下、又は3以下)挿入されてもよい。
なお、上記炭素数の上限値及び/又は下限値の記載は、具体的な臨界値のみを開示することを企図するものではない。言い換えれば、規定される数値範囲に含まれる個々の整数を全て開示していることを企図する。例えば、「炭素数10以下」という記載は、「炭素数が0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10」という記載と等しい意味を持つ。ベンゼン環とRa、Rb、及びRc置換基との間に挿入可能な酸素又はCH2の数についても同様である。前記挿入可能な酸素又はCH2の数は、0、1、2が更に好ましく、0が最も好ましい。
また、Rbについては、アミノ基、水酸基又はスルホン酸基が好ましく、更に好ましいのはアミノ基又は水酸基である。
該安息香酸誘導体は特に限定されないが、具体例を挙げると、4−アミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、イソバニリン酸、サリチル酸、5−ヨードサリチル酸、3,5−ジヨードサリチル酸、3−アミノサリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、4―クロロサリチル酸、3,5−tert−ブチルサリチル酸、5−スルホサリチル酸、3−メチルサリチル酸、3−メトキシサリチル酸、3−ニトロサリチル酸、5−ホルミルサリチル酸、3−アミノ−4−クロロ安息香酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ安息香酸、2−スルホ安息香酸、3−スルホ安息香酸、5−スルホ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸、ピロガロール−4−カルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ニトロ安息香酸、トリメシン酸、アントラニル酸、5−ヒドロキシアントラニル酸、4,5−ジメトキシアントラニル酸、3−クロロアントラニル酸、2−アミノ−3−メトキシ安息香酸、4−ホルミル安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、イソフタル酸、等が挙げられる。なお、該安息香酸誘導体は、酸の形として添加してもよいし、それらのナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩の形として添加してもよい。
上記具体例の中で、好ましいのは、サリチル酸、3−アミノサリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、2−スルホ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、5−スルホイソフタル酸、、4−ホルミル安息香酸、テレフタル酸、及び5−メチルイソフタル酸である。更に好ましいのは、サリチル酸、5−アミノサリチル酸、2−スルホ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸及びアントラニル酸であり、最も好ましいのは、サリチル酸、5−アミノサリチル酸である。
該安息香酸誘導体又はその塩は、めっき液に1種含有させてもよいし、2種以上併用することも可能である。該安息香酸誘導体のめっき液中での濃度は、総量で0.0001〜50g/Lが好適に用いられ、0.001〜20g/Lがさらに好適に用いられる。めっき液中での濃度が低すぎると、光沢剤としての効果がなく、粗雑な銀めっき外観が得られるだけである。めっき液中での濃度が高すぎても効果が頭打ちとなり不経済であるばかりでなく、該安息香酸誘導体が溶解しにくい。
3.アゾール系化合物又は/及びチオフェン系化合物
本発明のめっき浴にはさらに、アゾール系化合物又は/及びチオフェン系化合物を含有することができる。これらの化合物は、より一層光沢度を上げるための補助的な光沢剤として働いているものと考えられる。該アゾール化合物としては、テトラゾール類、イミダゾール類、ベンズイミダゾール類、ピラゾール類、インダゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、トリアゾール類及びそれらの誘導体等が好適に用いられる。
これらの中でイミダゾール類、ピラゾール類、インダゾール類、トリアゾール類がさらに好適に用いられ、特にトリアゾール類が最も好適に用いられる。これらに含まれる化合物をさらに具体的に下に示す。
イミダゾール類の中では、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−アミノイミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、イミダゾール−4−カルボン酸、ベンズイミダゾール、1−メチルベンズイミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、2−エチルベンズイミダゾール、2−ブチルベンズイミダゾール、2−オクチルベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2−トリフルオロメチルベンズイミダゾール、4−メチルベンズイミダゾール、2−クロロベンズイミダゾール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、2−アミノベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メチルチオベンズイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾール、ベンズイミダゾール−5−カルボン酸、トリス(2−ベンズイミダゾリルメチル)アミン、2,2’−テトラ(又はオクタ)メチレン−ジベンズイミダゾール、等であり、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリス(2−ベンズイミダゾリルメチル)アミン、2,2’−テトラ(又はオクタ)メチレン−ジベンズイミダゾールがさらに好適に用いられる。
ピラゾール類又はインダゾール類の中では、ピラゾール、3−メチルピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−トリフルオロメチルピラゾール、3−アミノピラゾール、ピラゾール−4−カルボン酸、4−ブロモピラゾール、4−ヨードピラゾール、インダゾール、5−アミノインダゾール、6−アミノインダゾール、5−ニトロインダゾール、6−ニトロインダゾール等が好適に用いられ、ピラゾール、3−アミノピラゾールが一層好適に用いられる。
イミダゾール類、ピラゾール類、インダゾール類以外の上述の化合物類、即ち、テトラゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類等の具体例としては、テトラゾール及びその誘導体としては、テトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、5−メルカプト−1−フェニルテトラゾール等が、チアゾール又はベンゾチアゾール及びその誘導体としては、チアゾール、4−メチルチアゾール、5−メチルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、2,4,5−トリメチルチアゾール、2−ブロモチアゾール、2−アミノチアゾール、ベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2,5−ジメチルベンゾチアゾール、2−フェニルベンゾチアゾール、2−クロロベンゾチアゾール、2−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メチルチオベンゾチアゾール等が、オキサゾール又はベンゾオキサゾール及びその誘導体としては、イソオキサゾール、アントラニル、ベンゾオキサゾール、2−メチルベンゾオキサゾール、2−フェニルベンゾオキサゾール、2−クロロベンゾオキサゾール、2−ベンゾオキサゾリノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール等が、トリアゾール類及びその誘導体としては、2H−1,2,3−トリアゾール−2−エタノール、N−トリメチルシリル−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、5,5’−ジアミノ−3,3’−ビス−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール−4−プロパノール、1,2−ジヒドロキシ−5−(フェニルメチル)−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオン、1,2,4−トリアゾール−1−酢酸、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、1,5−ジメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、2H−1,2,3−トリアゾール−2−酢酸、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エステル、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール−1−エタノール、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エチルエステル、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−3−(メチルチオ)−5−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1,2−ジヒドロキシ−5−(3−ピリジニル)−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオン、1,2,4−トリアゾールナトリウム塩、1H−1,2,3−トリアゾール−1−酢酸エチルエステル、1H−1,2,3−トリアゾール−1−酢酸、2H−1,2,3−トリアゾール−1−酢酸エチルエステル、2H−1,2,3−トリアゾール−1−酢酸、1−(3−アミノプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール ジハイドロクロライド、3−アミノ−5−メチルメルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−メチルメルカプト−1,2,3−トリアゾール、エチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)酢酸、5−メルカプト−1,2,3−トリアゾールナトリウム塩、4−(2−ヒドロキシエチル)−1,2,4−トリアゾール、5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールナトリウム塩、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、6H,12H−ベンゾトリアゾロ[2,1−a]ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジーtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールナトリウム塩、トリルトリアゾールカリウム塩、1,2,3−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が好適に用いられる。
チオフェン系化合物及びその誘導体としては、チオフェン、2−ブロモチオフェン、2−チオフェンカルボニトリル、3−ドデシルチオフェン、4−ジベンゾチオフェン−4−ホウ酸、テトラヒドロチオフェン、ベンゾチオフェン−3−ホウ酸、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、2−(アセチルアミノ)チオフェン、2−ベンゾイルチオフェン、3−チオフェンアセトニトリル、2−アミノ−5−メチルチオフェン−3−カルボニトリル、4−メチル−2−チオフェンカルボン酸、2−クロロ−3−メチルチオフェン、3−[(クロロアセチル)アミノ]−2−チオフェンカルボン酸メチルエステル、3−アセチルチオフェン、5−クロロチオフェン−2−ホウ酸、5−メチルチオフェン−2−ホウ酸、2−チオフェンスルホニルクロライド、4−ブロモ−2−チオフェンカルボン酸、3−クロロメチル−2−メチルベンゾチオフェン、3−ホルミルチオフェン−2−ホウ酸、3−ホルミル−2−チオフェンホウ酸、3−クロロ−4−メチルチオフェンカルボン酸メチルエステル、3−メトキシチオフェン、3−アミノチオフェン、4−ブロモチオフェン−2−カルボアルデヒド、2−チオフェン酢酸、5−メチル−2−チオフェンカルボン酸、2−アミノ−3,5−ジニトロチオフェン、5−アセチル−2−チオフェンホウ酸、2−チオフェンアセトニトリル、2−(アセチルアミノ)−3−チオフェンカルボン酸メチルエステル、2−チオフェンカルボン酸ヒドラジド、3−メチル−2−チオフェンカルボン酸、5−クロロチオフェン−2−カルボン酸、2,5−ジメチル−3−ホルミルチオフェン、4−ブロモ−3−メチル−2−チオフェンカルボニルクロライド、5−クロロチオフェン−2−スルホニルクロライド、2−チオフェンメチルアミン、チオフェン−2−メチルアミン、3−クロロー6−メトキシベンゾチオフェンカルボン酸、3−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸、2,4−ジブロモチオフェン、2,3,5−トリブロモチオフェン、2,5−ジブロモチオフェン、2,5−ジクロロチオフェン、2−ヨードチオフェン、4−ブロモ−2−プロピオニルチオフェン、4−ブロモ−2−プロピルチオフェン、3−ブロモ−5−メチル−2−チオフェンカルボアルデヒド、2,5−ジクロロ−3−アセチルチオフェン、α−(フェニルメチレン)−2−チオフェンアセトニトリル、チオフェン−2−アセチルクロライド、3−ブロモ−2−クロロチオフェン、4−ブロモ−5−(1,1−ジメチルエチル)−2−チオフェンカルボン酸、5−アセチル−2−チオフェンカルボン酸、2,5−カルボキシチオフェン、2,5−チオフェンジカルボン酸、2,5−ビス(メトキシカルボニル)チオフェン、2−ホルミルチオフェン−3−ホウ酸、3−ホルミル−4−チオフェンホウ酸、5−ブロモチオフェン−2−カルボアルデヒド、2,5−ジアセチルチオフェン、チオフェン−3−カルボアルデヒド、3−ヒドロキシ−3チオフェンカルボン酸メチルエステル、チオフェン−2−カルボン酸、2−チオフェンカルボニルクロライド、5−ブロモ−4−メチル−2−チオフェンカルボン酸、2,5−ジクロロチオフェン−3−スルホニルクロライド、2−チオフェン酢酸エチルエステル、チオフェン−2−カルボキサミド、3−メチル−2−チオフェンカルボアルデヒド、3−チオフェン酢酸メチルエステル、2−ヨードメチルチオフェン、4−クロロチオフェン−2−カルボン酸、2−ニトロチオフェン、3−メチル−2−チオフェンカルボニルクロライド等が好適に用いられる。
これらの化合物を含めた少なくとも1種のアゾール系化合物又は/及びチオフェン系化合物は、総量で0.01〜50g/Lの範囲で好適に用いられ、0.05〜10g/Lの範囲で一層好適に用いられる。めっき液中での濃度が低すぎると、補助光沢剤としての効果がなく、濃度が高すぎても効果が頭打ちとなり、不経済である。
4.界面活性剤
また、本発明において用いられる銀めっき浴には、さらに、浴成分として界面活性剤を含有させて用いることができる。界面活性剤を含有することで、半光沢〜光沢外観が得られる電流密度範囲を拡大させることが可能である。ここで、前記界面活性剤には、界面活性を有する高分子化合物も含めることができる。
界面活性剤として好適に用いられる化合物には、公知のカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が、適宜単独または併用して用いられる。
好適な界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤には、アルキルトリメチルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド、アルキルアミン塩、カチオン性セルロース誘導体、ポリビニルイミダゾール四級塩等がある。
アニオン系界面活性剤には、アルキル(又はホルマリン縮合物)−β−ナフタレンスルホン酸(又はその塩)、脂肪酸セッケン、アルキルスルホン酸塩系、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸モノエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸(塩)、サルコシン誘導体、メチルアラニン誘導体、脂肪酸アルキルタウリン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ポリカルボン酸系高分子、ポリスルホン酸系高分子などがある。
ノニオン系界面活性剤には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(又はエステル)、ポリオキシアルキレンフェニル(又はアルキルフェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンナフチル(又はアルキルナフトチル)エーテル、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル(又は該フェニル基にさらにポリオキシアルキレン鎖を付加した)、ポリオキシアルキレンビスフェノールエーテル系、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、エチレンジアミンのポリオキシアルキレン縮合物付加物、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレンヒマシ(又は/及び硬化ヒマシ油)油、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルホルマリン縮合物、グリセリン(又はポリグリセリン)脂肪酸エステル系界面活性剤、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビタンモノ(セスキ、トリ)脂肪酸エステル系界面活性剤、高級脂肪酸モノ(ジ)エタノールアミド、アルキル・アルキロードアミド、オキシエチレンアルキルアミン、等がある。
両性界面活性剤には、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン、脂肪族アミドプロピルベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、脂肪族アミドプロピルジメチルアミンオキシド、イミダゾリウムベタイン、アルキルアミンオキシド、エチレンジアミン誘導体、等がある。
これらを含めた少なくとも1種の界面活性剤の使用量は、適宜選択されるが、総量で概ね0.001〜50g/Lの範囲で用いられ、好適には0.005〜50g/Lの範囲で用いられ、さらに好適には0.01〜30g/Lの範囲で用いられる。添加量が少ない場合は効果が現れず、添加量が多くても、効果が頭打ちになるだけでなく、発泡性が高くなり作業性に支障をきたす。
5.酸及び/又は錯化剤
本発明の銀めっき浴にはさらに、銀イオンが加水分解せず、安定に存在できるように、上記安息香酸誘導体とは別に一般的な酸を含有させることができる。種類は限定されないが、メタンスルホン酸、プロパンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、イセチオン酸、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸等のアルカノールスルホン酸のような有機スルホン酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、過塩素酸などの無機酸が使用される。使用量については、特に制限されないが、総量で概ね0.001〜300g/Lの範囲で用いられ、さらに好適には0.01〜100g/Lの範囲で用いられる。
銀イオンを安定させる方法として、錯化剤を含有させることもできる。特に限定はされないが、具体例を挙げると、ヨウ化物、臭化物、塩化物のようなハロゲン化物、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸のようなアミン系化合物、クエン酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸のような脂肪族カルボン酸、コハク酸イミド、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、ピリジン、2−アミノピリジンのような含窒素複素環化合物、チオ尿素、チオグリコール酸、チオジグリコール酸、チオ硫酸、亜硫酸、チオシアン酸のような含硫黄化合物、等がある。使用量については、特に制限されないが、総量で概ね5〜300g/Lの範囲で用いられ、さらに好適には10〜200g/Lの範囲で用いられる。
上述した錯化剤のほかに、従来はシアン化合物が使用されてきたが、一実施形態において、本発明の銀めっき浴では、シアン化合物を必要としない(即ち濃度0g/L)、又は実質的に含まない。ここで実質的に含まないとは、環境基準的に廃水処理を要さない程度にシアン化合物の含有量が小さいことを意味する。典型的には、0.1g/L以下である。また、一実施形態において、本発明の銀めっき浴では、シアン化合物を全く含まない。なお、本明細書で述べる「シアン化合物」とは、溶解したときにシアン化物イオン(CN-)をアニオンとして発生させる化合物を指す。
また、一実施形態において、本発明の銀めっき浴は、酸と錯化剤とを併用することもできる。
6.その他
本発明の銀めっき浴にはさらに、電気銀めっき液に使用される一般的な結晶微細化剤、平滑化添加剤、光沢添加剤等を適宜単独又は併用して含有させることができる。その使用量は、一般に0.01〜50g/Lが用いられ、さらに好適には0.1〜30g/Lが用いられる。
本発明の銀めっき浴を使用してめっきを行う場合、一般的には、浴温10〜50℃が好適に用いられ、さらに好適には15〜40℃が用いられる。電流密度は、0.1〜100A/dm2が好適に用いられ、0.5〜50A/dm2がさらに好適に用いられる。めっき時間は所望のめっき厚さに応じて任意に変化させて用いられる。また、場合によってはめっき液を攪拌したり、基板面に対し非常に強い噴流を当てるなどの操作を適宜行っても良い。
また、本発明の銀めっき浴を使用してめっきを行う場合、めっき浴のpHは、特に制限されず、例えば、1未満であってもよいし、4〜7であってもよいし、あるいは7〜12であってもよいが、その中でも、1未満の強酸性または7〜12の中性〜アルカリ性にて特に効果が認められる。
上述した本発明の銀めっき浴を用いることにより、効率よく電気銀めっき製品が製造される。また、該めっき製品については、更に公知の被膜処理を施しても良い。例えば、銀は大気中で容易に変色するため、銀めっき表面に種々の変色防止皮膜を形成させることにより、銀本来の美麗な外観や機能性を、長期に渡り維持することは当業者によく知られている。具体的には銀表面に有機化合物や樹脂系材料を形成させる方法、イリジウム、ロジウムなど他の金属を形成させる方法、あるいは、クロム酸塩で処理し、いわゆる化成皮膜を形成させる方法などがある。なお、これらの処理方法としては、浸漬法、塗布法、めっき・電解法、スパッタ・蒸着法など、適宜選択することができる。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得るものである。
表1の実施例1〜12に記載した組成で、めっき液を調製した。
ハルセル銅板を基板として、電解脱脂→酸洗→ストライク銀めっきまで行った基板に、表1に示された実施例1〜12の組成のめっき液でハルセルテストを行った。ハルセルテスト条件は、めっき浴温:25℃、電流:3A、めっき時間:1分、攪拌なしとした。なお、各工程の間には水洗工程が含まれる。
得られたハルセルパネルについて、光沢度および使用電流密度範囲を評価した。光沢度は、日本電色工業製デンシトメーターND−11で測定し、ハルセルパネル内で最大の光沢度が得られる部分を測定した。使用電流密度範囲の評価は、ハルセルパネルにおける光沢度0.2以上である外観部分の理論一次電流密度範囲が3A/dm2以上の場合:A、1A/dm2以上3A/dm2未満の場合:B、1A/dm2未満の場合:Cとした。
実施例1、1A、1B、7は、水酸基を置換基として有する安息香酸誘導体の例である。実施例2、2A、2B、4、4A、4B、4C、5、5A、5B、5C、5D、5E、6、6A、6Bは、スルホン酸基を置換基として有する安息香酸誘導体の例である。実施例3、3A、3B、8は、アミノ基を置換基として有する安息香酸誘導体の例である。実施例4、4A、4B、4C、5、5A、5B、5C、5D、5E、6、6A、6B、11、11A、11B、12はカルボキシル基を置換基として有する安息香酸誘導体の例である。実施例9、9A、9B、10、10A、10Bはアルデヒド基を置換基として有する安息香酸誘導体の例である。いずれの例においても光沢度について良好な成績が得られており、適用可能な電流密度の範囲も広くなっている。
また、特定の界面活性剤を更に添加した例として、実施例5、5A、5B(ノニオン系)、5C(アニオン系)、5D(カチオン性)、5E(両性)があげられる。実施例4Cとの比較から明らかなように使用できる電流密度の範囲がいずれも広くなっていることが示されている。
また、特定のアゾール系化合物添加の例として、実施例6、6A、6Bがあげられる。実施例4Cとの比較から明らかなように光沢度が向上していることが示されている。チオフェン系化合物の添加の例として、実施例10、10A、10Bがあげられる。実施例9との比較から明らかなように光沢度が向上していることが示されている。
以上のように、表1の結果から、本願発明における特定の安息香酸誘導体を含有しためっき液において、使用電流密度範囲が広く、半光沢〜光沢外観を示すめっき皮膜が得られることがわかる。
比較例
表1の比較例1〜7のとおり、めっき液を調製した。めっき方法および評価方法は実施例と同様とした。
比較例1〜3については、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基又はスルホン酸基以外の置換基のみで置換された安息香酸誘導体であるが、光沢のない無光沢外観のめっき外観が得られるのみであった。また、比較例7については、置換基がカルボキシル基1つの安息香酸であるが、比較例1〜3と同様の結果であった。さらに、比較例4〜6については、脂肪族カルボン酸(比較例4:シュウ酸、比較例5:クエン酸)、またはカルキシル基が置換した含窒素複素環化合物(比較例6:ニコチン酸)を含む浴であるが、クエン酸のみわずかに光沢性が認められたものの、黄色っぽい色合いであり、さらに使用電流密度範囲も非常に狭く、工業的には使用できないレベルであった。
Figure 2014020981
Figure 2014020981
Figure 2014020981

Claims (12)

  1. (A)少なくとも1種の可溶性銀化合物と
    (B)少なくとも1種の安息香酸誘導体又は該誘導体の塩と
    (C)少なくとも1種の酸及び/又は錯化剤と
    を含む水溶液である電気銀めっき液であって、前記安息香酸誘導体が下記の一般式Iで表される該めっき液。
    Figure 2014020981
    (ただし、
    mは、1、2、3、4、又は5であり、
    Raは、カルボキシル基であり、
    Rbは、それぞれ独立して、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基又はスルホン酸基から選択され、
    Rcは、それぞれ独立して、水素又は任意の置換基であり、
    Ra、又はRbとベンゼン環との結合間に酸素又はCH2が1以上挿入されてもよい。
  2. シアン化合物を実質的に含まない請求項1に記載のめっき液。
  3. 少なくとも1種のアゾール系化合物又は/及びチオフェン系化合物を更に含有する請求項1又は2に記載のめっき液。
  4. 少なくとも1種の界面活性剤を更に含有する請求項1〜3いずれか1項に記載のめっき液。
  5. 前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤である請求項4に記載のめっき液。
  6. 前記安息香酸誘導体又は該誘導体の塩の濃度が合計で0.0001g/L以上である請求項1〜5いずれか1項に記載のめっき液。
  7. 前記アゾール系化合物又は/及びチオフェン系化合物の濃度が合計で0.01g/L以上である請求項3に記載のめっき液。
  8. 前記界面活性剤の濃度が合計で0.001g/L以上である請求項4に記載のめっき液。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のめっき液を用いる電気銀めっき方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のめっき液を用いて電気銀めっき製品を製造する方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のめっき液を用いて製造された電気銀めっき製品。
  12. 前記めっき液を用いて電気銀めっきを行った後、更に以下のいずれか1種以上の皮膜処理を行う請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法又はめっき製品:
    ・有機化合物又は樹脂系材料の膜を形成させる処理;
    ・銀以外の金属の膜を形成させる処理;及び
    ・クロム酸化成皮膜を形成させる処理。
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