JPH09297892A - ガラス割れ検出装置 - Google Patents

ガラス割れ検出装置

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JPH09297892A
JPH09297892A JP8355074A JP35507496A JPH09297892A JP H09297892 A JPH09297892 A JP H09297892A JP 8355074 A JP8355074 A JP 8355074A JP 35507496 A JP35507496 A JP 35507496A JP H09297892 A JPH09297892 A JP H09297892A
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wave
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glass
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JP8355074A
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Hirotsugu Ishino
博継 石野
Akira Kurahashi
晃 倉橋
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Denso Corp
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    • GPHYSICS
    • G08SIGNALLING
    • G08BSIGNALLING OR CALLING SYSTEMS; ORDER TELEGRAPHS; ALARM SYSTEMS
    • G08B13/00Burglar, theft or intruder alarms
    • G08B13/02Mechanical actuation
    • G08B13/04Mechanical actuation by breaking of glass

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Burglar Alarm Systems (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス割れ検出の確度を高めること。 【解決手段】マイク1 はガラス割れ音を電気信号に変換
し,HPF3,13はそれぞれ電気信号の2kHz,150Hz以上の高周
波成分を取り出す。続いて半波整流回路11, アンプ2 は
それら信号をそれぞれ半波整流, 増幅する。このアンプ
2出力を平滑化回路51,52 により平滑化し, 平滑化回路
51の出力が所定値に達するとトリガ回路12は起動パルス
をCPU10 の起動端子に出力する。CPU10 は起動パルスに
より起動され, 平滑化回路51,52 の各出力を入力し,A/D
コンバータによりそれぞれデジタル信号に変換して30ms
ec間の積分値を求めてRAM に記憶し,ROMに記憶されたプ
ログラムに基づいて, 平滑化回路52の出力の積分値に対
する平滑化回路51の出力の積分値の比を算出する。その
比の値が所定範囲内にある時, 検出した音波がガラス割
れ音の第一波であると判定し, 外部にガラス割れ検出信
号7 を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用盗
難防止装置のセンサ、家庭用防犯装置のセンサ、プラン
ト等の設備の異常検出装置のセンサなどに用いられるガ
ラス割れ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば車両などに用いられるガラ
ス割れ検出装置では、硬質物などの衝突によりガラスが
割れた瞬間に発生する第一波と、ガラス破片の飛散によ
って第一波の後に発生する第二波を検出してガラス割れ
を判定していた。代表的なガラス割れ音の時間波形を図
11に示す。図11に示されるようにガラス割れ音は、
比較的振幅が大きく、継続時間の短い第一波と、比較的
振幅が小さく、継続時間の長い第二波とで構成されてい
る。このガラス割れ音の特性を利用した検出方法として
は主に4つの開示技術が知られている。その第一の開示
技術は、第一波によりトリガ回路を作動させ、第二波を
複数の周波数フィルタにより周波数解析し、各周波数帯
域の電圧レベルが予め定められた閾値を越えたか否かに
よりガラス割れを判定するという技術である(USP413410
9)。第二の開示技術は、3 〜4kHzのガラス割れ音とドア
やガラスの開きによって発生する1 〜2Hz の圧力変化と
を検出して、両者の論理和からガラス割れを検出すると
いう技術である(USP4853677)。第三の開示技術は、圧電
素子を用いて4 〜8kHzの音を検出し、予め定められた閾
値より検出音の信号レベルが大きければ、ガラス割れと
判定するという技術である(USP4837558)。第四の開示技
術は、100kHzをこえる超音波域をモニタし、モニタした
レベルが予め定めた閾値より大きければ、ガラス割れと
判定するという技術である(特表平4-500727号公報)。
これらの開示技術は、いずれも周波数領域の相違はある
ものの、検出した音の信号レベルを予め定めた閾値と比
較して、その信号レベルが閾値より大きければガラス割
れと判定し、異常信号を出力するという技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
開示技術は、基本的に音のレベルの大小からガラス割れ
音を検出するものである。このため、実際にガラスの割
れ方の違いによってガラス割れ音の周波数成分が様々に
変化することから、各周波数成分に応じて閾値を設定す
ることが困難である。又、適正な閾値のチューニングを
行わないで検出装置を作動させると、ガラス割れ検出の
確度が低下してしまうという問題がある。
【0004】従って、本発明の第一の目的は、上記課題
に鑑み、第一波の高周波成分の強度割合が、軟質物の打
撃による高周波成分の強度割合と硬質物の打撃による高
周波成分の強度割合との中間に位置するということに着
目し、音波の信号レベルの大小やガラスの割れ方、或い
は打撃物の種類などに係わりなく、確度よくガラス割れ
を検出でき、チューニングの容易なガラス割れ検出装置
を実現することである。又、第二の目的は、ガラス割れ
音の第二波が第一波に比較して減衰しにくく、継続時間
が長いという特性を利用し、確度よく検出できるガラス
割れ検出装置を実現することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】音波を電気信号に変換
し、その特定の周波数成分の信号レベルが所定の閾値に
達するか否かでガラス割れを判定するという従来の技術
では、確度よくガラス割れを検出することができなかっ
たが、音波に含まれる高周波成分の強度割合の程度を検
出することでガラス割れ検出の確度を高めることができ
る。図9は、硬質物(キーチェイン、コイン、鋼球)に
よる打撃音、軟質物(テニスボール)による打撃音、及
び自動ポンチや緊急ハンマによるガラス割れ音の第一波
のそれぞれの高周波成分の強度割合を測定した図であ
る。図9の横軸は、音波の信号レベルが基準値に達して
から30msec間における20Hz以上の周波数成分(以下、全
域周波数成分と呼ぶ)の加算値(積分値)を意味し、縦
軸は同じ時間期間における2kHz以上の周波数成分(以
下、高周波成分と呼ぶ)の加算値(積分値)を意味し、
それぞれ1目盛りが19mVを意味している。尚、図中の鋼
球による打撃とは、直径25cm、重量65kgの鋼球を高さ70
cmの位置から振り子状に落下させたときの打撃音を意味
する。又、参考として外部ノイズのデータもプロットし
た。図9は、全域周波数成分に対する高周波成分の比に
よって、音波に含まれる高周波成分の強度割合の程度を
表している。即ち、図9において傾きが大きくなるほど
高周波成分の強度割合の程度が大きくなり、傾きが小さ
くなるほど高周波成分の強度割合の程度が小さくなる。
【0006】使用するマイクの感度や受音回路のアンプ
ゲインなどにより全域周波数成分及び高周波成分の加算
値は変化するが、図9に示されるように硬質物による打
撃音では高周波成分の比率が高くなる傾向にあり、軟質
物による打撃音では高周波成分の比率が低くなる傾向に
ある。又、ガラス割れ音の高周波成分の比率は両者の中
間に位置する傾向にある。図9より硬質物による打撃音
では全域周波数成分の加算値に対する高周波成分の加算
値の比が0.37より大きい範囲にあり、軟質物による打撃
音では全域周波数成分の加算値に対する高周波成分の加
算値の比が0.05より小さい範囲にあることがわかる。
又、ガラス割れ音は、全域周波数成分の加算値に対する
高周波成分の加算値の比が0.05〜0.37の範囲にあること
がわかる。全域周波数成分の加算値が2000( ×19mV) を
越えた場合のデータを図10に示すが、この場合にはガ
ラス割れ音は全域周波数成分の加算値に対する高周波成
分の加算値の比が0.05〜0.48の範囲にあることがわか
る。即ち、全域周波数成分の加算値が2000( ×19mV) 以
下では全域周波数成分の加算値に対する高周波成分の加
算値の比が0.05〜0.37の範囲内にあればガラス割れと判
定し、全域周波数成分の加算値が2000( ×19mV) を越え
たときは全域周波数成分の加算値に対する高周波成分の
加算値の比が0.05〜0.48の範囲内にあればガラス割れと
判定することで、確度よくガラス割れを検出することが
できる。
【0007】又、ガラス割れ音は、打撃のみによる音波
とは異なる減衰特性を有している。図13(a)、
(b)にガラス割れ音及び打撃のみの非割れ音の絶対値
化した波形図をそれぞれ示すが、打撃のみの場合は打撃
後約200(msec) で無音状態となり、ガラス割れが発生し
た場合には200(msec) 後も音が連続的に発生している。
この200(msec) 以前の音が第一波であり、200(msec) 以
降の連続音が第二波である。図25はガラス割れ音の第
一波の初期ピーク値とその後のピーク値を比較して20dB
(=1/10) 減衰した時間の分布 (サンプル数=60)を示した
図であるが、第一波が発生からほぼ20(msec)で20dB減衰
する減衰波形であることがわかる。
【0008】図13(a)に見られるように第二波は、
比較的大きなピークが数カ所発生し、ピーク値を示した
後に急速に減衰する波形と、徐々に減衰する波形とが存
在し、徐々に減衰する波形が急速に減衰する波形より時
間的に長く、全体としては徐々に減衰する緩速減衰の特
性を示している。従って急速に減衰する波形を判定対象
外としても、徐々に減衰する波形を検出することで第二
波の発生の有無を十分に判定することができる。図24
は、徐々に減衰する波形のみの検出時間の分布 (サンプ
ル数=58)を示したものであるが、第二波全体の継続時間
から急速に減衰する部分の時間を差し引いても第二波を
判定するために十分な検出時間があることがわかる。こ
のことから第二波の急速に減衰する波形を判定対象外と
し、徐々に減衰する波形を判定対象として、第一波を検
出してから第一波が十分に減衰した後(200msec後) の、
電気信号の減衰特性を利用することでガラス割れ音と打
撃音とを識別することができる。
【0009】本発明は上記の実験及び検討に基づいて成
されたものであり、請求項1に記載の手段を採用するこ
とができる。この手段によると、検出手段により音波を
電気信号に変換し、第一演算手段により電気信号が所定
の値に達した時点から第一所定時間期間内における電気
信号の高周波成分の強度割合の程度を算出する。そして
第一波判定手段により高周波成分の強度割合の程度が所
定の範囲内にあるときに第一波と判定し、出力手段によ
り少なくとも第一波判定手段による第一波の判定に基づ
いてガラス割れの判定信号を出力する。これにより音波
の高周波成分の強度割合の程度を算出するので、その値
に基づいて検出音がガラス割れ音の第一波であるか、硬
質物或いは軟質物による打撃音であるかが上述の理由に
より識別することができ、確度よくガラス割れ音を検出
することができる。
【0010】又、請求項2に記載の手段によれば、検出
手段に第一の周波数以下の周波数を阻止する第一の低域
阻止フィルタを備え、音波を電気信号に変換して第一の
低域阻止フィルタに入力し、その入力信号を第二の電気
信号とする。そして第一の低域阻止フィルタの出力信号
を検出手段の第一の電気信号とする。この第一、第二の
電気信号に基づいて第一演算手段により検出音に含まれ
る高周波成分の強度割合の程度を算出する。これにより
第二の電気信号が検出音の全域周波数成分を意味し、第
一の電気信号が検出音の高周波成分を意味するので、第
一演算手段はこの2つの電気信号を得て、検出音に含ま
れる高周波成分の強度割合の程度を具体的に検出するこ
とができ、請求項1に記載の手段と同等の効果を得るこ
とができる。
【0011】請求項3に記載の手段によれば、検出手段
に、所定の第一の周波数以下の周波数を阻止する第一の
低域阻止フィルタと、第一の周波数より所定の低い第二
の周波数以下の周波数を阻止する第二の低域阻止フィル
タとを備える。そして第一、第二の低域阻止フィルタの
出力信号をそれぞれ第一、第二の電気信号として出力
し、この第一、第二の電気信号に基づいて第一演算手段
により検出音に含まれる高周波成分の強度割合の程度を
算出する。ガラスの装着方法、破壊道具、ガラスの割り
方等によって検出音の低周波成分にばらつきが生じる
が、この手段では第一の低域阻止フィルタと同様に第二
の低域阻止フィルタにより低周波成分を除去するので、
ガラス割れをより確度良く検出することができる。
【0012】請求項4に記載の手段によれば、第一所定
時間期間内おける第二の電気信号の積分値に対する第一
の電気信号の積分値の比を、検出音に含まれる高周波成
分の強度割合の程度とする。これにより検出音に含まれ
る高周波成分の強度割合の程度をより具体的に把握する
ことができ、ガラス割れの検出精度が向上する。
【0013】請求項5に記載の手段によれば、第一演算
手段に第一、第二の電気信号を整流して平滑化する平滑
手段を備え、平滑化された第一、第二の電気信号に基づ
いて第一所定時間期間における高周波成分の強度割合の
程度を算出する。これにより検出音に含まれる高周波ノ
イズを除去することができ、より高精度なガラス割れ検
出を行うことができる。
【0014】請求項6に記載の手段によれば、第一演算
手段により算出された第二の電気信号の積分値に対する
第一の電気信号の積分値の比が0.05以上0.37以下である
とき、第一波判定手段によりガラス割れ音の第一波と判
定する。これにより音波に含まれる高周波成分の強度割
合の程度に基づいてガラス割れ音の第一波を判定する基
準が明確になるので、ガラス割れを確度良く判定するこ
とができる。
【0015】請求項7に記載の手段によれば、第二の電
気信号の積分値が所定値以上の場合には、第一演算手段
により算出された第二の電気信号の積分値に対する第一
の電気信号の積分値の比が0.05以上0.48以下であると
き、第一波判定手段によりガラス割れ音の第一波と判定
する。これにより第二の電気信号の積分値がより大きな
値になったときにおいても、音波に含まれる高周波成分
の強度割合の程度に基づいてガラス割れ音の第一波を判
定する基準が明確になり、ガラス割れを確度良く判定す
ることができる。
【0016】請求項8に記載の手段によれば、第一演算
手段に音波の減衰の程度を算出する減衰量算出手段を備
え、第一波判定手段は、減衰量算出手段により算出され
た減衰の程度に応じて、且つ高周波成分の強度割合の程
度が所定範囲内にあるときに第一波と判定する。これに
よりガラス割れ音の第一波は所定時間内で特徴ある減衰
特性を示すことが知られているので、音波の減衰の程度
と、高周波成分の強度割合の程度とに基づいてガラス割
れ音の第一波を検出することで、ガラス割れ検出の確度
をより向上させることができる。
【0017】請求項9に記載の手段によれば、減衰量算
出手段に最大ピーク値検出手段と相対レベル算出手段と
を備える。そして最大ピーク値検出手段により電気信号
の最大ピーク値を検出し、相対レベル算出手段により検
出手段からの電気信号が所定の値に達した後の第二所定
時間後における最大ピーク値に対する電気信号の比から
音波の相対レベルを算出する。そして相対レベルが所定
レベルを下回り、且つ高周波成分の強度割合の程度が所
定の範囲内にあるとき、第一波判定手段により第一波と
判定する。これにより請求項8に記載の手段をより具体
的に実現でき、ガラス割れ音の第一波は所定時間内で特
徴ある減衰特性を示すことが知られているので、音波の
相対レベルと音波に含まれる高周波成分の強度割合の程
度とを用いてガラス割れ音の第一波を検出することで、
ガラス割れ検出の確度をより一層高めることができる。
【0018】請求項10に記載の手段によれば、第一波
判定手段により第一波を判定した後の第三所定時間期間
内において、第二波判定手段により電気信号が所定の閾
値を越える程度が所定値に達したときにガラス割れの第
二波と判定する。そして第一波判定手段による第一波の
判定と第二波判定手段による第二波の判定とに基づい
て、出力手段によりガラス割れの判定信号を出力する。
これにより電気信号が所定の閾値を越える部分を計測し
ているので、第一波に比べて急速減衰波形が繰り返され
て全体として継続時間が長くなるという特性を有するガ
ラス割れ音の第二波を効果的に検出することができ、こ
の第二波の検出結果を踏まえてガラス割れを判定するこ
とで、ガラス割れ検出確度のさらなる向上を実現でき
る。
【0019】請求項11に記載の手段によれば、第三所
定時間期間において、第一波判定手段により第一波が検
出された場合には、補正手段により電気信号が所定の閾
値を越える程度を所定量だけ減算補正する。これにより
いたずら等により連続した打撃音が発生した場合に、最
初の打撃音で第一波と判定しても2番目の打撃音の減衰
特性から第一波と同程度の減衰特性を有すると判定し、
電気信号が所定の閾値を越える程度を所定量だけ減算補
正することで、いたずら等による打撃音によって第二波
と判定することを防止でき、ガラス割れ検出の確度を高
めることができる。
【0020】請求項12に記載の手段によると、検出手
段により音波を電気信号に変換し、その電気信号を用い
て第一波判定手段により第一波の有無を判定する。そし
て第一波判定手段により第一波が検出された後の所定時
間期間において、第二演算手段により検出手段の出力す
る電気信号が所定レベルを越えている程度を演算する。
この電気信号が所定レベルを越えている程度が所定値を
越えたときに、判定手段により第二波が発生したものと
判断し、ガラス割れの判定信号を出力する。これにより
従来のように周波数成分を用いた検出ではなく、第一波
が検出された後の所定時間期間における音波の所定レベ
ルを越えた程度を用いて第二波を判定している。即ち、
図13(a)に示されるように飛散したガラスが落下
し、砕け散るときに発生する音波(第二波)の特徴であ
る、徐々に減衰する波形を検出することができるため、
ガラス割れ検出の確度を高めることができる。
【0021】請求項13に記載の手段によれば、第一波
判定手段により第一波が判定された後の所定時間期間に
おいて、第一波判定手段により異なる第一波が検出され
た場合には、第二演算手段により演算された電気信号が
所定レベルを越えている程度を、第一補正手段により所
定値だけ減算補正する。これによりいたずら等による連
続した打撃音が発生した場合に、最初の打撃音で第一波
と判定しても、2番目の打撃音の減衰特性から第一波と
同程度の減衰特性を有すると判定し、電気信号が所定レ
ベルを越えている程度を減算補正するので、いたずら等
による連打によって第二波と判定することを防止でき、
ガラス割れ検出の確度をより高めることができる。
【0022】請求項14に記載の手段によれば、第一波
判定手段による判定、及び第二演算手段による演算が実
行されていない期間における検出手段の出力する電気信
号のレベルに基づいて所定レベルを決定する。これによ
りバックグラウンドノイズと第二波との識別を確実に行
うことができる。
【0023】請求項15に記載の手段によれば、第一波
が検出された後の検出手段が出力する電気信号におい
て、成分比演算手段により所定の第一の周波数以上の高
域周波数成分の強度割合に関連した値を演算する。そし
て成分比演算手段により演算された値に基づいて第二補
正手段により、高域周波数成分の強度割合が所定範囲に
存在する程度に応じて、検出手段からの電気信号が所定
レベルを越えている程度を補正する。これによりガラス
割れ音の第二波では打撃音に比較して高周波成分の比率
が大きいことを利用して、高域周波数成分の強度割合に
関連した値に基づいて検出手段からの電気信号が所定レ
ベルを越えている程度を補正することで、周波数の観点
から第二波であることの確度が反映されるため、さらに
第二波を確度よく検出することができる。
【0024】請求項16に記載の手段によれば、第二補
正手段により高域周波数成分の強度割合が所定範囲に存
在する期間のみ、第二演算手段による演算を許可する。
これにより高域周波数成分の強度割合が所定範囲に存在
しない場合には、即ち周波数の観点から第二波と思われ
ない場合には、検出手段からの電気信号が所定レベルを
越えている程度を第二演算手段により演算することを停
止させているので、ガラスの飛散により生じる第二波の
特徴の抽出の精度を向上させることができる。
【0025】請求項17に記載の手段によれば、検出手
段に第一の周波数以下の周波数を阻止する第一の低域阻
止フィルタを備え、音波から変換された電気信号を第一
の低域阻止フィルタに入力し、第一の低域阻止フィルタ
の出力信号を検出手段の出力する電気信号とする。一般
にはガラスの装着状況、ガラスの割り方、破壊道具の硬
度などの変化により、ガラス割れ音の低周波成分が変化
するが、この手段を採用することで低周波成分を除去で
き、ガラス割れ音の低周波成分のばらつきを除去でき
る。
【0026】請求項18に記載の手段によれば、検出手
段に第一の周波数以下の周波数を阻止する第一の低域阻
止フィルタと、第一の周波数より低い所定の第二の周波
数以下の周波数を阻止する第二の低域阻止フィルタとを
備える。そして成分比演算手段により第一の低域阻止フ
ィルタ及び第二の低域阻止フィルタの出力する電気信号
の積分値に応じて、高域周波数成分の強度割合に関連し
た値を演算する。 これにより第二の低域阻止フィルタ
の出力する電気信号の積分値に対する第一の低域阻止フ
ィルタの出力する電気信号の積分値の比をとることで、
請求項15に記載の手段をより具体的に実現することが
できる。
【0027】請求項19に記載の手段によれば、検出手
段の出力する電気信号を整流した後に平滑化する平滑手
段を第二演算手段に備え、第二演算手段は平滑手段の出
力信号に基づいて電気信号が所定レベルを越えている程
度を演算する。これにより高周波ノイズを除去すること
ができ、第二波の判定の確度を高めることができる。
【0028】請求項20に記載の手段によれば、第一波
判定手段により検出手段の出力する電気信号に含まれる
衝撃波の減衰特性に応じて第一波の有無を判定する。こ
れにより音波の特定周波数帯域の信号レベルの大小から
第一波の有無を判定するのではなく、その減衰特性から
第一波を判定するために、確度よく第一波を検出するこ
とができる。
【0029】請求項21に記載の手段によれば、検出手
段の出力する電気信号の衝撃波の最大ピーク値を検出す
る最大ピーク検出手段を第一波判定手段に備える。そし
て最大ピーク値に対する平滑手段の出力する電気信号の
レベルの比の時間変化特性に基づいて第一波の有無を判
定する。これにより第一波の減衰特性をより具体的に把
握でき、第一波の検出確度を高めることができる。
【0030】請求項22に記載の手段によれば、第一波
判定手段は、検出手段の出力する電気信号に含まれる高
周波成分の強度割合の程度に応じて第一波の有無を判定
する。第一波は高周波成分の強度割合の程度に特徴を有
しており、高周波成分の強度割合の程度に応じて第一波
の有無を確度よく判定することが可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第一実施例)以下、本発明を具体的な実施例に基づい
て説明する。図1は本発明に係わる第一実施例の構成を
示したブロック図である。ガラス割れ検出装置100の
マイク(マイクロフォン)1は、ガラス割れ音を検出
し、ガラス割れ音をその音の大きさに応じた電気信号に
変換する。HPF(ハイパスフィルタ)3(第一の低域
阻止フィルタに相当)は、マイク1の出力信号のうち2k
Hz(第一の周波数に相当)以下の周波数成分をカット
し、2kHz以上の周波数成分(以下、高周波成分と記す)
のみを取り出す。HPF13(第二の低域阻止フィルタ
に相当)は、マイク1の出力信号のうち150Hz(第二の
周波数に相当)以下の周波数成分をカットし、150Hz 以
上の周波数成分(以下、全域周波数成分と記す)のみを
取り出す。このHPF13の作用によりガラスの装着や
破壊道具、或いはガラスの割り方等によって発生する低
周波成分のバラツキを除去できる。又、HPF3の作用
においても同様に低周波成分のバラツキを除去すること
ができる。このHPF3、13とマイク1とが検出手段
に相当し、HPF3、13の各出力が第一、第二の電気
信号にそれぞれ相当する。
【0032】HPF3及び13の後段には半波整流回路
11及びアンプ2がそれぞれ設けられている。半波整流
回路11及びアンプ2は高周波成分及び全域周波数成分
をそれぞれ半波整流及び増幅し、平滑化回路51、52
に出力する。尚、アンプ2はマイク1の特性に応じた増
幅率があればよく、必要がなければ設けなくともよい。
半波整流回路11及び平滑化回路51、52が平滑手段
に相当する。平滑化回路51、52ではアンプ2のそれ
ぞれの出力を平滑化してCPU10(第一演算手段、第
一波判定手段、及び出力手段に相当)のA/Dコンバー
タに出力する。平滑化回路51の出力はトリガ回路12
にも入力されている。トリガ回路12は、平滑化回路5
1の出力値が所定の値に達したときのみ起動パルスをC
PU10の起動端子に出力し、CPU10を起動させ
る。CPU10はトリガ回路12からの起動パルスによ
り起動し、平滑化回路51の出力(高周波成分の平滑
値)及び平滑化回路52の出力(全域周波数成分の平滑
値)をA/Dコンバータによりデジタル信号に変換し、
所定の期間における積分値(加算値)を算出する。そし
てそれらの積分値をRAMに記憶し、ROMに記憶され
たプログラムに基づいて、後述するソフト処理により全
域周波数成分の積分値に対する高周波成分の積分値の比
率(強度割合に相当)が所定の範囲内にあるときにガラ
ス割れ音の第一波と判定し、外部にガラス割れ検出信号
7(判定信号に相当)を出力する。
【0033】上記構成から成るガラス割れ検出装置10
0のCPU10の処理フローを図2を用いて説明する。
まず平滑化回路51の出力信号が所定の値に達すると、
トリガ回路12が起動し、CPU10の起動端子に起動
パルスを出力する。これによりCPU10が起動され、
平滑化回路51、52のそれぞれの出力信号をデジタル
値に変換し、30msec(第一所定時間期間に相当)間だけ
加算する (ステップ200)。即ち、平滑化回路51、52
の出力信号の積分値を求める。尚、ここでは加算時間を
30msecとしているが、ガラス割れ音の第一波が継続する
時間であればよく、20〜50msecの任意に設定してよい。
次に、平滑化回路52の出力の積分値に対する平滑化回
路51の出力の積分値の比を演算する (ステップ202)。
この演算により全域周波数成分の積分値に対する高周波
成分の積分値の比が求まる。このステップ202 までの処
理が第一演算手段に相当する。
【0034】続いてステップ202 で演算された全域周波
数成分の積分値に対する高周波成分の積分値の比の値
が、規定の範囲内にあるか否かを判定する (ステップ20
4)。即ち、全域周波数成分の積分値が2000( ×19mV) 以
下の場合には、その比が0.05以上0.37以下であれば、検
出した音波がガラス割れ音の第一波であると見なし、ガ
ラス割れ検出信号7を外部に出力し (ステップ206)、ト
リガ回路12からの起動パルス待ちの状態になる (ステ
ップ208)。又、ステップ204 にて全域周波数成分の積分
値が2000( ×19mV) を越えている場合には、その比が0.
05以上0.48以下であれば、検出した音波がガラス割れ音
の第一波であると見なし、ガラス割れ検出信号7を外部
に出力し、起動パルス待ちの状態になる。ここで、ステ
ップ204 における処理が第一波判定手段に相当し、ステ
ップ206 における処理が判定手段に相当する。全域周波
数成分の積分値に対する高周波成分の積分値の比が、上
記範囲外のときには検出した音波がガラス割れ音ではな
く、硬質物或いは軟質物による打撃音であると判定し、
ガラス割れ検出信号7を出力せずに、起動パルス待ちの
状態になる (ステップ208)。
【0035】従来は、特定の周波数成分の信号レベルが
所定の値に達しているか否かによってガラス割れ音の第
一波を検出する構成であったためにガラス割れ検出の確
度が低かったが、上記構成とすることによって検出した
音波の高周波成分の強度割合の程度に基づいて判定する
ので、音波の信号レベルの大小に係わりなく、確度良く
ガラス割れを検出することができる。即ち、信号レベル
が所定の値に達した後(トリガ回路12が起動パルスを
出力した後)の所定時間期間(30msec)における全域周波
数成分の積分値に対する高周波成分の積分値の比が、規
定の範囲内にあるか否かによって、検出した音波がガラ
ス割れ音の第一波であるか否かを明確に判定できる。
又、トリガ回路12は、所定の信号レベル以上の音波を
マイク1が受音した場合のみ起動パルスを発生する回路
であり、マイク1に入力される音が所定の値に達しない
限り、CPU10は起動しないため、CPU10の間歇
駆動を実現でき、消費電力を低減できる。尚、上記では
全域周波数成分の積分値に対する高周波成分の積分値の
比によりガラス割れを検出する構成としたが、ガラス割
れ判定の基準はこれに限定されるものではない。例え
ば、全域周波数成分に対する高周波成分の比の積分値
や、全域周波数成分の電力の実効値に対する高周波成分
の電力の実効値の比、或いは整流後の全域周波数成分の
平均値に対する整流後の高周波成分の平均値の比や、低
周波成分(2kHz 以下) の積分値に対する高周波成分の積
分値の比などで、検出音に含まれる高周波成分の強度割
合の程度としてもよい。
【0036】図1に示される構成では、HPF3の後の
信号レベルにより起動パルスを発生する構成としている
が、HPF3の前の信号レベルにより起動パルスを発生
する構成としてもよい。しかしガラス割れ音は通常高周
波成分を含むために、HPF3の後の信号レベルにより
起動パルスを発生する構成とした方が、ガラス割れ音の
発生時により正確に起動パルスを発生させることができ
る。本実施例ではマイク1からの出力信号が5mV 以上あ
る場合にトリガ回路12から起動パルスを発生するよう
に調整されている。尚、ガラス割れ検出装置100は、
HPF3及び13を用いた構成としているが、高周波成
分の比率を測定できる範囲内で、ローパスフィルタやバ
ンドパスフィルタを用いた構成としてもよい。例えば、
図8(a)に示すように通過帯域が互いに異なる複数
(図8(a)では6個)のBPF(バンドパスフィル
タ)21〜26を用いて高周波成分の比率を求めてもよ
い。又、図8(b)に示すように、通過帯域が互いに重
なる複数(図8(b)では4個)のBPF31〜34を
用いて高周波成分を重み付けして比率を求めてもよい。
このように多数のフィルタを備えた場合には、使用する
周波数帯域に合わせて実際のガラス割れ音を測定し、ガ
ラス割れ検出のための高周波成分の比率の範囲を設定す
る必要がある。又、HPF3及び13のそれぞれの後段
に、半波整流回路11を設けて絶対値化した後に平滑化
回路51、52からの出力信号(電圧)を検出する構成
としているが、半波整流回路5の代わりに全波整流回路
を設けてもよい。このように全波整流回路を設けること
で、より音波の検出精度を高くすることができる。平滑
化回路51、52は、受動素子を用いた平滑フィルタを
使用してもよく、又、包絡線検波回路等を使用して、半
波整流回路11、アンプ2、及び平滑化回路51、52
を1つにまとめた構成としてもよい。
【0037】尚、上記実施例ではCPU10の処理によ
ってガラス割れを判定する構成としたが、他の回路構成
でもよい。例えば、図3にCPU10の代わりに積分回
路14、除算回路15、及びウィンドコンパレータ16
を設けて、図1に示される構成と同等の性能を実現しよ
うとするガラス割れ検出装置101の回路構成を示す。
図3における構成のうち積分回路14、除算回路15、
及びウィンドコンパレータ16以外は図1と同一の構成
とした。図3に示されるように平滑化回路51、52の
出力をそれぞれ30msec間だけ積分回路14にて積分し、
平滑化回路51の出力が所定の値に達すると、トリガ回
路12が除算回路15に起動パルスを出力する。この起
動パルスにより除算回路30が起動し、積分回路14が
起動して、30msec間における平滑化回路52側の積分回
路14の出力に対する平滑化回路51側の積分回路14
の出力の比を算出する。ウィンドコンパレータ16で
は、除算回路15から信号を入力し、入力信号の電圧レ
ベルが規定の範囲内に入っているか否かを判定し、入力
信号が規定範囲内にあるとき、検出音がガラス割れ音の
第一波であると判定し、ガラス割れ検出信号7を外部に
出力する。このウィンドコンパレータ16は2つのコン
パレータで構成してもよい。上記構成のうち積分回路1
4及び除算回路15が第一演算手段に相当し、ウィンド
コンパレータ16が第一判定手段及び出力手段に相当す
る。このような構成とすることで、図1に示されるガラ
ス割れ検出装置100と同等の効果を得ることができ
る。
【0038】(第二実施例)図4は、ガラス割れ検出装
置102の構成を示したブロック図である。ガラス割れ
検出装置102のマイク1、HPF3及びCPU10の
構成は第一実施例と同じである。マイク1及びHPF3
が検出手段に相当する。HPF3の後段にはピークホー
ルド回路4(最大ピーク値検出手段に相当)と整流回路
を含む平滑化回路6(平滑手段に相当)とが並列に設け
られいる。ピークホールド回路4はHPF3の出力信号
のゼロトゥピークの最大ピーク値を保持し、平滑化回路
6はHPF3の出力信号を整流後、平滑化し、高域平滑
化出力を得る。ピークホールド回路4及び平滑化回路6
の後段には、それぞれアンプ17、18が設けられてい
る。アンプ17、18はそれぞれピークホールド回路4
及び平滑化回路6の出力を増幅してCPU10のA/D
コンバータに出力する。CPU10のA/Dコンバータ
へは、アンプ17、18を介さないピークホールド回路
4及び平滑化回路6のそれぞれの出力信号も入力され
る。尚、アンプ17、18はマイク1の特性に応じた増
幅率があればよく、必要がなければ設けなくともよい。
【0039】アンプ18の出力信号は比較器9にも出力
されている。比較器9ではアンプ18の出力信号を入力
し、その信号レベルが所定値に達するとCPU10の割
り込み端子に起動信号(Hiレベル)を出力し、CPU1
0を起動させる。比較器9は、所定の信号レベル以上の
音波をマイク1が受音した場合のみ起動信号を発生する
ので、マイク1に入力される音波が所定の値に達しない
限り、CPU10は起動しないため、CPU10の間歇
駆動を実現でき、消費電力を低減できる。マイク1の出
力信号は、HPF3の他に平滑化回路8(平滑手段に相
当)にも出力される。平滑化回路8は、HPF3を介さ
ないマイク1の出力信号を入力し、平滑化して全域平滑
化出力を得る。この全域平滑化出力はCPU10のA/
Dコンバータに出力される。CPU10は比較器9から
の起動信号により起動し、高域平滑化出力及び全域平滑
化出力をA/Dコンバータによりデジタル信号に変換す
る。そしてそれらデジタル値をRAMに記憶し、ROM
に記憶されたプログラムに基づいて、後述するソフト処
理によりガラス割れ音の第一波及び第二波を判定し、外
部にガラス割れ検出信号7を出力する。
【0040】続いて上記構成から成るガラス割れ検出装
置102のCPU10の処理フローを図5、6を用いて
説明する。アンプ18の出力信号のレベルが所定値に達
すると比較器9は、CPU10の割り込み端子に起動信
号を出力する。この起動信号が入力されるとCPU10
が起動し、平滑化回路6及びアンプ18からの高域平滑
化出力を20msec(第二所定時間に相当)間だけ積分し
(ステップ300)、平滑化回路8からの全域平滑化出力を
同じく20msec間だけ積分する (ステップ302)。20msecが
経過すると、ステップ304 でYES と判定し、ステップ30
6 にてアンプ17の出力が飽和しているか否かを判定す
る。アンプ17の出力が飽和していない場合は、最大ピ
ーク値としてアンプ17の出力を取り込み (ステップ30
8)、高域平滑化出力としてアンプ18の出力を取り込む
(ステップ310)。
【0041】ステップ306 にてアンプ17の出力が飽和
している場合には、最大ピーク値としてピークホールド
回路4の出力を直接取り込み (ステップ312)、高域平滑
化出力として平滑化回路6の出力を直接取り込む (ステ
ップ314)。尚、本実施例で用いたCPU10のA/Dコ
ンバータは8ビットでその分解能が19mVであり、又、ガ
ラス割れ音によるマイク1からの出力信号が10mV〜2Vの
範囲にあるため、単一のアンプゲインでは飽和すると減
衰比を正確に計測することが困難である。そのため上記
のステップ306 からステップ314 までの処理を行うこと
で、アンプ17の出力が飽和電圧より大きい場合にはア
ンプ17の前の信号を読み込むことで出力値の飽和によ
る精度の低下を防止している。
【0042】このようにして得られた最大ピーク値に対
する高域平滑化出力の比(相対レベルに相当)を算出し
(相対レベル算出手段に相当)、その比の値が0.1(所定
レベルに相当) 以下であるか否かを判定する (ステップ
316)。この判定は、ガラス割れ音の第一波と同程度の減
衰特性を有しているか否かを判定するものである。最大
ピーク値に対する高域平滑化出力の比の値が0.1 より大
きい場合には、検出した音波がガラス割れ音の第一波で
はないものと判断して待機し (ステップ318)、比較器9
に入力する信号レベルが所定値に達したときに処理を再
開する (ステップ320)。最大ピーク値に対する高域平滑
化出力の比が0.1 以下のときは、検出した音波がガラス
割れ音の第一波と同程度の減衰特性を有し、第一波であ
る可能性が高いと判断する。そしてさらに10msec( 計30
msec) 間だけ平滑化回路6の出力である高域平滑化出力
を積分すると共に (ステップ322)、平滑化回路8の出力
である全域平滑化出力を同じ時間だけ積分する (ステッ
プ324)。
【0043】そして30msecが経過すると (ステップ32
6)、全域平滑化出力の積分値に対する高域平滑化出力の
積分値の比を算出し(第一演算手段に相当)、その比の
値が所定の範囲内にあるか否かを判定する (ステップ32
8)。この判定は、音波に含まれる高周波成分の強度割合
の程度から、ガラス割れ音の第一波であるか、打撃音で
あるかを判定するものである。即ち、全域平滑化出力の
積分値が2000( ×19mV) 以下である場合には、上述の比
の値が0.05以上0.37以下であれば検出した音波がガラス
割れ音の第一波であると判定し、図6のステップ330 に
進む。又、全域平滑化出力の積分値が2000( ×19mV) よ
り大きい場合には、上述の比の値が0.05以上0.48以下で
あれば検出した音波がガラス割れ音の第一波であると判
定し、図6のステップ330 に進む。全域平滑化出力の積
分値に対する高域平滑化出力の積分値の比が上記範囲内
でないときは、ガラス割れ音の第一波ではなく、硬質物
或いは軟質物による打撃音であると判定し、比較器9か
ら次の起動信号が出力されるまで待機する。上記のステ
ップ328 までの処理が第一波判定手段に相当する。
【0044】続いて検出した音波がガラス割れ音の第二
波を有しているかどうかを判定するために、まず高域平
滑化出力が所定値(所定の閾値に相当)に達しているか
否かを判定する (ステップ330)。この所定値はバックグ
ラウンドノイズの定数倍で設定されており、本実施例で
は定数を1.1 に設定した。このバックグラウンドノイズ
は、CPU10が起動されていない期間における平滑化
回路51の出力である。又、定数の値は、任意の値に設
定することができるため、動作環境に合わせて設定する
ことでガラス割れ検出の確度を高めることができる。高
域平滑化出力が所定値に達している場合には、所定の第
二波検知期間T0(第三所定時間期間に相当、例えば2000
msec) 内での高域平滑化出力が所定値を越えている(比
較器9の出力信号がHi) ときの累積時間ΣTi を測定す
る (ステップ332)。
【0045】ステップ330 において高域平滑化出力が所
定値に達していないときは、ステップ336 に進み、第二
波検知期間T0 が経過するまで高域平滑化出力が所定値
に達しているか否かを判定する。そして第二波検知期間
T0 に対する累積時間ΣTi の比が0.015 以上であると
き、ガラス割れ音の第二波と同程度の継続性を示したも
のと見なして、検出した音波がガラス割れ音の第二波で
あると判定し( ステップ334)、ガラス割れ検出信号7を
外部に出力する( ステップ338)。第二波検知期間T0 に
対する累積時間ΣTi の比が0.015 に達しないときは、
所定の第二波検知期間T0 が経過するまで累積時間ΣT
i を測定し (ステップ336)、第二波検知期間T0 を過ぎ
た時点で待機状態に戻る (ステップ318)。上記処理のう
ちステップ334 までの処理が第二波判定手段に相当す
る。
【0046】ここでガラス割れ検出装置102のタイミ
ングチャートを図7(a)〜(f)に示す。図7(a)
はマイク1の出力信号を示している。比較的振幅が大き
く、継続時間の短いガラス割れ音の第一波の後に、比較
的振幅が小さく、継続時間の長い第二波が出力されてい
る。図7(b)はピークホールド回路4の出力を示して
おり、図7(a)に対応して第一波の最大ピーク値Vt
で保持されている。この最大ピーク値Vt は第一波の減
衰特性の判定に用いられる。図7(c)は平滑化回路8
の出力、即ち全域平滑化出力を示している。この出力の
30msec間の積分値Lは第一波の高周波成分の強度割合の
程度を算出する際に用いられる。図7(d)は平滑化回
路6の出力、即ち高域平滑化出力を示しており、図7
(c)に示される全域平滑化出力より出力レベルが小さ
い。この出力は、比較器9が起動信号を出力してから20
msec後の出力値Vt が、検出音の相対レベルを検出する
ために用いられる。即ち、最大ピーク値Vt に対する出
力値Vt の比が10分の1 以下であるか否かで、検出音が
ガラス割れ音の第一波と同程度の相対レベルを有してい
るか否かが判定される。又、30msec間の積分値Hが、検
出音の高周波成分の強度割合の程度を算出するために用
いられる。さらに、第一波の検出後に第二波を判定する
際に、検出音の継続性(所定値を越えた累積時間ΣTi
)を把握するために用いられる。
【0047】図7(e)は比較器9の出力を示してお
り、図7(d)に示される高域平滑化出力のアンプ出力
(図4参照)が所定値を越えたときのみ、Hiレベル(起
動信号)を出力している。この出力はCPU10の起動
に用いられると共に、第一波を検出した後の所定の第二
波検知期間T0 の範囲内におけるHiレベルを出力してい
る時の累積時間ΣTi を算出するために用いられる。図
7(f)はCPU10の起動状態を示しており、比較器
9が第一波の検出によって最初にHiレベルを出力したと
きに起動され、図示していないが判定の結果により待機
状態に戻ったときにLow レベルになる。このように図7
よりマイク1の出力信号のレベルに応じてCPU10を
起動させ、第一波及び第二波を判定していることがわか
る。
【0048】このようにピークホールド回路4により検
出音の最大ピーク値を検出し、所定時間後の相対レベル
を算出すると共に、平滑化回路6、8のそれぞれの出力
を用いて所定時間内の検出音に含まれる高周波成分の強
度割合の程度を求め、それらを用いてガラス割れ音の第
一波を判定することで、第一波判定の確度を向上させる
ことができる。又、ガラス割れ音の第一波を判定した後
に、平滑化回路6の出力が所定値を越えたときの累積時
間ΣTi を計測して、検出音の継続性を把握することで
ガラス割れ音の第二波を確度良く検出することができ
る。そして第一波と第二波とを検出したときにガラス割
れ検出信号7を出力する構成としているため、ガラス割
れの検出確度を高めることができる。
【0049】上記実施例では、検出音の最大ピーク値に
対する高域平滑化出力の比を0.1 以下であるときに、ガ
ラス割れ音の第一波の減衰特性を有していると判定し
た。この0.1 という値は、判定時刻(CPU10が起動
されてから判定するまでの時間、本実施例では20msec)
やマイク1の感度、或いは平滑化回路6の特性に応じて
適切に設定されるべき値であり、それぞれの条件により
変化する値である。又、上記実施例では、CPU10が
起動してから20msec後における最大ピーク値に対する高
域平滑化出力の比が所定値に達しているか否かでガラス
割れ音の第一波を判定する構成としたが、検出音の減衰
特性に基づいて第一波の判定を行う構成であれば他の方
法を用いて判定してもよい。例えば、最大ピーク値に対
する高域平滑化出力の比が0.1 以下になるまでの経過時
間が20msec以内のときに、検出音をガラス割れ音の第一
波と判定する構成としてもよい。又、CPU10が起動
してからの検出音の相対レベルを判定するまでの経過時
間を20msecとは異なる値に設定して、上記実施例とは異
なる相対レベルの判定基準( 上記実施例では0.1)を設け
て、第一波を検出する構成としてもよい。さらに検出音
の減衰時の時定数から第一波を判定する構成としてもよ
く、検出音の減衰特性に応じてガラス割れ音の第一波を
検出する構成であればよい。尚、上記実施例ではガラス
割れ音の第一波を検出する際に、検出した音波の減衰特
性を用いて判定した後に、高周波成分の強度割合の程度
を用いて判定する構成としたが、最初に高周波成分の強
度割合の程度で判定し、その後に減衰特性で判定する構
成としてもよい。
【0050】又、第二波検知期間T0 に対する累積時間
ΣTi の比を用いて第二波を判定する構成としたが他の
方法を用いてもよい。例えば、第二波検知期間T0 内で
累積時間ΣTi が所定の値に達したとき、或いは所定値
を越えた高域平滑化出力の積分値が所定の閾値に達した
ときに第二波と判定する構成としてもよい。或いは高域
平滑化出力が所定値を越えた回数や、高域平滑化出力が
所定値を越えた部分の積分値などを用いて第二波を判定
してもよく、高域平滑化出力が所定値を越えた程度を識
別できる指標であればよい。上記実施例では、第一波を
判定した後に第二波を判定し、第二波を判定した時点で
ガラス割れ検出信号7を出力する構成としているが、検
出音の減衰特性と高周波成分の強度割合の程度とを用い
て第一波を判定する構成であるため、第一波と判定され
た時点で検出音がガラス割れ音である可能性が高い。よ
って検出音の減衰特性、高周波成分の強度割合の程度、
及び継続性を重み付けした加算値を求め、その値に対す
る閾値を設け、その加算値と閾値との関係によりガラス
割れを検出する構成としてもよい。
【0051】尚、上記実施例ではガラス割れ音の第一波
を検出する際に、検出した音波の減衰特性と、高周波成
分の強度割合の程度とを用いて判定する構成としたが、
いずれか一方を用いて第一波を判定してもよい。又、上
記実施例では、検出した音波の減衰特性と、高周波成分
の強度割合の程度とを用いた第一波の判定と、検出音の
継続性を用いた第二波の判定とに基づいてガラス割れを
判定する構成としたが、第二波の判定をせずに、減衰特
性と高周波成分の強度割合の程度とを用いた第一波だけ
でガラス割れを判定する構成としてもよい。
【0052】(第三実施例)図12は、本発明に係わる
第三実施例としてのガラス割れ検出装置103の構成を
示したブロック図である。図12において、マイク1、
HPF3、半波整流回路11、アンプ2、及びCPU1
0は図1の構成と同一である。アンプ2はマイク1の特
性に応じた増幅率を持たせればよく、必要がなければ設
けなくともよい。HPF3が第一の低域阻止フィルタに
相当し、マイク1及びHPF3が検出手段に相当する。
アンプ2の後段には平滑化回路5(平滑手段に相当)及
びピークホールド回路4が設けられている。平滑化回路
5はアンプ2の出力信号を平滑化し、第一の平滑値をC
PU10に出力する。この平滑化回路5と半波整流回路
11とが平滑手段に相当する。ピークホールド回路4
(最大ピーク値検出手段に相当)はアンプ2の出力信号
のゼロトゥピークの最大ピーク値を所定時間以上、例え
ば20msec以上保持し、CPU10に出力する。CPU1
0は、ピークホールド回路4からの最大ピーク値及び平
滑化回路5からの第一の平滑値をA/Dコンバータによ
りデジタル値に変換し、それらデジタル値をRAMに記
憶し、ROMに記憶されたプログラムに基づいて後述す
るソフト処理によりガラス割れ音の第一波及び第二波を
判定し、第二波を判定した時点で外部にガラス割れ検出
信号7を出力する。このCPU10は、第一波判定手
段、判定手段及び第一補正手段に相当し、半波整流回路
11、平滑化回路5、及びCPU10が第二演算手段に
相当する。
【0053】上記構成から成るガラス割れ検出装置10
3のCPU10の処理フローを図14〜図16を用いて
説明する。まず平滑化回路5から第一の平滑値を読み込
み (ステップ500)、第一の平滑値が所定の基準値より大
きいか否かを判定する (ステップ502)。第一の平滑値が
基準値より小さい場合は判定の対象となる音波が発生し
ていないと判断し、バックグラウンドノイズを取り込ん
で( ステップ510)、ステップ500 に戻る。ステップ502
にて第一の平滑値が基準値より大きいときはガラス割れ
音の第一波が立ち上がったと判断し、減衰判定を行う。
ここでバックグラウンドノイズは、第一波判定手段によ
る判定、及び第二演算手段による演算が実行されていな
い期間における検出手段の出力する電気信号に相当し、
ステップ502 における基準値は取り込まれたバックグラ
ウンドノイズのレベルを基準に設定される。ステップ50
2 にて第一の平滑値が基準値より大きいときは10msecだ
け待機し (ステップ503)、ステップ504 に進む。ステッ
プ504 にて10msec間の最大ピーク値を読み込み、10msec
だけ待機して( ステップ505)、第一の平滑値が基準値よ
り大きくなってから20msec後の第一の平滑値の読み込み
を行う (ステップ506)。そして、最大ピーク値に対する
第一の平滑値の比が0.1 以下であるか否か、即ち第一の
平滑値が最大ピーク値の1/10以下であるか否かを判定す
る (ステップ508)。この条件を満たす場合には、検出し
た音波が第一波の減衰特性を示していると判断し、200m
sec 待機する (ステップ512)。ステップ508 でYES と判
定するまでの処理が第一波判定手段に相当する。
【0054】ステップ508 の条件を満たしていない場合
には、検出した音波がガラス割れ音の第一波ではないも
のと見なしてステップ500 に戻る。尚、ステップ512 に
おける200msec の待機は第一波が十分に減衰するために
必要な時間である。ステップ512 にて200msec 待機した
後、第二波が十分に減衰するために必要な時間(2000mse
c)が経過したか否かを判定し (ステップ514)、まだその
時間が経過していなければ、図15のステップ516 に進
み、第一の平滑値を読み込む。ステップ514 にて2000ms
ec経過した場合には第二波が既に減衰されたものと判定
し、最初のステップ500 に戻る。ここで、200msec から
2000msecまでの時間が所定時間期間に相当する。この所
定時間期間は、第一波の判定の後において任意に設定さ
れる。そして第一の平滑値がバックグラウンドノイズ×
定数(所定レベルに相当)の値以上の大きさであるか否
かを判定する (ステップ518)。尚、本実施例ではステッ
プ518 で用いられる定数を1.1 に設定した。
【0055】ステップ518 の条件を満たした場合には、
判定対象となる音波が発生したものと見なして検出フラ
グを立てる( ステップ520)。そしてこの音波の検出中
に、いたずら等により打撃音が発生したときにガラス割
れと判定しないために、第一波と同程度の減衰音が発生
しているか否かを判定する。即ち、検出フラグが立てら
れた後に第一の平滑値を読み込み (ステップ524)、第一
の平滑値が所定の基準値より大きいか否かを判定する
(ステップ526)。ステップ526 の条件を満たしていない
場合には判定対象となる音波が発生していないものと見
なしてステップ534 に進む。ステップ526 にて第一の平
滑値が基準値より大きい場合には判定対象となる音波が
発生しているものと見なして、検出フラグが立てられて
から10msec間の最大ピーク値を検出し (ステップ528)、
検出フラグが立てられてから20msec後の第一の平滑値を
読み込む (ステップ530)。そして最大ピーク値に対する
第一の平滑値の比が0.1 以下であるか否かを判定する
(ステップ532)。
【0056】ステップ532 にて最大ピーク値に対する第
一の平滑値の比が0.1 より大きい場合には第一波の検出
後に減衰音が発生していないと判断し、いたずら等によ
る打撃音の影響がないものと判断してステップ534 に進
む。ステップ532 にて最大ピーク値に対する第一の平滑
値の比が0.1 以下である場合には減衰音が発生している
と判断し、いたずら等による打撃音によりガラス割れと
判定することを防止するため、カウンタ値から20(減算
補正の所定値に相当)を減じる (ステップ533)。このス
テップ533 における処理が第一補正手段に相当する。
尚、このカウンタ値とは、図16に示される1msecの割
り込み処理によりカウントされる値である。即ち、検出
フラグが立っているか否かを判定して (ステップ538)、
検出フラグが立っているときにカウンタ値を1増分する
ことでカウントされる (ステップ540)。よってこのカウ
ンタ値は、検出信号が(バックグラウンドノイズ×定
数)の値に達した時間の累積を意味している。この図1
6に示される処理が第二演算手段に相当する。ステップ
533 にてカウンタ値から20を減じた後、カウンタ値が30
(所定値に相当)に達しているか否かを判定し (ステッ
プ534)、カウンタ値が30に達していなければ図14のス
テップ514 に戻る。ステップ534 にてカウンタ値が30に
達していれば、検出した音波が第二波の徐々に減衰する
緩速減衰特性を示したものと見なしてガラス割れ検出信
号を外部に出力する (ステップ536)。尚、上記処理のう
ちステップ534 、536 における処理が判定手段に相当す
る。
【0057】上記処理をCPU10(図12参照)で行
うことにより、従来のように音波を検出して電気信号に
変換し、その特定周波数成分の信号レベルが閾値に達す
るか否かでガラス割れを検出しようとする構成ではな
く、第一波をその減衰特性から判定し、かつ第二波をそ
の緩速減衰特性から判定することにより、ガラス割れを
確度よく検出することができる。図17は第一波及び第
二波の時間波形を示した波形図であるが、第一の平滑値
が基準値Vt に達すると、最大ピーク値V1 がピークホ
ールド回路4により検出される。そして20msec後の平滑
化回路5からの第一の平滑値V2 が取り込まれ、第一の
平滑値V2 が最大ピーク値V1 の10分の1以下であるか
否かが判定される。これにより最大ピーク値V1 に対す
る第一の平滑値V2 の20msec間での減衰率を把握できる
ため、信号レベルの大小に関わりなく、確度よく第一波
を検出することができる。
【0058】又、第一波の検出後の所定時間期間Aにお
いて、第一の平滑値が所定の(バックグラウンドノイズ
×定数)の値V3 を越えた累積時間から、第二波を確度
よく検出することができる。第二波は比較的大きなピー
ク値が数カ所存在し、ピーク値を示した後に急速に減衰
する波形と、徐々に減衰する波形とで構成される。これ
らのうち徐々に減衰する波形が時間的に長いため、急速
に減衰する波形を判定対象外とし、徐々に減衰する波形
のみを判定対象とすることで第二波を確度よく検出する
ことができる。従って図17に示されるように第二波の
急速に減衰する波形は所定値V3 を下回るが、所定値V
3 を越える部分のみを判定対象とし、この部分が時間的
に長く継続するために、その累積時間を用いることによ
り第二波を確度よく検出することができる。又、この方
法で第二波の検出を実施した結果が図24であり、58個
のサンプル音に対して30msec以上の検出時間が得られて
いる。尚、本実施例では第一の平滑値が所定値V3 を越
えた累積時間を用いて第二波を判定する構成としたが、
所定値V3 を越えた回数、或いは所定値V3 を越えた部
分の積分値(図17の斜線部領域)などで第二波を判定
してもよく、所定値V3 を越えた程度を識別できる指標
であればよい。
【0059】又、いたずら等による打撃音によってガラ
ス割れと判定することを防止できる。図18にいたずら
等によりガラスが連打されたときの時間波形を模式的に
示すが、約200msec 間隔で第二波検出の閾値に達する打
撃音が発生し、各打撃音は20msecで減衰している。この
連打によって最初の打撃音により第一波と判定した場合
には、2つめの打撃音が(バックグラウンドノイズ×定
数)値に達すると累積時間をカウントする。そして累積
時間が所定の30msecに達すると第二波と判定するため、
いたずらによる打撃音をガラス割れと判定してしまう可
能性がある。しかし本実施例では、最初の打撃音で第一
波と判定しても、第二波の減衰特性から第一波と同様の
減衰特性が検出された場合には、その検出に要した20ms
ecの時間をカウンタ値から減じることで、いたずらなど
の連打時において累積時間がカウントされない構成とし
た。これによりカウンタ値がガラス割れの判定に必要な
値(本実施例では30)に累積されることがなく、いたず
ら等による打撃音をガラス割れと判定することを防止で
きる。
【0060】このような構成とすることにより、連打を
ガラス割れと判定することを防止できるだけでなく、例
えば連打の後にガラス割れが生じた場合では確実にガラ
ス割れを検出することができる。図19に連打の後にガ
ラス割れが生じた場合の時間波形図を模式的に示す。こ
の図19において最初の打撃音で第一波と判定しても、
2番目の打撃音からガラス割れの第一波までは、それら
減衰特性が最初の打撃音の減衰特性と同程度と見なされ
累積時間がカウントされない。ガラス割れ音の第二波の
場合は、急速に減衰する第一波とは異なる減衰特性を有
し、徐々に減衰する緩速減衰特性を示しているために、
(バックグラウンドノイズ×定数)値を越えた累積時間
がカウントされ、所定の30msecに達すると第二波と判定
される。このように連打のみの場合にはガラス割れと判
定することがなく、連打の後にガラス割れが発生した場
合にはガラス割れと判定するので、ガラス割れ検出の確
度を向上させることができる。
【0061】図14に示されるフローチャートでは、常
時マイク1(図12参照)の出力信号を監視し、第一の
平滑値が基準値に達しなければ、そのつど現在のマイク
1の出力信号レベルをバックグラウンドノイズとして記
憶する構成としているが、必要に応じてバックグラウン
ドノイズを記憶する構成としてもよい。例えば、一定周
期の矩形波信号を出力する回路を付加し、周期的にCP
U10を起動するようにし、かつマイク1の出力信号が
基準値を越えるときにトリガ信号が発生するような回路
を付加してもよい。そして矩形波信号が出力される毎に
マイク1の出力信号の有無を確認し、マイク1の出力信
号が基準値に達しなければ、現在のマイク1の出力信号
をバックグラウンドノイズとして記憶させ、トリガ信号
があったときにCPU10を連続的に起動させるように
してもよい。これにより常時CPU10を作動させる必
要がなく、ガラス割れ検出装置103の消費電力を低減
させることができる。
【0062】又、バックグラウンドノイズの取り込み方
法としては、多数(例えば8個)のデータを短い周期
(例えば0.1msec)でサンプリングし、そのデータの平均
値をバックグラウンドノイズとして記憶してもよく、或
いは今回検出したバックグラウンドノイズと前回記憶し
たバックグラウンドノイズとの移動平均を演算し、その
平均値をバックグラウンドノイズとして記憶してもよ
い。このようにバックグラウンドノイズの平均化処理を
行うことにより、単発的なノイズを排除でき、安定した
ガラス割れ音の検出が可能となる。マイク1への入力信
号の有無の判定については、本実施例では基準値を5mV
とし、第一の平滑値が5mV以下の場合にはマイク1への
入力信号がなく、第一の平滑値が5mVより大きい場合に
は入力信号があると判定する構成としたが、基準値はア
ンプ2のゲインやマイク1の感度によって決められる必
要がある。
【0063】本実施例では図15に示されるように第二
波の検出のための閾値をバックグラウンドノイズの定数
倍とし、この定数を1.1 としたが、CPU10を用いて
動作環境に合わせてこの定数を任意の値に容易に設定す
ることができ、より確度のよいガラス割れ検出を実施で
きる。又、この処理においてバックグラウンドノイズに
対しても所定の閾値を設け、バックグラウンドノイズが
この閾値以下の場合にバックグラウンドノイズをこの閾
値に設定することで、緩速減衰する打撃音を第二波と判
定することを防止できる。例えば図20に緩速減衰の例
として大きなサイズの窓を軟質物が打撃したときに発生
する減衰波形を示す。図20に示されるようにこの減衰
波形は徐々に減衰するために、バックグラウンドノイズ
の値が小さいとこの打撃音を第二波として検出する可能
性がある。ここで、所定の閾値以下のバックグラウンド
ノイズをその閾値に設定することで、第二波検出のため
の閾値、即ち(バックグラウンドノイズ×定数)の値を
上げることができ、この打撃音を第二波として検出する
ことを防止できる。このバックグラウンドノイズに対す
る閾値は回路ゲインやマイク感度等によって決められる
べき値である。
【0064】上記実施例では、第一の平滑値が基準値に
達して10msec間の最大ピーク値に対する20msec後の第一
の平滑値の比が0.1 以下であるときに第一波を判定して
いるが、第一の平滑値が基準値に達し、最大ピーク値に
対する第一のピーク値の比が0.1 以下になるまでの経過
時間が20msecより短いときに第一波と判定してもよい。
又、この0.1 という値は判定時刻(第一の平滑値が基準
値に達してからの時刻であり、本実施例では20msec)や
平滑化回路5の特性に応じて適正に設定されるべき値で
あり、それぞれの条件により変化する値である。本実施
例では、平滑化回路5により第一の平滑値を検出する構
成としているが、ピークホールド回路4のホールド時間
を短くとり、ピーク値を記憶しておき、その中からサン
プリングしてピーク値の平均値を求め、この平均値を第
一の平滑値の代用として用いてもよい。これによりガラ
ス割れ検出装置103を平滑化回路5を設けない構成と
することができる。又は平滑化回路5の時定数を小さく
して、ピーク値をこの回路から読み込むようにしてピー
クホールド回路4を設けない構成としてもよい。本実施
例では、ピークホールド回路4から出力される最大ピー
ク値と、平滑化回路5から出力される第一の平滑値とを
比較して第一波の判定を行っているが、平滑化回路5の
代わりに、ピークホールド回路4のホールド時間より十
分に短いホールド時間が設定された第二のピークホール
ド回路を用いて最新のピーク値を検出し、最大ピーク値
と最新ピーク値とを比較して第一波を判定する構成とし
てもよい。尚、本実施例では、第一波を検出音の減衰特
性から検出する構成としたが、検出音の周波数特性から
第一波を検出する構成としてもよい。又、周波数特性と
減衰特性とを用いて、第一波を検出する構成としてもよ
い。
【0065】上記のガラス割れ検出装置103における
ピークホールド回路4及び平滑化回路5を、デジタル回
路又はCPUを備えたデジタル回路で構成してもよい。
又、フィルタとしてHPF3を備えた構成としたが、音
波の減衰特性を測定できる範囲内であれば特定の周波数
以上の周波数を阻止するローパスフィルタや特定の周波
数帯域のみの周波数を通過させるバンドパスフィルタを
備えた構成としてもよい。HPF3の後段には、半波整
流回路11を設けて電気信号を絶対値処理する構成とし
ているが、検出精度を高めるために半波整流回路11の
代わりに全波整流回路を設けてもよい。又、HPF3の
後段に整流回路を設けずに、交流波形でのピークトゥピ
ーク値を検出する構成としてもよい。平滑化回路5は、
受動素子を用いた平滑化フィルタを用いてもよく、又、
包絡線検波回路等を使用して、半波整流回路11、アン
プ2、及び平滑化回路5を1つにまとめてもよい。
【0066】(第四実施例)図21は、ガラス割れ検出
装置104の構成を示したブロック図である。第三実施
例の構成にHPF23、半波整流回路24、アンプ2
5、及び平滑化回路26が付加されてガラス割れ検出装
置104が構成されている。ガラス割れ検出装置104
の構成のうちマイク1、HPF3、半波整流回路11、
アンプ2、ピークホールド回路4、及び平滑化回路5の
作用は前述した通りである。HPF23(第二の低域阻
止フィルタに相当)のカットオフ周波数は、HPF3の
カットオフ周波数(2kHz)に対して50Hz(第二の周波数に
相当)と低く設定されており、マイク1の出力信号のう
ち50Hz以下の低周波成分をカットし、50Hz以上の周波成
分のみを取り出す。半波整流回路24は、HPF23の
出力信号を半波整流する。アンプ25は半波整流回路2
4の出力信号を増幅し、平滑化回路26はアンプ25の
出力信号を平滑化し、第二の平滑値をCPU10に出力
する。第一、及び第二の平滑値は、それぞれHPF3、
12を通過した信号の積分値、即ち音の大きさの程度を
意味する。
【0067】ガラス割れ検出装置104をこのような構
成とすることで、異なる周波数成分から成る第一、第二
の平滑値がCPU10に入力され、この第二の平滑値に
対する第一の平滑値の比、即ち高周波成分比を用いてC
PU10では第二波をより確度よく検出することができ
る。例えば、ガラスに対する硬質物と軟質物との複合打
撃の場合の模式的な時間波形図(絶対値処理)を図23
に示すが、硬質物による打撃は振幅が大きく急速に減衰
する波形を示しており、第一波の波形と近似している。
又、軟質物による打撃は振幅が小さく、緩速減衰する波
形を示し、第二波の波形と近似している。よって硬質物
による打撃により第一波と検出し、その200msec 後に軟
質物による打撃により第二波と検出する可能性がある
が、周波数成分の比を用いることで、ガラス割れ音の第
二波であるか、硬質物及び軟質物の複合打撃によるもの
であるかを判定することができる。
【0068】上記構成から成るガラス割れ検出装置10
4のCPU10での処理フローを図22を用いて説明す
る。第一の平滑値を用いて第一波を検出し、200msec 待
機した後、2000msec経過したか否かの判定までは図14
に示される処理フローと同じである。又、カウンタ値を
加算する割り込み処理は図16と同じである。図14の
ステップ514 にて2000msec経過していないと判定される
と、図22のステップ600 に進んで第一の平滑値を読み
込み (ステップ600)、第一の平滑値が(バックグラウン
ドノイズ×定数)の値以上であるか否かを判定する (ス
テップ602)。尚、ステップ602 で用いられる定数は第一
実施例と同様に1.1 に設定した。ステップ602 にて第一
の平滑値が(バックグラウンドノイズ×定数)の値より
小さい場合には、判定対象となる音波が発生していない
と見なし、検出フラグを立てず (ステップ606)、図14
のステップ514 に戻る。ステップ602 にて第一の平滑値
が(バックグラウンドノイズ×定数)の値以上である場
合には、判定対象となる音波が発生していると見なして
検出フラグを立て (ステップ604)、第一の平滑値を読み
込む (ステップ608)。
【0069】次にステップ608 で読み込んだ第一の平滑
値が所定の基準値以上であるか否かを判定し (ステップ
610)、第一の平滑値が基準値以上である場合には、検出
フラグが立てられてから20msec間における周波数の異な
る第一、第二の平滑値をそれぞれサンプリングして加算
し (ステップ612)、第二の平滑値の加算値に対する第一
の平滑値の加算値の比を算出する (ステップ614)。この
ときサンプリングの間隔は、検出時間に対して十分に短
い時間に設定する必要があり、本実施例では1msec間隔
にサンプリングし、移動加算処理にて第一、及び第二平
滑値の加算値をそれぞれ算出した。尚、ステップ614 に
おける処理が成分比演算手段に相当する。又、上記のス
テップ612 、614 の処理と並行して検出フラグが立てら
れてから10msec間の最大ピーク値を保持し (ステップ61
6)、検出フラグが立てられてから20msec後の第一の平滑
値を読み込み (ステップ618)、ステップ620 に進む。
【0070】ステップ620 では、ステップ614 にて算出
された第二の平滑値の加算値に対する第一の平滑値の加
算値の比の値が所定範囲内にあるか否かを判定する。通
常第二波では高周波数成分をある程度含むため、本実施
例ではステップ620における所定範囲を例えば20〜80%
に設定し、第二の平滑値の加算値に対する第一の平滑値
の加算値の比が20〜80% であれば、検出した音波がガラ
ス割れ音の第二波である可能性があると見なしてステッ
プ622 に進む。ここで、第二の平滑値の加算値に対する
第一の平滑値の加算値の比が 0〜20% 、又は80〜100%で
あれば、検出した音波がガラス割れ音ではなく、打撃に
よるものと判定しカウンタ値をクリアして (ステップ62
6)、図14のステップ514 に戻る。このステップ620 か
らステップ626 への処理が第二補正手段に相当する。但
し、ステップ620 における所定範囲は使用するアンプゲ
インにより変化するので、使用回路毎に定める必要があ
る。
【0071】ステップ622 以降は第一実施例と同様の処
理を行う。即ち、最大ピーク値に対する第一の平滑値の
比が0.1 以下であるか否かを判定し (ステップ622)、そ
の比の値が0.1 より大きい場合はステップ638 に進む。
ステップ622 にて最大ピーク値に対する第一の平滑値の
比が0.1 以下である場合には、第一波の後に検出した音
波が硬質物などによる打撃音であると見なしてカウンタ
値から20を減じ (ステップ624)、ステップ638 に進む。
ステップ638 ではカウンタ値が30に達しているか否かを
判定し、カウンタ値が30に達していない場合には、検出
した音波が第二波の徐々に減衰する緩速減衰特性を示し
ていないと見なして図14のステップ514 に戻る。ステ
ップ638 にてカウンタ値が30に達したときに、検出した
音波が第二波の徐々に減衰する緩速減衰特性を示してい
ると見なしてガラス割れ検出信号を出力する (ステップ
640)。
【0072】ステップ610 にて第一の平滑値が基準値に
達していない場合には、第一、第二の平滑値を第二波の
検出ルーチンが起動された後 (ステップ600 以下) の演
算時毎に20msec分だけそれぞれ加算し (ステップ628)、
それぞれの加算値が20msec分だけ加算した値か否かを判
定する( ステップ630)。ステップ630 にて各加算値が20
msec分だけ加算していない場合には成分比の値が正確で
ないのでステップ638に進み、各加算値が20msec分だけ
加算した場合には第二の平滑値の加算値に対する第一の
平滑値の加算値の比を算出する (ステップ632)。そして
ステップ632 で算出された比の値が所定範囲内(15 〜80
%)であるか否かを判定し (ステップ634)、前記比の値が
所定範囲内であるときは、検出した音波がガラス割れ音
の第二波であると見なしてステップ638 に進む。ステッ
プ634 にて第二の平滑値の加算値に対する第一の平滑値
の加算値の比の値が所定範囲内でない場合は、検出した
音波がガラス割れ音の第二波ではなく打撃音であると見
なして検出フラグをクリアして (ステップ636)、図14
のステップ514 に戻る。
【0073】この実施例では、20msec間の加算値を使用
したが、加算時間が長い程正確に高周波成分比率が計算
できるので、第二波中の減衰音の検出に影響を及ぼさな
い範囲でできるだけ長い時間の加算を行うことが望まし
い。CPU10でこのような処理を行うことにより、周
波数の異なる第一、第二の平滑値の加算値の比を用いる
ことで、第一実施例で得られる効果に加えて、硬質物及
び軟質物の複合打撃によってガラス割れと判定すること
を防止できる。上記実施例では、第一波を検出した後
に、検出した音波が基準レベル(バックグラウンドノイ
ズ×定数)を越え、かつ、高周波成分比が所定範囲に存
在する時の時間を計測するようにしているが、高周波成
分比が所定範囲に存在する時間の累積値が大きいほど第
二波である確度が高いので、その累積値と前述のカウン
タ値とを総合的に判断して第二波であるか否かを判定す
るようにしてもよい。尚、本実施例では、カットオフ周
波数がそれぞれ2kHz、50Hzのハイパスフィルタを用いた
構成としたが、第一実施例と同様に通過帯域の異なる複
数のBPFを用いて周波数成分比率を求めてもよく、
又、通過帯域が互いに重なる複数のBPFを用いて周波
数成分比率を求めてもよい。このように多数のフィルタ
を備えた場合には、使用する周波数帯域に合わせて、実
際の割れ音を測定し、閾値を決める必要がある。
【0074】(第五実施例)図26は、ガラス割れ検出
装置105の構成を示したブロック図である。図26に
おいて、マイク1、HPF3、アンプ2、トリガ回路1
2、及びCPU10は図1の構成と同じであり、これら
の作用は前述した通りである。HPF3とアンプ2との
間には半波整流及び平滑回路19(平滑手段に相当)が
設けられ、HPF3により2kHz以下の周波数成分がカッ
トされた信号が回路19により半波整流して絶対化され
ると共に、平滑化されてアンプ2に出力される。アンプ
2によって増幅された信号は、高域平滑出力aとしてC
PU10に出力される。又、アンプ2の出力信号は、そ
の後段に設けられたアンプ21に出力される。尚、アン
プ2は、マイク1の特性に応じた増幅率を持たせればよ
く、必要がなければ無くともよい。
【0075】アンプ21は、アンプ2で増幅した出力信
号(音圧又は電圧)が小さい場合にこれをさらに増幅す
るものである。このアンプ21で増幅された信号は高域
アンプ平滑出力bとしてCPU10に出力されると共
に、トリガ回路12に出力される。トリガ回路12は、
アンプ21の出力が所定の値に達したときのみ起動パル
スをCPU10の起動端子に出力し、CPU10を起動
させる。マイク1により検出された信号は、HPF3の
他に半波整流及び平滑回路29(平滑手段に相当)にも
出力され、この信号はこの回路29により半波整流して
絶対化されると共に、平滑化されてその後段に設けられ
たアンプ22により増幅され、全域平滑出力cとしてC
PU10に出力される。CPU10は、トリガ回路12
からの起動パルスによって起動し、入力した各平滑出力
a、b及びcをA/Dコンバータによりデジタル信号に
変換し、所定期間における積分値(加算値)及び最大ピ
ーク値を算出し、それら値をRAMに記憶し、ROMに
記憶されたプログラムに基づいて、後述する処理を行う
ことによりガラス割れを判定し、外部にガラス割れ検出
信号7を出力する。このように本実施例では、ピークホ
ールド回路を備えず、CPU10での内部処理によって
ピーク値を求める構成としている。
【0076】続いて、上記構成から成るガラス割れ検出
装置105のCPU10の処理フローを図27〜図29
を用いて以下に説明する。まず、図27においてアンプ
21の出力信号が所定の値に達すると、トリガ回路12
が起動し、CPU10の起動端子に起動パルスを出力す
る。これによりCPU10が起動され、高域アンプ平滑
出力bを取り込み (ステップ700)、bの値が飽和してい
るか否かを判定する (ステップ702)。bの値が飽和して
いる場合には高域平滑出力aを取り込み (ステップ70
4)、bの値が飽和していない場合には高域アンプ平滑出
力bを取り込む (ステップ706)。このステップ702 〜70
6 の処理は、高域アンプ平滑出力bの値が飽和していな
ければその値を用い、bの値が飽和していれば飽和して
いないaの値を用いて信号の飽和による検出精度の低下
を防止する処理である。この処理は、本実施例中では起
動時のみ実行することになっているが、値を取り込む毎
に実施した方が精度の高い処理が可能となる。そして、
ステップ704 、706 にて取り込んだ値が基準値以上であ
るか否かを判定し (ステップ708)、その値が基準値より
小さい場合には判定の対象となる音波が発生していない
と判断し、バックグラウンドノイズを取り込み (ステッ
プ710)待機する (ステップ712)。バックグラウンドノイ
ズは、ガラス割れ音の第一波判定手段による判定、及び
第一演算手段による演算が実行されていない期間におけ
る検出手段の出力する電気信号に相当し、ステップ708
における基準値は取り込まれたバックグラウンドノイズ
のレベルを基準に設定される。尚、バックグラウンドノ
イズは、音波が検出されていない期間においてタイマを
用いて周期的に取り込む構成としてもよい。又、待機状
態下においては、図28に示されるようにトリガ回路1
2からの起動信号が入力されるまでその状態を維持し、
起動信号が入力された時点で (ステップ768)、CPU1
0が再び起動される。
【0077】ステップ708 にて取り込んだ値が基準値以
上であるとき、ガラス割れ音の第一波が立ち上がったと
判断し、立ち上がりから10msec間において (ステップ72
0)、a値又はb値のピーク値を検出すると共に (ステッ
プ714)、a値又はb値を積分し (ステップ716)、c値を
積分する (ステップ718)。尚、ステップ714 における処
理が最大ピーク値検出手段に相当する。この後、図28
のステップ722 に進み、立ち上がりから20msec間におい
て (ステップ726)、a値又はb値を積分し (ステップ72
2)、c値を積分する (ステップ724)。立ち上がりから20
msec経過(第二所定時間に相当)すると、a値又はb値
を取り込み (ステップ728)、この取り込んだ値のピーク
値に対する比を算出し(相対レベル算出手段に相当)、
その比の値が0.4 以下であるか否かを判定する (ステッ
プ730)。この比の値が0.4 より大きい場合には、検出し
た音波がガラス割れの第一波ではないものと見なして待
機する (ステップ712)。ステップ730 の条件を満たす場
合には、検出した音波が第一波の減衰特性を示している
と判断し、立ち上がりから30msec間(第一所定時間期間
に相当)における (ステップ736)、a値又はb値を積分
し (ステップ732)、c値を積分する (ステップ734)。そ
して、c値に対するa値又はb値の比の値を算出し(第
一演算手段に相当)、その比の値が0.05以上0.85以下で
あるか否かを判定し (ステップ738)、この比の値が0.05
以上0.85以下でない場合は待機する (ステップ712)。ス
テップ738 の条件を満たす場合には、検出した音波が第
一波の高周波成分の強度割合を有しているものと判断
し、第一波が十分に減衰したと見なされる時間(200mse
c) だけ待機する (ステップ740)。尚、ステップ738 に
おいてYES と判定する処理が第一波判定手段に相当す
る。
【0078】200msec から2000msecまでの間(第三所定
時間期間に相当)において、図29に示されるように、
b値を取り込み (ステップ744)、取り込んだb値が(バ
ックグラウンドノイズ×定数)の値以上の大きさである
か否かを判定する。ステップ746 の条件を満たした場合
には、判定対象となる音波が発生したと見なして検出フ
ラグを立て (ステップ750)、b値を取り込む (ステップ
752)。そして、この取り込んだb値が基準値より大きい
か否かを判定し (ステップ754)、この条件を満たすとき
打撃音の判定対象となる音波が発生しているものと見な
してステップ756 に進む。ステップ754 の条件を満たし
ていない場合には打撃音ではないと判断し、ステップ76
4 に進む。ステップ756 では、検出フラグが立てられて
から10msec間の最大ピーク値を検出し、検出フラグが立
てられてから20msec後のb値を取り込む (ステップ75
8)。そして、最大ピーク値に対するb値の比が0.4 以下
であるか否かを判定し (ステップ760)、この条件を満た
す場合には第一波の検出後に第二波ではなく、いたずら
等による打撃減衰音が発生していると判断し、カウンタ
値から20を減じて (ステップ762)、ステップ764 に進
む。このステップ762 の処理が補正手段に相当する。
又、本実施例では、減衰の判定のみだが、これに高周波
成分比率の処理を合わせて実施することで判定の精度を
より向上させることができる。カウンタ値は、第三実施
例と同様に(図16参照)、1msec の割り込み処理によ
り検出フラグが立てられているときに1増分することで
カウントされる。よって、カウンタの値は、検出信号が
(バックグラウンドノイズ×定数)の値に達した時間の
累積を意味し、電気信号が所定レベルを越えている程度
に相当する。ステップ760 の条件を満たしていない場合
には、減衰音が発生していないと判断し、ステップ764
に進む。ステップ764 では、カウンタ値が30に達してい
るか否かを判定し、カウンタ値が30に達していなければ
図28のステップ742 に戻る。カウンタ値が30に達して
いれば、検出音が第二波の緩速減衰特性を示しているも
のと判断し、ガラス割れ検出信号を外部に出力し (ステ
ップ766)、待機状態になる (ステップ712)。ステップ76
4 においてYES と判定する処理が第二波判定手段に相当
し、ステップ766の処理が出力手段に相当する。
【0079】このように、本実施例では、従来のような
特定周波数成分の信号レベルが閾値に達するか否かでガ
ラス割れを検出する構成ではなく、検出音の減衰特性及
び高周波成分の強度割合の程度から第一波を判定し、且
つ、打撃音による第二波の検出を防止し、その緩速減衰
特性から第二波を検出することによりガラス割れを判定
する構成であるので、高精度な検出が可能となる。又、
これら条件の論理積をとることにより、検出音の減衰特
性及び高周波成分の強度割合の程度をそれぞれ判定する
ための閾値及び範囲はそれぞれ単独で判定する場合より
幅を持たせて設定しても十分な精度が得られる。
【0080】上記に示されるように本発明によれば、検
出音に含まれる高周波成分の強度割合の程度に基づいて
ガラス割れ音の第一波を判定することで、確度よくガラ
ス割れを検出することができる。又、検出音の相対レベ
ルを用いることで、第一波をより確度良く検出すること
ができる。又、第一波を検出した後に、検出音の継続性
を把握することでガラス割れ音の第二波を確度良く検出
することができ、第一波及び第二波の検出によりガラス
割れ検出の確度をより一層高めることができる。又、い
たずら等よる連打が発生しても、その減衰特性を検出す
ることによりガラス割れ音と判定することがなく、より
確度の高い検出装置とすることができる。又、音波に含
まれる高域周波数成分の強度割合を用いた判定により、
硬質物及び軟質物の複合打撃音に対してもガラス割れと
判定することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第一実施例の構成を示したブロ
ック図。
【図2】本発明に係わる第一実施例のガラス割れ判定の
処理フローを示したフローチャート。
【図3】本発明に係わる第一実施例の変形例を示したブ
ロック図。
【図4】本発明に係わる第二実施例の構成を示したブロ
ック図。
【図5】本発明に係わる第二実施例のガラス割れ判定の
処理フローを示したフローチャート。
【図6】本発明に係わる第二実施例のガラス割れ判定の
処理フローを示したフローチャート。
【図7】本発明に係わる第二実施例のタイミングチャー
トを示した模式図。
【図8】バンドパスフィルタを3個以上備えた場合の周
波数成分比率を計算式を示した説明図。
【図9】硬質物による打撃、軟質物による打撃、及びガ
ラス割れのそれぞれにおける全域周波数成分の加算値と
高周波成分の加算値との関係を示した関係図(全域周波
数成分の加算値が1500までの場合)。
【図10】硬質物による打撃、軟質物による打撃、及び
ガラス割れのそれぞれにおける全域周波数成分の加算値
と高周波成分の加算値との関係を示した関係図(全域周
波数成分の加算値が3000までの場合)。
【図11】代表的なガラス割れ音の時間波形を示した波
形図。
【図12】本発明に係わる第三実施例の構成を示したブ
ロック図。
【図13】ガラス割れ音及び非割れ音を絶対値処理した
後の時間波形を示した波形図。
【図14】本発明に係わる第三実施例のCPUの処理フ
ローを示したフローチャート。
【図15】本発明に係わる第三実施例のCPUの処理フ
ローを示したフローチャート。
【図16】本発明に係わる第三実施例のCPUの処理フ
ローを示したフローチャート。
【図17】本発明に係わる第三実施例における第一波及
び第二波の検出方法を示した説明図。
【図18】いたずら等による連打時の時間波形を示した
模式的波形図。
【図19】いたずら等による連打の後にガラス割れ音が
発生したときの時間波形を示した模式的波形図。
【図20】軟質物の打撃による時間波形を示した模式的
波形図。
【図21】本発明に係わる第四実施例の構成を示したブ
ロック図。
【図22】本発明に係わる第四実施例のCPUの処理フ
ローを示したフローチャート。
【図23】硬質物と軟質物との複合打撃による時間波形
を示した模式的波形図。
【図24】ガラス割れ音の第二波における徐々に減衰す
る部分の検出時間の分布を示した分布図。
【図25】ガラス割れ音の第一波の減衰時間の分布を示
した分布図。
【図26】本発明に係わる第五実施例の構成を示したブ
ロック図。
【図27】本発明に係わる第五実施例のCPUの処理フ
ローを示したフローチャート。
【図28】本発明に係わる第五実施例のCPUの処理フ
ローを示したフローチャート。
【図29】本発明に係わる第五実施例のCPUの処理フ
ローを示したフローチャート。
【符号の説明】
1 マイク 2、17、18、21、22、25 アンプ 3、13、23 HPF 4 ピークホールド回
路 5、6、8、26、51、52 平滑化回路 7 ガラス割れ検出信
号 9 比較器 10 CPU 11、24 半波整流回路 12 トリガ回路 14 積分回路 15 除算回路 16 ウィンドコンパレ
ータ 19、29 半波整流及び平滑
回路 100〜105 ガラス割れ検出装

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス割れ時に発生する音波であって、
    ガラス割れの瞬間に発生する衝撃波である第一波、及び
    ガラス破片の飛散によって該第一波の後に発生する第二
    波のうち少なくとも第一波が検出されることによりガラ
    ス割れと判定するガラス割れ検出装置であって、 音波を電気信号に変換して出力する検出手段と、 前記検出手段からの電気信号が所定の値に達した時点か
    ら、第一所定時間期間内における前記電気信号の高周波
    成分の強度割合の程度を算出する第一演算手段と、 前記第一演算手段により算出された前記高周波成分の強
    度割合の程度が、所定の範囲内にあるときに前記第一波
    と判定する第一波判定手段と、 少なくとも前記第一波判定手段による前記第一波の判定
    に基づいてガラス割れの判定信号を出力する出力手段と
    を備えたことを特徴とするガラス割れ検出装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、所定の第一の周波数以
    下の周波数を阻止する第一の低域阻止フィルタを備え、
    音波が変換された電気信号を前記第一の低域阻止フィル
    タに入力し、前記第一の低域阻止フィルタの出力信号を
    第一の電気信号とし、前記第一の低域阻止フィルタへの
    入力信号を第二の電気信号として出力し、 前記第一演算手段は、前記第一、第二の電気信号に基づ
    いて前記第一所定時間期間内における高周波成分の強度
    割合の程度を算出することを特徴とする請求項1に記載
    のガラス割れ検出装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、所定の第一の周波数以
    下の周波数を阻止する第一の低域阻止フィルタと、前記
    第一の周波数より低い所定の第二の周波数以下の周波数
    を阻止する第二の低域阻止フィルタとを備え、音波が変
    換された電気信号を前記第一、第二の低域阻止フィルタ
    にそれぞれ入力し、前記第一、第二の低域阻止フィルタ
    の出力をそれぞれ第一、第二の電気信号として出力し、 前記第一演算手段は、前記第一、第二の低域阻止フィル
    タからそれぞれ出力される前記第一、第二の電気信号に
    基づいて前記第一所定時間期間内における高周波成分の
    強度割合の程度を算出することを特徴とする請求項1に
    記載のガラス割れ検出装置。
  4. 【請求項4】 前記高周波成分の強度割合の程度は、前
    記第一所定時間期間内における前記第二の電気信号の積
    分値に対する前記第一の電気信号の積分値の比であるこ
    とを特徴とする請求項2又は3に記載のガラス割れ検出
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第一演算手段は、前記第一、第二の
    電気信号を整流して平滑化する平滑手段を有し、平滑化
    された前記第一、第二の電気信号に基づいて前記第一所
    定時間期間内における高周波成分の強度割合の程度を算
    出することを特徴とする請求項2又は3に記載のガラス
    割れ検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第一波判定手段は、前記第一演算手
    段により算出された前記比が0.05以上0.37以下であると
    きに前記第一波と判定することを特徴とする請求項4に
    記載のガラス割れ検出装置。
  7. 【請求項7】 前記第一波判定手段は、前記第二の電気
    信号の積分値が所定値以上の場合には前記第一演算手段
    により算出された前記比が0.05以上0.48以下であるとき
    に前記第一波と判定することを特徴とする請求項6に記
    載のガラス割れ検出装置。
  8. 【請求項8】 前記第一演算手段は、前記電気信号に含
    まれる音波の減衰の程度を算出する減衰量算出手段を有
    し、 前記第一波判定手段は、前記減衰量算出手段により算出
    された前記減衰の程度に応じて、且つ前記高周波成分の
    強度割合の程度が前記所定の範囲内にあるときに前記第
    一波と判定することを特徴とする請求項1に記載のガラ
    ス割れ検出装置。
  9. 【請求項9】 前記減衰量算出手段は、前記電気信号の
    最大ピーク値を検出する最大ピーク値検出手段と、 前記電気信号が前記所定の値に達した後の、第二所定時
    間後における前記最大ピーク値に対する前記電気信号の
    比から音波の相対レベルを算出する相対レベル算出手段
    とから成り、 前記第一波判定手段は、前記相対レベルが所定レベルを
    下回り、且つ前記高周波成分の強度割合の程度が前記所
    定の範囲内にあるときに前記第一波と判定することを特
    徴とする請求項8に記載のガラス割れ検出装置。
  10. 【請求項10】 前記第一波判定手段により前記第一波
    を判定した後の第三所定時間期間内において、前記電気
    信号が所定の閾値を越える程度が所定値に達したときに
    前記第二波と判定する第二波判定手段を備え、 前記出力手段は、前記第一波判定手段による前記第一波
    の判定と前記第二波判定手段による前記第二波の判定と
    に基づいて前記判定信号を出力することを特徴とする請
    求項1又は8に記載のガラス割れ検出装置。
  11. 【請求項11】 前記第三所定時間期間内において、前
    記第一波判定手段により前記第一波が検出された場合に
    は、前記電気信号が所定の閾値を越える程度を所定量だ
    け減算補正する補正手段を有することを特徴とする請求
    項10に記載のガラス割れ検出装置。
  12. 【請求項12】 ガラス割れ時に発生する音波であっ
    て、ガラス割れの瞬間に発生する衝撃波の第一波と、該
    第一波の後にガラス破片の飛散によって発生する第二波
    とが検出されることによりガラス割れと判定するガラス
    割れ検出装置であって、 音波を電気信号に変換して出力する検出手段と、 前記検出手段の出力する前記電気信号から前記第一波の
    有無を判定する第一波判定手段と、 前記第一波判定手段により前記第一波が検出された後の
    所定時間期間において、前記検出手段の出力する前記電
    気信号が所定レベルを越えている程度を演算する第二演
    算手段と、 前記第二演算手段により演算された前記程度が所定値を
    越える時に、前記第二波が検出されたとして、ガラス割
    れの判定信号を出力する判定手段とを有することを特徴
    とするガラス割れ検出装置。
  13. 【請求項13】 前記所定時間期間において、前記第一
    波判定手段により前記第一波が検出された場合には、前
    記第二演算手段により演算された前記程度を所定値だけ
    減算補正する第一補正手段を有することを特徴とする請
    求項12に記載のガラス割れ検出装置。
  14. 【請求項14】 前記所定レベルは、前記第一波判定手
    段による前記判定、前記第二演算手段による前記演算が
    実行されていない期間における前記検出手段の出力する
    前記電気信号のレベルに基づいて決定されることを特徴
    とする請求項12に記載のガラス割れ検出装置。
  15. 【請求項15】 前記第一波が検出された後の前記検出
    手段の出力する前記電気信号において、所定の第一の周
    波数以上の高域周波数成分の強度割合に関連した値を演
    算する成分比演算手段と、 前記成分比演算手段により演算された前記値に基づき、
    前記高域周波数成分の強度割合が所定範囲に存在する程
    度に応じて、前記電気信号が前記所定レベルを越えてい
    る程度を補正する第二補正手段とを有することを特徴と
    する請求項12に記載のガラス割れ検出装置。
  16. 【請求項16】 前記第二補正手段は、前記高域周波数
    成分の強度割合が前記所定範囲に存在する期間のみ、前
    記第二演算手段による前記電気信号が前記所定レベルを
    越えている程度の演算を許可する手段であることを特徴
    とする請求項15に記載のガラス割れ検出装置。
  17. 【請求項17】 前記検出手段は、所定の第一の周波数
    以下の周波数を阻止する第一の低域阻止フィルタを有
    し、前記音波から変換された電気信号を入力する該第一
    の低域阻止フィルタの出力信号を前記電気信号とするこ
    とを特徴とする請求項12に記載のガラス割れ検出装
    置。
  18. 【請求項18】 前記検出手段は、前記第一の周波数以
    下の周波数を阻止する第一の低域阻止フィルタと、前記
    第一の周波数よりも低い所定の第二の周波数以下の周波
    数を阻止する第二の低域阻止フィルタとを有し、 前記成分比演算手段は、前記第一の低域阻止フィルタ及
    び前記第二の低域阻止フィルタの出力する前記電気信号
    の積分値に応じて、前記高域周波数成分の強度割合に関
    連した値を演算することを特徴とする請求項15に記載
    のガラス割れ検出装置。
  19. 【請求項19】 前記第二演算手段は、前記検出手段の
    出力する前記電気信号を整流した後、平滑化する平滑手
    段を有し、その平滑手段の出力信号を前記電気信号とし
    て処理することを特徴とする請求項12乃至18のいず
    れかに記載のガラス割れ検出装置。
  20. 【請求項20】 前記第一波判定手段は、前記検出手段
    の出力する前記電気信号に含まれる衝撃波の減衰特性に
    応じて前記第一波の有無を判定する手段であることを特
    徴とする請求項12乃至19のいずれかに記載のガラス
    割れ検出装置。
  21. 【請求項21】 前記第一波判定手段は、前記検出手段
    の出力する前記電気信号に含まれる衝撃波の最大ピーク
    値を検出する最大ピーク値検出手段を有し、 前記平滑手段の出力する電気信号のレベルの前記最大ピ
    ーク値に対する比の時間変化特性に基づいて、前記第一
    波の有無を検出する手段であることを特徴とする請求項
    19に記載のガラス割れ検出装置。
  22. 【請求項22】 前記第一波判定手段は、前記検出手段
    の出力する前記電気信号に含まれる高周波成分の強度割
    合の程度に応じて前記第一波の有無を判定することを特
    徴とする請求項12乃至19のいずれかに記載のガラス
    割れ検出装置。
JP8355074A 1996-03-08 1996-12-20 ガラス割れ検出装置 Pending JPH09297892A (ja)

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