JP6369141B2 - 樹脂膜、それを含む積層体、それを用いた有機el素子基板、カラーフィルター基板およびそれらの製造方法ならびにフレキシブル有機elディスプレイ - Google Patents

樹脂膜、それを含む積層体、それを用いた有機el素子基板、カラーフィルター基板およびそれらの製造方法ならびにフレキシブル有機elディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、樹脂膜、それを用いた積層体、有機EL素子基板、カラーフィルター基板およびそれらの製造方法ならびにフレキシブル有機ELディスプレイ等に関する。さらに詳しくは、フラットパネルディスプレイ、タッチパネル、電子ペーパー、有機EL素子基板、カラーフィルター基板、TFT基板、太陽電池等に適用可能なフレキシブル基板、フレキシブルプリント基板などに好適に用いられる樹脂膜等に関するものである。
有機フィルムはガラスに比べて屈曲性に富み、割れにくく、軽量といった特長を有する。最近では、フラットパネルディスプレイの基板を、有機フィルムにより形成することで、ディスプレイをフレキシブル化する検討が活発化している。
一般に、有機フィルムに用いられる樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリル、エポキシなどが挙げられる。特にポリイミドは、他の樹脂に比べて高い耐熱性に加え、高機械強度、耐磨耗性、寸法安定性、耐薬品性などの優れた機械特性、および、絶縁性などの優れた電気特性を併せ持つことから、ポリイミドフィルムを使用したフレキシブル基板の開発が進められている。
フレキシブル基板の例としては、フレキシブルTFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)基板、フレキシブル有機EL素子基板、フレキシブルカラーフィルター基板等が挙げられる。カラーフィルターは、白色光を光源とした有機エレクトロルミネッセンス表示装置や液晶表示装置をカラー表示にするために必要な部材である。赤色の着色画素、緑色の着色画素および青色の着色画素の、3色の着色画素が微細にパターンニングされている3色カラーフィルターが一般的である。3色カラーフィルターにおいて白色は、赤緑青の3色の着色画素の加法混色により得られる。
ポリイミドフィルムを用いてフレキシブル基板を製造する方法は、支持体の上に有機フィルムを形成する工程と、該有機フィルム基板上に必要なデバイスを形成する工程と、有機フィルム基板を支持体から剥離する工程を含んでいる。
有機フィルムを支持体から容易に剥離するために、有機フィルム中に離型剤を添加させる方法や、離型剤層を設ける方法が開示されている(例えば、特許文献1〜4参照)。離型剤としては、例えば高級脂肪酸(特許文献1)、アルコキシシラン化合物(特許文献2)、ポリアルキレングリコールの末端変性物、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、高級脂肪酸モノエステル類、高級脂肪酸金属塩、エチレンビスアミド化合物、低分子量ポリエチレン、珪酸マグネシウム及び置換ベンジリデンソルビトール類(特許文献3)などが挙げられる。
また、支持体に対向させる面にプラズマ処理を施したポリイミドフィルムを用い、支持体とポリイミドフィルムとが対向する面の少なくとも一方にカップリング剤を用いてパターン化処理を行う方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2009−226632号公報 国際公開WO2013/125194号 特開2013−95778号公報 特開2008−302525号公報 特開2013−10342号公報
しかしながら、有機フィルム中に離型剤を含有させると、キュア時における有機フィルム表面の脱ガス量が増加することによって、フィルムに発泡や剥がれが発生する。その結果としてカラーフィルターや有機EL素子加工時に歪み、欠落などの不具合が起きるという課題があった。
そこで本発明は、剥離性が良好で、加工後欠陥のないフレキシブル基板を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、フレキシブル基板として用いられる、内部に離型剤を有する樹脂膜であって、前記樹脂膜は、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含み、前記樹脂膜は第1の樹脂膜と第2の樹脂膜がこの順に積層された構成であり、前記離型剤が前記樹脂膜の一方の表面側に存在し、他方の表面側には存在しない樹脂膜である。
本発明の樹脂膜によれば、支持基板からの剥離性が良好で、加工後欠陥のないフレキシブル基板を提供することができる。
フレキシブルカラーフィルターの一例を示す断面図 フレキシブル有機EL素子からなるアレイの一例を示す断面図
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、内部に離型剤を有する樹脂膜であって、前記離型剤が前記樹脂膜の一方の表面側において他方の表面側よりも多く存在する樹脂膜である。
従来のように、ガラス基板等の支持基板上に離型剤を含む樹脂溶液を塗布し、乾燥することにより樹脂中の溶剤を除去し、熱硬化を行う方法で得られる樹脂膜では、以下のように離型剤が樹脂膜の両表面側に均等に含まれている。すなわち、そのような樹脂膜について、後に述べるTOF−SIMSで樹脂膜中の離型剤の分布プロファイルを分析した結果、樹脂膜の両表面に同等のピークが得られた。一般に離型剤は疎水性部位(炭化水素基)と親水性部位(カルボキシル基、水酸基、アルキレンオキシド、スルホン酸基)を有するため、支持基板上に樹脂溶液を塗布した直後は、離型剤は空気−樹脂界面や支持基板−樹脂界面近傍、すなわち樹脂膜の表面に存在しやすく、熱硬化後の膜においても、離型剤やその部分分解物は、空気−樹脂界面や支持基板−樹脂界面近傍、すなわち樹脂膜の表面に存在すると考えられる。
このように離型剤が樹脂膜の両表面側に均等に含まれていると、樹脂膜と支持基板の密着性が低下し、支持基板から樹脂膜を容易に剥離することが可能となるのであるが、一方で後の工程における加熱による脱ガスが増加するという問題がある。
すなわち、支持基板側の表面側に剥離性を十分に向上させるだけの離型剤を含ませようとすれば、その反対側の面にも同じ量の離型剤を含ませることになる。この余分な離型剤が、樹脂膜上にカラーフィルターや有機EL素子を形成する際の加熱により分解してガスが発生する。
本発明の樹脂膜においては、離型剤が樹脂膜の一方の表面側にその反対側の表面側よりも多く存在しているので、剥離性向上の効果を持つ離型剤の全体としての含有量を削減できる。その結果として樹脂膜からの脱ガスを減らすことができる。これにより、後に述べるように樹脂膜の支持基板と接する側とは反対側にカラーフィルターや有機EL素子を形成する際に、脱ガスによる発泡や歪み、加工性の欠陥がなく、それらの形成後に容易に支持基板から剥離できる樹脂膜を提供することができる。
ここでいう樹脂膜の一方の表面側とは支持基板側の表面側を指し、他方の表面側とはその反対側の表面側を指す。また、ここでいう表面側とは樹脂膜の表面から深さ0.2μmまでの範囲を示す。
本発明の樹脂膜の作製方法は、特に限定は無いが、後に述べるように2段階の製膜プロセスによる作製をすることが好ましい。一例を挙げると、まずガラス基板等の支持基板上に離型剤を含む樹脂溶液を塗布し、乾燥することにより樹脂中の溶剤を除去し、熱硬化を行って第1の樹脂膜を作製する。次に前記樹脂膜上に更に離型剤を含まない樹脂溶液を用いて同様に第2の樹脂膜を作製し、得られた積層樹脂膜を支持基板から剥離する方法が好適に用いられる。
離型剤の種類としては特に規定はないが、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸モノエステル類、高級脂肪酸金属塩、スルホン酸、スルホン酸金属塩、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類などが挙げられる。中でも剥離性、透明性の面から、下記一般式(1)から(4)で表される化合物が好ましい。
−COOH (1)
−OH (2)
−O−(RO)H (3)
−SOX (4)
〜R及びRは炭素数4〜30の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数4〜30の1価の不飽和炭化水素基を示す。Rは炭素数2〜10の2価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜10の2価の不飽和炭化水素基を示す。nは1〜50の整数を示す。Xは水素原子、又は1価の金属原子を示す。
また離型剤としては上述の化合物の部分分解物も含む。ここで言う部分分解物とは、元の化合物より飽和炭化水素基または不飽和炭化水素基部分の炭素数が短い化合物を指す。
一般式(1)で表される化合物の例としては、ラウリン酸、ステアリン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、カプロン酸、エナント酸、ミリスチン酸、オレイン酸、バクセン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。剥離性の観点からRは直鎖であることが好ましく、中でも脱ガス性の観点、及び入手しやすさの観点から一般式(1)で表される化合物はラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸がより好ましい。一般式(1)における部分分解物の具体例としては、ラウリン酸であれば、酪酸、吉草酸などが挙げられる。
一般式(2)で表される化合物の例としては、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、カプリルアルコール、パルミチルアルコール、オレイルアルコールなどが挙げられる。剥離性の観点からRは直鎖であることがより好ましく、中でも脱ガス性の観点、及び入手しやすさの観点から一般式(2)で表される化合物はミリスチルアルコール、ステアリルアルコールがより好ましい。一般式(2)における部分分解物の具体例としては、ミリスチルアルコールであれば、ヘキシルアルコール、オクチルアルコールなどが挙げられる。
一般式(3)で表される化合物の例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、フルオロアルキルアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。具体例としてはポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびポリオキシエチレンセチルエーテル、フルオロアルキルプロピレンオキシド付加物、フルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが挙げられる。剥離性の観点からRは直鎖であることがより好ましく、中でも一般式(3)で表される化合物はポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびポリオキシエチレンセチルエーテルの構造を持つエマルミン40(三洋化成(株)製)、フルオロアルキルエチレンオキシド付加物の構造を持つF444(DIC(株)製)がより好ましい。一般式(3)における部分分解物の具体例としては、エマルミン40であれば、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルエーテルなどが挙げられる。
一般式(4)で表される化合物の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸やアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。具体例としてはラウリルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。中でも剥離性、及び入手のしやすさの観点からラウリルベンゼンスルホン酸、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。前記一般式(4)における部分分解物の具体例としては、ラウリルベンゼンスルホン酸であれば、ブチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。
本発明の樹脂膜は、脱ガスをより減らす観点から前記離型剤が前記樹脂膜の一方の表面側に存在し、他方の表面側には存在しないことが好ましい。
このような樹脂膜は第1の樹脂膜と第2の樹脂膜がこの順に積層された構成であることが好ましい。また積層数としては2層以上であれば特に限定されないが、樹脂膜の透明性や層間の密着性の観点から、2層が好ましい。
樹脂膜の積層は以下のようにして行うことができる。ガラス基板等の支持基板上に離型剤を含む樹脂溶液を塗布、乾燥、熱硬化を行って1層目の樹脂膜を作製し、2層目以降は前記樹脂膜上に更に樹脂膜を1層目と同様にして形成する。
2層目以降の樹脂膜には離型剤を含んでも含まなくてもよいが、脱ガス性の観点から2層目は離型剤を含有しないことがより好ましい。1層目の樹脂膜表面に離型剤を含有することによって、支持基板からの剥離が容易になる。2層目以降の樹脂膜に離型剤を含有しないことから、樹脂膜全体に離型剤を含む場合と比較すると、剥離性は同等でありながら離型剤の含有量を減らすことが可能となる。その結果、樹脂膜上にカラーフィルターや有機EL素子を形成する際の脱ガスを減らすことができ、後述するカラーフィルターや有機EL素子を作製する場合も、画素や素子の欠落が無く、良好な加工性を得ることができる。ここで言う良好な加工性とは、カラーフィルターでは歪みや伸び、剥がれ、画素の欠落が無いこと、有機EL素子においては歪みや伸び、剥がれ、素子の欠落が無いものを示す。
本発明の樹脂膜中の厚み位置に対応する離型剤の分布(厚み方向の分布プロファイル)は、樹脂膜の一方の表面側において他方の表面側よりも多く存在すれば特に限定はない。樹脂膜が前述の多層構成の場合は、離型剤が第1の樹脂膜の表面に存在するほか、例えば第1の樹脂膜と第2の樹脂膜の界面付近にも存在していてもよいし、その界面から表面に向け段階的に濃度が増加するように存在してもよい。
本発明の樹脂膜中の離型剤の分布プロファイルは、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)とエッチング専用のイオンビームを併用して分析することができる。イオンビームで膜をエッチングしながら測定して行くことで、深さ方向の分析が可能となる。このTOF−SIMS測定で観測された離型剤やその断片の二次イオンスペクトルの強度比から、離型剤の分布プロファイルを得ることができる。
前述のように離型剤を含む樹脂溶液を塗布、乾燥、熱硬化を行って1層目の樹脂膜を作製し、2層目以降は前記樹脂膜上に更に樹脂膜を1層目と同様にして形成する場合は、第1の樹脂膜表面と、第1の樹脂膜と第2の樹脂膜の界面に強く離型剤の分布が現れるので、これにより1層目と2層目の界面を特定することが可能である。例えば、支持基板上に、前述のような離型剤を含む樹脂膜1層目を厚さ1μm、離型剤を含まない樹脂膜2層目を厚さ9μmで作製した積層体の場合は、支持基板と1層目との界面から0.08μmの間にかけてと0.8μm〜1μmの間にかけて二次イオンのピークが表れる。
その他の方法としては、TOF−SIMSと精密斜め切創法を併用させることでも同様に分析することができる。
本発明の樹脂膜中の前記離型剤の含有量は特に規定はないが、0.0001重量%〜2重量%であることが好ましい。また剥離性の観点から0.001重量%〜2重量%がより好ましく、膜特性の観点から0.001質量%〜1重量%がより好ましい。前記離型剤の含有量をこの範囲にすることによって、良好な剥離性と、膜特性を得ることができる。
また本発明の樹脂膜は厚さが5μm〜50μmであり、前記離型剤が多く存在する表面側において該離型剤が存在する最大深さが、前記表面側から0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。すなわち、離型剤は該表面側から少なくとも深さ0.5μmまでの領域にかけて存在することが好ましく、また、最大でも深さ2μmまでの領域に存在することが好ましい。透明性の観点から、合計の膜厚は5μm〜30μmがより好ましい。この膜厚範囲であると、第1の樹脂膜が第2の樹脂膜よりも薄膜になるので、剥離性が良好でかつ離型剤の含有量をより減らすことが可能となる。更に、反りのない良好な樹脂膜が作製できる。
また剥離性の観点から、離型剤が多く存在する表面側において、樹脂膜の一方の表面から深さ1μmの領域内における離型剤の濃度が該領域中0.01重量%〜20重量%であることがより好ましい。深さ1μm内にこの範囲で離型剤が存在することにより、樹脂膜の一方の表面と支持基板との剥離性が良好なものとなる。
<樹脂>
樹脂としては特に規定はなく、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも耐熱性、機械特性、耐薬品性などの観点から、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、更には寸法安定性の観点からポリイミド樹脂がより好ましい。
また、本発明の樹脂膜の透明性については特に規定はないが、フレキシブルカラーフィルターのように基板に透明性が求められる場合は、樹脂膜が透明であることが好ましい。ここで言う透明とは、膜厚10μmの前記樹脂膜において、波長400nm〜800nmにおける透過率が80%以上であることを示す。可視光領域で透明性があることで、高透明性が求められるフレキシブルディスプレイ基板等に有効に利用することが可能となる。なお、透過率はガラス基板に本発明の樹脂膜を形成させ、紫外可視分光光度計を用いて測定することができる。
<ポリイミド樹脂>
一般的に、下記一般式(5)で表されるポリイミド樹脂は下記一般式(6)で表されるポリイミド前駆体樹脂をイミド閉環(イミド化反応)させることで得られる。イミド化反応の方法としては特に限定されず、熱イミド化や化学イミド化が挙げられる。中でも、ポリイミド樹脂膜の耐熱性、可視光領域での透明性の観点から、熱イミド化が好ましい。
Figure 0006369141
一般式(5)、(6)中、Rは4価の有機基、Rは2価の有機基を示す。X、Xは各々独立に水素原子、炭素数1〜10の1価の有機基または炭素数1〜10の1価のアルキルシリル基を示す。
ポリアミド酸やポリアミド酸エステル、ポリアミド酸シリルエステルなどのポリイミド前駆体樹脂は、ジアミン化合物と酸二無水物又はその誘導体との反応により合成することができる。誘導体としては、該酸二無水物のテトラカルボン酸、そのテトラカルボン酸のモノ、ジ、トリ、又はテトラエステル、酸塩化物などが挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などでエステル化された構造が挙げられる。重合反応の反応方法は、目的のポリイミド前駆体が製造できれば特に制限はなく、公知の反応方法を用いることができる。
具体的な反応方法としては、所定量の全てのジアミン成分および溶剤を反応器に仕込み溶解させた後、所定量の酸二無水物成分を仕込み、室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌する方法などが挙げられる。
ポリイミド前駆体樹脂の合成に用いられる酸二無水物とジアミンは既知のものを使用することができる。
酸二無水物としては特に限定されず、芳香族酸二無水物、脂環式酸二無水物、又は脂肪族酸二無水物が挙げられる。
芳香族酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ターフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシフタル酸二無水物、2,3,3’,4’−オキシフタル酸二無水物、2,3,2’,3’−オキシフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンズフラン−5−カルボン酸)1,4−フェニレン−2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンニ無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,6−ジフルオロプロメリット酸二無水物、1−トリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、1,6−ジトリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンニ無水物、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換した酸二無水物化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂環式酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,3,0]ノナン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,8,10−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[6,3,0,0<2,6>]ウンデカン−3,5,9,11−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−5−カルボキシメチル−2,3,6−トリカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、オクタヒドロナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、テトラデカヒドロアントラセン−1,2,8,9−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロへキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシジシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボンサン無水物、及び“リカシッド”(登録商標)BT−100(以上、商品名、新日本理化(株)製)及びそれらの誘導体、あるいはこれらの脂環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換した酸二無水物化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族酸二無水物としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物及びそれらの誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの芳香族酸二無水物、脂環式酸二無水物、又は脂肪族酸二無水物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、市販され手に入れやすい観点、反応性の観点の観点から、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンニ無水物、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロへキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。さらに耐熱性、焼成時の着色の観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3,4’,4’−オキシフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンニ無水物、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物を用いることがより好ましい。
ジアミンとしては特に限定されず、芳香族ジアミン化合物、脂環式ジアミン化合物、又は脂肪族ジアミン化合物が挙げられる。
芳香族ジアミン化合物としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’3,3’−テトラメチルベンジジン、2,2’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、2,2’3,3’−テトラクロロベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2’−ビス[3−(3−アミノベンズアミド)−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換したジアミン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂環式ジアミン化合物としては、シクロブタンジアミン、イソホロンジアミン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタンビスメチルアミン、トリシクロ[3,3,1,13,7]デカン−1,3−ジアミン、1,2−シクロヘキシルジアミン、1,3−シクロヘキシルジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、trans−1,4−ジアミノシクロへキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,5−ジエチル−3’,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,5−ジエチル−3’,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジエチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−(3,5−ジエチル−3’,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシル)プロパン、あるいはこれらの脂環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換したジアミン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカンなどのアルキレンジアミン類、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテルなどのエチレングリコールジアミン類、及び1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンなどのシロキサンジアミン類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、又は脂肪族ジアミンは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
フレキシブルカラーフィルター基板用のポリイミド樹脂には、耐熱性および可視光領域での高透明性が求められるので、透明性を付与するために酸二無水物やジアミン成分に脂環式モノマー成分を用いることが有効である。脂環式モノマーは酸二無水物とジアミン成分の両方に用いても、片方に用いてもよい。さらに、芳香族モノマーと併用してもよい。
基板上にポリイミド樹脂膜を形成する場合、ポリイミド樹脂膜と基板の熱膨張率の違いによって支持基板に反りが生じたり、支持基板から膜が剥がれたりする場合がある。この現象を抑制するために、ポリイミド樹脂の線熱膨張率(CTE)が支持基板の熱線膨張率に近いことが求められる。一般的に、支持基板のCTEと比較して、ポリイミド樹脂膜のCTEは高いため、ポリイミド樹脂には低CTEであることが求められる。ポリイミド樹脂膜の透明性を維持したままCTEを低くするために、酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むことが好ましく、ジアミンとして2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、trans−1,4−ジアミノシクロへキサンを含むことが好ましい。
一方、有機EL素子基板用のポリイミド樹脂には、耐熱性と低CTE性が特に求められる。この場合の酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物や3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むことが好ましく、ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチルベンジジンを含むことが好ましい。
前記ポリイミド、及びポリイミド前駆体樹脂は、分子量を好ましい範囲に調整するために末端封止剤により両末端を封止してもよい。酸二無水物と反応する末端封止剤としては、モノアミンや一価のアルコールなどが挙げられる。また、ジアミン化合物と反応する末端封止剤としては、酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物、モノ活性エステル化合物、二炭酸エステル類、ビニルエーテル類などが挙げられる。また、末端封止剤を反応させることにより、末端基として種々の有機基を導入することができる。
酸無水物基末端の封止剤に用いられるモノアミンとしては、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、4−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−8−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−ヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−ヒドロキシナフタレン、1−カルボキシ−8−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−4−アミノナフタレン、1−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−カルボキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−カルボキシナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−4−アミノナフタレン、2−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−カルボキシナフタレン、2−アミノニコチン酸、4−アミノニコチン酸、5−アミノニコチン酸、6−アミノニコチン酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、アメライド、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、5−アミノ−8−メルカプトキノリン、4−アミノ−8−メルカプトキノリン、1−メルカプト−8−アミノナフタレン、1−メルカプト−7−アミノナフタレン、1−メルカプト−6−アミノナフタレン、1−メルカプト−5−アミノナフタレン、1−メルカプト−4−アミノナフタレン、1−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−メルカプト−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−メルカプトナフタレン、2−メルカプト−7−アミノナフタレン、2−メルカプト−6−アミノナフタレン、2−メルカプト−5−アミノナフタレン、2−メルカプト−4−アミノナフタレン、2−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−メルカプトナフタレン、3−アミノ−4,6−ジメルカプトピリミジン、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、2−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、2,4−ジエチニルアニリン、2,5−ジエチニルアニリン、2,6−ジエチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、1−エチニル−2−アミノナフタレン、1−エチニル−3−アミノナフタレン、1−エチニル−4−アミノナフタレン、1−エチニル−5−アミノナフタレン、1−エチニル−6−アミノナフタレン、1−エチニル−7−アミノナフタレン、1−エチニル−8−アミノナフタレン、2−エチニル−1−アミノナフタレン、2−エチニル−3−アミノナフタレン、2−エチニル−4−アミノナフタレン、2−エチニル−5−アミノナフタレン、2−エチニル−6−アミノナフタレン、2−エチニル−7−アミノナフタレン、2−エチニル−8−アミノナフタレン、3,5−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,5−ジエチニル−2−アミノナフタレン、3,6−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,6−ジエチニル−2−アミノナフタレン、3,7−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,7−ジエチニル−2−アミノナフタレン、4,8−ジエチニル−1−アミノナフタレン、4,8−ジエチニル−2−アミノナフタレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸無水物基末端の封止剤として用いられる一価のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、1−デカノール、2−デカノール、1−ウンデカノール、2−ウンデカノール、1−ドデカノール、2−ドデカノール、1−トリデカノール、2−トリデカノール、1−テトラデカノール、2−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、2−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、2−ヘキサデカノール、1−へプタデカノール、2−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、2−オクタデカノール、1−ノナデカノール、2−ノナデカノール、1−イコサノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−プロピル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、4−メチル−3−ヘプタノール、6−メチル−2−ヘプタノール、2,4,4−トリメチル−1−ヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、イソノニルアルコール、3,7ジメチル−3−オクタノール、2,4ジメチル−1−ヘプタノール、2−ヘプチルウンデカノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール1−メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルシクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロペンタンモノメチロール、ジシクロペンタンモノメチロール、トリシクロデカンモノメチロール、ノルボネオール、テルピネオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アミノ基末端の封止剤として用いられる酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物およびモノ活性エステル化合物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物等の酸無水物、2−カルボキシフェノール、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、2−カルボキシチオフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−8−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−4−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−3−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−8−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−4−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−3−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−2−カルボキシナフタレン、2−カルボキシベンゼンスルホン酸、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸、2−エチニル安息香酸、3−エチニル安息香酸、4−エチニル安息香酸、2,4−ジエチニル安息香酸、2,5−ジエチニル安息香酸、2,6−ジエチニル安息香酸、3,4−ジエチニル安息香酸、3,5−ジエチニル安息香酸、2−エチニル−1−ナフトエ酸、3−エチニル−1−ナフトエ酸、4−エチニル−1−ナフトエ酸、5−エチニル−1−ナフトエ酸、6−エチニル−1−ナフトエ酸、7−エチニル−1−ナフトエ酸、8−エチニル−1−ナフトエ酸、2−エチニル−2−ナフトエ酸、3−エチニル−2−ナフトエ酸、4−エチニル−2−ナフトエ酸、5−エチニル−2−ナフトエ酸、6−エチニル−2−ナフトエ酸、7−エチニル−2−ナフトエ酸、8−エチニル−2−ナフトエ酸等のモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、およびテレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、3−ヒドロキシフタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、1,2−ジカルボキシナフタレン、1,3−ジカルボキシナフタレン、1,4−ジカルボキシナフタレン、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、1,8−ジカルボキシナフタレン、2,3−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン、2,7−ジカルボキシナフタレン等のジカルボン酸類のモノカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物が挙げられる。
アミノ基末端の封止剤として用いられる二炭酸エステル化合物としては、二炭酸ジ−tert−ブチル、二炭酸ジベンジル、二炭酸ジメチル、二炭酸ジエチルが挙げられる。
アミノ基末端の封止剤として用いられるビニルエーテル化合物としては、クロロギ酸−tert−ブチル、クロロギ酸−n−ブチル、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸アリル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピルなどのクロロギ酸エステル類、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸1−ナフチル、イソシアン酸オクタデシル、イソシアン酸フェニルなどのイソシアナート化合物類、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルなどが挙げられる。
アミノ基末端の封止剤として用いられるその他の化合物としては、クロロギ酸ベンジル、ベンゾイルクロリド、クロロギ酸フルオレニルメチル、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、クロロギ酸アリル、メタンスルホン酸クロリド、p−トルエンスルホン酸クロリド、フェニルイソシアネ−トなどが挙げられる。
酸無水物基末端の封止剤の導入割合は、酸二無水物成分に対して、0.1〜60モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜50モル%である。また、アミノ基末端の封止剤の導入割合は、ジアミン成分に対して、0.1〜100モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜90モル%である。複数の末端封止剤を反応させることにより、複数の異なる末端基を導入してもよい。
ポリイミド前駆体樹脂やポリイミド樹脂に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入されたポリマーを酸性溶液に溶解し、ポリマーの構成単位であるアミン成分と酸無水成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出できる。その他に、末端封止剤が導入されたポリマーを直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13C NMRスペクトル測定でも、容易に検出可能である。
<ポリイミド樹脂溶液、ポリイミド前駆体樹脂溶液>
上記のポリイミド前駆体樹脂、ポリイミド樹脂は、溶剤を含有するポリイミド前駆体樹脂溶液、ポリイミド樹脂溶液とすることができる。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ガンマブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性の非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などを単独、または2種以上使用することができる。
溶剤の含有量は、ポリイミド前駆体100重量部に対して、好ましくは50重量部以上、より好ましくは100重量部以上であり、好ましくは2,000重量部以下、より好ましくは1,500重量部以下である。50〜2,000重量部の範囲であれば、塗布に適した粘度となり、塗布後の厚さを容易に調節することができる。
ポリイミド前駆体、及びポリイミド樹脂溶液は、離型剤を含有させることができる。離型剤を含有させることで、該ワニスを用いて支持基板上に作製した樹脂膜と支持基板との密着性を低下させることができる。離型剤の濃度は特に規定は無いが、第1の樹脂膜中に0.01重量%〜20重量%であることが好ましい。また剥離性の観点から0.1重量%〜20重量%がより好ましく、膜特性の観点から0.1重量%〜10重量%がより好ましい。前記離型剤の含有量がこの範囲にすることによって、剥離性と、膜特性を良好としたフレキシブル基板を作製することができる。
離型剤の具体例としては前述の通りであるが、特に好ましくはラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、フルオロアルキルアルキレンオキシド付加物、ラウリルベンゼンスルホン酸およびラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、および/またはその部分分解物である。
前記ポリイミド前駆体、及びポリイミド樹脂溶液は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、フロラード(商品名、住友3M(株)製)、スルフロン(商品名、旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。また、KP341(商品名、信越化学工業(株)製)、DBE(商品名、チッソ(株)製)、ポリフロー、グラノール(商品名、共栄社化学(株)製)、BYK(ビック・ケミー(株)製)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。さらに、ポリフロー(商品名、共栄社化学(株)製)等のアクリル重合物界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、ポリイミド前駆体樹脂組成物100重量部に対し、0.01〜10重量部含有することが好ましい。
前記ポリイミド前駆体、及びポリイミド樹脂溶液は、熱架橋剤を含有していてもよい。熱架橋剤としては、エポキシ化合物やアルコキシメチル基またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物が好ましい。これらの基を少なくとも2つ有することで、樹脂および同種分子と縮合反応して架橋構造体が形成され、加熱処理後の硬化膜の機械強度や耐薬品性を向上させることができる。
エポキシ化合物の好ましい例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリメチル(グリシジロキシプロピル)、シロキサン等のエポキシ基含有シリコーンなどを挙げることができるが、本発明は何らこれらに限定されない。具体的には、エピクロン850−S,エピクロンHP−4032、エピクロンHP−7200、エピクロンHP−820、エピクロンHP−4700、エピクロンEXA−4710、エピクロンHP−4770、エピクロンEXA−859CRP、エピクロンEXA−1514,エピクロンEXA−4880,エピクロンEXA−4850−150、エピクロンEXA−4850−1000、エピクロンEXA−4816、エピクロンEXA−4822(以上商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、リカレジンBEO−60E、リカレジンBPO−20E、リカレジンHBE−100、リカレジンDME−100(以上商品名、新日本理化(株)製)、EP−4003S、EP−4000S(以上商品名、(株)アデカ製)、PG−100、CG−500、EG−200(以上商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、NC−3000、NC−6000(以上商品名、日本化薬(株)製)、EPOX−MK R508、EPOX−MK R540、EPOX−MK R710、EPOX−MK R1710、VG3101L、VG3101M80(以上商品名、(株)プリンテック製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085(以上商品名、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられる。
アルコキシメチル基またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物としては、例えば、DML−PC、DML−PEP、DML−OC、DML−OEP、DML−34X、DML−PTBP、DML−PCHP、DML−OCHP、DML−PFP、DML−PSBP、DML−POP、DML−MBOC、DML−MBPC、DML−MTrisPC、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−BPC、DML−BisOC−P、DMOM−PC、DMOM−PTBP、DMOM−MBPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−HQ、TML−BP、TML−pp−BPF、TML−BPE、TML−BPA、TML−BPAF、TML−BPAP、TMOM−BP、TMOM−BPE、TMOM−BPA、TMOM−BPAF、TMOM−BPAP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、NIKALAC(登録商標) MX−290、NIKALAC MX−280、NIKALAC MX−270、NIKALAC MX−279、NIKALAC MW−100LM、NIKALAC MX−750LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
熱架橋剤は、樹脂100重量部に対し、0.01〜50重量部含有することが好ましい。
前記ポリイミド前駆体、及びポリイミド樹脂溶液は、着色剤を含有していてもよい。着色剤を添加することで、樹脂膜の色味を調節することができる。
着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔料等を用いることができるが、耐熱性、透明性の面から有機顔料が好ましい。中でも透明性が高く、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものが好ましい。代表的な有機顔料の具体的な例をカラ−インデックス(CI)ナンバ−で示すと、次のようなものが好ましく使用されるが、いずれもこれらに限定されるものではない。
黄色顔料の例としては、ピグメントイエロ−(以下PYと略す)12、13、17、20、24、83、86、93、95、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185などが使用される。また、オレンジ色顔料の例としては、ピグメントオレンジ(以下POと略す)13、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71などが使用される。また、赤色顔料の例としては、ピグメントレッド(以下PRと略す)9、48、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254などが使用される。また、紫色顔料の例としては、ピグメントバイオレット(以下PVと略す)19、23、29、30、32、37、40、50などが使用される。また、青色顔料の例としては、ピグメントブル−(以下PBと略す)15、15:3、15:4、15:6、22、60、64などが使用される。また、緑色顔料の例としては、ピグメントグリ−ン(以下PGと略す)7、10、36、58などが使用される。これらの顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理などの表面処理をされていてもかまわない。
前記ポリイミド前駆体、及びポリイミド樹脂溶液は、無機フィラーを含有していてもよい。無機フィラーとしては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、ジルコニア微粒子などが挙げられる。
無機フィラーの形状は特に限定されず、球状、楕円形状、偏平状、ロット状、繊維状などが挙げられる。
含有させた無機フィラーは光の散乱を防ぐため粒径が小さいことが好ましい。平均粒径は0.5〜100nmであり、0.5〜30nmの範囲が好ましい。
無機フィラーの含有量は、樹脂に対し、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。含有量の増加に伴い、可とう性や耐折性が低下する。
前記樹脂ワニスに無機フィラーを含有させる方法としては、種々公知の方法を用いることができる。例えば、オルガノ無機フィラーゾルを樹脂ワニスと混合させることが挙げられる。オルガノ無機フィラーゾルは、有機溶剤に無機フィラーを30重量%程度の割合で分散させたもので、有機溶剤としては、メタノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、エチレングリコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ガンマブチルラクトンなどが挙げられる。
無機フィラーのポリイミド前駆体樹脂、及びポリイミド樹脂に対する分散性を向上させるために、オルガノ無機フィラーゾルをシランカップリング剤で処理してもよい。
エポキシ基を有するものとしては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アミノ基を有するものとしては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
オルガノ無機フィラーゾルのシランカップリング剤による処理方法としては、種々公知の方法を用いることができる。例えば、濃度を調整したオルガノ無機フィラーゾルにシランカップリング剤を添加し、室温〜80℃で0.5〜2時間、撹拌することにより処理することができる。
<ポリイミド樹脂膜の作製>
以下では、ポリイミドを含む樹脂膜(以下「ポリイミド樹脂膜」)を製造する方法について説明する。
まず、樹脂ワニスを支持基板上に塗布する。樹脂ワニスには、前述の離型剤の他に、界面活性剤、熱架橋剤、着色剤、無機フィラー等が含まれていてもよい。支持基板としては特に規定はないが、支持基板の例としては無アルカリガラス、シリコンウエハー、セラミックス類、ガリウムヒ素、ソーダ石灰硝子などを用いることができる。
塗布方法は、例えば、スリットコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法などの方法があり、これらの手法を組み合わせて塗布してもかまわない。
次に、乾燥によって前記樹脂ワニス中の溶剤を除去する。乾燥はホットプレート、オーブン、赤外線、真空チャンバーなどを使用する。ホットプレートを用いる場合、プレート上に直接、もしくは、プレート上に設置したプロキシピン等の治具上に被加熱体を保持して加熱する。プロキシピンの材質としては、アルミニウムやステレンレス等の金属材料、あるいはポリイミド樹脂や“テフロン”(登録商標)等の合成樹脂があり、いずれの材質のプロキシピンを用いてもかまわない。プロキシピンの高さは、基板のサイズ、被加熱体である樹脂層の種類、加熱の目的等により様々であるが、例えば300mm×350mm×0.7mmのガラス基板上に塗布した樹脂層を加熱する場合、プロキシピンの高さは2〜12mm程度が好ましい。
中でも、真空チャンバーを用いて真空乾燥させることが好ましく、真空乾燥後にさらに乾燥のための加熱を行ったり、真空乾燥しながら乾燥のための加熱を行ったりすることがさらに好ましい。これにより、乾燥処理時間の短縮が可能となり、さらに、均一な塗布膜を得ることができる。乾燥のための加熱の温度は被加熱体の種類や目的により様々であり、室温から170℃の範囲で1分から数時間行うことが好ましい。室温とは通常20〜30℃であるが好ましくは25℃である。さらに、乾燥工程は同一の条件、又は異なる条件で複数回行ってもよい。
次に前記樹脂塗膜を熱硬化させ、180℃以上500℃以下の範囲で加熱して樹脂膜に変換する。なお、熱硬化工程は、上記乾燥工程の後に何らかの工程を経てから行われても構わない。
熱硬化工程の雰囲気は特に限定されず、空気でも窒素やアルゴン等の不活性ガスでもよい。ただし、酸素濃度が高い雰囲気で焼成を行うと、酸化劣化により焼成膜が脆くなるなど、機械特性が低下する。このような、機械特性の低下を抑制するためには、酸素濃度が5%以下の雰囲気で加熱して熱硬化を行うことが好ましい。一方で、ppmオーダーでの酸素濃度管理は、製造現場では困難であることが多い。本発明の樹脂膜は、加熱硬化時の酸素濃度が5%以下であればより高い機械特性を保つことができるため好ましい。
前述の、第1の樹脂膜と第2の樹脂膜を有する積層膜は、上述の手順で支持基板上に第1の樹脂膜を作成し、続いて第2の樹脂溶液を塗布し、1層目と同様に乾燥、熱硬化を行い第2の樹脂膜を製膜することで作製することができる。
本発明の樹脂膜は、離型剤が多く存在する表面側とは反対側の面に有機EL素子を備えた有機EL素子基板や、離型剤が多く存在する表面側とは反対側の面にカラーフィルターを備えたカラーフィルター基板として利用できる。これらは、それぞれ離型剤が多く存在する表面側に支持基板を備えていてもよい。
また本発明の樹脂膜は、フレキシブル表示デバイス、フレキシブル受光デバイスなどのフレキシブルデバイスにおけるフレキシブル基板として利用できる。例えば、ガラスなどの支持基板上に本発明の樹脂膜を作製し、離型剤が多く存在する表面側とは反対の面に有機EL素子を備えたフレキシブル有機EL素子基板、同様にしてカラーフィルターを備えたフレキシブルカラーフィルター等に利用できる。
また、本発明の樹脂膜は少なくとも下記(1)〜(5)の工程を含む製造方法で作製することができる。
(1)支持基板上に前述の離型剤を含む樹脂ワニスを塗布する工程。
(2)前記(1)で塗布した樹脂ワニスを焼成して第1の樹脂膜を形成する工程。
(3)前記第1の樹脂膜上に更に樹脂ワニスを塗布する工程。
(4)前記(3)で塗布した樹脂ワニスを焼成して第2の樹脂膜を形成する工程。
(5)支持基板から前記第1の樹脂膜および前記第2の樹脂膜を剥離する工程。
以下に例としてポリイミド樹脂を使用したフレキシブルTFT基板の作製方法を説明する。
まず、前述した方法でガラス基板上にポリイミド樹脂膜を得る。次にポリイミド樹脂膜の上に、無機膜を形成する。
無機膜としては、ポリイミド樹脂膜の少なくとも片面に、水蒸気や酸素などのガスの透過を抑制するためにガスバリア膜を形成することが好ましい。好ましいガスバリア膜としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、イットリウム、およびタンタルからなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とする金属酸化物、ケイ素、アルミニウム、ホウ素の金属窒化物またはこれらの混合物を挙げることができる。中でも、ガスバリア性、透明性、表面平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点からケイ素の酸化物、窒化物、または酸窒化物を主成分とすることが好ましい。これら無機のガスバリア膜は例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜を形成する気相堆積法により作製することができる。中でも、特に優れたガスバリア性が得られるという観点から、スパッタリング法が好ましい。また、無機ガスバリア膜の厚さは10〜300nmであることが好ましく、30〜200nmであることがさらに好ましい。高いガスバリア性を得るためには、無機膜の製膜温度は高い方が好ましく、300℃以上が好ましく、より好ましくは400℃以上、さらに好ましくは500℃以上が好ましい。
TFTを形成するための半導体層としては、アモルファスシリコン半導体、多結晶シリコン半導体、InGaZnOに代表される酸化物半導体、ペンタセンやポリチオフェンに代表される有機物半導体が挙げられる。例えば、本発明のポリイミド樹脂膜を基材として、ガスバリア膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜、多結晶シリコン半導体層、エッチングストッパ膜、ソース・ドレイン電極を公知の方法によって順次形成してボトムゲート型TFTを作製する。
上記の工程を経てポリイミド樹脂膜を利用したTFT基板を製造することができる。このようなTFT基板は、液晶デバイスや有機EL素子の駆動基板として用いることができる。特に有機EL素子用のTFT基板としては、電荷移動度の観点から、多結晶シリコンTFTや酸化物TFTが好ましい。これらのTFTの作製には、成膜温度として350℃が好ましく、さらに好ましくは400℃以上、より好ましくは450℃以上が好ましい。
更に本発明の樹脂膜を利用したフレキシブル有機EL素子基板は、前記(1)〜(4)の工程に加え、更に下記の工程を経て製造することができる。
(5)前記樹脂膜上に有機EL素子を形成する工程。
(6)支持基板から前記第1の樹脂膜および前記第2の樹脂膜を剥離する工程。
以下に例としてフレキシブル有機EL素子基板の製造方法を説明する。
前述したTFT基板に平坦化層を備える。平坦化膜の形成に使用する樹脂の例としては、エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂又はポリイミド樹脂が挙げられる。さらに、Al/ITOなどからなる第一電極、第一電極の端部を被覆する絶縁膜を有し、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層からなる白色有機EL発光層を設け、ITOなどからなる第二電極を形成し、封止膜を形成する。前記の工程を経て作製した後、支持基板から樹脂膜を剥離することによってフレキシブル有機EL素子基板を得ることができる。
支持基板から第1の樹脂膜および第2の樹脂膜を剥離する工程では、樹脂膜に切り込みを入れて剥離することが好ましい。具体的な方法としては、例えば形成膜上の周囲に切り込みを入れて物理的に引っ張って剥離する方法、基板側からレーザー光を照射して形成膜上の周囲に切り込みを入れて剥離する方法、基板側から膜全面にレーザー光を照射して剥離する方法などが挙げられる。中でも装置や設備の観点で安価に剥離することが可能である、物理的に切り込みを入れる剥離方法が好ましい。ここで言う形成膜上の周囲についての規定範囲は特になく、切り込みを入れる場所によって樹脂膜の剥離性に影響を与えるものではない。
本発明の樹脂膜のうち、可視光領域で高透過率を有するものは、カラーフィルター基材に好適に使用することができる。すなわち、本発明のポリイミド樹脂膜上にブラックマトリックスおよび着色画素を備えたカラーフィルターを得ることができる。
本発明の樹脂膜を利用したフレキシブルカラーフィルターは、前記(1)〜(4)の工程に加え、更に下記の工程を経て製造することができる。
(5)前記樹脂膜上にブラックマトリックスを形成する工程。
(6)着色画素を形成する工程。
(7)支持基板から前記第1の樹脂膜および前記第2の樹脂膜を剥離する工程。
以下に例としてポリイミド樹脂を使用したフレキシブルカラーフィルターの製造方法を説明する。
まず前述した方法でガラス基板上に、第1層目として離型剤やその部分分解物を含むポリイミド樹脂膜を、第2層目として離型剤やその部分分解物を含まないポリイミド樹脂膜を有するポリイミド樹脂積層膜を得る。
ブラックマトリックスは、黒色顔料を樹脂に分散した樹脂ブラックマトリックスであることが好ましい。黒色顔料の例としては、カーボンブラック、チタンブラック、酸化チタン、酸化窒化チタン、窒化チタン又は四酸化鉄が挙げられる。特に、カーボンブラック、チタンブラックが好適である。また赤顔料、緑顔料、青顔料を混合して黒色顔料として用いることもできる。
樹脂ブラックマトリックスに使用する樹脂としては、細いパターンが形成し易いため、ポリイミド樹脂が好ましい。ポリイミド樹脂は、酸無水物とジアミンとから合成されたポリアミック酸を、パターン加工後に熱硬化してポリイミド樹脂とすることが好ましい。
酸無水物、ジアミンおよび溶剤の例としては、前述のポリイミド樹脂で挙げたものを用いることができる。
樹脂ブラックマトリックスに使用する樹脂としては、感光性アクリル樹脂を用いることもできる。黒色顔料分散した、アルカリ可溶性のアクリル樹脂、光重合性モノマーおよび高分子分散剤および添加剤からなる。
アルカリ可溶性樹脂の例としては、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物との共重合体が挙げられる。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸又は酸無水物が挙げられる。
光重合性モノマーの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン又は2−クロロチオキサントンが挙げられる。
感光性アクリル樹脂を溶解するための溶媒の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、メトキシブチルアセテート又は3−メチル−3−メトキシブチルアセテートが挙げられる。
前記樹脂膜の上に、黒色顔料を分散したポリアミック酸からなる樹脂ブラックマトリックス用黒色樹脂組成物をスピンコーター又はダイコーター等の方法でキュア後の膜厚が1μmになるように塗布し、60Pa以下まで減圧乾燥した後に、110〜140℃の熱風オーブン又はホットプレートでセミキュアを行う。
ポジ型レジストをスピンコーター又はダイコーター等の方法で、プリベーク後の膜厚が1.2μmになるように塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、80〜110℃の熱風オーブン又はホットプレートでプリベークを行い、レジスト膜を形成する。その後、プロキシミティ露光機又はプロジェクション露光機等により、フォトマスクを介して紫外線により選択的に露光を行った後、1.5〜3重量%の水酸化カリウム又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ現像液に20〜300秒浸漬することにより露光部を除去する。剥離液を用いてポジレジストを剥離後、200〜300℃の熱風オーブン又はホットプレートで10〜60分加熱することで、ポリアミック酸をポリイミドに転換させることで、前記樹脂膜に黒色顔料を分散した樹脂ブラックマトリックスを形成する。なお、感光性樹脂で形成する場合は、ポジ型レジストを塗布することなく露光、現像を行うことができる。
樹脂ブラックマトリックスを形成した後に、着色画素を形成する。着色画素は、赤、緑、青の3色の着色画素からなる。また3色の着色画素に加えて、無色透明または、ごく薄く薄着した第4色の画素を形成することで、表示装置の白色表示の明るさを向上させることもできる。
カラーフィルターの着色画素は、着色剤として顔料または染料を含む樹脂が用いることができる。
赤の着色画素に使用する顔料の例としては、PR254、PR149、PR166、PR177、PR209、PY138、PY150又はPYP139が挙げられ、緑の着色画素に使用する顔料の例としては、PG7、PG36、PG58、PG37、PB16、PY129、PY138、PY139、PY150又はPY185が挙げられ、青の着色画素に使用する顔料の例としては、PB15:6又はPV23が挙げられる。
青色染料の例としては、C.I.ベイシックブルー(BB)5、BB7、BB9又はBB26が挙げられ、赤色染料の例としては、C.I.アシッドレッド(AR)51、AR87又はAR289が挙げられる。
赤緑青の着色画素に使用する樹脂の例としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂又はポリイミド系樹脂が挙げられるが、カラーフィルターの製造コストを安くできるため、感光性アクリル系樹脂が好ましい。感光性アクリル系樹脂は、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマーおよび光重合開始剤を含有することが一般的である。
アルカリ可溶性樹脂の例としては、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物との共重合体が挙げられる。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸又は酸無水物が挙げられる。
光重合性モノマーの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン又は2−クロロチオキサントンが挙げられる。
感光性アクリル系樹脂を溶解するための溶媒の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、メトキシブチルアセテート又は3−メチル−3−メトキシブチルアセテートが挙げられる。
カラーフィルターの着色画素は、着色剤と樹脂とを用いて作製する。着色剤として顔料を使用する場合には、顔料に高分子分散剤および溶媒を混合して分散処理を行った後、アルカリ可溶性樹脂、モノマーおよび光重合開始剤等を添加して作製する。一方、着色剤として染料を使用する場合には、染料に溶媒、アルカリ可溶性樹脂、モノマーおよび光重合性開始剤等を添加して作製する。この場合の全固形分は、樹脂成分である高分子分散剤、アルカリ可溶性樹脂およびモノマーと、着色剤との合計である。
得られた着色剤組成物を、樹脂ブラックマトリックスが形成された透明基板上に、スピンコーター又はダイコーター等の方法で加熱処理後の膜厚が0.8〜3.0μmの目的の膜厚になるように塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、80〜110℃の熱風オーブン又はホットプレートでプリベークを行い、着色剤の塗膜を形成する。
次に、プロキシミティ露光機又はプロジェクション露光機等によりフォトマスクを介して、紫外線等により選択的に露光を行う。その後、0.02〜1重量%の水酸化カリウム又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ現像液に20〜300秒浸漬することにより未露光部を除去する。得られた塗膜パターンを180〜250℃の熱風オーブン又はホットプレートで5〜40分加熱処理することで、着色画素を形成する。着色画素の色毎に作製した着色剤組成物を使用して、上記のようなパターニング工程を赤の着色画素、緑の着色画素および青の着色画素について順次行う。
前記樹脂膜とブラックマトリックス/着色画素層の間に、前述したガスバリア膜を形成してもよい。
さらに、前記カラーフィルターに平坦化膜を設けてもよい。平坦化膜の形成に使用する樹脂の例としては、エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂又はポリイミド樹脂が挙げられる。平坦化膜の膜厚としては、表面が平坦になる膜厚が好ましく、0.5〜5.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmがさらに好ましい。
前記カラーフィルターの剥離方法は前述したように、樹脂膜の周囲に切り込みを入れて剥離することが好ましい。
上記の工程を経て前記樹脂膜を利用したフレキシブルカラーフィルターを製造することができる。なお、着色画素のパターンニングの順序は特に限定されない。
本発明の樹脂膜は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーといった表示デバイス、カラーフィルター、タッチパネル、太陽電池、CMOSなどの受光デバイス等に使用することができる。特にこれらの表示デバイスや受光デバイスを、折り曲げ可能なフレキシブルデバイスとして活用する上で、本発明のフレキシブル基板が好ましく用いられる。
フレキシブルデバイスの製造工程の一例としては、基板上に形成した樹脂膜の上に、表示デバイスや受光デバイスに必要な回路を形成し、前述のように切り込みを入れて物理的に剥がして樹脂膜を基板から剥離することが挙げられる。
中でも本発明の樹脂膜上にフレキシブル有機ELを備えたものを好適に用いることができる。
また、前記表示デバイスや受光デバイスにおいても、本発明のフレキシブル基板を利用したカラーフィルターを備えたものとすることもできる。例えば、本発明のフレキシブル基板を利用したカラーフィルターに発光デバイスを貼り合わせることにより、フルカラー表示のフレキシブル表示デバイスを得ることができる。特に、本発明のフレキシブル基板を利用した有機EL素子とカラーフィルターを組み合わせたフレキシブル有機ELディスプレイが好ましい。
以下実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(1)離型剤の分布プロファイル確認
TOF.SIMS5(ION−TOF製)を用い、ポリイミド樹脂膜中の離型剤の分布プロファイルを測定した。測定膜は、ポリイミド樹脂膜を作製した後、切り込みを入れてピンセットで剥離し、剥離面側から測定を行った。測定は剥離面から10μmの深さまで行った。
(2)光透過率(T)の測定
紫外可視分光光度計((株)島津製作所製 MultiSpec1500)を用い、400nmにおける光透過率を測定した。
(3)剥離性の評価
デジタルフォースゲージ(SHIMPO製FGN−5B)を用いて剥離強度[N/cm]を測定した。なお測定は1水準に対して5回行い、その平均値を剥離強度の値とした。
(4)クラック評価
作製した樹脂膜を光学顕微鏡(Nikon(製)、OPTIPHOT300)を用いて目視で100枚観察を行った。
(5)カラーフィルターの剥離評価
作製したカラーフィルターの端から5mmの周囲に切り込みを入れて、ガラス基板から物理的に剥離し、光学顕微鏡(Nikon(製)、OPTIPHOT300)を用いて目視で1000画素観察を行った。
(6)白色発光型有機EL素子の剥離評価
作製した白色発光型有機EL素子の端から5mmの周囲に切り込みを入れて物理的に引っ張ってガラス基板から有機EL素子を剥離し、光学顕微鏡(Nikon(製)、OPTIPHOT300)を用いて目視で1000素子観察を行った。
合成例1:ポリイミド前駆体溶液(I)の合成
乾燥窒素気流下、200mL4つ口フラスコに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物15.8137g(53.7mmol)、trans−1,4−ジアミノシクロへキサン6.1375g(53.7mmol)、N−メチル−2−ピロリドン100gを入れて65℃で加熱撹拌した。6時間後、冷却してポリイミド前駆体溶液(I)とした。
調製例1:ポリイミド前駆体溶液(II)の調製
合成例1で合成したポリイミド前駆体溶液(I)の固形分に対してミリスチルアルコール(NMPで5重量%希釈にして使用)を0.5重量%混合してポリイミド前駆体溶液(II)を得た。
実施例1
[1]ポリイミド樹脂膜(1層目)の作製
50mm×50mm×1.1mm厚のガラス基板(テンパックス)上に、スピンコーター(ミカサ(株)製、MS−A200)を用いて調製例1のポリイミド前駆体溶液(II)を塗布した。その後140℃のホットプレートで4分間加熱を行った。樹脂膜/基板の温度が室温に下がった後、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)300℃に加熱したイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製 INH−21CD)で30分間加熱し、膜厚1μmのポリイミド樹脂膜を作製した。
[2]ポリイミド樹脂膜(2層目)の作製
[1]で作製したポリイミド樹脂膜上にスピンコーター(ミカサ(株)製、MS−A200)を用いて合成例1のポリイミド前駆体溶液(I)を塗布した。その後140℃のホットプレートで4分間加熱を行った。樹脂膜/基板の温度が室温に下がった後、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)300℃に加熱したイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製 INH−21CD)で30分間加熱し、膜厚9μmのポリイミド樹脂膜(2層目)を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例2
調製例1において、ミリスチルアルコールをステアリルアルコール0.5重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例3
調製例1において、ミリスチルアルコールをラウリン酸0.5重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC1123COOのピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例4
調製例1において、ミリスチルアルコールをミリスチン酸0.5重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC1327COOのピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例5
調製例1において、ミリスチルアルコールをステアリン酸0.5重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC1735COOのピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例6
調製例1において、ミリスチルアルコールをエマルミン40(ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびポリオキシエチレンセチルエーテル(三洋化成工業(株)製))0.5重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例7
調製例1において、ミリスチルアルコールをF444(フルオロアルキルエチレンオキシド付加物(DIC(株)製))0.5重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンCF、CF 、F、CF、CF などのピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例8
調製例1において、ミリスチルアルコールをラウリルベンゼンスルホン酸0.5重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンCSO 、C1829SO のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例9
調製例1において、ミリスチルアルコールをラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンCSO 、C1829SO のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例10
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を0.01重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例11
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を0.1重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例12
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を1重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例13
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を5重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例14
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を10重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例15
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を20重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例16
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を25重量%に変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例17
調製例1において、1層目の膜厚を0.5μmに変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.3μmから0.5μmの間にかけて存在した。
実施例18
調製例1において、1層目の膜厚を2μmに変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、1.8μmから2.0μmの間にかけて存在した。
実施例19
調製例1において、2層目の膜厚を24μmに変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
実施例20
調製例1において、2層目の膜厚を49μmに変えたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂を作製した。
2層のポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、0.8μmから1μmの間にかけて存在した。
比較例1
50mm×50mm×1.1mm厚のガラス基板(テンパックス)上に、スピンコーター(ミカサ(株)製、MS−A200)を用いて合成例1のポリイミド前駆体溶液(I)を塗布した。その後140℃のホットプレートで4分間加熱を行った。樹脂膜/基板の温度が室温に下がった後、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)300℃に加熱したイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製 INH−21CD)で30分間加熱し、膜厚10μmのポリイミド樹脂膜(単層)を作製した。
このポリイミド樹脂膜は、離型剤を含有していないため、TOF−SIMSで分析した結果離型剤由来の2次イオンのピークは検出されなかった。
比較例2
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を0.5重量%とし、1層目の膜厚を10μmとし、2層目を形成しなかったこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
このポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、9.8μmから10μmの間にかけて存在した。離型剤は樹脂膜の両方の表面側において同程度に存在した。
比較例3
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を2.5重量%とし、1層目の膜厚を10μmとし、2層目を形成しなかったこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
このポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、9.8μmから10μmの間にかけて存在した。離型剤は樹脂膜の両方の表面側において同程度に存在した。
比較例4
調製例1において、ミリスチルアルコールの混合量を0.5重量%とし、1層目の膜厚を50μmとし、2層目を形成しなかったこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂膜を作製した。
このポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離してTOF−SIMSで分析した結果、2次イオンC 、C のピークが見られた。前記ピークはガラス基板と接していた側の表面を起算として深さ0.08μmまでの間と、49.8μmから50μmの間にかけて存在した。離型剤は樹脂膜の両方の表面側において同程度に存在した。
各実施例、比較例のポリイミド樹脂膜について前述の方法で光透過率(T)の測定、剥離性の評価およびクラック評価を行った。その結果を、表1〜2に示す。
Figure 0006369141
Figure 0006369141
実施例1〜18のポリイミド樹脂膜では、剥離性が良好で膜の透明性も高い結果となった。比較例2〜3のポリイミド樹脂膜については剥離性が良好であったが、樹脂膜全体に離型剤が存在するため透過率が低い結果となった。また実施例20のようなポリイミド樹脂膜が厚い膜の場合でも、比較例4と比較すると剥離性が同程度で透明性が向上した。
比較例1では、離型剤が含まれないので、剥離性が不良となった。
クラック評価においては、実施例16にのみ一部の樹脂膜にクラックが発生した。離型剤の含有量が多くなり、樹脂との相溶性が悪化したものと考えられる。
合成例2;ポリイミド前駆体溶液(III)の合成
4,4’−ジアミノフェニルエーテル(0.30モル当量)、パラフェニレンジアミン(0.65モル当量)およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(0.05モル当量)を、850gのγ−ブチロラクトンおよび850gのN−メチル−2−ピロリドンと共に仕込み、3,3’,4,4’−オキシジフタルカルボン酸二無水物(0.9975モル当量)を添加し、80℃で3時間反応させた。無水マレイン酸(0.02モル当量)を添加し、更に80℃で1時間反応させ、ポリイミド前駆体溶液(III)(樹脂の濃度20重量%)を得た。
調製例2;ブラックマトリックスを形成するための黒色樹脂組成物の作製
合成例2のポリイミド前駆体溶液(III)250gに、50gのカーボンブラック(MA100;三菱化学(株)製)および200gのN−メチル−2−ピロリドンを混合し、ダイノーミルKDL−Aを用いて、直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、3200rpmで3時間の分散処理を行い、黒色樹脂分散液を得た。
この黒色分散液を50gに、49.9gのN−メチル−2−ピロリドンおよび0.1gの界面活性剤(LC951;楠本化学(株)製)を添加して、非感光性の黒色樹脂組成物を得た。
調製例3:感光性カラーレジストの作製
ピグメントレッドPR177、8.05gを3−メチル−3−メトキシブタノール50gとともに仕込み、ホモジナイザーを用い、7000rpmで5時間分散後、ガラスビーズを濾過し、除去した。アクリル共重合体溶液(ダイセル化学工業(株)製“サイクロマー”P、ACA−250、43wt%溶液)70.00g、多官能モノマーとしてペンタエリスリトールテトラメタクリレート30.00g、光重合開始剤として“イルガキュア”369、15.00gにシクロペンタノン260.00gを加えた濃度20重量%の感光性アクリル樹脂溶液(AC)134.75gを加え、感光性赤レジストを得た。同様にして、ピグメントグリーンPG38とピグメントイエローPY138からなる感光性緑レジスト、ピグメントブルーPB15:6からなる感光性青レジストを得た。
実施例21 カラーフィルターの作製(図1)
[1]ポリイミド樹脂膜の作製
300mm×400mm×0.7mm厚のガラス基板1(AN100(旭硝子(株)))に、140℃×10分のプリベーク後の厚さが15±0.5μmになるように実施例1で使用したポリイミド前駆体溶液(II)をスピン塗布した。その後、送風乾燥器を用いて140℃×10分のプリベーク処理を行った。プリベーク膜を350℃に加熱したイナートオーブンに直接投入し、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)で30分間保持し、5℃/minで50℃まで冷却しポリイミド樹脂膜2(ガラス基板上)を作製した。
同様の手順で、前記ポリイミド樹脂膜の上にポリイミド前駆体溶液(I)を塗布し、ポリイミド樹脂膜3を作製した。ポリイミド樹脂膜の厚さはそれぞれ実施例1と同じ条件で作製した。
[2]樹脂ブラックマトリクスの作製
上記で作製したガラス基板上のポリイミド樹脂膜に調整例2で作製した黒色樹脂組成物をスピン塗布し、ホットプレートで130℃、10分間乾燥し、黒色の樹脂塗膜を形成した。ポジ型フォトレジスト(シプレー社製、“SRC−100”)をスピン塗布、ホットプレートで120℃、5分間プリベークし、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm紫外線照射してマスク露光した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、フォトレジストの現像と黒色の樹脂塗膜のエッチングを同時に行い、パターンを形成、メチルセロソルブアセテートでレジスト剥離し、ホットプレートで280℃、10分間加熱させることでイミド化させ、ポリイミド樹脂にカーボンブラックを分散した樹脂ブラックマトリクス4を形成した。ブラックマトリクスの厚さを測定したところ、1.4μmであった。
[3]着色層の作製
[1]、[2]と同様に作製した、ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上のポリイミド樹脂膜に熱処理後のブラックマトリクス開口部での膜厚が2.0μmになるようにスピナーの回転数を調整し、調製例3で調整した感光性赤レジストをポリイミド膜上に塗布、ホットプレートで100℃、10分間プリベークすることにより、赤色着色層を得た。次に、キャノン(株)製、紫外線露光機“PLA−5011”を用い、ブラックマトリクス開口部とブラックマトリクス上の一部の領域についてアイランド状に光が透過するクロム製フォトマスクを介して、100mJ/cm(365nmの紫外線強度)で露光した。露光後に0.2%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる現像液に浸漬を行い現像し、続いて純水洗浄後、230℃のオーブンで30分間加熱処理し、赤画素5Rを作製した。同様にして、調製例3で調整した感光性緑レジストからなる緑画素5G、感光性青レジストからなる青画素5Bを作製し、ガラス基板上に作製されたポリイミド基板カラーフィルターを(図1)得た。
実施例22
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を実施例7と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例23
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を実施例10と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例24
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を実施例11と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例25
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を実施例12と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例26
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を実施例13と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例27
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を実施例14と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例28
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を実施例15と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例29
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を実施例16と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
比較例5
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を比較例1と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
比較例6
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を比較例2と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
比較例7
実施例21において、ポリイミド樹脂膜を比較例3と同じ条件で作製したこと以外、同様にしてカラーフィルターを作製した。
各実施例、比較例のカラーフィルターについて前述の方法で剥離評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006369141
実施例21〜29の組成においては欠け、歪み、はじき、混色などの問題は特になく、良好なカラーフィルターを得ることができた。比較例6および7の組成においては、画素に欠落が見られた。これは、脱ガス量が実施例21〜29の組成に比べて増加しているため、発泡等により画素に欠落が出たことが考えられる。また、比較例5に関しては、剥離性が悪く、ガラス基板からの剥離が困難だったため、評価は不可能であった。
実施例30 ポリイミド基板白色発光型有機EL素子の作製(図2)
[1]ポリイミド樹脂膜の作製
300mm×400mm×0.7mm厚のガラス基板1(AN100(旭硝子(株)))に、140℃×10分のプリベーク後の厚さが15±0.5μmになるように実施例1で使用したポリイミド前駆体溶液(II)をスピン塗布した。その後、送風乾燥器を用いて140℃×10分のプリベーク処理を行った。プリベーク膜を350℃に加熱したイナートオーブンに直接投入し、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)で30分間保持し、5℃/minで50℃まで冷却しポリイミド樹脂膜2(ガラス基板上)を作製した。
同様の手順で、前記ポリイミド樹脂膜の上にポリイミド前駆体溶液(I)を塗布し、ポリイミド樹脂膜3を作製したポリイミド樹脂膜の厚さはそれぞれ実施例1と同じ条件で作製した。
[2]TFT基板の作製
上記の方法で作製したポリイミド樹脂膜(ガラス基板上)に、プラズマCVD法を用いてSiOから成る無機ガスバリア膜13を製膜した。その後、ボトムゲート型のTFT12を形成し、このTFTを覆う状態でSiから成る絶縁膜(図示せず)を形成した。次に、この絶縁膜に、コンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFTに接続される配線(高さ1.0μm、図示せず)を絶縁膜上に形成した。この配線は、TFT間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFTとを接続するためのものである。
さらに、配線の形成による凹凸を平坦化するために、配線による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜上へ平坦化層6を形成した。平坦化層の形成は、感光性ポリイミドワニスを基板上にスピンコートし、ホットプレート上でプリベーク(120℃×3分間)した後、所望のパターンのマスクを介して露光、現像し、空気フロー下において230℃で60分間加熱処理することにより行った。ワニスを塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、加熱処理の後に得られた平坦化層にはしわやクラックの発生は認められなかった。さらに、配線の平均段差は500nm、作製した平坦化膜には5μm四方のコンタクトホールが形成され、厚さは約2μmであった。
[3]白色発光型有機EL素子の作製
得られた平坦化層6上に、有機EL素子を形成した。まず、平坦化層上に、ITOからなる第一電極7を、コンタクトホールを介して配線(図示せず)に接続させて形成した。その後、レジストを塗布、プリベークし、所望のパターンのマスクを介して露光し、現像した。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント用いたウエットエッチングにより第一電極のパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(モノエタノールアミンとジエチレングリコールモノブチルエーテルの混合液)を用いて該レジストパターンを剥離した。剥離後の基板を水洗し、200℃で30分間加熱脱水して平坦化膜付き電極基板を得た。平坦化層の厚さ寸法変化は、剥離液処理前に対して加熱脱水後で1%未満であった。こうして得られた第一電極は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極の端部を覆う形状の絶縁層8を形成した。絶縁層には、同じく感光性ポリイミドワニスを用いた。この絶縁層を設けることによって、第一電極とこの後の工程で形成する第二電極10との間のショートを防止することができる。
さらに、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して白色有機EL発光層9Wを設けた。次いで、基板上方の全面にAl/Mg(Al:反射電極)からなる第二電極10を形成した。さらにCVD成膜によりSiON封止膜11を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、ポリイミド基板白色発光型有機EL素子(図2)を作製した。
実施例31
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を実施例7と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
実施例32
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を実施例10と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
実施例33
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を実施例11と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
実施例34
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を実施例12と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
実施例35
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を実施例13と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
実施例36
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を実施例14と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
実施例37
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を実施例15と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
実施例38
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を実施例16と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
比較例8
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を比較例1と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
比較例9
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を比較例2と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
比較例10
実施例30において、ポリイミド樹脂膜を比較例3と同じ条件で作製したこと以外、同様にして白色発光型有機EL素子を作製した。
各実施例、比較例の白色発光型有機EL素子について前述の方法で剥離評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0006369141
実施例30〜38の組成においては欠け、歪み、はじきなどの問題は特になく、良好な有機EL素子を得ることができた。比較例9及び10の組成においては、素子に欠落が見られた。これは、脱ガス量が実施例30〜38の組成に比べて増加しているため、発泡等により素子に欠落が出たことが考えられる。また、比較例8に関しては、剥離性が悪く、ガラス基板からの剥離が困難だったため、評価は不可能であった。
また、良好な結果となった実施例30について、得られた白色発光型有機EL素子に駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な発光を示した。
1 ガラス基板
2 第1のポリイミド膜
3 第2のポリイミド膜
4 ブラックマトリックス
5R 赤色画素
5G 緑色画素
5B 青色画素
6 平坦化層
7 第一電極
8 絶縁層
9W 白色有機EL発光層
10 第二電極
11 封止膜
12 TFT層
13 ガスバリア層

Claims (15)

  1. フレキシブル基板として用いられる、内部に離型剤を有する樹脂膜であって、前記樹脂膜は、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含み、前記樹脂膜は第1の樹脂膜と第2の樹脂膜がこの順に積層された構成であり、前記離型剤が前記樹脂膜の一方の表面側に存在し、他方の表面側には存在しない樹脂膜。
  2. 前記離型剤の含有量が前記樹脂膜中に0.0001重量%〜2重量%である請求項1に記載の樹脂膜。
  3. 前記樹脂膜の厚さが5μm〜50μmであり、前記離型剤が存在する表面側において該離型剤が存在する最大深さが、前記表面側から0.5μm以上2μm以下である請求項1または2に記載の樹脂膜。
  4. 前記離型剤が存在する表面側において、前記樹脂膜の一方の表面から深さ1μmの領域内における前記離型剤の濃度が該領域中0.01重量%〜20重量%である請求項1〜のいずれかに記載の樹脂膜。
  5. 前記樹脂膜が透明である請求項1〜のいずれかに記載の樹脂膜。
  6. 前記離型剤がラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、フルオロアルキルアルキレンオキシド付加物、ラウリルベンゼンスルホン酸およびラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類、および/またはその部分分解物を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の樹脂膜。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂膜の前記離型剤が存在する表面側に支持基板を備えた積層体。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂膜の前記離型剤が存在する表面側とは反対側の面に有機EL素子を備えた有機EL素子基板。
  9. 更に前記樹脂膜の前記離型剤が存在する表面側に支持基板を備えた請求項に記載の有機EL素子基板。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂膜の前記離型剤が存在する表面側とは反対側の面にカラーフィルターを備えたカラーフィルター基板。
  11. 更に前記樹脂膜の前記離型剤が存在する表面側に支持基板を備えた請求項10に記載のカラーフィルター基板。
  12. 少なくとも下記(1)〜(5)の工程を含む樹脂膜の製造方法。
    (1)支持基板上に離型剤を含む樹脂ワニスを塗布する工程。
    (2)前記(1)で塗布した樹脂ワニスを焼成して第1の樹脂膜を形成する工程。
    (3)前記第1の樹脂膜上に更に樹脂ワニスを塗布する工程。
    (4)前記(3)で塗布した樹脂ワニスを焼成して第2の樹脂膜を形成する工程。
    (5)支持基板から前記第1の樹脂膜および前記第2の樹脂膜を剥離する工程。
  13. 少なくとも下記(1)〜(6)の工程を含むフレキシブル有機EL素子基板の製造方法。
    (1)支持基板上に離型剤を含む樹脂ワニスを塗布する工程。
    (2)前記(1)で塗布した樹脂ワニスを焼成して第1の樹脂膜を形成する工程。
    (3)前記第1の樹脂膜上に更に樹脂ワニスを塗布する工程。
    (4)前記(3)で塗布した樹脂ワニスを焼成して第2の樹脂膜を形成する工程。
    (5)前記樹脂膜上に有機EL素子を形成する工程。
    (6)支持基板から前記第1の樹脂膜および前記第2の樹脂膜を剥離する工程。
  14. 少なくとも下記(1)〜(7)の工程を含むフレキシブルカラーフィルターの製造方法。
    (1)支持基板上に離型剤を含む透明樹脂ワニスを塗布する工程。
    (2)前記(1)で塗布した透明樹脂ワニスを焼成して第1の透明樹脂膜を形成する工程。
    (3)前記第1の透明樹脂膜上に更に透明樹脂ワニスを塗布する工程。
    (4)前記(3)で塗布した透明樹脂ワニスを焼成して第2の透明樹脂膜を形成する工程。
    (5)前記樹脂膜上にブラックマトリックスを形成する工程。
    (6)前記樹脂膜上に着色画素を形成する工程。
    (7)支持基板から前記第1の透明樹脂膜および前記第2の透明樹脂膜を剥離する工程。
  15. 請求項に記載の有機EL素子と、請求項10に記載のカラーフィルターを備えたフレキシブル有機ELディスプレイ。
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