JPWO2014017506A1 - リチウム二次電池用負極 - Google Patents

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Abstract

本発明は、粒子状のシリコン系活物質とバインダとを含む活物質層が設けられたリチウム二次電池用負極であって、活物質層中のシリコン系活物質の含有量が50質量%超であり、下記に示すセルの構成および充放電条件で、充放電を20回繰り返した時の20回目の放電容量が1500mAh/g−シリコン系活物質以上である。<セルの構成>電池:二極式ポーチ型セル対極:金属リチウム電解液:LiPF6が1mol/Lの濃度で溶解した、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1:1)<充放電条件>測定温度:30℃電圧範囲:0.01〜2V充電電流および放電電流:500mA/g−シリコン系活物質

Description

本発明は、シリコン系粒子を活物質として利用するリチウム二次電池用負極に関する。
従来より、リチウムイオン二次電池の負極には、黒鉛粉末等の粒子状のカーボン系活物質と、絶縁性のバインダとを含む活物質層を、銅箔等、箔状の集電体の表面に形成したものが用いられている。バインダには、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等が用いられる。
しかし、カーボン系活物質を用いた負極は、放電容量が高々350mAh/g程度であるため、さらに高容量の活物質が求められている。そこで、カーボン系活物質に代わる次世代の活物質として粒子状のシリコン系活物質を用いた負極が提案されている。シリコンはリチウムとの合金化反応により、黒鉛の数倍以上の放電容量を示すことが知られている。
しかし、このシリコン系活物質は充放電に伴う体積変化が大きいため、充放電の繰り返しに伴い、シリコン系活物質が微粉化したり、集電体から脱離したりする。このため、負極の集電性および活物質量が低下し、負極の放電容量が大幅に減少するという問題があった。この繰り返し充放電時の体積変化に起因するサイクル特性の低下を改善する方法として、特許文献1には平均粒径が1〜10ミクロンのシリコン粒子を、力学的特性に優れたポリイミドを用いて結着した活物質を特定の銅箔からなる集電体の表面に設けることにより負極とする方法が提案されており、特許文献2にはシリコンとカーボンとからなるコンポジットを活物質として用い、これをポリイミドで結着した負極が提案されている。また、非特許文献1や2には、ポリアミドイミドやポリアクリル酸をシリコン粒子のバインダとして用いた負極がそれぞれ提案されている。
さらに、特許文献3には、集電体の表面に高濃度のバインダを配合した導電性接着層が積層され、その導電性接着層の外表面にポリイミド等のバインダを含むシリコン活物質層を設けたシリコン負極が提案されている。
特許第4471836号明細書 国際公開第2011/056847号 特許第4212392号明細書
Journal of Power Sources 177 (2008) 590-594 ACS Appl. Mater. Interfaces, 2010, 2(11), 3004-3010
しかしながら、前記の先行技術文献に記載の負極を用いた場合であっても、充放電の繰り返しに伴う放電容量の低下を十分に抑制することは困難であり、充放電を繰り返した後でも、高い放電容量を維持する負極が求められている。
そこで、本発明では、前記の課題を解決するため、シリコン系活物質を用いた場合において、充放電を繰り返した後でも、高い放電容量を維持することが可能なリチウムイオン二次電池用負極を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)粒子状のシリコン系活物質とバインダとを含む活物質層が設けられたリチウム二次電池用負極であって、活物質層中におけるシリコン系活物質の含有量が50質量%超であり、下記に示すセルの構成および充放電条件で、充放電を20回繰り返した時の20回目の放電容量が1500mAh/g−シリコン系活物質以上であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
<セルの構成>
電池:二極式ポーチ型セル
対極:金属リチウム
電解液:LiPFが1mol/Lの濃度で溶解した、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1:1)
<充放電条件>
測定温度:30℃
電圧範囲:0.01〜2V
充電電流および放電電流:500mA/g−シリコン系活物質
(2)活物質層の気孔率が15〜40体積%であり、かつその電解液吸収速度が300秒以下であることを特徴とする(1)記載のリチウム二次電池用負極。
(3)シート状の集電体上に形成された導電性接着層の外表面に活物質層が積層された積層体からなる(1)または(2)記載のリチウム二次電池用負極。
(4)活物質がシリコン単体からなる粒子であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
(5)シリコン系活物質の平均粒径が1μm未満であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
本発明の負極は、繰り返し充放電を行った後でも、高い放電容量を維持しているので、リチウム二次電池用負極として好適に用いることができる。
本発明の実施例1の負極を用いた場合の充放電曲線を示す図である。
本発明のリチウム二次電池用負極は、粒子状のシリコン系活物質とバインダとを含む活物質層が設けられており、活物質層中におけるシリコン系活物質の含有量が50質量%超である。そして、下記に示すセルの構成および充放電条件で、充放電を20回繰り返した時の20回目の放電容量が1500mAh/g―シリコン系活物質以上という特性を有するものである。
<セルの構成>
電池:二極式ポーチ型セル
対極:金属リチウム
電解液:LiPFが1mol/Lの濃度で溶解した、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1:1)
<充放電条件>
測定温度:30℃
電圧範囲:0.01〜2V
充電電流および放電電流:500mA/g−シリコン系活物質
ここで放電容量の単位として示されている「mAh/g―シリコン系活物質」とは、計測された放電の際の電気量(mAh)の全てが、活物質層中に配合されているシリコン系活物質の充放電に基づくものであるという前提で、シリコン系活物質1g当たりに換算した値である。
前記放電容量は1700mAh/g以上であることがより好ましく、2000mAh/g以上であることが更に好ましい。このようにすることにより、サイクル特性に優れた高放電容量のリチウム二次電池用負極とすることができる。
放電容量の測定は、公知のポーチ型(ラミネートシート型)のセルを用いて行われる。このセルは、コイン型のセルなどとは違い、柔軟なアルミラミネートフィルム(樹脂フィルムとアルミニウム箔の積層フィルム)を外装材として用いたセルであり、充放電の際、電極に圧力がかかっていない状態で、放電容量が測定されるセルである。このポーチ型のセルは、例えば、以下のように作製することができる。
得られたシート状の負極を、10mm×40mmの矩形状に裁断し、10mm×10mmの活物質面積を残して融着フィルムで被覆する。対極として、厚み1mmのリチウム板を、30mm×40mmの矩形状に裁断し、厚み0.5mmのニッケルリード(5mm×50mm)に二つ折りにして圧着する。負極のみを、袋状のセパレータ(30mm×20mm)に入れた後、対極と向き合わせ、電極群を得る。セパレータには、矩形状のポリプロピレン樹脂製多孔質フィルム(厚み25μm)を用いる。この電極群を二枚一組の矩形状のアルミラミネートフィルム(50mm×40mm)で覆い、その三辺をシールした後、袋状アルミラミネートフィルム内に電解液1mLを注入する。電解液には、ECと、DECと、EMCとを、体積比1:1:1で混合した混合溶媒にLiPFを1モル/Lの濃度で溶解したものを用いる。その後、残りの一辺をシールして、袋状アルミラミネートフィルム内を密封する。また、袋状アルミラミネートフィルム内の密封の際には、負極およびニッケルリードの一端を外側に延出し、端子とする。このようにして、試験セルを得る。これらの操作のすべてを、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
活物質層中におけるシリコン系活物質の粒子(以下、「シリコン系粒子」と略記することがある)の含有量は、50質量%超であることが必要であり、好ましくは60質量%超である。50質量%以下であると、活物質であるシリコン系活物質1g当たりの放電容量が高くても、活物質層1g当たりに換算した時の放電容量が低下するので、放電容量の高い負極を得ることは難しい。
前記シリコン系粒子としては、例えば、シリコン単体、シリコン合金、シリコン・2酸化珪素複合体等の粒子が挙げられ、その形状は、不定形状、球状、繊維状等、いかなる形状でもよい。これらシリコン系粒子の中でも、シリコン単体の粒子(以下、「シリコン粒子」と略記することがある)の放電容量が最も高いので、好ましく用いることができる。ここで、シリコン単体とは、純度が95質量%以上の結晶質もしくは非晶質のシリコンを言う。
シリコン系粒子の平均粒径は、5μm以下が好ましく、1μm未満がより好ましい。平均粒径が小さい程、粒子の表面積が大きくなるため、高放電容量が得られる。ここで、前記平均粒径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置測定した体積基準の平均粒径を言う。この平均粒径は前記シリコン系粒子を用いて負極を得た後、その表面のSEM像から確認することもできる。
前記シリコン系粒子にバインダを配合して前記シリコン系粒子同士を結着させることで、フィルム状の活物質層が形成される。用いるバインダの種類に制限はないが、力学的特性に優れ、かつシリコン系粒子に対する結着性に優れたたポリイミド系高分子を用いることが好ましい。ここで、ポリイミド系高分子とは、主鎖にイミド結合を有する高分子である。具体例としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等が挙げられるが、ポリイミド系高分子は、これらに限定されるものではなく、主鎖にイミド結合を有する樹脂であれば如何なる高分子も使用することができる。これらの樹脂は通常は単独で用いられるが、2種以上を混合して用いてもよい。
これら、ポリイミド系高分子の中でも、特に力学的特性に優れたポリイミドを用いることが好ましく、ポリイミドのなかでも芳香族ポリイミドを用いることがさらに好ましい。 ここで芳香族ポリイミドとは、下記の一般式(1)で示される構造を有するものである。
Figure 2014017506
一般式(1)中、R1は4価の芳香族残基であり、R2は2価の芳香族残基である。
この芳香族ポリイミドは、熱可塑性であってもよく、非熱可塑性であってもよい。ポリイミドとしては、溶媒に溶解したポリアミック酸等のポリイミド前駆体を熱硬化して得られる前駆体型のポリイミドや、溶媒可溶型のポリイミドを用いることができ、前駆体型ポリイミドを好ましく用いることができる。なお、ポリアミック酸を用いた前駆体型ポリイミドの詳細については、後述する。
前記ポリイミド系高分子としては、市販品を用いてもよい。例えば、「UイミドAR」、「UイミドAH」、「UイミドCR」、「UイミドCH」(いずれもユニチカ社製)やUワニスA(宇部興産社製)等のポリアミック酸型ワニス、「リカコートSN−20」(新日本理化社製)や「マトリミド5218」(ハンツマン社製)等を溶媒に溶解させた溶媒可溶型ポリイミドワニス、バイロマックスHR−11NN(東洋紡社製)等のポリアミドイミドワニスを使用することができる。
前記活物質層中のポリイミド系高分子の含有量は、放電容量およびサイクル特性の観点から、5〜30質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。このように設定することにより、後述する活物質層の気孔率を好ましい範囲とすることができ、サイクル特性に優れた高放電容量のリチウム二次電池用負極とすることができる。
前記活物質層の気孔率は15〜40体積%とすることが好ましく、25〜35体積%とすることがより好ましい。気孔率をこのように設定することにより、シリコン活物質の充放電に伴う体積変化により発生する活物質層へのストレスをこの気孔により吸収でき、それが為に充放電の際に活物質層に亀裂を生じさせることがなく、良好なサイクル特性が得られる。従い、気孔率がこの範囲外では、目的とする繰り返し充放電後の高放電容量が得られないことがある。
前記活物質層の気孔率は、活物質層の見掛け密度と活物質層を構成する個々の材料(シリコン系粒子、バインダ、導電性粒子等)の真密度(比重)と配合量から算出される値であり、個々の材料の配合量や粒子サイズにより変化するものである。具体的には、シリコン系粒子(真密度A g/cm)をX質量%、バインダ(真密度B g/cm)をY質量%、導電性粒子(真密度C g/cm)をZ質量%配合した活物質層の見掛け密度がDg/cmの場合の気孔率(体積%)は、以下の計算式から算出される。ここで、個々の材料の真密度は、JIS Z8807に基づいて測定することにより得られる。
気孔率(体積%) = 100−D(X/A+Y/B+Z/C)
本発明において、充放電サイクル後で高い放電容量を得るには、気孔率を15〜40体積%とした上で、活物質層の電解液吸収速度を300秒以下とすることが好ましい。ここで、電解液吸収速度は200秒以下が好ましく、100秒以下であることが更に好ましい。この電解液吸収速度を300秒以下と設定することにより、電解液が繰り返し充放電の過程において、より効率的に活物質であるシリコン系粒子の表面と接触できるので、繰り返し充放電後の高い放電容量が達成される。従い、電解液吸収速度がこの範囲外では、目的とする繰り返し充放電後の高放電容量が得られないことがある。なお、電解液吸収速度の詳細については、後述する。
ここで電解液吸収速度は、以下の方法で測定することが出来る。即ち、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC))、エチルメチルカーボネート(EMC)を1:1:1の体積比で配合した20℃の電解液5μLを、活物質層の表面に滴下する。そして、電解液を活物質層の表面に滴下してから、滴下された電解液が活物質層の表面から当該層中へ完全に吸収され、活物質層の表面にて液滴が消失するまでの時間を、目視で測定する。この測定された時間を電解液吸収速度とする。
本発明では、前記活物質層の厚みは任意であるが、10〜300μm程度の厚みとすることができる。
本発明では、活物質層の内部抵抗を低減させるために、前記活物質層に導電性粒子を含ませることが好ましい。導電性粒子としては、例えば、粒子状のカーボン材料や金属材料が用いられる。カーボン材料としては、黒鉛、カーボンブラックが好ましく、黒鉛がより好ましい。金属材料としては、例えば、銀、銅、ニッケルが用いられる。これらカーボン粒子や金属粒子の粒子径としては平均粒径が5μm以下であることが好ましい。
前記活物質層中の導電性粒子の含有量は、1〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
本発明の負極は、前記活物質層と、シート状の集電体との間に、導電性接着層を設けた積層体であることが好ましい。これにより、充放電時の活物質層の膨張および収縮に伴い活物質層と集電体との界面で生じる応力を緩和し、活物質層の集電体からの剥離を抑制することができる。
前記導電性接着層は、バインダに導電性粒子を配合した層である。ここで用いるバインダの種類に制限はないが、例えば、前記ポリイミド系高分子を好ましく用いることができる。ポリイミド系高分子のなかでも、銅箔等の集電体との接着特性に優れたポリアミドイミドや溶媒可溶型のポリイミドが特に好ましく用いられる。ここでポリアミドイミドとは、下記の一般式(2)で示される構造を有するものである。
Figure 2014017506
一般式(2)中、R3は3価の芳香族残基であり、R4は2価の芳香族残基である。導電性接着剤層中のバインダは、前記活物質層中のバインダと同じ種類であっても違っていてもよい。
前記導電性接着層に用いられる導電性粒子としては、例えば、粒子状のカーボン材料や金属材料が用いられる。カーボン材料としては、黒鉛、カーボンブラックが好ましく、黒鉛がより好ましい。
金属材料としては、例えば、銀、銅、ニッケルが用いられる。これらカーボン粒子や金属粒子の粒子径としては平均粒径が5μm以下であることが好ましい。これら導電性粒子は前記活物質層に配合される導電性粒子と同じ種類であっても違っていてもよい。
前記導電性接着層中のバインダの含有量は30質量%未満であること、即ち導電性粒子の含有量が70質量%以上であることが好ましく、前記導電性接着層中のバインダの含有量が20質量%未満であること、即ち導電性粒子の含有量が80質量%以上であることがより好ましい。
バインダの含有量が30質量%以上、即ち導電性粒子の含有量が70質量%未満である導電性接着層を用いると、活物質層の気孔率を15〜40体積%とした上で、電解液吸収速度を300秒以下とすることは難しい。例えば、特許文献3の実施例1に記載されている、導電性接着層中のポリイミド含有量が80質量%である負極では、本発明者らの検討では、活物質層の電解液吸収速度が1000秒以上となる。その理由は明らかではないが、接着層中のバインダ種類とは無関係に、バインダの含有量が高くなるにつれて、活物質層の電解液の吸収速度が遅くなることが確認されているので、導電性接着層の構成が、活物質層の電解液吸収速度に何らかの影響を及ぼしていると考えられる。
また、導電性接着層中におけるバインダ量が相対的に少ない場合でも、体積の膨張・収縮が殆どない黒鉛等の導電性粒子を、活物質層と同程度の含有量のバインダで結着させ、かつ銅箔等の集電体と高い接着性を有するバインダを用いることで、導電性接着層として十分な強度が得られる。
導電性接着層の厚みは、集電体と活物質層との間の導電性および接着性の観点から、1〜15μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。
集電体としては、例えば、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等の金属箔が用いられるが、電解銅箔や圧延銅箔のような銅箔を用いるのが好ましい。金属箔の厚みは、5〜50μmが好ましく、9〜18μmがより好ましい。金属箔と導電性接着層との接着性を高めるために、金属箔の表面に粗面化処理や防錆処理を施してもよい。
本発明のリチウム二次電池用負極は、例えば、以下の工程により簡単に製造することができる。
第1工程:ポリアミドイミド溶液に黒鉛粒子を配合して黒鉛分散体(導電性接着層形成用塗料)を得る。
第2工程:黒鉛分散体を銅箔上に塗布した後、乾燥し、導電塗膜を得る。
第3工程:ポリイミド前駆体溶液にシリコン粒子および黒鉛粒子を配合してシリコン分散体(活物質層形成用塗料)を得る。
第4工程:シリコン分散体を導電塗膜上に塗布した後、乾燥し、シリコン含有塗膜を得る。
第5工程:シリコン含有塗膜を熱処理することにより、ポリイミド前駆体を熱硬化しポリイミドに変換する。
前記の方法により、集電体と、黒鉛粒子およびポリアミドイミドとを含む導電性接着層と、シリコン粒子、黒鉛粒子およびポリイミドとを含む活物質層とを、この順に積層してなる負極を容易に製造することができる。
第2工程(導電塗膜形成工程)における乾燥温度は、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。乾燥効率の観点から、第2工程(導電塗膜形成工程)における乾燥温度は、100℃以上が好ましい。
第2工程では、黒鉛分散体で用いた溶媒が導電塗膜中に5〜30質量%程度残留する程度に、導電塗膜を乾燥させるのが好ましい。この残留する溶媒が、導電性接着層と活物質層との良好な接着強度の発現に寄与する。
第4工程(活物質塗膜形成工程)における乾燥温度は、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。乾燥効率の観点から、第4工程(活物質塗膜形成工程)における乾燥温度は、100℃以上が好ましい。
負極に熱的損傷を与えることなく、シリコン含有塗膜中のポリイミド前駆体をポリイミドに十分に変換することができる点で、第5工程の熱処理温度は250〜500℃が好ましい。熱処理は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、空気中や真空下で行ってもよい。また、熱処理後に、必要に応じて熱加圧処理を行ってもよい。
第2工程および第4工程の各分散体の塗布は、1回だけ行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。
導電材分散体を集電体へ塗布する方法、および活物質分散体を導電塗膜へ塗布する方法としては、ロールツーロールにより連続的に塗布する方法、枚様で塗布する方法のいずれの方法を用いてもよい。塗布装置としては、例えば、ダイコータ、多層ダイコータ、グラビアコータ、コンマコータ、リバースロールコータ、ドクタブレードコータが用いられる。
ポリアミドイミド溶液は、前記したような市販品を用いても良いが、原料であるトリメリット酸無水物およびジイソシアネートを略等モルで配合し、それを溶媒中で重合反応させて得られるものも好ましく用いられる。
トリメリット酸無水物としては、その一部がピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物に置換されたものを用いてもよい。
ジイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルスルホンー4,4‘−ジイソシアネート、ジフェニルー4,4’−ジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートが用いられる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
ポリアミドイミド溶液中におけるポリアミドイミドの固形分濃度は、1〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
ポリアミドイミド溶液の30℃における粘度は、1〜150Pa・sが好ましく、5〜100Pa・sがより好ましい。
ポリイミド前駆体溶液は、前記したような市販品を用いても良いが、原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを略等モルで配合し、それを溶媒中で重合反応させて得られるポリアミック酸も好ましく用いられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン、酸、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等の二無水物が用いられる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸が好ましい。
ジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノベンゾエート、ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、ジアミノアントラキノン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタンが用いられる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンが好ましい。
ポリイミド前駆体溶液中におけるポリアミック酸の固形分濃度としては、1〜50質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。ポリイミド前駆体溶液中に含まれるポリアミック酸は、部分的にイミド化されていてもよい。
ポリイミド前駆体溶液の30℃における粘度は、1〜150Pa・sが好ましく、10〜100Pa・sがより好ましい。
ポリアミドイミド溶液やポリイミド前駆体溶液に用いられる溶媒としては、ポリアミドイミドやポリアミック酸を溶解可能な溶媒であればよく、特に限定されないが、アミド系溶媒が好ましく用いられる。アミド系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
必要に応じて、ポリアミドイミド溶液やポリイミド前駆体溶液に、各種界面活性剤や有機シランカップリング剤のような公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。また、必要に応じて、ポリアミドイミド溶液やポリイミド前駆体溶液に、ポリアミドイミドやポリイミド前駆体以外の他のポリマーを、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。
実施例および比較例における各種の特性値の測定および評価は、以下のとおりである。
(I)活物質層の気孔率および電解液吸収速度
活物質層の気孔率および電解液吸収速度については、上述した方法により測定した。
(II)シリコン系活物質層の放電特性
まず、得られたシート状の負極を用いて、以下の手法により、負極の放電容量を測定するための試験セルとして二極式ポーチ型セル(ラミネートセル)を作製した。
得られたシート状の負極を、10mm×40mmの矩形状に裁断し、10mm×10mmの活物質面積を残して融着フィルムで被覆した。対極として、厚み1mmのリチウム板を、30mm×40mmの矩形状に裁断し、厚み0.5mmのニッケルリード(5mm×50mm)に二つ折りにして圧着した。負極のみを、袋状のセパレータ(30mm×20mm)に入れた後、対極と向き合わせ、電極群を得た。セパレータには、矩形状のポリプロピレン樹脂製多孔質フィルム(厚み25μm)を用いた。この電極群を二枚一組の矩形状のアルミラミネートフィルム(50mm×40mm)で覆い、その三辺をシールした後、袋状アルミラミネートフィルム内に電解液1mLを注入した。電解液には、ECと、DECと、EMCとを、体積比1:1:1で混合した混合溶媒にLiPFを1モル/Lの濃度で溶解したものを用いた。その後、残りの一辺をシールして、袋状アルミラミネートフィルム内を密封した。また、袋状アルミラミネートフィルム内の密封の際には、負極およびニッケルリードの一端を外側に延出し、端子とした。このようにして、試験セルを得た。これらの操作のすべてを、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
次に、得られた試験セルを用いて、上述した<充放電条件>に従って充放電を繰り返し、20回目の放電容量を求めた。
実施例および比較例に用いた、バインダ溶液、活物質層形成用シリコン分散体、および導電性接着層形成用黒鉛分散体の調製方法は、以下のとおりである。
[ポリイミド前駆体溶液の調製]
略等モルの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と、4,4’−オキシジアニリン(ODA)とを、NMP中で反応させて、ポリイミドとしての固形分濃度が20質量%および30℃での粘度が25Pa・sである、均一なポリアミック酸溶液(P−1)を得た。
[ポリアミドイミド溶液の調製]
略等モルのトリメリット酸無水物(TMA)と、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(DMI)とを、NMP中で反応させて、固形分濃度が18質量%および30℃での粘度が15Pa・sである、均一なポリアミドイミド溶液(P−2)を得た。
[活物質層形成用シリコン分散体の調製]
前記で得られた溶液(P−1)に、平均粒径が0.7μmであるシリコン粒子(純度:99質量%)と、平均粒径が3μmである黒鉛粒子とを、表1に示す組成で加え、均一に分散するように攪拌した後、NMPを加えた。このようにして、表1に示す組成を有するシリコン分散体(固形分濃度約25質量%)を得た。
Figure 2014017506
[導電性接着層形成用導電性粒子分散体の調製]
前記で得られた溶液(P−1)または溶液(P−2)に、平均粒径が3μmである黒鉛粒子またはカーボンブラック(ケッチェンブラック)を表2に示す組成で加え、均一に分散するように攪拌した後、NMPを加えた。このようにして、表2に示す組成を有する導電性粒子分散体a1〜a10(固形分濃度約30質量%)を得た。
Figure 2014017506
Figure 2014017506
<実施例1>
厚み18μmの電解銅箔(古河電気工業社製、F2−WS)の一方の表面に、導電性粒子分散体a1を、バーコータを用いて枚様で均一に塗布した後、130℃で10分間乾燥し、導電塗膜を得た。黒鉛分散体の塗布量は、得られる導電接着層の厚みが3〜4μmになるように調製した。次に、導電塗膜の表面に、シリコン分散体A1を、バーコータを用いて枚様で均一に塗布し、130℃で10分間乾燥し、活物質塗膜を得た。シリコン分散体の塗布量は、得られる活物質層の厚みが40〜50μmになるように調製した。このようにして、電解銅箔と、導電塗膜と、活物質塗膜とを、この順に積層してなる積層体を得た。次に、得られた積層体を、窒素ガス雰囲気下で100℃から350℃まで2時間かけて昇温した後、350℃で1時間熱処理した。この熱処理により、活物質塗膜中のポリアミック酸をポリイミドに変換した。このようにして、電解銅箔と、導電性接着層と、活物質層とを、この順に積層してなる負極A1a1を得た。この負極の特性を表3に示す。
また、この負極の充放電サイクルの際の、1回目、5回目、10回目、および20回目の充放電曲線を図1に示す。図1から、1回目のみ高い放電容量が得られているが、2回目以降20回目までの繰り返し充放電では、充放電曲線にばらつきはあるものの繰り返しによる負極の放電容量の低下は僅かであることが判る。
<実施例2〜5>
導電性粒子分散体a1を導電性粒子分散体a2〜a5に変えた以外は、実施例1と同様の方法により、負極A1a2〜A1a5を得た。この負極の特性を表3に示す。これらの負極では、充放電曲線も負極A1a1と同様の傾向を示した。
<実施例6〜7>
シリコン分散体A1をシリコン分散体A2〜A3に変えた以外は、実施例1と同様の方法により、負極A2a1〜A3a1を得た。この負極の特性を表3に示す。これらの負極では、充放電曲線も負極A1a1と同様の傾向を示した。
<比較例1〜5>
導電性粒子分散体a1を導電性粒子分散体a6〜a10に変えた以外は、実施例1と同様の方法により、負極A1a6〜A1a10を得た。この負極の特性を表3に示す。これらの負極では、充放電の繰り返しに伴い放電容量が大きく低下し、20回目の放電容量は1000mAh/g−シリコン系活物質未満と低いものであった。
<比較例6>
シリコン分散体A1をシリコン分散体A4に変えた以外は、実施例1と同様の方法により、負極A4a1を得た。この負極の特性を表3に示す。この負極では、20回目の放電容量は1500mAh/g−シリコン系活物質の値を示したが、活物質層中のシリコン系活物質の含有量が45質量%と低いため、負極としての放電容量は低いものであった。
以上のように、本発明の実施例の負極では、高い放電容量を有し、かつ充放電サイクル特性に優れているので、リチウム二次電池用の負極として好適に用いることできる。
(1)平均粒径が1μm未満の粒子状のシリコン系活物質とバインダとを含む活物質層が設けられたリチウム二次電池用負極であって、活物質層中におけるシリコン系活物質の含有量が50質量%超、気孔率が15〜40体積%、電解液吸収速度が300秒以下であり、かつ、集電体上に形成された導電性接着層の外表面に活物質層が積層されていることを特徴とするリチウム二次電池用負極
【0012】
【0012】
(2)下記に示すセルの構成および充放電条件で、充放電を20回繰り返した時の20回目の放電容量が1500mAh/g−シリコン系活物質以上であることを特徴とする(1)記載のリチウム二次電池用負極。
<セルの構成>
電池:二極式ポーチ型セル
対極:金属リチウム
電解液:LiPF が1mol/Lの濃度で溶解した、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1:1)
<充放電条件>
測定温度:30℃
電圧範囲:0.01〜2V
充電電流および放電電流:500mA/g−シリコン系活物質
シリコン系活物質がシリコン単体であることを特徴とする(1)または(2)記載のリチウム二次電池用負極
(1)平均粒径が1μm未満の粒子状のシリコン系活物質と、ポリイミド系高分子のバインダとを含む活物質層が設けられたリチウム二次電池用負極であって、
活物質層中におけるシリコン系活物質の含有量が50質量%超、バインダの含有量が5質量%以上であり、
気孔率が15〜40体積%、電解液吸収速度が300秒以下であり、かつ、集電体上に形成された導電性接着層の外表面に活物質層が積層されていることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
(1)集電体上に形成された導電性接着層の外表面に活物質層が積層されたリチウム二次電池用負極であって、
活物質層が、平均粒径が1μm未満の粒子状のシリコン系活物質と、ポリイミド系高分子のバインダとを含
活物質層中におけるシリコン系活物質の含有量が50質量%超、バインダの含有量が5質量%以上であり、
導電性接着層中におけるバインダの含有量が30質量%以下であり、
気孔率が15〜40体積%、電解液吸収速度が300秒以下であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
前記導電性接着層中のバインダの含有量は30質量%以下であること、即ち導電性粒子の含有量が70質量%以上であることが好ましく、前記導電性接着層中のバインダの含有量が20質量%以下であること、即ち導電性粒子の含有量が80質量%以上であることがより好ましい。
バインダの含有量が30質量%を超えると、即ち導電性粒子の含有量が70質量%未満である導電性接着層を用いると、活物質層の気孔率を15〜40体積%とした上で、電解液吸収速度を300秒以下とすることは難しい。例えば、特許文献3の実施例1に記載されている、導電性接着層中のポリイミド含有量が80質量%である負極では、本発明者らの検討では、活物質層の電解液吸収速度が1000秒以上となる。その理由は明らかではないが、接着層中のバインダ種類とは無関係に、バインダの含有量が高くなるにつれて、活物質層の電解液の吸収速度が遅くなることが確認されているので、導電性接着層の構成が、活物質層の電解液吸収速度に何らかの影響を及ぼしていると考えられる。
また、導電性接着層中におけるバインダ量が相対的に少ない場合でも、体積の膨張・収縮が殆どない黒鉛等の導電性粒子を、活物質層と同程度の含有量のバインダで結着させ、かつ銅箔等の集電体と高い接着性を有するバインダを用いることで、導電性接着層として十分な強度が得られる。
Figure 2014017506

Claims (5)

  1. 粒子状のシリコン系活物質とバインダとを含む活物質層が設けられたリチウム二次電池用負極であって、
    活物質層中におけるシリコン系活物質の含有量が50質量%超であり、
    下記に示すセルの構成および充放電条件で、充放電を20回繰り返した時の20回目の放電容量が1500mAh/g−シリコン系活物質以上であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
    <セルの構成>
    電池:二極式ポーチ型セル
    対極:金属リチウム
    電解液:LiPFが1mol/Lの濃度で溶解した、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1:1)
    <充放電条件>
    測定温度:30℃
    電圧範囲:0.01〜2V
    充電電流および放電電流:500mA/g−シリコン系活物質
  2. 活物質層の気孔率が15〜40体積%であり、かつその電解液吸収速度が300秒以下であることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用負極。
  3. 集電体上に形成された導電性接着層の外表面に活物質層が積層された積層体からなる請求項1または2記載のリチウム二次電池用負極。
  4. 活物質がシリコン単体からなる粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
  5. シリコン系活物質の平均粒径が1μm未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
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