JP2004170397A - Aeセンサ及びaeセンサを用いた構造物の異常検出システム並びに安全性評価システム - Google Patents

Aeセンサ及びaeセンサを用いた構造物の異常検出システム並びに安全性評価システム Download PDF

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Abstract

【課題】 この発明は、測定箇所一カ所につき一個のAEセンサを取り付けて損傷の程度を検出、監視して構造物全体の異常、安全性の評価をすることができるシステム、また、振動子と、測定データの処理・保存・外部との通信を行う電子部品とを一体化した、前記のシステムに最適なAEセンサを提供することを目的とする。
【解決手段】 この発明は、(1)構造物の予め予測したき裂発生又は進展位置毎に対応して取り付け、コンポジット探触子が検出したAE信号の一次処理及び一次処理データの保存及び外部通信を行うAEセンサと、(2)当該AEセンサへの一次処理データの出力要求及び受信、受け取った一次処理データの二次処理を行う中間処理部と、(3)当該中間処理部で二次処理された二次処理データに基づく構造物の健全性の判別、当該判別結果に基づく事後処理の指示に関するデータの作成、及び、前記中間処理部に対し必要に応じて前記中間処理部における測定データの処理に有効な補足データの送信を行う中央演算部を備えた異常検出システムによって目的を達成した。
【選択図】 図1

Description

この発明は、アコースティックエミッション(以下、「AE」という)法を用いて構造物内部の損傷を検出し、構造物の異常検出を行うシステム及び安全性評価を行うシステムであって、特に測定箇所一カ所につき一個のAEセンサを取り付けて損傷の程度を検出、監視して建物全体の安全性の評価をすることができるシステムに関する。
また、振動子と、測定データの処理・保存・外部との通信を行う電子部品とを一体化した、前記のシステムに最適なAEセンサに関する。
以前よりAEセンサを用いて構造物の損傷を検出し、これにより構造物の安全性を確保するシステムが提案され実験されている。ここで、AEセンサはき裂が発生し、又はき裂が進展する時に発生する超音波を超音波センサで感知してき裂損傷を検出するものであるが、実際の構造物に使用される例は少なかった。
これは、従来のAEセンサを用いたシステムでは、き裂の発生又は進展箇所から発生する超音波を複数のセンサで受信してき裂発生又は進展箇所を同定したり、ノイズと信号の弁別をしたりするために複雑なシステムを必要とすることから、システムが非常に高価となり、システム自体も使い勝手が悪いものであったためと考えられる。
また、現状で、実際に構造物、例えば圧力容器等のリアルタイムのき裂発生の検出、き裂位置の同定、き裂の評価にAEセンサを用いた例があるが、コンクリート構造物の損傷検出への適用は困難と考えられている。
また、従来の建築構造物の使用期間中の構造的な安全性は、定期的に行う建物調査や異常があった際に損傷の程度を確認する調査を行い、必要に応じて補修等を行うことによって確保していた。
このような建物調査等は、調査実施の間隔を長期間としてしまうと、検出される損傷箇所の数が多くなり、大きな損傷も多くなる。この為、一回の補修・修繕が大規模なものとなり費用がかさんでいた(図21(a))。
一方、調査実施の間隔を短期間とすると、一回の調査で検出される損傷箇所の数が少なく、その程度も軽微なものであっても、このような建物調査等は、一回の調査に多額の費用を要するので、トータルのコストが大きくなってしまうことが少なくなかった(図21(b))。
特開平9−26415号公報
現在行われている構造物の安全性を確保するシステムは、前記のように、定期的又は異常があったときにセンサを設置し、建物調査を行う形態のものであり、常時構造物にセンサを取り付けておいて損傷検出を行う形態ではないので、以下のような問題があった。
(1)現状の構造物が安全性能を維持しているのか否かが不明である。
(2)建物調査を短い周期で行うとコストがかかり、しかも調査期間中は建物を使用できず、このようなことが度々生じる。
(3)建物調査の期間を長くすると一回の修繕費用が、高額となる場合がある。
(4)個々の建物の適正な調査間隔を決定すること自体が困難であり、経済性を欠く。
(5)建物調査では多少の破壊試験(コア向き等)を伴う場合もある。
(6)大地震等が起こった場合、速やかに建物の安全性確認ができない。
(7)調査と調査の間に異常が生じても,次回の調査まで明らかにならない。
また、毎回の建物調査においても以下のような問題点があった。
すなわち、前記従来のAEセンサを用いた構造物の安全性を確保するシステムは、(1)き裂発生位置の検出、(2)き裂の大きさ等、損傷の程度の検出を行うため複数のAEセンサを一の測定箇所に取り付ける必要があり、これによりシステム全体が複雑なものとなっていた。
また、鉄筋コンクリート製構造物は、鉄筋コンクリートは複合材であることから超音波が著しく減衰したり、超音波の発生源からセンサまでの超音波の伝搬経路が種々の経路となったりする。このため、鉄筋コンクリートを用いた構造物において、AEセンサを用いた構造物の安全性を確保するシステムを適用しようとする場合には、き裂発生位置とき裂の同定のために多くのAEセンサを設置する必要があり、これによってもシステム全体が複雑なものとなっていた。このような複雑なシステムはその取り扱いも不便であり、また、毎回、建物調査の為の前処理(足場の設置・養生等)や、後処理(補修・再塗装等)が面倒であり、調査コストが高くなる原因となっていた。
さらに、従来のAEセンサを用いて鉄筋コンクリート製構造物の損傷検出を行う場合には、表面に凹凸のある鉄筋コンクリートの表面にセンサを取り付けることは困難であった。また、センサをコンクリート中に埋め込む等して取り付けることが必要となる場合は、取り付ける個数が多くなると構造物の強度を損ねることにもなりかねない。
また、従来の多くの超音波センサは、一般的に振動子にダンパー(吸音材:不要振動を吸収する)を組み合わせ、これをケースに収めた形態のものが多かった。さらに、必要な場合は周波数特性を整えるためにマッチング用のコイルを入れることがあり、そのため、探触子は通常円筒形で振動子の径が10mm程度でも長さが20mm以上となり、高い周波数の特殊なものでは薄型のもの存在するが一般的にセンサの小型化、薄型化は困難であった。
[1] この発明は、構造物に加わる外力等によって生じる応力に基づいて構造物中でき裂の発生位置、き裂の進展位置を予め予測し、当該予測したき裂発生又は進展位置毎に、常時、設置しておいて、その周辺で発せられるき裂の発生又は進展時の超音波(AE信号)を測定データとして収集するAEセンサ、このようなAEセンサを用いた構造物の異常検出システム並びに安全性評価システムによって前記従来の各種問題点を解決し、特にコンクリート構造物に適用できるものとしたのである。
すなわち、この発明のAEセンサは、可撓性の板体上にセンサ本体を搭載したAEセンサであって、当該センサ本体は、コンポジット振動子と、当該コンポジット振動子が検出したAE信号を処理する電子回路と、当該電子回路によって処理された処理データを外部へ送信する通信回路とを接続してなり、前記電子回路は増幅器、フィルター、ADコンバータ、カウンター、メモリを含む構成としたAEセンサである。
可撓性の板体上にセンサ本体を搭載したのは、構造物の柱、梁等の内部に埋め込むことなくセンサを設置できるように、表面に凹凸があったり、曲面に成形されたりしている構造物の柱、梁等の表面に密着させてセンサを設置できるようにするためである。
前記センサ本体は、コンポジット振動子を備えているが、振動子としてコンポジット振動子としたのは、コンポジット振動子は従来のセラミックの振動子を用いた振動子に比べて、高分解能・高感度が実現でき、その周波数帯域も広帯域の特性を有するためである。
また、従来のセラミックの振動子で高分解能を実現しようとすると、大きなダンパーを取り付けて強制的に振動を抑制する必要があり、そのため、振動子の感度は、10dB〜20dB程度低下してしまうが、コンポジット振動子を用いると基本的にダンパー(吸音材:不要振動を吸収する)が不要となり、特に、AEセンサーのように超音波の受信だけの場合は、全く不要になるからである。
ここで、コンポジット振動子としては、1−3コンポジット振動子、または0−3コンポジット振動子を採用することができる。
前記センサ本体は、前記コンポジット振動子の近傍に、増幅器、フィルター、ADコンバータ、カウンター、メモリを含む構成で、コンポジット振動子が検出した信号を処理する電子回路を備えている。これは、AEセンサにデータ処理機能を持たせることによって、外部の端末等へ送信するデータを必要最小限のものとするためである。送信するデータを必要最小限のものとすれば、簡易な配線(省配線システム)でもデータを送信できる。
このように、AEセンサにおいてある程度のデータ処理を行っておくことによって、外部の端末等では特別なデータ処理を行う必要がなくなり、汎用のパソコン等でも十分、以後の処理が可能となる。
また、電子回路を前記コンポジット振動子の近傍に配置することによって電気的ノイズの侵入を防止できるというメリットもある。すなわち、振動子から得られる電気信号は微弱であり、なるべくノイズの侵入を排除することが必要であるが、増幅器をできるだけ振動子に近づける(正確には振動子から増幅器までの信号線の長さを短くする)ことによって、外来の電気的ノイズの侵入を防ぐことができる。そこで、振動子近傍に配置した増幅器によって、振動子から得られ、あまりノイズの影響を受けていない状態の電気信号を増幅し、増幅された電気信号を次の処理に送るとノイズの影響を軽減することができる。
また、このようにあまりノイズの影響を受けることなく増幅されたデータをADコンバータでデジタル化し、カウンター等で数値化した後、デジタルの通信回路で送信すれば、外来の電気のノイズの影響もかなり軽減することができる。
すなわち、従来のAEセンサではAEセンサから外部の端末等迄の信号線の距離は、特別なノイズ対策をしない限り最大で10m程度、AEセンサにプリアンプを搭載して増幅させても100m程度が限界であると考えられているところ、この発明のAEセンサでは、外部の端末等迄の信号線に簡易なもの(省配線システム)を用いても数100m位まで延長しても特別なノイズ対策は不要となる。
また、前記センサ本体は、当該電子回路によって処理データを外部へ送信する送信回路を備えているので、以下の異常検出システム、安全性評価システムに組み込んで使用することができる。
なお、前記センサ本体は、防水対策等のため、その表面をエポキシ系樹脂で被覆しておくことができる。
また、コンクリート製の構造物に対しては周波数100kHz〜200kHzのコンポジット振動子を用い、鉄鋼製の構造物に対しては周波数500kHz〜20MHzのコンポジット振動子を用いることが適切である。
[2] 次に、異常検出システムの発明は、AEセンサ、中間処理部及び中央演算部を接続して構成したことを特徴とするAEセンサを用いた構造物の異常検出システムであって、各構成要素を、(1)構造物の予め予測したき裂発生又は進展位置毎に対応して取り付け、コンポジット探触子が検出したAE信号の一次処理及び一次処理データの保存・外部通信を行うAEセンサであり、(2)当該AEセンサへの一次処理データの出力要求及び受信、受け取った一次処理データの二次処理を行う中間処理部であり、(3)当該中間処理部で二次処理された二次処理データに基づく構造物の健全性の判別、当該判別結果に基づく事後処理の指示に関するデータの作成、及び、前記中間処理部に対し必要に応じて前記中間処理部における測定データの処理に有効な補足データの送信を行う中央演算部としたものである。ここで、AEセンサは、この発明の前記AEセンサ、すなわち可撓性の板体上にその表面をエポキシ系樹脂で被覆されることのあるセンサ本体を搭載したAEセンサであって、当該センサ本体は、1−3コンポジット振動子や0−3コンポジット振動子等のコンポジット振動子と、当該コンポジット振動子が検出したAE信号を処理する電子回路と、当該電子回路によって処理された処理データを外部へ送信する通信回路とを接続してなり、前記電子回路は増幅器、フィルター、ADコンバータ、カウンター、メモリを含む構成のAEセンサを用いることができる。
この発明の異常検出システムでは、AEセンサは振動子が受信したAE信号の一次処理までを行うことができるが、当該AEセンサにおけるAE信号の一次処理は予め入力した単位時間当たりの閾値を越えた度数のカウント、及び当該カウント数に応じた評価ランクを示す一次処理データの作成とすることができる。
ここで、前記閾値は、予め数段階の値を設定しておくことができ、AE信号がその各閾値を超えた度数をそれぞれカウントするようにできる。
この発明の異常検出システムでは、AEセンサが受信したAE信号の発生源を同定する機能や信号波形の信号波形の成分を分析する機能等を持つことは必要とせず、単位時間当たりの閾値を越えた信号の度数のカウント(数段階の閾値を設定した場合は各段階の閾値を超えたAE信号の度数のカウント)を外部へ出力できればよい。また、構造物の異常検出は、当該AEセンサが受信した時刻と信号の度数のカウント数に応じた評価ランク、例えば、
(1)安全、(2)注意、(3)危険
の3段階の評価ランク、
あるいは、
(1)十分に安全、(2)安全、(3)注意、(4)少し危険、(5)危険
の5段階の評価ランク
に基づいて行うことができるので、AEセンサでは閾値を越えた度数のカウント、及び当該カウント数に応じた評価ランクを示す一次処理データの作成迄を行うようにすることができる。
一次処理データの作成までをAEセンサで行うようにしておけば、一次処理データの二次処理を行う中間処理部として専用機を用意する必要がなくなり、汎用性のあるパソコン等に簡易なデータ処理ソフトを組み込むだけで中間処理部として用いることができる。
この発明の異常検出システムでは、中間処理部で構造物の正常・異常を判別するための最終的なデータ作成の為の処理を行うことができるが、前記中間処理部における二次処理は、中間処理部に予め記憶し又は中央演算部から送信された補足データと比較して行うノイズ除去とすることができる。
ここで、補足データとは、機械的なノイズに関するデータや、地震に関する情報(地震発生時刻等)であり、この補足データと異常データの発生時刻等を比較することにより、異常データ中からノイズ部分を除去することができる。
この発明の異常検出システムでは、中央演算部は、中間処理部において二次処理された二次処理データに基づいて、調査対象の構造物の正常・異常を判断すると共に、異常検出後の措置に関するデータを作成できるが、前記中央演算部における事後処理の指示に関するデータは、調査場所、調査方法、修繕改築方法及びこれらの概算見積もりに関するデータとすることができる。
また、この発明の他の異常検出システムは、前記中央演算部を備えない構成とすることもできる。すなわち、この発明の他の異常検出システムは、構造物の予め予測したき裂発生又は進展位置毎に対応して取り付け、コンポジット探触子が検出したAE信号の一次処理及び一次処理データの保存及び外部通信を行うAEセンサに、当該AEセンサへの一次処理データの出力要求及び受信、受け取った一次処理データの二次処理を行うデータ処理部を接続し、二次処理データに基づいて構造物の安全評価を行うシステムであって、前記AEセンサにおける信号の一次処理は予め入力した単位時間当たりの閾値を越えた度数のカウント、及び当該カウント数に応じた評価ランクを示す一次処理データの作成であり、データ処理部における二次処理は、データ処理部に予め記憶し又は外部から送信された補足データと比較して行うノイズ除去であることを特徴とするAEセンサを用いた構造物の異常検出システムである。
すなわち、異常データが観測されたか否かだけを判断するのであれば、前記二次処理されたデータを得ることができさえすれば可能であるので、中央演算部を特に備えることなく、簡易的に異常検出できるようにしたものである。
ここで、前記閾値は、数段階の値を設定しておくことができ、前記AEセンサにおける信号の一次処理は、各段階の閾値を超えた信号の度数のカウント、及び当該カウント数に応じた評価ランクを示す一次処理データの作成とすることができる。
なお、この異常検出システムにおいても、前記と同様にAEセンサとして、可撓性の板体上にその表面をエポキシ系樹脂で被覆されることのあるセンサ本体を搭載したAEセンサであって、当該センサ本体は、1−3コンポジット振動子や0−3コンポジット振動子等のコンポジット振動子と、当該コンポジット振動子が検出したAE信号を処理する電子回路と、当該電子回路によって処理された処理データを外部へ送信する通信回路とを接続してなり、前記電子回路は増幅器、フィルター、ADコンバータ、カウンター、メモリを含む構成のAEセンサを用いることができる。
[3] 次に、この発明の安全性評価システムは、この発明の異常検出システムの前記中央演算部に、過去の調査データを対象となる構造物の履歴情報として蓄積する記憶機能を付与することによって構成することができる。
このように過去の調査データ、すなわち、過去にき裂が生じているが、その後当該き裂は進展していない等の構造物に生じたき裂に関する情報をその構造物の履歴として把握できれば、構造物の効率的な補修・修繕計画の立案、さらには構造物の寿命の予測等にも有効に活用することができる。
この発明によると、AEセンサは可撓性の板体上にセンサ本体を搭載し、振動子も柔軟性に富む1−3コンポジット振動子、0−3コンポジット振動子としたので、建設完了後の建築構造物に取り付けることができ、その際、建築構造物の柱等の曲面に密着させて取り付けることができる効果がある。
また、AEセンサは、AE信号を処理する電子回路を備えているので、AE信号のカウント数から建物の異常に関する評価ランクのデータへ変換することができ、変換された評価ランクのデータに基づき、容易に建物の異常、安全に関する評価を行うことができる。
また、センサ本体の表面をエポキシ系樹脂で被覆することによって防水等の対策となるため、長期間建築構造物に取り付けたままの状態であっても、AEセンサの機能を損なうことがない。
また、異常検出システムは、き裂の発生・進展位置を同定する必要がないことに鑑み、AEセンサを構造物の予め予測したき裂発生・進展位置毎に対応して取り付けるAEセンサとしたので、AEセンサの数を減らすことができシステム全体を簡略化できる効果がある。さらに、この発明の異常検出システムは、一度取り付けてしまえば、それ以後は、継続的に建物の異常検出を行うことができる。これにより、調査毎のセンサ設置等の作業から解放され効果がある。
また、AEセンサはコンポジット探触子が検出したAE信号の一次処理及び一次処理データの保存・外部通信を行うAEセンサとしたので、当該AEセンサへの一次処理データ(評価ランク)の出力要求及び受信、受け取った一次処理データの二次処理を行う中間処理部として汎用のパソコン等を利用できる効果がある。
さらに、中間処理部が行う二次処理に含まれるノイズ除去を、機械的ノイズやや地震情報といった補足データと比較して行うようにしたので、二次処理されたデータの精度が高いという効果がある。
さらに、異常検出システムは、中間処理部で二次処理された二次処理データに基づく構造物の健全性の判別、当該判別結果に基づく事後処理の指示に関するデータの作成を行う中央演算部を備えているので、建築物の損傷の程度に応じて、最適な修繕、改築等の提案をすることができる。
また、中央演算部に、過去の調査データを対象となる構造物の履歴情報として蓄積する記憶機能を備えることによって、建物が受けてきたき裂発生、進展の情報に基づく建物の安全性評価システムとして機能させることができる効果がある。
さらに、この発明の他の異常検出システムは、中央演算部を備えることなく、AEセンサと、前記中間処理部に相当するデータ処理部のみによって構成したので、さらに簡易な異常検出を行える効果がある。
[発明の実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態について説明する。
この発明の構造物の異常検出システムは、特にコンクリート構造物における異常検出に有効であるので、この発明の異常検出システムの構成をコンクリート構造物に適用する形態を中心として説明することとする。図1(a)はこの発明の異常検出システム10を建築構造物11の柱11a〜11fに取り付けた場合の概念図であり、図1(b)はシステム全体のデータの流れの概念図である。以下その概要につき説明する。
1.異常検出のため、き裂発生・進展時の発せられる超音波(AE信号)をAEセンサ(以下、本明細書において「スマートAEセンサ」ということがある)1、1によって検出する。このスマートAEセンサ1、1は建築構造物11の各層の柱11a〜11f、梁等の表面に取り付けられる。
2.AE信号の単位時間当たりの度数で損傷の程度を評価する。例えば、スマートAEセンサ1、1から送るデータは3段階(例えば「安全、注意、危険」)〜5段階(例えば「十分に安全、安全、注意、少し危険、危険」)のデータ(一次処理データ)とし、十分に安全もしくは安全の場合はその状態を表すデータを送り、それ以外の場合は状態を表すデータと共に単位時間当たりのAE信号の度数を送信する。
3.建物の各層でスマートAEセンサ1と中間処理部(例えばノート型パソコン等のユーザPC)を省配線システムで接続する。中間処理部としてノート型パソコン等のユーザPCを用いるときは、通常の事務作業等の使用の合間(空き時間)を用いてデータ処理を行うことができる。
4.1つの建物全体の状況は各層の中間処理部(ユーザPC)から中央演算部にデータ(二次処理データ)を送信し、そのデータ(二次処理データ)を中央演算部で自動判別する。なお、中央演算部は中間処理部と同一のコンピュータを用いても良いし、中間処理部が複数ある時などは、独立のデータセンターを設けて、各中間処理部(例えばノート型パソコン等のユーザPC)からインターネット経由でデータを送信することもできる。
5.異常検出時は即座に現地調査を行ったり、中央演算部(データセンター)が作成する現地調査に関する指示(調査場所、調査方法等)に従った現地調査を行ったりする。さらに、中央演算部は、修繕改築方法及びこれらの概算見積もりに関するデータを作成する。
なお、中間処理部、中央演算部では建物の健全性及び損傷に関するデータを必要なときに表示できる。

[発明の実施の形態2]
以下、(1)AEセンサ(スマートAEセンサ)、(2)中間処理部、(3)中央演算部について具体的に説明する。
(1)AEセンサ(スマートセンサ)
この実施の形態に使用されるAEセンサの構成について説明する。
AEセンサ1は、ポリイミド製の可撓性の板体に銅箔を貼着した基板(以下、「フレキシブル基板」ということがある)5上にセンサ本体2を搭載して構成している。AEセンサ1の大きさは、屋内で使用するタイプのものでは、幅15mm、長さ80mm、高さ5mm程度であるが、屋外で使用するタイプのものでは、防水面や、紫外線暴露による接着剤の劣化等を考慮して多少大きくしておくことが好ましい。
前記センサ本体2は、コンポジット振動子3と、コンポジット振動子3が検出したAE信号を処理する電子回路6、当該電子回路6によって処理された処理データを外部へ送信する通信回路7とを接続した回路部4を接続して構成されている。
また、当該回路部4を構成する電子回路6は、図3図示のように、コンポジット振動子3が検出したAE信号の一次処理を行う増幅器、フィルター、ADコンバータ、カウンター、メモリを備えている。
これらの電子回路6を構成する各電子部品の役割は、以下の如くである。
「増幅器」 振動子から得られる微弱な電気信号を以後の処理のために増幅する。
「フィルター」 外来の電気的ノイズを除去する。
「ADコンバータ」 アナログ信号をデジタル化する。
「カウンター」 設定した閾値を越えた度数をカウントする。
「メモリ」 一次処理データの保存等を行う。
前記通信回路7は、電子回路6によって処理された一次処理データの外部通信(例えば、中間処理部となるユーザPC等への送信)を行うものであり、外部通信を行うためのフラット型コネクタ8、さらにはケーブル9に接続されている。このケーブル9は、最小限のデータの送信を行うため簡易なもので十分である。
なお、ユーザPCへの外部通信を行う場合には、ケーブル9を介してUSBやRS232C経由でユーザPCへデータ(一次処理データ)送信を行ったり、PCカードを利用したりしてデータのやりとりを行うことができる。
これにより、図3図示のように、通信回路7からユーザPC(中間処理部)へデータの送信を行うことができ、さらにユーザPC(中間処理部)からは、AEセンサ1に対して出力リクエストや、閾値設定を行うことができる。
コンポジット振動子3は、圧電素子のセラミック(通常はPZTといわれるジルコンチタン酸鉛)と高分子化合物(例えばエポキシ)を混ぜた振動子で、目的とする方向以外の不要振動が最小限であり、振動子自体が高ダンピングを有する特性がある。このため、ダンパーは不要となり、フレキシブル基板5上に取り付けても超音波の振動子として機能に問題が生じない。
ここで、コンポジット振動子3としては1−3コンポジット振動子、0−3コンポジット振動子を採用することができる。
1−3コンポジット振動子は、セラミックの振動子に縦・横に狭い溝を細かいピッチで刻み、そこに高分子化合物を充填して構成されており、ミクロ的には四角柱が高分子化合物の中に整然と並んだ状態となっている。このため、四角柱の長手方向(振動子の厚み方向、すなわち測定面と垂直となる方向)の振動−電圧間の変換は大きくなるが、四角柱の長手方向と直交する方向(測定面に対し水平となる方向)ではほとんど発生しない。
つまり、振動子を用いた測定に必要な方向の振動は効率よく電気信号に変換され、それと直交する方向はほとんど振動しない。さらにセラミックの四角柱の間に充填されているエポキシ(高分子化合物)は不要な振動を吸収するので、高分解能・高感度・広帯域が実現できる。
一方、0−3コンポジット振動子は、高分子化合物の中にセラミックの小片をばら撒いたような形態の振動子である。このため、特定の方向の振動だけを選択的に電気的信号に変換する特性には欠けるが、高ダンピング特性は維持される。
このような構造の0−3コンポジット振動子は、高分子化合物の柔軟性により振動子自体も柔軟性を有し、自由に屈曲できる。つまり、曲面にあわせて曲げ、変形させることができるので、振動子の測定面を十分に測定物に接触させて測定を行うことができる。
次に、このように構成されたスマートAEセンサ1、1の建築構造物11への取り付けについて説明する。スマートAEセンサ1、1は、建築構造物11の柱等の表面にエポキシ系の接着剤を用いて取り付けることができる。すなわち、建築完了後の柱等に取り付けることができ、柱のコア抜き等も不要である。
この発明のスマートAEセンサ1は、従来のAEセンサと異なり、最適な測定箇所1カ所につき1個ずつ取り付ければよいが、その取り付け場所及び1個ずつ取り付ければよいことの裏付けとなる検証実験(A.予備実験及び、B.大型試験体のコンクリートデバイスへの適用実験)を行っているので、測定の原理を含め、当該検証実験について説明する。
[検証実験]
A.予備実験
(A−a)試験体、試験装置及び試験方法
大型試験体のコンクリートデバイスへの適用実験に先立ち、図5に示すコンクリートデバイス単体で、ゆっくりとした速度で水平方向に繰返し加力し、変位を大きくし、明確な損傷が発生するまでAEセンサによるデータ収集を行った。
AEセンサは、図4(a)図示のように構造物に力を作用させたときに、き裂が発生していないときは図4(b)のようにほとんど信号を検出することはなく、き裂が発生すると図4(c)のように信号を検出する。
AE法の測定回路を図6に示す。今回使用するAE装置は従来使用されるものと比較して非常に簡易化された装置で、AE信号の発生源を同定する機能や信号波形の成分を分析する機能等は持たず、1秒間隔で閾値を超える信号の度数を外部出力する機能を有するだけである。
なお、本実験で使用した試験装置の構成要素は以下の(イ)〜(ハ)の通りである。
(イ)AEセンサ(NF回路ブロック製)
周波数特性はピークが150kHz付近で、ピークに対して100kHz〜200kHzで−18dB程度の狭帯域のAE(超音波)センサである。
(ロ)AEテスタ(NF回路ブロック製)
約1msec毎に閾値を超えた信号が得られた場合、イベント出力を行う。
また、閾値は0.5mV、5mVのステップ可変と×0.1〜×1までの連続可変により0.05mV〜55mVの範囲で設定可能である。
本実験では、閾値を5mVに設定した。
(ハ)AEパルス入力アダプタ、延長ケーブル、ソフト、その他(NF回路ブロック製)
AEパルス入力アダプタは、AEテスタからイベント出力を受け、パソコンにRS232C経由で出力を行う。パソコンのソフトで最小間隔1sec毎のイベント数(この場合AE信号が閾値を超えた回数)を表示する。
(A−b)損傷とAE信号
図7に示すように、図8に示すような加力サイクルのそれぞれの方向への極値でAE信号の著しい増加が検出された。
金属製の治具に取り付けたAEセンサ(CH2)では、比較的小さな変位で多くのAE信号を検出したが、変位が大きくなってもAE信号は増加せずむしろ減少した。
これに対し、コンクリートデバイスに取り付けたAEセンサ(CH1)では、小さな変位ではAE信号の発生頻度が少なかったが、変位が大きくなるとAE信号の発生頻度が増加した。とくに、新しい大きい変位の最初のサイクルではAE信号の発生頻度が増加した。
また、加力状態0−1/200(1回目)と加力状態0−1/67(2回目)のCH1とCH2の差分(=CH1−CH2)をそれぞれ図8(a)、(b)に示す。図8(a)(b)に示すように、コンクリートデバイスに設置したAEセンサ(CH1)と金属製の治具に設置したAEセンサ(CH2)では多くの場合異なる時刻にAE信号を受信した。
なお、図8(a)〜(e)は、いずれも、この予備実験中の加力サイクルを説明する図であるが、横軸は、加力(荷重)を示し、縦軸は、変形量を示している。
ここで、変形量を示す1/200、1/67、1/100、1/50、−1/100はいずれも変形量を構造物の変形する角度(傾く角度)で表したものであり、例えば、1/200といえば、垂直に立設した長さ200mmの棒が、加力によりその上端で1mmずれた場合の変形量を表し、1/50(=4/200)といえば、垂直に立設した長さ200mmの棒が、加力によりその上端で4mmずれた場合の変形量を表している。
(A−c)まとめ
AE信号は、コンクリートデバイスの変位が大きいほど多く検出され、またAE信号が多く検出されたサイクル終了後のコンクリートデバイス表面の観察では新たなき裂が多く確認された。
さらに、コンクリートデバイスに設置したAEセンサ(CH1)で受信したAE信号と金属製の治具に設置したAEセンサ(CH2)で受信したAE信号では、発生時刻もその度数も異なることから、金属製の治具部分で発生したき裂発生と無関係なノイズはコンクリートデバイスに設置したAEセンサ(CH1)でほとんど受信されないことが確認できた。
以上のことから、コンクリートデバイス部の中央付近にAEセンサーを設置し、AE信号を検出することによってコンクリートデバイスの損傷を検出できるものと考えることができる。
B.大型試験体のコンクリートデバイスへの適用実験
(B−a)試験体と試験方法
図10に示す3層鉄骨造の大型試験体へ、種々の地震波を加え、第1層及び第2層のコンクリートデバイス部にAEセンサ(CH1、CH2)を設置し、AE信号の発生度数を測定した。
(B−b)損傷とAE信号
(イ) コンクリートデバイスの変位とAE信号の発生度数を図11(a)及び(b)に示す。また、コンクリートデバイス内の鉄筋のひずみとAE信号の発生度数を図12(a)及び(b)示す。
図11(a)(b)に示すように、コンクリートデバイスの変位の最大値とAE信号の発生度数は相関関係が強く、図12(a)(b)に示すように鉄筋の最大ひずみとAE信号の発生度数はさらに相関関係が強いことが確認できた。
また、AE信号とコンクリートデバイスのき裂発生に関しても、コンクリートデバイス表面の観察によって明確な関係が確認された。但し、コンクリートデバイスが複合材料のためき裂の開放幅が極端に狭く、定量的な関係は把握できなかった。
(ロ) 次に入力波をエルセントロ5cm/sとした場合のAE信号の発生度数と、入力波をエルセントロ60cm/sとした場合のAE信号の発生度数をそれぞれ図13(a)及び(b)に示す。
図13(a)が示すように小さな入力ではAE信号の発生度数が低く、図13(b)が示すように大きな入力ではAE信号の発生度数が高いことが確認できた。
また、図13(b)が示すように大きな入力での信号の発生パターンは、最初の振動のピークで大きく発生し、その後は急激に発生度数が減少することが確認された。
ただし、コンクリートデバイスが最終的な損傷に至るまで加力を行わなかったので、大きな損傷とAE信号の関係を確認することはできなかった。
また、繰返しの加力のため、コンクリートデバイス単体試験時のゆっくりとした加力に比べて、AE信号がより多く発生した。
(B−c)まとめ
コンクリートデバイスの損傷とAE信号の発生度数は相関関係が強く、AE信号の発生度数からコンクリートデバイスの損傷を推定できることが確認された。
また、AE信号の発生度数と関係するのは、コンクリートデバイス表面のき裂だけでなく、コンクリートデバイス内部の鉄筋のひずみやコンクリートデバイス部の変位といったコンクリートデバイスの損傷もAE信号の発生度数にも影響を与えていた。
地震波のように数多くの繰返しの加力では、静的な加力と比べより多くのAE信号が発生することが確認されたが、これは多くの場合、AE信号が引張応力でき裂が進展する際に発生するためと考えられる。
C.AEセンサーによる損傷検出
AEセンサーによる損傷検出については、コンクリート製の制振デバイスの損傷検出に適用できることが確認された。
また、その方法は非常に簡便で、コンクリートデバイスのほぼ中央部にAEセンサーを設置すればよい。また、検出したAE信号に関しても、複雑な信号処理は不要であり、閾値を超える信号の1秒間当りの度数測定を行い、測定時間1分当りの度数が多くなった場合、コンクリートデバイスが損傷したと判定することができる。
さらに、コンクリート構造物は信号発生箇所が限定されており(損傷箇所が限定されている)、発生したAE信号(超音波)も鋼と比べコンクリートの減衰が大きいため発生箇所近傍のみで検出される特性を有することが知られている。
このため、き裂の発生箇所の同定は計算が不要である。さらに、本実験から発生度数でおおよその損傷の評価が可能であることが確認されたことから、ある閾値を超えた信号の単位時間当たりの度数から、損傷の発生や程度を推定できると考えられる。
このように実験によってコンクリート製の構造物における異常検出に有効であることが立証され、前記のように構成されるAEセンサ1、1は建築構造物11の柱11a〜11f等にエポキシ系の接着剤によって取り付けられる。前記のように構成されるAEセンサ1、1の動作方法は以下のように荷重の加わり方により適宜選択するようにする。

(a)構造物が地震などの短期的な荷重により損傷を受ける場合
(i)時刻で多数のスマートAEセンサ1、1の同期を取る。
(ii)スマートAEセンサ1、1で測定データを処理しユーザPC(中間処理部)に送る。
(iii)1msec程度でAE信号のサンプリングを行い1秒毎に各閾値を超える度数をカウントする。
(iv)例えば、1秒毎のある閾値を超える信号の度数が3以上を「異常」と判定する。
(v)測定の結果「安全」な場合は、1日1回のユーザPCに「安全」という情報を送る。何らかの異常が測定された場合はユーザPCに「異常」という情報を送り、異常と判定した時刻の前100秒から500秒間のデータを記録し、ユーザPCに記録したデータを送信する。
(vi)電源が供給されなくなったとき、又はユーザPCとの通信が途絶えたときは、異常と判定し、異常と判定した時刻の前100秒から500秒間のデータを記録し、測定を停止する。
(vii)ノイズと信号のソフト的な判別は行わない。
(viii)データの出力は、ユーザPC等の外部からの任意の出力リクエストに応じて行うことができる。

(b)構造物が疲労や経年劣化などの長期的な荷重により損傷を受ける場合
(i)時刻で多数のスマートAEセンサ1、1の同期を取る。
(ii)1msec程度でAE信号のサンプリングを行い1秒毎に各閾値を超える度数をカウントする。
(iii)1秒毎に各閾値を超える度数のカウントデータをユーザPCに送信する。
(iv)送信されたデータを基にユーザPCで構造物の状態を判定する。

(2)中間処理部
次に、この実施の形態に使用される中間処理部について説明する。
この実施の形態では中間処理部としてノート型のユーザPCを使用している。このユーザPCは、例えば、図1図示のように建築構造物11の各層毎(ユーザA、B)に設置し、各層に取り付けられたスマートAEセンサ1、1を接続して使用することができるが、もちろん単一のユーザPCで建築構造物11に取り付けた総てのスマートAEセンサを接続して使用する等、ユーザPCとスマートAEセンサとの接続の形態は必要に応じて変更することができる。
中間処理部として機能するユーザPCは、スマートAEセンサへの一次処理データの出力要求及び受信、受け取った一次処理データの二次処理を行うが、以下にユーザPCでのデータ処理形態を説明する。図14は、ユーザPCでのデータ処理形態の概念図である。
(イ)ノートパソコンのPCカードあるいはUSBやRS232C経由のアダプタでAEセンサからのユーザPCへのデータの取込み、損傷検出・安全性表示等の処理を専用ソフトで行う。なお、ユーザPCは、通常は事務処理等に使用し、その空き時間で中間処理部として活用することができる。
(ロ)各AEセンサの時刻の同期をとり、複数のAEセンサからのデータ(一次処理データ)を収集し(OK(安全)又はNG(危険)等の評価ランク。NG(危険)等の場合には度数データを受け取る。)、建築構造物の各層についてユーザPC上に図15図示のような異常箇所と異常データについて画面表示を行う。
(ハ)AEセンサからのデータ(一次処理データ)からノイズを除去する。その結果によってはAEセンサからの異常データをノイズと判断し、必要に応じてノイズを除去する。ただし、異常データを除去したことと除去前の異常データは保存する。
ここで、前記ノイズは、機械的ノイズ、地震等の異常によるノイズが考えられるが、ノイズの除去は、機械的ノイズ、地震等の異常によるノイズに関するデータ(図16(a)、(b))を補足データとして中央演算部(データセンター)等から受け取る等し、この補足データとAEセンサからのデータ(一次処理データ)とを比較してノイズであると判断される成分については除去される。
例えば、地震の発生時刻に関するデータを補足データとして受け取り、異常データの発生時刻と比較して、それぞれの発生時刻が一致するようであれば、異常データ部分は、地震によるノイズであると判断して除去することができる。
また、機械的ノイズは、図16(a)図示のように所定間隔で決まった波形として表れることが多いので、そのような周期的なデータ部分は機械的ノイズであると判断して除去することができる。
なお、機械的ノイズに関すデータは、地震情報とは異なり、予め把握することができる性質のものなので、予めユーザPC(中間処理部)に記憶させておくこともできる。
(ニ)データが必要なときにAEセンサに出力リクエストを出す。地震発生時には自動的に出力リクエストを出す。
(ホ)AEセンサからのデータを判定、整理しデータセンターに送付する。
(3)中央演算部
次に、この実施の形態に使用される中央演算部について説明する。
中央演算部は、各ユーザPC(中間処理部)で二次処理された二次処理データに基づく構造物の健全性の判別、当該判別結果に基づく事後処理の指示に関するデータの作成、及び、各ユーザPC(中間処理部)に対し必要に応じて補足データの送信を行うが、例えば建物管理会社が一括して管理を行うデータセンターを設置し中央演算部として機能させることができる。以下にデータセンター(中央演算部)でのデータ処理形態を説明する。図17は、データセンターでのデータ処理形態の概念図である。
(イ)ユーザPCから送信された各層のデータに基づいてから建物全体の異常検出結果を自動的に作成し、返送する。
(ロ)異常時に現地調査(調査場所、調査方法等)の指示に関するデータを自動的に作成する。データ作成後は、当該データに基づいて、現地調査の日時につき、ユーザと打合せを行う。
(ハ)必要な場合、地震情報等のノイズと判別するための外部データ(補足データ)をユーザPCに送る。
(ニ)異常データの受信時は、現地における専門業者の詳細調査に基づく最終的な判断を行い、必要に応じて、修繕や改築が必要な場合は診断結果と共に修繕や改築の概算見積りも作成し、自動的にユーザに送信する。
(ホ)過去のデータを蓄積する。
なお、データセンターで、異常検出システムを取り付けた建築構造物11の過去の調査データを建築構造物11の履歴情報、すなわち、建築構造物11がどのような加力を受け、き裂等の損傷を有しているのか等の情報を記憶し、蓄積しておけば、この履歴情報は、構造物の安全性の評価に役立つので異常検出システムから発展させて安全性評価システムとして機能させることができる。
その一方で、中間処理部における評価ランクに関するデータが作成されていれば、簡易的な異常検出は可能であり、事後の対策も別途検討することができる。 そこで、中央演算部を備えておらず、スマートAEセンサと中間処理部とを備えたシステムを簡易的な異常検出システムとして構成することができる。

[使用例]
前記のように、現状の建築構造物の使用期間中の構造的な安全確保は、定期的及び異常があったときに建物調査を行うのが一般的であるがトータルのコスト等の面から種々の問題点を有している。
そこで、平素から簡単に建物の構造的な状況を察知し、その結果から最も効率的な「調査−診断−修繕」を行うシステムを構築することが有効と考えられる。
この発明のAEセンサ及びAEセンサを用いた構造物の異常検出システムによれば、常時、建物の構造的な状況を把握し、必要な情報を的確に提供することができる。
以下、この発明の異常検出システムの使用例について説明する。
図18は、異常検出システムの使用例の概念図である。ビル(Aビル、Bビル・・・)、個人住宅(C邸・・・)の所有者、使用者との間でユーザ契約し、ユーザの建築物毎(またはフロアー、層毎)に図19図示のようにAEセンサと当該AEセンサに接続したパソコン(ユーザPC)を設置する。
各パソコン(ユーザPC)は、中央演算部を備えた処理センターとの間でデータの送受信ができるようにする電話回線もしくは専用回線、インターネット回線に接続する。
以上のように設置された異常検出システムにおけるデータ及び作業の流れを図20のフローチャートに基づいて説明する。
(1)各ユーザの建物に設置したAEセンサ+パソコンによって、AEセンサが受信したAE信号の情報を処理し、建物の安全情報の表示として各ユーザへ提示する。
(2)処理されたAE信号の情報に基づき、処理センターにおいて建物の「異常あり/異常なし」の判別を行う。
(3)その結果、「異常なし」の場合は、その情報を該当するユーザへ提示する。
(4)一方、「異常あり」の場合は、建物の異常箇所の表示として該当するユーザへ提示する。また、ユーザへの提示と並行して、建物の詳細調査、すなわち専門業者の現地調査を行う。
(5)専門業者の現地調査に基づいて建物診断を行い、その結果「良」と判定された場合には、ユーザに対し建物の「継続使用の提案」を行い、「一部可」すなわち建物の一部分に損傷が認められる場合には、ユーザに対し建物の「修繕の提案」を行い、「不可」すなわち建物に致命的な損傷が認められる場合には、ユーザに対し「解体の提案」を行う。
以上のように異常検出システムを使用することによる、以下のメリットが認められる。
(1)現状の建物の安全が確認できる。
(2)AEセンサからの情報を各建物のパソコン(事務用パソコンの空き時間の利用または専用のパソコン)に集め、処理センターのコンピュータに情報提供することによって、建物の損傷のオンタイムの検出が可能で、最適な建物調査間隔で建物調査を実施することもできる。
(3)各建物の所有者・使用者の要求に応じて、処理センターからの情報をわかりやすい形(建物の模式的なグラフィックに結果を表示する)で提供できる。
(4)建物調査の費用及び修繕費費用が最小となる。
(5)必要な部位のみの建物調査を実施することができ、コストを最小とすることができる。
(6)建物調査のための前処理(足場の設置・養生等)や後処理(補修・再塗装等)が最小限となる。
(7)建物の損傷に関係する履歴を記録できる。
(8)大地震が起きた場合、速やかに建物の安全性を確認でき、最小の時間で使用を開始することができる。
(9)防災に関連する行政に情報を提供することも可能となる(図18)。
以上のように、建物に設置したAEセンサからの情報を処理し、ユーザにオンタイムで建物の安全状況を提供し、損傷が検出された場合、専門業者による現地調査→診断→提案をサービスとして確立し、ビジネスとして成立させることができる。
以上、この発明の好ましい実施の形態、使用例を添付図面を参照して説明したが、この発明はかかる実施の形態、使用例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において様々な形態に変更可能である。
例えば、スマートAEセンサーを大量に生産することができ、省配線システムを用い、損傷の有無を表示するソフトを組み合わせられれば、現在使用している鉄筋コンクリート造のリアルタイムの損傷検出システムを構築することができる。
(a)この発明の実施例の異常検出システムを建築構造物に取り付けた場合の概念図。(b)(a)図示のシステム全体のデータの流れの概念図。 (a)この発明のスマートAEセンサの拡大した平面説明図。(b)同じく拡大した側面説明図。 同じくスマートAEセンサに搭載された回路部の説明図。 (a)AEセンサを取り付けた構造物に力を作用させる場合の概念図。(b)構造物にき裂が発生していないときの、AEセンサの信号検出度数の表示を示す説明図。(c)構造物にき裂が発生したときの、AEセンサの信号検出度数の表示を示す説明図。 検証実験における予備実験の実験装置の説明図。 図5図示の実験装置に用いた測定回路の説明図。 検証実験における予備実験で得られた加力と各チャンネルのAEセンサの受信頻度、発生合計の関係を示すグラフ。 検証実験における予備実験中の加力サイクルを説明する図であり、(a)は1/200迄変化させた加力状態、(b)は1/100迄変化させた加力状態、(c)は−1/100迄変化させた加力状態、(d)は1/67迄変化させた加力状態、(e)は1/50迄変化させた加力状態を示す説明図。 (a)加力状態0−1/200時のCH1とCH2の差分(CH1−CH2)を示すグラフ。(b)加力状態0−1/67時のCH1とCH2の差分(CH1−CH2)を示すグラフ。 検証実験における大型試験体のコンクリートデバイスへの適用実験の実験装置の説明図。 (a)はマイナス(−)変位側、(b)はプラス(+)変位側のコンクリートデバイスの変位の最大値とAE信号の発生度数との関係を示すグラフ。 (a)鉄筋の平均ひずみと最大値とAE信号の発生度数との関係を示すグラフ。(b)鉄筋の最大ひずみと最大値とAE信号の発生度数との関係を示すグラフ。 (a)入力波をエルセントロ5cm/sとした場合のAE信号の発生度数を示すグラフ。(b)入力波をエルセントロ60cm/sとした場合のAE信号の発生度数を示すグラフ。 ユーザPCにおけるデータの入出力を示す概念図。 (a)ユーザPCにおいてノイズ除去を行う際に比較される機械的ノイズのパターンの一例を示す説明図。(b)ユーザPCにおいてノイズ除去を行う際に比較される地震等の異常による信号の一例を示す説明図。 ユーザPCの画面表示の一例を示す説明図。 データセンターにおけるデータの入出力を示す概念図。 この発明の異常検出システムをビル等に設置した使用例の概念図。 同じくAEセンサの取り付け状態の説明図。 同じく使用例におけるデータ及び作業の流れを示すフローチャート。 従来の建物調査を実施した場合の、建物の使用期間、調査、修繕、大地震等の影響と建物の性能との関係示した概念図であって、(a)は、調査実施の間隔を長期間とし場合、(b)は、調査実施の期間を短期間とした場合の概念図。
符号の説明
1 スマートAEセンサ
2 センサ本体
3 コンポジット振動子
4 回路部
5 フレキシブル基板
6 電子回路
7 通信回路
8 フラット型コネクタ
9 ケーブル
10 異常検出システム
11 建築構造物
11a〜11f 柱

Claims (11)

  1. 可撓性の板体上にセンサ本体を搭載したAEセンサであって、当該センサ本体は、コンポジット振動子と、当該コンポジット振動子が検出したAE信号を処理する電子回路と、当該電子回路によって処理された処理データを外部へ送信する通信回路とを接続してなり、前記電子回路は増幅器、フィルター、ADコンバータ、カウンター、メモリを含む構成としたことを特徴とするAEセンサ。
  2. センサ本体の表面をエポキシ系樹脂で被覆したことを特徴とする請求項1記載のAEセンサ。
  3. コンポジット振動子は1−3コンポジット振動子、または0−3コンポジット振動子であることを特徴とする請求項1又は2記載のAEセンサ。
  4. 以下のようなAEセンサ、中間処理部及び中央演算部を接続して構成したことを特徴とするAEセンサを用いた構造物の異常検出システム。
    (1)構造物の予め予測したき裂発生又は進展位置毎に対応して取り付け、コンポジット探触子が検出したAE信号の一次処理及び一次処理データの保存及び外部通信を行うAEセンサ。
    (2)当該AEセンサへの一次処理データの出力要求及び受信、受け取った一次処理データの二次処理を行う中間処理部。
    (3)当該中間処理部で二次処理された二次処理データに基づく構造物の健全性の判別、当該判別結果に基づく事後処理の指示に関するデータの作成、及び、前記中間処理部に対し必要に応じて前記中間処理部における測定データの処理に有効な補足データの送信を行う中央演算部。
  5. AEセンサは、請求項1乃至3のいずれか一項記載のAEセンサであることを特徴とする請求項4記載のAEセンサを用いた構造物の異常検出システム。
  6. AEセンサにおけるAE信号の一次処理は、予め入力した単位時間当たりの閾値を越えた度数のカウント、及び当該カウント数に応じた評価ランクを示す一次処理データの作成であることを特徴とする請求項4記載のAEセンサを用いた構造物の異常検出システム。
  7. 中間処理部における二次処理は、中間処理部に予め記憶し又は中央演算部から送信された補足データと比較して行うノイズ除去であることを特徴とする請求項4記載のAEセンサを用いた構造物の異常検出システム。
  8. 中央演算部における事後処理の指示に関するデータは、調査場所、調査方法、修繕改築方法及びこれらの概算見積もりに関するデータであることを特徴とする請求項4記載のAEセンサを用いた構造物の異常検出システム。
  9. 構造物の予め予測したき裂発生又は進展位置毎に対応して取り付け、コンポジット探触子が検出したAE信号の一次処理及び一次処理データの保存及び外部通信を行うAEセンサに、当該AEセンサへの一次処理データの出力要求及び受信、受け取った一次処理データの二次処理を行うデータ処理部を接続し、二次処理データに基づいて構造物の安全評価を行うシステムであって、前記AEセンサにおけるAE信号の一次処理は予め入力した単位時間当たりの閾値を越えた度数のカウント、及び当該カウント数に応じた評価ランクを示す一次処理データの作成であり、データ処理部における二次処理は、データ処理部に予め記憶し又は外部から送信された補足データと比較して行うノイズ除去であることを特徴とするAEセンサを用いた構造物の異常検出システム。
  10. AEセンサは、請求項1乃至3のいずれか一項記載のAEセンサであることを特徴とする請求項9記載のAEセンサを用いた構造物の異常検出システム。
  11. 請求項4記載の異常検出システムの中央演算部に、過去の調査データを対象となる構造物の履歴情報として蓄積する記憶機能を備えたことを特徴とするAEセンサを用いた構造物の安全性評価システム。

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