JP2990351B2 - 薬液希釈用の散水栓 - Google Patents

薬液希釈用の散水栓

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JP2990351B2 JP10044634A JP4463498A JP2990351B2 JP 2990351 B2 JP2990351 B2 JP 2990351B2 JP 10044634 A JP10044634 A JP 10044634A JP 4463498 A JP4463498 A JP 4463498A JP 2990351 B2 JP2990351 B2 JP 2990351B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一端が水道の蛇口
などに接続された、給水ホースに接続されて使用される
園芸用の薬液希釈用の散水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】植物の栽培に際して害虫の発生を防止
し、あるいは駆除する上で、薬液を散布することは欠か
せない。一般には、市販されている薬液を、必要に応じ
て、500倍や1000倍、あるいは2000倍といっ
たオーダーで希釈し、この希釈された薬液を霧化して栽
培植物に吹き付けている。その他、液体の肥料や栄養剤
などにしても、これらの薬液を同じようなオーダーで希
釈して散布している。なお、本発明では以下、上記した
薬液や液体肥料、栄養剤などを総称して薬液と称する。
【0003】これらの薬液を希釈して散布するときは、
通常は、薬液を収容したボトルのキャップを計量升とし
て利用する。そして、このキャップに注いだ薬液を所定
量の水に混ぜ合わせて希釈する。次いで、この薬液の希
釈水を噴霧器のタンクに移し替える。この際、キャップ
を希釈用水で洗浄したりする作業も要求される。別の手
段として、噴霧器のタンクに所定量の水を注入し、ここ
にキャップに注いだ薬液を混ぜ合わせて希釈する作業形
態もとられる。しかし、この作業形態では、キャップに
残った薬液を洗浄する必要があるので得策でない。した
がって、一般的には前者の作業形態がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かゝる薬液
希釈の散布形態では、次に記載の不都合を伴う点で問題
があった。 異種薬液の混合を防止するために、その都度、噴霧
器のタンクを洗浄する必要がある。 噴霧器そのものが重量物であることに加えて、その
タンクに薬液の希釈水を供給することから、これを手持
ちしたり肩に掛けたりして作業することが非常に重労働
となる。 高価な噴霧器以外にも、薬液の希釈に専用の希釈容
器を必要とする。 薬液の計量や希釈、更には希釈前のタンクの洗浄な
ど、作業の準備に手間と時間とがかかる。 薬液を定量の希釈用水に混ぜ合わせる関係上、散布
に必要なだけの薬液の希釈水を得ることが、非常に困難
であった。どうしても希釈液が過剰気味になるの で、
薬液の無駄が多くなる。
【0005】本発明は、この従来の希釈手段の欠点にか
んがみて開発された。したがって、本発明の課題は、薬
液散布の準備作業が簡単で手軽に行えること。しかも、
必要量の薬液希釈水を簡便に得られ、かつ、簡単な構造
で廉価に提供できること。併せて希釈率の変更が格段に
簡素に行えることを満足させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】水道の蛇口などにホース
を介して接続される栓本体に、水道水をジェット水流と
して流下できる常時開放の流速増大流路と、薬液の収納
されたボトルと連通連結された開放流路と、それぞれ開
閉弁を備えた複数個の通水流路とが設けられている。
【0007】この手段によれば、ジェット水流で薬液を
前記ボトルから吸い上げて、このジェット水流に薬液を
混合させることによって、簡単に基本の希釈水を得るこ
とができる。そして、この基本の希釈水に、前記複数の
通水流路の一つ、あるいは複数から流下される水道水を
混合させることで、薬液の希釈倍率を、簡便に大、小自
在に変更できる。
【0008】
【発明の実施の形態】栓本体には、その一端には給水ホ
ースの、他端には先端に散水ノズルを備えた散水具の接
続部が、それぞれ設けられている。この栓本体は、ま
た、複数の通水流路が独立して配設される。これら複数
の通水流路の内の一つは、常時水道水が流れる開放流路
に形成されている。この開放流路には、流速増大流路が
形成されている。この流速増大流路には、薬液を収容し
たボトルの装着手段が設けられている。この流速増大流
路内に、薬液吸い込み流路の薬液吐出口が開放されてい
る。この薬液吸い込み流路を介して、ボトル内の薬液が
吸引されて、前記薬液吐出口へ案内される。そして、こ
の流速増大流路内を流下する水道水のジェット水流によ
って、前記薬液吸い込み流路から薬液を吸引し、このジ
ェット水流に混合させる。更に、この開放流路以外の残
りの通水流路には、それぞれ開閉弁が設けられている。
前記開放流道も含めてすべての流路がその先端で合流さ
れ、前記散水ノズルに流下されるように形成される。そ
して、前記通水流路の一つあるいはそれ以上と、前記流
速増大流路との組み合わせによって、薬液の希釈率を変
更するように構成されている。
【0009】
【作用】前記散水栓の一端に、水道の蛇口などに接続さ
れたホースを接続し、他端には散水具を接続する。そし
て、前記蛇口を開放して水道水をこのホースに流して、
散水具から散水するようにして用いられる。
【0010】上記の手段によれば、散水栓に流速増大流
路が備わっているので、この流速増大流路で水道水の流
速が大きくなり、圧力が低くなる。その結果、ボトル内
の薬液が、大気圧に押されて薬液吸い込み流路に吸い込
まれる。吸い込まれた薬液は、この流路の薬液吐出口か
ら吐出され、これが前記水道水に撹拌されて、希釈され
る。最後に、この薬液の希釈水が散水ノズルから勢いよ
く噴出される。
【0011】このとき、前記開放流路のみを使用して、
他の通水流路全てを閉塞させておくと、最も濃度の高い
希釈液が得られる。
【0012】このように、本発明に係る散水栓は、開放
流路の他に、複数の開閉自在な通水流路が備わってい
る。したがって、通水流路の一つ、あるいはそれ以上を
適宜に開放して水道水を流下させれば、常時通水状態に
ある、この開放流路の希釈液と水道水とは、この散水栓
の混合部で所期の混合比率にうまく混合される。その結
果、希釈率が所望どおりに高まる。
【0013】したがって、図2に示されるように、通水
流路のすべてが、この開放流路と同じ通水量になる流路
径に設定された構成が採用できる。つまり、開放流路の
希釈率が500倍であるとするなら、通水流路1つを開
放することで1000倍に希釈率が高まる。また、通水
流路2つであれば1500倍に、更に3つであれば20
00倍に、順次希釈率が高まる(請求項4)。
【0014】また、図3に示されるように、通水流路そ
れぞれの通水量が、最小の流路径の流量の倍々になる流
路径、例えば1倍のものから数倍、に設定された構成を
採用できる。つまり、前記と同様に開放流路の希釈率が
500倍とするなら、最も小さな通水流路を開放するこ
とで、1000倍に希釈率が高まる。また、中程度の流
路径であれば1500倍に、最大流路径であれば200
0倍に、順次希釈倍率が高まる(請求項5)。
【0015】薬液ボトル内の薬液を効率よく吸引する目
的で、図4に示されるように、前記各通水流路の流路径
を、前記開放流路の流路狭窄部と同一に設定しても良
い。すべての流路の流路抵抗を同一にすることで、理想
的な薬液吸引と希釈作用とが期待できるからである(請
求項6)。
【0016】このように、本発明に係る薬液希釈用の散
水栓は、散水栓に薬液ボトルを装着するだけで、水道水
などの流水力で、薬液希釈水を栽培植物に散水すること
ができる。したがって、高価な噴霧器や薬液希釈専用の
容器が不要となった。また、単に通水流路を開閉する簡
単な構造と、簡便な作業で所望の希釈率が簡単、容易に
得られる。その結果、楽な作業で手間をかけずして手軽
に、必要なだけの薬液希釈水の散水が可能になった。
【0017】また、薬液ボトルを取り外して散水すれ
ば、開放流路を流下する水道水が、薬液吸い込み流路に
残っている薬液を共に流下させる。したがって、異種の
薬液を散布する際に、別の薬液ボトルの薬液が混合する
おそれがない。
【0018】更に、薬液ボトルを取り外して前記薬液吸
い込み流路を閉塞すれば、水道水のみを散水できる。こ
のため、薬液の希釈水散布と水道水のみの散布とを、任
意自在に切り替えることができる。
【0019】前記開放流路で流速を増大させる手段は、
図1に示されるように、流路径が部分的に狭窄された狭
窄流路(流路狭窄部)を備えた手段(請求項2)が採用
されたり、図5に示されるように、該開放流路内に前記
の通りの狭窄流路(流路狭窄部)と、流路軸線とほゞ同
芯状にして先細りの截頭円錐状部材とが組み合わされて
設けられる手段(請求項3)が採用される。また、薬液
吐出口は、効率良くボトル内から薬液が吸い出されるよ
うに、前記流路狭窄部の最狭窄部の水道水流下方向上手
や、先細りの截頭円錐状部材の截頭面部に開口されるの
が好ましい(請求項2並びに請求項3)。
【0020】流路狭窄部を、流路径が部分的に狭窄され
た構成にするのは、構造が簡単で製造も簡便であるから
である。また、截頭円錐部材が採用されるのは、水道水
がよりジェット水流化され易く、薬液の吸い出しを効率
よく、より的確に行えるからである。
【0021】開放流路が、水道水流下専用の大径の流路
と、薬液を吸引する専用の小径の流路とから形成される
のは、薬液の吸引が一層効率よく行えるためである。
【0022】栓本体が、直線状の管体で形成されるとと
もに、前記給水ホースと散水具との接続が、この直線状
の管体の前後両端に形成されるねじに螺合される接続具
を介して行われる構成は、栓本体を格段に簡便で、しか
も廉価に製造でき、特に合成樹脂を素材にすればその製
造が一段と簡便で、廉価になるからである。
【0023】また、ボトルの装着手段を含めて狭窄流路
部分が栓本体とは別体に構成され、この栓本体に形成さ
れた取り付け凹部に対して、この狭窄流路部分が、前記
薬液を吸引する専用の小径の流路に連なる形で、固定さ
れている構成を採用できる。栓本体を構成する各部位の
内、複雑な構造を備える部位を別体で構成することで、
始めから全体を一つのまとまった一体物として構成する
場合に比べ、その製造を格段に容易で、廉価に行えるか
らである。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例)図1は本発明に係る薬液希釈用の散水栓
の第1の実施例を示す。図中1は給水流路Aを備えた栓
本体で、後端側に雄ねじ部aが形成されている。また、
この雄ねじ部aよりも後端側がやゝ小径に形成されてい
る。そして、この小径部に、給水ホース接続用の環状の
隆起部bが形成されている。
【0025】そして、小径部の隆起部bに給水ホース2
が外嵌合される。この給水ホース2の離脱防止は、以下
の構造でまかなわれる。つまり、この給水ホース2に
は、あらかじめ、後端部が縮径されて成る縮径部cを備
えた雌ねじスリーブ3が嵌合されている。この雌ねじス
リーブ3が前記雄ねじ部aに螺着され、この雌ねじスリ
ーブ3の前記縮径部cと、前記隆起部bとによって、前
記給水ホース2が挟着される。また、この給水ホース2
の他端は、図示しない水道の蛇口に接続されている。
【0026】4は、例えばコックタイプの開閉弁であ
る。栓本体1の前記雄ねじ部aよりもやゝ下流側に弁箱
5が形成され、この弁箱5に流路dを備えた回転弁体6
が内蔵される。そして、弁カバー7を通して回転弁体6
に操作レバー8が連設され、給水流路Aの開閉と、水量
調整とを行う。
【0027】9は、薬液が収容されたボトル10の装着
手段となる雌ねじ筒部を示す。この雌ねじ筒部9は、栓
本体1に対して、開閉弁4の下流側で、薬液ボトル10
の雄ねじ口部10aを螺着するために設けられる。この
装着手段9には、薬液ボトル10の内部空間を外部に連
設させる、いわゆる息抜き用のスリット流路eが形成さ
れている。
【0028】11は、給水流路Aに連ねて形成された開
放流路である。前記栓本体1の前記回転弁体6の下流側
で、この栓本体1の軸線と平行な軸線を備えている。こ
の開放流路11は、その内壁に、図1に示されるよう
な、水道水の流れの幅を狭める流路狭窄部12が形成さ
れている。したがって、この流路狭窄部12を水道水が
流下するとき、その流速が大きくなる(ジェット水流に
なる)。
【0029】この流路狭窄部12は、開放流路11の中
程の管内面に括れを形成することで得られる。この括れ
は、まず、開放流路11の中ほどの管内面を、水道水の
流下方向に順次膨出させる。そして、その後再び、この
開放流路11の流路径Gに戻るように形成して得られ
る。
【0030】この流路狭窄部12は、前記薬液ボトル1
0の装着手段9の上方に位置させて形成される。また、
その最大膨出部12aの手前、つまりは水道水流下方向
上手側には、薬液吐出口13が開口されている。そし
て、この薬液吐出口13と、前記薬液ボトル10の内部
とが連通連結される。
【0031】具体的な構造は、まず、栓本体1の管壁を
貫通して薬液吸い込み流路14が形成される。そして、
この薬液吸い込み流路14に、可撓性のチューブ15が
連結される。この可撓性のチューブ15は、図示される
とおり、前記薬液ボトル10内の底部に開口を位置させ
てある。このように、薬液吸い込み流路14と可撓性の
チューブ15とで、薬液吐出口13と前記薬液ボトル1
0の内部とが、互いに連通連結される。
【0032】したがって、前記流路狭窄部12では水道
水が高速で流下するので、圧力が低下する。その結果、
薬液ボトル10内の薬液が、チューブ15を通して薬液
吸い込み流路14に吸い込まれる。そして、この薬液吸
い込み流路14に吸い込まれ薬液が、薬液吐出口13を
通して微量に吸引されて、ついには水道水に撹拌希釈さ
れる。
【0033】前記栓本体1には、前記開放流路11とは
別に、複数本の通水流路16(図例では3本)が、この
栓本体1の軸線回りに、所定の間隔を置いて形成されて
いる。そして、それぞれの流路途中には、コックタイプ
の開閉弁17が設けられている。これら各開閉弁17
は、それぞれの通水流路16の途中に弁箱18が形成さ
れ、この弁箱18に流路fを備えた回転弁体19が内蔵
されて構成されている。また、弁カバー20を通して回
転弁体19に操作レバー21が連設され、それぞれの通
水流路を独立して開閉できるように構成されている。
【0034】前記各通水流路11は、その流路径gが、
前記開放流路11の流路径Gと同一寸法に形成されてい
る。つまり、開放流路11と複数の通水流路16の一つ
一つとの流量が、ほゞ同量になっている。
【0035】したがって、例えば、開放流路11で薬液
が500倍に希釈される設計である場合は、図例の構造
によると、以下の希釈作用が得られる。つまり、通水流
路16の一つを開放して水道水を流下させるときは、薬
液は1000倍に希釈される。同様に2つの通水流路1
6を開放するときは、薬液は1500倍に希釈される。
そして、すべての通水流路16を開放するときは、薬液
は2000倍に希釈される。
【0036】この栓本体1の先端部分には、混合流路2
2が形成され、ここに前記4つの流路、つまり、開放流
路11と各通水流路16とが合流される。これによっ
て、開放流路11から流下されてくる希釈水が、通水流
路16を流下する水道水とも混合できる構成になってい
る。この混合によって、前記の所望の500〜2000
倍の希釈を可能にする。
【0037】栓本体1側から、導水管23、散水ノズル
24の順に取り付けられて成る水具25が、栓本体1の
先端に着脱自在に接続される。そして、前記栓本体1か
ら流下されてくる希釈液を高速で噴出させる。栓本体1
に対するこの散水具25の取付けは、前記導水管23の
端末が、カップリング23Aを介して、ねじ接続されて
行われる。
【0038】次に、上記実施例1の作用を説明する。栓
本体1の後端部に給水ホース2を接続し、薬液ボトル1
0内に可撓性チューブ15を差し込むようにして、この
薬液ボトル10をボトル装着手段9に装着する。更に、
希望の希釈率を得るべく、前記複数の通水流路16の必
要本数を選定し、これに対応する開閉弁17の開閉弁体
19を開弁させるなど、必要な操作を行う。次いで、開
閉弁4を開弁させると、水道水は開放流路11を流下
し、その流路狭窄部12で流れの速度が大きくなり、圧
力を低下させて混合流路22へと流下される。
【0039】水道水がこの流路狭窄部12を高速で流下
すると、これに伴ってこの流路狭窄部12の流域が低圧
になる。その結果、ボトル10内の薬液が、可撓性チュ
ーブ15を通して、前記薬液吸い込み流路14に吸い込
まれる。そして、この薬液が薬液吐出口13を通して微
量に吐出され、この微量な薬液が水道水に撹拌希釈され
る。この薬液の希釈水が混合流路22から導水管23に
案内され、最後には、先端の散水ノズル24から勢いよ
く噴出される。
【0040】そして、前記通水流路16も開放されてい
ると、前記給水流路Aからこの通水流路16へも水道水
が流れ込む。その結果、この水道水が、開放流路11か
ら流下されてくる希釈水と、前記混合流路22で混合さ
れる。この混合によって、希釈水の希釈率は更に高めら
れる。このようにして、通水流路16の開放個数に応じ
て4つのレベルの希釈率、500倍,1000倍,15
00そして2000倍が簡便に得られる。
【0041】また、この希釈率の大小変更は、栓本体1
周壁に配設された開閉弁17を開閉操作して前記通水流
路16の開閉するだけの、すこぶる軽快、簡単な操作で
達成される。したがって、手間をかけず手軽に、必要な
だけの薬液希釈水を栽培植物に散水することができる。
【0042】そして、薬液ボトル10を取り外して散水
すれば、薬液吸い込み流路14に残っている薬液が水道
水で押し流されて排除される。したがって、異なった薬
液を散布する時、異なった薬液の入った薬液ボトル10
に交換しても、この異なった薬液が不用意に混合する虞
がなくなった。
【0043】また、本第1の実施例では、開放流路1
1、通水流路16が、基本的には、すべて同じ内径を備
えた、単純な構造で採用されている。そのため、栓本体
1の製造、加工がすこぶる容易、簡便になり、廉価に提
供できる製造上の利点を備える。
【0044】(第2実施例)図3は、本発明に係る薬液
希釈用の散水栓の第2の実施例を示す。前記第1の実施
例では、各通水流路16は、すべて開放流路11と同じ
通水量が得られる設計になっている。そして、希釈率を
大小変更するには、各通水流路16の開閉弁17を操作
して、トータルとしての通水量を調整している。つま
り、希釈率によっては、幾つかの開閉弁17を開閉操作
して変更を行う構造が採用されている。そのために、簡
便な操作とはいゝながらも、本来的に指向する、文字通
りのワンタッチ操作は望めない。この第2の実施例は、
前記第1の実施例を発展的に改良し、正にワンタッチで
希釈率の変更を可能にするものである。
【0045】具体的には、前記各通水流路16を、希釈
率に対応して、必要流量がその通水流路1本で得られる
ように設定された点にある。すなわち、開放流路11
は、前記第1の実施例と同様の、500倍の希釈率が得
られる寸法に設定されている。しかし、他の3本の通水
流路16が、その内の一本目は500倍に、2本目は1
000倍に、そして3本目は1500倍になるように、
それぞれの流路内径が大小異なる寸法(G<g1 <g2
<g3 )に設定されている。
【0046】したがって、例えば1000倍の希釈率を
得るには、第1の開閉弁19aのみを開放操作し、1本
目の第1の通水流路16のみを開放する。他の第2の通
水流路16並びに第3の通水流路16は、閉塞されたま
ゝである。これによって、開放流路11から流下されて
くる500倍の希釈水に、この第1の通水流路16から
流下される水道水が、混合流路22で混合され、希釈率
が所期の1000倍に高められる。
【0047】以下同様に、1500倍にするには、第2
の開閉弁19bのみを開放操作することによって、ま
た、2000倍にするには、第3の開閉弁19cのみを
開放操作することによって、それぞれ所期の希釈率をワ
ンタッチ操作で達成できる。
【0048】このように、この第2の実施例では、希釈
率の大小変更は、単にその予め設定された希釈倍率を現
出できる通水流路のみを開放操作するだけの、いわゆる
ワンタッチ操作で達成できる。
【0049】また、本第2の実施例による構造が採用さ
れる場合は、希釈率は、予め定められた通水流路の開閉
弁を開放操作するだけで変更できる。そのため、通水流
路の組合せに何の考慮を払わなくても所期の希釈率が得
られ、殊に、高齢者にとっては取扱操作の上で大変好都
合である。
【0050】なお、図上では、表現の便宜上、前記開閉
弁体19の流路f部分を示しているが、この開閉弁体1
9に形成された流路fと同じ流路径で各通水流路16が
形成されている。
【0051】(第3実施例)図4は、本発明にかゝる薬
液希釈用の散水栓の第3の実施例を示す。前記第1の実
施例では、各通水流路16は、すべて開放流路11とほ
ゞ同じ通水量が得られる設計になっている。しかし、こ
の実施例では、更にこれら各通水流路16と開放流路1
1とが、実質的に同じ通水量となるように構成されてい
る。具体的には、各通水流路16の流路径g乃至g
3 が、開放流路11の流路狭窄部12の流路径G1 と同
じ流路径に構成される。これによって、開放流路11と
各通水流路16との流路抵抗が同じに構成される。この
ような手段を採用することによって、開放流路での薬液
の吸引をより確かなものにでき、望ましい希釈水が得ら
れようになった。
【0052】なお、図上では、表現の便宜上、前記開閉
弁19の流路f部分を示しているが、この開閉弁19に
形成された流路fと同じ流路径で各通水流路16が形成
されている。
【0053】(第4実施例)図5は、本発明に係る薬液
希釈用の散水栓の第4の実施例を示す。前記第1の実施
例を示す図1において、開放流路11に形成される流速
増大流路は、流路壁を絞り込んで括れを形成することに
よって得られている。しかし、本第4の実施例では、こ
の括れに代えて開放流路11内に截頭円錐状の流路絞り
部材が設けられたものである。
【0054】具体的には、この開放流路11に、図1と
同様の、流路狭窄部12が形成される。そして、この流
路狭窄部12の水道水流下方向上手側に、この開放流路
11と同芯状にして、先細りの截頭円錐状部材26が設
けられる。また、この截頭円錐状部材26は、前記薬液
ボトル10の装着手段(雌ねじ筒部)9の上方に位置し
て設けられている。
【0055】前記截頭円錐状部材26には、図示される
ように、その内部に前記薬液吸い込み流路14が形成さ
れている。そして、その薬液吐出口13が、この截頭円
錐状部材26の截頭面部、つまり前記流路狭窄部12側
に面する部位に開口される。この薬液吐出口13は、前
記薬液吸い込み流路14と、更にその端部に連結される
可撓性チューブ15とを介して、前記薬液ボトル10内
と連通連結される。
【0056】なお、前記截頭円錐部材26の後端部は、
つまり水道水流下上手側は、紡錘形に形成されている。
この紡錘形によって、水道水の乱流が押さえられ、スム
ーズな流れが得られる。
【0057】この第4の実施例では、水道水が前記流路
狭窄部12を高速で流下されるように作用する。この高
速の流下に伴って、截頭円錐状部材26の先端部の流域
が低圧になり、薬液ボトル10内の薬液が、前記可撓性
チューブ15を通って、前記薬液吸い込み流路14に吸
い込まれる。引き続き、前記薬液吐出口13を通って微
量に吐出される。そして、この微量な薬液が水道水に攪
拌希釈される。最終的に、希釈液が散水ノズル24から
噴出される。
【0058】このように、截頭円錐部材26が採用され
る場合には、流路狭窄部12との協同作用によって、水
道水のジェット水流化を的確に現出できる。したがっ
て、前記截頭円錐状部材26の先端部の流域が、的確に
低圧化される。その結果、薬液ボトル10内の薬液の吸
い出しが効率よく行われる。
【0059】(第5実施例)図6並びに図7は、本発明
に係る薬液希釈用の散水栓の第5の実施例を示してい
る。前記第1ないし第4の各実施例では、薬液を吸引す
るのに、前記開放流路11に流路狭窄部12が備わった
構成が採用されている。これに代えて、本第5実施例で
は、開放流路11に別途の吸引流路を形成するものであ
る。この手段によれば、薬液の効率的な吸引と、希釈と
を、所期の目的どおりにうまく達成できる点で有利であ
る。
【0060】その具体的な構成は、この開放流路11
が、図6,図7に示されるとおり、大、小の2つの流路
11a,11bから形成されて成る。この2つの流路1
1a,11bは、上方が大径の流路11aに、また、下
方が小径の流路11bに形成される。そして、この下方
の小径の流路11bには、図1ないし図4と同様に、水
道水の流れの幅を狭める流路狭窄部12が形成されてい
る。したがって、この流路狭窄部12を水道水が流下す
るとき、その流速が大きくなる(ジェット水流にな
る)。この流路狭窄部12は、前記小径の流路11bの
中程の管内面に、括れを設けて構成されている。この括
れは、前記小径の流路11bの中程の管内面を、水道水
の流下方向に順次膨出させ、その後再び所定の流路径に
戻るように形成して得られる。
【0061】この流路狭窄部12は、前記図1ないし図
4と同様に、前記薬液ボトル10の装着手段9の上方に
位置させて形成されている。そして、その最大膨出部1
2aの手前、つまりは水道水流下方向上手側には、薬液
吐出口13が開口されている。また、この薬液吐出口1
3と、前記薬液ボトル10の内部とは、薬液吸い込み流
路14と、可撓性のチューブ15とを介して連通連結さ
れている。前記薬液吸い込み流路14は、栓本体1の管
壁を貫通して形成されている。また、これに接続される
可撓性のチューブ15は、その開口を、前記薬液ボトル
10内の底部に位置させて設けられる。
【0062】したがって、前記流路狭窄部12では、水
道水が高速で流下するので、圧力が低下する。これによ
って、薬液ボトル10内の薬液が、チューブ15を通し
て薬液吸い込み流路14に吸い込まれる。引き続いて、
この薬液が、薬液吐出口13を通して微量に吸引され
る。そして、この微量な薬液が水道水に乗って流下され
る。
【0063】そして、その小径の流路11bを通過した
薬液は、前記混合流路22で、大径の流路11aを流下
してきた水道水に撹拌希釈される。このようにして、所
定の希釈率、例えば500倍に希釈される。
【0064】また、前記各通水流路16の流路径gは、
この大径の流路11aの流路径G2と、小径の流路の流
路径G3 との合算した流路径に形成されている。したが
って、この開放流路11と同じ流路抵抗が備わるように
なる。
【0065】このように、薬液を吸引する専用の流路、
つまり小径の流路11bを備えることによって、薬液の
吸引が一層効率よく行える。
【0066】(第6実施例)図8ないし図12は、本発
明に係る薬液希釈用の散水栓の第6の実施例を示してい
る。この第6の実施例では、特に散水栓を簡単な構造
で、製造も容易で、しかも廉価に提供することを、更に
追求した結果に得られたものである。基本的には、以下
の三つの要件を備える構成になっている。まず、栓本体
1が、その全長にわたって直線状の管体1Aに形成され
ていること。次に、この直線状の管体1Aで形成され
る、栓本体1の前後両端に接続される給水ホース2と散
水具25とが、ネジ接続される接続具28(後述)によ
って接続されていること。最後に、流路狭窄部12が、
前記原液ボトル10を取り付けるための前記雌ねじ筒部
9を含んで共に、この栓本体1とは別に構成されてい
る。そして、栓本体1に後付けされるように構成されて
いること。以下、その具体構造を説明する。
【0067】図8ないし図9、そして図11に示される
ように、栓本体1は、その全長にわたって、基本的に
は、括れや張り出しのない同一の直径に形成されてい
る。つまり、直線状の管体1Aに形成されている。ま
た、その前後両端部の外周面には、それぞれ雄ねじ27
が設けられている。
【0068】そして、この直管状の栓本体1には、第5
の実施例(図6,図7参照)と同様に、開放流路11
が、上方の大径の流路11aと、下方の小径の流路11
bとから形成される。この大径の流路11aの流路径G
2 と、小径の流路11bの流路径G3 との流路径の比
は、4:1ないし3:2の範囲で設定される。そして、
この下方の小径の流路11bには、図1ないし図4、図
6及び図7と同様に、水道水の流れの幅を狭める、流路
狭窄部12が形成される。
【0069】したがって、流路狭窄部12では、水道水
が流下するとき、その流速が大きくなる(ジェット水流
になる)。この流路狭窄部12は、前記小径の流路11
bの中ほどの管内面に、括れを設けて構成される。この
括れは、まず、小径の流路11bの中ほどの管内面を、
水道水の流下方向に順次膨出させる。そして、その後再
び、この小径の流路11bの所定の流路径G3 に戻るよ
うに形成して得られる。
【0070】この流路狭窄部12は、前記図1ないし図
4、図6,図7と同様に、前記薬液ボトル10の装着手
段9の上方に位置させて形成されている。そして、その
最大膨出部12aの手前、つまりは水道水流下方向上手
側には、薬液吐出口13が開口されている。また、この
薬液吐出口13と、前記薬液ボトル10の内部とは、薬
液吸い込み流路14と、これに連なる可撓性のチューブ
15とを介して連通連結される。前記薬液吸い込み流路
14は、栓本体1の管壁を貫通して形成される。また、
可撓性のチューブ15は、その開口を前記薬液ボトル1
0内の底部に位置させて設けられる。
【0071】また、前記栓本体1を形成する直線状の管
体1Aには、前記第5の実施例と同様に、3本の同一径
の通水流路16が設けられている。各通水流路16に
は、同様の開閉弁17が設けられている。そして、これ
ら各通水流路16の径gは、前記開放流路11の大径の
流路11aと、小径の流路11bとの合算した流路径G
(G2 +G3 )に形成されている。つまり、各通水流路
16の径と開放流路11の径との比率は1:1になるよ
うに設計されている。
【0072】更に、この直線状の管体1Aの前後両端の
外周面に設けられた前記雄ねじ27に、それぞれ接続具
としての接続キャップ28が螺合される。そして、これ
らの接続キャップ28を介して、前記給水ホース2と、
散水具25に接続される接続ホース29とが接続され
る。
【0073】これら両接続キャップ28は、その前記直
線状の管体1Aに接続される側が、それぞれ大径に形成
されている。そして、この大径の内面には、雌ねじ30
が設けられている。この雌ねじ30が、前記直線状の管
体1Aの端末に形成されている、前記雄ねじ27に螺合
される。また、これら両接続キャップ28は、その他端
側に、小径の接続筒31を一体に備えている。そして、
この小径の接続筒31は、外周面にホース接続用の環状
の隆起部(リブ)bが形成されている。
【0074】したがって、この接続筒31に、前記給水
ホース2と、接続ホース29との端部が嵌め込まれる。
なお、図示しないが、必要に応じて、互いの接続部の外
側には、締めつけリングが嵌め込まれていて、ホースの
離脱が防止される。
【0075】このように、直線状の管体1Aと、その両
端末に形成される雄ねじ27と、これに雌ねじ30で接
続される接続キャップ28との三つの構成が採用され
る。これによって、栓本体1を格段に簡便に、併せて廉
価に製造できるようになった。特に合成樹脂素材を採用
することによって、その製造が一段と簡便で、かつ、廉
価になる。
【0076】また、前記接続ホース29が接続される側
の接続キャップ28の内側には、混合流路22が形成さ
れている。この混合流路22は、前記開放流路11と、
前記3つの通水流路16とを流下する通水を混合するに
足る容積を備えている。更に、給水ホース2が接続され
る側の接続キャップ28の内側にも、拡大流路32が形
成されている。この拡大流路32も、やはり前記開放流
路11と、前記3つの通水流路16とに通水が流下され
るに足る容積を備えている。
【0077】また、前記開放流路11の小径の流路11
bに形成される流路狭窄部12と、これに一体に設けら
れる前記装着手段としての雌ねじ筒部9とが、図11に
明示されるように、前記直線状の管体1Aとは別体に構
成されている。
【0078】具体的な構造は次のとおりである。まず、
通水流下方向では、この小径の流路11bの前記流路狭
窄部12を中心にして、その前後最大径部に至った部位
迄の範囲とする。また、上方は、この開放流路11の大
径の流路11aの最下端よりやゝ下位を通る仮想水平線
に沿った部位から下方の範囲までとする。そして、この
部位が、雌ねじ筒部9を含めて、直線状の管体1Aと別
体(ピースP)に形成される。また、直線状の管体1A
には、この流路狭窄部12と雌ねじ筒部9を含んで一体
に形成されるピースPが嵌合される凹部が形成される。
この直線状の管体1AとピースPは、前記凹部33にピ
ースPが嵌合され、適宜の手段で、一体に接合されるよ
うに構成されている。接合手段としては、例えば合成樹
脂の成形品であるときは接着剤を用いて、また金属であ
るときは溶着などの手段を用いることかできる。
【0079】このように、栓本体を構成する各部位の
内、複雑な構造を備える部位を別体で構成する手法を採
用することによって、始めから全体を一つのまとまった
一体物として構成する場合に比べ、その製造が格段に容
易で、廉価に行える。
【0080】また、本第6実施例では、前記直線状の管
体1Aが、他の実施例に示される流路全体の開閉弁4を
備えていない。この栓本体1の製造が容易で、廉価に行
えることを意図したからである。前記開閉弁4は、変形
例として図12に示されるように、必要に応じて、この
直線状の管体1Aとは別体に形成される。
【0081】具体的な接続構造としては、給水ホース2
が接続される側の前記雄ねじ27が用いられる。また、
この開閉弁4を備えた導水管4Aの、前記給水ホース2
側端部の外周に、雄ねじ4Bが形成されている。この雄
ねじ4Bに、給水ホース2側の前記接続キャップ28の
雌ねじ30がねじ嵌合されている。このように、流路全
体の開閉弁4も別体の構成とすることによって、栓本体
の製造が一段と容易になる利点がある。
【0082】このように、本第6実施例では、栓本体を
構成する各部位の内、複雑な構造を備える部位を別体で
構成する手法を採用している。この構成によって、始め
から全体を一つのまとまった一体物として構成する場合
に比べ、その製造が格段に容易で、廉価に行える。殊に
合成樹脂素材を用いることによって、この目的は一層顕
著に発揮される。
【0083】なお、図8の構成では、散水具25は、接
続ホース29を介して、この直線状の管体1Aに接続さ
れている。しかし、図13に示されるように、図1と同
様に、直接ねじ接続される構成も採用できる。具体的に
は、前記接続キャップ27が、その散水具25側ほど順
次先細りに形成されるが、ここに前記混合流路22が形
成される。そして、図示されるように、カップリング2
3Aによって、散水具25の導水管23の基端がネジ接
続されている。この構成によって、栓本体1と散水具2
5とが一体物として取り扱えるので、作業の能率を一段
と高めることができる。
【0084】したがって、前記流路狭窄部12では水道
水が高速で流下するので、圧力が低下する。これによっ
て薬液ボトル10内の薬液が、チューブ15を通して薬
液吸い込み流路14に吸い込まれる。そして、この薬液
が薬液吐出口13を通して微量に吸引され、この微量な
薬液が水道水に乗って流下される。
【0085】そして、この小径の流路11bを通過した
薬液は、前記混合流路22で、大径の流路11aを流下
してきた水道水に撹拌希釈される。これによって、所定
の希釈率、例えば500倍に希釈される。
【0086】また、前記各通水流路16は、開放流路1
1と同じ流路抵抗が備わるように、この大径の流路11
aと小径の流路11bとが合算された流路径に形成され
ている。
【0087】更に、薬液を吸引する専用の流路、つまり
小径の流路11bを備えることによって、薬液の吸引が
一層効率よく行える。
【0088】なお、各実施例では、栓本体1に開閉弁4
が備わった構造が例示されるが、この開閉弁4は必要に
応じて設けられる。したがって、本発明の所期の目的を
達成するための必須の要件ではない。開閉弁4が備わっ
ていると、水道水の放出と閉止とを手元の散水栓で行え
る。したがって、その取扱操作が一層簡素、かつ、便利
になることは、改めていうまでもない。
【0089】また、合成樹脂素材は、この第6実施例に
限らず、他の第1ないし第5の各実施例の構成を備える
散水栓にも採用できる。合成樹脂素材が採用されること
で、一段と製造が容易で、製造コストも低減できる。
【0090】更に、各実施例の構成は、本発明の所期の
目的を逸脱しない範囲で、互いに転用したり、組み合わ
せたりできる。
【0091】また、図2以下の各図中、第1の実施例と
同様の構成に係る部分は、符号のみを付して説明の詳細
は省略してある。
【0092】
【発明の効果】以上説明したところから理解されるよう
に、本発明に係る薬液希釈用の散水栓は、次の効果を有
する。ボトル装着手段に薬液を収容したボトルを装着
し、開閉弁を開閉するだけの簡単な作業で、所望の希釈
率の薬液を散布できる。したがって、高価な噴霧器や薬
液希釈専用の容器が不要になり、また、煩わしい準備作
業も一切不要になる。しかも、希釈率の変更は、前記通
水流路の開閉弁を開閉操作するだけのすこぶる軽快、か
つ、簡単な操作で達成できる。したがって、手間をかけ
ず手軽に、必要なだけの薬液希釈水を栽培植物に散水す
ることができる。
【0093】そして、薬液ボトルを取り外して散水すれ
ば、薬液を余すことなく洗い流すことができる。このた
め、ボトルに交換して、別の薬液を散布するときに、先
の薬液と、次に散布される異種の薬液とが、不用意に混
合する虞がなくなる。したがって、その実用上の価値は
極めて大きい。
【0094】加えて本発明の散水栓は、薬液の希釈散水
と、水道水のみの散水とを任意に切り替えて行うことが
できる。そのために、一層使い勝手の良い散水栓を提供
できる。
【0095】また、第1の実施例に示されるような、開
放流路並びに通水流路が、基本的には、すべて同じ流路
径を備え、しかも単純な構造が採用されると、散水栓の
製造、加工が大変容易で、簡便であり、廉価に提供でき
る。
【0096】更に、第2実施例のように、開放流路以外
の複数個の通水流路の流路径が大小異なっていて、その
流量が流速増大流路の流量の整数倍になるように寸法設
定されている構成が採用できる。この構成によると、希
釈率の大小変更は、単に、あらかじめ設定された希釈倍
率を現出する、特定の通水流路のみを開放操作するだけ
の、いわゆるワンタッチ操作で、大変簡単に達成され
る。併せて通水流路の組合せに何の考慮を払わなくても
所期の希釈率が得られる。したがって、殊に、高齢者に
とっては取扱操作の上で大変好都合である。
【0097】第3実施例のように、前記通水流路のすべ
てを、前記開放流路の流路狭窄部の流路径と同じ流路径
に設定して、すべての流路の流路抵抗を同じにすれば、
より理想的な薬液の吸引が期待できる。
【0098】更に、前記開放流路で流速を増大させる手
段としては、次の二つの手段が採用できる。まず、流路
径が部分的に狭窄された狭窄流路(流路狭窄部)を形成
する手段(図1)と、この狭窄流路(流路狭窄部)と、
開放流路内に設けられる、前記截頭円錐状部材とが組み
合わさった手段(図5)とが採用できる。
【0099】また、第5実施例のような、開放流路が、
水道水流下専用の大径の流路と、薬液を吸引するための
専用の小径の流路とから形成されていると、薬液の吸引
が一層効率よく行える。したがって、より理想的な薬液
の希釈率を期待できる。
【0100】流路狭窄部を備える手段が採用されるの
は、構造が簡単で製造も簡便であるからである。また、
截頭円錐部材を備える手段が採用されるのは、水道水を
より的確にジェット水流にでき、薬液の吸い出しを効率
よく、より的確に行えるからである。
【0101】第6の実施例のように、栓本体を直線状の
管体で形成し、併せて給水ホースと散水具との接続を、
この直線状の管体の前後両端にねじ接続される、接続具
を介して行う場合は、次の効果を有する。すなわち、栓
本体を格段に簡便で、しかも廉価に製造でき、特に合成
樹脂を素材にすればその製造が一段と簡便で、廉価にな
る。また、上記の構成と前記流路狭窄部を備える構成と
が加味されて、一層構造を簡素にでき, 廉価に製造でき
る利点がある。
【0102】また、ボトルの装着手段を含めて開放流路
の狭窄流路部分が、栓本体とは別体に構成され、この栓
本体に形成された取り付け凹部に対して、この狭窄流路
部分が前記薬液を吸引する専用の小径の流路に連なる形
で、固定された場合には、次の効果を有する。すなわ
ち、その製造を格段に容易で、廉価に行える。始めから
全体を一つのまとまった一体物として製造する場合に比
べ、栓本体の各部位の内、複雑な構造を備える部位を別
体で製造することで、製造の安易化、簡素化が図れたか
らである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第1の実施
例を示し、薬液ボトルを装着した状態の一部切欠き縦断
面図である。
【図2】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第1の実施
例を示し、図1中A−A線に沿って切断した一部切欠き
拡大断面図である。
【図3】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第2の実施
例を示し、図1中A−A断面図に該当する部位の一部切
欠き拡大断面図である。
【図4】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第3の実施
例を示し、図1中A−A断面図に該当する部位の一部切
欠き拡大断面図である。
【図5】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第4の実施
例を示し、薬液ボトルを装着した状態の要部の一部切欠
き拡大縦断面図である。
【図6】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第5の実施
例を示し、薬液ボトルを装着した状態の要部の一部切欠
き拡大縦断面図である。
【図7】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第5の実施
例を示し、図1中A−A断面図に該当する部位の一部切
欠き拡大断面図である。
【図8】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第6の実施
例を示し、薬液ボトルを装着した状態の要部の一部切欠
き拡大縦断面図である。
【図9】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第6の実施
例を示し、図8に示される薬液ボトルを装着した状態の
散水栓の要部の拡大縦断面図である。
【図10】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第6の実
施例を示し、図8中A−A線に沿って切断した一部切欠
き拡大断面図である。
【図11】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第6の実
施例を示し、要部の拡大分解斜視図である。
【図12】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第6の実
施例を示し、開閉弁を備えた状態の一部切欠き縦断面図
である。
【図13】本発明に係る薬液希釈用の散水栓の第6の実
施例を示し、散水具の別の取付手段を示す一部切欠き縦
断面図である。
【符号の説明】
1…栓本体、2…給水ホース、9…装着手段、10…薬
液ボトル、11…開放流路、11a…大径の流路、11
b…小径の流路、12…流路狭窄部、13…薬液吐出
口、14…薬液吸い込み流路、15…可撓性チューブ、
16…通水流路、17…開閉弁、22…混合流路、25
…散水具、26…截頭円錐状部材、27…雄ねじ、28
…接続キャップ、30…雌ねじ、A…給水流路、f…開
閉弁体の流路、G…開放流路の流路径、G1 …流路狭窄
部の流路径、G2 …大径の流路の流路径、G3 …小径の
流路の流路径、g1 〜g3 …通水流路の流路径、P…ピ
ース。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端には給水ホースの接続部を、また、
    他端には先端に散水ノズルを備えた散水具の接続部をそ
    れぞれ備えた栓本体に、複数の通水流路が独立して配設
    されていて、その内の一つの通水流路は常時水道水が流
    れる開放流路で、流速増大流路が形成されていて、この
    流速増大流路には薬液を収容したボトルの装着手段が設
    けられ、かつ、この流速増大流路内に、ボトル内の薬液
    が吸引される薬液吸い込み流路の薬液吐出口が開放され
    ていて、この流速増大流路内を流下する水道水のジェッ
    ト水流によって、前記薬液吸い込み流路から薬液を吸引
    して水道水に混合させ、更に、この開放流路以外の残り
    の通水流路にはそれぞれ開閉弁が設けられ、開放流路も
    含めて全ての流路がその先端で合流されて前記散水ノズ
    ルに流下されるように形成され、前記通水流路の一つ或
    いはそれ以上と前記流速増大流路との組み合わせによっ
    て薬液の希釈率を変更するように構成されていることを
    特徴とする薬液希釈用の散水栓。
  2. 【請求項2】 流速増大流路は、流路径が部分的に狭窄
    されて形成され、この狭窄流路の最狭窄部の水道水流下
    方向上手に薬液吸い込み流路の薬液吐出口が開放されて
    いる請求項1記載の薬液希釈用の散水栓。
  3. 【請求項3】 流速増大流路は、該流路内に、流路軸線
    とほゞ同芯状にして先細りの截頭円錐状部材が設けられ
    て形成され、この先細りの截頭円錐状部材の截頭面部に
    薬液吸い込み流路の薬液吐出口が開口されている請求項
    1記載の薬液希釈用の散水栓。
  4. 【請求項4】 開放流路以外の複数個の通水流路は、流
    速増大流路の流量と同一の流量が得られる流路径に寸法
    設定されている請求項1記載の薬液希釈用の散水栓。
  5. 【請求項5】 開放流路以外の複数個の通水流路は、そ
    れぞれの流路径が大小異なっていて、その流量が流速増
    大流路の流量の整数倍になるように寸法設定されている
    請求項1記載の薬液希釈用の散水栓。
  6. 【請求項6】 開放流路以外の複数個の通水流路は、そ
    れぞれの流路径が前記開放流路の流速増大流路の流路径
    と同じ寸法に設定されている請求項1記載の薬液希釈用
    の散水栓。
  7. 【請求項7】 開放流路は、水道水流下専用の大径の流
    路と薬液を吸引する専用の小径の流路とから構成され、
    この小径の流路に流速増大流路が形成されている請求項
    1、請求項2、請求項4又は請求項5のいずれかに記載
    の薬液希釈用の散水栓。
  8. 【請求項8】 通水流路と開放流路とを備えた栓本
    が、直線状の管体で形成されていると共に、給水ホース
    と散水具との接続が、この直線状の管体の前後両端に形
    成されるねじに螺合される接続具を介して行われる請求
    項1、請求項2、請求項4、請求項5又は請求項7のい
    ずれかに記載の薬液希釈用の散水栓。
  9. 【請求項9】 開放流路は、ボトルの装着手段を含めて
    その狭窄流路部分が栓本体とは別体に構成されていて
    液を吸引する専用の小径の流路にこの狭窄流路部分が
    連なる形でこの栓本体に形成された取り付け凹部に固定
    されている請求項1、請求項2、請求項4乃至請求項8
    のいずれかに記載の薬液希釈用の散水栓。
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