JP6548124B2 - 茸栽培用培養液、茸栽培用培地、茸栽培用培養液の製造方法、及び、茸の栽培方法 - Google Patents
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Description
本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
項1.米糠の水懸濁液を破砕撹拌して得られた米糠破砕抽出物を含有することを特徴とする、茸栽培用培養液。
項2.前記米糠破砕抽出物が、水100質量部に対して米糠を20質量部以上含む水懸濁液を破砕撹拌して得られたものである、項1記載の茸栽培用培養液。
項3.茸が、エノキタケ、ヒラタケ、タモギタケ、ブナシメジ、エリンギ、ヤナギマツタケ及びシイタケからなる群より選択される少なくとも一種である、項1又は2記載の茸栽培用培養液。
項4.項1〜3のいずれかに記載の茸栽培用培養液と、培養基材とを含む茸栽培用培地。
項5.前記培養基材は、再利用可能な線状繊維基材又はシート状繊維基材である項4に記載の茸栽培用培地。
項6.項1〜3のいずれかに記載の茸栽培用培養液と、培養基材とを含む栽培用培地を用いて、茸を菌床栽培することを特徴とする、茸の栽培方法。
項7.前記培養基材が、再利用可能な線状繊維基材又はシート状繊維基材である、項6記載の茸の栽培方法。
項8.茸が、エノキタケ、ヒラタケ、タモギタケ、ブナシメジ、エリンギ、ヤナギマツタケ及びシイタケからなる群より選択される少なくとも一種である、項6又は7記載の茸の栽培方法。
項9.茸の栽培後に栽培用培地から繊維基材を回収し、前記繊維基材を培養基材として再利用して茸の栽培を繰り返し行う、項7〜8のいずれかに記載の茸の栽培方法。
項10.米糠の水懸濁液を破砕撹拌する工程、及び、固形分を除去して米糠破砕抽出物を得る工程を含むことを特徴とする茸栽培用培養液の製造方法。
項11.前記米糠の水懸濁液が、水100質量部に対して米糠を20質量部以上含む、項10記載の茸栽培用培養液の製造方法。
項12.前記破砕撹拌が0〜40℃で行われる、項10又は11記載の茸栽培用培養液の製造方法。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の茸栽培用培養液は、米糠の水懸濁液を破砕撹拌して得られた米糠破砕抽出物を含有することを特徴とする。
米糠破砕抽出物は、米糠の水懸濁水を破砕撹拌して得られる。
米糠とは、玄米を精白して白米を製造する際に副生するものであって、玄米の果皮、種皮、外胚乳、糊粉層等が含まれる。本発明では、米糠として、玄米を精白した際に副生したものをそのまま用いてもよいし、更に乾燥又は加熱処理したものを用いてもよい。また、米糠の市販品を用いてもよい。
また、米糠破砕抽出液では、一週間程度静置しても水不溶性破砕残留物が沈降せず、分離がみられない。このことも、水不溶性破砕残留物の粒子が小さく、均一であるからと考えられる。
本発明の茸栽培用培養液は、前述の米糠破砕抽出物を含む。
前述したように、前述の液体画分を回収することにより得られる米糠破砕抽出液は、茸栽培用培養液としてそのまま使用することができる。また、前記米糠破砕抽出液を濃縮したり、水を添加して希釈したりして、茸栽培用培養液として使用することもできる。濃縮方法としては、特に限定されず、減圧蒸留等の公知の方法で行うことができる。更に、前記米糠破砕抽出液を乾燥して水分を除去して調製した粉末状の米糠破砕抽出物に水を適宜添加して、茸栽培用培養液として使用することもできる。乾燥方法としては、特に限定されず、流動層乾燥、風乾、棚乾燥、凍結乾燥等の公知の方法により行うことができる。
なお、米糠原料換算量とは、その米糠破砕抽出物量を得るために要した米糠の量である。具体的には、原料に用いた米糠の重量(g)を得られた抽出液の量(L)で除した値である。
前記炭素源又は窒素源となるたんぱく質、脂質及び炭水化物は、含有量が多いほど、一般に茸の生育がより良好となるが、例えば、これらの含有量は、通常、茸栽培用培養液100mL中、たんぱく質が1〜3.6g程度、脂質が2〜7g程度、炭水化物が2〜7g程度である。
なお、たんぱく質の量はケルダール法により測定して得られる値である。脂質の量は、ソックスレー抽出法により測定して得られる値である。炭水化物の量は、後述するように、100−(水分+たんぱく質+脂質+灰分)の計算法により算出して得られる値である。
本発明の茸栽培用培養液の製造方法は、米糠の水懸濁液を破砕撹拌する工程、及び、固形分を除去して米糠破砕抽出物を得る工程を含むことを特徴とする。
前記米糠の水懸濁液を破砕撹拌する工程としては、前述の「米糠破砕抽出物」の項に記載の、米糠の水懸濁液を破砕撹拌する方法と同様の方法が挙げられる。前記固形分を除去して米糠破砕抽出物を得る工程としては、前述の「米糠破砕抽出物」の項に記載の、固形分を除去して米糠破砕抽出物を得る方法と同様の方法が挙げられる。
茸の栽培方法、及び、茸の種菌の培養方法
(栽培対象となる茸)
本発明に用いることができる茸の種類については、特に限定されず、例えば、ヒラタケ、エノキタケ、エリンギ、タモギタケ、ブナシメジ、ナメコ、ハタケシメジ、シイタケ、マイタケ、ヤナギマツタケ等が挙げられる。これらの中でも、ヒラタケ、エノキタケ、タモギタケ、ブナシメジ、エリンギ、ヤナギマツタケ、シイタケは、本発明における栽培方法の適用対象茸として好適である。また、本発明の栽培方法は、従来公知の茸のみならず、将来、新たに発見又は作出される茸に対しても適用することができる。
茸の栽培方法、又は、茸の種菌の培養方法において、栽培用培地として、前述の茸栽培用培養液と、培養基材とを含む栽培用培地を使用する。前述の茸栽培用培養液と、培養基材とを含む茸栽培用培地もまた本発明の一つである。
茸の菌床栽培、又は、茸の種菌の培養方法において使用される培養基材としては、特に限定されず、おが屑(おが粉)、段ボール紙、球状木材等の木質系基材、ガラスビーズ、セラミックボール等の無機系基材、合成樹脂材からなる粒状基材、繊維基材等の公知のものが挙げられる。なかでも、培養基材としては、栽培後の廃棄物の量を少なくすることができる点で、再利用可能な繊維基材が好ましい。
また、前記再利用可能な繊維基材は、茸が生育可能な足場を形成できるような三次元形状を形成できる基材であることが好ましい。このような三次元形状としては、例えば、棒状、錐上、立方状等、好ましくは棒状が挙げられる。前記三次元形状を有する基材を形成する方法としては、例えば、複数の前記線状繊維基材を束ねて棒状の培養基材としたり、前記シート状繊維基材を渦巻き状にして棒状の培養基材とする方法が挙げられる。
本発明の茸の栽培方法は、前述の茸栽培用培養液と、前述の培養基材とを含む栽培用培地を用いて、茸を菌床栽培することを特徴とする。
茸の菌床栽培の方法としては、ビン栽培、袋栽培、箱栽培等のいずれであってもよいが、好ましくはビン栽培、袋栽培が挙げられ、より好ましくはビン栽培が挙げられる。本発明において、本発明の茸栽培用培養液を用いること以外は、ビン栽培、袋栽培、箱栽培等の菌床栽培の条件は、通常の茸の菌床栽培と同様である。
ビン栽培による菌床栽培は、ビン詰め、殺菌、接種、培養、必要に応じて菌掻き、芽出し、生育、収穫等の各工程を経て行われる。
袋栽培による菌床栽培は、袋詰め、殺菌、接種、培養、芽出し、生育、収穫等の各工程を経て行われる。
茸の菌床栽培用種菌は、前述の培養基材に、前述の茸栽培用培養液を含浸させ、茸の菌体を接種することにより製造される。
米糠の破砕抽出液の調製
水600mL当たりに米糠200gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌し、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の破砕抽出液を得た。
米糠の熱湯抽出液の調製
水600mL当たりに米糠200gを加え、121℃10分で高温高圧滅菌を行い、放冷後、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の熱湯抽出液を得た。
(米糠の破砕抽出液の調製)
水600mL当たりに米糠200gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌し、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出した。ここで得られた液体画分600mL当たりに米糠200gを再度加え、同様の操作を行うことで、米糠の破砕抽出液を得た。
(米糠の熱湯抽出液の調製)
水600mL当たりに米糠200gを加え、121℃10分で高温高圧滅菌を行い、放冷後、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出した。ここで得られた液体画分600mL当たりに米糠200gを再度加え、同様の操作を行うことで、米糠の熱湯抽出液を得た。
水600mL当たりに米糠200gを加え、それぞれ静置、又は、撹拌した後、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の水抽出液を得た。撹拌は、2分おきに薬さじで数回かき混ぜることを計60分行った。静置は60分間行った。各成分の含有量については、前述した方法と同様の方法で測定した。得られた水抽出液の組成を実施例1の破砕抽出液と共に表3に示す。
1.培養液の調製
水600mL当たりに米糠200g加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌し、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の破砕抽出液を得た。
200mL容のポリプロピレンカップ(内径7cm、表1に示す条件1の場合)又は1L容のポリプロピレンボトル(内径8.5cm、表1に示す条件2の場合)に、表1に示す各種繊維素材を表1に示す形状で詰め込んだ。次いで、前記で調製した米糠の破砕抽出液を、表1に示す量添加し、アルミホイル又はメンブレン付きのポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを、121℃で1時間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。
エノキタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個または40個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
1.培養液の調製
水600mL当たりに米糠200gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌した。破砕撹拌後、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の破砕抽出液を得た。
200mL容のポリプロピレンカップ(内径7cm、表2に示す条件1の場合)又は1L容のポリプロピレンボトル(内径8.5cm、表2に示す条件2の場合)に、表2に示す各種繊維素材を表2に示す形状で詰め込んだ。次いで、前記で調製した培養液を表2に示す量添加し、アルミホイル又はメンブレン付きのポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを、121℃で1時間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。
ヒラタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個または40個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
1.培養液の調製
水600mL当たりに米糠200gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌し、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の破砕抽出液を得た。
200mL容のポリプロピレンカップ(内径7cm、表6に示す条件1の場合)又は1L容のポリプロピレンボトル(内径8.5cm、表6に示す条件2の場合)に、表6に示す各種繊維素材を表6に示す形状で詰め込んだ。次いで、前記で調製した培養液を表1に示す量添加し、アルミホイル又はメンブレン付きのポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを、121℃で1時間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。
タモギタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個または40個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
1.培養液の調製
水600mL当たりに米糠200gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌し、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の破砕抽出液を得た。
200mL容のポリプロピレンカップ(内径7cm、表4に示す条件1の場合)又は1L容のポリプロピレンボトル(内径8.5cm、表4に示す条件2の場合)に、表4に示す各種繊維素材を表4示す形状で詰め込んだ。次いで、前記で調製した培養液を表4に示す量添加し、アルミホイル又はメンブレン付きのポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを、121 ℃で1時間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。
ブナシメジの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個または40個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
1.培養液の調製
水600mL当たりに米糠200gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌し、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の破砕抽出液を得た。
200mL容のポリプロピレンカップ(内径7cm、表5に示す条件1の場合)又は1L容のポリプロピレンボトル(内径8.5cm、表5に示す条件2の場合)に、表5に示す各種繊維素材を表5に示す形状で詰め込んだ。次いで、前記で調製した培養液を表5に示す量添加し、アルミホイル又はメンブレン付きのポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを、121℃で1時間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。
エリンギの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個または40個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
1.培養液の調製
水600mL当たりに米糠200gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌し、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の破砕抽出液を得た。
200mL容のポリプロピレンカップ(内径7cm、表6に示す条件1の場合)又は1L容のポリプロピレンボトル(内径8.5cm、表6に示す条件2の場合)に、表6に示す各種繊維素材を表6に示す形状で詰め込んだ。次いで、前記で調製した培養液を表6に示す量添加し、アルミホイル又はメンブレン付きのポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを、121℃で1時間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。
ヤナギマツタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に10個または40個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
1.培養液の調製
水600mL当たりに米糠200gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌し、袋状の布(目付量260g/m2)を用いてろ過して液体画分を取り出し、米糠の破砕抽出液を得た。
1L容のポリプロピレンボトル(内径8.5cm、表7に示す条件1の場合)に、表7に示す各種繊維素材を表7に示す形状で詰め込んだ。次いで、前記で調製した培養液を表7に示す量添加し、メンブレン付きのポリプロピレン製のネジ口蓋をした。これを、121℃で1時間、高温高圧滅菌することにより、栽培用培地を調製した。
シイタケの保存菌株を、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)を含む直径90mmのシャーレ上で、25℃の暗黒条件下で14日間培養させたものを種菌とした。生育した菌糸を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、前記で調製した栽培用培地の表面に40個植菌した。25℃、暗黒条件下で所定期間培養して、菌糸を培地全体に蔓延させた。
水600mL当たりに米糠50gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約2分間破砕撹拌し、袋状の布(目付量260g/m2)を用いて液体画分を取り出し、米糠の破砕抽出液Aを得た。
また、水600mL当たりに米糠200gを加えて、前記と同様にして米糠の破砕抽出液Bを得た。
得られた破砕抽出液A又はBを用いた以外は、実施例4の条件1と同様にしてヒラタケを栽培し、15℃、300luxの光条件下において11日間経過後の子実体形成の様子を観察した。結果を図13に示す。図13より、濃度の高い破砕抽出液の方が、ヒラタケの生育が良好になることがわかった。
蒸留水600mL当たりに米糠200gを加え、ミキサー(製品名パワーブレンダー 14071JP、ラッセルホブス社製)で約20〜25℃で約5分間破砕撹拌した後、通常市販されているガーゼを数枚重ねたものを用いてろ過し、液体画分を取り出し、米糠破砕抽出液を得た。
含水率62±2%に調整した培地を、850mLポリプロピレン製ビンに1ビン当たり500gずつ詰め、118℃で高圧滅菌後、供試菌(エリンギ)を接種した。22±1℃、相対湿度65%、暗黒条件下で40日間培養後、15±1℃、相対湿度95%、24時間照明下で発生操作を行った。菌傘が8部開きのときに収穫し、菌糸蔓延に要した日数、栽培に要した日数、発生本数及び1ビンあたりの収量を測定した。
なお、培地として、おが粉100g(乾燥重量)に米糠100g(10%水分含有)を混合したもの(対照区)、おが粉100g(乾燥重量)に前記米糠破砕抽出液300mLを混合したもの(試験区1)、おが粉100g(乾燥重量)に米糠100g(10%水分含有)と前記米糠破砕抽出物300mLを混合したもの(試験区2)を用いた。結果を表11に示す。
Claims (13)
- 米糠の水懸濁液を破砕撹拌して得られた米糠破砕抽出物を含有することを特徴とする、茸栽培用培養液。
- 前記米糠破砕抽出物が、米糠の水懸濁液を破砕撹拌して得られた抽出液、その濃縮物、その希釈物、又はその乾燥粉末である、請求項1に記載の茸栽培用培養液。
- 前記米糠破砕抽出物が、水100質量部に対して米糠を20質量部以上含む水懸濁液を破砕撹拌して得られたものである、請求項1又は2に記載の茸栽培用培養液。
- 茸が、エノキタケ、ヒラタケ、タモギタケ、ブナシメジ、エリンギ、ヤナギマツタケ及びシイタケからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれかに記載の茸栽培用培養液。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の茸栽培用培養液と、培養基材とを含む茸栽培用培地。
- 前記培養基材は、再利用可能な線状繊維基材又はシート状繊維基材である、請求項5に記載の茸栽培用培地。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の茸栽培用培養液と、培養基材とを含む栽培用培地を用いて、茸を菌床栽培することを特徴とする、茸の栽培方法。
- 前記培養基材が、再利用可能な線状繊維基材又はシート状繊維基材である、請求項7に記載の茸の栽培方法。
- 茸が、エノキタケ、ヒラタケ、タモギタケ、ブナシメジ、エリンギ、ヤナギマツタケ及びシイタケからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項7又は8に記載の茸の栽培方法。
- 茸の栽培後に栽培用培地から繊維基材を回収し、前記繊維基材を培養基材として再利用して茸の栽培を繰り返し行う、請求項7〜9のいずれかに記載の茸の栽培方法。
- 米糠の水懸濁液を破砕撹拌する工程、及び、
固形分を除去して米糠破砕抽出物を得る工程
を含むことを特徴とする茸栽培用培養液の製造方法。 - 前記米糠の水懸濁液が、水100質量部に対して米糠を20質量部以上含む、請求項11に記載の茸栽培用培養液の製造方法。
- 前記破砕撹拌が0〜40℃で行われる、請求項11又は12に記載の茸栽培用培養液の製造方法。
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