JPWO2013161421A1 - 液剤希釈散水装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、家庭で自家用車等の洗車をする際には、洗車用の洗剤を水に希釈して散水することが行われてきた。
このように広く水以外の液剤を水に希釈して散水するために、従来から液剤希釈散水装置が用いられている。
この液剤希釈散水装置は、液剤を収容した液剤容器を、ネジ結合によって下部に着脱可能に取り付けていた。この液剤容器内部は、ホースや管からなる液剤流路によって主流路との合流部分である液剤希釈部へと連通していた。
液剤希釈部では、主流路が上流側で縮径しているとともに下流側で拡径していることにより、通水時に負圧を発生させ、液剤容器から液剤を吸引して水に希釈することができた。
また、散水ノズルに形成した雌ネジと液剤容器に形成した雄ネジとのネジ結合によって、散水ノズルと液剤容器とを固定していたため、使用時の振動によりネジ結合が緩み、液剤容器が離脱するおそれがあった。
さらに、散水ノズルと液剤容器との固定部分であるネジ結合部分に常に負荷が集中するため、経時的な応力や瞬間的な衝撃によって、結合部分が破損するおそれがあった。
液剤を水で希釈する液剤希釈部の構造は、特許文献1のものとほぼ同様である。
また、液剤容器を散水ノズルと接続するホースが使用中に折れたり捩れたりすると、液剤の吸入量が減り、所定の希釈濃度を達成できないという問題があった。これを防止するために固いホースを用いると、使用者の取り回しがより一層悪化するという問題があった。
液剤容器と液剤希釈部とがホースを介して遠く離れているため、液剤を引き込むのに必要な負圧が大きくなるという問題と、散水ノズルで散水を開始してから液剤がホースを通って希釈されるまでに時間がかかるという問題とがあった。
また、散水ノズルに液剤希釈部を内蔵しているため、スプリンクラー等、散水ノズル以外の機器での液剤希釈散布をすることができなかった。
第1の発明に係る液剤希釈散水装置は、溶媒を導入する溶媒導入口と、この溶媒導入口から取り入れた溶媒を導出する溶媒導出口と、液剤を導入する液剤導入口と、上記溶媒導入口および上記溶媒導出口の間に形成されて、上記溶媒導入口から導入した溶媒に上記液剤導入口から導入した液剤を合流させる液剤希釈部とを有する希釈装置本体を設けるとともに、ホース等の弾性管を介して上記希釈装置本体の上記溶媒導出口と接続される接続口と、上記接続口から流入した溶媒を放出する散水口とを有する散水装置を設けることを特徴とする。
この液剤希釈散水装置1は、園芸、農業、洗車、清掃、その他の液剤を希釈して散布する様々な用途に用いることができる。
液剤を希釈する溶媒としては、上水道等の給水設備から供給される水が代表的であるが、その他の溶媒を用いてもよい。この溶媒は、例えば、液剤希釈散水装置で希釈する液剤以外の物質を予め水に溶かした混合水でもよい。
図1、図2に示すように、散水ノズル5は、ホース4によって水導出口7と接続される接続口9と、接続口9から流入した水を放出する散水口10と、接続口9から散水口10まで水を通過させるノズル流路と、ノズル流路内に配置されて散水口10への通水および止水を切り換えるノズル止水弁11とを有している。
図10に示すように、水導入口6から希釈装置本体2に導入された水は、主流路8を通過し、途中に設けられた液剤希釈部12で液剤を希釈された後、水導出口7から散水ノズル5へと送出され、散水ノズル5の散水口10から散布される。
以下、希釈装置本体2について詳しく説明する。
図3、図10に示すように、この希釈装置本体2は、上部に水を通過させる主流路8を内蔵するとともに、下部に液剤容器3を収納して、所定の倍率で液剤を水に希釈して散水ノズル5へ送出している。
希釈装置本体2の反対側面の上部には、水を導出する水導出口7を形成したホースコネクタ14が形成されている。
水導入口6と水導出口7とは、希釈装置本体2の内部を図4(c)、図10(a)で右から左へ貫通する主流路8によって接続されている。
液剤容器収納部の左右の側面部および背面部は、収納される液剤容器3を覆って衝撃等から保護する機能を有している。
液剤容器3は、全体が液剤容器収納部に収納されている必要はなく、一部が液剤容器収納部から露出あるいは突出していてもよい。
図3(a)に示すように、この土台15の中心部は、漏れ水や埃が溜まらないように円形に切り欠かれている。
80mm未満とすると、主流路8が短くなりすぎて、液剤希釈部12を設けることが難しくなってしまう。100mm以上とするのがより好ましく、120mm以上とするのが特に好ましい。
また、400mmよりも大きくすると、希釈装置本体2が大型化して使用者の手による持ち運びや取り回しがしにくくなってしまう。350mm以下とするのがより好ましく、300mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由から、第一実施形態では土台15の左右幅を180mmとした。
60mm未満とすると、主流路8が細くなりすぎて液剤希釈部12を設けることが難しくなるとともに、小さな液剤容器3しか使用できなくなってしまう。80mm以上とするのがより好ましく、100mm以上とするのが特に好ましい。
また、400mmよりも大きくすると、希釈装置本体2が大型化して使用者の手による持ち運びや取り回しがしにくくなってしまう。300mm以下とするのがより好ましく、250mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由から、第一実施形態では土台15の左右幅を118mmとした。
上側部材16と下側部材17とは、レバー固定具18によって一体に固定され、レバー固定具18を外すことで分解できる。希釈装置本体2に液剤容器3を取り付けるときには、上側部材16と下側部材17とに分解し、間に液剤容器3を挟みこんだ上で、レバー固定具18により希釈装置本体2を一体に組み立てる。
これらのうちでは、軽量で持ち運びに適し、錆び等の劣化が少なく、壊れにくく、加工がしやすいとの理由から、プラスチック、あるいは、ステンレス、真鍮、亜鉛、アルミ等の金属が好ましい。また、原料や生産コストが安価であることから、特にプラスチックが好ましい。
第一実施形態では、上記の理由からプラスチックを用いた。
なお、液剤として錆、腐食、ケミカルストレスクラック等を引き起こすものが予定されている場合には、主流路8、液剤流路19(図10参照)、その他の希釈装置本体2の部品には耐薬品性に優れた材料を用いることが望ましい。
図6(b)に示すように、この容器取付部20は、液剤容器3の先端の口に対して内接し、摩擦力によって保持できるような径寸法に形成されている。
容器取付部20に液剤容器3の先端が差し込まれると、このOリング21が弾性変形しながら液剤容器3の内周面に当接し、Oリング21の弾性力と摩擦力とで液剤容器3を保持し、離脱を防止することができる。
離脱防止部としてのOリング21を設けたことにより、容器取付部20の外周面または液剤容器3の内周面の寸法精度がそれほど高くなくても、液剤容器3を容器取付部20に強固に取り付けることができる。
直径を5mm未満に設定すると、後述する液剤導入口22やストロー管23の口径を小さく設定せざるをえなくなり、液剤を十分に吸引することができなくなってしまう。
また、直径を80mmよりも大きく設定すると、液剤容器3の口や希釈装置本体2が大型化することになり、液剤容器3の着脱や取り扱いがしにくくなってしまう。
直径を10〜50mmとするのがより好ましく、直径を17〜22mmとするのがさらに好ましい。上記の理由から、第一実施形態では、直径19mmのOリング21を使用した。
希釈装置本体2に取り付ける液剤容器3は、容量や形状の異なる複数種類の規格を用意することが好ましいため、これらに合わせてOリング21も複数の規格を用意できることが好ましい。このような理由から、本実施形態では、汎用性が高く複数の規格が市販されているゴム製のOリング21を使用した。
このとき、容器取付部20と液剤容器3との少なくとも一方を弾性材料から形成すれば、弾性変形によって凹溝と凸条との着脱を容易にすることができる。
もっとも、容器取付部20が液剤容器3に外接する構成とすると、液剤容器3の口の外周面にゴム等の弾性材料からなる離脱防止部を周設することになり、容器取付部20と液剤容器3との取り付け不良が生じやすくなるので、容器取付部20が液剤容器3に外接する構成とするほうが好ましい。
この液剤導入口22には下方に延びるストロー管23が装着されて、液剤容器3の内部から液剤を吸い出せるようになっている。このストロー管23は、長さの異なるストロー管23を複数本用意し、液剤容器3の深さに応じて付け替えるようにしてもよく、また、弾性のある螺旋状に形成して一本で多数の液剤容器3に適用可能としてもよい。
ストロー管23の下端には、微細なゴミを除去するために金網からなるストレーナ28を取り付けている。このストレーナ28は必要がなければ設けなくてもよい。
図10(b)に示すように、液剤流路19の上端は、縮径しながら主流路8に合流するように形成されている。
主流路8の経路中には小径の部分が設けられるとともに、その下流側に大径の部分が形成され、当該大径の部分で液剤流路19が主流路8に合流している。
この取っ手25を含めた希釈装置本体2の高さは、100〜700mmとするのが好ましい。
100mm未満とすると、主流路8が細くなりすぎて液剤希釈部12を設けることが難しくなるとともに、小さな液剤容器3しか使用できなくなってしまう。150mm以上とするのがより好ましく、200mm以上とするのが特に好ましい。
また、700mmよりも大きくすると、希釈装置本体2が大型化して使用者の手による持ち運びや取り回しがしにくくなってしまう。550mm以下とするのがより好ましく、450mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由から、第一実施形態では、365.5mmとした。
60mm未満とすると、主流路8が細くなりすぎて液剤希釈部12を設けることが難しくなるとともに、小さな液剤容器3しか使用できなくなってしまう。100mm以上とするのがより好ましく、200mm以上とするのが特に好ましい。
また、600mmよりも大きくすると、希釈装置本体2が大型化して使用者の手による持ち運びや取り回しがしにくくなってしまう。500mm以下とするのがより好ましく、400mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由から、第一実施形態では、315.5mmとした。
図3(a)に示すように、また、取っ手25のうち、希釈装置本体2に接合されている根元付近では、U字状部分に補強用のリブ25aを設けている。
15mm未満とすると、取っ手25が細すぎて使用者が手で持ちにくくなるとともに、希釈装置本体2を支えきれずに破損するおそれがある。18mm以上とするのがより好ましく、21mm以上とするのが特に好ましい。
100mmよりも大きくすると、取っ手25が太すぎて使用者が手で持ちにくくなる。80mm以下とするのがより好ましく、50mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由により、第一実施形態では取っ手の幅W1を26mmとした。
10mm未満とすると、取っ手25が細すぎて使用者が手で持ちにくくなるとともに、希釈装置本体2を支えきれずに破損するおそれがある。12mm以上とするのがより好ましく、15mm以上とするのが特に好ましい。
80mmよりも大きくすると、取っ手25が太すぎて使用者が手で持ちにくくなる。60mm以下とするのがより好ましく、40mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由により、第一実施形態では取っ手25断面の高さH1を20mmとした。
0.6mm未満とすると、成形時の充填不良を起こしやすくなって製品精度が低下する。また、取っ手35の強度が低下するため、補強用のリブ25aが多数必要になって形状が複雑化し、外観が悪化するとともに金型費用が増加してしまう。1.5mm以上とするのがより好ましく、2.0mm以上とするのが特に好ましい。
また、3.5mmよりも厚くすると、材料コストや成形時間が増大するとともに、ヒケ等の成形不良が発生しやすくなる。3.2mm以下とするのがより好ましく、3.0mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由により、第一実施形態では取っ手35の肉厚を2.5mmとした。
12mm未満とすると、上記肉厚の関係から必然的に取っ手25全体の幅W1も細くなり、使用者が手で持ちにくくなるとともに、希釈装置本体2を支えきれずに破損するおそれがある。
90mmよりも大きくすると、必然的に取っ手25全体の幅W1も太くなり、使用者が手で持ちにくくなる。55mm以下とするのがより好ましく、35mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由により、第一実施形態では凹み部分の幅W2を21mmとした。
7mm未満とすると、上記肉厚の関係から必然的に取っ手25断面の高さH1も小さくなり、使用者が手で持ちにくくなるとともに、希釈装置本体2を支えきれずに破損するおそれがある。10mm以上とするのがより好ましく、12mm以上とするのが特に好ましい。
75mmよりも大きくすると、必然的に取っ手25断面の高さH1も大きくなり、使用者が手で持ちにくくなる。55mm以下とするのがより好ましく、35mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由により、第一実施形態では凹み部分を17.5mmとした。
取っ手25を樹脂成形によって形成する場合には、凹み部分を設けることにより、材料となる樹脂の使用量を低減し、成形時間を短縮化し、ヒケ等の成形不良を防止することができる。
この流路切換弁では、操作用つまみ26を操作することによって、弁体27(図10(a)参照)を動かし、液剤希釈部12を通過する主流路8と、この主流路8から分岐して液剤希釈部12を通過せずに水導入口6と水導出口7とを接続する原水流路(図示せず)とのいずれか一方のみを開放するようになっている。
液剤を含まない水を撒く場合には、この流路切換弁を操作して原水流路を開放することにより、給水設備から供給される水をそのまま散水することができる。
給水設備(図示せず)から水導入口6までのホース(図示せず)および水導出口7から散水ノズル5までのホース4には、ゴム製の単層ホースのほか、二層ホース、網入り耐圧ホース、コイル入り耐圧ホース、フレキシブルホース等、あらゆるホースを用いることができる。給水設備から水導入口6までのホースと、水導出口7から散水ノズル5までのホース4とは、同種のホースを使用してもよいし、また、互いに異なる種類のホースを用いてもよい。また、ホース以外の弾性管を用いてもよく、たとえば蛇腹管等であってもよい。このような弾性管を用いることにより、使用者は散水ノズル5を自由に取り回して散水を行うことができる。
給水設備から水導入口6へ給水するホースは、前述のような弾性管のほか、硬性管等で代用してもよい。散水ノズル5の代わりに取り回しの必要のないスプリンクラー等を用いる場合には、水導出口7から散水ノズル5までのホース4も硬性管等で代用してよい。また、硬性管を2以上の分割部材を組み合わせて形成するとともに、その1以上の分割位置を屈曲可能としたものを用いてもよい。
なお、水導出口7と散水ノズル5とを直結することも可能であるが、散水時の作業性を向上させるためにホース等の弾性管を用いるのが好ましい。
また、液剤の種類によっては、耐薬品性(耐食性)に優れたものを用いるのが好ましい。
なお、有色の液剤を用いる場合に、透明なホースを用いると、液剤を希釈した水の色によって、液剤が確実に希釈されていることを目視したり、長時間使用時に希釈倍率にばらつきが出ないかを監視したりすることができる。
第一実施形態では、耐圧性、折れ防止機能、取り回しのしやすさ、およびコストの節減に優れた、内巻補強糸と外巻補強糸との打込み数が異なりねじれにくい構造のホースを使用した。
ホース4の内径を5mm未満とすると、散水時の圧力損失が大きくなり、液剤の希釈倍率のばらつきが大きくなってしまう。7mm以上とするのがより好ましく、9mm以上とするのが特に好ましい。
また、ホース4の内径を20mmより大きくすると、散水ノズル5を取り回す際にホース4が妨げとなり、操作性が悪化してしまう。18mm以下とするのがより好ましく、15mm以下とするのが特に好ましい。
第一実施形態では、内径12mmのホース4を用いた。
300mm未満とすると、ホース4が短すぎて散水ノズル5の取り回しが制限されてしまう。500mm以上とするのがより好ましく、800mm以上とするのが特に好ましい。
また、3000mmよりも大きくすると、ホース4にたるみが発生するとともに、散水ノズル5を取り回す際にホース4が妨げになってしまう。2500mm以下とするのがより好ましく、2000mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由から、第一実施形態では、長さ1200mmのホース4を使用した。
図6(a)、図10(a)に示すように、液剤容器3は、先端の口の部分を小径に形成したボトル状容器であり、内部に液剤を収容している。
液剤容器3は、収容する液剤の性質、希釈倍率、散水の頻度に応じて、求められる容積が異なるため、大きさの異なるものを複数本用意しておくことが好ましく、言い換えると容積および/または大きさの異なるボトルを使用できる。
内径を5mm未満とすると、液剤導入口22やストロー管23の口径を小さく設定せざるをえなくなり、液剤を十分に吸引することができなくなってしまう。10mm以上とするのがより好ましく、17mm以上とするのが特に好ましい。
また、内径を100mmより大きくすると、口の部分が大型化して、液剤入り液剤容器3を別売りとする場合に、液剤容器3の口を密封するキャップが外しづらくなってしまう。50mm以下とするのがより好ましく、25mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由から、第一実施形態では、口の内径を18〜19mmとした。
最大直径を20mm未満とすると、内容量が低下して消耗が早く、液剤容器3の補充または取替えが煩わしくなってしまう。30mm以上とするのがより好ましく、40mm以上とするのがさらに好ましい。
また、最大直径を300mmより大きくすると、液剤容器3が大型化して重くなり、使用者の手による持ち運びや着脱作業をしにくくなってしまう。150mm以下とするのがより好ましく、100mm以下とするのがさらに好ましい。
上記の理由から、第一実施形態では、複数の液剤容器3の最大直径を55〜80mmとした。
高さを30mm未満とすると、内容量が低下して消耗が早く、液剤容器3の補充または取替えが煩わしくなってしまう。40mm以上とするのがより好ましく、50mm以上とするのが特に好ましい。
また、高さを500mmより大きくすると、液剤容器3が大型化して重くなり、使用者の手による持ち運びや着脱作業をしにくくなってしまう。400mm以下とするのがより好ましく、300mm以下とするのが特に好ましい。
上記の理由から、第一実施形態では、複数の液剤容器3の高さを138〜260mmとした。
これらのうちでは、軽量で持ち運びに適し、錆び等の劣化が少なく、壊れにくく、加工がしやすいとの理由から、プラスチック、あるいは、ステンレス、アルミ等の金属が好ましい。また、原料や生産コストが安価であることから、特にプラスチックが好ましい。
第一実施形態では、上記の理由からプラスチックを用いた。
図1、図2に示すように、ホース4等の弾性管を介して希釈装置本体2から水を供給される散水ノズル5は、ホース4に接続される接続口9を形成したホースコネクタ29を基端に形成し、水を放出する散水口10を先端に形成するとともに、接続口9と散水口10とを接続するノズル流路を内部に設けている。
散水ノズル5は、全体として略一直線状に形成されている。
水の形状をシャワー状とすれば広範囲に散水する用途に好適であり、ストレート状とすれば鉢植え植物の根本部分など狭い範囲に集中して散水する用途に好適である。
また、複数種類の散水口10を設けて、水の形状を切換可能としてもよい。
散水ノズル5の基端側には使用者が把持可能な把持部30を設けて、使用者が散水時に自由に取り回すことができるようにしている。この把持部30には、凹凸を連続させた滑り止めが形成されている。
このノズル止水弁11は、ノズル流路と直交する方向に突出形成される部材であって、ノズル流路と直交する方向に往復動可能となっている。
ノズル止水弁11の内部には、ノズル流路に平行な弁孔(図示せず)が穿設されている。
ノズル止水弁の一端に形成されたボタン11aを押し込んで、弁孔をノズル流路に合致させると、供給される水が散水口から放出される通水状態となる。この通水状態からノズル止水弁11の反対端に形成されたボタン11bを押し込んで、弁孔をノズル流路からずらすと、ノズル流路がノズル止水弁11によって閉鎖される止水状態となる。
図5、図6、図7のように、液剤容器3を希釈装置本体2に取り付けたときに、液剤容器3の底面部の高さが希釈装置本体2の底面部の高さと略等しくなる場合には、容器取付部20およびOリング21で液剤容器3の離脱を防止することができる。
しかし、液剤容器3が小さく、液剤容器3の底面部が希釈装置本体2の底面部よりかなり上方に位置する場合には、液剤容器3が下方に脱落するのを防止するために、液剤容器3の下面に当接して液剤容器3を上方に支持する部材である液剤容器下面保持部材(離脱防止部)を備えるのがよい。また、異なる高さの液剤容器3を保持可能とするように、この液剤容器下面保持部材は高さ変更が可能となるように構成するのがよい。
第一実施形態では、図8、図10のように、液剤容器3の底面部および側面部の少なくとも一方に当接して保持するボトルホルダー31を使用している。
保持部31aは、液剤容器3の底面部および側面部に当接する有底円筒形状に形成され、漏れ水や埃が溜まり防止および材料コストの節減のために中心部が円形に切り欠かれている。円筒部分の内径は、液剤容器3の外径に略等しく設定されている。
保持部31aの形状は必ずしも有底円筒形状には限定されないが、液剤容器3の底面部と側面部との少なくとも一方に当接して支持できる内面形状を備える必要がある。
また、図9(a)(e)のように、保持部31aの裏側には、保持部31aと底面を共通にして反対方向に延設される大径の有底円筒形状の大径保持部31cが形成されている。
他方、図1、図3(a)に示すように、希釈装置本体2の液剤容器収納部の左右の側面部には、高さ中央の位置に内嵌部31bの形状に合わせたホルダー用溝32aが刻設されている。また、希釈装置本体2の土台15には、正面部および背面部の上部に内嵌部の形状に合わせたホルダー用溝32bが刻設されている。
ボトルホルダー31は、液剤容器3の希釈装置本体2からの離脱を防止する離脱防止部としての役割と、液剤容器3の水平方向および上下方向の揺れを防止する容器制振部としての役割とを兼ねている。
これらのうちでは、軽量で持ち運びに適し、錆び等の劣化が少なく、壊れにくく、加工がしやすいとの理由から、プラスチック、あるいは、ステンレス、真鍮、亜鉛、アルミ等の金属が好ましい。また、原料や生産コストが安価であることから、特にプラスチックが好ましい。
また、プラスチックの中でも、射出成形ができ、低コストで生産できる熱可塑性樹脂(ハードセグメントとソフトセグメントとからなる熱可塑性エラストマーを含む)を用いるのが好ましい。さらに、熱可塑性樹脂の中では、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合)樹脂およびPP(ポリプロピレン)を用いると外観がよくなり、PPを用いると特に低コストで生産できる。
第一実施形態では、上記の理由からプラスチック、特にPPを用いた。
また、液剤容器3を収納した希釈装置本体2と散水ノズル5とを、ホース4等の弾性管で接続する構造としたことにより、散水ノズル5が小型化、軽量化して、使用者が容易に取り回すことができる。
さらに、液剤容器3を希釈装置本体2に収納したことにより、散水ノズル5を振り回しても、液剤容器3と希釈装置本体2との連結部分に負荷がかかって破損を生じることがない。
図11、図14に示すように、第二実施形態の液剤希釈散水装置1は、希釈装置本体2が上下二分割可能に形成されるとともに、容器取付部20および液剤導入口22が希釈装置本体2の接地部分に対して上下に位置調整可能に形成されていることを特徴とする。
図11に示すように、希釈装置本体2は、上側部材16と下側部材17とを組み合わせてなる。
上側部材16は、取っ手25と、主流路8と、液剤容器収納部の上部とを含んでいる。
下側部材17は、液剤容器収納部の下部と、土台15とを含んでいる。
下側部材17の左右の両側面には、高さ調整ボルト33を貫通させるためのボルト孔34(図13(b)参照)を設けている。上側部材16の左右の両側面には、高さ調整ボルト33を貫通させてスライドさせる縦長のボルトスリット35が形成されている。
この状態から、ナット36を緩め、高さ調整ボルト33をボルトスリット35内でスライドさせることにより、上側部材16が下側部材17に対して上下動し、接地部分に対する容器取付部20の高さを調整することができる。次いで、任意の高さで再度高さ調整ボルト33とナット36とを締め付けることにより、容器取付部20および液剤導入口22の高さを固定することができる。
第三実施形態は、図8、図9に示す第一実施形態のボトルホルダー31と希釈装置本体2のホルダー用溝32a、32bの形状を変更している。
第三実施形態のボトルホルダー31では、内嵌部31b、31bの上部の形状と下部の形状とを互いに異ならせている。
また、ホルダー用溝32aの形状とホルダー用溝32bの形状とも互いに異ならせている。
そのため、大径で縦に長い液剤容器3を用いる場合に、使用者が誤ってボトルホルダー31の保持部31aを上に向けた状態でホルダー用溝32bに取り付けるなどの逆組みを防止することができる。
第四実施形態では、図15に示すボトルホルダー40を用いている。
ボトルホルダー40では、保持部40aと大径保持部40cとが、同じ面に段階的に形成されている。
大径保持部40cの両側方には、一対の内嵌部40b、40bが突出形成されている。内嵌部40b、40bは、ホルダー用溝32aとホルダー用溝32bとの両方に内嵌することができる。
また、内嵌部40b、40bの上端には、平板状のつば部40d、40dが張り渡されている。
また、使用者が誤って、保持部40aおよび大径保持部40cを下に向け、ホルダー用溝32aまたはホルダー用溝32bに取り付けようとすると、つば部40d、40dがぶつかって取り付けることができないため、逆組みを防止することができる。
第五実施形態は、図17に示すように、上側部材16の両側面に、バックル41を回動可能に取り付けている。バックル41の先端には、内方に突出するツメ部41aが形成されている。
また、下側部材17の両側面には、バックル41を収容すべき溝が形成されているとともに、この溝に棒状の取付バー42が橋架されている。
第五実施形態では、バックル41を回動させてツメ部41aを取付バー42の下に係合させることで上側部材16と下側部材17とを一体に固定することができ、バックル41を回動させて取付バー42から外すことで上側部材16と下側部材17とに分解することができる。
図3に示すように、第一実施形態では取っ手25を断面U字状に形成して、凹み部分に散水ノズル5を挟み込めるようにしていたが、第六実施形態では、図18(a)に示すように、取っ手25を上側部材16に対して回動可能に取り付けて横倒しにできるようにし、この取っ手25に散水ノズル5を取り付けられるようにしている。
また、取っ手25の上面には、フック43より大きい2つの受け口44、44と、2つの受け口44、44の間に形成されたフック43より細い形状の細溝45とが形成されている。取っ手25を横倒しにすると、受け口44、44の一方が上方を向き、他方が下方を向くようになっている。
取っ手25を反対側に横倒しにしたときにも、他方の受け口44からフック43を差し込んで保持させることにより、散水ノズル5を希釈装置本体2に取り付けることができる。
この例でも、取っ手25には、球形フック46より大きい2つの受け口44、44と、2つの受け口44、44の間に形成された球形フック46より細い形状の細溝45とが形成されている。
この例でも、受け口44の上方から球形フック46を差し込むと、球形フック46が細溝45に挟まれる位置で保持されることにより、散水ノズル5を希釈装置本体2に取り付けることができる。
さらに、2つの球形フック46、46のうち任意の片方を取っ手25の受け口44に差し込んで保持させることができるので、散水ノズル5の取付角度を選択できて、ホース4の捩れや潰れを防止することができる。
また、破損しにくい球形状の球形フック46を設けたことにより、受け口44および細溝45への取り付けおよび取り外しを容易にすることができる。
2つの受け口44,44の間には、円柱フック47、47より細い形状の細溝45が形成されている。
第六実施形態においても、通常は円柱フック47を受け口44の上方(図19(a)のように取っ手25を横倒しにしたときの上方をいう)から差し込み、上方に抜き取ることにより出し入れするが、円柱フック47を取っ手25で保持しているときに使用者が散水ノズル5を前方(細溝45のある方向)に強く引っ張ると、取っ手25のうち細溝45の周囲の一部分が弾性変形して円柱フック47を逃がし、その後取っ手25は元の形状に戻る。
このようなスナップフィット形状としたことにより、散水ノズル5を取っ手25から容易に取り外せるとともに、取り外しに伴う取っ手25の破損を防止することができる。
上記幅または直径を3mm未満にすると、受け口に引っ掛かる力が弱くなって脱落するおそれがある。
上記幅または直径を20mmよりも大きくすると、それに伴い散水ノズル5が大型化し、扱いにくくなってしまう。上記幅または直径を8mm以下とするのがより好ましい。
これにより、取っ手25をどちらの方向に横倒しにしても散水ノズル5を取り付けることができる。さらに、2つの円柱フック47、47のうち任意の片方を取っ手25の受け口44に差し込んで保持させることができるので、散水ノズル5の取付角度を選択できて、ホース4の捩れや潰れを防止することができる。
また、円筒状の受け口44へ擬似円柱形状の円柱フック47を取り付けることにより、散水ノズル5を希釈装置本体2に強固に固定することができるとともに、破損しにくくすることができる。
第七実施形態は、希釈装置本体2に取り付けられるホースニップル13(図1、図6参照)に水の逆止弁を内蔵して水の逆流を防止するとともに、希釈装置本体2に対してネジ結合で着脱可能としている。
これにより、逆止弁の故障時にホースニップル13を交換することができ、液剤希釈散水装置1のメンテナンスを容易にすることができる。
図1、図2に示すように、第一実施形態では散水ノズル5の延在方向に対して斜めに散水をするように散水口10を傾けて形成しているが、第八実施形態では、散水口10を傾けずに、散水ノズル5の延在方向に向けて散水をするようにしている。
このときには、通水用のボタン11aと止水用のボタン11bとの一方にマークや凹凸を設けて区別できるようにすることが好ましい。
これにより、散水ノズル5に散水方向に上下の向きによる差異がなくなるため、散水ノズル5の操作の自由度を向上させることができる。
2 希釈装置本体
3 液剤容器
4 ホース
5 散水ノズル
6 水導入口
7 水導出口
8 主流路
9 接続口
10 散水口
11 ノズル止水弁
11a,11b ボタン
12 液剤希釈部
13 ホースニップル
14 ホースコネクタ
15 土台
16 上側部材
17 下側部材
18 レバー固定具
19 液剤流路
20 容器取付部
21 Oリング
22 液剤導入口
23 ストロー管
24 制振カバー
25 取っ手
25a リブ
26 操作用つまみ
27 弁体
28 ストレーナ
29 ホースコネクタ
30 把持部
31 ボトルホルダー
31a 保持部
31b 内嵌部
31c 大径保持部
32a、32b ホルダー用溝
33 高さ調整ボルト
34 ボルト孔
35 ボルトスリット
36 ナット
40 ボトルホルダー
40a 保持部
40b 内嵌部
40c 大径保持部
40d つば部
41 バックル
41a ツメ部
42 取付バー
43 フック
44 受け口
45 細溝部
46 球形フック
47 円柱フック
Claims (5)
- 溶媒を導入する溶媒導入口と、
この溶媒導入口から取り入れた溶媒を導出する溶媒導出口と、
液剤を導入する液剤導入口と、
上記溶媒導入口および上記溶媒導出口の間に形成されて、上記溶媒導入口から導入した溶媒に上記液剤導入口から導入した液剤を合流させる液剤希釈部とを有する希釈装置本体を設けるとともに、
ホース等の弾性管を介して上記希釈装置本体の上記溶媒導出口と接続される接続口と、
上記接続口から流入した溶媒を放出する散水口とを有する散水装置を設けることを特徴とする液剤希釈散水装置。 - 上記散水装置は、上記散水口への通水および止水を切り換えるノズル止水弁を有する散水ノズルであることを特徴とする請求項1記載の液剤希釈散水装置。
- 上記希釈装置本体の液剤導入口付近に、上記液剤を収容した液剤容器を連結するための容器取付部を形成するとともに、
上記液剤容器に当接して上記液剤容器の上記容器取付部からの離脱を防止する離脱防止部を設け、
上記液剤容器を上記容器取付部に連結した状態で支持できることを特徴とする請求項1記載の液剤希釈散水装置。 - 上記希釈装置本体に固定されるとともに、上記液剤を収容した液剤容器を上記希釈装置本体の液剤導入口に連結するときに上記液剤容器の外面の少なくとも一部に当接する容器制振部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液剤希釈散水装置。
- 上記希釈装置本体を上下分割可能な少なくとも2つの部材から形成するとともに、
上記液剤導入口を、上記希釈装置本体の接地部分に対して上下に位置調整可能に形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液剤希釈散水装置。
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