JP2000088817A - 打撃判定装置 - Google Patents

打撃判定装置

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JP2000088817A
JP2000088817A JP10263209A JP26320998A JP2000088817A JP 2000088817 A JP2000088817 A JP 2000088817A JP 10263209 A JP10263209 A JP 10263209A JP 26320998 A JP26320998 A JP 26320998A JP 2000088817 A JP2000088817 A JP 2000088817A
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vibration
signal
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vibration signal
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JP10263209A
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English (en)
Inventor
Masahiro Ikeda
昌広 池田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶の機密検査やボルトの緩み検査などの打撃
による判定を、周囲の騒音の影響を受けにくく、高い信
頼度で行うことができる打撃判定装置を得る。 【解決手段】 ボルト1を打撃して、ハンマ2に発生す
るパルス状の振動を振動検出器11にて検出する。緩ん
でいないボルト1を打撃して発生する振動の最大ピーク
値GSをピーク基準値設定器16に記憶し、トリガ検出
器17が動作してから立ち下がり零検出器24が働くま
での間の時間TSをカウンタ25で計測して基準値設定
器10に格納する。次に検査するボルト1を打撃して、
比率演算器15にて今回の振動波形の最大ピーク値GT
と先の最大ピーク値GSとの比率(GT/GS)を求め
る。トリガ検出器17が動作してから立ち下がり零検出
器24が働くまでの間の時間TTを計測し、補正器8に
て比率(GT/GS)で除して補正し、比較器9で基準
値TSと比較し所定の範囲内か否かを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば缶製品の
内容物の判別や気密検査、ボルトの緩み判定、構造物の
表面剥離や割れ・内部傷などの検査、鋳物の内部空洞検
査等に用いられる打撃判定装置に関し、特に周囲の騒音
の影響を受けにくく、判定の信頼性を向上させることが
できるとともに、構成を簡易かつ安価にできる打撃判定
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は、例えば特開昭52−1452
82号公報に示された従来の打音検査装置を示す構成図
である。図において、1は対象物である缶、102は缶
を打撃し打音を発生させる打撃棒、3は打音を電気信号
に変換するマイクロホン、104はマイクロホン3で変
換された電気信号を増幅する増幅器である。105は広
帯域フィルタ(広バンドパスフィルタ、以下WBPFと
称す)であり、缶の内圧に関係する900〜2700
[Hz]の周波数成分を取り出す。
【0003】106は狭帯域フィルタ(狭バンドパスフ
ィルタ、以下単にBPFと称す)であり、狭帯域特性を
持ち、WBPF105から得られた信号を各周波数帯域
毎に分離する。107は整流回路であり、BPF106
から得られる各周波数帯域毎の信号を整流して直流に変
換する。108は整流回路107から得られる直流信号
を平均化する平均化回路である。なお、BPF106
は、複数個設けられており、それぞれの通過帯域の中心
周波数の比が一定にされている。また、整流回路10
7、平均化回路108も、上記複数個のBPF106に
対応して複数個設けられている。
【0004】109は周波数演算回路であり、各平均化
回路108から得られる信号が入力され、打音の音圧信
号の最大ピークを有する周波数を算出する。110は周
波数ゲージ圧変換回路であり、周波数演算回路109か
ら得られる周波数をゲージ圧信号に変換する。111は
良否判定回路であり、周波数ゲージ圧変換回路110か
ら得られるゲージ圧から良否判定を行う。
【0005】次に動作について説明する。まず、打撃棒
102により対象物である缶1を打撃する。このとき発
生する打音はマイクロホン3により検出されて電気信号
に変換され、増幅器104により適正なレベルに増幅さ
れる。増幅された電気信号はWBPF105に入力さ
れ、缶の内圧に関係する900〜2700[Hz]の周
波数帯域が抽出され、各BPF106に入力される。
【0006】次に狭帯域特性を持つ複数のBPF106
により各周波数帯域毎の信号が抽出され、整流回路10
7による直流化と平均化回路108による平均化により
各周波数帯域毎の時間的な平均レベルを得る。これらの
平均レベルから周波数演算回路109は平均レベルが最
大のレベルとなる周波数を算出し、周波数ゲージ圧変換
回路110は得られた周波数から缶内部のゲージ圧を算
出する。良否判定回路111は、こうして得られたゲー
ジ圧が規定の圧力範囲にあるかを判断し、範囲外であれ
ば警報を出力する。
【0007】また、他の例として例えば特開平6−33
36号公報に示されたものがある。図15は、このよう
な従来の打音判定装置を示す構成図である。図におい
て、121は診断の対象物である構造物の壁部、122
は壁を打撃し打音を発生させる打撃装置、3は打音を電
気信号に変換するマイクロホン、123はマイクロホン
3で変換された電気信号を増幅する増幅器である。12
4はBPF(バンドパスフィルタ)であり、壁の診断に
関係する周波数成分のみを信号電圧として取り出す。
【0008】125は判定回路、126は基準電圧設定
器、127は別の基準電圧設定器であり基準電圧設定器
126の設定電圧とは異なる設定電圧に設定されてい
る。判定回路125は、BPF124から得られる信号
電圧と基準電圧設定器126,127に設定された各設
定電圧とを比較し、基準電圧設定器126または基準電
圧設定器127に設定された設定電圧よりも高いとき判
別信号を出力する。128は画面表示装置であり、判定
回路125の結果を画面に表示する。
【0009】次に動作について説明する。まず、打撃装
置122により対象物である壁121を打撃する。この
とき発生する打音はマイクロホン3により検出されて電
気信号に変換され、増幅器124により適正なレベルに
増幅され、WBPF105に入力され、壁部121の診
断に関係する周波数帯域が抽出され、判定回路125に
入力される。
【0010】判定回路125は、BPF124からの交
流状態の信号電圧と基準電圧設定器126または基準電
圧設定器127で設定された設定電圧とを比較し、BP
F124からの信号電圧が基準電圧設定器126または
基準電圧設定器127に設定された設定電圧を超えた場
合、画面表示装置128に警報を出力する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
打音検査装置においては、評価対象として打撃音をマイ
クロホンで計測する構成となっているので、(1)音を
マクロホンで計測するため周囲騒音の影響を受けて検査
の信頼性が低下する、(2)また、マイクロホン、振動
センサー双方を用いる場合、装置が大型化し、高価とな
る、といった問題があった。
【0012】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、次のような打撃判定装置を得
ることを目的とする。 a.周囲の騒音の影響を受けにくく、判定の信頼性を向
上させることができる。また、加振手段に発生する振動
で判定でき、構成も簡易で安価にできる。 b.波形分析が容易であり、装置も小型・安価になる。
【0013】c.対象物に外力を加えたときに加振手段
に発生した振動波形をきめ細かく分析して判定の信頼性
を向上させることができる。
【0014】d.対象物に加える外力が極端に異なり小
さすぎたり大きすぎたりすると対象物や加振手段に発生
する振動の周波数特性が異なるといった場合の誤った判
定を防止できる。
【0015】e.振動信号増幅手段の飽和を検出できる
ようにし、増幅振動信号の飽和により比較結果が不正確
になるのを防止する。 f.振動信号増幅手段の増幅率の自動調整を行うことに
より、操作性を向上できる。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の打撃判定装置においては、対象物に外力を
加える加振手段と、この加振手段の振動を振動信号とし
て検出する振動検出手段と、振動信号を増幅して増幅振
動信号として出力する振動信号増幅手段と、増幅振動信
号の波形分析を行う波形分析手段と、波形分析手段の波
形分析結果と基準値とを比較する比較手段とを設けたも
のである。
【0017】そして、振動信号はパルス状であり、波形
分析手段は振動信号の立ち上がりから立ち下がりまでの
時間から基本周波数成分を求めるものであり、比較手段
は基本周波数成分とあらかじめ設定された基準値とを比
較するものであることを特徴とする。
【0018】さらに、波形分析手段は振動信号を複数の
周波数帯毎の時系列信号に変換する変換手段と時系列信
号の最大値を周波数帯域毎に抽出する抽出手段とを有す
るものであり、比較手段は各最大値を基準値と比較する
ものであることを特徴とする。
【0019】また、変換手段はそれぞれ異なる周波数帯
域の周波数成分を通過させる複数の帯域フィルタであ
り、抽出手段は各帯域フィルタを通過した周波数成分を
整流しこの整流された周波数成分の各ピーク値の内最大
のものを各々最大値として抽出するものであることを特
徴とする。
【0020】そして、変換手段は振動信号をウェーブレ
ット変換するウェーブレット変換手段であり、抽出手段
はウェーブレット変換手段による変換結果に基づき各周
波数帯域毎の最大値を抽出するものであることを特徴と
する。
【0021】さらに、変換手段は振動信号を短時間高速
フーリエ変換する短時間高速フーリエ変換手段であり、
抽出手段は短時間高速フーリエ変換手段による変換結果
に基づき各周波数帯域毎の最大値を抽出するものである
ことを特徴とする。
【0022】また、基準値は、所定の状態の対象物に外
力を加えたときに加振手段に発生する振動信号に基づい
て設定されるものであることを特徴とする。
【0023】そして、検出された振動信号の大きさに応
じて、波形分析結果と基準値との関係を補正する補正手
段を設けたことを特徴とする。
【0024】さらに、振動信号の大きさが所定値を超え
たとき振動検出手段、波形分析手段、及び比較手段の少
なくとも1つの動作の開始を指令する指令手段を設けた
ことを特徴とする。
【0025】また、検出された振動信号の大きさを予め
設定された基準振動値にて除した比率を求める比率演算
手段と、この比率が所定範囲内であるか否かを判定する
比率判定手段とを設けたことを特徴とする。
【0026】そして、比率判定手段が比率が所定範囲内
でないと判定したとき比較手段の比較結果を無効にする
無効化手段を設けたことを特徴とする。
【0027】さらに、増幅振動信号の波高値が所定値を
超えたことを検出するレンジオーバ検出手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0028】また、振動信号増幅手段の増幅率を自動的
に設定する増幅率自動設定手段を設けたことを特徴とす
る。
【0029】
【発明の実施の形態】対象物に外力を加えて対象物の状
態を判定する場合に、対象物によっては対象物から発す
る音や振動によらなくてもハンマなどの加振手段に発生
する振動波形を分析することにより、対象物の状態を判
定できる。この場合、対象物の音を検出するマイクロホ
ンなどを用いなくてもよいので、周囲の騒音の影響を受
けにくく、判定の信頼性を向上させることができる。ま
た、加振手段の振動検出だけでよいので、操作が容易で
あり、装置も簡易、安価になる。さらに、可搬式とする
場合、ハンマなどの加振手段に振動検出手段を取り付け
て、振動増幅手段と波形分析手段と比較手段とを一体に
収容したものと連結すればよく、操作性も優れたものに
なる。
【0030】そして、加振手段の振動波形がパルス状で
ある場合は、振動信号の立ち上がりから立ち下がりまで
の時間と振幅の最大値とから基本周波数成分を求めれば
よいので、波形分析が容易であり、打撃判定装置も小型
で安価なものになる。
【0031】また、ハンマなど加振手段に発生する振動
の波形が、パルス状ではなくもっと複雑な場合には、振
動信号を複数の特定周波数帯毎の時系列信号に変換する
変換手段と時系列信号の最大値を上記周波数帯域毎に抽
出する抽出手段とを有する波形分析手段を設け、抽出さ
れた時系列信号の各最大値を基準値と比較することによ
り、加振手段に発生した振動の波形をきめこまかく分析
でき、複合周波数を特徴とする振動であって主成分以外
の周波数に特徴が現れる場合にも、判定の信頼性を向上
させることができる。
【0032】振動信号を複数の特定周波数帯毎の時系列
信号に変換する変換手段としては、複数のアナログバン
ドパスフィルタやデジタルバンドパスフィルタなどの帯
域フィルタ、ウェーブレット変換手段、短時間高速フー
リエ変換手段等を用いることができる。
【0033】そして、基準とする状態の対象物に外力を
加えたときに加振手段に発生する振動に基づき基準値を
設定することにより、基準値の設定が容易になり、装置
の操作性も向上する。
【0034】さらに、検出された振動信号の大きさに応
じて波形分析結果と基準値との関係を補正することによ
り、加振手段に発生する振動の大きさのばらつきの影響
が補正され、判定の信頼度が向上する。
【0035】また、振動信号の大きさが所定値を超えた
とき、振動検出手段、波形分析手段、及び比較手段の少
なくとも1つの動作の開始を指令する指令手段を設ける
と、周囲からのノイズ等により誤動作する等の周囲から
の影響を軽減でき、判定の信頼性が向上する。
【0036】そして、検出された振動信号の大きさを予
め設定された基準振動値にて除した比率を求める比率演
算手段と、この比率が所定範囲内であるか否かを判定す
る比率判定手段とを設け、対象物に与える外力が極端に
異なり小さすぎたり大きすぎたりすると加振手段に発生
する振動の周波数特性が異なるといった場合に、誤った
判定を防止する。
【0037】さらに、増幅振動信号の波高値が所定値を
超えたことを検出するレンジオーバ検出手段を設け、振
動信号増幅手段の飽和を検出できるようにし、増幅振動
信号が所定値を超えたことを、すなわち振動信号増幅手
段が飽和するような大きな信号が入力されたことを検出
して、測定精度が低下するのを防止することができる。
【0038】また、振動信号増幅手段の増幅率を適切な
レンジとなるように自動で調整し、S/N比の低下を防
止するとともに、診断の信頼性を向上させる。さらに、
増幅率の自動調整を行うことにより、操作性が向上す
る。
【0039】実施の形態1.以下、この発明の実施の一
形態を図1、図2に基づいて説明する。図1は打撃判定
装置としての打撃検査装置の構成を示す構成図、図2は
動作を説明するための説明図である。図1において、1
は対象物であり具体的には例えばボルト、2はボルト1
を打撃するハンマ、11はハンマ2に取り付けられ振動
を電気信号に変換する振動検出器である。12は振動検
出器11で変換された電気信号を増幅する増幅器であ
る。
【0040】14は増幅器12の出力する増幅信号の最
大ピーク値を記憶するピークホールド、15はピークホ
ールド14の記憶値とピーク基準値設定器16に格納さ
れた基準値との比率を求める比率演算器である。17は
増幅器12の出力する増幅信号からトリガを検出するト
リガ検出器である。24は増幅器12からの信号に対し
て振動立ち下がりの零を検出し、立ち下がり出力を行う
立ち下がり零検出器、25はトリガの検出から立ち下が
り検出までの間クロック発信器26からのクロックをカ
ウントするカウンタである。
【0041】26は一定の周期でクロックを発信するク
ロック発信器である。8は比率演算器15から得られる
比率からカウンタ25が出力する計測時間値を補正する
補正器、9は補正器8の出力と基準値設定器10に格納
された基準値とを比較する比較器である。18は比較器
9からの比較結果を基に警報を出力する警報器である。
【0042】次に動作を説明する。まず、基準となる対
象物を用いて各基準値を設定する基準値設定モードにつ
いて述べる。ハンマ2により対象物としての基準とする
ボルト1を打撃して外力を与える。ハンマ2に発生した
振動を振動検出器11で電気信号に変換し、増幅器12
で適当な利得を与える。このときの増幅器12の出力波
形は図2の波形Sのようなパルス状の波形である。
【0043】この波形Sは、ボルト1が緩んでいない正
常な状態のときの波形である。ピークホールド14は、
トリガ検出器17からのトリガ出力によりピークホール
ドの動作を開始し、増幅器12の出力波形Sから最大ピ
ーク値GSを抽出し、ピーク基準値設定器16に記憶す
る。比率演算器15は、基準設定モードであって、ピー
クホールド14の記憶値GSとピーク基準値設定器16
のピーク基準値GSは同じであるので、比率1を出力す
る。
【0044】トリガ検出器17は増幅器12からの信号
とあらかじめ設定された基準値G0(図2)との比較を
行い、信号がこの基準値G0を超えた時刻T1において
トリガ出力を行う。立ち下がり零検出器24は増幅器1
2からの信号がトリガ出力される基準値G0を超えて上
昇した後下降に転じ、あらかじめ設定された基準値、例
えば基準値G0より下回った時刻T2に立ち下がり出力
を行う。カウンタ25はトリガ出力から立ち下がり出力
まで時間(T2−T1)の間、クロックをカウントす
る。
【0045】立ち下がり信号の出力の後、補正器8はカ
ウンタ25により記録されたカウント値である時間(T
2−T1)を比率1で除して、基準時間 TS=(T2−T1)/1 を求め、基準値設定器10に格納する。
【0046】このような基準値設定モードの動作によ
り、基準値設定器10にはハンマの振動波形Sの時間情
報としての周波数情報が格納され、結果、正常状態の対
象物打撃によるハンマ振動の周波数が格納されることと
なる。
【0047】次に対象物の検査を行う検査モードについ
て説明する。まずハンマ2により検査の対象物であるボ
ルト1を打撃する。このとき基準値設定モードの時と同
様に、ハンマ2に発生した振動を振動検出器11で電気
信号に変換し、増幅器12で増幅する。このときの増幅
器12で増幅された波形信号が波形Tの如く波形Sに比
しやや鈍ったパルス状であったとする。この波形Tはボ
ルト1が正常でない緩んでいる状態のときのものであ
る。
【0048】ピークホールド14は、トリガ検出器17
からのトリガ出力によりピークホールドの動作を開始
し、上記波形Tから最大ピーク値GTを抽出する。比率
演算器15は、この最大ピーク値GTをピーク基準値設
定器16に記憶されている基準設定モードにおいて得ら
れたピーク基準値GSで除して補正の比率を算出する。
例えば、基準値設定モードのおける波形Sの最大ピーク
値GSが1.0で、今回の検査における波形Tの最大ピ
ーク値が0.8ならば、比率はGT/GS=(0.8/
1.0)=0.8となる。
【0049】トリガ検出器17は、同様に増幅器12か
らの信号が基準値G0を超えた時刻T3においてトリガ
出力を行い、立ち下がり零検出器も信号の立ち下がりで
基準値G0以下になった時刻T4において立ち下がり信
号の出力を行う。カウンタ25はトリガ出力から立ち下
がり出力までの時間(T4−T3)間、クロック発信器
26からのクロックをカウントし出力する。
【0050】補正器8は、カウンタ25により計測され
た時間(T4−T3)を比率演算器15にて算出された
補正の比率(GT/GS)で除算、正規化して、検出時
間 TT=(T4−T3)/(GT/GS) を求める。
【0051】このような補正を行うのは、次のように考
えることができるからである。打撃力が変化した場合で
も、加速度と時間との比率は変化せず(波形の形は変わ
らず)、波形全体が拡大、縮小されるように変化する。
従って、振動の継続時間は打撃の強さによって変化し、
そのため、周期(周波数)は打撃の強さにより変化す
る。この為、加振力の大きさが0.8倍になれば継続時
間(T4−T3)も0.8倍になるとして、加振力1.
0が基準になるように測定された継続時間(T4−T
3)を0.8で除して補正する。
【0052】検査モードの場合、立ち下がり信号の出力
の後、比較器9は補正器8から出力された検出時間TT
を基準値設定器10に格納された基準値時間TSと比較
して(TT/TS)を求め、あらかじめ設定された所定
の関係から外れた場合に信号が警報器18に出力され
る。このときの所定の関係とは、例えば基準値時間TS
に対して80%〜120%の範囲内を正常、範囲外を異
常として設定しておく。
【0053】警報器18は、比較器9からの信号により
動作し、外部にベルや光の点滅によって警報する。な
お、このような検査における各波形Sや波形Tや演算さ
れた値、例えば時間(T2−T1),(T4−T3)等
を図示しない表示器に表示して確認できるようにして検
査の信頼性を向上させることもできる。
【0054】このようにして振動信号の立ち上がりから
立ち下がりまでの時間を計測することにより、打撃によ
るハンマ振動の継続時間、すなわち周波数を簡単に計測
することが可能となり、周囲の騒音の影響も受けない。
さらに、ハンマ2の発生振動を検出するだけでよいの
で、装置を小型・安価とした打撃検査装置を得ることが
できる。また、補正器8により、ピークホールド14に
て検出された振動の最大ピーク値を用いて基準時間TS
および検出時間TTを正規化しているので、発生する振
動のばらつきによる影響を軽減できる。
【0055】実施の形態2.この発明の他の実施の形態
を図3に基づいて説明する。先の図1の実施の形態にお
いてはカウンタを用いて振動の周期を計測したが、この
実施の形態はA/D変換を用いてデジタルの時系列信号
から時間を計測するものである。図3において、19は
A/D変換器、27はA/D変換されたデジタルの時系
列信号に対して立ち上がりから立ち下がりまでの時間を
計測する周期計測器である。その他のものは図1に示し
たものと同様のものである。
【0056】次に動作を説明する。まず、基準となる対
象物のボルト1を用いて各基準値を設定する基準値設定
モードについて説明する。ハンマ2により対象物として
基準とするボルト1を打撃する。このときハンマ2に発
生した振動を振動検出器11で電気信号に変換し、増幅
器12で適当な利得を与える。トリガ検出器17は増幅
器12からの信号とあらかじめ設定された基準値(図2
のG0を参照)と比較を行い、信号がこの基準値を超え
たときトリガ出力を行う。
【0057】A/D変換器19は増幅器12のアナログ
信号をデジタル信号に変換を行う。この動作はトリガ出
力により開始し、クロック発信器26からのクロックに
同期して周期的に行われる。このようなA/D変換の動
作はあらかじめ設定された時間あるいはサンプリングの
点数分行われるが、信号のレベルを比較してあらかじめ
設定された基準値(図2のG0を参照)を超えている間
行うなどとしてもよい。
【0058】このようにして打撃によるハンマの振動信
号をデジタルの時系列信号として得ることが出来る。ピ
ークホールド14は、このデジタルの時系列信号から最
大ピーク値を抽出し、ピーク基準値設定器16に記憶す
る。比率演算器15は、基準設定モードであって、ピー
クホールド14の記憶値とピーク基準値設定器16のピ
ーク基準値は同じであるので、比率1を出力する。
【0059】周波数計測器27はデジタル時系列信号の
立ち上がりから立ち下がりまでの時間を計測することに
より振動の周期を求める。周波数計測器27により得ら
れた周期は補正器8により補正されるが、基準値設定モ
ードでは比率は1であるので、そのまま基準値TSとし
て基準値設定器10に格納する。
【0060】このような基準値設定モードの動作によ
り、基準値設定器10にはハンマ加振による振動の周波
数情報が格納され、結果、正常状態の対象物打撃による
ハンマ振動の周波数が格納されることとなる。
【0061】次に対象物の検査を行う検査モードについ
て説明する。まずハンマ2により対象物であるボルト1
を打撃する。このとき基準値設定モードの時と同様に、
ハンマ2に発生した振動を振動検出器11で電気信号に
変換し、増幅器12で増幅する。トリガ検出器17も同
様に増幅器12からの信号に基づきトリガ出力を行い、
A/D変換器19によりデジタル時系列信号を得る。
【0062】ピークホールド14は、このデジタルの時
系列信号から最大ピーク値を抽出する。比率演算器15
は、ピークホールド14が記憶している最大ピーク値を
ピーク基準値設定器16に記憶されているピーク基準値
にて除して補正の比率を演算する。
【0063】周期計測器27はデジタル時系列信号から
振動の周期を求め、さらに比率演算器15にて算出され
た補正の比率で除して振動の大きさで正規化された測定
値TTを求める。検査モードの場合、比較器9により周
期計測器27により求められた測定値TTは、基準値設
定器10に格納された基準値TSと比較され、(TT/
TS)があらかじめ設定された所定の関係から外れた場
合に警報信号として警報器18に出力される。このとき
の所定の関係とは、例えば基準値に対して80%〜12
0%の範囲内を正常、範囲外を異常として設定してお
く。
【0064】警報器18は、各周波数帯における比較器
9からの警報を入力し、外部に警報出力する。また、検
査における各信号や演算された値を図示しない表示器に
表示することにより、視認させて検査の信頼性を向上さ
せることも可能である。
【0065】このようにしてA/D変換器19により振
動信号をデジタル時系列信号に変換して周期を求めるこ
とにより、より小型・安価とした打撃検査装置を得るこ
とが可能となる。
【0066】実施の形態3.上記各実施の形態において
は、振動波形がパルス状の単純な波形の場合について述
べた。しかし、波形がもっと複雑な場合には、特願平9
−17527号にて出願されたものを応用して、対象物
に外力を加えることにより発生した加振手段に発生する
振動波形をきめ細かく分析して判定の信頼性を向上させ
ることができる。
【0067】図4は、このようなこの発明の他の実施の
形態を示す構成図であり、上記特願平9−17527号
にて出願されたものを応用したものである。図4におい
て、1は対象物として例えばボルトである。13は増幅
器12で増幅された信号を直流に変換する整流器、14
は整流器から出力される直流信号の最大ピーク値を保持
するピークホールドである。
【0068】15はピークホールドの出力とピーク基準
値設定器16に格納されたピーク基準値との比率を求め
る比率演算器、17は整流器13の出力する直流信号か
らトリガを検出するトリガ検出器である。5は増幅器1
2から得られる信号を各周波数帯毎の時系列信号に分離
するアナログBPFである。このアナログBPF5は、
例えば振動の範囲として62.5Hz〜4KHzまでの
6オクターブ分を対象とし、1/3オクターブ毎の分解
能を与えるとして全19バンド分設ける。
【0069】6はアナログBPF5から得られる各周波
数帯毎の時系列信号を整流して直流に変換する整流器で
ある。7は整流器6からの出力の最大ピーク値を保持す
るピークホールド、8は比率演算器15から得られる比
率からピークホールド7が出力するピーク値に補正をか
ける補正器である。9は補正器8の出力と基準値設定器
10に格納された基準値とを比較する比較器、18は各
比較器9からの比較結果を基に警報を出力する警報器で
ある。
【0070】次に動作として、基準となる対象物を用い
て各基準値を設定する基準値設定モードについて説明す
る。まずハンマ2により対象物として基準とするボルト
1を打撃する。ハンマ2に発生した振動を振動検出器1
1で電気信号に変換し、増幅器12で適当な利得を与え
る。この増幅された信号を整流器13で直流に変換す
る。トリガ検出器17は整流器13からの直流信号とあ
らかじめ設定された基準値と比較を行い、直流信号がこ
の基準値を超えたときトリガ出力を行う。
【0071】ピークホールド14は、整流器13から入
力される直流信号の大きさを監視しその最大ピーク値を
記憶する。ピークホールド14の動作開始はトリガ検出
器17からのトリガ信号により行われる。こうした最大
ピーク値の監視記憶は打撃によるハンマの振動がある程
度減衰するまでの一定の時間行われ、その後ピークホー
ルド14にて抽出された最大ピーク値がピーク基準値設
定器16に格納される。
【0072】同様に増幅器12にて増幅された振動信号
を、それぞれ異なった周波数帯を通過させるように設定
された19バンドのアナログBPF5に入力し、各周波
数帯毎の時系列信号に分離する。アナログBPF5で各
周波数帯毎に分離された時系列信号は整流器6で直流信
号に変換され、ピークホールド7に入力される。ピーク
ホールド7は、トリガ検出器7からのトリガ信号によ
り、整流器6からの直流信号の最大ピーク値記録動作を
開始し、ピークホールド14と同様に信号減衰までの一
定時間行う。このようにして各周波数帯毎の瞬間的な最
大ピーク値が記録される。
【0073】振動減衰までの一定時間終了後、ピークホ
ールド7により記録された最大ピーク値は基準値設定器
10に格納される。このような基準値設定モードの動作
により、ピーク基準値設定器16には打撃の強さを示す
情報が格納され、基準値設定器10には打撃によるハン
マの振動の各周波数帯における瞬間的な最大振幅を示す
情報が格納され、結果、正常状態の対象物打撃によるハ
ンマ振動の周波数にその最大ピーク値が格納されること
となる。
【0074】次に対象物の検査を行う検査モードについ
て説明する。まずハンマ2により検査対象物であるボル
ト1を打撃する。このとき基準値設定モードの時と同様
に、ハンマ2に発生した振動を振動検出器11で電気信
号に変換し、増幅器12で増幅すると共に整流器13で
直流に変換される。トリガ検出器17も同様に整流器1
3からの直流信号からトリガ出力を行い、ピークホール
ド14はトリガ出力から振動減衰までの一定時間、直流
信号の最大ピーク値を記録する。
【0075】検査モードの場合、振動減衰までの一定時
間終了後、ピークホールド14に記録された最大ピーク
値を比率演算器15に入力する。比率演算器15は、ピ
ークホールド14に記憶された最大ピーク値をピーク基
準値設定器16に格納されているピーク基準値で除した
比率を演算し出力する。
【0076】また、振動信号は、アナログBPF5によ
り各周波数帯毎の時系列信号に分離され、整流器6で直
流信号に変換され、ピークホールド7に入力される。ピ
ークホールド7は、トリガ出力から振動が所定の値まで
減衰するまでの一定時間の間、直流信号の最大ピーク値
を監視し記録する。
【0077】検査モードの場合、振動減衰までの一定時
間終了後、ピークホールド7により記録された最大ピー
ク値を補正器8に入力し、補正器8は比率演算器15か
ら得られる比率から適切な補正値を演算し、ピークホー
ルド7から得られる最大ピーク値をこの補正値で補正し
出力する。
【0078】ピークホールド7からの最大ピーク値の補
正は、種々の方法を採りうるが、例えば比例で行うとす
ると、基準値に対する比率2倍が演算で得られた場合、
ピークホールド7に記録された最大ピーク値を比率2で
除算する。つまり、基準値設定モード時における振動の
最大ピーク値に対して検査モード時の振動の最大ピーク
値が2倍になれば、発生する各周波数毎の振動も2倍に
増加しているものとして得られた最大ピーク値を2で除
して基準値設定モード時の振動の最大ピーク値に換算す
る。
【0079】このような補正は周波数帯毎に加振力と補
正値との異なった関数を設定することにより、振動の大
きさに応じて周波数成分の分布が変化するような複雑な
構造を持つ対象物に対して有効となる。
【0080】補正された最大ピーク値は、比較器9で基
準値設定器10に格納された基準値と比較され、あらか
じめ設定された所定の関係を超えた場合に警報信号とし
て警報器18に出力される。このときの所定の関係と
は、例えば基準値に対して80%〜120%の範囲内を
正常、範囲外を異常として設定しておく。また、基準値
が全体的な振動に比べて小さい場合には、下限側の比較
を解除する等の処置により主成分で無い周波数帯での誤
った判定を防止できる。
【0081】警報器18は、各周波数帯における比較器
9からの警報を入力し、警報があらかじめ設定された
数、例えば2個を超えると異常として外部に警報出力す
る。このような検査における各信号や演算された値を図
示しない表示器に表示して確認できるようにし検査の信
頼性を向上させることも可能である。
【0082】このようにハンマに発生した振動の各周波
数帯毎の最大ピーク値を検出する手法により、打撃を行
った際の対象物の剛性に応じた振動波形をきめ細かく分
析することが可能となる。これは例えばボルトの緩み検
査などの場合には、ボルトの締め付けトルクに応じて締
結状態のボルトの頭部剛性が変化するため、ボルトの頭
をハンマにて加振した際に発生する振動に時間的な違い
が生じる。つまり、強い締め付けトルクで締結されたボ
ルトほど頭部の剛性が高く、締め付けトルクが低下する
に従って剛性が低下する。これは、特にねじの剪断方向
における剛性について顕著に現れ、ボルトの頭をねじの
剪断方向にハンマで加振すると、ボルトの締め付けトル
クに応じてハンマに発生する振動の周期に変化が現れ
る。
【0083】このようにハンマに発生する振動の波形を
分析することにより、周囲騒音の影響を受けにくくに確
実な検査を行うことが可能となる。また、ハンマ2に取
り付けられた振動検出器11の信号から検出を行うので
装置の構成が簡素となる。
【0084】また、基準とする状態の対象物に外力を加
えたときに発生するハンマの振動から基準値を設定する
ようにしているので、基準値の設定を対象物に即して容
易に設定でき、打撃判定装置の操作性が向上する。
【0085】さらに、補正器8により、振動の大きさに
応じてピークホールド7にて検出された各周波数帯毎の
最大ピーク値を補正するようにしているので、発生する
振動のばらつきによる影響を軽減できる。
【0086】なお、補正は、振動信号の大きさに応じて
波形分析結果と基準値、つまり比較器9における基準値
設定器10に記憶されている基準値との関係を補正すれ
ばよいので、増幅器12の出力、各アナログBPFの出
力、整流器6の出力、あるいは基準値設定器10に記憶
されている基準値などのうちの一つあるいは複数を補正
するようにしてもよい。
【0087】また、トリガ検出器17にて振動の大きさ
が所定値を超えたときに信号検出手段、変換手段、抽出
手段、及び比較手段の少なくとも1つの動作の開始を指
令する指令手段を設けたので、周囲からのノイズ等の影
響を軽減し、判定の信頼性を向上させることができる。
【0088】さらに、打撃判定装置の動作をトリガ検出
器17からのトリガ信号により開始することにより周囲
からの騒音やノイズによる影響を防止し、判定の信頼性
を向上させることができる。なお、トリガ検出器17の
トリガ信号をピークホールド14及び7に与えるものを
示したが、振動検出器11、増幅器12、アナログBP
F5、整流器6、補正器8、比較器9等に与えて最大値
の記憶動作の開始あるいは比較動作の開始をするように
しても同様の効果を奏する。
【0089】実施の形態4.上記図4の実施の形態で
は、アナログBPF5により各周波数帯毎の時系列信号
を抽出する場合について説明したが、デジタルバンドパ
スフィルタ(デジタルBPF)を用いてもよい。図5
は、このようなデジタルBPFを用いたこの発明の他の
実施の形態を示す打撃検査装置の構成図である。図5に
おいて、19は増幅器12からのアナログ信号をデジタ
ル信号に変換するA/D変換器、28はA/D変換器1
9にてA/D変換され整流器13にて整流されたデジタ
ル信号から最大ピーク値を抽出する最大値演算器であ
る。
【0090】20はデジタル信号を各周波数帯毎の時系
列信号に変換するデジタルBPFである。デジタルBP
F20は、例えば振動の範囲として62.5Hz〜4K
Hzまでの6オクターブ分を対象とし、1/3オクター
ブ毎の分解能を与えるとして全19バンド分設ける。2
1はデジタルBPF20を通過し整流器6にて整流され
たデジタル信号から最大ピーク値を抽出する最大値演算
器である。その他のものについては、図4に示したもの
と同様のものである。
【0091】次に動作として、基準となる対象物を用い
て各基準値を設定する基準値設定モードについて説明す
る。まずハンマ2により対象物として基準とするボルト
1を打撃する。このときハンマ2に発生した振動を振動
検出器11で電気信号に変換し、増幅器12で適当な利
得を与える。トリガ検出器17は増幅器12からの信号
とあらかじめ設定された基準値と比較を行い、直流信号
がこの基準値を超えたときトリガ出力を行う。
【0092】A/D変換器19は増幅器12からのアナ
ログ信号をデジタル信号に変換する。このとき、A/D
変換器19の動作はトリガ検出器17からのトリガ信号
により開始し、打撃によるハンマの発生振動がある程度
減衰するまでの一定の時間行われる。その後、整流器1
3がデジタル信号を直流に変換し、最大値演算器28は
直流信号の最大ピーク値を抽出し、ピーク基準値設定器
16に格納する。
【0093】同様に、このデジタル信号を、それぞれ異
なった周波数帯を通過させるように設定された複数のデ
ジタルBPF20に入力し、各周波数帯毎の時系列信号
に分離する。デジタルBPF20で各周波数帯毎に分離
された時系列信号は整流器6で直流信号に変換され、最
大値演算器21に入力される。最大値演算器21は、こ
の直流信号の最大ピーク値を抽出し、基準値設定器10
に格納する。このようにして各周波数帯毎の瞬間的な最
大ピーク値が抽出され、基準値設定器10に格納され
る。
【0094】次に対象物の検査を行う検査モードについ
て説明する。まずハンマ2により対象物であるボルト1
を打撃する。このとき、基準値設定モードの時と同様
に、ハンマ2に発生した振動を振動検出器11で電気信
号に変換し、増幅器12で増幅される。トリガ検出器1
7も同様に増幅器12からの信号からトリガ出力を行
う。A/D変換器19はトリガ出力から音圧減衰までの
一定時間、直流信号をデジタル信号に変換する。
【0095】整流器13はデジタル信号を直流に変換
し、最大値演算器28はデジタル信号の最大ピーク値を
抽出する。抽出された最大ピーク値は比率演算器15に
入力され、比率演算器15は、最大ピーク値とピーク基
準値設定器16に格納されているピーク基準値との比率
を演算し出力する。
【0096】また、A/D変換されたデジタル信号は、
デジタルBPF20により各周波数帯毎の時系列信号に
分離され、整流器6で直流信号に変換され、最大値演算
器21に入力される。最大値演算器21は、直流信号の
最大ピーク値を抽出し出力する。最大値演算器21によ
り抽出された最大ピーク値は補正器8に入力され、補正
器8は比率演算器15から得られる比率から適切な補正
値を演算し、最大値演算器21から得られる最大ピーク
値をこの補正値で補正し出力する。
【0097】補正された最大ピーク値は、比較器9で基
準値設定器10に格納された基準値と比較され、あらか
じめ設定された所定の関係を超えた場合に警報信号とし
て警報器18に出力される。警報器18は、各周波数帯
における比較器9からの警報を入力し、警報があらかじ
め設定された数、例えば3個以上になると異常として外
部に警報出力する。
【0098】このように、各周波数毎の時系列信号を求
める手法としてデジタルBPF20を用いることで装置
を小型化できるとともに、S/Wで処理するためフィル
ター特性の変更や診断する周波数帯の追加など柔軟に対
応することが可能である。
【0099】実施の形態5.また、図6の打撃検査装置
の構成図に示すようにウェーブレット変換演算器22を
設け、各周波数帯毎の時系列信号を求めるようにするこ
ともできる。このようにすることにより、デジタル振動
信号を各周波数毎の時系列信号に分離する際の特性を向
上させることができ、検査の信頼性を向上させることが
可能となる。
【0100】実施の形態6.さらに、図7の打撃検査装
置の構成図に示すように短時間高速フーリエ変換演算器
(短時間FFT演算器)23を設け、各周波数帯毎の時
系列信号を求めるようにして、周波数の分解能を向上さ
せることもできる。
【0101】以上の図4〜図7に示された実施の形態に
おいては、振動信号を複数の周波数帯毎の時系列信号に
変換する変換手段と時系列信号の最大値を各周波数帯域
毎に抽出する抽出手段とを有する波形分析手段を設ける
とともに、各最大値を基準値と比較する比較手段を設け
ているので、複合周波数を特徴とする振動であって主成
分以外の周波数に特徴が現れる場合にも正確に判定する
ことができる。
【0102】さらに、加振手段により外力を加えたとき
に加振手段に発生する振動の特徴でもある外力印加直後
に発生する複数周波数における瞬時振動の大きさも評価
でき、瞬間的に大きく発生した振動と余韻が長くレベル
の低い振動とを区別して、より的確な判定を行うことが
できる。
【0103】実施の形態7.図8は、さらにこの発明の
他の実施の形態を示す打撃検査装置の構成図である。図
8において、31は比率演算器15により求められた比
率が所定範囲内か否かを判定する比率判定器、32は比
率判定器31からの信号により動作するベルである。そ
の他の構成については、図1の実施の形態に示したもの
と同様のものである。
【0104】基準値設定モード及び検査モードにおける
動作は図1の打撃検査装置と全く同様であるが、比率判
定器31は比率演算器15により求められた比率が所定
の範囲を超えたときに補正範囲外信号を出力する。この
ときの所定の範囲は、例えば1/2倍〜2倍に設定して
おく。すると、1/2倍未満や2倍を超える入力があっ
た場合に、補正範囲外信号が出力される。この補正範囲
外信号により、ベル32を鳴らして補正対象範囲外であ
ることを知らせる。
【0105】このように、振動の大きさによる補正に範
囲の制限を設けることにより、加える外力が極端に変化
した場合に発生するハンマに発生する振動の周波数特性
が変化する対象物に対して誤った判定をすることなく確
実に検査することが可能となり、検査の信頼性が向上す
る。
【0106】また、不適切な外力を与えたことが判れ
ば、再度実施すればよいので、操作性も向上する。さら
に、適切な外力を与えることにさほど神経を使う必要が
なく、打撃検査装置の操作に不慣れな者であっても容易
に操作することができる。
【0107】加えられる外力が極端に変化した場合に発
生する振動の周波数特性が変化する対象物として、例え
ばボルトの緩み検査があげられる。ボルトの頭部を極端
に弱い外力で加振すると表面硬度に関係する打撃音が発
生し、ハンマ2に発生する振動も周波数の高いものにな
る。
【0108】外力を強めていき、打撃による振動がボル
ト全体に伝わるようになってくるとボルトの締め付けト
ルクに応じたボルトの締結剛性に関する打撃音が発生
し、それに応じた振動がハンマ2に発生するので、適切
な検査が可能となる。さらに外力を強めていき、打撃に
よる振動がボルトにより締結されている構造物へ伝わる
ようになってくると、構造物の固有振動数に関係する振
動が構造物に発生するとともにハンマ2に発生する振動
の状況も異なってくる。
【0109】このように対象物に加える外力が小さすぎ
たり強すぎたりすると、ハンマ2に発生する振動が大き
く変化するため、補正を行っても正しい判定を行うこと
が困難となる。また、このボルトの締結状態の検査の場
合のように、外力が極端に弱い場合や極端に強い場合に
は検査目的であるボルトの緩みとは関係のない振動が発
生し、検査の信頼性を大きく低下させることとなる。本
実施の形態によれば、これを防止できる。
【0110】実施の形態8.図9は、さらにこの発明の
他の実施の形態を示す打撃検査装置の構成図である。図
9において、34はピークホールド14に保持された最
大ピーク値からレンジオーバを検出するレンジオーバ検
出器、35はブザーである。その他の構成については、
図1の実施の形態に示したものと同様のものである。
【0111】次に動作について説明する。基準値設定モ
ード及び検査モードの各モード時においてレンジオーバ
検出器34は、ピークホールド14から得られる最大ピ
ーク値を入力し、各最大ピーク値が基準値を超えたとき
にブザー35を鳴らして警報する。
【0112】このように、増幅器12の出力のレンジオ
ーバを検出して警報することにより、増幅器12の出力
が飽和するような入力があったことを知ることができ
る。従って、このように飽和した出力に基づいて判定さ
れたために警報器18が警報を発してもその信頼性が低
いと判断でき、必用に応じて再度検査するなどの措置を
講じることができる。
【0113】実施の形態9.さらに、この発明の他の実
施の形態を図10、図11に基づいて説明する。図10
は打撃検査装置の構成を示す構成図、図11はレンジ自
動設定器の動作を説明するための説明図である。図10
において、38はピークホールド14から出力された最
大ピーク値から増幅器12の増幅率を自動的に設定する
レンジ自動設定器である。その他の構成については、図
1の実施の形態と同様のものである。
【0114】次に動作について説明する。まず、基準値
設定モード時において増幅器12の増幅率を最小、例え
ば1に設定しておく。この状態で対象物であるボルト1
をハンマ2により打撃し、ハンマ2に発生した振動を振
動検出器11で電気信号に変換し、増幅器12で増幅し
た後、ピークホールド14により発生振動の最大ピーク
値を求める。この最大ピーク値をレンジ自動設定器38
に入力し適切な計測レンジとなるように増幅器12の利
得を設定する。
【0115】この適切な計測レンジを得るための増幅器
の利得は、次のようにして決定する。例えば、この実施
の形態のように振動の大きさのばらつきによる補正を行
っておりその範囲が基準値に対して1/2〜2倍だとす
ると、最大で基準値の2倍の入力を受け付ける必要があ
る。従って、基準値が入力されたときのレベルが入力レ
ンジの50%になるように利得を設定する。そうすれ
ば、入力が基準値の1/2〜2倍の範囲で変動する場
合、計測レンジは25〜100%となり、適切な範囲に
なる。
【0116】これを図11によりさらに具体的に説明す
る。図1の実施の形態で説明した基準値設定モードに入
る前に、最初の1回目の打撃により増幅器12の増幅率
を設定する。まず、最初に増幅率を1に設定しておく。
【0117】1回目の打撃により発生した振動の原入力
Aが計測レンジの20%であったとすると、増幅器12
の出力Bも20%になる。そこで、増幅器12の出力C
が50%になるように、レンジ自動設定器38により増
幅率を250%に設定する。すると、原入力Aが20%
を基準に1/2〜2倍の10〜40%の範囲で変動した
ときに増幅器12の出力Dのレンジは25〜100%と
なり、適切な出力レンジになる。
【0118】このようにして、基準値設定モードに先立
ち、1回目の打撃により増幅器12の増幅率を設定す
る。この後、基準値設定モードに移り、各基準値を記憶
する。また、検査モードにおいても同様に動作する。
【0119】基準値設定モードに入る前に、適切な計測
レンジを設定することにより、手動で計測レンジを設定
する煩わしさがなくなり、操作性が向上する。また、手
動で設定する際にはレンジが適切でない場合には増幅器
の出力に対するノイズのレベルが相対的に高くなるので
S/N比が低下し、検査の信頼性が低下するが、自動で
適切なレンジに設定されるためこのようなことは発生せ
ず、検査の信頼性を向上させた打撃検査装置を得ること
が可能となる。
【0120】実施の形態10.図12は、さらにこの発
明の他の実施の形態を示す打撃検査装置の構成図であ
る。図12において、図3の実施の形態に示した打撃検
査装置に図8〜図10に示した比率判定器31、レンジ
オーバ検出器34、レンジ自動設定器38を設けたもの
である。なお、図12において、ピークホールド7を設
けて増幅器12の出力の最大ピーク値を検出するように
している。
【0121】この実施の形態は、上記各実施の形態を複
合したものであり、個々の動作は上記図3、図8〜図1
0の実施の形態と同様である。
【0122】実施の形態11.図13に示した比率判定
器31、レンジオーバ検出器34、レンジ自動設定器3
8を、図4〜図7に示した打撃検査装置に設けることも
できる。図13は、例えば図4に示した打撃検査装置に
比率判定器31、レンジオーバ検出器34、レンジ自動
設定器38を設け、さらに比率判定器31及びレンジオ
ーバ検出器34が補正範囲外信号を出力したときに比較
器9の比較結果を無効にし警報器18が警報しないよう
にする無効化手段33を加えたものである。
【0123】比率判定器31は、比率演算器15の出力
する比率が所定の範囲を超えたときに補正範囲外信号を
出力し、ベル32を鳴らして補正対象範囲外であること
を知らせる。また、無効化手段33に信号を送り、比較
器9の比較結果を無効にし警報器18が警報しないよう
にする。レンジオーバ検出器34は、ピークホールド1
4から得られる最大ピーク値が基準値を超えたときにブ
ザー35を鳴らして警報する。また、同時に無効化手段
33に信号を送り、比較器9の比較結果を無効にし警報
器18が警報しないようにする。
【0124】レンジ自動設定器38は、ピークホールド
14が求めた発生振動の最大ピーク値に基づき適切な計
測レンジとなるように増幅器12の利得を設定する。
【0125】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。すな
わち、本発明の打撃判定装置においては、対象物に外力
を加える加振手段と、この加振手段の振動を振動信号と
して検出する振動検出手段と、振動信号を増幅して増幅
振動信号として出力する振動信号増幅手段と、増幅振動
信号の波形分析を行う波形分析手段と、波形分析手段の
波形分析結果と基準値とを比較する比較手段とを設けた
ものであるので、加振手段の振動を検出すればよく、周
囲の騒音の影響を受けにくく、判定の信頼性を向上させ
ることができる。また、加振手段の振動検出だけでよい
ので、装置も簡易、安価になる。
【0126】そして、振動信号はパルス状であり、波形
分析手段は振動信号の立ち上がりから立ち下がりまでの
時間から基本周波数成分を求めるものであり、比較手段
は基本周波数成分とあらかじめ設定された基準値とを比
較するものであることを特徴とするので、加振手段の振
動波形がパルス状である場合は、振動信号の立ち上がり
から立ち下がりまでの時間と振幅の最大値とから基本周
波数成分を求めればよく、波形分析が容易であり、装置
も小型で安価なものになる。
【0127】さらに、波形分析手段は振動信号を複数の
周波数帯毎の時系列信号に変換する変換手段と時系列信
号の最大値を周波数帯域毎に抽出する抽出手段とを有す
るものであり、比較手段は各最大値を基準値と比較する
ものであることを特徴とするので、加振手段に発生した
振動の波形をきめこまかく分析でき、複合周波数を特徴
とする振動であって主成分以外の周波数に特徴が現れる
場合にも、判定の信頼性を向上させることができる。
【0128】また、変換手段はそれぞれ異なる周波数帯
域の周波数成分を通過させる複数の帯域フィルタであ
り、抽出手段は各帯域フィルタを通過した周波数成分を
整流しこの整流された周波数成分の各ピーク値の内最大
のものを各々最大値として抽出するものであることを特
徴とするので、変換手段を安価にでき、変換速度も速
い。
【0129】そして、変換手段は振動信号をウェーブレ
ット変換するウェーブレット変換手段であり、抽出手段
はウェーブレット変換手段による変換結果に基づき各周
波数帯域毎の最大値を抽出するものであることを特徴と
するので、各周波数毎の時系列信号に分離する際の特性
を向上させることができ、判定の信頼性が向上する。
【0130】さらに、変換手段は振動信号を短時間高速
フーリエ変換する短時間高速フーリエ変換手段であり、
抽出手段は短時間高速フーリエ変換手段による変換結果
に基づき各周波数帯域毎の最大値を抽出するものである
ことを特徴とするので、周波数の分解能が向上し、判定
の信頼性が高くなる。
【0131】また、基準値は、所定の状態の対象物に外
力を加えたときに加振手段に発生する振動信号に基づい
て設定されるものであることを特徴とするので、基準値
の設定が容易になり、装置の操作性も向上する。
【0132】そして、検出された振動信号の大きさに応
じて、波形分析結果と基準値との関係を補正する補正手
段を設けたことを特徴とするので、加振手段に発生する
振動の大きさのばらつきの影響が補正され、判定の信頼
度が向上する。
【0133】さらに、振動信号の大きさが所定値を超え
たとき振動検出手段、波形分析手段、及び比較手段の少
なくとも1つの動作の開始を指令する指令手段を設けた
ことを特徴とするので、周囲からのノイズ等により誤動
作する等の周囲からの影響を軽減でき、判定の信頼性が
向上する。
【0134】また、検出された振動信号の大きさを予め
設定された基準振動値にて除した比率を求める比率演算
手段と、この比率が所定範囲内であるか否かを判定する
比率判定手段とを設けたことを特徴とするので、対象物
に与える外力が極端に異なり小さすぎたり大きすぎたり
すると加振手段に発生する振動の周波数特性が異なると
いった場合に、誤った判定をするのを防止できる。
【0135】そして、比率判定手段が比率が所定範囲内
でないと判定したとき比較手段の比較結果を無効にする
無効化手段を設けたことを特徴とするので、対象物に与
える外力が極端に異なり小さすぎたり大きすぎたりする
と加振手段に発生する振動の周波数特性が異なるといっ
た場合に比較結果が誤っているおそれがあるので、比較
結果を無効にすることにより誤判定を確実に防止でき、
信頼性が向上する。
【0136】さらに、増幅振動信号の波高値が所定値を
超えたことを検出するレンジオーバ検出手段を設けたこ
とを特徴とするので、増幅振動信号が所定値を超えたこ
とを、すなわち振動信号増幅手段が飽和するような大き
な信号が入力されたことを検出して、測定精度が低下す
るのを防止する。
【0137】また、振動信号増幅手段の増幅率を自動的
に設定する増幅率自動設定手段を設けたことを特徴とす
るので、増幅振動信号が適切な出力範囲となるように増
幅率を容易に設定することができ、操作性が向上する。
また、S/N比の低下を防止でき判定の信頼性も向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の一形態である打撃検査装置
の構成を示す構成図である。
【図2】 図1の打撃検査装置の動作を説明するための
説明図である。
【図3】 この発明の他の実施の形態である打撃検査装
置の構成を示す構成図である。
【図4】 さらに、この発明の他の実施の形態である打
撃検査装置の構成を示す構成図である。
【図5】 さらに、この発明の他の実施の形態である打
撃検査装置の構成を示す構成図である。
【図6】 さらに、この発明の他の実施の形態である打
撃検査装置の構成を示す構成図である。
【図7】 さらに、この発明の他の実施の形態である打
撃検査装置の構成を示す構成図である。
【図8】 さらに、この発明の他の実施の形態である打
撃検査装置の構成を示す構成図である。
【図9】 さらに、この発明の他の実施の形態である打
撃検査装置の構成を示す構成図である。
【図10】 さらに、この発明の他の実施の形態である
打撃検査装置の構成を示す構成図である。
【図11】 図10の実施の形態の動作を説明するため
の説明図である。
【図12】 さらに、この発明の他の実施の形態である
打撃検査装置の構成を示す構成図である。
【図13】 さらに、この発明の他の実施の形態である
打撃検査装置の構成を示す構成図である。
【図14】 従来の打音検査装置の構成図である。
【図15】 他の従来の打音検査装置の構成図である。
【符号の説明】
1 対象物(ボルト)、2 ハンマ、3 マイクロホ
ン、4 増幅器、5 アナログBPF、6 整流器、7
ピークホールド、8 補正器、9 比較器、10 基
準値設定器、11 振動検出器、12 増幅器、13
整流器、14 ピークホールド、15 比率演算器、1
6 ピーク基準値設定器、17 トリガ検出器、18
警報器、19 A/D変換器、20 デジタルBPF、
21 最大値演算器、22 ウェーブレット変換演算
器、23 短時間FFT演算器、24 立ち下がり零検
出器、25 カウンタ、26 クロック発信器、27
周期計測器、28 最大値演算器、31 比率判定器、
33 無効化手段、34 レンジオーバ検出器、38
レンジ自動設定器。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物に外力を加える加振手段と、この
    加振手段の振動を振動信号として検出する振動検出手段
    と、上記振動信号を増幅して増幅振動信号として出力す
    る振動信号増幅手段と、上記増幅振動信号の波形分析を
    行う波形分析手段と、上記波形分析手段の波形分析結果
    と基準値とを比較する比較手段とを備えた打撃判定装
    置。
  2. 【請求項2】 振動信号はパルス状であり、波形分析手
    段は振動信号の立ち上がりから立ち下がりまでの時間か
    ら基本周波数成分を求めるものであり、比較手段は上記
    基本周波数成分とあらかじめ設定された基準値とを比較
    するものであることを特徴とする請求項1に記載の打撃
    判定装置。
  3. 【請求項3】 波形分析手段は振動信号を複数の周波数
    帯毎の時系列信号に変換する変換手段と上記時系列信号
    の最大値を上記周波数帯域毎に抽出する抽出手段とを有
    するものであり、比較手段は上記各最大値を基準値と比
    較するものであることを特徴とする請求項1に記載の打
    撃判定装置。
  4. 【請求項4】 変換手段はそれぞれ異なる周波数帯域の
    周波数成分を通過させる複数の帯域フィルタであり、抽
    出手段は上記各帯域フィルタを通過した上記周波数成分
    を整流しこの整流された周波数成分の各ピーク値の内最
    大のものを各々最大値として抽出するものであることを
    特徴とする請求項3に記載の打撃判定装置。
  5. 【請求項5】 変換手段は振動信号をウェーブレット変
    換するウェーブレット変換手段であり、抽出手段は上記
    ウェーブレット変換手段による変換結果に基づき各周波
    数帯域毎の最大値を抽出するものであることを特徴とす
    る請求項3に記載の打撃判定装置。
  6. 【請求項6】 変換手段は振動信号を短時間高速フーリ
    エ変換する短時間高速フーリエ変換手段であり、抽出手
    段は上記短時間高速フーリエ変換手段による変換結果に
    基づき各周波数帯域毎の最大値を抽出するものであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の打撃判定装置。
  7. 【請求項7】 基準値は、所定の状態の対象物に外力を
    加えたときに加振手段に発生する振動信号に基づいて設
    定されるものであることを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれか1項に記載の打撃判定装置。
  8. 【請求項8】 検出された振動信号の大きさに応じて、
    波形分析結果と基準値との関係を補正する補正手段を設
    けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1
    項に記載の打撃判定装置。
  9. 【請求項9】 振動信号の大きさが所定値を超えたとき
    振動検出手段、波形分析手段、及び比較手段の少なくと
    も1つの動作の開始を指令する指令手段を設けたことを
    特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の
    打撃判定装置。
  10. 【請求項10】 検出された振動信号の大きさを予め設
    定された基準振動値にて除した比率を求める比率演算手
    段と、この比率が所定範囲内であるか否かを判定する比
    率判定手段とを設けたことを特徴とする請求項1〜請求
    項6のいずれか1項に記載の打撃判定装置。
  11. 【請求項11】 比率判定手段が比率が所定範囲内でな
    いと判定したとき比較手段の比較結果を無効にする無効
    化手段を設けたことを特徴とする請求項10に記載の打
    撃判定装置。
  12. 【請求項12】 増幅振動信号の波高値が所定値を超え
    たことを検出するレンジオーバ検出手段を設けたことを
    特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の
    打撃判定装置。
  13. 【請求項13】 振動信号増幅手段の増幅率を自動的に
    設定する増幅率自動設定手段を設けたことを特徴とする
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の打撃判定装
    置。
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