JPWO2013154069A1 - カラーフィルター基板、およびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

カラーフィルター基板、およびそれを用いた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、画像表示装置、特にカラーフィルター方式有機ELディスプレイに適した信頼性の高いカラーフィルター基板を提供し、鮮明でコントラストに優れた表示品位の高い画像表示装置を安価かつ簡便に実現、提供することを目的とする。本発明のカラーフィルター基板は、有機エレクトロルミネセンス素子を具備した画像表示装置に用いられる、赤、緑、青の各着色層、オーバーコート膜および無機バリア膜を有したカラーフィルター基板において、ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのN−メチルピロリドンの発生量が、カラーフィルター基板の質量に対して0.02〜0.5ppmであることを特徴とする。

Description

本発明は、カラーフィルター基板、およびそれを用いた画像表示装置に関する。
近年、新しい薄型ディスプレイの1つとして有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイが注目を集めており、携帯電話やモバイル機器などの表示用ディスプレイとして市場に出回り始めている。薄型ディスプレイの先駆者である液晶ディスプレイが非自発光型であるのに対し、有機ELディスプレイは自発光型表示素子であるため、色再現範囲が広く鮮やかな発色が可能であること、応答性が速くより滑らかな動画映像を実現可能であるなどの点で液晶ディスプレイよりも優れており、次世代薄型ディスプレイの本命候補として有望視されている。
有機ELディスプレイをフルカラー化する方法としては、従来から赤(R)、緑(G)、青(B)の各発光材料を製膜するRGB塗り分け方式の開発が進められてきたが、ディスプレイの大型化に伴い製膜装置の巨大化によるコスト増や、高精細化に限界があるなどの弊害がでてきており、各種方式が検討されている。なかでも、白色発光の有機EL素子とRGBの各着色層を有するカラーフィルター基板を組み合わせるカラーフィルター方式が注目を集めており、さまざまな提案がなされている(特許文献1〜3)。
従来のカラーフィルター方式の有機ELディスプレイの一例を図1に示す。カラーフィルター基板20および白色光を放出する1種類の有機EL発光素子30が組み合わされた構造をしており、有機EL層9から放出された白色光がカラーフィルターのRGB着色層3〜5を通過して色度変換されることにより、フルカラー表示が可能となっている。したがって、有機EL層9は白色発光する1種類のみでよいため、コスト面や製造歩留り、大画面化の容易さなどの点で塗り分け方式よりも優れている。
しかしながら、このようなカラーフィルター方式有機ELディスプレイにおいては、電気エネルギーを光に変換する有機EL素子の原理上、不純物や水分などによる不具合が生じやすく従来のカラーフィルター基板を用いた場合、安定した製造や画像表示が困難であり解決が望まれていた。
このような不具合を軽減するために、図2のようにカラーフィルターのRGB着色層3〜5の表面にオーバーコート層(平坦化層)6に加えて、バリア層7などを設ける提案がなされており、例えばポリシラザンをカラーフィルター表面に塗布し、加熱酸化させることでシリカ膜を得る手法(特許文献4)や、最表面上に酸化珪素(SiO)や窒化酸化珪素(SiO)などの無機バリア膜をスパッタリング法やCVD法により形成する手法も検討されている(特許文献5)が、クラックの発生などにより、有機EL素子に黒点(ダークスポット)や白点(輝度異常)などの欠陥が生じやすく、その解決が望まれていた。
特開平11−260562号公報 特開2004−227853号公報 特開2007−273327号公報 特開2002−222691号公報 特開2004−277317号公報
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、画像表示装置、特にカラーフィルター方式有機ELディスプレイに適した信頼性の高いカラーフィルター基板を提供し、鮮明でコントラストに優れた表示品位の高い画像表示装置を安価かつ簡便に実現、提供することを目的とする。
上記の課題は、以下の手段により解決することが可能である。
すなわち、
(1)有機エレクトロルミネセンス素子を具備した画像表示装置に用いられる、赤、緑、青の各着色層および無機バリア膜を有したカラーフィルター基板において、ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのN−メチルピロリドンの発生量が、カラーフィルター基板の重量に対して0.02〜0.5ppmであることを特徴とするカラーフィルター基板。
(2)該赤、緑、青の各着色層に使用されている樹脂が各々ポリイミド樹脂である(1)に記載のカラーフィルター基板。
(3)(1)または(2)に記載のカラーフィルター基板の製造方法であって、少なくとも着色剤、樹脂、溶剤を含む着色ペーストより赤、緑、青の各着色層が形成される工程を有し、少なくとも1色の着色ペーストが溶剤としてN−メチルピロリドンを10〜95質量%含むことを特徴とするカラーフィルター基板の製造方法。
(4)少なくとも1色の着色ペーストが溶剤としてN−メチルピロリドンを30〜90質量%および沸点が170〜210℃の溶剤を5〜20質量%含む(3)記載のカラーフィルター基板の製造方法。
(5)熱処理工程を有し、最大熱処理温度が200〜270℃である(3)または(4)に記載のカラーフィルター基板の製造方法。
(6)少なくとも有機エレクトロルミネッセンス素子と(1)または(2)記載のカラーフィルター基板を具備したことを特徴とする画像表示装置。
本発明のカラーフィルター基板を用いることにより、鮮明でコントラストに優れた表示品位の高い画像表示装置を、クラックや輝度低下などの欠陥なく安定的に製造することができる。
本発明における画像表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明における画像表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明における画像表示装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のカラーフィルター基板はヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのN−メチルピロリドン(以下NMPと略す)の発生量がカラーフィルター基板の重量に対して0.02〜0.5ppmであり、このようなカラーフィルター基板を使用することによりカラーフィルター表面に形成する無機バリア膜のクラックなどの欠陥を防ぐことができるとともに、画像表示装置とした場合のダークスポットなどの欠陥を抑制することができる。
NMPの含有量が上記範囲であることでクラックやダークスポットなどの欠陥を防ぐことができることは驚くべきことであるが、その理由としては以下のように考えている。すなわち、一般的にはカラーフィルターの着色層は耐溶剤性や耐光性などの信頼性を満足するためにはキュア時での熱硬化反応を利用することが多く、結果として膜の表面には残留応力が発生する。そして、さらにその表面上に酸化珪素(SiOx)や窒化酸化珪素(SiOxNy)などの無機バリア膜を形成する場合にはその残留応力によりクラックなどが生じることがある。
ところが、本発明のカラーフィルター基板においては適度にNMPを含んでいるために残留応力が緩和され、結果として無機バリア膜のクラックの発生を抑制しているものと推測される。このような効果はNMPがカラーフィルター基板に対してある程度の量含まれているために発現すると考えられ、具体的にはヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのNMPの発生量がカラーフィルター基板の重量に対して0.02ppm以上であればよいことを見出した。
一方、画像表示装置、特に好ましくは有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を具備した有機ELディスプレイの場合は、カラーフィルターや絶縁膜からの水分や二酸化炭酸ガス、一酸化炭素ガス、有機物の分解ガスなどによる脱ガスにより素子自体が劣化することが知られている。NMPに関しては分子量がやや大きく化学的に安定な構造であるために劣化促進の影響は比較的軽微であると考えられるが、その含有量が過剰な場合は有機ELディスプレイに悪影響を及ぼすことが判明した。具体的には、ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのNMPの発生量がカラーフィルター基板の重量に対して0.5ppm以下であればよいことを見出した。
すなわち、有機ELディスプレイと組み合わせるのに好適なカラーフィルター基板としてはヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのNMPの発生量がカラーフィルター基板の重量に対して0.02〜0.5ppmであることを発見し、本発明に至った。ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのNMPの発生量が0.02〜0.5ppmであると無機バリア膜が有効に作用し黒点や白点などの欠陥の無い鮮明でコントラストに優れたディスプレイを得るのに好適なカラーフィルター基板を得ることができる。NMPの発生量が0.02ppmより少ないカラーフィルター基板を用いたディスプレイは欠陥が多数見られ表示性能に劣るものとなるため好ましくなく、NMPの発生量が0.5ppmより多いカラーフィルター基板を用いたディスプレイは、有機EL素子の劣化により鮮明さやコントラストが劣るものとなるため好ましくない。
このようなNMPの発生量の測定方法としては、昇温脱離−質量分析法を使用することができ、例えば10mm×20mm程度に切断したカラーフィルター基板を準備し、ヘリウム雰囲気下、50mL/分のヘリウム流の雰囲気下において、室温(25℃)より300℃まで昇温速度10℃/分(計27.5分間)の条件下で発生する気体の量を定量し、質量数がNMPの分子量に相当する99のピークとして観測することができる。
なお、一般的にカラーフィルター基板とは透明基板上の液晶パネルサイズに合わせたパターンを中央付近1箇所に作成する場合の他に、1枚の透明基板内に6面取り、8面取りなどと複数箇所に作成する場合があるが、本発明のカラーフィルター基板からのNMPの発生量については、パターンの作製されている基板内の任意の箇所を切断することにより測定することができ、これが上記の範囲に入ることでカラーフィルター基板からのNMPの発生量として見積もることができる。パターンの作製されていない、面外については除外するように切断する。ここで言う面外とは、ブラックマトリクスや着色層などが形成されていない領域であって、基板番号やその他アライメントマークなどがあっても、画像表示装置とした場合に表示エリアに入らない領域については面外と見なす。また、測定によるバラツキをなくすため、切断はカラーフィルター基板の面に対して垂直に行い、10mm×20mm程度の断片を10個以上用いて測定する。
このようにして測定したヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのNMPの発生量はカラーフィルター基板の重量に対して0.02〜0.5ppmであることが必要であり、0.04〜0.4ppmであることがより好ましい。
また、本発明のカラーフィルター基板は、ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのNMPの発生量がカラーフィルター基板の単位面積当たり、0.003〜0.09μg/cmであることが好ましく、0.007〜0.07μg/cmであることがより好ましい。このような範囲とすることで、無機バリア膜のクラックなどの欠陥の発生を抑え、表示性能に優れたカラーフィルター基板を得ることができる。
NMPの発生量と同様の測定方法にてカラーフィルター基板の水分の発生量を定量することができ、水の分子量に相当する18のピークとして観測することができる。ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板から水分の発生量はカラーフィルター基板の重量に対して1〜20ppmが好ましく、2〜10ppmがより好ましい。水分の発生量が1ppmより少ない場合は、NMPの発生量が少なすぎる傾向にあるため好ましくなく、20ppmより多い場合はNMPの発生量が多すぎる傾向にある。
さらに同様の方法にて、カラーフィルター基板の他の脱ガス発生量を定量することができ、脱ガス成分全体の量から分子量99相当のNMPの発生量と分子量18の水分の発生量を差し引くことで求めることができる。ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からの他の脱ガス発生量はカラーフィルター基板の重量に対して0.1〜10ppmが好ましく、0.3〜5ppmがより好ましい。他の脱ガス発生量が0.1ppmより少ない場合は、NMPの発生量が少なすぎる傾向にあるため好ましくなく、10ppmより多い場合はNMPの発生量が多すぎる傾向にあるだけでなく、それ自体が有機EL素子、ひいては画像表示装置の性能に悪影響を与える懸念があるため好ましくない。
本発明ではNMPが上記の範囲にあることで鮮明でコントラストの高い優れた表示性能を有する有機ELディスプレイを実現できることを発明したものであるが、カラーフィルター基板が他の溶剤を含んでいても、このような特異的な効果は発現されない。これは、沸点204℃のNMPが応力緩和によるクラックの抑制に適度な沸点を持つためであると考えられ、更には溶剤自体の化学構造として閉環構造を有しており熱安定性が高く分解ガスが発生しにくいためであると推測している。沸点が低すぎても高すぎてもこのような顕著な効果は期待できないと考えられ、また、閉環構造を有していない他の溶剤やエステル骨格をもつようなラクトン系の溶剤のみを用いても熱安定性が悪いために上記のような効果は発揮できず、ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのNMPの発生量がカラーフィルター基板の重量に対して0.02〜0.5ppmであることが肝要であり、0.04〜0.4ppmであることがより好ましい。
なお、本発明でいうカラーフィルター基板とは少なくとも光を透過または反射したときに色として認識可能な着色層を有するものであって、一般的には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の着色層を有するものである。着色層のほかに、ブラックマトリクスやTFT回路、平坦化膜、透明電極、その他必要に応じて他の有機物部材、無機物部材やRGB以外の着色層を有していてもよく、既にディスプレイに組み込みこまれている場合は、有機EL素子とカラーフィルター基板に解体した後にNMPの発生量を測定することもできる。解体が困難な場合は、有機EL素子とカラーフィルター基板が一体となったままNMPの発生量を測定し、有機EL素子からのNMPの発生は全くないものとして計算して求めても何ら差し支えない。
次に、本発明のカラーフィルター基板の構成について述べる。
本発明のカラーフィルター基板は少なくとも着色層を有する。
カラーフィルター基板に使用される透明基板としては特に限定されず、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラスや、プラスチックフィルム、シートなどを用いることができる。これらの透明基板の中でも、無アルカリガラスを使用した場合に不純物の溶出が少なく信頼性が高いため好ましい。透明基板の厚みについては特に限定されないが、好ましくは0.01〜3mm、より好ましくは0.1〜0.8mmである。0.01mmより薄い場合は支持体としての強度が乏しくなり、3mmより厚い場合は画像表示装置が重くなる。また、透明基板上には、必要に応じてブラックマトリクスやTFT回路などを形成しておくこともできる。
着色層を形成する方法としては、染色法、電着法、印刷法、顔料分散法など公知の方法を用いることができるが、なかでも顔料分散法が好ましい。顔料分散法としては、顔料などの着色剤を非感光ポリイミド樹脂に分散させた着色ペーストを塗布した後に、ポジ型フォトレジストまたはネガ型フォトレジストを積層塗布し、露光、現像を経てパターニングを行う非感光ポリイミド法でもよいし、顔料をバインダー樹脂と光重合開始剤を含む溶液に分散させた感光カラーレジストを用いてもよいが、高精細加工が可能な非感光ポリイミド法を用いることが好ましい。
非感光ポリイミド法に使用する着色層としては、少なくとも着色剤、ポリイミド樹脂および/またはポリイミド前躯体、溶剤を含む着色ペーストを使用することができる。
着色ペーストに使用する着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔料等を用いることができるが、耐熱性、透明性の面から有機顔料が好ましい。中でも透明性が高く、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものが好ましい。代表的な有機顔料の具体的な例をカラーインデックス(CI)ナンバーで示すと、次のようなものが好ましく使用されるが、いずれもこれらに限定されるものではない。
黄色顔料の例としては、ピグメントイエロー(以下PYと略す)12、13、17、20、24、83、86、93、95、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、180、185などが使用される。
また、オレンジ色顔料の例としては、ピグメントオレンジ13、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71などが使用される。
また、赤色顔料の例としては、ピグメントレッド(以下PRと略す)9、48、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254などが使用される。
また、紫色顔料の例としては、ピグメントバイオレット19、23、29、30、32、37、40、50などが使用される。
また、青色顔料の例としては、ピグメントブルー(以下PBと略す)15、15:3、15:4、15:6、22、60、64、80などが使用される。
また、緑色顔料の例としては、ピグメントグリーン(以下PGと略す)7、10、36、58などが使用される。
これらの顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理などの表面処理をされていてもかまわない。
上記顔料は、目的となる色目に応じて使用する有機EL素子の色目により適宜調整することが可能である。有機EL素子としては白色光を発光する素子であってもよく、RGBの各々の発光素子を組み合わせてもよいが、低コストで製造可能であることを考慮すれば白色光を発光する有機EL素子を使用することが好ましい。
白色光を発光する有機EL素子と組み合わせる場合の顔料の一例として、R(レッド)の場合を例にあげると、PR−254とPR−177の組合せ、PR−254とPY−138の組合せ、PR−254とPY−139の組合せ、PR−254とPR−150の組合せ、等で色度が調色され、G(グリーン)の場合は、PG−7、PG−36、PG−58の群から選ばれる緑色顔料と、PY−138、PY−139、PY−150の群から選ばれる黄色顔料組合せ等で色度が調色され、B(ブルー)の場合は、PB15:3やPB15:6をPV23などと組み合わせて調色されることが好ましいが、この限りではない。
着色ペーストに使用される樹脂としては、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系などの透明樹脂を使用することができるが、塗膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤性からみて、ポリイミド樹脂を使用することが好ましい。ここでポリイミド樹脂とは、完全既閉環構造を有するポリイミド樹脂以外にも、完全既閉環構造を有するポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸樹脂およびポリアミック酸樹脂が一部閉環したポリイミド樹脂を含む。
ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。
ポリイミド樹脂の合成には、テトラカルボン酸二無水物として、たとえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることができ、その具体的な例として、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ビシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙げられる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好な膜に変換しうるポリイミド樹脂を得ることができ、その具体的な例として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−パラターフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−メタターフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。また、フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に変換しうるポリイミド樹脂を得ることができ、その具体的な例として、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物などが挙げられる。なお、本発明は、これらに限定されずにテトラカルボン酸二無水物が1種または2種以上用いられる。
また、ジアミンとして、たとえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることができ、その具体的な例として、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルなどが挙げられる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好な膜に変換しうるポリイミド樹脂を得ることができ、その具体的な例として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、4,4”−ジアミノターフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ−テル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンなどが挙げられる。また、フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に変換しうるポリイミド樹脂を得ることができ、その具体的な例として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
また、ジアミンの一部として、シロキサンジアミンを用いると、基板との接着性を良好にすることができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例としては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサンなどが挙げられる。本発明は、これに限定されずにジアミンが1種または2種以上用いられる。
ポリイミド樹脂の合成は、極性有機溶媒中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合して反応させることにより行うのが一般的である。この時、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により、得られるポリイミド樹脂の重合度を調節することができる。
このほか、テトラカルボン酸ジクロライドとジアミンを極性有機溶媒中で反応させて、その後、塩酸と溶媒を除去することによってポリイミド樹脂を得るなど、ポリイミド樹脂を得るには種々の方法がある。
これらポリイミド樹脂の中でも、酸二無水物とジアミンのどちらにも芳香族構造を含むと耐熱性に優れるため好ましく、更には下記一般式(1)で表されるイミド構造、下記一般式(2)で表されるアミック酸構造、下記一般式(3)で表される一部イミド閉環してなる構造のいずれかを有する芳香族ポリイミド樹脂がより好ましい。
Figure 2013154069
Figure 2013154069
Figure 2013154069
上記一般式(1)〜(3)において、XおよびYは連結基を表し、−X−は、−O−、−CO−、一部のHが他の原子または原子団で置換してもよい−CH−、連結基なしの直接結合のいずれかを示し、−Y−は、−O−、−SO−、−CONH−、一部のHが他の原子または原子団で置換してもよい−CH−、連結基なしの直接結合のいずれかを示す。
また、このような芳香族ポリイミド樹脂の一部が他の脂肪族基と置き換わっていても構わないが、芳香族基を含む酸二無水物およびジアミンの割合がポリイミド樹脂全体のうち好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上であると耐熱性が高く好ましい。
着色ペーストに使用する溶剤としては、NMPを含むことが好ましく、10〜95質量%含むことが好ましく、さらには30〜90質量%含むことが好ましい。
NMPはポリイミド樹脂やポリアミック酸の溶解性が高くゲル化などの心配がないことに加えて、これまで述べてきたように本発明のカラーフィルター基板から発生する成分として必須のものである。NMP以外の溶剤も好ましく含むことができ、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤、あるいは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マロン酸ジエチル、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテートなどのエステル類、あるいは、エタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、3−メトキシ−3−メチルブタノールなどのアルコール類、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、あるいはβ−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類、さらには、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ダイアセトンアルコール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、シクロヘキサノールアセテートなどが挙げられ、これらの溶剤を2種類以上組み合わせて使用することもできる。
これらの溶剤の中でも沸点が170〜210℃である溶剤を含むことが、カラーフィルター基板からのNMPの発生量に影響をコントロールしやすいために好ましい。170〜210℃の溶剤を5〜20質量%含むことがより好ましい。
NMPの他に沸点が170℃より低い溶剤しか含まれない場合は、着色層のキュア時に低沸点溶剤が揮発するのにつられてNMPも一緒に揮発しやすく、結果としてカラーフィルター基板のNMP含有量が少なくなってしまうため好ましくなく、逆にNMPの他に沸点が210℃より高い溶剤しか含まれない場合はNMPの残存量が過剰になる傾向があるため好ましくない。
さらにはこれら沸点が170〜210℃の溶剤のなかでも、ポリイミド樹脂やポリアミック酸の溶解性の観点から、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、γ−ブチロラクトンを含むことが特に好ましい。
着色ペーストとしては他の添加剤も含有することができ、例えば、高分子分散剤や顔料誘導体などの顔料分散に効果のあるものや、密着改良剤、界面活性剤、有機酸、有機アミノ化合物、重合禁止剤や酸化防止剤などが挙げられる。
高分子分散剤としては、通常、カラーフィルター用に使用されるものであれば、特に限定されず、ポリエステル、ポリアルキルアミン、ポリアリルアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、またはこれらの共重合体など、種々のものを単独、または混合して用いることができる。非感光性ポリイミド法に使用する着色ペーストの場合は、これらの中でもポリイミド樹脂が分散安定性や相溶性の観点から好ましい。
密着改良剤は、塗膜の基板への密着性を向上させる目的で、好ましく添加することができる。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられ、なかでもアミノ基を有するシランカップリング剤を含有することが密着力向上の効果が高く好ましく、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランは特に好ましい。
界面活性剤は、熱硬化性着色組成物の塗布性、および着色層の表面の均一性を良好にする目的で、あるいは、顔料の分散性を良好にする目的で添加することができる。かかる界面活性剤の添加量は、顔料に対して、好ましくは0.001〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜1質量%であるのがよい。添加量がこの範囲より少ないと、塗布性、着色膜表面の均一性の改良、あるいは顔料分散性の改良の効果が小さく、多すぎると逆に塗布性が不良となったり、顔料の凝集が起こったりする場合があるため好ましくない。
具体的には、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤、アクリル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤やシリコン系界面活性剤などがあげられる。なかでも、本発明のカラーフィルター用基板に使用される着色ペーストとしてはNMPを含むものであることが好ましく、相性が良く少量で効果のあるアクリル系の界面活性剤が好ましい。
アクリル系界面活性剤としては、アクリル系モノマーを共重合体したものが好ましく、アクリル系モノマーの共重合体でもよいし、他のビニル系、スチレン系などとの共重合体であってもよく、さらにはアクリル系モノマーとアルキルビニルエーテル類および/または芳香族含有ビニルエーテル類との共重合体を含むアクリル系界面活性剤を用いた場合、着色層形成時の塗布時のムラを著しく抑制できるため特に好ましい。アクリル系界面活性剤のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)による重量平均分子量は、好ましくは1,000〜50,000、さらに好ましくは2,000〜5,000である。1,000より小さいとムラ抑制の効果が小さく、50,000より大きいと溶剤への溶解性が悪化することがある。
非感光ポリイミド法にて着色層を形成する方法としては、透明基板上に着色ペーストを塗布し、ホットプレート、オーブン、真空乾燥を用いて加熱乾燥(プリベーク)する。プリベーク後にポジ型フォトレジストを塗布乾燥し、続いてマスク露光を行ってからアルカリ現像し、さらにフォトレジストを溶剤で剥離することで着色層を得ることができる。
着色ペーストを塗布する方法としては、ディップ法、ロールコーター法、スピンコーティング法、ダイコーティング法、ダイコーティングとスピンコーティング併用法、ワイヤーバーコーティング法などが好適に用いられ、なかでも膜厚均一性に優れ、ペーストの使用効率のよいダイコーティング法が好ましい。
上記により、基板上に感光性透明樹脂組成物を塗布した後、風乾、減圧乾燥、加熱乾燥などにより、溶媒を除去し、感光性透明樹脂組成物の塗膜を形成する。とくに減圧乾燥工程を設けた後、オーブンあるいはホットプレートで追加の加熱乾燥することにより、対流によって生じる塗布欠点が解消されより好ましい。続いて、塗布した着色ペーストの上に、ポジ型フォトレジストの塗布、乾燥を行う。塗布、乾燥の方法は着色ペーストの場合と同様の方法により行うことができる。続いてフォトリソ加工の露光工程を行う。該着色ペーストとポジ型フォトレジストが積層された塗膜の上部にマスクを設置し、超高圧水銀灯、ケミカル灯、高圧水銀灯等を用いて、紫外線等により選択的に露光する。
アルカリ現像液は有機アルカリ現像液と無機アルカリ現像液のどちらも用いることができる。無機アルカリ現像液では炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液などが好適に用いられる。有機アルカリ現像液ではテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、メタノールアミンなどのアミン系水溶液が好適に用いられ、不純物軽減の観点からテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が特に好ましい。
これら現像液のアルカリ性物質の濃度は特に限定されるわけではないが、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。アルカリ濃度が低すぎると現像されにくく、逆に高すぎると塗膜表面の膜荒れやパターンのギザリが起こりやすく好ましくない。また現像液には界面活性剤も好ましく用いられ、非イオン系界面活性剤などを0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜3質量%添加することでパターン形状を向上させることもできる。
アルカリ現像はディップ現像、シャワー現像、パドル現像などの方法が可能であり、これらを組み合わせてもよい。シャワー現像では最適な画素形状になるようにシャワー圧力を調整することが好ましく、シャワーの圧力は0.05〜5MPaが好ましい。現像後はアルカリ現像液を除去するために適宜純水などによる洗浄工程を加えてもよい。
現像後はポジ型フォトレジストを剥離する。ポジ型フォトレジストは溶剤によって溶解させたり、真空中でイオンエッチングしたりすることで剥離することができる。ポジ型フォトレジストを溶解させる溶剤としては、有機溶剤が好ましく用いられ、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチルセロソルブなどが好適に用いられるが、これらに限定されない。
得られた着色層の塗膜パターンは、その後、加熱処理(キュア)することによってパターンニングされる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中などで、150〜300℃の温度のもとで、0.1〜5時間、連続的または段階的に行われる。本発明のカラーフィルター基板ではヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのNMPの発生量が0.02〜0.5ppmであることが必要であり、このためキュア温度、特に最も高い温度がかかる最大熱処理温度が重要である。
具体的にはカラーフィルター基板の製造時の最大熱処理温度が200〜270℃であることが好ましく、210〜240℃であることがより好ましい。最大熱処理温度が270℃より高い場合にはNMPの残存量はごく少なくなってしまい、バリア膜のクラック防止などの効果が小さくなる傾向にあるため好ましくなく、最大熱処理温度が200℃よりも低いとNMPの残存量が過剰となり、結果として脱ガスの影響によると推測される有機EL素子の欠陥につながりやすいため好ましくない。
着色層の形成は、上記の非感光ポリイミド法で行う他、感光性着色ペーストを用いることもできる。
着色層の形成は、上記の非感光ポリイミド法の他、顔料をバインダー樹脂と光重合開始剤を含む溶液に分散させた感光カラーレジストを用いて作製することもできる。この場合はポジ型フォトレジストを塗布することなく、感光カラーレジストを塗布、乾燥後に、フォトリソ加工にて直接パターニングすることができるが、高精細な加工は難しい傾向にある。
本発明のカラーフィルター基板は少なくとも複数の着色層が形成されているものであって、該着色層の少なくとも1層に使用されている樹脂がポリイミド樹脂を含むことが好ましい。ポリイミド樹脂を含むことにより高性能で信頼性の高いカラーフィルター基板を得ることができる。さらには、本発明のカラーフィルター基板は少なくとも赤、緑、青の着色層が形成されているものであって、赤、緑、青の各着色層に使用されている樹脂が各々ポリイミド樹脂を含むことがより好ましい。このことにより、より高度な信頼性のあるカラーフィルター基板を得ることができる。
着色層の形成は、RGBを順次行うことができ、その順序は特に問わない。
着色層の表面には必要に応じてオーバーコート層を設けることができる。オーバーコートは、ブラックマトリクスや着色層を保護し、カラーフィルター表面の平坦性向上や、カラーフィルターから有機EL素子への汚染を防止するために設けられるものである。とくに、ブラックマトリクスとして、樹脂ブラックマトリクスを使用した場合には、樹脂ブラックマトリクスの膜厚に基づくカラーフィルター表面段差を低減させるため、オーバーコートが必要となる場合がある。オーバーコートには、下層・上層との接着性、不純物の遮断性、平滑性、耐光性、耐湿熱性、耐溶剤性、耐薬品性、強靱性、透明性、耐熱性など幅広い特性が要求され、オーバーコートとしては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂前駆体、シリコーン樹脂、およびこれらの複合樹脂などを使用できる。
これらのなかでもポリイミド樹脂を使用することが好ましく、使用する樹脂および溶剤としては着色層で使用するものと同様のものを好ましく用いることができる。特に、オーバーコート層に使用する透明ペーストの溶剤としてNMPを10〜95質量%含むことが好ましく、さらにはNMPを30〜90重量部および沸点が170〜210℃の溶剤を5〜20質量%含むことがより好ましい。
オーバーコート層をキュアする際にもキュア温度は200〜270℃が好ましく、210〜240℃がさらに好ましい。このオーバーコート層もカラーフィルター基板に含まれ、最大加熱温度として上記の範囲が好ましい。
また、必要に応じて無機バリア膜を形成することができる。
本発明のカラーフィルター基板は無機バリア膜(以下、バリア層という場合がある。)を有し、バリア層は、酸化珪素(SiOx)や窒化酸化珪素(SiOxNy)、窒化珪素(SixNy)などにより形成することができる。特に窒素酸化珪素が好ましく用いられる。バリア層の屈折率は1.4〜1.6が好ましく、1.42〜1.48がより好ましい。屈折率によりバリア性能に差がでることが多く、高すぎると脱ガス成分を透過しやすい傾向にあり、低すぎると水分を透過する傾向にあるため好ましくない。バリア層の膜厚は、通常0.1〜5μmであり、0.3〜3μmがより好ましい。薄すぎるとバリア効果が小さくなる傾向にあるため好ましくなく、厚すぎると逆にバリア層にクラックなどの欠陥が発生しやすい傾向にある。
バリア層は、スパッタ法、プラズマCVD法等によっても成膜することができプラズマCVD法で成膜することがより好ましい。プラズマCVD法で成膜する方法としては、酸素および/または窒素ガスの存在下Siを含む化合物、例えばメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、テトラエチルシラン、テトラブチルシラン、ジメチルジエチルシラン、テトラフェニルシラン、メチルトリフェニルシラン、ジメチルジフェニルシラン、トリメチルフェニルシラン、トリメチルシリル−トリメチルシラン、トリメチルシリルメチル−トリメチルシラン等を用いて、0.1〜100Paの減圧下で成膜することができる。
このようなバリア膜は表面にクラックなどの欠陥がないことが重要であり、本発明のカラーフィルター基板とすることで表面クラックを防止することができる。表面クラックが生じた場合にはクラックの発生場所より水分や不純物ガスなどが透過してしまい、本来の役割を果たさない。このような表面クラックは光学顕微鏡や電子顕微鏡などで観察することもできるが、通常の観察では確認できないほど微小なクラックが生じている場合もあり、最終的には画像表示装置に組み込んでから欠陥が見つかることも多い。
さらに本発明のカラーフィルター基板は、必要に応じて透明電極を有していてもよい。透明電極は通常、インジウム・錫酸化物(ITO)が好ましく使用される。透明電極は、有機EL素子を駆動させるために必要なものであるが、ボトムエミッションタイプ、トップエミッションタイプのいずれでもよく、また、他の任意の構成をとることができ、ITOをフォトリソエッチング法などによりパターニングしていてもよい。
本発明のカラーフィルターの製造工程の概略を以下に述べる。
透明基板上に少なくとも着色剤、樹脂、溶剤を含む非感光性着色ペーストを、スピンコーターあるいはダイコーターなどを用いて透明基板上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより、着色皮膜を形成する。着色被膜の厚さとしては通常0.5〜3.0μmの範囲が用いられる。オーブン、ホットプレートなどを使用し、60〜160℃の範囲で1〜60分加熱乾燥(セミキュア)を行うことが好ましい。次に、このようにして得られた着色被膜にポジ型フォトレジストを塗布し、オーブン、ホットプレートなどを使用して50〜150℃の範囲で1〜30分加熱乾燥させる(プリベーク)。次に、フォトマスクと近接露光装置を用いてh線露光量20〜300mJ/cmの紫外線を照射し、目的のパターンを焼き付けた後、アルカリ現像して所望位置に所望パターンで着色層を得る。ポジ型フォトレジストを溶剤などで剥離し、最後に着色層を150〜300℃で1分〜3時間加熱することにより硬化(キュア)させる。
以上の工程を所望の赤、緑、青の画素について行う。
本発明の画像表示装置は、本発明のカラーフィルター基板を使用したことを特徴とするものである。本発明のカラーフィルター基板を有機ELディスプレイと組み合わせることで、ダークスポットなどの欠陥がなく表示性能良好で鮮明な画像表示装置を得ることができる。
本発明の画像表示装置について、図1を参照して述べる。
本発明の液晶表示装置は、透明基板1上に必要に応じて作製されたブラックマトリクス2、および必須要件としての赤、緑、青に相当する着色層3、4、5、および必要に応じて作製されるオーバーコート層6、バリア層7からなるカラーフィルター基板20と、ITOなどの透明電極8、正孔輸送層、発光層、電子輸送層からなる有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)9、背面電極層10、絶縁膜11、基板12、外部電源へとつながる取り出し電極13からなる有機EL素子30とを組み合わせたものであり、封止剤14によってシールされており、必要に応じて乾燥剤15などが設置されていてもよい。
また、他の構成をとることもでき、図2のようにカラーフィルター基板と有機EL素子が密着している構造となっていてもよく、図3のように封止剤14がオーバーコート層6上に形成されていてもよい。本発明の液晶表示装置は本発明のカラーフィルター基板を使用したものであればよく、図示されていない任意の構成をとることができる。
カラーフィルター基板の各構成要素については上で述べてきたとおりである。
有機EL素子に使用される基板12としては、有機EL素子を作製するための支持基板であり、ガラス、フィルム、プラスチックなどの各種透明基板の他、アルミ、クロム、ステンレスなどの各種金属基板やセラミックなど不透明な基板であってもよい。
絶縁膜としては透明電極層と背面電極層の通電を防ぐことができるものであり、有機材料により作製することが好ましい。使用される樹脂としてはポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられるが、ポリイミド樹脂を含むものを使用すると信頼性が高く好ましい。絶縁膜は感光性材料とすることでフォトリソグラフィーにより形成することができる。
背面電極層10としては基板12と有機EL層9の間に作製するものであり、透明電極8との間に電圧をかけることによって有機EL層が発光する仕組みである。背面電極層の形成材料としては金属、金属酸化物や合金、およびそれらの混合物を挙げることができ、より具体的にはマグネシウム、アルミニウム、インジウム、リチウム、銀、酸化アルミニウムなどをあげることができ、これらの混合物も好ましく用いることができる。背面電極層の膜厚としては、通常0.01〜1μmであり、蒸着、スパッタ等により薄膜を形成した後、フォトリソグラフィー法によりパターニングする方法が好ましく用いられる。
有機EL層9としては、通常、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの有機物を積層した構成をとる。本発明の画像表示装置においてはRGBなどの着色層を有するカラーフィルター基板が用いられるため、発光層にて発色する光は白色光であることが好ましい。白色光の波長分布については任意のものを使用することができるが、赤、緑、青の各波長領域を含むことが好ましい。白色光の波長分布に合わせてカラーフィルター基板に用いられる着色層の色目を適宜変更して所望の色再現範囲をもつ画像表示装置とすることができる。また、有機EL層をRGB塗りわけ方式とし、本発明のカラーフィルター基板と組み合わせることもでき、色再現範囲を広げることができ、好ましい。
発光材料としては蛍光または燐光を発するものであれば特に限定されず、色素系材料、金属錯体系材料、および高分子系材料を挙げることができ、より具体的には色素系材料として、シクロペンダミン、テトラフェニルブタジエン、トリフェニルアミン、オキサジアゾール、ピラゾロキノリン、ジスチリルベンゼン、ジスチリルアリーレン、シロール、チオフェン、ピリジン、ペリノン、ペリレン、オリゴチオフェン、トリフマニルアミンなどの各骨格をもつ有機化合物や、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができ、金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、あるいは、中心金属に、Al、Zn、Be等またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子に、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体などを挙げることができ、高分子系の材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記の色素系材料や金属錯体系材料を高分子化したもの等を挙げることができる。
発光層の形成方法としては、蒸着法、スピンコート法、印刷法およびインクジェット法などを用いることができ、発光層の膜厚としては、通常0.05〜5μm程度である。
透明電極8としては、有機EL層で発光した光を透過するものが好ましく、透過率は80〜99%が好ましく、90〜99%がより好ましい。このような透明電極に使用される材料としては、金属酸化物が挙げられ、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、もしくは酸化第二錫等が挙げられる。膜厚としては、通常0.1〜1μmであり、蒸着法もしくはスパッタリング法等によって薄膜を形成した後に、フォトリソグラフィー法によりパターニングする方法が好ましく用いられる。
取り出し電極13としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではなく、一般に有機EL素子の取り出し電極に用いられる材料を使用することができ、例えば銀、アルミ、金、クロム、ニッケル、モリブデンなどの金属や各種合金などを用いることができ積層膜として形成してもよい。
上記のようなカラーフィルター基板と有機ELディスプレイを組み合わせ、封止剤などを利用して貼り合わせることにより、画像表示装置が作製できる。
封止剤としては、有機EL素子を大気中の水分等と接触することを抑制することができるものが好ましく、公知の材料を使用できる。
以上のようにして製造した本発明のカラーフィルター基板、および本発明のカラーフィルター基板を使用した画像表示装置は、欠陥が少なく鮮明で表示性能良好なディスプレイに好適である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
A.ポリイミド樹脂溶液の作製
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル95.1gおよびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン6.2gをNMP745gと共に仕込み、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物144.1gを添加し、70℃で3時間反応させた後、無水フタル酸3.0gを添加し、更に70℃で2時間反応させ、25質量%のポリイミド樹脂溶液(PAA)を得た。
B.高分子分散剤の合成
4,4’−ジアミノベンズアニリド161.3g、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン176.7gおよびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン18.6gをNMP3194gと共に仕込み、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物439.1gを添加し、70℃で3時間反応させた後、無水フタル酸2.2gを添加し、更に70℃で2時間反応させ、20質量%のポリイミド樹脂溶液である高分子分散剤(PD)を得た。
C.着色ペーストの作製
PR254、3.6g(80質量%)、PR177、0.9g(20質量%)と高分子分散剤(PD)22.5gおよびNMP63gをガラスビーズ90gとともに仕込み、ホモジナイザーを用い、7000rpmで5時間分散後、ガラスビーズを濾過し、除去した。このようにしてPR254とPR177からなる分散液5%溶液(RD)を得た。
分散液(RD)45.6gにポリイミド樹脂溶液(PAA)18.2g、密着改良剤として3−アミノプロピルトリエトキシシランを0.1g、界面活性剤としてアクリル系界面活性剤を0.03g、および適量のNMPを添加混合し、顔料/樹脂比率が25/75、固形分濃度が6%で溶剤としてNMPを94%含む赤色着色ペースト(RP−1)を得た。同様にして、PG36とPY150の重量混合比(G/Y)が60/40で、顔料/樹脂比率が25/75、固形分濃度6%、溶剤としてNMPを94%含む緑色着色ペースト(GP−1)、PB15:6からなり、顔料/樹脂比率が25/75で固形分濃度6%、溶剤としてNMPを94%含む青色着色ペースト(BP−1)を得た。
D.着色層の作製
ガラス基板(コーニング製、イーグルXG材、厚み0.7mm)に上記赤色着色ペーストPR−1をスリットコーターで塗布し、120℃のホットプレートで、10分間加熱することによりセミキュア処理した赤色の樹脂塗膜を形成した。ポジ型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料社製、“LC−100A”)をスリットコーターでプリベーク後の膜厚が1.0μmになるように塗布し、100℃のホットプレートで、5分間乾燥し、プリベークを行った。
キャノン株式会社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、フォトマスクを介して100mJ/cm(365nmの紫外線強度)でマスク露光し、次に2.0%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、フォトレジストの現像と樹脂塗膜のエッチングを同時に行い、パターンを形成、続いてメチルセロソルブアセテートでレジストを剥離した。次に230℃のオーブンで、30分間熱処理することでキュアを行い、膜厚1.5μmの赤色着色層を形成した。
同様にして緑色着色ペーストPG−1を用いて緑色着色層を、青色着色ペーストを用いて青色着色層を形成した。
E.バリア膜の作製
バリア膜の作製はプラズマCVD法で行った。酸素および窒素ガスの存在下でテトラメチルシランを用いて減圧下で成膜し、膜厚2μmの窒化酸化珪素膜を形成した。
F.カラーフィルター基板の外観検査
作製したカラーフィルター基板を、光学顕微鏡を用いて外観検査を行った。RGB各々100画素について検査を行い、以下の評価方法にて判定した。
A:100画素のうち、クラックなどの欠陥は1つも見つからなかった。
B:100画素のうち、軽微なクラックが1〜3個観察された。
C:100画素のうち、クラックが4個以上観察された。
G.NMP発生量の測定
NMPの発生量は昇温脱離−質量分析法にて測定を行った。作製したカラーフィルター基板のパターン部を10mm×20mm程度に切断して重さを精秤し、ヘリウム雰囲気下、50mL/分のヘリウム流の雰囲気下において、室温(25℃)より300℃まで昇温速度10℃/分の条件下(計27.5分間)で発生する気体の量を定量した。発生した気体は島津製作所製のガスクロマトグラフィー質量分析装置GC/MS“QP5050A”を使用して分析し、質量数がNMPの分子量に相当する99のピークをNMPの発生量として求めた。同様にして水分の分子量に相当する18のピークを水分発生量として求め、他の脱ガス発生量を全体の脱ガス発生量からNMP発生量と水分発生量を差し引くことで求めた。
H.有機EL素子の作製
ガラス基板上に絶縁膜として、感光性ポリイミド樹脂をフォトリソグラフィー法にて形成した。背面電極層としてアルミニウムをスパッタした後、フォトリソグラフィー法にてパターニングを行い、絶縁膜の無い開口部に形成した。続いて電子輸送層としてトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下Alq3と略す)を真空蒸着法により成膜した後、発光層としてAlq3にジシアノメチレンピラン、キナクリドン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルをドーピングした白色発光層を形成した。次に正孔輸送層としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを真空蒸着法にて成膜した。最後に透明電極としてITOをスパッタリングにて成膜し、白色発光層を有する有機EL素子を作製した。
I. 画像表示装置の作製
上記の方法にて作製したカラーフィルター基板と有機EL素子を対向させて封止剤により貼り合せ、画像表示装置を作製した。
A:鮮明でコントラストに優れたディスプレイである
B:一部で黒点、白点などの欠陥が見られるものの全体として表示良好なディスプレイである。
C:欠陥が多数見られ、表示性能に劣るディスプレイである
実施例2〜13、比較例1、2
キュア温度、および着色ペーストの溶剤を変更した以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター基板および画像表示装置を作製した。結果を実施例1と併せて表1および表2にまとめた。なお、表1および表2の中で使用した溶剤は以下の通りである。
NMP: N−メチルピロリドン (株式会社クラレ製 NMP)沸点202℃
γBL: γ−ブチロラクトン (株式会社クラレ製 GBL)沸点204℃
MMB: 3−メトキシ−3−メチルブタノール (株式会社クラレ製 ソルフィット)沸点174℃
MMB−AC: 3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート (株式会社クラレ製 ソルフィットAC)沸点188℃
PMA: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート (株式会社クラレ製 PGM−AC)沸点146℃
比較例3
C.着色ペーストの作製
着色ペーストとして、顔料、アクリル系樹脂、光重合開始剤、溶剤を含む感光性カラーレジストを用いた。固形分濃度20%、溶剤としてPMAを80%含む赤色感光性カラーレジスト(PR−2)、同じく緑色感光性カラーレジスト(PG−2)、同じく青色感光性カラーレジスト(PB−2)を作製した。
D.着色層の作製
ガラス基板(コーニング製、イーグルXG材、厚み0.7mm)に上記赤色感光性カラーレジストPR−2をスリットコーターで塗布し、90℃のホットプレートで、10分間加熱することによりプリベーク処理した赤色の樹脂塗膜を形成した。キャノン株式会社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、フォトマスクを介して100mJ/cm(365nmの紫外線強度)でマスク露光し、次に0.05%の水酸化カリウム水溶液を用いて現像を行いパターン形成した。次に230℃のオーブンで、30分間熱処理することでキュアを行い、膜厚1.5μmの赤色着色層を形成した。
同様にして緑色感光性カラーレジストPG−2を用いて緑色着色層を、青色感光性カラーレジストPB−2を用いて青色着色層を形成した。
E〜Iは実施例1と同様にしてカラーフィルター基板および画像表示装置の作製を行った。結果は表1および表2にまとめた。
Figure 2013154069
Figure 2013154069
表1および表2のように、いずれの実施例においてもNMP発生量が0.02〜0.5ppmであるもので良好な表示性能をもつ画像表示装置を得ることができたのに対し、上記の範囲から外れた比較例1〜3においては鮮明な画像を得ることが出来なかった。
1 ・・・透明基板
2 ・・・ブラックマトリクス
3 ・・・赤色着色層
4 ・・・緑色着色層
5 ・・・青色着色層
6 ・・・オーバーコート層
7 ・・・バリア層
8 ・・・透明電極
9 ・・・有機EL層
10 ・・・背面電極層
11 ・・・絶縁膜
12 ・・・基板
13 ・・・取り出し電極
14 ・・・封止剤
15 ・・・乾燥剤
20 ・・・カラーフィルター基板
30 ・・・有機EL発光素子

Claims (6)

  1. 有機エレクトロルミネセンス素子を具備した画像表示装置に用いられる、赤、緑、青の各着色層および無機バリア膜を有したカラーフィルター基板において、ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのカラーフィルター基板からのN−メチルピロリドンの発生量が、カラーフィルター基板の重量に対して0.02〜0.5ppmであることを特徴とするカラーフィルター基板。
  2. 該赤、緑、青の各着色層に使用されている樹脂が各々ポリイミド樹脂である請求項1に記載のカラーフィルター基板。
  3. 請求項1または2に記載のカラーフィルター基板を製造する方法であって、少なくとも着色剤、樹脂、溶剤を含む着色ペーストより赤、緑、青の各着色層が形成される工程を有し、少なくとも1色の着色ペーストが溶剤としてN−メチルピロリドンを10〜95質量%含むことを特徴とするカラーフィルター基板の製造方法。
  4. 少なくとも1色の着色ペーストが溶剤としてN−メチルピロリドンを30〜90質量%および沸点が170〜210℃の溶剤を5〜20質量%含む請求項3記載のカラーフィルター基板の製造方法。
  5. 熱処理工程を有し、最大熱処理温度が200〜270℃である請求項3または4に記載のカラーフィルター基板の製造方法。
  6. 少なくとも有機エレクトロルミネッセンス素子と請求項1または2記載のカラーフィルター基板を具備したことを特徴とする画像表示装置。
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