JP5897199B1 - アンカーボルト健全度評価判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】評価のための情報を容易に取得することができ、広い範囲に適用可能でありながら、アンカーボルトの健全度をより正確に評価できるアンカーボルト健全度評価判定方法を提供する。【解決手段】評価対象となるアンカーボルトが設置されているコンクリートの表面に、前記アンカーボルトの軸方向の打撃を与え、前記コンクリートから前記アンカーボルトへ伝播する振動波により生じる前記アンカーボルトの軸方向の加速度を、前記アンカーボルトの露出部端面に配置した加速度計により計測し、前記加速度に基づき前記アンカーボルトの前記コンクリートに対する引抜強度を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物に付帯設備を固定するアンカーボルトが十分に機能するために必要な引張強度や引抜き強度が維持されていることを確認するためのアンカーボルト健全度評価判定方法に関する。
道路施設などのコンクリート構造物に表示板や遮音壁、ジェットファンなどの付帯設備を設置するに当たり、一般にアンカーボルトを使用してコンクリート構造物に固定されている。しかしながら、このアンカーボルトは、ボルト本体の腐食や、周囲コンクリートのひび割れ、または劣化などにより、引張強度や引抜き強度が経年的に低下する。そのため、アンカーボルトが十分に機能するために必要な引張強度や引抜き強度が維持されていること、すなわち、アンカーボルトの健全度を確認するための点検・調査が必要となる。
アンカーボルトの健全度を確認するための点検方法として、従前から、アンカーボルトをハンマー打撃し、それによって生じる音を聴き分けて点検・診断する、打音点検と称される方法が実施されている。しかし、この打音点検は、音の高低の聴き分けに頼ったものであるため、評価結果に個人差が生じやすく、かつ定量的な評価が困難であること、さらにボルトの強度劣化などがかなり進行した状態にならないと可聴領域での不良状態の評価が困難であるという問題がある。
そこで、打撃を与えることによりアンカーボルトに生じる振動を機械的に検出し、人の判断によることなく、健全度を評価する方法が提案されている。
例えば、特開2004−325224には、コンクリート製基礎から露頭するアンカーボルトの露頭部を打撃振動させ、このときのアンカーボルトの固有振動数を測定し、この測定結果を正常なアンカーボルトの固有振動数と比較して、アンカーボルトの腐食減肉量とともに不健全度の度合を診断する方法(以下、従来手法1とする)が提案されている。
また、特開2014−202682には、アンカーボルトの埋設位置周囲のコンクリート面を鎚打して弾性波を発生させ、アンカーボルトの露出部位に伝播された弾性波を検出し健全性を判定する方法(以下、従来手法2とする)が提案されている。この従来手法2では、アンカーボルトにおける露出部位に軸線方向荷重を負荷し、軸線方向荷重負荷前における第1弾性波と、軸線方向荷重負荷後における第2弾性波とを比較し、第1弾性波に対する第2弾性波の変化に基づいて、アンカーボルトの埋設状態の健全性を判定する。
更に、本発明者らは、アンカーボルトに取付けられたナットや周囲のコンクリートを打撃し、アンカーボルトの頭部において収集した加速度データの水平合成成分により健全度を評価する方法(以下、従来手法3とする)を提案している。
特開2004−325224 特開2014−202682
「アンカーボルト点検手法の開発 加速度計を用いた健全度評価法の検討」土木学会第69回年次学術講演会、VI−475、平成26年9月
しかしながら、打撃を与えることによりアンカーボルトに生じる振動を利用して、アンカーボルトの健全度を機械的に評価する従来の方法では、評価対象にできるアンカーボルトの設置場所や種類が制限される場合がある。
例えば、従来手法1では、付帯設備とアンカーボルトを固定しているナットをすべて外してから診断するものであるため、実施に手間がかかり、また、ナットを外すことができない場合、具体的には、ジェットファンなどの懸架されている付帯設備を固定するアンカーボルトへの適用は難しい。
また、評価に必要な情報の取得が難しい場合もある。例えば、従来手法2では、アンカーボルトの軸方向に荷重を負荷しなければならず、非常に手間がかかる作業を要し、また、ナットからのボルト露出が少ない場合には荷重負荷自体が不可能となり、評価に必要な情報の取得が難しくなる。
更に、正確な評価が難しい場合もある。例えば、従来手法3では、アンカーボルトを締めつけた後のナット上部に突出するアンカーボルト長が現場での施工精度上の問題から必ずしも一定にならないことを原因として、水平方向加速度の計測値に物理的な施工ばらつきの影響が入ったものとなり、正確に評価できない場合がある。
そこで、本発明は、評価のための情報を容易に取得することができ、広い範囲に適用可能でありながら、アンカーボルトの健全度をより正確に評価できるアンカーボルト健全度評価判定方法を提供することを目的とする。
本発明に係るアンカーボルト健全度評価判定方法では、まず、アンカーボルトをコンクリート体に埋設してなる供試体の複数の各々について、前記コンクリート体の表面に前記アンカーボルトの軸方向の打撃を与え、前記コンクリート体から前記アンカーボルトへ伝播する振動波により生じる前記アンカーボルトの軸方向の加速度を、前記アンカーボルトの露出部端面に配置した加速度計により計測し、前記複数の供試体の各々についてアンカーボルト引抜き試験を行い、前記加速度の周波数と前記アンカーボルトの引抜き時の引張荷重との相関関係を求める。そして、評価対象となるアンカーボルトが設置されているコンクリートの表面に、前記評価対象となるアンカーボルトの軸方向の打撃を与え、前記コンクリートから前記評価対象となるアンカーボルトへ伝播する振動波により生じる前記評価対象となるアンカーボルトの軸方向の加速度を、前記評価対象となるアンカーボルトの露出部端面に配置した加速度計により計測し、前記相関関係に基づき前記評価対象となるアンカーボルトの前記コンクリートに対する引抜強度を推定する。
前記評価対象となるアンカーボルトの加速度の経時的な変化に基づいて前記評価対象となるアンカーボルトの状態の遷移を推定してもよい。
既設アンカーボルトの複数の各々について、前記既設アンカーボルトが設置されているコンクリートの表面に、前記既設アンカーボルトの軸方向の打撃を与え、前記コンクリートから前記既設アンカーボルトへ伝播する振動波により生じる前記既設アンカーボルトの軸方向の加速度を、前記既設アンカーボルトの露出部端面に配置した加速度計により計測し、前記計測の結果に基づき決められた前記加速度の周波数の所定値以上となる範囲を前記評価対象となるアンカーボルトの信頼性を許容できる範囲として設定してもよい。
前記加速度の周波数は、前記加速度を周波数スペクトルで表現した場合における卓越周波数であってもよい。前記卓越周波数は、3kHz以上であってもよく、第1次周波数であってもよい。
なお、卓越周波数とは、加速度を周波数スペクトルで表現した場合においてスペクトル振幅が大きくなる(ピークが現れる)周波数であり、振幅の最も大きくなる周波数が第1次周波数であり、以降、大きいものから順に、第2次周波数、第3次周波数などとなる。
本発明によれば、健全度評価に必要な情報を取得するための加速度計は、アンカーボルトの露出部端面に配置すればよいため、ナットを外すことができない場合や、ボルト露出が少ない場合にも適用することができる。すなわち、広い範囲に適用することができる。
また、健全度を評価するための情報として、アンカーボルトのコンクリートに対する付着力(引抜きに対する抵抗力)の働く方向と一致する、アンカーボルトの軸方向の加速度を採用し、更に、評価対象となるアンカーボルトが設置されているコンクリートの表面に対する打撃方向をアンカーボルトの軸方向とし、打撃力方向、抵抗力方向、加速度計測方向の3因子を一致させることにより、引張強度を正確に推定することができる。しかも、アンカーボルトの軸方向の加速度は、アンカーボルトの露出部端面に加速度計を配置することで、容易に計測することができる。すなわち、評価のための情報を容易に取得することができ、しかも、従来の評価方法よりも正確で合理的な評価が可能となる。
更に、加速度の経時的な変化を利用することにより、アンカーボルトの状態の遷移を推定することができる。
更にまた、評価対象となるアンカーボルトの信頼性を許容できる加速度の範囲を設定することにより、計測された加速度が信頼性の許容できる範囲に含まれるかどうかの判定により、アンカーボルトの不具合の有無を判断することができる。すなわち、現場計測時において現場にて即時にアンカーボルトの異常の有無や不具合を判断することが可能となり、アンカーボルトの健全度を効果的に評価できる。
更に、加速度を周波数スペクトルで表現した場合における卓越周波数を求めることにより、この卓越周波数を利用して、評価を容易に行うことができる。
卓越周波数は、3kHz以上が好ましく、その場合、健全度評価における見逃しを低減し、より効率的な評価が可能となる。軸方向加速度の卓越周波数が3kHz以上の高い周波数の場合に、アンカーボルトの引抜試験による引張強度との相関関係が高くなるという傾向があることから、アンカーボルトの劣化因子を表現できる有効なパラメータになるからである。
卓越周波数は、また、第1次周波数が好ましい。第1次周波数は3kHz以上となる傾向があるためである。ただし、アンカーボルトで固定している付帯設備がより重量のある物やより複雑な物である場合には、この影響により、軸方向加速度の第1次周波数は3kHz未満となり、スペクトル振幅が第1次周波数よりも小さい第2次周波数、或いはそれよりも更に小さい第3次周波数などが3kHz以上となる場合もある。この場合には、第1次周波数に限定することなく、3kHz以上の卓越周波数を利用して評価すればよい。
第1次周波数と引張強度の相関を示す図である。 本発明に係るアンカーボルト健全度判定方法の実施形態において、アンカーボルトの軸方向の加速度を計測する方法を概念的に示す模式図である。 アンカーボルトの軸方向の加速度の周波数スペクトルを示す図である。 第1次周波数の経時変化状態を利用してアンカーボルトの経年劣化状態を示す概念図である。 信頼性を許容できる範囲を示す第1次周波数の分布図である。
図1〜5を参照しながら、本発明に係るアンカーボルト健全度判定方法の実施形態を説明する。
図2に示すように、健全度判定の対象となるアンカーボルト1の露出部端面1aには、加速度計2が配置されている。なお、加速度計2を配置する方法に制限はなく、接着剤で取り付けてもよく、また、加速度計測時に人手により保持してもよく、或いは設置治具を用いてもよい。
設置治具としては、例えば、加速度計を袋ナットに一体化させアンカーボルトの露出端部に螺着させるもの、加速度計を磁石と一体化させアンカーボルトの露出部端面に磁力で取付けるものを採用してもよい。
加速度計が設置されるアンカーボルト1の露出部端面1aは、滑らかな状態となっていることが好ましく、微少な凹凸などが存在する場合には、シート材や塗布剤などを施し、平滑化しておくことが好ましい。
アンカーボルト1の露出部端面1aに加速度計2が設置された状態で、アンカーボルト1が固定されているコンクリート3に、アンカーボルト1の軸方向zの打撃Fを与えると、コンクリートからアンカーボルトへ振動波が伝播する。アンカーボルト1には、振動による加速度aが生じるため、このときのアンカーボルト1の軸方向zの加速度aを加速度計2で計測する。
コンクリート3へ打撃Fを与える方法は、計測現場の状況や計測器の性能などを考慮して適宜決めればよく、例えば、ハンマーにて手動で打撃する方法や、打撃機を用いて機械的に打撃する方法を採用することができる。打撃回数も同様に、計測現場の状況や計測器の性能などを考慮し適宜決めればよく、例えば、単発の打撃としてもよく、連続複数回の打撃としてもよい。
計測により取得した加速度データについては、周波数解析を行う。そして、アンカーボルト1の軸方向zの加速度aの卓越周波数を把握する。なお、周波数解析の手法として、例えば、ウェーブレット解析やFFT解析を採用することができる。
アンカーボルト1の軸方向zの加速度aの周波数解析結果の一例を、周波数スペクトルとして図3に示す。図3において、スペクトル振幅のもっとも大きいものが第1次周波数、2番目に大きいものが第2次周波数、3番目に大きいものが第3次周波数である。健全度評価には、3kHz以上の卓越周波数を利用することが好ましく、3〜15kHzの卓越周波数を利用することがより好ましい。また、第1次周波数は3kHz以上となる傾向があるため、第1次周波数を利用してもよい。
「実施例1」
設置状態の異なる以下の供試体1〜6について、アンカーボルトの軸方向の加速度を計測した後、アンカーボルト引抜き試験を行い、第1次周波数とアンカーボルト引抜け時の引張荷重との相関関係を求めた。結果を図1に示す。
<供試体1>
ケミカルボルト(径M12)を、コンクリート体に、あと施工で埋設し、埋設されたケミカルボルトの突出部に、付帯設備架台取付けに用いるL型鋼材を通した後、各ボルト突出部に座金を入れ、それぞれでナットを用いてL型鋼材を緊結した。
ケミカルボルトの設置状態は、ボルト突出長50mm、埋込深80mm、健全埋込深100%とした。また、3個で構成される列が4列形成される配置とし、各列に前記L型鋼材を緊結した。
コンクリート体は、圧縮強度24N/mm、長さ1450mm、幅500mm、高さ300mmである。
<供試体2>
供試体1における各列中央のボルト周囲をコンクリートひび割れ状態したこと以外は、供試体1と同じ条件とした。
コンクリートひび割れ状態は、幅0.5mmのスリットを、スリット深度がボルト埋込長、スリット長さがコーン破壊範囲となる状態で設けることにより模擬した。なお、スリットの配置は、コンクリート体の長さ方向においてボルト中心と重なる位置、及びボルト中心から10mm離れた位置とした。
<供試体3>
供試体1における各列中央のボルトの付着部を低耐力状態としたこと以外は、供試体1と同じ条件とした。
低耐力状態は、健全埋込深を15〜60%とすることにより模擬した。
<供試体4>
供試体1におけるケミカルボルトをメカニカルボルト(径M12)とし、埋込深さを50mmとしたこと以外は、供試体1と同じ条件とした。
<供試体5>
供試体2におけるケミカルボルトをメカニカルボルト(径M12)とし、埋込深さを50mmとしたこと以外は、供試体2と同じ条件とした。
<供試体6>
供試体3におけるケミカルボルトをメカニカルボルト(径M12)とし、各列中央のボルトの健全埋込深を40〜60%としたこと以外は、供試体3と同じ条件とした。
<加速度の計測>
アンカーボルトの露出部端面に圧電型の加速度計(電荷出力型加速度検出器、小野測器社)を取付け、そのボルトから離隔50〜200mm程度の位置のコンクリート表面に、ハンマーにて、アンカーボルト軸方向に単発の打撃を与え、アンカーボルトの露出部端面でボルト軸方向の加速度を計測した。この際の供試体は、計3本のボルトで固定されたL型鋼材の影響も受けた状態にある。
<引抜き試験>
加速度計測終了後、L型鋼材を外し、(社)日本建築あと施工アンカー協会「あと施工アンカー標準試験法・同解説」に基づき、アンカーボルトの引抜き試験を実施した。なお、加力装置の支持架台は、アンカーボルトのコーン破壊強度に影響を及ぼさない十分外側の範囲に設置した。引抜き試験によるアンカーボルト引抜け時の最大荷重は当該アンカーボルトの引張荷重(引抜き強度)と評価した。
図1より、ボルト種類や設置状態が異なる条件であっても、第1次周波数とアンカーボルト引抜け時の引張荷重(引張強度)には相関関係(r=0.767)があり、第1次周波数に基づいて引張強度を推定することができる。すなわち、加速度波形からの第1次周波数と引張強度の相関関係が極めて高くなることから、工学的に有用な因子情報が得られ、これを用いることで効果的なアンカーボルト健全度評価判定方法が確立できる。
また、図1より、第1次周波数は、引張強度の低下に伴い小さくなる傾向がある。そこで、アンカーボルトの軸方向加速度の計測を、所要の調査頻度(例えば5年ごとに1回)の間隔で行い、第1次周波数の経時変化状態を描くことにより、経年劣化の状態を把握できる。図4は、第1次周波数の経時変化状態を利用してアンカーボルトの経年劣化状態を示す概念図である。これにより、付帯設備を固定しているアンカーボルトの更新時期などを評価・判断できる。
「実施例2」
複数の既設アンカーボルトについて、実施例1と同じ手法で加速度の計測を行い、第1次周波数を得た。図5に、第1次周波数の周波数分布を示す。既述のように、第1次周波数は、引張強度の低下に伴い小さくなる傾向があることから、正常な状態のアンカーボルトで計測される第1次周波数の所定値以上を、信頼性の許容できる範囲としてもよい。
例えば、図5に示す分布図において、周波数の高くなる領域の95%の区間を信頼性の許容できる範囲とし、その下限値を管理基準として既設アンカーボルトの新規の計測を実施する。そして、計測結果により得られた第1次周波数が管理基準より高ければ「異常なし」と、計測結果により得られた第1次周波数が管理基準より低ければ「異常あり」の不具合アンカーボルトとして評価する。この手法によれば、現場での詳細な目視観察や追加調査などで迅速な対応が可能となるとともに調査の信頼性の向上を図ることができる。
なお、上記実施例1及び実施例2は、あと施工アンカーボルトの周面とコンクリートとの劣化などの健全度を評価したものであるが、ボルト本体が付帯設備に接したベースプレート部において部分的に腐食により細くなり断面積の低減した場合の評価にも適用できる。これはコンクリート打撃により伝播するボルト軸方向加速度の第1次周波数が、ボルトの部分的な細径箇所の存在により健全な状態のボルトに比べてより小さい方向に変化するためである。このような現象が生じることから、本発明に係るアンカーボルト健全度評価判定方法は、ボルト本体の腐食劣化状況の診断にも適用可能である。

Claims (6)

  1. アンカーボルトをコンクリート体に埋設してなる供試体の複数の各々について、前記コンクリート体の表面に前記アンカーボルトの軸方向の打撃を与え、前記コンクリート体から前記アンカーボルトへ伝播する振動波により生じる前記アンカーボルトの軸方向の加速度を、前記アンカーボルトの露出部端面に配置した加速度計により計測し、前記複数の供試体の各々についてアンカーボルト引抜き試験を行い、前記加速度の周波数と前記アンカーボルトの引抜き時の引張荷重との相関関係を求め、
    評価対象となるアンカーボルトが設置されているコンクリートの表面に、前記評価対象となるアンカーボルトの軸方向の打撃を与え、前記コンクリートから前記評価対象となるアンカーボルトへ伝播する振動波により生じる前記評価対象となるアンカーボルトの軸方向の加速度を、前記評価対象となるアンカーボルトの露出部端面に配置した加速度計により計測し、前記相関関係に基づき前記評価対象となるアンカーボルトの前記コンクリートに対する引抜強度を推定することを特徴とするアンカーボルト健全度評価判定方法。
  2. 前記評価対象となるアンカーボルトの加速度の経時的な変化に基づいて前記評価対象となるアンカーボルトの状態の遷移を推定する請求項1に記載のアンカーボルト健全度評価判定方法。
  3. 既設アンカーボルトの複数の各々について、前記既設アンカーボルトが設置されているコンクリートの表面に、前記既設アンカーボルトの軸方向の打撃を与え、前記コンクリートから前記既設アンカーボルトへ伝播する振動波により生じる前記既設アンカーボルトの軸方向の加速度を、前記既設アンカーボルトの露出部端面に配置した加速度計により計測し、前記計測の結果に基づき決められた前記加速度の周波数の所定値以上となる範囲を前記評価対象となるアンカーボルトの信頼性を許容できる範囲として設定する請求項1または2に記載のアンカーボルト健全度評価判定方法。
  4. 前記加速度の周波数は、前記加速度を周波数スペクトルで表現した場合における卓越周波数である請求項1、2、3のいずれかに記載のアンカーボルト健全度評価判定方法。
  5. 前記卓越周波数が、3kHz以上である請求項4に記載のアンカーボルト健全度評価判定方法。
  6. 前記卓越周波数が、第1次周波数である請求項4または5に記載のアンカーボルト健全度評価判定方法。
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