JPWO2013137158A1 - 粘着層付き透明面材、表示装置およびそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

透明面材と、透明面材の少なくとも一方の表面を覆う粘着層と、粘着層の全面を覆う、剥離可能な保護フィルムとを有する粘着層付き透明面材であって、保護フィルムが、保護フィルムに形成された切れ込みによって、枠状の残存部と、残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離されている。

Description

本発明は、粘着層付き透明面材、透明面材によって表示パネルが保護された表示装置、およびそれらの製造方法に関する。
透明面材(保護板)によって表示パネルが保護された表示装置としては下記のものが知られている。
表示パネルと、透明面材の表面に粘着層が形成された粘着層付き透明面材とを、粘着層が表示パネルに接するように貼合した表示装置(特許文献1)。
ところで、最近では、液晶表示装置等の表示装置を、自動車のインストルメントパネルにおける計器類等の表示部分として用いることが検討されている。自動車に設置される表示装置には、物体が衝突した際に透明面材が割れたとしても、透明面材の破片が表示装置から脱落しないことが求められる。
しかし、通常の表示装置においては、透明面材の周縁部の遮光部によって、表示パネルの周縁やその周辺に設けられたデバイスや配線部材を隠蔽するために、特許文献1の図8に示すように、透明面材が表示パネルよりもひとまわり大きくされており、透明面材の周縁部は、粘着層を介して表示パネルに貼合されていない。そのため、透明面材に物体が衝突して透明面材が割れた場合に、透明面材の周縁部の破片が表示装置から脱落することがある。
国際公開第2011/148990号
本発明は、表示パネルを保護する透明面材が割れたとしても、透明面材において表示パネルに貼合されていない部分から破片が脱落しにくい表示装置;該表示装置の表示パネルを保護する透明面材として好適な粘着層付き透明面材;およびそれらの製造方法を提供する。
(1)本発明の粘着層付き透明面材の第1の態様は、透明面材と、該透明面材の少なくとも一方の表面を覆う粘着層と、該粘着層の全面を覆う、剥離可能な保護フィルムとを有する粘着層付き透明面材であって、前記保護フィルムが、前記保護フィルムに形成された切れ込みによって、枠状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離されている。
(2)前記(1)の粘着層付き透明面材において、前記粘着層は、前記透明面材の表面に沿って広がる層状部と、該層状部の周縁を囲む堰状部とを有することが好ましい。
(3)前記(1)または(2)の粘着層付き透明面材において、前記透明面材が、少なくとも一方の表面に形成された枠状の遮光部と、該遮光部によって囲まれた透光部とを有していてもよく、この場合、前記保護フィルムに形成された切れ込みは、前記透明面材の法線方向からみて前記遮光部と重なる部分に形成されていることが好ましい。
(4)前記(3)の粘着層付き透明面材において、前記透明面材の法線方向からみて前記透光部と重なる部分の前記粘着層の平均厚さは、0.03〜2mmであることが好ましい。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかの粘着層付き透明面材において、前記内側剥離部は、2つ以上形成されていてもよい。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかの粘着層付き透明面材において、前記保護フィルムは、前記保護フィルムに形成された切れ込みによって、枠状の外側剥離部と、該外側剥離部によって囲まれた枠状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離されていてもよい。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかの粘着層付き透明面材において、前記透明面材は、表示装置の保護板であることが好ましい。
(8)本発明の粘着層付き透明面材の製造方法の第1の態様は、前記(2)の粘着層付き透明面材の製造方法であって、下記の工程(a)〜(f)を有する:
(a)透明面材の表面の周端に、液状の堰状部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して堰状部を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記堰状部で囲まれた領域に、液状の層状部形成用硬化性樹脂組成物を供給する工程;
(c)前記工程(b)の後、1kPa以下の減圧雰囲気下にて、前記層状部形成用硬化性樹脂組成物の上に、保護フィルムが貼着された支持面材を、該保護フィルムが前記層状部形成用硬化性樹脂組成物に接するように重ねて、前記透明面材、前記保護フィルムおよび前記堰状部で前記層状部形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の層状部が密封された積層物を得る工程;
(d)前記工程(c)の後、50kPa以上の圧力雰囲気下に前記積層物を置いた状態にて、前記未硬化の層状部を硬化させ、層状部および堰状部を有する粘着層を形成する工程;
(e)前記工程(d)の後、前記支持面材を前記保護フィルムから剥離する工程;及び
(f)前記工程(c)の前または前記工程(e)の後、前記保護フィルムに切れ込みを形成し、前記保護フィルムを枠状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離する工程。
(9)前記(8)の粘着層付き透明面材の製造方法において、前記透明面材として、少なくとも一方の表面に形成された枠状の遮光部と、該遮光部によって囲まれた透光部とを有するものを用いてもよく、この場合、前記切れ込みを、前記透明面材の法線方向からみて前記遮光部と重なる部分に形成することが好ましい。
(10)本発明の表示装置の第1の態様は、表示パネルと、該表示パネルに粘着層を介して貼合された、該表示パネルよりも面積の広い透明面材とを有する表示装置であって、前記(1)〜(7)のいずれかの粘着層付き透明面材から前記保護フィルムの前記内側剥離部を剥離したものを、前記粘着層が前記表示パネルに接するように、前記表示パネルに貼合したものである。
(11)本発明の表示装置の製造方法の第1の態様は、表示パネルと、該表示パネルに粘着層を介して貼着された、該表示パネルよりも面積の広い透明面材とを有する表示装置の製造方法であって、下記の工程(g)および工程(i)を有する:
(g)前記(1)〜(7)のいずれかの粘着層付き透明面材から前記保護フィルムの前記内側剥離部を剥離する工程;及び
(i)前記工程(g)の後、1kPa以下の減圧雰囲気下にて、前記表示パネルと前記粘着層付き透明面材とを、前記粘着層が表示パネルに接するように重ねて貼合する工程。
(12)前記(11)の表示装置の製造方法は、下記の工程(h)をさらに有することが好ましい:
(h)前記工程(g)と前記工程(i)との間に、前記粘着層付き透明面材を減圧雰囲気下にある減圧容器の内部に配置して前記粘着層の脱気処理を行う工程。
本発明の粘着層付き透明面材によれば、表示パネルと貼合されることによって、透明面材が割れたとしても、透明面材において表示パネルに貼合されていない部分から破片が脱落しにくい表示装置を提供できる。
本発明の粘着層付き透明面材の製造方法によれば、透明面材と粘着層との界面における空隙の発生が充分に抑えられた本発明の粘着層付き透明面材を製造できる。
本発明の表示装置は、表示パネルを保護する透明面材が割れたとしても、透明面材において表示パネルに貼合されていない部分から破片が脱落しにくい。
本発明の表示装置の製造方法によれば、表示パネルを保護する透明面材が割れたとしても、透明面材において表示パネルに貼合されていない部分から破片が脱落しにくい表示装置を製造できる。また、表示パネルと透明面材との貼合が簡便であり、表示パネルと粘着層との界面および透明面材と粘着層との界面に空隙が残存しにくい。
図1は、本発明の粘着層付き透明面材の一例を示す断面図である。 図2は、図1の粘着層付き透明面材の平面図である。 図3は、本発明の粘着層付き透明面材の他の例を示す平面図である。 図4は、本発明の粘着層付き透明面材の他の例を示す平面図である。 図5は、本発明の粘着層付き透明面材の他の例を示す平面図である。 図6は、工程(a)の様子の一例を示す平面図である。 図7は、工程(a)の様子の一例を示す断面図である。 図8は、工程(b)の様子の一例を示す平面図である。 図9は、工程(b)の様子の一例を示す断面図である。 図10は、工程(c)の様子の一例を示す断面図である。 図11は、工程(f)の様子の一例を示す断面図である。 図12は、本発明の表示装置の一例を示す断面図である。 図13は、本発明の表示装置の他の例を示す断面図である。 図14は、工程(i)の様子の一例を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「透明」とは、面材と表示パネルの表示面とを粘着層を介して、空隙なく貼合した後に、表示パネルの表示画像の全体または一部が光学的な歪を受けることなく面材を通して視認できる様態を意味する。したがって、表示パネルから面材に入射する光の一部が面材により吸収、反射されたり、または光学的な位相の変化などによって、面材の可視線透過率が低いものであっても、面材を通して光学的な歪なく表示パネルの表示画像を視認することができるのであれば、「透明」であるということができる。
「枠状」で表現される形状には、額縁状、はしご状、格子状が含まれる。
「残存部」とは、保護フィルムのうち、粘着層付き透明面材と表示パネルとを貼合した後も、粘着層付き透明面材に残存する部分を意味する。
「剥離部」とは、保護フィルムのうち、粘着層付き透明面材と表示パネルとを貼合する際に、粘着層付き透明面材から取り除かれる部分を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
「平均厚さ」は、10箇所について測定された厚さの平均値とする。
<粘着層付き透明面材>
図1は、本発明の粘着層付き透明面材の一例を示す断面図である。
粘着層付き透明面材1は、一方の表面の周縁部に額縁状の遮光印刷部12(遮光部)が形成された保護板10(透明面材)と;遮光印刷部12が形成された側の保護板10の表面の全面を覆う粘着層14と;粘着層14の全面を覆う、剥離可能な保護フィルム16とを有する。
なお、本発明の粘着層付き透明面材は、保護フィルムを剥離した後、表示パネルと貼合することで表示装置を製造することができるため、表示装置の前駆体としての役割を果たす。
(保護板)
保護板10は、後述する表示パネルの画像表示側に設けられて表示パネルを保護するものである。
保護板10としては、ガラス板、または透明樹脂板が挙げられ、表示パネルからの出射光や反射光に対して透明性が高い点はもちろん、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面傷付性、および高い機械的強度を有する点からも、ガラス板が最も好ましい。光硬化性樹脂組成物の硬化のための光を充分に透過させる点でも、ガラス板が好ましい。
ガラス板の材料としては、ソーダライムガラス等のガラス材料が挙げられ、鉄分がより低く、青みの少ない高透過ガラス(白板ガラス)がより好ましい。安全性を高めるために強化ガラスを用いてもよい。特に薄いガラス板を用いる場合には、化学強化を施したガラス板を用いることが好ましい。
透明樹脂板の材料としては、透明性の高い樹脂材料(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等)が挙げられる。
保護板10には、粘着層14との界面接着力を向上させるために、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、保護板10の表面をシランカップリング剤で処理する方法、フレームバーナーによる酸化炎によって酸化ケイ素の薄膜を形成する方法等が挙げられる。
保護板10の厚さは、機械的強度、透明性等の点から、ガラス板の場合は通常0.5〜25mmである。屋内で使用するテレビ受像機、PC用ディスプレイ等の用途では、表示装置の軽量化の点から、1〜6mmが好ましく、屋外に設置する公衆表示用途では、3〜20mmが好ましい。化学強化ガラスを用いる場合は、ガラスの厚さは、強度の点で、0.5〜1.5mm程度が好ましい。透明樹脂板の場合は、2〜10mmが好ましい。
(遮光印刷部)
遮光印刷部12は、後述する表示パネルの画像表示領域以外を保護板10側から視認できないようにして、表示パネルに接続されている配線部材等を隠蔽するものである。保護板10がガラス板の場合、遮光印刷部12に黒色顔料を含むセラミック印刷を用いると遮光性が高く好ましい。
(透光部)
保護板10において、遮光印刷部12によって囲まれた領域が透光部13となる。
透光部13は、表示パネルの画像表示領域とほぼ同じ大きさとされ、表示パネルの画像表示領域を保護板10側から視認できるようにする。
(粘着層)
粘着層14は、保護板10の表面に沿って広がる層状部18と、層状部18の周縁に接してこれを囲む枠状の堰状部20とを有する。粘着層14が堰状部20を有することによって、層状部18の周縁部の外方への拡がり、すなわち周縁部における薄肉化を抑えることができ、層状部18全体の厚さを均一に保つことができる。層状部18全体の厚さを均一にすることによって、粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合する際に、粘着層14と表示パネルとの界面に空隙が発生しにくい。
(層状部)
層状部18は、後述する液状の層状部形成用硬化性樹脂組成物(以下、第一組成物と記す。)を硬化してなる透明樹脂からなる層である。
層状部18の、25℃におけるせん断弾性率は、103〜107Paが好ましく、104〜106Paがより好ましく、104〜105Paが特に好ましい。せん断弾性率が103Pa以上であれば、層状部18の形状を維持できる。また、層状部18の厚さが比較的厚い場合であっても、層状部18全体で厚さを均一に維持でき、粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合する際に、層状部18と表示パネルとの界面に空隙が発生しにくい。また、せん断弾性率が104Pa以上であれば、保護フィルム16を剥離する際に層状部18の変形を抑えやすい。せん断弾性率が107Pa以下であれば、層状部18と表示パネルとの界面において良好な密着性を発揮できる。また、層状部18を形成する樹脂材の分子運動性が比較的高いため、減圧雰囲気下にて粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合した後、これを大気圧雰囲気下に戻した際に、空隙内の圧力(減圧のまま)と層状部18にかかる圧力(大気圧)との差圧によって空隙の体積が減少しやすくなり、また、体積が減少した空隙内の気体が層状部18に溶解し、吸収されやすい。また、せん断弾性率が105Pa以下であれば、層状部18と表示パネルとの界面の空隙をより短時間に消失させることができる。
層状部18は、保護板10(ガラス板等)で支持されているため、せん断弾性率を充分に小さく(103〜107Paに)しても形状を充分に維持できる。特に、貼合時の空隙をより短時間で消失させることが可能な、せん断弾性率がさらに小さい(105Pa以下の)粘着層を、保護板10で支持することによって、より精度の高い形状で維持できる。
層状部18の25℃におけるせん断弾性率は、下記のように測定する。
レオメーター(アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR−301)を用い、測定スピンドルと透光性の定板の隙間を層状部18の平均厚さと同一として、その隙間に未硬化の第一組成物を配置し、硬化に必要な熱や光を未硬化の第一組成物に加えながら硬化過程のせん断弾性率を測定し、所定の硬化条件における計測値を層状部18のせん断弾性率とする。
層状部18の平均厚さは、0.03〜2mmが好ましく、0.1〜0.8mmがより好ましい。層状部18の平均厚さが0.03mm以上であれば、保護板10側からの外力による衝撃等を層状部18が効果的に緩衝して、表示パネルを保護できる。また、本発明の表示装置の製造方法において、粘着層付き透明面材1と表示パネルとの間に層状部18の厚さを超えない異物が混入しても、層状部18の平均厚さが大きく変化することなく、光透過性能への影響が少ない。層状部18の平均厚さが2mm以下であれば、層状部18に空隙が残留しにくく、また、表示装置の全体の厚さが不要に厚くならない。
層状部18の厚さを調整する方法としては、堰状部20の厚さを調節するとともに、保護板10の表面に供給される液状の第一組成物の供給量を調節する方法が挙げられる。
(堰状部)
堰状部20は、後述する液状の堰状部形成用硬化性樹脂組成物(以下、第二組成物と記す。)を塗布し、硬化してなる透明樹脂からなる部分である。堰状部20の幅は、0.5〜2mmが好ましく、0.8〜1.6mmがより好ましい。また、堰状部20の厚さは、堰状部20と層状部18とが近接する領域を除いた層状部18の平均厚さとほぼ等しいか、または層状部18の平均厚さより0.005〜0.05mm厚いことが好ましく、0.01〜0.03mm厚いことがより好ましい。
堰状部20の25℃におけるせん断弾性率は、層状部18の25℃におけるせん断弾性率よりも大きいことが好ましい。堰状部20のせん断弾性率を層状部18のせん断弾性率よりも大きくすることによって、堰状部20が層状部18と近接する領域の少なくとも一部において、堰状部20の厚さが層状部18の厚さよりも大きくしやすい。
(保護フィルム)
保護フィルム16は、粘着層14の表面を保護するものであり、粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合する直前まで粘着層14の形状を維持するものである。
保護フィルム16は、保護板10の法線方向からみて遮光印刷部12と重なる部分の保護フィルム16に形成された切れ込み16cによって、周縁部の額縁状の残存部16bと、該残存部16bによって囲まれた内側剥離部16aとに分離されている。
粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合する際に、内側剥離部16aが粘着層14から剥離され、内側剥離部16aがあった部分の粘着層14が表示パネルと接する。よって、内側剥離部16aの大きさは、粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合した際における表示パネルの粘着層14との接合面とほぼ同じ大きさとされ、通常は、表示パネルの画像表示領域とほぼ同じかひとまわり大きい。表示パネルが保護板10よりもひとまわり小さいことから、表示パネルと接する部分となる内側剥離部16aの大きさが、保護板10以上となることはなく、残存部16bは、保護板10の法線方向からみて遮光印刷部12と重なるように保護フィルム16の周縁部に存在する。残存部16bは、粘着層付き透明面材1と表示パネルとを貼合した後も、表示装置において粘着層14の周縁部の表面を保護し続け、かつ保護板10が割れた際には、粘着層14を介して貼着している保護板10の周縁部からの破片の脱落を抑える。
保護フィルム16には、粘着層14から剥離できること、ならびに後述する本発明の製造方法において、支持面材36に貼着できることが求められる。よって、保護フィルム16としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等からなる密着性の比較的低い基材フィルムの片面が粘着面とされた自己粘着性保護フィルムが好ましい。保護フィルム16の粘着面の粘着力は、アクリル板に対する剥離速度300mm/分での180°剥離試験における50mm幅の試験体にて0.01〜0.1Nが好ましく、0.02〜0.06Nがさらに好ましい。粘着力が0.01N以上であると支持面材36への貼着が可能であり、0.1N以下であると支持面材36から保護フィルム16を剥離させることが容易である。
保護フィルム16の厚さは、用いる樹脂により異なるが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の比較的柔軟なフィルムを用いる場合には、0.04〜0.2mmが好ましく、0.06〜0.1mmがさらに好ましい。保護フィルム16の厚さが0.04mm以上であれば、粘着層14から保護フィルム16を剥離する際に保護フィルム16の変形を抑えることができる。保護フィルム16の厚さが0.2mm以下であれば、剥離時に保護フィルム16が撓みやすく剥離させることが容易である。また、保護フィルム16の粘着面とは反対側の裏面に背面層を設け、粘着層14からの剥離をさらに容易にすることもできる。
(作用効果)
以上説明した本発明の粘着層付き透明面材にあっては、保護フィルムが、保護フィルムに形成された切れ込みによって、枠状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離されているため、内側剥離部を粘着層から剥離して粘着層付き透明面材と表示パネルとを貼合した後も、残存部が、表示パネルと貼合した部分以外の粘着層の表面に残存する。よって、残存部が、表示装置において表示パネルと貼合した部分以外の粘着層の表面を保護し続け、かつ透明面材が割れた際には、粘着層を介して貼着している透明面材からの破片の脱落を抑える。
また、粘着層が透明面材の表面に沿って広がる層状部と層状部の周縁を囲む堰状部とを有していれば、層状部全体の厚さを均一に保つことができ、粘着層付き透明面材と表示パネルとを貼合する際に、粘着層と表示パネルとの界面に空隙が発生しにくい。
また、層状部の、25℃におけるせん断弾性率が103〜107Paであれば、層状部の形状を維持でき、さらに表示パネルと粘着層との界面に空隙が発生しにくい。また、層状部が良好な密着性を発揮でき、減圧雰囲気下にて粘着層付き透明面材と表示パネルとを貼合した後、これを大気圧雰囲気下に戻した際に、空隙が消失しやすい。
以上のような粘着層付き透明面材は、表示装置の保護板として好適である。
(他の形態)
なお、図1および図2に示す粘着層付き透明面材1は、透明面材が表示装置の保護板である例であるが、本発明の粘着層付き透明面材は、図1および図2に示すものに限定はされない。
たとえば、透明面材は、タッチパネル付き表示装置における、タッチパネル部分を構成する透明電極付き透明面材であってもよい。
また、遮光部を透明面材以外に形成する場合は、図3に示すように、粘着層付き透明面材1は、遮光印刷部(遮光部)が形成されていない保護板(透明面材、図示略)と;保護板の一方の表面の全面を覆う粘着層(図示略)と;粘着層の全面を覆う、剥離可能な保護フィルム16とを有するものであってもよい。
また、1枚の粘着層付き透明面材に複数の表示パネルを貼合する場合、または1枚の粘着層付き透明面材に複数の表示領域を有する表示パネルを貼合する場合は、図4に示すように、粘着層付き透明面材1は、一方の表面にはしご状(または格子状)の遮光印刷部12(遮光部)および該遮光印刷部12に囲まれた複数の透光部13が形成された保護板(透明面材、図示略)と;保護板の一方の表面の全面を覆う粘着層(図示略)と;粘着層の全面を覆う、剥離可能な保護フィルム16とを有するものであってもよい。保護フィルム16は、保護板の法線方向からみて遮光印刷部12と重なる部分に形成された切れ込み16cによって、遮光印刷部12と重なるはしご状(または格子状)の残存部16bと、該残存部16bによって囲まれた、透光部13とほぼ同じかひとまわり大きい複数の内側剥離部16aとに分離されている。
また、粘着層付き透明面材の周縁部に表示装置の筐体を貼合する場合は、図5に示すように、粘着層付き透明面材1は、一方の表面の周縁部に額縁状の遮光印刷部12(遮光部)および該遮光印刷部12に囲まれた透光部13が形成された保護板(透明面材、図示略)と;保護板の一方の表面の全面を覆う粘着層(図示略)と;粘着層の全面を覆う、剥離可能な保護フィルム16とを有するものであってもよい。保護フィルム16は、保護板の法線方向からみて遮光印刷部12と重なる部分に形成された切れ込み16eによって、遮光印刷部12と重なる額縁状の外側剥離部16dと、保護板の法線方向からみて遮光印刷部12と重なる部分に形成された切れ込み16cによって、外側剥離部16dによって囲まれ、かつ遮光印刷部12と重なる額縁状の残存部16bと、該残存部16bによって囲まれた、透光部13とほぼ同じかひとまわり大きい内側剥離部16aとに分離されている。
また、保護板10には、表示画像のコントラストを高めるために、粘着層14が形成された側に対して反対側の表面に反射防止層を設けてもよい。反射防止層は、保護板10の表面に無機薄膜を直接形成する方法、または反射防止層を設けた透明樹脂フィルムを保護板10に貼着する方法によって設けることができる。
また、目的に応じて、保護板10の一部または全体を着色したり、保護板10の表面の一部または全体を磨りガラス状にして光を散乱させたり、保護板10の表面の一部または全体に微細な凹凸等を形成して透過光を屈折または反射させたりしてもよい。また、着色フィルム、光散乱フィルム、光屈折フィルム、光反射フィルム等を、保護板10の表面の一部または全体に貼着してもよい。
また、遮光印刷部は、粘着層が形成される側とは反対側の表面に形成されていてもよい。なお、遮光印刷部と画像表示領域との視差を低減する点からは、遮光印刷部は、粘着層が形成される側の表面に形成することが好ましい。遮光印刷部が、粘着層が形成される側とは反対側の表面に形成される場合、遮光印刷部をあらかじめ設けた透明フィルムを保護板に貼着することで形成することもできる。保護板に貼着される面の透明フィルムの周縁部に遮光印刷部を設け、その裏面、すなわち表示装置の最表面に反射防止層を設けたフィルムを保護板に貼着してもよい。
粘着層は、図示例のように、透明面材(保護板)の表面に沿って広がる層状部と、層状部の周縁に接してこれを囲む堰状部とを有するものに限定はされず、市販の粘着シートを透明面材の表面に貼着したものであってもよい。
また、粘着層は、透明面材の両面に形成されていてもよい。
また、透明面材(保護板)と粘着層との間に、偏光手段(フィルム状の吸収型偏光子、ワイヤグリッド型偏光子等)を設けてもよい。
<粘着層付き透明面材の製造方法>
本発明の粘着層付き透明面材の製造方法としては、たとえば、下記の工程(a)〜(f)を有する方法が挙げられる。
(a)透明面材の表面の周端に、液状の第二組成物を塗布して未硬化の堰状部を形成する工程。
(b)工程(a)の後、堰状部で囲まれた領域に、液状の第一組成物を供給する工程。
(c)工程(b)の後、1kPa以下の減圧雰囲気下にて、第一組成物の上に、保護フィルムが貼着された支持面材を、保護フィルムが第一組成物に接するように重ねて、透明面材、保護フィルムおよび堰状部で第一組成物からなる未硬化の層状部が密封された積層物を得る工程。
(d)工程(c)の後、50kPa以上の圧力雰囲気下に積層物を置いた状態にて、未硬化の層状部を硬化させ、層状部および堰状部を有する粘着層を形成する工程。
(e)前記工程(d)の後、支持面材を保護フィルムから剥離する工程。
(f)工程(c)の前または工程(e)の後、保護フィルムに切れ込みを形成し、保護フィルムを枠状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離する工程。
本発明の製造方法の一例は、減圧雰囲気下にて、透明面材と、支持面材に貼着された保護フィルムとの間に液状の第一組成物を封じ込め、大気圧雰囲気下等の高い圧力雰囲気下にて、封じ込められている第一組成物を硬化させて層状部を形成する方法である。減圧下における第一組成物の封じ込めは、透明面材と、支持面材に貼着された保護フィルムとの間隙の狭く広い空間に硬化性樹脂組成物を注入する方法ではなく、透明面材のほぼ全面に第一組成物を供給し、その後、支持面材に貼着された保護フィルムを重ねて透明面材と、支持面材に貼着された保護フィルムとの間に第一組成物を封じ込める方法である。
減圧下における液状の硬化性樹脂組成物の封じ込め、および大気圧雰囲気下における硬化性樹脂組成物の硬化による粘着層付き透明面材の製造方法の一例は公知である。たとえば、特許文献1に粘着層付き透明面材の製造方法および該製造方法に用いられる硬化性樹脂組成物が記載されており、本明細書中に組み入れられる。
(工程(a))
まず、透明面材の表面の周端に、液状の第二組成物を塗布して枠状の堰状部を形成する。
塗布は、印刷機、ディスペンサ等を用いて行われる。
堰状部は、未硬化の状態であってもよく、部分的に硬化させた半硬化の状態であってもよい。堰状部の部分硬化は、第二組成物が光硬化性組成物である場合、光の照射によって行う。たとえば、光源(紫外線ランプ、高圧水銀灯、UV−LED等)から紫外線または短波長の可視光を照射して、光硬化性樹脂組成物を部分硬化させる。
堰状部には、後述する工程(c)において、堰状部と透明面材との界面、および堰状部と保護フィルムとの界面から液状の第一組成物が漏れ出さない程度以上の界面密着力、および形状を維持できる程度の固さが必要である。よって、堰状部には、粘度の高い第二組成物を用いることが好ましい。
第二組成物の粘度は、500〜3000Pa・sが好ましく、800〜2500Pa・sがより好ましく、1000〜2000Pa・sがさらに好ましい。粘度が500Pa・s以上であれば、未硬化の堰状部の形状を比較的長時間維持でき、未硬化の堰状部の高さを充分に維持できる。粘度が3000Pa・s以下であれば、未硬化の堰状部を塗布によって形成できる。
また、第二組成物が光硬化性組成物であって、塗布と同時、または塗布の直後に光を照射することにより、部分的に硬化させて半硬化の状態とする場合には、第二組成物の粘度を5〜500Pa・sとしてもよく、その場合には塗布速度を高められる点で、10〜100Pa・sが好ましい。粘度が10Pa・s以上であるば、塗布から光照射までの時間に塗布後の形状を維持でき、未硬化の堰状部の高さを充分に維持できる。粘度が100Pa・s以下であれば、塗布速度を高めても未硬化の堰状部の高さを充分に確保できる。
第二組成物の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定する。
第二組成物は、光硬化性樹脂組成物であってもよく、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。第二組成物としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。
堰状部形成用光硬化性樹脂組成物としては、特許文献1に記載の堰状部形成用光硬化性樹脂組成物が好ましい。
(工程(b))
工程(a)の後、堰状部で囲まれた領域に液状の第一組成物を供給する。
第一組成物の供給量は、堰状部、透明面材および保護フィルムによって形成される空間が第一組成物によって充填され、かつ透明面材と保護フィルムとの間を所定の間隔とする(すなわち層状部を所定の厚さとする)だけの分量にあらかじめ設定する。この際、第一組成物の硬化収縮による体積減少をあらかじめ考慮することが好ましい。よって、該分量は、層状部の所定厚さよりも第一組成物の厚さが若干厚くなる量が好ましい。
供給方法としては、透明面材を平置きにし、ディスペンサ、ダイコータ等の供給手段によって、点状、線状または面状に供給する方法が挙げられる。
第一組成物の粘度は、0.05〜50Pa・sが好ましく、1〜20Pa・sがより好ましい。粘度が0.05Pa・s以上であれば、低分子量のモノマーの割合を抑えることができ、層状部の物性の低下が抑えられる。また、低沸点の成分が少なくなるため、後述する減圧雰囲気下における揮発が抑えられ好適となる。粘度が50Pa・s以下であれば、層状部に空隙が残留しにくい。
第一組成物の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定する。
第一組成物は、光硬化性樹脂組成物であってもよく、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。第一組成物としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。
層状部形成用光硬化性樹脂組成物としては、特許文献1に記載の層状部形成用光硬化性樹脂組成物が好ましい。
(工程(c))
工程(b)の後、第一組成物が供給された透明面材を減圧装置に入れ、減圧装置内の固定支持盤の上に第一組成物の面が上になるように透明面材を平置きする。
減圧装置内の上部には、上下方向に移動可能な移動支持機構が設けられ、移動支持機構に支持面材(ガラス板等)が取り付けられる。支持面材の下側の表面には保護フィルムが貼着される。
支持面材は、透明面材の上方かつ第一組成物と接しない位置に置く。すなわち、透明面材の上の第一組成物と支持面材の表面の保護フィルムとを接触させることなく対向させる。
なお、上下方向に移動可能な移動支持機構を減圧装置内の下部に設け、移動支持機構の上に第一組成物が供給された透明面材を置いてもよい。この場合、支持面材は、減圧装置内の上部に設けられた固定支持盤に取り付けて、透明面材と支持面材とを対向させる。
また、透明面材および支持面材の両方を、減圧装置内の上下に設けた移動支持機構で支持してもよい。
支持面材は、ガラス板、樹脂板等の透明面材である。比較的大面積の支持面材を用いる場合には、支持面材の反り、撓み等があると粘着層の表面性状に悪影響を及ぼすおそれがあるため、より剛性の高いガラス板を用いることが好ましい。また、ガラス板を支持面材として用いる場合のガラス板の厚さは0.5〜10mmが好ましい。厚さが0.5mmより薄いと反りや撓みが発生しやすく、10mmより厚いと支持面材の質量が不要に大きくなり、粘着層の硬化前の積層物を移動させる際に支持面材がずれやすくなるおそれがある。ガラス板の厚さは、特に好ましくは1.0〜5.0mmである。
支持面材への保護フィルムの貼着は、ロール状の巻物として供給される保護フィルムを、ゴムロール等を用いて支持面材に貼着させることによって行われる。この時、支持面材と保護フィルムの粘着面の間に空隙が発生しないように、ゴムロールを支持面材に押しあてたり、減圧空間で貼着させることができる。
透明面材および支持面材を所定の位置に配置した後、減圧装置の内部を減圧して所定の減圧雰囲気とする。可能であれば、減圧操作中または所定の減圧雰囲気とした後に、減圧装置内で透明面材および支持面材を所定の位置に配置させてもよい。
減圧装置の内部が所定の減圧雰囲気となった後、移動支持機構で支持された支持面材を下方に移動し、透明面材の上の第一組成物の上に、保護フィルムが貼着された支持面材を、保護フィルムが第一組成物に接するように重ね合わせる。
重ね合わせによって、透明面材の表面、支持面材に貼着された保護フィルムの表面、および堰状部で囲まれた空間内に、第一組成物が密封される。
重ね合わせの際、支持面材の自重、移動支持機構からの押圧等によって、第一組成物が押し広げられ、前記空間内に第一組成物が充満し、未硬化の層状部が形成される。その後、工程(d)において高い圧力雰囲気に曝した際に、空隙の少ないまたは空隙のない未硬化の層状部が形成される。
重ね合わせの際の減圧雰囲気は、1kPa以下であり、10〜300Paが好ましく、15〜100Paがより好ましい。減圧雰囲気があまりに低圧であると、第一組成物に含まれる各成分(硬化性化合物、光重合開始剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、光安定剤等)に悪影響を与えるおそれがある。たとえば、減圧雰囲気があまりに低圧であると、各成分が気化するおそれがあり、また、減圧雰囲気を提供するために時間がかかることがある。
透明面材と支持面材とを重ね合わせた時点から減圧雰囲気を解除するまでの時間は、特に限定されず、第一組成物の密封後、直ちに減圧雰囲気を解除してもよく、第一組成物の密封後、減圧状態を所定時間維持してもよい。減圧状態を所定時間維持することによって、第一組成物が密閉空間内を流れて透明面材と、支持面材に貼着された保護フィルムと間の間隔が均一となり、雰囲気圧力を上げても密封状態を維持しやすくなる。減圧状態を維持する時間は、数時間以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、1時間以内が好ましく、10分以内がより好ましい。
本発明の製造方法においては、粘度が高い第二組成物を塗布して堰状部を形成した場合、工程(c)で得られた積層物における第一組成物の厚さを0.03〜2mmと比較的厚くすることができる。
(工程(d))
工程(c)において減圧雰囲気を解除した後、積層物を雰囲気圧力が50kPa以上の圧力雰囲気下に置く。
積層物を50kPa以上の圧力雰囲気下に置くと、上昇した圧力によって透明面材と支持面材とが密着する方向に押圧されるため、積層物内の密閉空間に空隙が存在すると、空隙に未硬化の層状部が流動していき、密閉空間全体が未硬化の層状部によって均一に充填される。
圧力雰囲気は、通常80k〜120kPaである。圧力雰囲気は、大気圧雰囲気であってもよく、それよりも高い圧力であってもよい。未硬化の層状部の硬化等の操作を、特別な設備を要することなく行うことができる点から、大気圧雰囲気が最も好ましい。
積層物を50kPa以上の圧力雰囲気下に置いた時点から未硬化の層状部の硬化を開始するまでの時間(以下、高圧保持時間と記す。)は、特に限定されない。積層物を減圧装置から取り出して硬化装置に移動し、硬化を開始するまでのプロセスを大気圧雰囲気下で行う場合には、そのプロセスに要する時間が高圧保持時間となる。よって、大気圧雰囲気下に置いた時点ですでに積層物の密閉空間内に空隙が存在しない場合、またはそのプロセスの間に空隙が消失した場合は、直ちに未硬化の層状部を硬化させることができる。空隙が消失するまでに時間を要する場合は、積層物を空隙が消失するまで50kPa以上の圧力の雰囲気下で保持する。また、高圧保持時間が長くなっても通常支障は生じないことから、プロセス上の他の必要性から高圧保持時間を長くしてもよい。高圧保持時間は、1日以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、6時間以内が好ましく、1時間以内がより好ましく、さらに生産効率が高まる点から、10分以内が特に好ましい。
ついで、未硬化の層状部および未硬化または半硬化の堰状部を硬化させることによって、層状部および堰状部を有する粘着層が形成される。この際、未硬化または半硬化の堰状部は、未硬化の層状部の硬化と同時に硬化させてもよく、未硬化の層状部の硬化の前にあらかじめ硬化させてもよい。
未硬化の層状部および未硬化または半硬化の堰状部は、光硬化性組成物からなる場合、光を照射して硬化させる。たとえば、光源(紫外線ランプ、高圧水銀灯、UV−LED等)から紫外線または短波長の可視光を照射して、光硬化性樹脂組成物を硬化させる。
光としては、紫外線または波長450nm以下の可視光が好ましい。
透明面材の周縁部に遮光部が形成されている場合、または透明面材に反射防止層が設けられ、反射防止層、または反射防止層を形成した透明樹脂フィルムやその反射防止フィルムと透明面材との間に設けられた粘着層等が紫外線を透過しない場合は、支持面材の側から光を照射する。
未硬化の層状部が光硬化性組成物からなる場合で、かつ充分に光硬化させると好適なせん断弾性率が得られない場合、硬化途中で光照射を中断して層状部を形成し、粘着層付き透明面材と表示パネルとを貼合した後に、層状部に再び光照射したり、または加熱することで層状部の硬化を促進してもよい。加熱することで硬化を促進する場合、光硬化性組成物に微量の熱重合開始剤を含ませてもよい。また、熱重合開始剤を併用しない場合であっても、不完全な光硬化後に加熱保持することで層状部の硬化状態を安定化でき好ましい。
本発明の製造方法は、通常、フィルムが耐え得るような低温で行われるため、保護フィルムの保護の点で有利である。
(工程(e))
工程(d)の後、支持面材を保護フィルムから剥離することによって、充分な粘着力を有する粘着層が、あらかじめ透明面材に形成され、かつ透明面材と粘着層との界面における空隙の発生が充分に抑えられた、粘着層付き透明面材が得られる。
(工程(f))
工程(c)の前または工程(e)の後、保護フィルムにカッターナイフ等によって切れ込みを形成し、保護フィルムを枠状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離する。工程(c)の前に保護フィルムに切れ込みを形成して残存部と内側剥離部とに分離した場合、工程(c)において、保護フィルムを支持面材に貼着することが困難となったり、保護フィルムが貼着された支持面材と透明面材の上の第一組成物とを重ね合わせる際に保護フィルムの切れ込みを所定の位置に合わせることが困難となったりする点から、工程(e)の後、保護フィルムに切れ込みを形成して残存部と内側剥離部とに分離することが好ましい。この際、保護フィルムの下の粘着層にカッターナイフの刃が到達しても構わないが、透明面材が遮光部(遮光印刷部)を有する場合、カッターナイフが粘着層を超えて遮光部に到達すると、透明面材側から遮光部の傷として視認されることがあるため、カッターナイフが遮光部と接触しないことが好ましい。
また、工程(e)の後、透明面材の周端から保護フィルムがはみ出している場合、必要に応じて余分な保護フィルムをカッターナイフ等によって切断し、取り除いてもよい。
〔具体例〕
以下、図1および図2に示す粘着層付き透明面材1の製造方法を、図面を用いて具体的に説明する。
(工程(a))
図6および図7に示すように、保護板10(透明面材)の周縁部の遮光印刷部12の外周端に沿ってディスペンサ(図示略)等によって堰状部形成用光硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化の堰状部22を形成する。
(工程(b))
ついで、図8および図9に示すように、保護板10の未硬化の堰状部22に囲まれた矩形状の領域24に層状部形成用光硬化性樹脂組成物26を供給する。層状部形成用光硬化性樹脂組成物26の供給量は、未硬化の堰状部22と保護板10と保護フィルム16(図10参照)とによって密閉される空間が層状部形成用光硬化性樹脂組成物26によって充填されるだけの量にあらかじめ設定されている。
層状部形成用光硬化性樹脂組成物26の供給は、図8および図9に示すように、保護板10を下定盤28に平置きにし、水平方向に移動するディスペンサ30によって層状部形成用光硬化性樹脂組成物26を線状、帯状または点状に供給することによって実施される。
ディスペンサ30は、一対の送りねじ32と、送りねじ32に直交する送りねじ34とからなる公知の水平移動機構によって、領域24の全範囲において水平移動可能となっている。なお、ディスペンサ30の代わりに、ダイコータを用いてもよい。
(工程(c))
ついで、図10に示すように、保護板10と、保護フィルム16が貼着された支持面材36とを減圧装置38内に搬入する。減圧装置38内の上部には、複数の吸着パッド40を有する上定盤42が配置され、下部には、下定盤44が設けられている。上定盤42は、エアシリンダ46によって上下方向に移動可能とされている。
支持面材36は、保護フィルム16が貼着された面を下にして吸着パッド40に取り付けられる。保護板10は、層状部形成用光硬化性樹脂組成物26が供給された面を上にして下定盤44の上に固定される。
ついで、減圧装置38内の空気を真空ポンプ48によって吸引する。減圧装置38内の雰囲気圧力が、たとえば15〜100Paの減圧雰囲気に達した後、支持面材36を上定盤42の吸着パッド40によって吸着保持した状態で、下に待機している保護板10に向けて、エアシリンダ46を動作させて下降させる。そして、保護板10と、保護フィルム16が貼着された支持面材36とを、未硬化の堰状部22を介して重ね合わせて、保護板10、保護フィルム16および未硬化の堰状部22で層状部形成用光硬化性樹脂組成物26からなる未硬化の層状部が密封された積層物を構成し、減圧雰囲気下で所定時間積層物を保持する。
なお、下定盤44に対する保護板10の取り付け位置、吸着パッド40の個数、上定盤42に対する支持面材36の取り付け位置等は、保護板10および支持面材36のサイズ、形状等に応じて適宜調整する。この際、吸着パッドとして静電チャックを用い、国際公開第2010/016588号パンフレット(本明細書に組み入れられる。)に記載の静電チャック保持方法を採用することで、支持面材36を安定して減圧雰囲気下で保持できる。
(工程(d))
ついで、減圧装置38の内部を、たとえば大気圧雰囲気にした後、積層物を減圧装置38から取り出す。積層物を大気圧雰囲気下に置くと、積層物の保護板10側の表面と支持面材36側の表面とが大気圧によって押圧され、密閉空間内の未硬化の層状部が保護板10と支持面材36とで加圧される。この圧力によって、密閉空間内の未硬化の層状部が流動して、密閉空間全体が未硬化の層状部によって均一に充填される。
ついで、支持面材36の側から堰状部および未硬化の層状部に光(紫外線や短波長の可視光)を照射し、積層物内部の未硬化の層状部を硬化させ、層状部18および堰状部20を有する粘着層14を形成する。
(工程(e))
ついで、支持面材36を保護フィルム16から剥離することによって、粘着層付き透明面材1が得られる。
(工程(f))
ついで、図11に示すように、法線方向からみて遮光印刷部12と重なる部分の保護フィルム16にカッターナイフ49の刃を押し付けた状態で、カッターナイフ49を遮光印刷部12に沿って面方向に移動させることによって切れ込み16cを形成し、保護フィルム16を周縁部の残存部16bと、該残存部16bによって囲まれた内側剥離部16aとに分離する。
(作用効果)
以上説明した本発明の粘着層付き透明面材の製造方法にあっては、比較的大面積の粘着層付き透明面材を、透明面材または保護フィルムと粘着層との界面に空隙を発生させることなく製造できる。仮に、減圧下で密封した未硬化の層状部に空隙が残存しても、硬化前の高い圧力雰囲気下では密封した未硬化の層状部にもその圧力がかかり、その空隙の体積は減少し、微細化した空隙は粘着層に吸収されるなどして容易に消失する。たとえば、100Pa下で密封した未硬化の層状部中の空隙中の気体の体積は100kPa下では1/1000になると考えられる。空隙中の気体は未硬化の層状部に溶解して吸収されることもあるので、微小体積の空隙中の気体は未硬化の層状部に速やかに溶解して消失する。
また、2枚の面材間の狭くかつ広い面積の空間に流動性の硬化性樹脂組成物を注入する方法(注入法)と比較すると、空隙の発生が少なくかつ短時間に第一組成物を充填できる。しかも、第一組成物の粘度の制約が少なく、高粘度の第一組成物を容易に充填できる。
したがって、層状部のせん断弾性率を低減しやすい比較的高分子量の硬化性化合物を含む高粘度の第一組成物を用いることができる。
また、大面積の透明面材の表面に、厚さの均一性を保持しつつ比較的厚い粘着層を形成できるため、得られる粘着層付き透明面材は、たわみやすい大面積の表示パネルの貼合においても、空隙の発生を充分に抑えることができる。
また、透明面材の寸法に合わせて粘着層を形成しているため、従来の粘着シートとは異なり、透明面材や表示パネルの寸法に合わせて粘着層を裁断する必要もない。特に低弾性率の粘着層の場合、裁断によりその形状が変形して、貼合時に該変形部に空隙が残存するおそれがない。
<表示装置>
図12は、本発明の表示装置の一例を示す断面図である。
表示装置2は、表示パネル50と、表示パネル50に粘着層14を介して貼合された、表示パネル50よりも面積の広い保護板10(透明面材)とを有するものであって、粘着層付き透明面材1から保護フィルム16の内側剥離部16aのみを剥離したものを、粘着層14が表示パネル50に接するように、表示パネル50に貼合したものである。
具体的には、表示装置2は、表示パネル50と;表示パネル50よりも面積が広く、かつ周縁部に額縁状の遮光印刷部12が形成され、遮光印刷部12によって囲まれた領域が表示パネル50の画像表示領域とほぼ同じ大きさの透光部13とされた保護板10と;保護板10および表示パネル50に挟まれた粘着層14と;粘着層14を介して表示パネルに貼合されていない保護板10の周縁部における粘着層14の表面を覆う、保護フィルム16の残存部16bと;表示パネル50に接続された表示パネル50を動作させる駆動ICを搭載したフレキシブルプリント配線板60(FPC)とを有するものである。
(表示パネル)
図示例の表示パネル50は、カラーフィルタを設けた透明基板52とTFTを設けた透明基板54とを液晶層56を介して貼合し、これを一対の偏光板58で挟んだ構成の液晶パネルの一例であるが、本発明における表示パネルは、図示例のものに限定されない。
表示パネルは、少なくとも一方が透明電極である一対の電極間や、同一面内に形成された複数の電極対を有する基板と透明基板との間などに、外部の電気信号によって光学様態が変化する表示材を挟持したものである。表示材の種類によって、液晶パネル、ELパネル、プラズマパネル、電子インク型パネル等がある。また、表示パネルは、少なくとも一方が透明基板である一対の面材を貼り合わせた構造を有しており、透明基板側が層状部と接するように配置する。この際、一部の表示パネルにおいては、層状部と接する側の透明基板の最外層側に偏光板、位相差板等の光学フィルムが設置されていることがある。この場合、層状部は表示パネル上の光学フィルムと保護板とを接合する様態となる。
表示パネルの粘着層との接合面には、粘着層との界面接着力を向上させるために、表面処理を施してもよい。表面処理は、周縁部だけであってもよく、面材の表面全体であってもよい。表面処理の方法としては、低温加工可能な接着用プライマー等で処理する方法等が挙げられる。
表示パネルの厚さは、TFTによって動作させる液晶パネルの場合は通常0.4〜4mmであり、ELパネルの場合は通常0.2〜3mmである。
(作用効果)
以上説明した本発明の表示装置にあっては、本発明の粘着層付き透明面材から保護フィルムの内側剥離部を剥離したものを、粘着層が表示パネルに接するように、表示パネルに貼合したものであるため、粘着層を介して表示パネルに貼合されていない透明面材の部分における粘着層の表面に、保護フィルムの残存部が残存することになる。よって、残存部が、表示装置において粘着層の表面を保護し続け、かつ透明面材が割れた際には、粘着層を介して貼着している透明面材からの破片の脱落を抑える。
(他の形態)
なお、本発明の表示装置は、図12に示すものに限定はされない。
たとえば、図5に示す粘着層付き透明面材1を用いる場合は、図13に示すように、粘着層付き透明面材1から保護フィルム16の外側剥離部16dを剥離したものを、粘着層14が筐体70に接するように、筐体70に貼合したものであってもよい。
<表示装置の製造方法>
本発明の表示装置の製造方法としては、たとえば、下記の工程(g)〜(i)を有する方法が挙げられる。
(g)本発明の粘着層付き透明面材から保護フィルムの内側剥離部を剥離する工程。
(h)必要に応じて、工程(g)と工程(i)との間に、粘着層付き透明面材を減圧雰囲気下にある減圧容器の内部に配置して粘着層の脱気処理を行う工程。
(i)工程(g)または工程(h)の後、図14に示すように、1kPa以下の減圧雰囲気下にて、表示パネル50と粘着層付き透明面材1とを、粘着層14が表示パネル50に接するように重ねて貼合する工程。
(工程(g))
保護フィルムの内側剥離部の剥離は、大気中で実施してもよいし、減圧雰囲気下で実施してもよい。保護フィルムの内側剥離部の剥離の際に減圧容器を準備する必要がない点では、保護フィルムの内側剥離部の剥離を大気中で実施することが好ましい。
粘着層のせん断弾性率を充分に小さい場合、保護フィルムの内側剥離部を剥離する際に粘着層を冷却して粘着層のせん断弾性率を高めると、保護フィルムの内側剥離部を容易に剥離できる。また、保護フィルムの内側剥離部を剥離する際の粘着層の変形が抑えられ、保護フィルムの内側剥離部を剥離した後の粘着層の厚さの均一性を高め、表示パネルとの貼合した際の空隙の発生を抑えることができる。粘着層を冷却する温度は、粘着層として用いる樹脂のガラス転移温度により異なる。ガラス転移温度をせん断弾性率測定における損失弾性率の極大値を示す温度とするとき、ガラス転移温度より40℃程度高い温度以下とすることが好ましい。下限の温度は特に規定されないが、保護フィルムに用いる樹脂によっては低温時に脆くなって剥離時に保護フィルムが裂けるおそれがある。そのため、粘着層の冷却温度は、−30℃程度以上が好ましい。
内側剥離部の保護フィルムを剥離する際に、保護フィルムと粘着層との粘着力より大きな粘着力を有する別の粘着層付きテープの一端を内側剥離部の保護フィルムの表面に貼着して、該テープの他の一端を支持して内側剥離部の保護フィルムを剥離すると、剥離が容易であり好ましい。
(工程(h))
保護フィルムの内側剥離部を剥離した粘着層付き透明面材を減圧雰囲気下にある減圧容器の内部に配置した状態で、粘着層の減圧脱気処理を行う。保護フィルムの内側剥離部を剥離した後の粘着層付き透明面材は、粘着層が露出した状態となるため、空気等の気体が粘着層中に吸収され、溶解する。また、保護フィルムの内側剥離部を剥離する前の段階においても、保護フィルムのガス透過性によっては、空気等の気体が保護フィルムをわずかに透過し、粘着層中に吸収され、溶解する。したがって、工程(h)では、減圧雰囲気下で粘着層の減圧脱気処理を行うことにより、粘着層の内部に溶解している気体の脱気を行う。
工程(h)では、雰囲気圧力と処理時間の2つのパラメータを適切に設定する必要がある。雰囲気圧力と処理時間の最適値は、粘着層の内部に溶解している気体の量等に影響を受ける。すなわち、雰囲気圧力と処理時間の最適値は、たとえば保護フィルムの内側剥離部を剥離してから工程(h)までの経過時間または保管状態、および粘着層の平均厚さ(体積)等によって影響を受ける。最終的には、表示パネルと粘着層との界面に生じる空隙を最終的に消失させることができるだけの雰囲気圧力と処理時間を実験結果等から設定すればよい。
通常の場合、雰囲気圧力が5Pa以上、3kPa以下、脱気時間が5分以上の条件で脱気処理を行うことが好ましく、雰囲気圧力が10Pa以上、1kPa以下、脱気時間が10分以上の条件で脱気処理を行うことがより好ましい。
工程(h)で用いる減圧容器は、粘着層付き透明面材を内部に収容でき、所望の減圧雰囲気下で脱気処理が可能なものであれば、特に形態を問わない。ただし、たとえば後工程の工程(i)のタクトタイムと工程(h)のタクトタイムとのバランスを考慮して減圧容器の形態を最適化してもよい。具体的には、工程(h)のタクトタイムが工程(i)のタクトタイムよりも長い場合には、製造設備全体の生産性が工程(h)のタクトタイムで律速される。この場合には、たとえば複数の粘着層付き透明面材を収納できる減圧容器を用いることが好ましい。該減圧容器を使用すれば、減圧脱気処理が終わった粘着層付き透明面材を減圧容器の内部で所定の時間、保管することができる。減圧容器を脱気処理後の粘着層付き透明面材の保管庫として利用しながら粘着層付き透明面材を必要に応じて搬出して貼合装置に移送すれば、製造設備全体の生産性が向上する。
また、粘着層付き透明面材の全体を減圧容器に収納することなく、透明面材の粘着層が形成されていない面を定盤等に固定し、粘着層のみを減圧脱気できるような減圧容器を、透明面材の粘着層が形成されている面に設置して粘着層の減圧脱気処理を行うこともできる。
(工程(i))
貼合の際の減圧雰囲気は、1kPa以下であり、10〜500Paが好ましく、15〜200Paがより好ましい。
表示パネルと粘着層付き透明面材とを重ね合わせた時点から減圧雰囲気を解除するまでの時間は、数時間以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、1時間以内が好ましく、10分以内がより好ましい。
表示パネルと粘着層付き透明面材とを貼合した後に、硬化が不完全な粘着層に再び光照射したり、加熱したりすることで粘着層の硬化を促進し、粘着層の硬化状態を安定化してもよい。
(作用効果)
以上説明した本発明の表示装置の製造方法にあっては、本発明の粘着層付き透明面材から保護フィルムの内側剥離部を剥離した後、表示パネルと粘着層付き透明面材とを、粘着層が表示パネルに接するように重ねて貼合しているため、粘着層を介して表示パネルに貼合されていない透明面材の部分における粘着層の表面に、保護フィルムの残存部が残存することになる。よって、表示パネルを保護する透明面材が割れたとしても、表示パネルに貼合されていない透明面材から破片が脱落しにくい表示装置を製造できる。
また、1kPa以下の減圧雰囲気下にて、表示パネルと粘着層付き透明面材とを、粘着層が表示パネルに接するように重ねて貼合するため、表示パネルと粘着層との界面に空隙が残存していても、これを大気圧雰囲気下に戻した際に、空隙内の圧力(減圧のまま)と粘着層にかかる圧力(大気圧)との差圧によって空隙の体積が減少し、微細化した空隙は粘着層に吸収されて消失する。また、本発明の粘着層付き透明面材を用いているため、透明面材と粘着層との界面における空隙の発生も充分に抑えられたものとなる。
以下に、本発明の有効性を確認するために実施した例について示す。本発明をより具体的に実施例および比較例により説明するが、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
例1は実施例であり、例2は比較例である。
(数平均分子量)
オリゴマーの数平均分子量は、GPC装置(TOSOH社製、HLC−8020)を用いて求めた。
(粘度)
光硬化性樹脂組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業社製、RE−85U)にて測定した。
(厚さ)
粘着層の層状部および堰状部の厚さは、レーザー変位計(キーエンス社製、LK−G80)にて10箇所について測定し、平均値を求めた。
レーザー変位計による計測が難しい場合には、表面粗さ形状測定機(東京精密社製、SURFCOM 1400D−12)を用いて、層状部および堰状部の厚さを計測した。
(ヘイズ値)
ヘイズ値は、東洋精機製作所社製のヘイズガードIIを用い、ASTM D1003に準じた測定によって求めた。
(せん断弾性率)
粘着層の層状部のせん断弾性率は、レオメーター(アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR−301)を用い、測定スピンドルと透光性の定板の隙間を層状部の厚さと同一として、その隙間に未硬化の第一組成物、または第二組成物を配置し、透光性の定板を介して硬化に必要な光を未硬化の第一組成物、または第二組成物に照射しながら硬化過程のせん断弾性率を測定し、所定の硬化条件における層状部、および堰状部のせん断弾性率を測定した。せん断弾性率測定時の粘着層の温度は35℃であった。
(耐衝撃性試験)
JIS R 3211:1998(自動車用安全ガラス)の耐衝撃性試験に準拠し、質量227g、直径38mmの鋼球を10mの高さから表示装置の保護板側に落球させ、表示装置から脱落したガラスの質量を測定した。
〔例1〕
(透明面材)
長さ531.8mm、幅323.9mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラスの一方の表面の周縁部に、透光部が長さ477.2mm、幅269.3mmとなるように黒色顔料を含むインクによる印刷にて額縁状に遮光印刷部を形成して、保護板Aを作製した。
(支持面材)
長さ570mm、幅370mm、厚さ5mmのソーダライムガラスの片面に、長さ570mm、幅370mm、厚さ0.075mmの保護フィルム(東セロ社製、ピュアテクトVLH−9)を、保護フィルムの粘着面がガラスに接するようにゴムロールを用いて貼着し、保護フィルムが貼着された支持面材Bを作製した。
(表示パネル)
市販の21.5型液晶モニター(DELL社製 U2212HM)から液晶パネルを取り出した。液晶パネルは、長さ495.6mm、幅292.2mm、厚さ約2mmであった。液晶パネルの両面には偏光板が貼着されており、駆動用のFPCが長辺の片側に6枚、短辺の片側に4枚接合されていて、長辺側のFPCの端部にはプリント配線板が接合されていた。画像表示領域は、長さ475.2mm、幅267.3mmであった。該液晶パネルを表示パネルGとした。
(堰状部形成用光硬化性樹脂組成物)
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)と、ヘキサメチレンジイソシアネートとを、6対7となるモル比で混合し、ついでイソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製、IBXA)で希釈した後、錫化合物の触媒存在下で70℃で反応させて得られたプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをほぼ1対2となるモル比で加えて70℃で反応させることによって、30質量%のイソボルニルアクリレートで希釈されたウレタンアクリレートオリゴマー(以下、UC−1と記す。)溶液を得た。UC−1の硬化性基数は2であり、数平均分子量は約55000であった。UC−1溶液の60℃における粘度は約580Pa・sであった。
UC−1溶液の90質量部および2−ヒドロキシブチルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステル HOB)の10質量部を均一に混合して混合物を得た。該混合物の100質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 184)の0.9質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 819)の0.1質量部、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製)の0.04質量部、および酸化防止剤(BASF社製、IRGANOX 1010)の0.5質量部を均一に混合し、堰状部形成用光硬化性樹脂組成物Cを得た。
堰状部形成用光硬化性樹脂組成物Cを容器に入れたまま開放状態で減圧装置内に設置して、減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行った。堰状部形成用光硬化性樹脂組成物Cの25℃における粘度を測定したところ、約1400Pa・sであった。
(層状部形成用光硬化性樹脂組成物)
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)と、イソホロンジイソシアネートとを、4対5となるモル比で混合し、錫化合物の触媒存在下で、70℃で反応させて得られたプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをほぼ1対2となるモル比で加えて70℃で反応させることによって、ウレタンアクリレートオリゴマー(以下、UA−1と記す。)を得た。UA−1の硬化性基数は2であり、数平均分子量は約24000であり、25℃における粘度は約830Pa・sであった。
UA−1の40質量部、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステル HOB)の30質量部、およびn−ドデシルメタクリレートの30質量部を均一に混合し、その後、該混合物の100質量部に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、BASF社製、IRGACURE 819)の0.5質量部、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製)の0.04質量部、n−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、花王社製、チオカルコール20)の1.0質量部、および酸化防止剤(BASF社製、IRGANOX 1010)の0.3質量部を均一に溶解させて、層状部形成用光硬化性樹脂組成物Dを得た。
層状部形成用光硬化性樹脂組成物Dを容器に入れたまま開放状態で減圧装置内に設置して、減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行った。層状部形成用光硬化性樹脂組成物Dの25℃における粘度を測定したところ、1.9Pa・sであった。
(工程(a))
塗布の中心位置が保護板Aの端部から1.75mmとなるよう、保護板Aの遮光印刷部の外周端の全周にわたって、幅約1mm、塗布厚さ約0.6mmとなるように堰状部形成用光硬化性樹脂組成物Cをディスペンサにて塗布し、未硬化の堰状部を形成した。
(工程(b))
保護板Aに塗布された未硬化の堰状部の内側の領域に、層状部形成用光硬化性樹脂組成物Dを、ディスペンサを用いて総質量が74gとなるように複数個所に供給した。
層状部形成用光硬化性樹脂組成物Dを供給する間、未硬化の堰状部の形状は維持されていた。
(工程(c))
保護板Aを、一対の定盤の昇降装置が設置されている減圧装置内の下定盤の上に、層状部形成用光硬化性樹脂組成物Dの面が上になるように平置した。
保護フィルムが貼着された支持面材Bを、減圧装置内の昇降装置の上定盤の下面に静電チャックを用いて、垂直方向では保護板Aとの距離が30mmとなるように保持させた。
減圧装置を密封状態として減圧装置内の圧力が約10Paとなるまで排気した。減圧装置内の昇降装置にて上下の定盤を接近させ、保護板Aと、保護フィルムが貼着された支持面材Bとを、層状部形成用光硬化性樹脂組成物Dを介して2kPaの圧力で圧着し、1分間保持させた。静電チャックを除電して上定盤から支持面材を離間させ、約15秒で減圧装置内を大気圧雰囲気に戻し、保護板A、保護フィルムおよび堰状部で層状部形成用光硬化性樹脂組成物Dからなる未硬化の層状部が密封された積層物Eを得た。
積層物Eにおいて堰状部の形状は、ほぼ初期の状態のまま維持されていた。
(工程(d))
積層物Eの堰状部および未硬化の層状部に、支持面材の側から、ケミカルランプからの紫外線および波長450nm以下の可視光を均一に照射し、未硬化の層状部を硬化させることによって、粘着層を形成した。従来の注入法による製造時に要する空隙除去の工程が不要であるにもかかわらず、粘着層中に残留する空隙等の欠陥は確認されなかった。また、堰状部からの層状部形成用光硬化性樹脂組成物の漏れ出し等の欠陥も確認されなかった。また、粘着層の厚さ(堰状部20の厚さおよび層状部の厚さ)は、目標とする厚さ(約0.4mm)となっていた。また、粘着層の堰状部、および層状部のせん断弾性率を工程(d)と同条件で硬化させて測定したところ、それぞれ、7×10Pa、7×10Paであった。
(工程(e))
支持面材を保護フィルムから剥離することによって、保護フィルムが貼設された粘着層付き透明面材Fを得た。この粘着層付き透明面材Fを60℃の恒温槽内に水平に配置して1時間加熱した後に取り出した。保護板Aと粘着層との界面に空隙は見られなかった。
(工程(f))
保護フィルムの内側剥離部が長さ496mm、幅293mmとなるように、新聞記事切り抜き用の刃先が僅かに刃先カバーより露出したカッターナイフによって保護フィルムに切れ込みを形成し、保護フィルムを額縁状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離した。
(工程(g))
粘着層付き透明面材Fを大気中にて1週間保管した後、−18℃の冷凍庫に30分間保存した。その後、冷凍庫より粘着層付き透明面材Fを取り出し、大気中にて、直ちに内側剥離部の保護フィルムの切れ込み部よりピンセットを差し入れて保護フィルムを挟み、粘着層付き透明面材Fから保護フィルムの内側剥離部のみを剥離した。
(工程(h))
減圧脱気装置にて、保護フィルムの内側剥離部のみを剥離した粘着層付き透明面材Fの減圧脱気処理を行った。減圧脱気処理の条件は、雰囲気圧力が100Pa、処理時間が10分であった。
(工程(i))
表示パネルGを一対の定盤の昇降装置が設置されている減圧装置内の下定盤の上に、表示面が上になるように平置した。
保護フィルムの内側剥離部のみを剥離し、減圧脱気処理を行った粘着層付き透明面材Fを、減圧装置内の昇降装置の上定盤の下面に静電チャックを用いて、粘着層面が下になり、表示パネルGとの距離が30mmとなるように保持させた。このとき、表示パネルGの表示領域全体が、粘着層付き透明面材Fの遮光印刷部に囲まれた透光部の領域に配置されるように、粘着層付き透明面材Fの保持位置を調節した。
減圧装置を密封状態として減圧装置内の圧力が約10Paとなるまで排気した。減圧脱気装置から粘着層付き透明面材Fを取り出し、減圧装置内に配置して減圧装置の排気を始めるまでの時間は1分以内とした。減圧装置内の昇降装置にて上下の定盤を接近させ、表示パネルGと粘着層付き透明面材Fとを粘着層を介して2kPaの圧力で圧着し、1分間保持させた。静電チャックを除電して、上定盤から粘着層付き透明面材Fを離間させ、約20秒で減圧装置内を大気圧に戻し、表示装置Hを得た。
表示装置Hを10分間静置した後に観察したところ、表示パネルGと粘着層との界面に微細な空隙が僅かに見られた。表示装置Hを1時間放置した後に再度観察したところ、空隙はすべて消失しており、表示パネルGと粘着層付き透明面材Fとが粘着層を介して欠陥なく貼合された表示装置Hが得られた。
表示装置Hを、表示パネルGを取り出した液晶モニターの筺体に戻し、配線を再接合して電源を入れたところ、均質で良好な画像が得られ、画像表示面を指で強く押しても画像が乱れることはなく、粘着層付き透明面材Fが表示パネルGを効果的に保護していた。
表示装置Hについて耐衝撃性試験を行ったところ、落球により保護板Aは破砕したが、表示パネルGが貼合されている領域と同様に、表示パネルGに貼合されていない保護板Aの周縁部においても破砕片が表示装置Hからほとんど脱落することがなかった。
〔例2〕
例1の保護板A、支持面材Bと同様に保護板A'、支持面材B'を作製した。市販の21.5型液晶モニター(DELL社製 U2212HM)から表示パネルG'を取りだした。
例1の工程(a)において、塗布の中心を保護板A’の遮光印刷部の内縁から外側に1.75mmの位置の全周にわたって、幅約1mm、塗布厚さ0.6mmとなるように堰状部形成用光硬化性樹脂組成物Cをディスペンサにて遮光印刷上に塗布し、未硬化の堰状部を形成し、工程(b)において、保護板A’に塗布された未硬化の堰状部の内側の領域に、層状部形成用光硬化性樹脂組成物Dを、ディスペンサを用いて総質量が58gとなるように複数個所に供給した以外は、例1と同様にして、工程(c)〜工程(e)により、保護フィルムが貼設された粘着層付き透明面材F’を得た。この粘着層付き透明面材F’を60℃の恒温槽内に水平に配置して1時間加熱した後に取り出した。保護板A’と粘着層との界面に空隙は見られなかった。
次に、例1の工程(f)は行わず、例1の工程(g)において、粘着層付き透明面材F’を大気中にて1週間保管した後、−18℃の冷凍庫に30分間保存した。その後、冷凍庫より粘着層付き透明面材F’を取り出し、大気中にて、直ちに粘着層付き透明面材F’から保護フィルム全体を剥離し、例1と同様にして、工程(h)、工程(i)により表示装置H’を得た。
表示装置H’を10分間静置した後に観察したところ、表示パネルG’と粘着層との界面に微細な空隙が僅かに見られた。表示装置H’を1時間放置した後に再度観察したところ、空隙はすべて消失しており、表示パネルG’と粘着層付き透明面材F’とが粘着層を介して欠陥なく貼合された表示装置H’が得られた。
表示装置H’を、表示パネルG’を取り出した液晶モニターの筺体に戻し、配線を再接合して電源を入れたところ、均質で良好な画像が得られ、画像表示面を指で強く押しても画像が乱れることはなく、粘着層付き透明面材F’が表示パネルG’を効果的に保護していた。
表示装置H’について耐衝撃性試験を行ったところ、落球により保護板A’は破砕したが、表示パネルG’が貼合されている領域においては破砕片の脱落はなかったものの、表示パネルG’に貼合されていない保護板A’の周縁部からは大きな破片が脱落した。
本出願は、2012年3月14日出願の日本特許出願2012−057247に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の粘着層付き透明面材によれば、表示パネルと貼合されることによって、透明面材が割れたとしても、透明面材において表示パネルに貼合されていない部分から破片が脱落しにくい表示装置を提供できる。
1 粘着層付き透明面材
2 表示装置
10 保護板(透明面材)
12 遮光印刷部(遮光部)
13 透光部
14 粘着層
16 保護フィルム
16a 内側剥離部
16b 残存部
16c 切れ込み
16d 外側剥離部
16e 切れ込み
18 層状部
20 堰状部
22 未硬化の堰状部
24 領域
26 層状部形成用光硬化性樹脂組成物
36 支持面材
50 表示パネル

Claims (12)

  1. 透明面材と、
    該透明面材の少なくとも一方の表面を覆う粘着層と、
    該粘着層の全面を覆う、剥離可能な保護フィルムと
    を有する粘着層付き透明面材であって、
    前記保護フィルムが、前記保護フィルムに形成された切れ込みによって、枠状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離された、粘着層付き透明面材。
  2. 前記粘着層が、前記透明面材の表面に沿って広がる層状部と、該層状部の周縁を囲む堰状部とを有する、請求項1に記載の粘着層付き透明面材。
  3. 前記透明面材が、少なくとも一方の表面に形成された枠状の遮光部と、該遮光部によって囲まれた透光部とを有し、
    前記保護フィルムに形成された切れ込みが、前記透明面材の法線方向からみて前記遮光部と重なる部分に形成されている、請求項1に記載の粘着層付き透明面材。
  4. 前記透明面材の法線方向からみて前記透光部と重なる部分の前記粘着層の平均厚さが、0.03〜2mmである、請求項3に記載の粘着層付き透明面材。
  5. 前記内側剥離部が、2つ以上形成されている、請求項1に記載の粘着層付き透明面材。
  6. 前記保護フィルムが、前記保護フィルムに形成された切れ込みによって、枠状の外側剥離部と、該外側剥離部によって囲まれた枠状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離された、請求項1に記載の粘着層付き透明面材。
  7. 前記透明面材が、表示装置の保護板である、請求項1に記載の粘着層付き透明面材。
  8. 請求項2に記載の粘着層付き透明面材の製造方法であって、
    下記の工程(a)〜(f)を有する、粘着層付き透明面材の製造方法:
    (a)透明面材の表面の周端に、液状の堰状部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して堰状部を形成する工程;
    (b)前記工程(a)の後、前記堰状部で囲まれた領域に、液状の層状部形成用硬化性樹脂組成物を供給する工程;
    (c)前記工程(b)の後、1kPa以下の減圧雰囲気下にて、前記層状部形成用硬化性樹脂組成物の上に、保護フィルムが貼着された支持面材を、該保護フィルムが前記層状部形成用硬化性樹脂組成物に接するように重ねて、前記透明面材、前記保護フィルムおよび前記堰状部で前記層状部形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の層状部が密封された積層物を得る工程;
    (d)前記工程(c)の後、50kPa以上の圧力雰囲気下に前記積層物を置いた状態にて、前記未硬化の層状部を硬化させ、層状部および堰状部を有する粘着層を形成する工程;
    (e)前記工程(d)の後、前記支持面材を前記保護フィルムから剥離する工程;及び
    (f)前記工程(c)の前または前記工程(e)の後、前記保護フィルムに切れ込みを形成し、前記保護フィルムを枠状の残存部と、該残存部によって囲まれた内側剥離部とに分離する工程。
  9. 前記透明面材として、少なくとも一方の表面に形成された枠状の遮光部と、該遮光部によって囲まれた透光部とを有するものを用い、
    前記切れ込みを、前記透明面材の法線方向からみて前記遮光部と重なる部分に形成する、請求項8に記載の粘着層付き透明面材の製造方法。
  10. 表示パネルと、
    該表示パネルに粘着層を介して貼合された、該表示パネルよりも面積の広い透明面材と
    を有する表示装置であって、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着層付き透明面材から前記保護フィルムの前記内側剥離部を剥離したものを、前記粘着層が前記表示パネルに接するように、前記表示パネルに貼合した、表示装置。
  11. 表示パネルと、該表示パネルに粘着層を介して貼着された、該表示パネルよりも面積の広い透明面材とを有する表示装置の製造方法であって、
    下記の工程(g)および工程(i)を有する、表示装置の製造方法:
    (g)請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着層付き透明面材から前記保護フィルムの前記内側剥離部を剥離する工程;及び
    (i)前記工程(g)の後、1kPa以下の減圧雰囲気下にて、前記表示パネルと前記粘着層付き透明面材とを、前記粘着層が表示パネルに接するように重ねて貼合する工程。
  12. 下記の工程(h)をさらに有する、請求項11に記載の表示装置の製造方法:
    (h)前記工程(g)と前記工程(i)との間に、前記粘着層付き透明面材を減圧雰囲気下にある減圧容器の内部に配置して前記粘着層の脱気処理を行う工程。
JP2014504845A 2012-03-14 2013-03-08 粘着層付き透明面材、表示装置およびそれらの製造方法 Withdrawn JPWO2013137158A1 (ja)

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