JPWO2013190973A1 - 構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法 - Google Patents

構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法 Download PDF

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Abstract

簡易な構成で構造物の状態を判定可能な構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法を提供する。本発明の構造物の状態判定装置(10)は、構造物の振動を検出する振動検出手段(11)、および、振動検出手段(11)により取得した振動波形データについて演算処理を行うための演算手段(12)を含み、演算手段(12)は、前記振動波形データにおける、ピークの絶対値が最大の時点以降の振動波形データについて、減衰波形解析を行う解析手段(121)と、解析手段(121)による解析結果に基づき構造物の状態を判定する判定手段(122)とを含む。

Description

本発明は、構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法に関し、例えば、前記構造物の状態判定装置を用いた侵入検知装置、漏水検知装置および構造物劣化検知装置、前記構造物の状態判定方法を用いた侵入検知方法、漏水検知方法および構造物劣化検知方法に関する。
構造物に劣化、破壊等の状態変化が生じているかを判定する方法として、様々な方法が提案されている。その方法の一例として、窓からの侵入者の有無を判定することを目的としたガラス破壊検出器が提案されている(特許文献1参照)。このガラス破壊検出器は、侵入に伴うガラスまたはサッシ等への破壊行為と、窓の開閉とを検知する。このガラス破壊検出器の構成を、図15に示す。図15に示すように、このガラス破壊検出器は、ガラス破壊検知部1と、開閉検知部2と、CPU3と、出力部4と、クロック部6と、電源部7とを含む。ガラス破壊検知部1は、ガラス板の振動を電圧信号に変換する振動センサ部1aと、電圧信号を増幅する増幅部1bと、増幅した電圧信号から抽出した所定の周波数成分の振幅を閾値と比較して破壊行為を検知すると、警報信号をCPU3へ出力する振動解析部1cとから構成されている。開閉検知部2は、窓の開口枠の縦枠材に取り付けたマグネット2bと、マグネット2bの磁気を検知することで窓の開閉を検知するリードスイッチ2aとから構成されている。このガラス破壊検出器では、CPU3に警報信号が入力されると、CPU3は出力部4に破壊行為の警報を報知させる。開閉検知部2において、窓閉時にはマグネット2bとリードスイッチ2aとが近接、対向してリードスイッチ2aがオンになる。窓開時にはリードスイッチ2aがマグネット2bから遠ざかる方向に移動するので、リードスイッチ2aはオフになる。
特開2005−78500号公報
前記特許文献1に記載のガラス破壊検出器において、ガラスもしくはサッシ等の破壊、または窓開けのそれぞれの行為を検知させるためには、実質的に、別々のセンサ素子が必要であり、このため、部品点数が増えて検出器構成が複雑化し、小型・低価格化が困難であるという課題がある。
前述のような機器構成の複雑化の課題は、前述のようなガラス破壊検出器においてのみでなく、構造物の状態判定一般、すなわち、社会インフラ事業の水道管システムにおける水漏れもしくは水道管の破壊検知、ビルもしくは住居等の構造物の劣化検知、石油パイプラインシステムにおける石油漏れもしくはパイプラインの破壊検知、ガスパイプラインにおけるガス漏れもしくはパイプラインの破壊検知等の構造物の状態判定に使用される装置においても、共通に存在する。
本発明の目的は、簡易な構成で構造物の状態を判定可能な構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の構造物の状態判定装置は、
構造物の振動を検出する振動検出手段、および、前記振動検出手段により取得した振動波形データについて演算処理を行うための演算手段を含み、
前記演算手段は、前記振動波形データにおける、ピークの絶対値が最大の時点以降の振動波形データについて、減衰波形解析を行う解析手段と、前記解析手段による解析結果に基づき構造物の状態を判定する判定手段とを含む。
本発明の構造物の状態判定方法は、
構造物の振動を検出する振動検出工程、および、前記振動検出工程において取得した振動波形データについて演算処理を行うための演算工程を含み、
前記演算工程は、前記振動波形データにおける、ピークの絶対値が最大の時点以降の振動波形データについて、減衰波形解析を行う解析工程と、前記解析工程における解析結果に基づき構造物の状態を判定する判定工程とを含む。
本発明によれば、簡易な構成で構造物の状態を判定可能な構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法を提供することができる。
図1Aは、本発明の構造物の状態判定装置の一例(実施形態1)の構成を示すブロック図である。 図1Bは、本発明の構造物の状態判定方法の一例(実施形態1)を示すフローチャートである。 図1Cは、前記実施形態1における減衰波形解析の一例を説明するグラフである。 図2Aは、前記実施形態1の状態判定装置の変形例1の構成を示すブロック図である。 図2Bは、本発明の構造物の状態判定方法の変形例1を示すフローチャートである。 図3Aは、前記実施形態1の状態判定装置の変形例2の構成を示すブロック図である。 図3Bは、本発明の構造物の状態判定方法の変形例2を示すフローチャートである。 図4Aは、前記実施形態1の状態判定装置の変形例3の構成を示すブロック図である。 図4Bは、本発明の構造物の状態判定方法の変形例3を示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施形態2における減衰波形解析の一例を説明するグラフである。 図6Aは、本発明の構造物の状態判定装置のその他の例(実施形態3)の構成を示すブロック図である。 図6Bは、本発明の構造物の状態判定方法のその他の例(実施形態3)を示すフローチャートである。 図6Cは、前記実施形態3における減衰波形解析の一例を説明するグラフである。 図6Dは、前記実施形態3における、好ましい例を示すフローチャートである。 図6Eは、前記実施形態3における、より好ましい例を示すフローチャートである。 図7は、本発明の構造物の状態判定装置のさらにその他の例(実施形態4)の構成を示すブロック図である。 図8は、本発明の構造物の状態判定方法の一例(実施形態5)を示すフローチャートである。 図9は、実施例1における、金属工具によるサッシこじ開け時の振動波形データを示すグラフである。 図10Aは、実施例1における、開錠時の振動波形データを示すグラフである。 図10Bは、実施例1における、窓開時の振動波形データを示すグラフである。 図11は、本発明の実施例2における、水漏れ現象が発生した際の振動波形データを示すグラフである。 図12は、前記実施例2における、水道管に破壊現象が発生した際の振動波形データを示すグラフである。 図13は、本発明の実施例3における、正常状態での振動波形データを示すグラフである。 図14は、前記実施例3における、建物劣化状態での振動波形データを示すグラフである。 図15は、特許文献1に記載のガラス破壊検出器の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法について、図面を参照して、例をあげて詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定されない。なお、以下の図1から図14において、同一部分には、同一符号を付している。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
(実施形態1)
図1Aのブロック図に、本実施形態の構造物の状態判定装置の構成を示す。また、図1Bは、本実施形態における構造物の状態判定方法のフローチャートである。図1Aに示すように、本実施形態の状態判定装置10は、振動検出手段11と、演算手段12とを主要な構成要素として含む。演算手段12は、解析手段121と、判定手段122とを含む。
振動検出手段11は、例えば、振動センサであり、構造物の振動を検出し、前記構造物から振動波形データを取得する。前記振動センサは、特に制限されず、公知の振動センサを使用できる。具体的には、例えば、加速度センサ、速度センサ、変位センサ等があげられる。前記加速度センサは、圧電型であり、信号増幅回路が内蔵されたものが好ましい。振動検出手段11(振動センサ)は、感度が高く、広い周波数帯域の信号を検知できるものであることが好ましい。振動検出手段11は、例えば、構造物に設置する。前記構造物への設置箇所は、特に制限されず、後述するように、状態判定装置10の用途に応じて、前記構造物の適切な箇所に設置される。
演算手段12は、振動検出手段11により取得した振動波形データについて演算処理を行う。演算手段12は、例えば、中央処理装置(CPU)であり、マイクロコンピュータを用いることができる。この演算手段12は、前述のように、解析手段121および判定手段122を含む。解析手段121は、前記振動波形データにおける、ピークの絶対値が最大の時点以降の振動波形データについて、減衰波形解析を行う。判定手段122は、解析手段121による解析結果に基づき構造物の状態を判定する。前記減衰波形解析および前記構造物の状態判定については、後述する。
本実施形態の構造物の状態判定方法は、図1Aの構造物の状態判定装置を用いて、図1Bのフローチャートに示すように、以下のステップを実施する。
まず、振動検出手段11により、検出対象である構造物の振動を検出し、振動波形データを取得する(振動検出工程(ステップS110))。
つぎに、演算手段12により、振動検出手段11により取得した振動波形データについて演算処理を行う(演算工程(ステップS120))。演算工程S120は、解析工程(ステップS121)および判定工程(ステップS122)を含む。
解析工程(S121)では、前記振動波形データにおける、ピークの絶対値が最大の時点以降の振動波形データについて、減衰波形解析を行う。減衰波形解析について、図1Cに示す振動波形データを用いて説明する。振動を、例えば、加速度(振動センサ出力電圧)で測定した場合、図1Cに示すように、まず、振動波形データについて、加振により発生する振動(共振振動)のピークの絶対値が最大となる時点(図1Cにおいて、破線で示した時点)を決定する。前記加振開始時から前記共振振動のピークの絶対値が最大となる時点までの時間を、加振時間(X)とする。そして、前記ピークの絶対値が最大となる時点以降の振動、すなわち、減衰振動について、データ処理(減衰波形解析)を行う。
つぎに、判定工程(S122)は、解析工程(S121)における解析結果に基づき構造物の状態を判定する。加振力が構造物に持続して作用しない場合、自由減衰振動には固有振動のみが残る。加振力(加振方向、振幅、周波数等)は、イベント毎(例えば、ガラスの破壊と開錠)に異なり、励振される固有モードが異なる。そこで、前記固有振動に着目し、前記減衰振動を解析することにより、その解析結果から、各イベントに関する構造物の状態(例えば、ガラスの破壊と開錠)を判定することができる。このため、本発明によれば、前記減衰振動解析により、従来のように検知すべきイベント毎にセンサを設ける必要がなく、1つの振動検出手段11(例えば、振動センサ)により、2つ以上のイベントに関する構造物の状態(例えば、ガラスの破壊と開錠)を判定することができ、簡易な構成の装置および工程にすることができる。前記構造物の状態の判定は、例えば、各イベントに関する減衰振動解析結果のデータと、各イベントの振動波形データをパターン化したデータとを比較することにより行える。
(変形例1)
本実施形態の状態判定装置は、さらに、起動手段を含んでもよい。前記起動手段を含む、実施形態1の変形例1の構造物の状態判定装置の構成を、図2Aのブロック図に示す。また、図2Bに、変形例1における構造物の状態判定方法のフローチャートを示す。図2Aに示すように、変形例1の状態判定装置は、起動手段13を含み、起動手段13は、振動検出手段11に接続されている。これらの点を除いて、図2Aに示す状態判定装置は、図1Aに示す状態判定装置10と同様の構成を有する。また、変形例1の状態判定方法は、振動検出工程(S110)に先立って、起動工程(S130)を含む。この点を除いて、図2Bに示す状態判定方法は、図1Bに示す状態判定方法と同様の工程を有する。
起動手段13は、振動検出手段11を起動させるトリガ信号を出力する。この信号により、振動検出手段11は、振動の検出を行う。起動手段13は、例えば、赤外線検知手段、構造物に伝搬する振動信号を検知する手段等があげられる。前記赤外線検知手段は、例えば、赤外線センサである。前記赤外線センサは、前記状態判定装置が侵入検知に用いられる場合、前記構造物の敷地内に設置され、例えば、敷地内に侵入した侵入者の体温を検知して、振動検出手段11を起動させるトリガ信号を出力する。前記構造物に伝搬する振動信号を検知する手段は、例えば、音響センサ等があげられる。前記状態判定装置が侵入検知に用いられる場合、前記音響センサ等の前記手段は、前記構造物の敷地内に設置され、例えば、敷地内に侵入した侵入者が敷地内に敷かれた砂利を踏む際に発生する砂利音に伴う振動信号(音響信号)を検知して、振動検出手段11を起動させるトリガ信号を出力する。
変形例1の構造物の状態判定装置および状態判定方法によると、簡易な構成で構造物の状態を判定可能であることに加えて、起動手段13による検知(例えば、侵入検知)に基づいて、振動検出手段11を起動させることにより、例えば、検出の精度を向上させ、誤検出を低減することができ、また、振動検出が必要な場合のみに、振動検出手段11を起動させるため、低消費電力である。
(変形例2)
振動検出手段11が取得する振動波形データは、例えば、アナログ振動波形データでもよいし、デジタル振動波形データでもよい。前記振動波形データがアナログ振動波形データである場合、本実施形態の状態判定装置は、さらに、不要応答除去手段を含むことが好ましい。前記不要応答除去手段を含む、実施形態1の変形例2の構造物の状態判定装置の構成を、図3Aのブロック図に示す。また、図3Bに、変形例2における構造物の状態判定方法のフローチャートを示す。図3Aに示すように、変形例2の状態判定装置は、振動検出手段11と演算手段12との間に、不要応答除去手段14を含む。この点を除いて、図3Aに示す状態判定装置は、図2Aに示す状態判定装置と同様の構成を有する。また、変形例2の状態判定方法は、振動検出工程(S110)と演算工程(S120)との間に、不要応答除去工程(S140)を含む。この点を除いて、図3Bに示す状態判定方法は、図2Bに示す状態判定方法と同様の工程を有する。
不要応答除去手段14は、例えば、前記アナログ振動波形データについて不要応答を除去する、不要応答除去フィルタ(以下、単に「フィルタ」ということがある。)である。不要応答除去手段14は、不要応答を除去できればよく、具体的には、例えば、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ等が使用でき、目的に応じて適宜選択できる。不要応答除去手段14の通過周波数帯域は、特に制限されず、例えば、10Hz〜3kHzである。このように、前記振動波形データの周波数帯域を狭帯域化させることで、例えば、後述するアナログ−デジタル変換におけるサンプリング周波数を小さくできる。これにより、例えば、低価格のアナログ−デジタル変換器(アナログ−デジタル変換手段)を使用でき、さらに、消費電力も低減できる。
さらに、本変形例では、不要応答除去手段14により、前記振動波形データの狭帯域化を行っていることから、誤検出を防ぐことができる。そのため、例えば、誤検出を回避するために用いられる、デジタルフィルタが不要となり、さらに、フーリエ変換処理よる複数の周波数成分における加速度の抽出、閾値に基づく判定も不要となる。この結果、簡易な構成で構造物の状態を判定可能であることに加え、例えば、複雑な計算処理が不要であるという相乗的な効果も得られる。
(変形例3)
前記振動波形データがアナログ振動波形データである場合、本実施形態の状態判定装置は、さらに、アナログ−デジタル変換手段を含むことが好ましい。前記アナログ−デジタル変換手段を含む、実施形態1の変形例3の構造物の状態判定装置の構成を、図4Aのブロック図に示す。また、図4Bに、変形例3における構造物の状態判定方法のフローチャートを示す。図4Aに示すように、変形例3の状態判定装置は、変形例2の状態判定装置において、不要応答除去手段14と演算手段12との間に、さらに、アナログ−デジタル変換手段15を含む。この点を除いて、図4Aに示す状態判定装置は、図3Aに示す状態判定装置と同様の構成を有する。また、変形例3の状態判定方法は、変形例2の状態判定方法において、不要応答除去工程(S140)と演算工程(S120)との間に、アナログ−デジタル変換工程(S150)を含む。この点を除いて、図4Bに示す状態判定方法は、図3Bに示す状態判定方法と同様の工程を有する。
アナログ−デジタル変換手段15は、例えば、前記アナログ振動波形データをデジタル振動波形データに変換する、アナログ−デジタル変換器(A/D変換器)である。前記A/D変換器は、前記アナログ振動波形データをデジタル振動波形データに変換できればよく、例えば、公知のものを使用できる。
変形例3の構造物の状態判定装置および状態判定方法によると、簡易な構成で構造物の状態を判定可能であることに加え、検出の精度を向上させ、誤検出を低減することができる。
本実施形態の状態判定装置(図1A、図2A、図3Aに示す装置)は、例えば、さらに、記憶手段(メモリ)を含んでいてもよい。前記記憶手段は、例えば、前記アナログ振動波形データおよび前記デジタル振動波形データの振動波形データ、前記減衰波形解析結果等のデータを記憶する。前記記憶手段は、特に制限されず、公知のものが使用でき、具体的には、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。なお、前記記憶手段は、任意の構成要素であり、含まれなくともよいが、含まれることが好ましい。
本実施形態の状態判定装置(図1A、図2A、図3Aに示す装置)、は、例えば、さらに、前記判定手段による構造物の状態判定結果を表示するための表示器を含んでもよい。前記表示器は、特に制限されず、公知のものが使用でき、具体的には、例えば、音声により出力するスピーカ、映像により出力するモニター(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ等の各種画像表示装置等)、印刷により出力するプリンタ等があげられる。なお、前記表示器は、任意の構成要素であり、含まれなくともよいが、含まれることが好ましい。
本実施形態の構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法は、例えば、侵入検知装置および侵入検知方法に適用することができる。侵入検知に適用する場合、前記構造物への設置箇所は、例えば、窓枠、ガラス、ドア、床面、玄関扉、フェンス、壁面、門扉等とすればよい。前記解析は、例えば、外部からの前記構造物への侵入を検知するための解析であり、外部から建築物等への侵入行為の有無を、構造物の状態として判定する。前記判定結果としては、例えば、ガラスの破壊、サッシこじ開け等の前記構造物の破壊行為の有無の判定結果、開錠の有無の判定結果、窓開の有無の判定結果、構造物内の床の振動等による人の侵入の有無等の前記構造物への実際の侵入行為の有無の判定結果等を得ることができる。
また、本実施形態の構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法は、例えば、漏水検知装置および漏水検知方法に適用することができる。漏水検知に適用する場合、前記構造物への設置箇所は、例えば、取水管、導水管、配水管、給水管等の水が流れる管(水道管)、マンホール、消火栓、止水弁、減圧弁、水圧メータ等とすればよい。前記水道管における設置箇所は、例えば、水道管壁面、フランジボルト等があげられる。前記解析は、例えば、導水管の異常を検知するための解析であり、導水管の異常の有無を構造物の状態として判定する。前記判定結果としては、例えば、前記導水管からの漏水の有無の判定結果、前記導水管の破壊の有無の判定結果等を得ることができる。前記導水管以外の他の水道管についても、例えば、前記導水管と同様にして、漏水の有無の判定結果、破壊の有無の判定結果等を得ることができる。
そして、本実施形態の構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法は、例えば、構造物の劣化検知装置および構造物の劣化検知方法に適用することができる。構造物劣化検知に適用する場合、前記構造物への設置箇所は、例えば、ビルもしくは住宅等の壁、柱、ダクト、床、梁、基礎部分等とすればよい。前記解析は、例えば、構造物の劣化を検知するための解析であり、前記構造物の劣化の有無を、構造物の状態として判定する。前記判定結果としては、例えば、前記構造物の梁材等の結合箇所の緩みの有無の判定結果、前記構造物を構成する工材の亀裂の有無の判定結果等を得ることができる。
(実施形態2)
本実施形態の構造物の状態判定装置では、解析手段121による減衰波形解析が、前記ピークの絶対値が最大の時点から、前記振動の加振時間の所定倍以上の時間経過後の振動波形データについて行われる。この点を除いて、本実施形態の構造物の状態判定装置は、図1Aに示す状態判定装置10と同様の構成を有する。前記において、減衰波形解析は、前記ピークの絶対値が最大の時点から、前記振動の加振時間の0.5倍以上の時間経過後の振動波形データについて行われることが好ましく、より好ましくは1〜2倍であり、さらに好ましくは1〜1.2倍である。図5の振動波形データにより、本実施形態における減衰波形解析を説明する。
本実施形態では、振動を、例えば、加速度(振動センサ出力電圧)で測定した場合、解析工程(S121)において、図5に示すように、まず、図1Cで示したのと同様に、前記振動波形データについて、加振により発生する振動(共振振動)のピークの絶対値が最大となる時点(図5において、左側の破線で示した時点)を決定する。前記加振開始時から前記共振振動のピークの絶対値が最大となる時点までの時間を、加振時間(X)とする。つぎに、前記ピークの絶対値が最大となる時点から、前記振動の加振時間(X)の所定倍(例えば、0.5倍)となる時点(図5において、右側の破線で示した時点)を決定する。前記ピークの絶対値が最大となる時点から前記振動の加振時間(X)の所定倍となる時点までの経過時間を、経過時間(Y)とする。そして、前記経過時間(Y)後の振動のデータ処理(減衰波形解析)を行う。このようにして、本実施形態では、前記振動の加振時間の所定倍以上の時間経過後の振動波形データの減衰波形解析を行う。
前述のように、前記減衰振動の振動波形データは、イベント毎に固有振動が異なる。しかしながら、前記固有振動毎においては、外力等による位相差や時間遅延等が発生し得る。そこで、本実施形態に示すように、前記振動の加振時間の所定倍以上の時間経過後の振動波形データの減衰波形解析を行うことで、例えば、前記外力の影響を極力避けることができ、より正確な減衰波形解析を行うことができる。この結果、本実施形態によれば、検出の精度を向上させ、誤検出を低減することができる。
(実施形態3)
本発明の構造物の状態判定装置は、例えば、前記演算手段が、さらに、周波数帯域制限手段を含んでもよい。図6Aのブロック図に、本実施形態の構造物の状態判定装置の構成を示す。また、図6Bに、本実施形態における構造物の状態判定方法のフローチャートを示す。図6Aに示すように、本実施形態の状態判定装置30は、演算手段12が、周波数帯域制限手段123を含む。この点を除いて、図6Aに示す状態判定装置30は、図4Aに示す状態判定装置と同様の構成を有する。なお、起動手段13は、任意の構成であり、含んでもよいし、含まなくともよい。また、本実施形態の状態判定方法は、演算工程S120において、解析工程S121に先立って、周波数帯域制限工程S123を含む。この点を除いて、図6Bに示す本実施形態の状態判定方法は、図4Bに示す状態判定方法と同様の工程を有する。なお、起動工程S130は、任意の工程であり、含んでもよいし、含まなくともよい。
周波数帯域制限手段123は、検知する事象(イベント)毎に設定された周波数帯域で、前記振動波形データを周波数帯域制限する。前記検知する事象(イベント)毎に設定された周波数帯域を、監視周波数帯域という。周波数帯域制限手段123は、例えば、アナログ−デジタル変換手段15により変換されたデジタル振動波形データを周波数帯域制限する、デジタルフィルタである。前記監視周波数帯域は、例えば、100Hz〜3kHzの範囲である。前記検知する事象(イベント)が後述する侵入検知に関する事象(イベント)である場合、前記監視周波数帯域は、100Hz〜2500Hzの範囲であることが好ましい。前記検知する事象(イベント)が後述する漏水検知および構造物の劣化検知に関する事象(イベント)である場合、前記監視周波数帯域は、100Hz〜1000Hzの範囲であることが好ましい。
前記検知する事象(イベント)は、例えば、前述の実施形態1で示した構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法の各用途に応じて、適宜設定される。前記状態判定装置および構造物の状態判定方法が侵入検知に用いられる場合、前記検知する事象(イベント)は、例えば、ガラスの破壊、サッシこじ開け等の前記構造物の破壊行為、開錠行為、窓開行為、構造物内への人の侵入等の前記構造物への実際の侵入行為等である。前記状態判定装置および構造物の状態判定方法が漏水検知に用いられる場合、前記検知する事象(イベント)は、例えば、前記水道管からの漏水、前記水道管の破壊等である。前記状態判定装置および構造物の状態判定方法が構造物の劣化検知に用いられる場合、前記検知する事象(イベント)は、例えば、前記構造物の梁材等の結合箇所の緩み、前記構造物を構成する工材の亀裂等である。
本実施形態の構造物の状態判定方法は、図6Aの構造物の状態判定装置を用いて、図6Bのフローチャートに示すように、以下のステップを実施する。起動工程S130〜アナログ−デジタル変換工程S150までは、例えば、前記実施形態1と同様に行う。
つぎに、アナログ−デジタル変換手段15によりデジタル振動波形データに変換された振動波形データについて、周波数帯域制限手段123により、周波数帯域制限を行う(周波数帯域制限工程S123)。前記周波数帯域制限について、図6Cに示す振動波形データを用いて説明する。図6Cは、振動を、例えば、加速度(振動センサ出力電圧)で測定した例である。図6Cは、行為Aおよび行為Cが行われた場合の振動波形データを示す。図6Cに示すように、行為A(例えば、開錠行為200)について、行為Aを監視するために設定された周波数帯域(監視周波数帯域A201)を読み出し、監視周波数帯域A201により、周波数帯域制限を行う。また、行為C(例えば、窓開行為202)について、行為Bを監視するために設定された周波数帯域(監視周波数帯域C203)を読み出し、監視周波数帯域C203により、周波数帯域制限を行う。そして、周波数帯域を制限した振動波形データについて、前記減衰振動解析を行い、前記減衰振動解析結果に基づき、行為Aおよび行為Cの有無を判定する。行為Aおよび行為Cについて設定された周波数帯域で振動波形データを周波数帯域制限することにより、例えば、検知する事象(イベント)において、特徴的な振動波形が検出される周波数帯域のみを、減衰振動解析の対象とすることができる。この結果、検出の精度を向上させ、誤検出を低減することができ、かつ、解析速度を向上できる。
本実施形態では、解析手段121による減衰波形解析を、前記周波数帯域を制限した振動波形データ毎に、少なくとも15ms以上の範囲で行うことが好ましく、少なくとも60ms以上の範囲で行うことがより好ましく、少なくとも100ms以上の範囲で行うことがさらに好ましい。このようにすることで、例えば、周波数100Hzの振動を10周期分計測および解析することができ、検出の精度を向上させることができる。前記減衰波形解析時間の上限は、例えば、500msである。
本実施形態では、判定手段122は、周波数帯域制限手段123により周波数帯域制限される周波数帯域毎に閾値を設け、前記閾値を基準として、対応する事象(イベント)の発生を判定することが、好ましい。
前記閾値は、対応する事象(イベント)の発生を検知する閾値であり、例えば、各事象(イベント)において、特徴的な振動波形が検出される周波数帯域が存在することを利用して、前記周波数帯域における振動波形データの振幅値について閾値を設定する。そして、例えば、前記振幅値の閾値を超える場合、前記事象(イベント)が発生したと判定し、前記振幅値の閾値を超えない場合、前記事象(イベント)が発生しなかったと判定する。開錠行為200に伴う振動波形は、監視周波数帯域A201での振幅が最大となる。このため、後述するように、開錠に伴う振動を検知するために監視周波数帯域A201を設定し、この周波数帯域について、振動波形データの振幅値に閾値を設けることにより、開錠行為に伴う振動の有無を識別できる。前記閾値は、例えば、前記メモリに格納されていてもよい。
前記閾値による判定を、行為Aおよび行為Cの判定を例として、図6Dのフローチャートを用いて説明する。なお、下記の説明は例示であり、本発明は下記例示により何ら制限されない。
図6Dに示すように、起動工程S130〜アナログ−デジタル変換工程S150までは、例えば、前記実施形態1と同様に行う。つぎに、アナログ−デジタル変換手段15によりデジタル振動波形データに変換された振動波形データについて、図6Bと同様にして、周波数帯域制限手段123により、周波数帯域制限を行う(周波数帯域制限工程S123)。つぎに、行為Aについての周波数帯域制限した振動波形データについて、解析手段121により、減衰振動解析を行う(ステップS121A、解析工程A)。つぎに、判定手段122により、前記減衰振動解析の結果について、閾値Aに適合するかを判定する(ステップS122A、判定A)。閾値Aに適合する場合(Yes)、行為Aがあったと判定する。閾値Aに適合しない場合(No)、起動工程S130に戻る。一方、行為Cについての周波数帯域制限した振動波形データについて、解析手段121により、減衰振動解析を行う(ステップS121C、解析工程C)。つぎに、判定手段122により、前記減衰振動解析の結果について、閾値Cに適合するかを判定する(ステップS122C、判定C)。閾値Cに適合する場合(Yes)、行為Cがあったと判定する。閾値Cに適合しない場合(No)、起動工程S130に戻る。
周波数帯域制限手段123により周波数帯域制限される周波数帯域毎に、前記閾値を設け、前記閾値を基準として、対応する事象(イベント)の発生を判定することで、例えば、より検出の精度を向上させ、誤検出を低減することができ、かつ、解析速度を向上できる。
本実施形態では、周波数帯域制限手段123により周波数帯域制限される周波数帯域毎に閾値を設け、前記閾値を基準として、対応する事象(イベント)の発生を判定する際に、特定の事象の発生の判定結果に応じて、次に参照すべき周波数帯域が予め決定されており、前記予め決定された順に周波数帯域を参照して判定するのが、より好ましい。
例えば、侵入行為においては、開錠行為の後に、窓開行為が連続して行われる。このため、前記開錠行為についての閾値に基づく判定結果、例えば、開錠行為があったという判定結果に応じて、次に窓開行為についての周波数帯域を参照すべきことを予め決定しておく。そして、それぞれの周波数帯域を参照して、開錠行為を判定し、開錠行為があった場合には、窓開行為を判定するという順番により、侵入行為があったと判定する。前記侵入行為において、連続して行われる行為の組み合わせとしては、前述の開錠行為と前記窓開行為との組合せの他に、例えば、バール等によるこじ開けと窓枠取り外しとの行為の組合せ等があげられる。このような組合せについても、例えば、前述と同様に、それぞれの周波数帯域を参照して、こじ開け行為を判定し、こじ開け行為があった場合には、窓枠取り外し行為を判定するという順番により、侵入行為があったと判定する。
このような判定を、行為Aを「開錠行為」、行為Cを「窓開行為」とする侵入行為の判定を例として、図6Eのフローチャートを用いて説明する。なお、下記の説明は、例示であり、本発明は下記例示により何ら制限されない。
図6Eに示すように、起動工程S130〜アナログ−デジタル変換工程S150までは、例えば、前記実施形態1と同様に行う。つぎに、アナログ−デジタル変換手段15によりデジタル振動波形データに変換された振動波形データについて、図6Bと同様にして、周波数帯域制限手段123により、周波数帯域制限を行う(周波数帯域制限工程S123)。つぎに、開錠行為(行為A)についての周波数帯域制限した振動波形データについて、解析手段121により、減衰振動解析を行う(ステップS121A、解析工程A)。つぎに、判定手段122により、前記減衰振動解析の結果について、閾値Aに適合するかを判定する(ステップS122A、判定A)。閾値Aに適合する場合(Yes)、開錠行為があったと判定し、解析工程C(ステップS121C)に進む。閾値Aに適合しない場合(No)、起動工程S130に戻る。解析工程Cにおいて、窓開行為(行為C)についての周波数帯域制限した振動波形データについて、解析手段121により、減衰振動解析を行う(ステップS121C、解析工程C)。つぎに、判定手段122により、前記減衰振動解析の結果について、閾値Cに適合するかを判定する(ステップS122C、判定C)。閾値Cに適合する場合(Yes)、窓開行為があったと判定し、侵入行為があったと判定する(ステップS122AC)。閾値Cに適合しない場合(No)、起動工程S130に戻る。
特定の事象の発生の判定結果に応じて、次に参照すべき周波数帯域が予め決定されており、前記予め決定された順に周波数帯域を参照して判定することで、例えば、さらに検出の精度を向上させ、誤検出を低減することができ、かつ、解析速度を向上できる。
なお、行為Aが閾値Aに適合しない場合(No)、例えば、その判定結果に応じて、次に参照すべき周波数帯域が予め設定されており、この順に前記周波数帯域を参照して判定してもよい。次に参照すべき周波数帯域としては、例えば、バール等によるこじ開け行為についての振動波形データを、設定された周波数帯域で周波数制限した周波数帯域等があげられる。そして、例えば、前記こじ開け行為についての閾値に適合した場合(Yes)には、窓枠取り外し行為についての振動波形データを、設定された周波数帯域で周波数制限し、この周波数帯域について、減衰振動解析および閾値判定を行う。前記窓枠取り外し行為についての閾値に適合した場合(Yes)には、侵入行為があったと判定する。また、さらに、前記こじ開け行為についての閾値に適合しない場合(No)には、例えば、踏込行為(足音)についての振動波形データを、設定された周波数帯域で周波数制限し、この周波数帯域について、減衰振動解析および閾値判定を行う。前記踏込行為についての閾値に適合した場合(Yes)には、侵入行為があったと判定する。
本実施形態では、周波数帯域制限手段123は、前記デジタル振動波形データを周波数帯域制限するデジタルフィルタであるが、本発明は、この例には限定されない。前記周波数帯域制限手段は、例えば、アナログ振動波形データを周波数帯域制限する周波数帯域制限手段でもよい。この周波数帯域制限手段としては、例えば、アナログフィルタ等があげられる。
(実施形態4)
本発明の構造物の状態判定装置は、例えば、前記振動検出手段の設置箇所から離れた箇所に設置された端末が前記演算手段を含む形態でもよい。図7のブロック図に、本実施形態の状態判定装置の構成を示す。図7に示すように、本実施形態の状態判定装置40は、振動検出手段11と、不要応答除去手段14と、アナログ−デジタル変換手段15と、演算手段12を含む端末41と、表示器42とを主要な構成要素として含む。アナログ−デジタル変換手段15と端末41とは、有線または無線で接続されている。表示器42は、端末41に接続されている。
端末41は、前記実施形態1における前記演算手段を含み、前述の演算処理を行う。端末41は、例えば、状態判定装置40における振動検出手段11、不要応答除去手段14およびアナログ−デジタル変換手段15を含む部分(振動センサ部)の設置箇所から離れた箇所に設置される。端末41は、具体的には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ、警報器端末、スマートフォン等があげられる。また、前記演算手段は、例えば、前記振動センサ部と通信回線網を介して接続される、サーバ(クラウドサーバ)内にあってもよい。この場合、前記演算手段と表示器42とは、通信回線網を介して接続される。
状態判定装置40では、端末41が前記演算手段を含む形態であるが、本発明は、この例には限定されない。前記状態判定装置における端末は、例えば、前記演算手段に加えて、前記不要応答除去手段およびアナログ−デジタル変換手段、前記記憶手段等を含んでもよい。このような形態の場合、例えば、前記振動検出手段と、前記演算手段、前記不要応答除去手段、前記アナログ−デジタル変換手段、前記記憶手段を含む前記端末とは、有線で接続しても、無線で接続してもよい。また、前記振動検出手段の設置箇所から離れた箇所に設置された端末に前記演算手段を含ませることができるので、用途に応じて、適宜、構成を選択することが可能である。
(実施形態5)
つぎに、図6Aに示す状態判定装置30を使用した侵入行為検知(判定)の一例を、図8のフローチャートに基づき説明する。なお、本発明の状態判定方法は、この例には限定されない。
前記状態判定装置は、振動センサ11、起動手段13、フィルタ14、A/D変換器15およびマイクロコンピュータ12を含む。振動センサ11は、例えば、窓枠もしくはガラスまたはドア等の構造物に設置される。周波数帯域制限手段123は、開錠音を検知する監視周波数帯域Aを有するデジタルフィルタA、および、窓開を検知する監視周波数帯域Cを有するデジタルフィルタC、バール打撃音を検知する監視周波数帯域Bを有するデジタルフィルタB、および、窓枠取り外し音を検知する監視周波数帯域Dを有するデジタルフィルタD、足音を検知する監視周波数帯域Eを有するデジタルフィルタEとする。また、本実施形態では、前記振動を加速度で測定した場合を例示する。
図8に示すように、本実施形態の状態判定方法では、振動測定の待機状態(ステップS1)において、前記侵入行為によるガラス破壊に伴う振動が発生し、この振動が予め規定された振動振幅(トリガ信号)を超えた場合(ステップS2)、前記侵入行為に伴うアナログ振動波形データの取得を開始する(ステップS3)。なお、前記トリガ信号は、例えば、起動手段13から出力されてもよい。ここで、ステップS1〜S3は、前述のステップS110に該当する。振動センサ11により取得されたアナログ振動波形データに対して、フィルタ14により、不要応答を除去する(ステップS140、不要応答除去工程)。前記不要応答は、例えば、環境振動等があげられる。フィルタ14は、前述の不要応答除去フィルタを使用することができる。前記不要応答が除去されたアナログ振動波形データを、A/D変換器15により、デジタル振動波形データに変換する(ステップS150、アナログ−デジタル変換工程)。
つぎに、デジタルフィルタAを読み出し、前記デジタル振動波形データを、デジタルフィルタAにより、開錠音を検知する監視周波数帯域A201で周波数帯域制限する(ステップS123A、周波数帯域制限工程A)。
つぎに、マイクロコンピュータ12の解析手段121により、デジタルフィルタAで周波数帯域制限した振動波形データについて、減衰波形解析を行う(ステップS121A、解析工程A)。この減衰振動解析は、例えば、前記実施形態2で説明した解析手法で行うことが好ましい。
つぎに、判定手段122により、前記減衰振動解析の結果について、閾値Aに適合するかを判定する(ステップS122A、判定A)。閾値Aに適合する場合(Yes)、開錠行為があったと判定する。
前記開錠行為に伴う振動発生後には、窓開行為に伴う振動の発生が想定される。このため、開錠行為があったとの判定結果に応じて、つぎに、窓開行為についての周波数帯域を参照することが予め決定されている。ここで、窓開行為に伴う振動が発生し、この振動が予め規定された振動振幅(トリガ信号)を超えた場合(ステップS4)、前記窓開行為に伴うアナログ振動波形データの取得を開始する。そして、前述と同様に処理し、デジタルフィルタCを読み出し、前記窓開行為に伴うデジタル振動波形データを、デジタルフィルタCにより、窓開を検知する監視周波数帯域Cで周波数帯域制限する(ステップS123C、周波数帯域制限工程C)。この振動波形データについて、減衰波形解析を行う(ステップS121C、解析工程C)。この減衰振動解析は、例えば、前記実施形態2で説明した解析手法で行うことが好ましい。
つぎに、判定手段122により、前記減衰振動解析の結果について、閾値Cに適合するかを判定する(ステップS122C、判定C)。閾値Cに適合する場合(Yes)、窓開行為があったと判定する。このように、判定Aおよび判定Cにおいて、いずれの閾値にも適合すると判定(AND判定)された場合、侵入行為があったと判定する(ステップS5)。一方、判定Cにおいて、閾値Cに適合しない場合(No)、初期化して(ステップS11)、ステップS1に戻る。
判定Aにおいて、閾値Aに適合しない場合(No)、実際に起きている侵入モードが開錠行為と異なる場合がある。具体的には、例えば、侵入モードがバール等によるこじ開け行為である場合がある。これに対応して、デジタルフィルタBを読み出し(ステップS6)、こじ開け行為を監視する。こじ開け行為に伴う振動が発生し、この振動が予め規定された振動振幅(トリガ信号)を超えた場合(ステップS7)、前記こじ開け行為に伴うアナログ振動波形データの取得を開始する。そして、前述と同様に処理して、前記こじ開け行為に伴うデジタル振動波形データを、デジタルフィルタBにより、バール打撃音を検知する監視周波数帯域Bで周波数帯域制限する(ステップS123B、周波数帯域制限工程B)。
つぎに、マイクロコンピュータ12の解析手段121により、デジタルフィルタBで周波数帯域制限した振動波形データについて、減衰波形解析を行う(ステップS121B、解析工程B)。この減衰振動解析は、例えば、前記実施形態2で説明した解析手法で行うことが好ましい。
つぎに、判定手段122により、前記減衰振動解析の結果について、閾値Bに適合するかを判定する(ステップS122B、判定B)。閾値Bに適合する場合(Yes)、こじ開け行為があったと判定する。
前記こじ開け行為後には、窓枠取り外し行為の発生が想定される。このため、こじ開け行為があったとの判定結果に応じて、つぎに、窓枠取り外し行為についての周波数帯域を参照することが予め決定されている。ここで、窓枠取り外しに伴う振動が発生し、この振動が予め規定された振動振幅(トリガ信号)を超えた場合(ステップS8)、前記窓枠取り外し行為に伴うアナログ振動波形データの取得を開始する。そして、前述と同様に処理し、デジタルフィルタDを読み出し、前記窓枠取り外し行為に伴うデジタル振動波形データを、デジタルフィルタDにより、窓枠取り外しを検知する監視周波数帯域Dで周波数帯域制限する(ステップS123D、周波数帯域制限工程D)。この振動波形データについて、減衰波形解析を行う(ステップS121D、解析工程D)。この減衰振動解析は、例えば、前記実施形態2で説明した解析手法で行うことが好ましい。
つぎに、判定手段122により、前記減衰振動解析の結果について、閾値Dに適合するかを判定する(ステップS122D、判定D)。閾値Dに適合する場合(Yes)、窓枠取り外し行為があったと判定する。このように、判定Bおよび判定Dにおいて、いずれの閾値にも適合すると判定(AND判定)された場合、侵入行為があったと判定する(ステップS5)。一方、判定Dにおいて、閾値Dに適合しない場合(No)、初期化して(ステップS11)、ステップS1に戻る。
判定Bにおいて、閾値Bに適合しない場合(No)、実際に起きている侵入モードがこじ開け行為と異なる場合がある。具体的には、例えば、侵入モードが一度の侵入行為によりガラスが全て割られ、即踏み込まれる場合がある。これに対応して、デジタルフィルタEを読み出し(ステップS9)、踏込行為を監視する。前記踏込行為に伴う振動(足音)が発生し、この振動が予め規定された振動振幅(トリガ信号)を超えた場合(ステップS10)、前記踏込行為に伴うアナログ振動波形データの取得を開始する。そして、前述と同様に処理して、前記踏込行為に伴うデジタル振動波形データを、デジタルフィルタEにより、足音を検知する監視周波数帯域Eで周波数帯域制限する(ステップS123E、周波数帯域制限工程E)。
つぎに、マイクロコンピュータ12の解析手段121により、デジタルフィルタEで周波数帯域制限した振動波形データについて、減衰波形解析を行う(ステップS121E、解析工程E)。この減衰振動解析は、例えば、前記実施形態2で説明した解析手法で行うことが好ましい。
つぎに、判定手段122により、前記減衰振動解析の結果について、閾値Eに適合するかを判定する(ステップS122E、判定E)。閾値Eに適合する場合(Yes)、踏込行為があったと判定し、侵入行為があったと判定する(ステップS5)。一方、判定Eにおいて、閾値Eに適合しない場合(No)、初期化して(ステップS11)、ステップS1に戻る。
以上のように、本実施形態の状態判定方法によれば、例えば、1つの振動センサにより侵入行為を検知できるため、検知器のハードウエア構成を簡素にでき、例えば、検知器を低価格なものにできる。また、本実施形態の状態判定方法では、検知する事象(イベント)の発生の判定結果に応じて、次に参照すべき周波数帯域を予め決定し、この順に周波数帯域を参照して判定することで、侵入行為の有無を判定するため、より誤判定を低減できる。
侵入行為が行われたと判定した場合(ステップS5)、例えば、前記表示器(図6Aにおいて図示せず)に結果を表示してもよい。また、例えば、スピーカ(図6Aにおいて図示せず)から威嚇音を発音し、必要に応じて警備会社もしくはユーザへの報知を行ってもよい。なお、前記スピーカからの威嚇音の発音、前記警備会社もしくはユーザへの報知は、公知の態様とすることができる。
振動波形データの減衰振動解析および前記減衰振動解析結果に基づく構造物の状態の判定等の演算処理は、マイクロコンピュータ12により行われる。このため、例えば、前述の演算処理を行うための端末が不要となり、ハードウエア構成をさらに簡素にできる。
なお、本実施形態においては、侵入行為検知に特化した具体例を説明したが、これに準じて、漏水検知および構造物劣化検知等の他の状態検知についても、漏水検知および構造物劣化検知等に応じた閾値を設定することで適用可能である。
[実施例1]
本実施例では、金属工具(ドライバ)を使用したサッシへの打撃行為後のクレセントの開錠行為、および、窓開行為を行った場合の、侵入行為の判定を行った。
(1)侵入検知装置の準備および設置
本実施例では、侵入検知装置として、下記の構成のものを準備した。前記振動センサは、信号増幅回路が内蔵された圧電型の加速度センサを使用した。前記フィルタは、通過周波数帯域が100Hz〜3kHzである、バンドパスフィルタを使用した。前記マイクロコンピュータは、アナログ−デジタル処理ビット数が12ビットであり、サンプリングの周波数が50kHzのものを使用した。このフィルタとマイクロコンピュータとを、同じ基板上に実装した。この基板と前記振動センサとを、ケーブル配線で電気的に接続した。このようにして、侵入検知装置を構成した。
前記サッシは、アルミ製のサッシを使用した。前記サッシの寸法は、縦:約1700mm×横:約1700mmであった。前記振動センサを、クレセント周囲に接着剤にて貼り付けて、本実施例の侵入検知装置を設置した。
(2)侵入行為の判定
前記侵入検知装置により、侵入行為を想定し、前記打撃行為、前記開錠行為、および、前記窓開行為について、振動波形データを取得した。トリガ回路起動の閾値電圧を0.02V(20mV、加速度1m/s相当)とし、最大振幅時刻から加振時間(X)の1.2倍となる経過時間(Y)後の振動波形データ処理時間を、前記打撃行為および前記開錠行為については、60msとし、前記窓開行為については、15msとした。図9のグラフに、前記打撃行為のデジタル振動波形データを示す。前記デジタル振動波形データは、デジタルフィルタ(周波数帯域制限手段123)により100〜2500Hzの周波数帯域で制限したデジタル振動波形データであり、前記閾値を、センサ出力電圧0.02V(20mV)に設定した。図10Aのグラフに、前記開錠行為のデジタル振動波形データを示す。前記デジタル振動波形データは、デジタルフィルタ(周波数帯域制限手段123)により100〜2500Hzの周波数帯域で制限したデジタル振動波形データであり、前記閾値を、センサ出力電圧0.02V(20mV)に設定した。図10Bのグラフに、前記窓開行為のデジタル振動波形データを示す。前記デジタル振動波形データは、デジタルフィルタ(周波数帯域制限手段123)により100〜2500Hzの周波数帯域で制限したデジタル振動波形データであり、前記閾値を、センサ出力電圧10mVに設定した。図9、図10Aおよび図10Bにおいて、左側の破線は、最大振幅時刻を示し、前記最大振幅時刻から真ん中の破線の時刻までの経過時間は、前記経過時間(Y)を示す。また、図9および図10Bにおいて、前記真ん中の破線の時刻から右側の破線の時刻までの時間は、前記振動波形データ処理時間(60msおよび15ms)を示す。図10Aにおいて、35msでグラフが終了しているが、実際には、前記真ん中の破線の時刻から60msの間、前記振動波形データ処理を行っている。なお、各グラフ中の横棒は、前記閾値を示す(以下、同様)。
前記打撃行為、前記開錠行為および前記窓開行為を10回繰り返し、侵入行為を判定した。この判定結果を、下記表1に示す。下記表1に示すように、10回全てにおいて、前記開錠行為および前記窓開行為を検知、識別し侵入判定を行うことができた(検知率:100%)。また、赤外線センサ(起動手段13)を敷地内に設置し、その出力信号をトリガとして、侵入判定を行った場合も、同様の結果が得られた。また、砂利音を検知する振動センサ(起動手段13)を敷地内に設置し、その出力信号をトリガとして、侵入判定を行った場合も、同様の結果が得られた。
Figure 2013190973
[実施例2]
本実施例では、水道管の水漏れ検知と水道管の破壊検知の判定を、実際の水道管を想定した模擬実験系により行った。
(1)漏水検知装置の準備と設置
本実施例では、漏水検知装置として、前記実施例1で使用した侵入検知装置と同様の構成のものを使用した。また、この漏水検知装置において、前記フィルタの適用周波数帯域、前記マイクロコンピュータのサンプリング周波数、前記A/D変換器のアナログ−デジタル変換処理ビット数も、前記実施例1と同条件とした。
前記模擬実験系は、鉄鋼材の擬似水道管とポンプとで構成した。前記水道管は、直径約5mm、全長約4mのものを使用した。この水道管に、水の供給源であるポンプを設置した。この模擬実験系において水漏れ現象を発生させるために、前記水道管における前記ポンプの設置箇所から約1m離れた位置に、予め複数の孔をあけ、この穴を樹脂キャップで閉塞させておいた。そして、前記振動センサを、前記水道管における前記ポンプの設置箇所から約2m離れた位置に、接着固定した。
(2)水道管の異常の判定
この水道管に、前記ポンプから毎分400mLで水を流した。そして、前記樹脂キャップを取り外して水道管から水漏れを発生させた状態を、模擬的な水漏れ現象が発生した状態と定義した。また、前記水道管を金属ハンマーで打撃して前記水道管の表面を若干塑性変形させた状態を、擬似的な破壊現象が発生した状態と定義した。
前記漏水検知装置により、前記経過時間(Y)を設定せず、振動波形データ処理時間を100msとしたこと以外は、前記実施例1と同様にして、前記水漏れ現象および前記破壊現象について、振動波形データを取得した。図11のグラフに、前記水漏れ現象発生時のデジタル振動波形データを示す。前記デジタル振動波形データは、デジタルフィルタ(周波数帯域制限手段123)により100〜1000Hzの周波数帯域で制限したデジタル振動波形データであり、前記閾値を、センサ出力電圧0.0005V(0.5mV)に設定した。図12のグラフに、前記破壊現象発生時のデジタル振動波形データを示す。前記デジタル振動波形データは、デジタルフィルタ(周波数帯域制限手段123)により100〜1000Hzの周波数帯域で制限したデジタル振動波形データであり、前記閾値を、センサ出力電圧0.0025V(2.5mV)に設定した。図11および図12において、左側の破線は、最大振幅時刻を示し、前記最大振幅時刻から右側の破線の時刻までの時間は、前記振動波形データ処理時間(100ms)を示す。
前記水漏れ現象および前記破壊現象を、それぞれ、10回ずつ繰り返し、水漏れ現象および破壊現象を判定した。この結果、10回中8回において、前記水漏れ現象を判定できた(検知率:80%)。また、10回中9回において、前記破壊現象を判定できた(検知率:90%)。
[実施例3]
本実施例では、ビルもしくは建物等の構造物の劣化検知の判定を、実際の建物を想定した模擬実験系により行った。
(1)構造物劣化検知装置の準備と設置
本実施例では、構造物劣化検知装置として、前記実施例1で使用した侵入検知装置と同様の構成のものを使用した。また、この構造物劣化検知装置において、前記フィルタの適用周波数帯域、前記マイクロコンピュータのサンプリング周波数、前記A/D変換器のアナログ−デジタル変換処理ビット数も、前記実施例1と同条件とした。
前記模擬実験系として、長さ12cm、幅6.5cm、高さ5cmの8階建ての小型ビルの模型を使用した。前記ビルにおいて、各階層は複数の梁材で結合させておいた。前記振動センサを、この梁材に接着固定した。
(2)構造物の劣化の判定
前記ビルの劣化モードは、梁材の結合箇所の経時変化による結合強度劣化を想定した。このため、本実施例は、所定の梁材の結合箇所を意図的に緩めた状態で行った。この状態において、各梁材を金属ハンマーで打撃し、加振力を印加した。前記構造物劣化検知装置により、前記経過時間(Y)を設定せず、振動波形データ処理時間を100msとしたこと以外は、前記実施例1と同様にして、前記結合強度が劣化していない正常状態および前記結合強度が劣化した擬似的な建物劣化状態での、前記加振力の印加の際の振動応答データ(振動波形データ)を取得した。図13のグラフに、前記正常状態でのデジタル振動波形データを示す。前記デジタル振動波形データは、デジタルフィルタ(周波数帯域制限手段123)により100〜1000Hzの周波数帯域で制限したデジタル振動波形データであり、前記閾値を、センサ出力電圧0.0005V(0.5mV)に設定した。図14のグラフに、前記建物劣化状態でのデジタル振動波形データを示す。前記デジタル振動波形データは、デジタルフィルタ(周波数帯域制限手段123)により100〜1000Hzの周波数帯域で制限したデジタル振動波形データであり、前記閾値を、センサ出力電圧0.002V(2mV)に設定した。図13および図14において、破線は、最大振幅時刻を示し、35ms手前および40msでグラフが終了しているが、実際には、前記最大振幅時刻から100msの間、前記振動波形データ処理を行っている。
前記正常状態および前記劣化状態について、それぞれ、10回ずつ繰り返し、正常状態および劣化状態を判定した。この結果、10回中9回において、前記劣化状態を判定できた(検知率:90%)。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
この出願は、2012年6月20日に出願された日本出願特願2012−139237を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明の構造物の状態判定装置および構造物の状態判定方法は、例えば、外部からの構造物への侵入検知、社会インフラ事業の水道管システムにおける水漏れもしくは水道管の破壊検知、ビルもしくは住居等の構造物の劣化検知、石油パイプラインシステムにおける石油漏れもしくはパイプラインの破壊検知、ガスパイプラインにおけるガス漏れもしくはパイプラインの破壊検知等に応用でき、その用途は制限されず、広い。
10、30、40 構造物の状態判定装置
11 振動検出手段(振動センサ)
12 演算手段(マイクロコンピュータ)
13 起動手段
14 不要応答除去手段(フィルタ)
15 アナログ−デジタル変換手段(A/D変換器)
41 端末
42 表示器
121 解析手段
122 判定手段
123 周波数帯域制限手段(デジタルフィルタ)
200 開錠(行為A)
201 監視周波数帯域A
202 窓開(行為C)
203 監視周波数帯域C

1 ガラス破壊検知部
2 開閉検知部
3 CPU
4 出力部
6 クロック部
7 電源部
1a 振動センサ部
1b 増幅部
1c 振動解析部
2a リードスイッチ
2b マグネット

Claims (34)

  1. 構造物の振動を検出する振動検出手段、および、前記振動検出手段により取得した振動波形データについて演算処理を行うための演算手段を含み、
    前記演算手段は、前記振動波形データにおける、ピークの絶対値が最大の時点以降の振動波形データについて、減衰波形解析を行う解析手段と、前記解析手段による解析結果に基づき構造物の状態を判定する判定手段とを含む、構造物の状態判定装置。
  2. 前記解析手段は、前記ピークの絶対値が最大の時点から、前記振動の加振時間の所定倍以上の時間経過後の振動波形データの減衰波形解析を行う、請求項1記載の構造物の状態判定装置。
  3. 前記解析手段は、前記ピークの絶対値が最大の時点から、前記振動の加振時間の0.5倍以上の時間経過後の振動波形データの減衰波形解析を行う、請求項2記載の構造物の状態判定装置。
  4. 前記演算手段は、周波数帯域制限手段を含み、
    前記周波数帯域制限手段は、検知する事象毎に設定された周波数帯域で、前記振動波形データを周波数帯域制限する、請求項1から3のいずれか一項に記載の構造物の状態判定装置。
  5. 前記判定手段は、前記周波数帯域制限手段により周波数帯域制限される周波数帯域毎に、閾値を設けて前記構造物の状態を判定する手段であり、
    前記閾値が、対応する事象の発生を検知する閾値であり、
    前記閾値を基準として、対応する事象の発生を判定する、請求項4記載の構造物の状態判定装置。
  6. 前記判定手段は、複数の周波数帯域で対応する事象の発生を判定する際に、
    特定の事象の発生の判定結果に応じて、次に参照すべき周波数帯域が予め決定されており、前記予め決定された順に前記周波数帯域を参照して判定する、請求項5記載の構造物の状態判定装置。
  7. 前記周波数帯域制限手段の監視周波数帯域が100Hz〜3kHzの範囲である、請求項4から6のいずれか一項に記載の構造物の状態判定装置。
  8. 前記解析手段は、前記振動波形データを、周波数帯域毎に少なくとも15ms以上の範囲において解析する、請求項4から7のいずれか一項に記載の構造物の状態判定装置。
  9. さらに、起動手段を含み、
    前記振動検出手段は、前記起動手段からの出力信号をトリガとして振動の検出を行う、請求項1から8のいずれか一項に記載の構造物の状態判定装置。
  10. 前記起動手段が、赤外線検知手段を含む、請求項9記載の構造物の状態判定装置。
  11. 前記起動手段が、構造物に伝搬する振動信号を検知する手段を含む、請求項9または10記載の構造物の状態判定装置。
  12. 前記振動波形データが、アナログ振動波形データであり、
    さらに、前記アナログ振動波形データについて不要応答を除去するための不要応答除去手段を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の構造物の状態判定装置。
  13. 前記振動波形データが、アナログ振動波形データであり、
    さらに、前記アナログ振動波形データをデジタル振動波形データに変換するためのアナログ−デジタル変換手段を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の構造物の状態判定装置。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の構造物の状態判定装置を含み、
    前記判定手段は、前記解析結果に基づき、外部からの前記構造物への侵入行為を判定する侵入検知装置。
  15. 前記外部からの構造物への侵入行為の判定が、前記構造物の破壊行為、開錠行為および前記構造物内への実際の侵入行為の少なくとも一つの行為の判定である、請求項14記載の侵入検知装置。
  16. 請求項1から13のいずれか一項に記載の構造物の状態判定装置を含み、
    前記判定手段は、前記解析結果に基づき、水道管からの漏水および水道管の破壊の少なくとも一方の状態を判定する漏水検知装置。
  17. 請求項1から13のいずれか一項に記載の構造物の状態判定装置を含み、
    前記判定手段は、前記解析結果に基づき、構造物の劣化を判定する構造物劣化検知装置。
  18. 構造物の振動を検出する振動検出工程、および、前記振動検出工程において取得した振動波形データについて演算処理を行うための演算工程を含み、
    前記演算工程は、前記振動波形データにおける、ピークの絶対値が最大の時点以降の振動波形データについて、減衰波形解析を行う解析工程と、前記解析工程における解析結果に基づき構造物の状態を判定する判定工程とを含む、構造物の状態判定方法。
  19. 前記解析工程において、前記ピークの絶対値が最大の時点から、前記振動の加振時間の所定倍以上の時間経過後の振動波形データの減衰波形解析を行う、請求項18記載の構造物の状態判定方法。
  20. 前記解析工程において、前記ピークの絶対値が最大の時点から、前記振動の加振時間の0.5倍以上の時間経過後の振動波形データの減衰波形解析を行う、請求項19記載の構造物の状態判定方法。
  21. 前記演算工程は、周波数帯域制限工程を含み、
    前記周波数帯域制限工程において、検知する事象毎に設定された周波数帯域で、前記振動波形データを周波数帯域制限する、請求項18から20のいずれか一項に記載の構造物の状態判定方法。
  22. 前記判定工程は、前記周波数帯域制限工程において周波数帯域制限される周波数帯域毎に、閾値を設けて前記構造物の状態を判定する工程であり、
    前記閾値が、対応する事象の発生を検知する閾値であり、
    前記閾値を基準として、対応する事象の発生を判定する、請求項21記載の構造物の状態判定方法。
  23. 前記判定工程において、複数の周波数帯域で対応する事象の発生を判定する際に、
    特定の事象の発生の判定結果に応じて、次に参照すべき周波数帯域が予め決定されており、前記予め決定された順に前記周波数帯域を参照して判定する、請求項22記載の構造物の状態判定方法。
  24. 前記周波数帯域制限工程における監視周波数帯域が100Hz〜3kHzの範囲である、請求項21から23のいずれか一項に記載の構造物の状態判定方法。
  25. 前記解析工程において、前記振動波形データを、周波数帯域毎に少なくとも15ms以上の範囲において解析する、請求項21から24のいずれか一項に記載の構造物の状態判定方法。
  26. 前記振動検出工程に先立ち、さらに、起動工程を含み、
    前記振動検出工程において、前記起動工程における出力信号をトリガとして振動の検出を行う、請求項18から25のいずれか一項に記載の構造物の状態判定方法。
  27. 前記起動工程が、赤外線検知工程を含む、請求項26記載の構造物の状態判定方法。
  28. 前記起動工程が、構造物に伝搬する振動信号を検知する工程を含む、請求項26または27記載の構造物の状態判定方法。
  29. 前記振動波形データが、アナログ振動波形データであり、
    さらに、前記アナログ振動波形データについて不要応答を除去するための不要応答除去工程を含む、請求項18から28のいずれか一項に記載の構造物の状態判定方法。
  30. 前記振動波形データが、アナログ振動波形データであり、
    さらに、前記アナログ振動波形データをデジタル振動波形データに変換するためのアナログ−デジタル変換工程を含む、請求項18から29のいずれか一項に記載の構造物の状態判定方法。
  31. 請求項18から30のいずれか一項に記載の構造物の状態判定方法を含み、
    前記判定工程において、前記解析結果に基づき、外部からの前記構造物への侵入行為を判定する侵入検知方法。
  32. 前記外部からの構造物への侵入行為の判定が、前記構造物の破壊行為、開錠行為および前記構造物内への実際の侵入行為からなる群から選択される少なくとも一つの行為の判定である、請求項31記載の侵入検知方法。
  33. 請求項18から30のいずれか一項に記載の構造物の状態判定方法を含み、
    前記判定工程において、前記解析結果に基づき、水道管からの漏水および水道管の破壊の少なくとも一方の状態を判定する漏水検知方法。
  34. 請求項18から30のいずれか一項に記載の構造物の状態判定方法を含み、
    前記判定工程において、前記解析結果に基づき、構造物の劣化を判定する構造物劣化検知方法。
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