JPWO2014010314A1 - 再利用可能な繊維を基材として用いた茸栽培方法、及びそれに使用される栽培用培地 - Google Patents

再利用可能な繊維を基材として用いた茸栽培方法、及びそれに使用される栽培用培地 Download PDF

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Abstract

本発明は、栽培後に培養基材を簡便に回収して再利用でき、栽培後に生じる廃棄物を大幅に低減できる茸の栽培技術を提供することを目的とする。再利用可能な繊維基材を培養基材として用いて、これに水と栄養源を含浸させた栽培用培地を使用すると、茸の栽培が可能になる。更に、当該栽培用培地は、栽培後に培養基材を容易に回収でき、既存の洗浄装置を使用して簡便に洗浄して培養基材として再利用が可能になり、茸の栽培によって生じる廃棄物を大幅に低減できる。

Description

本発明は、菌床栽培により茸を栽培する方法に関する。より詳細には、培養基材を再利用することができ、廃棄物の軽減に寄与できる茸の栽培方法に関する。更に、本発明は当該栽培方法に使用される栽培用培地に関する。
近年、健康志向の高まりを受け、健康食品として茸が注目されている。従来、多くの市販の茸は、おが屑に水と栄養を加えた栽培用培地を用いて人工菌床栽培により生産されている。しかしながら、茸の菌床栽培の普及と茸の生産量の増加により、栽培後に廃棄物となるおが屑の量が飛躍的に増加している。そのため、使用後のおが屑の使い捨てによる廃棄物の処理方法が悩みとなると共に、おがくずの将来的な供給不足が危惧されている。
そこで、従来、茸の栽培用培地において、おが屑の使用量を低減させることが試みられている。例えば、特許文献1には、廃棄紙材を小片状に破砕して得た破砕紙材とおが屑を混ぜ合わせた栽培用培地を用いて、茸を菌床栽培する方法が提案されている。しかしながら、特許文献1の方法では、あくまで、おが屑の減量が可能になるに止まり、おが屑を使用せずに茸の菌床栽培を可能にしている技術ではない。更に、特許文献1の方法では、依然として、栽培後の栽培用培地の再利用が困難であり、資源の有効活用に資するとは言い難い。
また、おが屑を使用せずに茸の菌床栽培を可能にしている技術についても、幾つか報告されている。例えば、特許文献2には、ガラスビーズ、セラミックボール等の球状成型物を培養基材として使用することにより、栽培後でも培養基材を回収して再利用できることが開示されている。更に、特許文献3には、茸の栽培用培地において、合成樹脂材からなる粒状の培養基材を使用することにより、培養基材の再利用が可能であることが開示されている。しかしながら、特許文献2及び3の方法では、培養基材以外に、バーミキュライト等の保水材や、米糠、ふすま等の保水性の不溶性栄養源を比較的多量に使用することが必要とされているため、栽培後の培地から培養基材を分離するのが困難であり、培養基材を洗浄する装置を開発しなければならないという問題点がある。更に、保水材や保水性の不溶性栄養源は、栽培後には廃棄物となるため、廃棄物の低減という点でも欠点がある。
特開2003−310050号公報 特開2003−9656号公報 特開2003−134933号公報
本発明の目的は、栽培後に培養基材を簡便に回収して再利用でき、栽培後に生じる廃棄物を大幅に低減できる茸の栽培技術を提供することである。
本発明は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、再利用可能な繊維基材を培養基材として用いて、これに水と栄養源を含浸させた栽培用培地を使用すると、茸の栽培が可能になることを見出した。また、当該栽培用培地は、栽培後に培養基材を容易に回収でき、既存の洗浄装置を使用して簡便に洗浄して培養基材として再利用が可能になり、茸の栽培によって生じる廃棄物を大幅に低減できることも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の茸の栽培方法、及び茸の栽培用培地を提供する。
項1. 再利用可能な繊維基材、水、及び栄養源を含む栽培用培地を用いて、茸を菌床栽培することを特徴とする、茸の栽培方法。
項2. 再利用可能な繊維基材が、線状繊維基材又はシート状繊維基材である、項1に記載の茸の栽培方法。
項3. 茸の菌床栽培が、ビン栽培又は袋栽培にて行われる、項1又は2に記載の茸の栽培方法。
項4. 茸の栽培後に栽培用培地から繊維基材を回収し、当該繊維基材を培養基材として再利用して茸の栽培を繰り返し行う、項1〜3のいずれかに記載の茸の栽培方法。
項5. 茸が、ヒラタケ、エノキタケ、エリンギ、タモギタケ、ブナシメジ、シイタケ及びマイタケよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれかに記載の茸の栽培方法。
項6. 茸が、エノキタケ、ヒラタケ、エリンギ、タモギタケ、及びブナシメジよりなる群から選択される少なくとも1種であり、菌床栽培がビン栽培にて行われる、項1〜5のいずれかに記載の茸の栽培方法。
項7. 茸が、シイタケ、タモギタケ、ヒラタケ、及びマイタケよりなる群から選択される少なくとも1種であり、菌床栽培が袋栽培にて行われる、項1〜5のいずれかに記載の茸の栽培方法。
項8. 再利用可能な繊維基材、水、及び栄養源を含むことを特徴とする、茸の栽培用培地。
項9. 再利用可能な繊維基材が、線状繊維基材又はシート状繊維基材である、項8に記載の茸の栽培用培地。
項10. ビン栽培用の培地である、項8又は9に記載の茸の栽培用培地。
項11. 袋栽培用の培地である、項8又は9に記載の茸の栽培用培地。
項12. ヒラタケ、エノキタケ、エリンギ、タモギタケ、ブナシメジ、シイタケ及びマイタケよりなる群から選択される少なくとも1種の茸の栽培に使用される、項8〜11のいずれかに記載の茸の栽培用培地。
項13. エノキタケ、ヒラタケ、エリンギ、タモギタケ、及びブナシメジよりなる群から選択される少なくとも1種の茸の栽培に使用される、項10に記載の茸の栽培用培地。
項14. シイタケ、タモギタケ、ヒラタケ、及びマイタケよりなる群から選択される少なくとも1種の茸の栽培に使用される、項11に記載の茸の栽培用培地。
本発明によれば、おが屑を使用せずとも、茸の菌床栽培が可能になるので、おが屑の使い捨てによる廃棄物問題と将来的なおが屑供給問題の悩みを解消することができる。また、本発明によれば、栽培後の栽培用培地から、培養基材を簡便に回収し、洗濯機等の既存の洗浄装置で容易に洗浄して、培養基材として再利用できるので、廃棄物を大幅に低減することができる。更に、本発明において、培養基材として使用される培養基材は、それ自体保水性を備えるので、保水材を使用せずに茸の菌床栽培が可能になり、更には、将来的に茸の水耕栽培を実現する上での基幹技術にもなり得る。
また、従来の茸の菌床栽培では、栽培する茸の種類に応じておが屑の種類を選ぶ必要があり、栽培用培地は茸の種類により、おが屑の種類を変えなければならなかった。しかし、本発明によれば、おが屑を使用せずとも栽培用培地を調製できるので、栽培用培地の調製を簡便に行えるという利点もある。
更に、従来の菌床栽培では培地を充填した栽培瓶が重くなり、瓶の運搬などで多大の労力を必要とした。これに対して、本発明では、おが屑培地に比べて重さを25%程度にまで軽減させることができ、更に培養液の工夫次第では栽培瓶の大きさ自体も小さくすることができる可能性がある。また、おが屑培地を用いる場合はその原料であるおが屑を貯蔵する施設が必要となるが、本発明ではおが屑を使用しないため、貯蔵場所を無くしてしまうことができる。そして、通常のおが屑培地では殺菌を行うために長時間の高温、高圧滅菌を要するが、本発明では滅菌時間を大幅に短縮することもできる。このように、本発明には、菌床栽培の技術の簡便化と現場の合理化を図ることができ、従来の菌床栽培に比して商業上の大きな利点がある。
図1には、実施例1において栽培後のエノキタケの外観を観察した結果を示す。Aには繊維基材としてガーゼを使用した場合(条件1)、Bには繊維基材としてタオルを使用した場合(条件2)、Cには繊維基材として超吸水タオルを使用した場合(条件3)、及びDには繊維基材としてフェルトを使用した場合(条件3)の結果をそれぞれ示す。 図2には、実施例1において栽培後のエノキタケの外観を観察した結果を示す。Aには繊維基材として麻布を使用した場合(条件5)、Bには繊維基材として木綿布を使用した場合(条件6)、Cには繊維基材として麻ヒモを使用した場合(条件7)、Dには繊維基材としておしぼり1枚を使用した場合(条件8)、及びEには繊維基材としておしぼり3枚を使用した場合(条件9)の結果をそれぞれ示す。 図3には、実施例2において、繊維基材としておしぼり3枚(条件11)を用いて栽培した栽培後のヒラタケの外観を観察した結果を示す。 図4には、実施例3において、繊維基材としておしぼり1枚(条件9)を用いて栽培した栽培後のエリンギの外観を観察した結果を示す。 図5には、実施例5において、繊維基材としておしぼり1枚(条件5)を用いて栽培したブナシメジの外観を観察した結果を示す。 図6には、実施例6において、繊維基材としておしぼり3枚を用いて袋栽培により栽培したタモギタケの外観を観察した結果を示す。 図7には、実施例7において、繊維基材としておしぼり3枚を用いて袋栽培により栽培したヒラタケの外観を観察した結果を示す。 図8には、実施例8において、繊維基材としておしぼり4枚を用いて袋栽培により栽培したシイタケの外観を観察した結果を示す。
本発明の茸の栽培方法は、繊維基材、水、及び栄養源を含む栽培用培地を用いて、茸を菌床栽培することを特徴とする。以下、本発明について、詳述する。
栽培対象となる茸
本発明に用いることができる茸の種類については、特に制限されず、例えば、ヒラタケ、エノキタケ、エリンギ、タモギタケ、ブナシメジ、ナメコ、ハタケシメジ、シイタケ、マイタケ等が挙げられる。これらの中でも、ヒラタケ、シイタケ、エノキタケ、エリンギ、タモギタケ、ブナシメジ、シイタケ、マイタケは、本発明の栽培方法の適用対象茸として好適である。また、本発明の栽培方法は、従来公知の茸のみならず、将来、新たに発見又は作出される茸に対しても適用することができる。
栽培用培地
本発明において、再利用可能な繊維基材、水、及び栄養源を含む栽培用培地を使用する。このように、栽培用培地の培養基材として、繊維基材を使用することにより、おが屑を使用せずとも、茸の菌床栽培が実現される。
本発明において、再利用可能な繊維基材とは、繊維から形成されている線状又はシート状の基材であり、茸栽培用培地の培養基材として一度使用しても、一般的な家庭用洗濯機又は商業用の洗濯機等で洗浄して再利用することができるものを指す。このような繊維基材として、具体的には、糸、縄、紐、綱等の線状繊維基材;不織布、織物、編物、フェルト等のシート状繊維基材が例示される。これらの中でも、不織布、織物、編物、フェルト等のシート状繊維基材は、栽培後の回収、洗浄が容易であるため、本発明において好適に使用される。
再利用可能な繊維基材を構成する繊維については、特に制限されず、天然繊維又は化学繊維の別を問わない。繊維基材を構成できる天然繊維の具体例としては、木綿、麻、羊毛、絹、カシミア等が挙げられる。また、繊維基材を構成できる化学繊維の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド、ポリアクリロニトリル等のアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン等の合成繊維;レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維;アセテート、プロミックス等の半合成繊維が挙げられる。これらの繊維は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記繊維基材は、栽培用培地において保水材としての役割も果たすので、本発明では、保水能力が高いものを使用することが望ましい。
本発明で使用される栽培用培地には、水が含まれる。栽培用培地の調製に使用される水としては、特に制限されず、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水、超純水等のいずれであってもよい。
栽培用培地中の水の含量については、使用する繊維基材の種類や量等に応じて適宜設定される。例えば、繊維基材100g当たり、水が120〜360g程度となる範囲で繊維基材の種類に応じて適宜設定すればよい。
また、本発明で使用される栽培用培地には、茸を生育させるのに必要とされる栄養源が含まれる。このような栄養源としては、例えば、米糠、ふすま、コーンブラン、オカラ、ビール酵母、ダイズ粕等の不溶性栄養源;これらの不溶性栄養源の水抽出物、スクロース、カザミノ酸、無機塩類、塩酸チアミン等の可溶性栄養源挙げられる。これらの栄養源は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記可溶性栄養源の内、不溶性栄養源の水抽出物については、例えば、固形状栄養源1g当たり水3〜10ml程度を混合して、必要に応じて加熱(例えば、80〜130℃程度で10〜30分間の加熱)し、抽出処理し、液体画分を回収することにより得ることができる。
栽培用培地中の栄養源の含量については、栽培対象となる茸の種類、使用する栄養源の種類等に応じて適宜設定すればよい。本発明において、不溶性栄養源の使用量を減らす程、栽培後に培養基材の再利用のための回収が容易になるため、不溶性栄養源の使用量は低量であることが好ましい。不溶性栄養源の使用量を低減する場合、不溶性栄養源の水抽出物を使用することにより、茸の生育に必要とされる栄養源を補うことができる。使用される栽培用培地において、可溶性栄養源と不溶性栄養源の添加比率については、使用する各栄養源の種類と菌糸の増殖具合等を勘案して、適宜設定すればよい。
栽培方法
本発明の茸の栽培方法は、前記栽培用培地を用いて、茸を菌床栽培することにより行われる。茸の菌床栽培の方法としては、ビン栽培、袋栽培、箱栽培等のいずれであってもよいが、好ましくはビン栽培、袋栽培が挙げられる。本発明において、前記栽培用培地を用いること以外は、ビン栽培、袋栽培、箱栽培等の菌床栽培の条件は、通常の茸の菌床栽培と同様である。
以下、例としてビン栽培及び袋栽培を挙げて、本発明の茸の栽培方法を実施する方法について説明する。
[ビン栽培]
ビン栽培による菌床栽培は、ビン詰め、殺菌、接種、培養、必要に応じて菌掻き、芽出し、生育、収穫等の各工程を経て行われる。
「ビン詰め」とは、前記栽培用培地を培養ビンに詰める工程である。ビン詰めは、予め調製した前記栽培用培地を培養ビンに詰めてもよく、また前記繊維基材を培養ビンに収容した後に、水及び栄養源の混合物を培養ビンに添加してもよい。培養ビンに収容する栽培用培地の量については、培養ビンの大きさに応じて適宜設定されるが、通常、栽培用培地が、培養ビンの容積の80〜95%を占めるように圧詰すればよい。
「殺菌」とは、培養ビンや栽培用培地の中に微生物を死滅させる工程である。殺菌は、通常、加熱殺菌法により行われる。殺菌の具体的条件として、100〜130℃で10〜30分間が挙げられる。
「接種」とは、殺菌後に放冷した栽培用培地に、種菌を植え付ける工程である。種菌としては、液体培地で培養して得られた液体種菌、寒天培地で培養して得られた固体種菌のいずれを使用してもよい。種菌の接種量については、一般的なビン栽培の場合と同様である。
「培養」とは、菌糸を蔓延させて成熟させる工程である。培養の条件については、使用する茸の種類、培養ビンの大きさ等に応じて適宜設定されるが、通常、25℃、暗黒の条件で8〜36日間程度が挙げられる。より具体的には、25℃、暗黒の条件下で、ヒラタケであれば約8〜36日、エノキタケであれば約13〜36日、エリンギであれば約10〜31日、タモギタケであれば約9〜16日、ブナシメジであれば約14〜33日が挙げられる。なお、培養時の相対湿度は瓶のフタを閉めた状態で行うため、ほぼ100%である。
「菌掻き」とは、必要に応じて行なわれる工程であり、種菌部分と培養基表面をかき取る工程である。
「芽出し」とは、子実体原基や幼子実体を形成・生育させていく工程である。芽出しの条件については、使用する茸の種類に応じて適宜設定されるが、通常、10〜1000ルクス、15〜18℃の条件で3〜30日間程度が挙げられる。より具体的には、10〜1000ルクス、15〜18℃の条件で、ヒラタケであれば約7〜15日、エノキタケであれば約12〜19日、エリンギであれば約11〜18日、タモギタケであれば約3〜11日、ブナシメジであれば約18〜30日が挙げられる。なお、芽出し時の相対湿度は瓶のフタを閉めた状態で行うため、ほぼ100%である。
「生育」とは、子実体原基や幼子実体を収穫可能な成熟子実体に生育させる工程である。また、菌掻き後又は芽出し中に、必要に応じて水を栽培用培地に注水することにより、培地中の水分量の調整を行ってもよい。生育の条件については、使用する茸の種類、培養ビンの大きさ等に応じて適宜設定されるが、通常、10〜1000ルクス、15〜18℃の条件で6〜16日間程度が挙げられる。より具体的には、10〜1000ルクス、15〜18℃の条件で、ヒラタケであれば約6〜8日、エノキタケであれば約9〜11日、エリンギであれば約9〜11日、タモギタケであれば約6〜8日、ブナシメジであれば約12〜16日が挙げられる。なお、生育時の相対湿度は瓶のフタを閉めた状態で行うため、ほぼ100%である。
以上の工程を行うことにより、茸の成熟子実体を得ることができる。茸の成熟子実体を収穫すると、茸のビン栽培の全工程を終了する。
ビン栽培に適した茸の種類としては、例えば、エノキタケ、ヒラタケ、エリンギ、タモギタケ、ブナシメジ等が挙げられる。
[袋栽培]
袋栽培による菌床栽培は、袋詰め、殺菌、接種、培養、芽出し、生育、収穫等の各工程を経て行われる。
「袋詰め」とは、前記栽培用培地を培養袋に詰める工程である。袋詰めは、前記繊維基材に水及び栄養源の混合物を含浸させた後に培養袋に詰めて行ってもよく、培養袋に繊維基材を詰めた後に水及び栄養源の混合物を含浸させてもよい。また、培養袋に詰める栽培用培地の量については、培養袋や繊維基材の大きさに応じて適宜設定され得るが、通常、培養袋の容積に対して42〜71%程度となるように調整すればよい。
「殺菌」及び「接種」については、前記ビン栽培において記載される通りである。なお、「接種」工程における種菌の接種量については、一般的な袋栽培の場合と同様である。
「培養」についても前記ビン栽培の場合と同様の工程を指す。袋栽培の場合の培養の条件についても、使用する茸の種類、培養ビンの大きさ等に応じて適宜設定され、通常、25℃、暗黒の条件で13〜90日間程度が挙げられる。より具体的には、25℃、暗黒の条件下で、タモギタケであれば約17〜20日、ヒラタケであれば約13〜18日、シイタケであれば約90日が挙げられる。なお、培養時の相対湿度は袋のフタを閉めた状態で行うため、ほぼ100%である。
「芽出し」についても前記ビン栽培の場合と同様の工程を指す。袋栽培の場合の芽出しの条件についても、使用する茸の種類に応じて適宜設定され、通常、10〜1000ルクス、15〜18℃の条件で3〜10日間程度が挙げられる。より具体的には、10〜1000ルクス、15〜18℃の条件で、タモギタケであれば約3〜7日、ヒラタケであれば約6〜10日、シイタケであれば約5〜7日が挙げられる。なお、通常、芽出しは袋から培養基を取り出し、表面を露出させて行い、培養基への散水後、相対湿度が80〜100%の環境下で行われる。また、芽出し中に、必要に応じて水を栽培用培地に散水することにより、培地中の水分量の調整を行ってもよい。
「生育」についても前記ビン栽培の場合と同様の工程を指す。袋栽培の場合の生育の条件についても、使用する茸の種類、培養ビンの大きさ等に応じて適宜設定され、通常、10〜1000ルクス、15〜18℃の条件で7〜10日間程度が挙げられる。より具体的には、10〜1000ルクス、15〜18℃の条件で、タモギタケであれば約7〜9日、ヒラタケであれば約7〜10日、シイタケであれば約7〜9日が挙げられる。なお、生育は、通常、袋から培養基を取り出し、表面を露出させた状態で行い、相対湿度が80〜100%の環境下で行われる。また、生育中に、必要に応じて水を栽培用培地に散水することにより、培地中の水分量の調整を行ってもよい。
以上の工程を行うことにより、茸の成熟子実体を得ることができる。茸の成熟子実体を収穫すると、茸の袋栽培の全工程を終了する。
袋栽培に適した茸の種類としては、シイタケ、タモギタケ、ヒラタケ、マイタケが挙げられ、中でもシイタケは菌糸の成長方向が一定ではないため袋栽培の対象となる茸として好適である。
また、いずれの栽培方法においても茸の栽培後には、使用後の培地から回収し、洗浄された繊維基材は、再度、培養基材として再利用することができる。繊維基材は、使用後からの回収が容易であり、洗濯機等の既存の洗浄装置で簡便に洗浄することできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲のみに限定されるものではない。
実施例1:エノキタケのビン栽培
1.培養液の調製
米糠50gに水300mlを加え、121℃10分で高温高圧滅菌を行い、放冷後、ガーゼを用いて液体画分を取り出し、米糠の熱水抽出物を得た。
また、別途、スクロース10g/L、カザミノ酸10g/L、ムラシゲ・スクーグ混合塩類粉末5g/L、及び塩酸チアミン10μg/Lを含む栄養補給液(残部は水)を調製した。
前記で得られた米糠の熱水抽出物30mLと栄養補給液30mLを混合し、更にこの混合液60mLに黒糖を0.6g(最終濃度が1重量%)添加して混合することにより、培養液を調製した。
2.栽培用培地の調製
200mL容の培養ビン(内径4.5cm、表1に示す条件1〜8の場合)又は500mL容の培養ビン(内径8.0cm、表1に示す条件9の場合)に、表1に示す各繊維基材を表1に示す形状に折り畳んで詰め込み、その上から米糠2gを添加した。次いで、上記で調整した培養液を表1に示す量添加し、ポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを121℃で15分間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。なお、条件8及び9で使用したおしぼり1枚当たりに添加する培養液の量は60〜100mlが最適な範囲であることが確認できている。
3.エノキタケの栽培
エノキタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養(表1)して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
その後、菌掻き作業を行い、培地表面が湿る程度に水を注水した。メンブレン付きのフタに代えて15℃、300luxの光条件下において所定期間培養(表1)をすると、子実体原基を確認した。子実体原基の形成確認後に、同条件で更に約10日間培養すると、成熟した子実体が得られた。
表1にエノキタケの栽培結果を纏めて示す。また、各条件での栽培後のエノキタケの外観を観察した結果を図1及び2に示す。表1に示す繊維基材を使用した栽培結果は、おが屑20g、米糠16g及び水65mLを含む栽培用培地を200mL容の培養ビンに詰めてエノキタケを栽培した場合と、生育速度、栽培日数、子実体の大きさや形状の点で同程度のものであった。
実施例2:ヒラタケのビン栽培
1.培養液の調製
実施例1の場合と同様の方法で、培養液を調製した。
2.栽培用培地の調製
200mL容の培養ビン(内径4.5cm、表2に示す条件1〜10の場合)又は500mL容の培養ビン(内径8.0cm、表2に示す条件11の場合)に、表2に示す各繊維基材を表2に示す形状に折り畳んで詰め込み、その上から米糠2gを添加した。次いで、上記で調整した培養液を表2に示す量添加し、ポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを121℃で15分間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。なお、条件10及び11で使用したおしぼり1枚当たりに添加する培養液の量は60〜100mlが最適な範囲であることが確認できている。
3.ヒラタケの栽培
ヒラタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養(表2)して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
その後、菌掻き作業を行い、培地表面が湿る程度に水を注水した。メンブレン付きのフタに代えて15℃、300luxの光条件下において所定期間培養(表2)をすると、子実体原基を確認した。子実体原基の形成確認後に、更に同条件で約7日間培養すると、成熟した子実体が得られた。
表2に各条件でヒラタケを栽培した結果を纏めて示す。また、条件11での栽培後のヒラタケの外観を観察した結果を図3に示す。表2に示す繊維基材を使用した栽培結果は、おが屑20g、米糠約16g及び水65mLを含む栽培用培地を200mL容の培養ビンに詰めてヒラタケを栽培した場合と、生育速度、栽培日数、子実体の大きさや形状は同程度のものであった。
実施例3:エリンギのビン栽培
1.培養液の調製
実施例1の場合と同様の方法で、培養液を調製した。
2.栽培用培地の調製
200mL容の培養ビン(内径4.5cm、表3に示す条件1〜9の場合)又は500mL容の培養ビン(内径8.0cm、表3に示す条件10の場合)に、表3に示す各繊維基材を表3に示す形状に折り畳んで詰め込み、その上から米糠2gを添加した。次いで、上記で調整した培養液を表3に示す量添加し、ポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを121℃で15分間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。なお、条件9及び10で使用したおしぼり1枚当たりに添加する培養液の量は60〜100mlが最適な範囲であることが確認できている。
3.エリンギの栽培
エリンギの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養(表3)して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
その後、菌掻き作業を行い、培地表面が湿る程度に水を注水した。メンブレン付きのフタに代えて15℃、300luxの光条件下において所定期間培養(表3)をすると、子実体原基を確認した。子実体原基の形成確認後に、更に同条件で約10日間培養すると、成熟した子実体が得られた。
表3に各条件でエリンギを栽培した結果を纏めて示す。また、条件9での栽培後のエリンギの外観を観察した結果を図4に示す。表3に示す繊維基材を使用した栽培結果は、おが屑20g、米糠16g及び水65mLを含む栽培用培地を200mL容の培養ビンに詰めてエリンギを栽培した場合と生育速度、栽培日数、子実体の大きさや形状の点で、同程度のものであった。
実施例4:タモギタケのビン栽培
1.培養液の調製
実施例1の場合と同様の方法で、培養液を調製した。
2.栽培用培地の調製
200mL容の培養ビン(内径4.5cm)に、表4に示す各繊維基材を表4に示す形状に折り畳んで詰め込み、その上から米糠2gを添加した。次いで、上記で調整した培養液を表4に示す量添加し、ポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを121℃で15分間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。なお、条件10で使用したおしぼり1枚当たりに添加する培養液の量は60〜100mlが最適な範囲であることが確認できている。
3.タモギタケの栽培
タモギタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養(表4)して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
その後、フタを外し、培地の上からビン一杯に蒸留水を加え、2時間の灌水作業を行った。25℃、300luxの光条件下において所定期間培養(表4)すると、子実体原基を確認した。子実体原基の形成確認後に、更に同条件で約7日間培養すると、成熟した子実体が得られた。
表4に各条件でタモギタケを栽培した結果を纏めて示す。表4に示す繊維基材を使用した栽培結果は、おが屑20g、米糠16g及び水65mLを含む栽培用培地を200mL容の培養ビンに詰めてタモギタケを栽培した場合と、生育速度、栽培日数、子実体の大きさや形状の点で、同程度のものであった。
実施例5:ブナシメジのビン栽培
1.培養液の調製
実施例1の場合と同様の方法で、培養液を調製した。
2.栽培用培地の調製
200mL容の培養ビン(内径4.5cm)に、表5に示す各繊維基材を表5に示す形状に折り畳んで詰め込み、その上から米糠2gを添加した。次いで、上記で調整した培養液を表5に示す量添加し、ポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを121℃で15分間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。なお、条件5で使用したおしぼり1枚当たりに添加する培養液の量は60〜100mlが最適な範囲であることが確認できている。
3.ブナシメジの栽培
ブナシメジの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で20日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養(表5)して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
その後、菌掻き作業を行い、培地表面が湿る程度に水を注水した。メンブレン付きのフタに代えて15℃、300luxの光条件下において所定期間培養(表5)をすると、子実体原基を確認した。子実体原基の形成確認後に、更に同条件で約14日間培養すると、成熟した子実体が得られた。
表5に各条件でブナシメジを栽培した結果を纏めて示す。また、条件5での栽培後のブナシメジの外観を観察した結果を図5に示す。表5に示す繊維基材を使用した栽培結果は、おが屑20g、米糠16g及び水65mLを含む栽培用培地を200mL容の培養ビンに詰めてブナシメジを栽培した場合と、生育速度、栽培日数、子実体の大きさや形状の点で、同程度のものであった。
実施例6:タモギタケの袋栽培
1.培養液の調製
実施例1の場合と同様の方法で、培養液を調製した。
2.栽培用培地の調製
縦45cm×横20cmの栽培用袋の中に、1枚につき60〜100mlの培養液を浸み込ませた、縦27cm×横27cmのおしぼり(綿)を二つ折りにした物を3枚、重ねて敷いた。重ねたおしぼりの間には、10gの米ぬかをおしぼり全体に広がるように入れ、合計で20gの米ぬかが入るようにした。その結果、栽培袋の中に占める繊維基材の体積は、約420cm3となった。これを、121℃、30分で高温・高圧滅菌を行うことにより、栽培用培地を調製した。
3.タモギタケの栽培
タモギタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に30個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養(表6)して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
その後、袋から菌糸が蔓延したおしぼりを取り出し、プラスチック製のタッパーの中に入れ、霧吹きで水を噴霧した後、15℃、300luxの光条件下において所定期間培養(表6)すると、子実体原基を確認した。子実体原基の形成確認後に、更に同条件で約7日間培養すると、成熟した子実体が得られた。
実施例7:ヒラタケの袋栽培
1.培養液の調製
実施例1の場合と同様の方法で、培養液を調製した。
2.栽培用培地の調製
縦45cm×横20cmの栽培用袋の中に、1枚につき60〜100mlの培養液を浸み込ませた、縦27cm×横27cmのおしぼり(綿)を二つ折りにした物を3枚、重ねて敷いた。重ねたおしぼりの間には、10gの米ぬかをおしぼり全体に広がるように入れ、合計で20gの米ぬかが入るように入れた。その結果、栽培袋の中に占める繊維基材の体積は、約420cm3となった。その後、121℃、30分で高温・高圧滅菌を行うことにより、栽培用培地を調製した。
3.ヒラタケの栽培
ヒラタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に30個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養(表7)して、菌糸を培地全体に蔓
延させた。
その後、袋から菌糸が蔓延したおしぼりを取り出し、プラスチック製のタッパーの中に入れ、霧吹きで水を噴霧した後に15℃、300luxの光条件下において所定期間培養(表7)すると、子実体原基を確認した。子実体原基の形成確認後に、更に同条件で約7日間培養すると、成熟した子実体が得られた。
実施例8:シイタケの袋栽培
1.培養液の調製
実施例1の場合と同様の方法で、培養液を調製した。
2.栽培用培地の調製
縦45cm×横20cmの栽培用袋の中に、1枚につき60〜100mlの培養液を浸み込ませた、縦27cm×横27cmのおしぼりを二つ折りにした物を4枚、重ねて敷いた。重ねたおしぼりの間には、10gの米ぬかをおしぼり全体に広がるように入れ、合計で30gの米ぬかが入るように入れた。その結果、栽培袋の中に占める繊維基材の体積は、約560cm3となった。その後、121℃、30分で高温・高圧滅菌を行うことにより、栽培用培地を調製した。
3.シイタケの栽培
シイタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に30個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養(表8)して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
その後、袋から菌糸が蔓延したおしぼりを取り出し、プラスチック製のタッパーの中に入れ、霧吹きで水を噴霧した後に15℃、300luxの光条件下において所定期間培養(表8)すると、子実体原基を確認した。子実体原基の形成確認後に、更に同条件で約7日間培養すると、成熟した子実体が得られた。

Claims (14)

  1. 再利用可能な繊維基材、水、及び栄養源を含む栽培用培地を用いて、茸を菌床栽培することを特徴とする、茸の栽培方法。
  2. 再利用可能な繊維基材が、線状繊維基材又はシート状繊維基材である、請求項1に記載の茸の栽培方法。
  3. 茸の菌床栽培が、ビン栽培又は袋栽培にて行われる、請求項1又は2に記載の茸の栽培方法。
  4. 茸の栽培後に栽培用培地から繊維基材を回収し、当該繊維基材を培養基材として再利用して茸の栽培を繰り返し行う、請求項1〜3のいずれかに記載の茸の栽培方法。
  5. 茸が、ヒラタケ、エノキタケ、エリンギ、タモギタケ、ブナシメジ、シイタケ及びマイタケよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の茸の栽培方法。
  6. 茸が、エノキタケ、ヒラタケ、エリンギ、タモギタケ、及びブナシメジよりなる群から選択される少なくとも1種であり、菌床栽培がビン栽培にて行われる、請求項1〜5のいずれかに記載の茸の栽培方法。
  7. 茸が、シイタケ、タモギタケ、ヒラタケ、及びマイタケよりなる群から選択される少なくとも1種であり、菌床栽培が袋栽培にて行われる、請求項1〜5のいずれかに記載の茸の栽培方法。
  8. 再利用可能な繊維基材、水、及び栄養源を含むことを特徴とする、茸の栽培用培地。
  9. 再利用可能な繊維基材が、線状繊維基材又はシート状繊維基材である、請求項8に記載の茸の栽培用培地。
  10. ビン栽培用の培地である、請求項8又は9に記載の茸の栽培用培地。
  11. 袋栽培用の培地である、請求項8又は9に記載の茸の栽培用培地。
  12. ヒラタケ、エノキタケ、エリンギ、タモギタケ、ブナシメジ、シイタケ及びマイタケよりなる群から選択される少なくとも1種の茸の栽培に使用される、請求項8〜11のいずれかに記載の茸の栽培用培地。
  13. エノキタケ、ヒラタケ、エリンギ、タモギタケ、及びブナシメジよりなる群から選択される少なくとも1種の茸の栽培に使用される、請求項10に記載の茸の栽培用培地。
  14. シイタケ、タモギタケ、ヒラタケ、及びマイタケよりなる群から選択される少なくとも1種の茸の栽培に使用される、請求項11に記載の茸の栽培用培地。
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