JPH09250971A - 異常検査方法及びその装置 - Google Patents

異常検査方法及びその装置

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JPH09250971A
JPH09250971A JP376797A JP376797A JPH09250971A JP H09250971 A JPH09250971 A JP H09250971A JP 376797 A JP376797 A JP 376797A JP 376797 A JP376797 A JP 376797A JP H09250971 A JPH09250971 A JP H09250971A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、予期できない衝撃性或いは突発性の
暗騒音や暗振動による誤判定を防止して確実に被検査体
の異常判定を行う。 【解決手段】被検査体1に対して外部の音を第2の音検
出器201により検出し、この検出された音の振幅が予
め設定されたしきい値を越えると、少なくともサンプリ
ング中の被検査体1の音の振幅のデータを削除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音又は機械的振動
に基づいて各種装置の異常を検出する異常検査方法及び
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば回転機器の製造工程において、そ
の機械的総合評価を振動解析により自動的に行う方式が
開発されている。その代表的なものを次に説明する。第
1の方法は、回転機器等の被検査体において発生した機
械的振動又は音を検出し、それらの検出信号をパワース
ペクトラム又は1/3オクダーブ周波数分析して、正常
品と異常品とのパターンを比較判定する。
【0003】第2の方法は、被検査体において発生した
機械的振動又は音の検出信号からハイパスフィルタによ
り約1kHz以上の高周波成分を取出し、その実効値や
ピーク値又は両者の比率から正常品と異常品とを比較判
定する。
【0004】第3の方法は、第2の方法と同様にして得
られた高周波領域の信号を包絡線検波回路により包絡線
信号を抽出して、その正常品と異常品とを比較判定する
方法である。
【0005】しかしながら、第1の方法では、測定中の
平均パワーを求めるものであるため、被測定物の軸受部
のボール疵、ゴミの介在による回転異常、各構成部品の
共振異常等に起因する衝撃的でたまにしか発生しないパ
ルス状の信号の検出は困難である。
【0006】これに対して第2及び第3の方法では、第
1の方法で検出できない異常信号の検出は可能である
が、その反面、実際の検査時において被検査体以外の振
動源において発生する各種の音や機械的振動などの外乱
の影響により正常品を異常品と誤判定してしまう欠点を
もっている。その他、微妙なベアリング不良の検出は困
難である。
【0007】すなわち、製造ラインで発生する騒音や振
動が、被検査体を検出して得た音又は振動検出信号に混
入してしまい、微妙な異常音等の検出ができない。そこ
で、このような暗騒音や暗振動を除去して異常音の検出
能力を高めた技術が特公平4−4534号公報に開示さ
れている。
【0008】この技術は、被検査体の音又は振動を検出
し、この音又は振動検出信号を例えば各周波数成分ごと
の各バンドパスフィルターを通して各周波数成分を取り
出し、複数のサンプリング期間からなる検査時間内にサ
ンプリング期間内における各周波数成分毎の最大ピーク
値を1個づつ検出し、これをディジタル変換して演算制
御部に記憶する。
【0009】そして、これら記憶した最大ピーク値を各
周波数成分ごとに大きさの順に並べ換えることにより外
乱データを除去し、これら並べ換えられた最大ピーク値
について外乱内容に対応して予め定められた特定番目の
最大ピーク値を異常検出用の有効最大ピーク値として各
周波数成分ごとに抽出し、これら周波数成分ごとの有効
最大ピーク値と予め設けられている設定値とを比較する
ことにより被検査体の異常を判定するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
4−4534号公報に開示されている技術では、外乱デ
ータの除去を検査時間にわたって取得した各周波数成分
ごとの最大ピーク値の配列を大きさの順に並べ換え、大
きい順から予め定められた特定番目のデータを有効最大
ピーク値として異常判定に用いているので、規則的に発
生する衝撃性の暗騒音や暗振動は除去できるが、予期で
きない暗騒音や暗振動、例えば台車が通過するときの
音、振動、物体を落下したときの音、振動に対しては除
去する特定番目のデータ数の設定が困難となる。
【0011】このため、暗騒音や暗振動を除去するため
の特定番目のデータ数は、余裕を見込んだ数になり、こ
の結果として被検査体に対する異常の判定能力を低下さ
せてしまう。
【0012】そこで本発明は、予期できない衝撃性或い
は突発性の暗騒音や暗振動による誤判定を防止して確実
に被検査体の異常判定ができる信頼性の高い異常検査方
法を提供することを目的とする。
【0013】又、本発明は、予期できない衝撃性或いは
突発性の暗騒音や暗振動による誤判定を防止して確実に
被検査体の異常判定ができる信頼性の高い異常検査装置
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、被検
査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機械的振
動を各周波数成分に分けてこれら成分における最大ピー
ク値を抽出し、これら最大ピーク値を大きさの順に並び
換え、予め定められた特定番目の最大ピーク値に基づい
て被検査体の異常判定を行う異常検査方法において、被
検査体に対して外部の音又は機械的振動を検出し、この
検出された外部の音又は機械的振動が予め設定されたし
きい値を越えた場合、少なくともサンプリング中の被検
査体の音又は機械的振動を削除する異常検査方法であ
る。
【0015】請求項2によれば、第1の音又は振動検出
器により被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音
又は機械的振動を各周波数成分に分けてこれら成分にお
ける最大ピーク値を抽出し、これら最大ピーク値を大き
さの順に並び換え、予め定められた特定番目の最大ピー
ク値に基づいて被検査体の異常判定を行う異常検査装置
において、被検査体に対して外部の音又は機械的振動を
検出する第2の音又は振動検出器と、この第2の音又は
振動検出器により検出された音又は機械的振動が予め設
定されたしきい値を越えた場合、少なくともサンプリン
グ中の被検査体の音又は機械的振動を削除するデータ削
除手段と、を備えた異常検査装置である。
【0016】このような異常検査装置であれば、被検査
体に対して外部の音又は機械的振動を第2の音又は振動
検出器により検出し、この検出された音又は機械的振動
が予め設定されたしきい値を越えると、少なくともサン
プリング中の被検査体の音又は機械的振動を削除するの
で、被検査体の音又は機械的振動の影響を受けることな
く、予期せぬ衝撃性の暗騒音や暗振動を確実に検出し
て、確実に被検査体の異常判定ができる。
【0017】請求項3によれば、請求項2記載の異常検
査装置において、第2の音又は振動検出器は、被検査体
を収納する防音室の外側、又は被検査体に振動絶縁を介
して配置される。
【0018】このような異常検査装置であれば、防音室
の外側、又は被検査体に振動絶縁を介して配置された第
2の音又は振動検出器により被検査体の外部の音又は振
動を検出し、この外部の音又は機械的振動が予め設定さ
れたしきい値を越えると、少なくともサンプリング中の
被検査体の音又は機械的振動を削除する。
【0019】請求項4によれば、請求項2記載の異常検
査装置において、データ削除手段は、第2の音又は振動
検出器により検出された音又は機械的振動がしきい値よ
り大きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査
体の音又は機械的振動を削除するとともに、その前の1
又は2以上のサンプリング期間内の被検査体の音又は機
械的振動を削除する機能を有する。
【0020】このような異常検査装置であれば、防音室
の外側、又は被検査体に振動絶縁を介して配置された第
2の音又は振動検出器により検出された音又は機械的振
動がしきい値より大きくなったときを含むサンプリング
期間内の被検査体の音又は機械的振動を削除するととも
に、その前の1又は2以上のサンプリング期間内の被検
査体の音又は機械的振動を削除する。
【0021】請求項5によれば、請求項2記載の異常検
査装置において、データ削除手段は、第2の音又は振動
検出器により検出された音又は機械的振動がしきい値よ
り小さくなったときを含むサンプリング期間内の被検査
体の音又は機械的振動を削除するとともに、その後の1
又は2以上のサンプリング期間内の被検査体の音又は機
械的振動を削除する機能を有する。
【0022】このような異常検査装置であれば、防音室
の外側、又は被検査体に振動絶縁を介して配置された第
2の音又は振動検出器により検出された音又は機械的振
動がしきい値より小さくなったときを含むサンプリング
期間内の被検査体の音又は機械的振動を削除するととも
に、その後の1又は2以上のサンプリング期間内の被検
査体の音又は機械的振動を削除する。
【0023】請求項6によれば、被検査体の音又は機械
的振動を検出し、この音又は機械的振動を各周波数成分
に分けてこれら成分における最大ピーク値を抽出し、こ
れら最大ピーク値を大きさの順に並び換え、その中の特
定番目の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を
行う異常検査方法において、特定番目の最大ピーク値と
して、各周波数成分における全サンプル数に対し所定の
割合で選択されたサンプルの中の最大ピーク値を用い
る。
【0024】請求項7によれば、請求項6記載の異常検
査方法において、所定の割合は、各周波数成分毎に設定
される。請求項8によれば、被検査体の音又は機械的振
動を検出し、この音又は機械的振動を各周波数成分に分
けてこれら成分における最大ピーク値を抽出して被検査
体の異常判定を行う異常検査方法において、被検査体に
対して外部の音又は機械的振動を検出し、この検出され
た外部の音又は機械的振動が予め設定されたしきい値を
越えた場合、少なくともサンプリング中の被検査体の音
又は機械的振動を削除する異常検査方法である。
【0025】請求項9によれば、請求項8記載の異常検
査方法において、外部の音又は機械的振動がしきい値よ
り大きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査
体の音又は機械的振動を削除するとともに、その前の1
又は2以上のサンプリング期間内の被検査体の音又は機
械的振動を削除する。
【0026】請求項10によれば、請求項8記載の異常
検査方法において、外部の音又は機械的振動がしきい値
より小さくなったときを含むサンプリング期間内の被検
査体の音又は機械的振動を削除するとともに、その後の
1又は2以上のサンプリング期間内の被検査体の音又は
機械的振動を削除する。
【0027】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参
照して説明する。本発明の異常検査方法は、回転機器等
の被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機
械的振動を各周波数成分に分けてこれら成分における最
大ピーク値を抽出して被検査体の異常判定を行う、より
詳しくはこれら最大ピーク値を大きさの順に並び換えて
得られる特定番目の最大ピーク値に基づいて被検査体の
異常判定を行う異常検査方法において、被検査体に対し
て外部の音又は機械的振動を検出し、この検出された外
部の音又は機械的振動が予め設定されたしきい値を越え
た場合、少なくともサンプリング中の被検査体の音又は
機械的振動を削除するものである。
【0028】図1はかかる異常検査方法を適用した異常
検査装置の構成図である。第1の音又は振動検出器1
は、図2に示すように回転機器等の被検査体ST1の音
又は振動を検出し、その音又は振動波形に対応した波形
を有する第1の電気信号SA1に変換出力する機能を有
している。
【0029】なお、この第1の音又は振動検出器1は、
以下、第1の音検出器1として説明する。被検査体ST
1は、防音室ST2内に各防振ゴムST3を介して収納
されている。
【0030】第1の音検出器1は、防音室ST2内に配
置され、この防音室ST2内において被検査体ST1の
音の振幅を検出するものとなる。この第1の音検出器1
の出力側は、増幅器2を介して、異なる周波数帯域の周
波数成分に分析する各周波数分析部301〜30nに接
続されている。但し、この実施の形態においてはn=2
8である(以下同じ)。
【0031】これら周波数分析部301〜30nは、そ
れぞれ増幅器2に直接に電気的接続された例えば中心周
波数が20Hzから10000Hzまでの1/3オクタ
ーブごとの28チャンネルの周波数帯域の周波数成分を
得るための各バンドパスフィルタ401〜40nと、こ
れらバンドパスフィルタ401〜40nの出力側に各別
に接続された各ピーク値検出回路501〜50nとから
構成されている。
【0032】このうち各ピーク値検出回路501〜50
nは、それぞれ各サンプルアンドホールド回路601〜
60n、各比較器701〜70n及び各アンド回路80
1〜80nから構成されている。
【0033】これらサンプルアンドホールド回路601
〜60nは、それぞれ正半波ピーク値をホールドする機
能を有するもので、各バンドパスフィルタ401〜40
nの出力側に各別に接続されている。
【0034】各比較器701〜70nは、その各入力側
にそれぞれ各バンドパスフィルタ401〜40nの出力
側が各別に接続されるとともに各サンプルアンドホール
ド回路601〜60nの出力側が各別に接続されてい
る。
【0035】各アンド回路801〜80nは、その出力
側が各サンプルアンドホールド回路601〜60nのコ
ントロール入力側に接続されるとともに、入力側が各比
較器701〜70nの出力側に各別に接続されている。
【0036】これらアンド回路801〜80nの他方の
入力側は、後述するデコーダ9の出力側に接続されてい
る。このような構成の各周波数分析部301〜30n
は、マルチプレクサ10の入力側に接続されている。
【0037】一方、第2の音又は振動検出部201は、
図2に示すように防音室ST2の外部に配置され、予期
できない暗騒音や暗振動、例えば台車が通過するときの
音や振動、物体を落下したときの音や振動を検出し、そ
の音又は振動波形に対応した波形を有する第2の電気信
号SA2に変換出力する機能を有している。
【0038】なお、この第2の音又は振動検出部201
は、以下、第2の音検出部201として説明する。この
第2の音検出器201の出力側は、増幅器202を介し
て、周波数分析部30n+1 に接続されている。
【0039】この周波数分析部30n+1 は、増幅器20
2に直接に電気的接続されたバンドパスフィルタ40n+
1 と、このバンドパスフィルタ40n+1 の出力側に各別
に接続されたピーク値検出回路50n+1 とから構成され
ている。
【0040】このうちバンドパスフィルタ40n+1 は、
その周波数帯域が異常判定に用いられる各バンドパスフ
ィルタ401〜40nの全周波数帯域をカバーするよう
に設定されている。
【0041】又、ピーク値検出回路50n+1 は、サンプ
ルアンドホールド回路60n+1 、比較器70n+1 及びア
ンド回路80n+1 から構成されている。サンプルアンド
ホールド回路60n+1 は、それぞれ正半波ピーク値をホ
ールドする機能を有するもので、バンドパスフィルタ4
0n+1 の出力側に各別に接続されている。
【0042】比較器70n+1 は、その各入力側にバンド
パスフィルタ40n+1 の出力側が各別に接続されるとと
もにサンプルアンドホールド回路60n+1 の出力側が各
別に接続されている。
【0043】アンド回路80n+1 は、その出力側がサン
プルアンドホールド回路60n+1 のコントロール入力側
に接続されるとともに、入力側が比較器70n+1 の出力
側に各別に接続されている。
【0044】このアンド回路80n+1 の他方の入力側
は、後述するデコーダ9の出力側に接続されている。こ
のような構成の周波数分析部30n+1 は、マルチプレク
サ10の入力側に接続されている。
【0045】このマルチプレクサ10の出力側は、アナ
ログ−ディジタル変換器11からシステムバス12を介
してマイクロコンピュータ13に接続されている。この
マイクロコンピュータ13は、CPU(中央処理装置)
14と、このCPU14にシステムバス15を介して接
続された入出力インタフェース16と、データの書き込
み・読み出し可能なRAM(ランダム・アクセス・メモ
リ)17と、制御プログラムが格納されたROM(リー
ド・オンリー・メモリ)18と、CRT(陰極線管)イ
ンタフェース19とから構成されている。
【0046】このうちCPU14は、被検査体の異常判
定を行う機能を有するもので、第1の演算手段14a、
第2の演算手段14b及び第3の演算手段14cの各機
能を有している。
【0047】第1の演算手段14aは、第1の音検出器
1及び第2の音検出器201により検出される音の振幅
のデータを各ピーク値検出回路301〜30n+1 、マル
チプレクサ10及びアナログ−ディジタル変換器11を
通して取り込み、1回の検査時間内の各サンプリング期
間ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値を大きさの順
に並べ換える機能を有している。
【0048】第2の演算手段14bは、第1の演算手段
14aにより大きさの順に並び換えられた各最大ピーク
値について外乱内容に対応して予め定められ特定番目の
最大ピーク値を有効最大ピーク値として各周波数成分ご
とに抽出する機能を有している。
【0049】又、この第2の演算手段14bは、1回の
検査時間内に各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得ら
れた最大ピーク値のうち、第2の音検出器201により
検出された防音室ST2の外部の音の振幅の最大ピーク
値を検索し、この最大ピーク値が予め設定されたしきい
値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプリ
ング期間内にサンプリングされた被検査体ST1の音の
振幅のデータを削除するデータ削除手段としての機能を
有している。
【0050】この場合、第2の演算手段14bは、第2
の音検出器201により検出された音がしきい値より大
きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体S
T1の音を削除するとともに、その前の1又は2以上の
サンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除するデ
ータ削除手段としての機能を有する。
【0051】又、第2の演算手段14bは、第2の音検
出器201により検出された音がしきい値より小さくな
ったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST1の
音を削除するとともに、その後の1又は2以上のサンプ
リング期間内の被検査体ST1の音を削除する機能を有
している。
【0052】第3の演算手段14cは、第2の演算手段
14bにより得られた有効最大ピーク値と予め設けられ
ている設定値との比較により異常判定を行う機能を有し
ている。
【0053】上記RAM17の一部は、設定値及び正常
パターンを記憶させるための不揮発性RAMからなって
いる。なお、図示しないがマイクロコンピュータ13に
は、RAM17及びROM18に上記制御プログラムや
設定値等を外部から格納させるための入力部が設けられ
ている。
【0054】上記入出力インタフェース16は、システ
ムバス12を介してアナログ−ディジタル変換器11に
接続されている。さらに、この入出力インタフェース1
6は、システムバス20を介してデコーダ9及びマルチ
プレクサ10に接続されている。
【0055】又、この入出力インタフェース16は、回
線21を介して微分回路22の入力側に接続されてい
る。この微分回路22の出力側は、ストローブ線23を
介してアナログ−ディジタル変換器11及び単安定マル
チバイブレータ24の入力側に接続されている。
【0056】この単安定マルチバイブレータ24の出力
側は、ストローブ線25を介してデコーダ9に接続され
ている。これらデコーダ9、微分回路22及び単安定マ
ルチバイブレータ24は、タイミング回路26を構成し
ている。
【0057】さらに、このタイミング回路26及びマイ
クロコンピュータ13は、演算制御部27を構成してい
る。又、CRTインタフェース19には、検査結果を表
示するためのCRTディスプレイ28が接続されてい
る。
【0058】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて図3に示す異常検査フローチャートに従って説明す
る。先ず、ステップ#1において、ROM18に後述す
る計算プログラムが格納されるとともに、RAM17に
検査時間(例えば3秒)、サンプリング期間Δt(例え
ば0.1秒)、ピーク値を除外するための無効ピーク値
数NIP(例えば2個)異常が検出されたサンプリング期
間の前後の削除すべきサンプリング期間数が格納され
る。
【0059】なお、サンプリング期間Δtの長さは、外
乱、例えばコンベア停止時の衝撃振動による影響時間よ
り短くなるように設定するのが好ましい。検査時間の長
さは、検出すべき被検査体の異常内容、例えば回転機器
の回転異常によって決定する。
【0060】又、無効ピーク値数NIPの数は、上記検査
時間内において発生する外乱の回数を経験的に求めて、
この経験的に求められた外乱の回数に基づいて決定す
る。しかして、被検査体1である回転機器に第1の音検
出器1を接触させ、この回転機器を起動する。
【0061】第1の音検出器1は、回転機器の音を検出
し、この音の振幅波形に対応した波形を有する第1の電
気信号SA1を出力する。この第1の電気信号SA1
は、増幅器2により増幅されたのち、各バンドパスフィ
ルタ401〜40nに入力し、これらバンドパスフィル
タ401〜40nにより所定の異なる周波数帯域の周波
数成分の信号SC1〜SCnに変換される。
【0062】以下、主としてn=28すなわち28チャ
ンネルの場合(中心周波数が10000Hz)の信号S
Cnの信号処理方式について、図1及び図4に基づいて
例示的に詳述する。
【0063】信号SCnは、図4に示すように正弦波状
波形となっている。他の信号SC1〜SC(n−1)に
ついても波形はほぼ正弦波状をなしている。これら信号
SC1〜SCnは、それぞれサンプルアンドホールド回
路601〜60n及び各比較器701〜70nに入力さ
れる。
【0064】このうちサンプルアンドホールド回路60
nは、図4に示すようにピーク値を示す信号SDnを比
較器70nに出力する。この比較器70nは、サンプル
アンドホールド回路60nからの信号SDnを設定値と
して入力するとともにバンドパスフィルタ40nからの
信号SCnを入力し、信号SCnより信号SDnが小さ
い場合には「0」を示す信号SEnをアンド回路80n
に出力し、かつ信号SCnより信号SDnが大きい場合
には「1」を示す信号SEnをアンド回路80nに出力
する。
【0065】図4に示す信号SCnは、例えば区間30
においては単調増加しているので「0」を示す信号SE
nがアンド回路80nに出力される。一方、アンド回路
80nの他方の入力端には、後述するリセット時を除い
て常に「1」を示すデコーダ9からの信号SFnが出力
されているので、アンド回路80nからは「0」を示す
信号SGnがサンプルアンドホールド回路60nに出力
される。
【0066】このサンプルアンドホールド回路60n
は、アンド回路80nからの信号SFnが「0」のとき
ピーク値をサンプリングし、信号SFn「1」のときピ
ーク値をホールドする。
【0067】従って、例えば区間30においては、サン
プルアンドホールド回路60nはピーク値のサンプリン
グ状態にあるので信号SDnも図4に示すように増加す
る。ところが、信号SCnの変曲点31を境界にして信
号SEnは「1」となるので、アンド回路80nは
「1」を示す信号SGnをサンプルアンドホールド回路
60nに出力し、これによって変曲点31におけるピー
ク値Pn1 がホールドされ、このピーク値Pn1 を示す
信号SDnがマルチプレクサ10に出力される。
【0068】なお、図3には示さないが、他の周波数分
析部301〜30(n−1)からも同様にしてピーク値
11…P(n-1)1を示す各信号SD1〜SD(n−1)が
同時にマルチプレクサ10に出力される。
【0069】一方、第2の音検出器201は、防音室S
T2の外部の音を検出し、その音の振幅波形に対応した
波形を有する第2の電気信号SA2を出力する。この第
2の電気信号SA2は、増幅器202により増幅された
のち、バンドパスフィルタ40n+1 に入力し、信号SC
n+1 に変換される。
【0070】この信号SCn+1 は、サンプルアンドホー
ルド回路60n+1 及び比較器70n+1 に入力される。こ
のうちサンプルアンドホールド回路60n+1 は、ピーク
値を示す信号SDn+1 を比較器70n+1 に出力する。
【0071】この比較器70n+1 は、サンプルアンドホ
ールド回路60n+1 からの信号SDn+1 を設定値として
入力するとともにバンドパスフィルタ40n+1 からの信
号SCn+1 を入力し、信号SCn+1 より信号SDn+1 が
小さい場合には「0」を示す信号SEn+1 をアンド回路
80n+1 に出力し、かつ信号SCn+1 より信号SDn+1
が大きい場合には「1」を示す信号SEn+1 をアンド回
路80n+1 に出力する。
【0072】アンド回路80n+1 の他方の入力端には、
上記同様に、リセット時を除いて常に「1」を示すデコ
ーダ9からの信号SFn+1 が出力されているので、アン
ド回路80n+1 からは「0」を示す信号SGn+1 がサン
プルアンドホールド回路60n+1 に出力される。
【0073】このサンプルアンドホールド回路60n+1
は、アンド回路80n+1 からの信号SFn+1 が「0」の
ときピーク値をサンプリングし、信号SFn+1 「1」の
ときピーク値をホールドする。
【0074】従って、サンプルアンドホールド回路60
n+1 は、防音室ST2の外部の音の振幅の波形に対応し
た信号SCn+1 の変曲点におけるピーク値をホールド
し、このピーク値を示す信号SDn+1 をマルチプレクサ
10に出力する。
【0075】一方、CPU14は、入出力インタフェー
ス16を介して所要の周波数分析部301〜30n、3
0n+1 を指定する信号を、システムバス20を経由して
デコーダ9及びマルチプレクサ10に出力する。
【0076】この信号SHがマルチプレクサ10に送ら
れることにより、このマルチプレクサ10からは、図4
に示すように各バンドパスフィルタ401〜40n、4
0n+1 を通過した周波数成分の各ピーク値(例えば上記
Pn1 )、及び外部の音の振幅の波形に対応した信号S
Cn+1 のピーク値を示す各信号SD1〜SDn、SDn+
1 のみが、各信号SI1〜SIn、SIn+1 としてアナ
ログ−ディジタル変換器11に順次出力される。
【0077】これら信号SI1〜SIn、SIn+1 のア
ナログ−ディジタル変換器11への入力時点より時間Δ
1 (数10μs)経過後に、CPU14は、図4に示
すように入出力インタフェース16を介してパルス状の
信号SJを時間Δt2 (約30ms以下)ごとに微分回
路22に出力する。
【0078】この微分回路22は、信号SJを微分した
信号SKを単安定マルチバイブレータ24及びアナログ
−ディジタル変換器11に出力する。この信号SKを入
力した時点での各信号SI1〜SIn、SIn+1 は、ア
ナログ−ディジタル変換器11によりディジタル値の各
データ信号SL1〜SLn、SLn+1 に変換され、これ
らデータ信号SL1〜SLn、SLn+1 は入出力インタ
フェース16、CPU14を経てRAM17に伝送さ
れ、ステップ#2において、このRAM17の所定の番
地にピーク値Pn1 として格納される。
【0079】なお、図4において、信号SKの「1」を
示す部分の前縁と信号SF1の「0」を示す部分の後縁
との時間Δt3 において異常検査は一時中断されるが、
リアルタイムで正確にデータを収集するために、Shann
onのサンプリング定理によりΔt3 <1/2Fmax (た
だしFmax は最高周波数)を満足するように設定されて
いる。
【0080】一方、信号SKを入力した単安定マルチバ
イブレータ24は、この信号SKの後縁をトリガとして
信号SMをストローブ信号としてデコーダ9に出力す
る。この信号SMを入力したデコーダ9は、信号SHが
指定する各アンド回路801〜80n、80n+1 に対し
てリセットのための「0」を示す信号SF1〜SFn、
SFn+1 を出力する。
【0081】図4に示すように、この「0」を示す信号
SF1〜SFn、SFn+1 を入力した各アンド回路80
1〜80n、80n+1 は「0」を示す各信号をそれぞれ
サンプルアンドホールド回路601〜60n、60n+1
に出力し、そのピーク値は例えば図4に示す信号SCの
点33まで急減し、再び前述したようにして、図4に示
す次のサンプリング期間Δt内における最大のピーク値
Pn2 をホールドしてマルチプレクサ10に出力する。
【0082】但し、Δt>Δt2 ×(n+1)となるよ
うに設定されており、かつ(n+1)は周波数分析部の
数である。一方、例えば、RAM17にピーク値Pn1
が格納されると、[Δt−{Δt2 ×(n+1) }]時間後
に、周波数分析部301を指定する信号SHがデコーダ
9及びマルチプレクサ10に出力され、又、信号SJが
微分回路22に出力され、周波数分析部30nと同様に
して、ピーク値P11を示す信号SI1がアナログ−ディ
ジタル変換器11によりディジタル値のデータ信号SL
1に変換され、このデータ信号SL1がRAM17に伝
送され、このRAM17の所定の番地にピーク値P11
して格納される。
【0083】この後、リセットのための「0」を示す信
号SF1がアンド回路801に出力されサンプルアンド
ホールド回路601は再びサンプリング状態に復帰す
る。このようにして、サンプリング期間Δt内に他の各
周波数分析部302〜30n+1 においてホールドされた
最大のピーク値P21…P(n+1)1が順次RAM17の所定
の番地に格納される。
【0084】なお、マイクロコンピュータ13から出力
される信号SJのパルス間隔は、図5に示す信号SL1
〜SLn、SLn+1 に対応してSL1〜SLn、SLn+
1 をサンプリングする期間中はΔt2 であり、例えば信
号SLnから次のサンプリング期間Δtにおける信号S
Ln+1 をサンプリングするまでのパルス間隔は、前記し
たように[Δt−{Δt2 ×(n+1) }]である。
【0085】このような信号SJのパルス間隔を得るた
めのプログラムは予めROM18中に格納されている。
さらに、Δt2 ×(n+1) がサンプリング期間Δtに等し
くなるように時間Δt2 を設定してもよい。
【0086】上記各サンプリング期間Δt内において、
各周波数分析部301〜30n、30n+1 ごとに順次行
われるRAM17へのピーク値の格納は図5に示すよう
にm回繰り返して行われる。RAM17においてはピー
ク値は各周波数分析部301〜30n、30n+1 ごとに
格納する。
【0087】従って、各周波数分析部301〜30n、
30n+1 ごとにm個のデータが格納される。しかして、
ステップ#3において、RAM17に格納されたデータ
数がm×(n+1) (ただし、mはサンプリング回数、(n+
1) は周波数分析部の数である)に達すると、CPU1
4の第1の演算手段14aは、ステップ#4において、
各周波数分析部301〜30n、30n+1 ごとにピーク
値を大きい順に並び換える演算を行い、この演算結果を
図6に示すようにRAM17に格納する。
【0088】次にCPU14の第2の演算手段14b
は、ステップ#5において、例えばコンベア停止時の衝
撃振動、エアシリンダ動作時の衝撃振動などの被検査体
以外の振動源からの外乱の影響を除外するために、各周
波数成分ごとにRAM17に格納されている上記大きい
順に並べられたピーク値の大きい側からNIP個、例えば
2個のデータを除外し、NIP+1番目のデータを有効最
大ピーク値PEM1 …PEMn として抽出しRAM17に格
納する。
【0089】又、この第2の演算手段14bは、ステッ
プ#6に移り、1回の検査時間内に各サンプリング期間
ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値のうち、第2の
音検出器201により検出された防音室ST2の外部の
音の振幅の最大ピーク値を検索する。
【0090】そして、第2の演算手段14bは、この最
大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えたか否かを
判断し、最大ピーク値がしきい値を越えた場合、この最
大ピーク値を検出したサンプリング期間内にサンプリン
グされた被検査体ST1の音の振幅のデータを削除す
る。
【0091】この場合、第2の演算手段14bは、第2
の音検出器201により検出された音がしきい値より大
きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体S
T1の音を削除するとともに、その前の1又は2以上の
サンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除する。
【0092】なお、第2の演算手段14bは、第2の音
検出器201により検出された音がしきい値より小さく
なったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST1
の音を削除するとともに、その後の1又は2以上のサン
プリング期間内の被検査体ST1の音を削除する。
【0093】例えば、被検査体ST1を収納する防音室
ST2の近傍に、例えば台車が通過したり、又は防音室
ST2の近傍で物体が落下すると、第2の音検出器20
1は、台車の通過するときの音又は物体の落下したとき
の音を検出し、これら音の波形に対応した電気信号SA
2を出力する。
【0094】図7はかかる第2の音検出器201により
台車の通過、又は物体の落下を検出したときの電気信号
SA2の波形図である。この電気信号SAn+1 には、サ
ンプリング期間Ta内において台車の通過するときの音
又は物体の落下したときの音を検出したときの波形Ga
が現れている。
【0095】一方、第1の音検出器1から出力される電
気信号SA1においても台車の通過の音、又は物体の落
下の音による波形Gbが現れている。従って、第2の演
算手段14bは、サンプリング期間Ta内において第2
の音検出器201により検出された防音室ST2の外部
の音の振幅の最大ピーク値すなわち波形Gaによるピー
ク値を検索し、この最大ピーク値が予め設定されたしき
い値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプ
リング期間Ta内にサンプリングされた被検査体ST1
の音の振幅のデータを削除する。すなわち、サンプリン
グ期間Ta内における電気信号SA1が削除される。
【0096】次にCPU14の第3の演算手段14c
は、ステップ#7において、各周波数成分ごとに、予め
RAM17に設定されている各設定値PT1…PTnと、こ
れら各設定値PT1…PTnに対応する各有効最大ピーク値
EM1 …PEMn とを比較し、有効最大ピーク値PEM1
EMn のうち一つでも設定値を越えていれば「被検査体
1に異常あり」と判定する。
【0097】なお、上記設定値は、実際の検査前に例え
ばN=100(個)程度の正常な被検査体に対して、前
述したと同様にしてピーク値をRAM17に格納し、全
部の被検査体について各周波数成分ごとに、ROM18
に格納されている下式(1)(2)により有効最大ピーク値P
EMkiの平均値Xi´及び標準偏差σi をCPU14にて
演算しRAM17に格納する。
【0098】
【数1】
【0099】ここで、iは周波数成分を示すもので、i
=1…nである。また、kは被検差物の数でk=…1N
であり、PEMkiはk番目の被検査体の周波数成分iにつ
いてのピーク値である。上記式(1)(2)によって求められ
た平均値Xi´及び標準偏差σi に基づいて各周波数成
分ごとにROM18に格納されている次式(3) により設
定値PT1…PTnを求める。
【0100】
【数2】
【0101】(ただしi=1…n) ここで、Zは検査環境、検査基準に応じて任意に設定で
きる変数である。上記設定値PT1…PTn、有効最大ピー
ク値PEM1 …PEMn 及び異常の有無についての判定結果
は、ステップ#7において、図8及び図9に示すように
各周波数成分ごとにCRT28により表示される。
【0102】これらの図において周波数成分の数nは2
8となっている。なお、CRT28における表示のため
のプログラムはROM18に予め格納されている。図8
は、波形が図7に示すような被検査体1の回転部分が固
定部分に接触したときのいわゆる「当り異常」に起因す
るときの検査結果のCRT表示を示している。
【0103】この図中において、棒グラフの影線部分は
異常部分を示していて、有効最大ピーク値が設定値より
大きいときに「異常」と判定している。異常を表わして
いる帯域は異常を示す棒グラフの直上部に矩形39…に
より表示されている。
【0104】このように上記第1の実施の形態において
は、被検査体1に対して外部の音を第2の音検出器20
1により検出し、この検出された音の振幅が予め設定さ
れたしきい値を越えると、少なくともサンプリング中の
被検査体1の音の振幅のデータを削除するので、被検査
体1の音の影響を受けることなく、予期せぬ衝撃性の暗
騒音や暗振動を確実に検出して、確実に被検査体1の異
常判定ができる。 (2) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい
説明は省略する。
【0105】この第2の実施の形態は、図1に示す異常
検査装置を図9に示す被検査体ST0 に適用したもので
ある。以下、図1に示す異常検査装置に従い説明する。
回転機器等の被検査体ST10は、ベースST11上に各防
振ゴムST12を介して載置されている。ベースST11上
には、支柱ST13が立設され、この支柱ST13の先端部
に防振ゴムST14を介してシリンダST15が設けられて
いる。
【0106】そして、このシリンダST15の駆動先端に
防振ゴムST16を介して第1の音又は振動検出器1が設
けられている。この第1の音又は振動検出器1は、被検
査体ST10の音又は振動を検出し、その音又は振動波形
に対応した波形を有する第1の電気信号SA1に変換出
力する機能を有している。
【0107】なお、この第1の音又は振動検出器1は、
以下、第1の振動検出器1として説明する。この第1の
音検出器1の出力側は、増幅器2を介して、異なる周波
数帯域の周波数成分に分析する各周波数分析部301〜
30nに接続されている。
【0108】第2の音又は振動検出部201は、図9に
示すようにベースST11上に設けられ、予期できない暗
騒音や暗振動、例えば台車が通過するときの音や振動、
物体を落下したときの音や振動を検出し、その音又は振
動波形に対応した波形を有する第2の電気信号SA2に
変換出力する機能を有している。
【0109】なお、この第2の音又は振動検出部201
は、以下、第2の振動検出部201として説明する。こ
の第2の振動検出器201の出力側は、増幅器202を
介して、周波数分析部30n+1 に接続されている。
【0110】一方、CPU14は、被検査体ST10の異
常判定を行う機能を有するもので、第1の演算手段14
a、第2の演算手段14b及び第3の演算手段14cの
各機能を有している。
【0111】第1の演算手段14aは、第1の振動検出
器1及び第2の振動検出器201により検出される各振
動のデータを各ピーク値検出回路301〜30n+1 、マ
ルチプレクサ10及びアナログ−ディジタル変換器11
を通して取り込み、1回の検査時間内の各サンプリング
期間ごとに各1個ずつ得られた最大ピーク値を大きさの
順に並べ換える機能を有している。
【0112】第2の演算手段14bは、第1の演算手段
14aにより大きさの順に並び換えられた各最大ピーク
値について外乱内容に対応して予め定められ特定番目の
最大ピーク値を有効最大ピーク値として各周波数成分ご
とに抽出する機能を有している。
【0113】又、この第2の演算手段14bは、1回の
検査時間内に各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得ら
れた最大ピーク値のうち、第2の振動検出器201によ
り検出されたベース201上の外部の振動の最大ピーク
値を検索し、この最大ピーク値が予め設定されたしきい
値を越えた場合、この最大ピーク値を検出したサンプリ
ング期間内にサンプリングされた被検査体ST10の振動
のデータを削除するデータ削除手段としての機能を有し
ている。
【0114】この場合、第2の演算手段14bは、第2
の振動検出器201により検出された振動がしきい値よ
り大きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査
体ST10の音を削除するとともに、その前の1又は2以
上のサンプリング期間内の被検査体ST10の音を削除す
る。
【0115】なお、第2の演算手段14bは、第2の振
動検出器201により検出された振動がしきい値より小
さくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体S
T10の音を削除するとともに、その後の1又は2以上の
サンプリング期間内の被検査体ST10の音を削除する。
【0116】第3の演算手段14cは、第2の演算手段
14bにより得られた有効最大ピーク値と予め設けられ
ている設定値との比較により異常判定を行う機能を有し
ている。
【0117】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。先ず、上記実施の形態の同様に、ROM
18に後述する計算プログラムが格納されるとともに、
RAM17に検査時間(例えば3秒)、サンプリング期
間Δt(例えば0.1秒)、ピーク値を除外するための
無効ピーク値数NIP(例えば2個)、異常が検出された
サンプリング期間の前後の削除すべきサンプリング期間
数が格納される。
【0118】なお、サンプリング期間Δtの長さは、外
乱、例えばコンベア停止時の衝撃振動による影響時間よ
り短くなるように設定するのが好ましい。検査時間の長
さは、検出すべき被検査体ST10の異常内容、例えば回
転機器の回転異常によって決定する。又、異常が検出さ
れたサンプリング期間の前後の削除すべきそれぞれのサ
ンプリング期間数は、その外部の状態に合わせて適宜決
められる。
【0119】又、無効ピーク値数NIPの数は、上記検査
時間内において発生する外乱の回数を経験的に求めて、
この経験的に求められた外乱の回数に基づいて決定す
る。しかして、回転機器等の被検査体ST10が起動する
と、第1の振動検出器1は、回転機器の振動を検出し、
その振動波形に対応した波形を有する第1の電気信号S
A1を出力する。
【0120】この第1の電気信号SA1は、増幅器2に
より増幅されたのち、各バンドパスフィルタ401〜4
0nに入力し、これらバンドパスフィルタ401〜40
nにより所定の異なる周波数帯域の周波数成分の信号S
C1〜SCnに変換される。
【0121】このうち、例えば信号SCnは、図4に示
すように正弦波状波形となっている。他の信号SC1〜
SC(n−1)についても波形はほぼ正弦波状をなして
いる。
【0122】これら信号SC1〜SCnは、それぞれサ
ンプルアンドホールド回路601〜60n及び各比較器
701〜70nに入力される。このうちサンプルアンド
ホールド回路60nは、図4に示すようにピーク値を示
す信号SDnを比較器70nに出力する。
【0123】この比較器70nは、サンプルアンドホー
ルド回路60nからの信号SDnを設定値として入力す
るとともにバンドパスフィルタ40nからの信号SCn
を入力し、信号SCnより信号SDnが小さい場合には
「0」を示す信号SEnをアンド回路80nに出力し、
かつ信号SCnより信号SDnが大きい場合には「1」
を示す信号SEnをアンド回路80nに出力する。
【0124】図4に示す信号SCnは、例えば区間30
においては単調増加しているので「0」を示す信号SE
nがアンド回路80nに出力される。一方、アンド回路
80nの他方の入力端には、後述するリセット時を除い
て常に「1」を示すデコーダ9からの信号SFnが出力
されているので、アンド回路80nからは「0」を示す
信号SGnがサンプルアンドホールド回路60nに出力
される。
【0125】このサンプルアンドホールド回路60n
は、アンド回路80nからの信号SFnが「0」のとき
ピーク値をサンプリングし、信号SFn「1」のときピ
ーク値をホールドする。
【0126】従って、例えば区間30においては、サン
プルアンドホールド回路60nはピーク値のサンプリン
グ状態にあるので信号SDnも図4に示すように増加す
る。ところが、信号SCnの変曲点31を境界にして信
号SEnは「1」となるので、アンド回路80nは
「1」を示す信号SGnをサンプルアンドホールド回路
60nに出力し、これによって変曲点31におけるピー
ク値Pn1 がホールドされ、このピーク値Pn1 を示す
信号SDnがマルチプレクサ10に出力される。
【0127】なお、他の周波数分析部301〜30(n
−1)からも同様にしてピーク値P11…P(n-1)1を示す
各信号SD1〜SD(n−1)が同時にマルチプレクサ
10に出力される。
【0128】一方、第2の振動検出器201は、ベース
ST11上の外部の振動を検出し、その振動波形に対応し
た波形を有する第2の電気信号SA2を出力する。この
第2の電気信号SA2は、増幅器202により増幅され
たのち、バンドパスフィルタ40n+1 に入力し、信号S
Cn+1 に変換される。
【0129】この信号SCn+1 は、サンプルアンドホー
ルド回路60n+1 及び比較器70n+1 に入力される。こ
のうちサンプルアンドホールド回路60n+1 は、ピーク
値を示す信号SDn+1 を比較器70n+1 に出力する。
【0130】この比較器70n+1 は、サンプルアンドホ
ールド回路60n+1 からの信号SDn+1 を設定値として
入力するとともにバンドパスフィルタ40n+1 からの信
号SCn+1 を入力し、信号SCn+1 より信号SDn+1 が
小さい場合には「0」を示す信号SEn+1 をアンド回路
80n+1 に出力し、かつ信号SCn+1 より信号SDn+1
が大きい場合には「1」を示す信号SEn+1 をアンド回
路80n+1 に出力する。
【0131】アンド回路80n+1 の他方の入力端には、
上記同様に、リセット時を除いて常に「1」を示すデコ
ーダ9からの信号SFn+1 が出力されているので、アン
ド回路80n+1 からは「0」を示す信号SGn+1 がサン
プルアンドホールド回路60n+1 に出力される。
【0132】このサンプルアンドホールド回路60n+1
は、アンド回路80n+1 からの信号SFn+1 が「0」の
ときピーク値をサンプリングし、信号SFn+1 「1」の
ときピーク値をホールドする。
【0133】従って、サンプルアンドホールド回路60
n+1 は、ベースST11上の外部の振動の波形に対応した
信号SCn+1 の変曲点におけるピーク値をホールドし、
このピーク値を示す信号SDn+1 をマルチプレクサ10
に出力する。
【0134】一方、CPU14は、入出力インタフェー
ス16を介して所要の周波数分析部301〜30n、3
0n+1 を指定する信号を、システムバス20を経由して
デコーダ9及びマルチプレクサ10に出力する。
【0135】この信号SHがマルチプレクサ10に送ら
れることにより、このマルチプレクサ10からは、図4
に示すように各バンドパスフィルタ401〜40n、4
0n+1 を通過した周波数成分の各ピーク値(例えば上記
Pn1 )、及び外部の振動の波形に対応した信号SCn+
1 のピーク値を示す各信号SD1〜SDn、SDn+1の
みが、各信号SI1〜SIn、SIn+1 としてアナログ
−ディジタル変換器11に順次出力される。
【0136】これら信号SI1〜SIn、SIn+1 のア
ナログ−ディジタル変換器11への入力時点より時間Δ
1 (数10μs)経過後に、CPU14は、図4に示
すように入出力インタフェース16を介してパルス状の
信号SJを時間Δt2 (約30ms以下)ごとに微分回
路22に出力する。
【0137】この微分回路22は、信号SJを微分した
信号SKを単安定マルチバイブレータ24及びアナログ
−ディジタル変換器11に出力する。この信号SKを入
力した時点での各信号SI1〜SIn、SIn+1 は、ア
ナログ−ディジタル変換器11によりディジタル値の各
データ信号SL1〜SLn、SLn+1 に変換され、これ
らデータ信号SL1〜SLn、SLn+1 は入出力インタ
フェース16、CPU14を経てRAM17に伝送さ
れ、このRAM17の所定の番地にピーク値Pn1 とし
て格納される。
【0138】なお、図4において、信号SKの「1」を
示す部分の前縁と信号SF1の「0」を示す部分の後縁
との時間Δt3 において異常検査は一時中断されるが、
リアルタイムで正確にデータを収集するために、Shann
onのサンプリング定理によりΔt3 <1/2Fmax (た
だしFmax は最高周波数)を満足するように設定されて
いる。
【0139】一方、信号SKを入力した単安定マルチバ
イブレータ24は、この信号SKの後縁をトリガとして
信号SMをストローブ信号としてデコーダ9に出力す
る。この信号SMを入力したデコーダ9は、信号SHが
指定する各アンド回路801〜80n、80n+1 に対し
てリセットのための「0」を示す信号SF1〜SFn、
SFn+1 を出力する。
【0140】図4に示すように、この「0」を示す信号
SF1〜SFn、SFn+1 を入力した各アンド回路80
1〜80n、80n+1 は「0」を示す各信号をそれぞれ
サンプルアンドホールド回路601〜60n、60n+1
に出力し、そのピーク値は例えば図4に示す信号SCの
点33まで急減し、再び前述したようにして、図4に示
す次のサンプリング期間Δt内における最大のピーク値
Pn2 をホールドしてマルチプレクサ10に出力する。
【0141】但し、Δt>Δt2 ×(n+1)となるよ
うに設定されており、かつ(n+1)は周波数分析部の
数である。一方、例えば、RAM17にピーク値Pn1
が格納されると、[Δt−{Δt2 ×(n+1) }]時間後
に、周波数分析部301を指定する信号SHがデコーダ
9及びマルチプレクサ10に出力され、又、信号SJが
微分回路22に出力され、周波数分析部30nと同様に
して、ピーク値P11を示す信号SI1がアナログ−ディ
ジタル変換器11によりディジタル値のデータ信号SL
1に変換され、このデータ信号SL1がRAM17に伝
送され、このRAM17の所定の番地にピーク値P11
して格納される。
【0142】この後、リセットのための「0」を示す信
号SF1がアンド回路801に出力されサンプルアンド
ホールド回路601は再びサンプリング状態に復帰す
る。このようにして、サンプリング期間Δt内に他の各
周波数分析部302〜30n+1 においてホールドされた
最大のピーク値P21…P(n+1)1が順次RAM17の所定
の番地に格納される。
【0143】なお、マイクロコンピュータ13から出力
される信号SJのパルス間隔は、図5に示す信号SL1
〜SLn、SLn+1 に対応してSL1〜SLn、SLn+
1 をサンプリングする期間中はΔt2 であり、例えば信
号SLnから次のサンプリング期間Δtにおける信号S
Ln+1 をサンプリングするまでのパルス間隔は、前記し
たように[Δt−{Δt2 ×(n+1) }]である。
【0144】このような信号SJのパルス間隔を得るた
めのプログラムは予めROM18中に格納されている。
さらに、Δt2 ×(n+1) がサンプリング期間Δtに等し
くなるように時間Δt2 を設定してもよい。
【0145】上記各サンプリング期間Δt内において、
各周波数分析部301〜30n、30n+1 ごとに順次行
われるRAM17へのピーク値の格納は図5に示すよう
にm回繰り返して行われる。RAM17においてはピー
ク値は各周波数分析部301〜30n、30n+1 ごとに
格納する。
【0146】従って、各周波数分析部301〜30n、
30n+1 ごとにm個のデータが格納される。しかして、
RAM17に格納されたデータ数がm×(n+1) (ただ
し、mはサンプリング回数、(n+1) は周波数分析部の数
である)に達すると、CPU14の第1の演算手段14
aは、各周波数分析部301〜30n、30n+1 ごとに
ピーク値を大きい順に並び換える演算を行い、この演算
結果を図6に示すようにRAM17に格納する。
【0147】次にCPU14の第2の演算手段14b
は、例えばコンベア停止時の衝撃振動、エアシリンダ動
作時の衝撃振動などの被検査体ST10以外の振動源から
の外乱の影響を除外するために、各周波数成分ごとにR
AM17に格納されている上記大きい順に並べられたピ
ーク値の大きい側からNIP個、例えば2個のデータを除
外し、NIP+1番目のデータを有効最大ピーク値PEM1
…PEMn として抽出しRAM17に格納する。
【0148】又、この第2の演算手段14bは、1回の
検査時間内に各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得ら
れた最大ピーク値のうち、第2の音検出器201により
検出されたベースST11上の外部の振動の最大ピーク値
を検索する。
【0149】そして、第2の演算手段14bは、この最
大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えたか否かを
判断し、最大ピーク値がしきい値を越えた場合、この最
大ピーク値を検出したサンプリング期間内にサンプリン
グされた被検査体ST10の音の振幅のデータを削除す
る。
【0150】この場合、第2の演算手段14bは、第2
の振動検出器201により検出された振動がしきい値よ
り大きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査
体ST10の音を削除するとともに、その前の1又は2以
上のサンプリング期間内の被検査体ST10の音を削除す
る。
【0151】例えば、被検査体ST10を載置するベース
ST11の近傍に、例えば台車が通過したり、又はベース
ST11の近傍で物体が落下すると、第2の振動検出器2
01は、台車の通過するときの振動又は物体の落下した
ときの振動を検出し、これら振動の波形に対応した電気
信号SA2を出力する。
【0152】一方、第1の振動検出器1から出力される
電気信号SA1においても台車の通過の振動、又は物体
の落下の振動による波形Gbが現れる。従って、第2の
演算手段14bは、サンプリング期間Ta内において第
2の振動検出器201により検出されたベースST11上
の振動の最大ピーク値を検索し、この最大ピーク値が予
め設定されたしきい値を越えた場合、この最大ピーク値
を検出したサンプリング期間内にサンプリングされた被
検査体ST10の振動のデータを削除する。
【0153】次にCPU14の第3の演算手段14c
は、各周波数成分ごとに、予めRAM17に設定されて
いる各設定値PT1…PTnと、これら各設定値PT1…PTn
に対応する各有効最大ピーク値PEM1 …PEMn とを比較
し、有効最大ピーク値PEM1 …PEMn のうち一つでも設
定値を越えていれば「被検査体ST10に異常あり」と判
定する。
【0154】このように上記第2の実施の形態において
は、被検査体ST10に対して外部の音を第2の振動検出
器201により検出し、この検出された振動が予め設定
されたしきい値を越えると、少なくともサンプリング中
の被検査体ST10の振動のデータを削除するので、被検
査体ST10の振動の影響を受けることなく、予期せぬ衝
撃性の暗騒音や暗振動を確実に検出して、確実に被検査
体ST10の異常判定ができる。 (3) 次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
なお、上記第1の実施の形態と同一部分についてはその
説明を省略する。
【0155】この発明の異常検査方法は、被検査体の音
又は機械的振動を検出し、この音又は機械的振動を各周
波数成分に分けてこれら成分における最大ピーク値を抽
出し、これら最大ピーク値を大きさの順に並び換え、そ
の中の特定番目の最大ピーク値に基づいて被検査体の異
常判定を行う異常検査方法において、特定番目の最大ピ
ーク値として、各周波数成分における全サンプル数に対
し所定の割合で選択されたサンプルの中の最大ピーク値
を用いるものである。
【0156】ここで、所定の割合は、各周波数成分毎に
設定される。具体的に説明すると、上記第1の実施の形
態では、第1の演算手段14aにより各周波数分析部3
01〜30n、30n+1 ごとにピーク値を大きい順に並
び換える演算を行い、この演算結果を図6に示すように
RAM17に格納する。
【0157】続いて、第2の演算手段14bは、例えば
コンベア停止時の衝撃振動、エアシリンダ動作時の衝撃
振動などの被検査体以外の振動源からの外乱の影響を除
外するために、各周波数成分ごとにRAM17に格納さ
れている上記大きい順に並べられたピーク値の大きい側
からNIP個、例えば2個のデータを除外し、NIP+1番
目のデータを有効最大ピーク値PEM1 …PEMn として抽
出しRAM17に格納する。
【0158】この第2の演算手段14bは、1回の検査
時間内に各サンプリング期間ごとに各1個ずつ得られた
最大ピーク値のうち、第2の音検出器201により検出
された防音室ST2の外部の音の振幅の最大ピーク値を
検索する。
【0159】そして、この第2の演算手段14bは、こ
の最大ピーク値が予め設定されたしきい値を越えたか否
かを判断し、最大ピーク値がしきい値を越えた場合、こ
の最大ピーク値を検出したサンプリング期間内にサンプ
リングされた被検査体ST1の音の振幅のデータを削除
する。
【0160】この場合、第2の演算手段14bは、第2
の音検出器201により検出された音がしきい値より大
きくなったときを含むサンプリング期間内の被検査体S
T1の音を削除するとともに、その前の1又は2以上の
サンプリング期間内の被検査体ST1の音を削除する。
【0161】又、第2の演算手段14bは、第2の音検
出器201により検出された音がしきい値より小さくな
ったときを含むサンプリング期間内の被検査体ST1の
音を削除するとともに、その後の1又は2以上のサンプ
リング期間内の被検査体ST1の音を削除する。
【0162】これに対して第3の実施の形態では、回転
機器等の被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音
又は機械的振動を各周波数成分に別けてこれら成分にお
ける最大ピーク値を抽出し、これら最大ピーク値を大き
さの順に並び換えて上記図6と同様なデータ列とする。
【0163】十分防音対策された防音室内や十分振動絶
縁された被検査体上であれば、希に発生する衝撃波或い
は突発性の暗騒音や暗振動は、被検査体の音又は振動よ
りも大きい。
【0164】そこで、データ列の全サンプル数に対し所
定の割合で大きい方からデータを削除し、残ったデータ
の中の最大ピーク値に基づいて被検査体の異常判定を行
う。すなわち、最も大きい方から次式で得られた除外デ
ータ数を削除して、衝撃性或いは突発性の暗騒音や暗振
動の影響を受けない有効最大ピーク値を得る。ここで、
指定値は、除外データ数を全サンプル数の割合(百分
率)とする。
【0165】 除外データ数=全サンプル数−(全サンプル数×指定値)/100 …(4) なお、除外するデータを決めるのに用いる所定の割合
は、例えば書き換え可能な記録媒体に予め記録してお
き、検査の際に、記録媒体からその割合を呼び出して実
際に除外されるデータ数を計算し、この値を用いて測定
データ処理を行い除外した後の残りのデータを用いて異
常判定を行う。
【0166】この所定の割合は、各周波数成分毎に設定
することができる。この所定の割合としては、例えば除
外する分を全サンプル数の30%程度以下にする。そし
て、上記指定値は、書き換え可能な記録媒体に格納して
おき、本プログラムの実行開始直後に前記計算を1回行
い、各周波数毎の除外データ数をRAM上に記録する。
【0167】以降、検査する毎にRAM上に記録された
除外データ数を使って有効最大ピーク値を得て、これと
予め設定された判定基準とを比較して異常判定を行う。
このように上記第3の実施の形態によれば、回転機器等
の被検査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機
械的振動を各周波数成分に別けてこれら成分における最
大ピーク値を抽出し、これら最大ピーク値を大きさの順
に並び換えてデータ列とし、このデータ列の全サンプル
数に対し所定の割合で大きい方からデータを削除し、残
ったデータの中の最大ピーク値に基づいて被検査体の異
常判定を行うようにしたので、上記第1の実施の形態と
同様の効果を奏することは言うまでもなく、そのうえ異
常音又は異常振動の減衰時間は各周波数成分毎に異なる
ので、これまでのように特定する順位(特定番目)を減
衰時間が長い低周波数域で合わせると減衰時間が短い高
周波数域では必要異常にデータを削減してしまう場合が
あり、一方それを減衰時間が短い高周波数域で合わせる
と暗騒音や暗振動がその低周波数域では十分に減衰しな
いので不要なデータが残る場合がある。これらはともに
誤判定を生じてしまう原因となるが、上記第3の実施の
形態によれば、そうした誤判定を防止できるので、より
信頼性の高い異常検出が可能となる。
【0168】なお、本発明は、上記第1乃至第3の実施
の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよ
い。例えば、異常検査装置は被検査体として回転機器に
限ることなく、例えば原子炉、製造設備等の異常検出に
も用いることができる。このとき、外乱の影響時間の長
短に応じて、サンプリング期間Δt及び無効ピーク値数
IPを適宜変更する必要がある。
【0169】さらに、表示部としてCRTを用いている
が、印字装置のようなものでもよい。又、各ピーク検出
回路501〜50n+1 は、実効値検出回路であってもよ
く、或いは正半波ピーク値をホールドしただけでなく負
半波ピーク値もホールドして絶対値ピーク値とする検出
回路であってもよい。又、第2の音又は振動検出器20
1の出力信号を利用して、衝撃性又は突発性の暗騒音や
暗振動が入ってきたときはホールド状態になるように各
ピーク検出回路501〜50n+1 の各サンプルアンドホ
ールド制御信号を直接制御してもよい。
【0170】図10はかかる衝撃性又は突発性の暗騒音
や暗振動が入ってきたときにホールド状態とする場合の
構成図である。第2の音又は振動検出器201の出力側
は、増幅器202、バンドパスフィルタ203、ピーク
値又は実効値検出回路204、比較回路205を介し
て、各周波数分析部50n+1 に接続されている。
【0171】この周波数分析部50n+1 は、サンプルア
ンドホールド回路60n+1 と、比較器70n+1 と、アン
ド回路80n+1 と、これら比較器70n+1 とアンド回路
80n+1 との間に接続されたアンド回路90n+1 とから
構成されている。
【0172】このうちアンド回路90n+1 の入力部に
は、第2の音又は振動検出器201からの電気信号が入
力している。又、上記第1〜第3の実施の形態では、被
検査体の音又は機械的振動を検出し、この音又は機械的
振動を各周波数成分に分けてこれら成分における最大ピ
ーク値を抽出し、これら最大ピーク値を大きさの順に並
び換え、予め定められた特定番目の最大ピーク値に基づ
いて被検査体の異常判定を行う場合について説明した
が、これは被検査体の音又は機械的振動を検出し、この
音又は機械的振動を各周波数成分に分けてこれら成分に
おける最大ピーク値を抽出して被検査体の異常判定を行
う場合でも、被検査体に対して外部の音又は機械的振動
を検出し、この検出された外部の音又は機械的振動が予
め設定されたしきい値を越えた場合、少なくともサンプ
リング中の被検査体の音又は機械的振動を削除すること
により、信頼性の高い異常検出ができる。
【0173】
【発明の効果】以上詳記したように本発明の請求項1、
6、7によれば、予期できない衝撃性或いは突発性の暗
騒音や暗振動による誤判定を防止して確実に被検査体の
異常判定ができる信頼性の高い異常検査方法を提供でき
る。
【0174】又、本発明の請求項2〜5によれば、予期
できない衝撃性或いは突発性の暗騒音や暗振動による誤
判定を防止して確実に被検査体の異常判定ができる信頼
性の高い異常検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる異常検査装置の第1の実施の形
態を示す構成図。
【図2】第1及び第2の音又は振動検出器の配置図。
【図3】異常検出動作のフローチャート。
【図4】異常検出動作のタイミング図。
【図5】本装置の演算制御部に逐次入力する最大ピーク
値を示す図。
【図6】本装置の演算制御部のRAMにて大きい順に並
べ換えられた最大ピーク値の模式図。
【図7】被検査体の音及びその外部音の信号波形を示す
図。
【図8】検査結果の表示例を示す図。
【図9】本発明に係わる異常検査装置の第2の実施の形
態を示す構成図。
【図10】本発明装置の変形例を示す構成図。
【符号の説明】
1…第1の音又は振動検出器、 ST1…被検査体、 301〜30n,30n+1 …周波数分析部、 201…第2の音又は振動検出部、 501〜50n,50n+1 …ピーク値検出回路、 10…マルチプレクサ、 13…マイクロコンピュータ、 14a…第1の演算手段、 14b…第2の演算手段、 14c…第3の演算手段。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体の音又は機械的振動を検出し、
    この音又は機械的振動を各周波数成分に分けてこれら成
    分における最大ピーク値を抽出し、これら最大ピーク値
    を大きさの順に並び換え、予め定められた特定番目の最
    大ピーク値に基づいて前記被検査体の異常判定を行う異
    常検査方法において、 前記被検査体に対して外部の音又は機械的振動を検出
    し、この検出された外部の音又は機械的振動が予め設定
    されたしきい値を越えた場合、少なくともサンプリング
    中の前記被検査体の音又は機械的振動を削除することを
    特徴とする異常検査方法。
  2. 【請求項2】 第1の音又は振動検出器により被検査体
    の音又は機械的振動を検出し、この音又は機械的振動を
    各周波数成分に分けてこれら成分における最大ピーク値
    を抽出し、これら最大ピーク値を大きさの順に並び換
    え、予め定められた特定番目の最大ピーク値に基づいて
    前記被検査体の異常判定を行う異常検査装置において、 前記被検査体に対して外部の音又は機械的振動を検出す
    る第2の音又は振動検出器と、 この第2の音又は振動検出器により検出された音又は機
    械的振動が予め設定されたしきい値を越えた場合、少な
    くともサンプリング中の前記被検査体の音又は機械的振
    動を削除するデータ削除手段と、を具備したことを特徴
    とする異常検査装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の音又は振動検出器は、前記被
    検査体を収納する防音室の外側、又は前記被検査体に振
    動絶縁を介して配置されることを特徴とする請求項2記
    載の異常検査装置。
  4. 【請求項4】 前記データ削除手段は、前記第2の音又
    は振動検出器により検出された前記音又は機械的振動が
    前記しきい値より大きくなったときを含むサンプリング
    期間内の前記被検査体の音又は機械的振動を削除すると
    ともに、その前の1又は2以上のサンプリング期間内の
    前記被検査体の音又は機械的振動を削除する機能を有す
    ることを特徴とする請求項2記載の異常検査装置。
  5. 【請求項5】 前記データ削除手段は、前記第2の音又
    は振動検出器により検出された前記音又は機械的振動が
    前記しきい値より小さくなったときを含むサンプリング
    期間内の前記被検査体の音又は機械的振動を削除すると
    ともに、その後の1又は2以上のサンプリング期間内の
    前記被検査体の音又は機械的振動を削除する機能を有す
    ることを特徴とする請求項2記載の異常検査装置。
  6. 【請求項6】 被検査体の音又は機械的振動を検出し、
    この音又は機械的振動を各周波数成分に分けてこれら成
    分における最大ピーク値を抽出し、これら最大ピーク値
    を大きさの順に並び換え、その中の特定番目の最大ピー
    ク値に基づいて前記被検査体の異常判定を行う異常検査
    方法において、 前記特定番目の最大ピーク値として、各周波数成分にお
    ける全サンプル数に対し所定の割合で選択されたサンプ
    ルの中の最大ピーク値を用いることを特徴とする異常検
    査方法。
  7. 【請求項7】 前記所定の割合は、各周波数成分毎に設
    定されることを特徴とする請求項6記載の異常検査方
    法。
  8. 【請求項8】 被検査体の音又は機械的振動を検出し、
    この音又は機械的振動を各周波数成分に分けてこれら成
    分における最大ピーク値を抽出して前記被検査体の異常
    判定を行う異常検査方法において、 前記被検査体に対して外部の音又は機械的振動を検出
    し、この検出された外部の音又は機械的振動が予め設定
    されたしきい値を越えた場合、少なくともサンプリング
    中の前記被検査体の音又は機械的振動を削除することを
    特徴とする異常検査方法。
  9. 【請求項9】 前記外部の音又は機械的振動が前記しき
    い値より大きくなったときを含むサンプリング期間内の
    前記被検査体の音又は機械的振動を削除するとともに、
    その前の1又は2以上のサンプリング期間内の前記被検
    査体の音又は機械的振動を削除することを特徴とする請
    求項8記載の異常検査方法。
  10. 【請求項10】 前記外部の音又は機械的振動が前記し
    きい値より小さくなったときを含むサンプリング期間内
    の前記被検査体の音又は機械的振動を削除するととも
    に、その後の1又は2以上のサンプリング期間内の前記
    被検査体の音又は機械的振動を削除することを特徴とす
    る請求項8記載の異常検査方法。
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