JPWO2013128638A1 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

軌跡制御の実行期間に生じた操舵入力がオーバーライドであるか否かを高精度に判定する。操舵装置(200)を備えた車両(1)を制御する装置(100)は、前記車両の軌跡を目標軌跡に追従させる軌跡制御のための前記操舵装置の第1目標制御量を設定する第1目標制御量設定手段(120)と、前記設定された第1目標制御量に基づいて前記操舵装置を制御することにより前記軌跡制御を実行する制御手段と、前記軌跡制御の実行期間における操舵入力の大きさ及び周波数を特定する特定手段と、前記特定された大きさ及び周波数に基づいて前記操舵入力が運転者によるオーバーライドであるか否かを判定する判定手段(113)とを具備する。

Description

本発明は、例えばEPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング装置)やVGRS(Variable Gear Ratio Steering:可変ギア比ステアリング装置)等の各種操舵装置を備えた車両において、例えばLKA(Lane Keeping Assist:車線維持走行)等、車両を目標走行路に追従させる軌跡制御を行うための、車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の軌跡制御が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された車両の走行支援装置は、操舵トルク補助手段と舵角可変手段とを備えた車両において、操舵トルク補助手段により車両を目標走行路に追従させると共に、その際に生じる車両の挙動変化を舵角可変手段により抑制する構成となっている。
一方、この種の軌跡制御が実行される期間においても、運転者の意思に基づいた操舵操作、所謂オーバーライドは大小様々な規模で不定期に発生する。このオーバーライドにより促される舵角の変化は、軌跡制御における舵角の変化としばしば干渉するため、この種の軌跡制御がなされる車両においては、オーバーライドの高精度な検出が望まれている。その点、特許文献1に開示された装置を含む従来の装置では、操舵角度、操舵角速度及び操舵トルク並びにこれらに対応する制御量等、各種操舵入力の大きさに基づいてオーバーライドの有無が判定される構成となっている。
尚、ドライバ操舵とアクチュエータによる操舵との干渉を防止する技術としては、目標ヨーレイトの低周波成分を前輪操舵手段で制御し、外乱に対応する高周波成分を後輪操舵手段で制御する装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献3には、転舵角に対応する信号にローパスフィルタ処理を施す技術及び操舵角に不感帯を設ける技術が開示されている。
また、特許文献4には、ドライバの個人固有情報に基づいて不感帯等の操舵力特性を変更する技術が開示されている。
特開2011−031770号公報 特開2002−302508号公報 特開2010−528936号公報 特開2004−299594号公報
ところで、軌跡制御の実行期間においては、上述した運転者の意思に基づいたオーバーライドの他に、運転者の意思とは無関係な操舵入力も生じ得る。例えば、運転者が咳込んだり、くしゃみをしたり、よそ見をしていたり、注意力を欠いていたりする場合、ステアリングホイルが運転者の意思とは無関係に動く場合がある。或いは、路面の凹凸や横風等の走行条件によっても、この種の運転者の意思に沿わない操舵入力は生じ得る。これらは、一種の外乱であり、それにより生じる車両挙動の変化は、本来、軌跡制御により速やかに収束せしめられるのが望ましい。
ところが、オーバーライドであれ外乱であれ、これらは運転者の意思を判断する手段を備えないシステム側から見れば操舵入力の一種であり、従来のように操舵入力の大きさのみをオーバーライド判定に用いた場合、オーバーライドと外乱とを切り分けることが出来ない。
ここで、オーバーライド検出時の軌跡制御の実践的運用形態は一義的でないが、いずれにせよオーバーライドと外乱とを切り分けることが出来ない場合には、軌跡制御を運転者の望むように運用することが難しくなる。例えば、オーバーライド検出時に軌跡制御を中断する構成を採る場合、外乱に対しても軌跡制御が中断されることから、運転者は自身の意思と無関係に軌跡制御が終了したと感じることになる。また、外乱による車両の挙動変化を軌跡制御により補正する構成を採る場合、運転者の意思の基づいた軽微な操舵操作についても軌跡制御により補正されてしまうため、運転者は自身の意思が車両挙動に反映されないことに不快感を覚え易い。
即ち、従来の技術には、軌跡制御の実行期間に生じた操舵入力がオーバーライドであるか否かを正確に判定することが困難であるという技術的問題点を有するために、軌跡制御の実践的運用面において未だ改善の余地が残される。これは、特許文献2乃至4に開示される装置についても同様である。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、軌跡制御の実行期間に生じた操舵入力がオーバーライドであるか否かを高精度に判定し得る車両の制御装置を提供することを課題とする。また、望ましくは、係る判定の結果に基づいて軌跡制御を好適に運用せしめ得る車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の制御装置は、操舵装置を備えた車両を制御する装置であって、前記車両の軌跡を目標軌跡に追従させる軌跡制御のための前記操舵装置に関する第1目標制御量を設定する第1目標制御量設定手段と、前記設定された第1目標制御量に基づいて前記操舵装置を制御することにより前記軌跡制御を実行する制御手段と、前記軌跡制御の実行期間において、操舵入力の大きさ及び周波数に基づいて前記操舵入力がオーバーライドであるか否かを判定する判定手段とを具備することを特徴とする(第1項)。
本発明に係る車両の制御装置によれば、軌跡制御の実行期間において発生した操舵入力の大きさ及び周波数に基づいて、当該操舵入力がオーバーライドであるか否かが判定される。従って、当該操舵入力が運転者の明確な意思に基づいた操舵操作としてのオーバーライドであるか否かを高精度に判定することが出来る。
出願人の研究によれば、運転者の意思に基づいて行われるオーバーライドは、例えば1Hz内外の低周波帯域の操舵入力である。これに対して、オーバーライド以外の操舵入力を包括する概念としての外乱の周波数帯域は、オーバーライドよりも高周波側にある。無論、両者は周波数帯域のみで明確に切り分け得る程単純な関係にはないが、少なくとも定性的傾向として、オーバーライドと外乱との間で、その典型的な発生周波数帯域は異なっている。
従って、大きさと周波数との双方を勘案すれば、100%明確にこれらを分類することは適わなくても、オーバーライドの可能性が高い操舵入力をオーバーライドとして、外乱の可能性が高い操舵入力を外乱として、夫々所定の判定基準に従って判定することは可能である。即ち、本発明に係る車両の制御装置によれば、従来、オーバーライド或いは外乱として一括りに扱われていた操舵入力を、オーバーライドと外乱とに明確に分類することが出来る。
ここで、操舵入力をオーバーライドと外乱とに精度良く分類する技術は、軌跡制御の品質向上において顕著に有効に作用する。即ち、車両の軌跡を目標軌跡に追従させる軌跡制御の実行期間において操舵入力が生じた場合、軌跡制御本来の役割から言えば、操舵入力に起因する目標軌跡からの逸脱を速やかに収束させることが望まれる。ところが、オーバーライドは運転者の意思の表れであるところ、オーバーライドによる目標軌跡からの逸脱は運転者の意思である。従って、この場合、軌跡制御が運転者の意思と干渉することになる。一方、この種の干渉を排除する目的から、車両の軌跡を目標軌跡に追従させる軌跡制御の実行期間において操舵入力が生じた場合に軌跡制御を一律に停止或いは制限してしまうと、運転者が軌跡制御の継続を所望しているにもかかわらず軌跡制御が停止或いは制限されることになり、これもまた運転者の意思に沿わないことになる。
操舵入力をオーバーライドと外乱とに正確に分類することが出来れば、潜在的には、オーバーライドによる車両挙動の変化は許容しつつ外乱による車両挙動変化を速やかに収束させる等といった制御が実現可能となり、運転者の意思に反しない高品質な軌跡制御が提供され得る。即ち、本発明に係る車両の制御装置によれば、制御手段が第1目標制御量に基づいて行う軌跡制御に、操舵入力を的確に反映させることができるのである。
尚、本発明に係る車両の制御装置が想定する外乱には、少なくとも二種類あり、一方は運転者の意思を反映しない操舵操作、他方は走行環境に起因して与えられる外部入力である。前者は咳き込み又はくしゃみ等といった身体的動作が招く操舵入力であり、後者は路面の凹凸、障害物、傾斜若しくは摩擦係数又は横風等が招く車両挙動の変化に惹起された操舵入力である。また、本発明に係る車両の制御装置が想定するオーバーライドは、例えば、目標走行路における車両の横方向位置を、車線中心から左右いずれかの方向へオフセットさせるために与えられる操舵入力等を含む。
尚、本発明に係る車両の制御装置において、操舵入力の周波数は明確な特定プロセスを必ずしも必要としない。例えば、判定手段又は判定手段への信号入力系統に、予め周波数選別機能を付帯しておくことが出来る。このような周波数選別機能とは、所謂フィルタ機能であり、好適にはアナログフィルタ又はディジタルフィルタ等の各種フィルタ装置により実現され得る。このような構成を採る場合、当該フィルタを通過させることによって、代替的に操舵入力の周波数を特定する効能を得ることが出来る。
但し、各種センサ等を介して取得される操舵入力に対し、FFT(Fast Fourier Transfer:高速フーリエ変換)処理等を施すことにより、操舵入力の周波数を特定することも出来る。この場合、当該各種センサから得られるセンサ値を操舵入力の大きさとして、操舵入力の大きさ及び周波数を制御上参照し得る値として取得することも可能である。例えば、判定手段にこの種のFFT機能を持たせる、或いは、判定手段の入力側系統にこの種のFFT機能を有するプロセッサを介在させる等の構成とすれば、操舵入力の周波数を特定することが出来る。この場合、予め周波数毎に設定された通過ゲイン等を乗じて擬似的フィルタ効果を実現することも出来る。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記操舵入力は、操舵角、該操舵角に対する前記操舵装置の目標角、操舵角速度又は操舵トルクである(第2項)。
操舵角、当該操舵角に対する操舵装置の目標角、操舵角速度及び操舵トルクは、操舵入力がオーバーライドであるか否かを判定するための要素として妥当且つ有効である。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記操舵入力における前記オーバーライドに対応付けられた低周波帯域の成分を通過させ、該低周波帯域を除く中高周波帯域の成分を減衰又は遮断する第1フィルタ手段を具備し、前記判定手段は、前記第1フィルタ手段の出力である第1フィルタ出力の大きさが所定値以上である場合に、前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定する(第3項)。
この態様によれば、第1フィルタ手段の出力値である第1フィルタ出力が所定値以上である場合に操舵入力がオーバーライドであるとの判定がなされるため、操舵入力がオーバーライドであるか否かを高精度に判定することが出来る。
本態様に係る第1フィルタ手段は、アナログ式又はディジタル式の所謂LPF(Low Pass Filter)又はそれに類する機能を有する手段であり、操舵入力における低周波帯域の成分を通過させ、それ以外の中高周波帯域の成分を減衰又は遮断する構成となっている。この低周波帯域は、予め実験的に、経験的に又は理論的に、典型的なオーバーライドの周波数帯域が含まれるように定められる。
尚、第1フィルタ手段に係る「通過」とは、減衰しないことを必ずしも意味しない。即ち、各種フィルタにおいては、一般に、ある周波数を境にゲイン0dB(100%通過)とゲイン−∞(0%通過)とが切り替わるような二値的通過特性を付与することは簡単でない。従って、実践的運用面においては、減衰量が所定内に収まる範囲を通過帯域として、また減衰量が所定以上となる範囲を遮断帯域として夫々扱うといった手法も珍しくない。尚、このような通過帯域と遮断帯域とを規定する一の指標として、減衰量が50%(ゲインが−3dB)となるカットオフ周波数が有効である。即ち、第1フィルタ手段における「オーバーライドに対応付けられた低周波帯域」を、当該カットオフ周波数により定義することも実践上有意義である。この際、カットオフ周波数は、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められ得る。
この態様によれば、操舵入力の周波数が高い程、オーバーライドであるとの判定を得るのに必要となる操舵入力の大きさが、二値的に、段階的に又は連続的に大きくなる。従って、オーバーライドと外乱との区別が必ずしも容易でない周波数領域における軌跡制御の実践的運用に有意義な曖昧性を付与することが出来る。
例えば、運転者が自身の性格や嗜好を反映させる意味で行うオーバーライドにおいては生じ難い高周波側の操舵入力も、例えば路面障害物を避ける等の目的からなされる場合にはオーバーライドであるが、単に操舵入力の周波数のみが勘案されるのみでは、外乱と誤判定される可能性が高くなる。一方、本発明によれば、周波数と大きさとが勘案されるため、この種の緊急意味合いを有する操舵入力の大きさが相応に大きい点からすれば、所定値の設定如何によりこの種のオーバーライドも的確に検出することが出来る。即ち、本態様によれば、オーバーライドを軌跡制御に弾力的に反映することが出来るのである。
第1フィルタ手段を備えた本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記第1フィルタ出力に対し、絶対値が第1基準値以下となる範囲を不感帯とする第1不感帯処理を実行する第1不感帯処理手段と、前記第1不感帯処理手段の出力である第1不感帯出力に基づいて前記操舵入力に対応する前記操舵装置に関する第2目標制御量を設定する第2目標制御量設定手段とを具備し、前記制御手段は、前記設定された第1及び第2目標制御量に基づいて前記操舵装置を制御する(第4項)。
この態様によれば、第1フィルタ出力に対して更に第1不感帯処理が施された結果として得られる第1不感帯出力に基づいて操舵入力に対応する第2目標制御量が設定される。また、この設定された第2目標制御量と軌跡制御に係る第1目標制御量とに基づいて操舵装置が制御される。従って、車両軌跡を目標軌跡へ追従させる過程において、運転者の意思を車両軌跡に反映させつつ、外乱による車両の挙動変化を迅速に収束させることが出来る。尚、操舵入力が、操舵角、操舵角速度又は操舵トルク等に対応する操舵装置の制御量である場合には、第2目標制御量設定手段は、第1不感帯出力を、そのまま第2目標制御量としてもよい。
尚、第1不感帯処理に係る「不感帯」とは、第1フィルタ出力を下流側の制御(即ち、操舵装置の制御)に反映させない、或いは著しく減衰させた上で反映させる範囲を意味する。例えば、第1フィルタ出力に補正係数Kを乗じて第1不感帯出力とする場合、当該補正係数Kは、第1基準値以下の範囲で「0」に、第1基準値よりも大きい範囲で「1」に夫々設定されてもよい。尚、第1基準値との比較に供される値が、第1フィルタ出力の絶対値である理由は、操舵入力が左右両操舵方向に生じ得るためであり、操舵方向を正負の符号で管理するのが望ましいからである。
尚、本態様における第1基準値とは、絶対値がそれよりも大きい第1フィルタ出力をオーバーライドの大きさとして扱うための閾値であるから、好適には、判定手段が第1フィルタ出力に対して適用するオーバーライド判定のための「所定値」と等しい値であってよい。
尚、この態様では、前記第1基準値は、前記操舵入力に対する前記車両の応答特性に応じて設定されてもよい(第5項)。
操舵入力に対する車両の応答特性、例えば、操舵角に対する車両の横方向加速度やヨー方向加速度等は、車両の走行条件、例えば車速等に応じて変化する。従って、上述した第1基準値が車両の走行条件に対して一義に固定されていると、軌跡制御におけるオーバーライドの反映の度合いが、走行条件に応じて変化して、ドライバが違和感を抱く可能性が高くなる。
この態様によれば、このような車両の応答特性に応じて第1基準値が設定されるため、軌跡制御に対するオーバーライドの反映の度合いを安定ならしめることが出来、ドライバビリティの低下を抑制することが出来る。尚、車速を例に採れば、第1基準値は高車速側(低車速側)程低く(高く)設定される。これは、車速が上昇するに連れて、操舵入力に対する車両応答の感度が高くなり、一の車両応答を実現するための操舵入力が相対的に減少するためである。
第1フィルタ手段を備えた本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記第1フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記車両のヨー共振周波数よりも低周波側の値である(第6項)。
この態様によれば、ヨー共振周波数に相当する操舵入力は、少なくとも50%以上減衰するため、オーバーライドとして検出され難くなる。従って、車両が運転者の想定内の挙動を示すオーバーライドについては確実に車両挙動に反映させつつ、車両のヨー共振を未然に防止することが出来る。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定された場合に、前記軌跡制御を停止又は制限する(第7項)。
この態様によれば、オーバーライド発生時に軌跡制御が停止又は制限されることから、運転者の意思を優先した車両挙動制御が実現される。尚、「軌跡制御を制限する」とは、車両挙動への軌跡制御の影響が幾らかなり緩和されることを意味する。例えば、このような制限は、軌跡制御のための第1目標制御量を、フィルタ処理により時間的になますことによって実現されてもよい。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定された場合に、前記設定された第1目標制御量における前記オーバーライドに対応付けられた低周波帯域の成分を減衰又は遮断し、該低周波帯域を除く中高周波帯域の成分を通過させる第2フィルタ手段と、前記第2フィルタ手段の出力である第2フィルタ出力に対し、絶対値が第2基準値以下となる範囲を不感帯とする第2不感帯処理を実行する第2不感帯処理手段とを具備し、前記制御手段は、前記第2不感帯処理の出力である第2不感帯出力に基づいて前記操舵装置を制御する(第8項)。
この態様によれば、第2フィルタ手段の出力値である第2フィルタ出力に対して更に第2不感帯処理が施された結果として得られる第2不感帯出力に基づいて操舵装置が制御される。従って、車両軌跡を目標軌跡へ追従させる過程において、低周波の操舵入力であるオーバーライドに起因する車両の挙動変化に対しては軌跡制御が適用されずに済み、一方で外乱による車両の挙動変化については迅速に収束させることが出来る。
本態様に係る第2フィルタ手段は、アナログ式又はディジタル式の所謂HPF(High Pass Filter)又はそれに類する機能を有する手段であり、第1目標制御量における低周波帯域の成分を減衰又は遮断し、それ以外の中高周波帯域の成分を通過させる構成となっている。この低周波帯域は、予め実験的に、経験的に又は理論的に、典型的なオーバーライドの周波数帯域が含まれるように定められる。また、この低周波帯域は、先に述べた第1フィルタ手段のフィルタ特性に係る低周波帯域と一致せずともよい。
尚、第2フィルタ手段に係る「通過」とは、減衰しないことを必ずしも意味しない。即ち、各種フィルタにおいては、一般に、ある周波数を境にゲイン0dB(100%通過)とゲイン−∞(0%通過)とが切り替わるような二値的通過特性を付与することは簡単でない。従って、実践的運用面においては、減衰量が所定内に収まる範囲を通過帯域として、また減衰量が所定以上となる範囲を遮断帯域として夫々扱うといった手法も珍しくない。尚、このような通過帯域と遮断帯域とを規定する一の指標として、減衰量が50%(ゲインが−3dB)となるカットオフ周波数が有効である。即ち、第2フィルタ手段における「オーバーライドに対応付けられた低周波帯域」を、当該カットオフ周波数により定義することも実践上有意義である。この際、カットオフ周波数は、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められ得る。
この態様によれば、第1目標制御量の周波数が低い程、軌跡制御に反映させるために必要となる第1目標制御量の大きさが、二値的に、段階的に又は連続的に大きくなる。従って、オーバーライドと外乱との区別が必ずしも容易でない周波数領域における軌跡制御の実践的運用に有意義な曖昧性を付与することが出来る。
例えば、運転者の予期せぬ操舵入力、例えば居眠りやよそ見、脇見等に伴う操舵入力は、周波数的に見ればオーバーライドに属する可能性が高いが、運転者の意思が介在している操舵入力とは言い難い。しかしながら、単に第1目標制御量の周波数のみが勘案されるのみでは、このような操舵入力に起因する車両挙動の変化は修正されない。一方、本発明によれば、周波数と大きさとが勘案されるため、運転者の操舵操作ながら運転者の預かり知らぬところで生じ得るこの種の操舵入力が比較的大規模で生じる場合には、所定値の設定如何により検出することも可能である。即ち、本態様によれば、実際に生じ得る各種の走行条件に軌跡制御をより適合させることが出来る。
尚、第2不感帯処理に係る「不感帯」とは、第2フィルタ出力を下流側の制御(即ち、操舵装置の制御)に反映させない、或いは著しく減衰させた上で反映させる範囲を意味する。例えば、第2フィルタ出力に補正係数Kを乗じて第2不感帯出力とする場合、当該補正係数Kは、第2基準値以下の範囲で「0」に、第2基準値よりも大きい範囲で「1」に夫々設定されてもよい。尚、第2基準値との比較に供される値が、第2フィルタ出力の絶対値である理由は、操舵入力が左右両操舵方向に生じ得るためであり、操舵方向を正負の符号で管理するのが望ましいからである。
尚、この態様では、前記第2フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記車両のヨー共振周波数よりも高周波側の値であってもよい(第9項)。
この態様によれば、ヨー共振周波数に相当する第1目標制御量は、少なくとも50%以上減衰するため軌跡制御に反映され難くなる。従って、軌跡制御における車両のヨー共振を未然に防止することが出来る。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記操舵入力における前記オーバーライドに対応付けられた第1低周波帯域の成分を通過させ、該第1低周波帯域を除く第1中高周波帯域の成分を減衰又は遮断する第1フィルタ手段と、前記第1フィルタ手段の出力である第1フィルタ出力に対し、絶対値が第1基準値以下となる範囲を不感帯とする第1不感帯処理を実行する第1不感帯処理手段と、前記第1不感帯処理手段の出力である第1不感帯出力に基づいて前記操舵入力に対応する前記操舵装置に関する第2目標制御量を設定する第2目標制御量設定手段と、前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定された場合に、前記設定された第1目標制御量における前記オーバーライドに対応付けられた第2低周波帯域の成分を減衰又は遮断し、該第2低周波帯域を除く第2中高周波帯域の成分を通過させる第2フィルタ手段と、前記第2フィルタ手段の出力である第2フィルタ出力に対し、絶対値が第2基準値以下となる範囲を不感帯とする第2不感帯処理を実行する第2不感帯処理手段とを具備し、前記判定手段は、前記第1フィルタ出力の大きさが所定値以上である場合に、前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定し、前記制御手段は、前記第2不感帯処理手段の出力である第2不感帯出力と前記設定された第2目標制御量とに基づいて前記操舵装置を制御する(第10項)。
この態様によれば、先に述べた、第1フィルタ出力の大きさと所定値との比較によるオーバーライド判定と、第1不感帯出力に基づいた第2目標制御量の設定及びそれに伴う操舵装置の制御と、第2不感帯出力に基づいた操舵装置の制御とが協調的に実行される。即ち、操舵入力がオーバーライドであるか否かを高精度に判定し、オーバーライドを軌跡制御に的確に反映し、オーバーライドによる車両挙動と軌跡制御による車両挙動との干渉が防止され、外乱による車両挙動については迅速に収束させることが出来る。従って、高品質な軌跡制御を実現することが出来る。
第1及び第2不感帯処理手段を備えた本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記第2フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記第1フィルタ手段のカットオフ周波数よりも高周波側で設定される(第11項)。
このように双方のフィルタ処理におけるカットオフ周波数を設定すれば、オーバーライドによる車両挙動と軌跡制御による車両挙動との干渉を確実に防止することが出来る。
第1及び第2不感帯処理手段を備えた本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記第2フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記車両のヨー共振周波数よりも高周波側の値である(第12項)。
このようにすれば、ヨー共振周波数に相当する第1目標制御量は、少なくとも50%以上減衰するため軌跡制御に反映され難くなる。従って、軌跡制御における車両のヨー共振を未然に防止することが出来る。
第1及び第2不感帯処理手段を備えた本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記第1フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記車両のヨー共振周波数よりも低周波側の値である(第13項)。
この態様によれば、ヨー共振周波数に相当する操舵入力は、少なくとも50%以上減衰するためオーバーライドとして検出され難くなる。従って、車両が運転者の想定内の挙動を示すオーバーライドについては確実に車両挙動に反映させつつ、車両のヨー共振を未然に防止することが出来る。
第1及び第2不感帯処理手段を備えた本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、運転者の操舵特性を学習する学習手段と、前記学習された操舵特性に応じて前記第1フィルタ手段のカットオフ周波数を設定するカットオフ周波数設定手段とを具備する(第14項)。
この態様によれば、運転者の性別、身体的特徴、性格、嗜好、或いは個別具体的な事情に応じて千変万化する操舵特性が学習され、第1フィルタ手段のカットオフ周波数の設定に利用される。好適には、運転者の最大出力周波数に応じてカットオフ周波数が設定される。例えば、運転者が非力である(例えば、女性や高齢者である)場合、第1フィルタ手段のカットオフ周波数はより低周波側に変更される。従って、操舵入力が外乱として扱われ得る周波数帯域を、オーバーライド判定の精度を低下させることなく可及的に拡大することができる。
尚、学習手段による学習の実践的態様は特に限定されず、公知の各種学習アルゴリズムを適用可能である。一例としては、所定以上の舵角変化を伴う操舵入力が生じた場合における当該操舵入力の周波数を検出し、その最大値を運転者の操舵特性として適宜更新することによって学習を進捗せしめてもよい。尚、このような学習処理については、必ずしも軌跡制御の実行期間中に行なわれる必要はなく、また望ましくは、軌跡制御の実行以前に開始或いは完了していてもよい。このようにすれば、軌跡制御が開始された段階において、第1フィルタ手段のカットオフ周波数を最適化することが出来る。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
第1実施形態に係る車両の構成を概念的に示す概略構成図である。 図1の車両においてLKA制御が実行される際のECUの概念的ブロック図である。 図2のLPF処理部のゲイン特性を例示する図である。 図2の第1不感帯処理部による第1不感帯処理を説明する図である。 図1の車両においてECUにより実行される基本LKA制御量算出処理のフローチャートである。 図2のHPF処理部のゲイン特性を例示する図である。 図2の第2不感帯処理部による第2不感帯処理を説明する図である。
<発明の実施形態>
以下、適宜図面を参照して、本発明に係る車両の制御装置の実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、本実施形態に係る車両1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、車両1の構成を概念的に示す概略構成図である。
図1において、車両1は、操舵輪として左右一対の前輪FL及びFRを備え、これら左右前輪が転舵することにより所望の方向に進行可能に構成されている。車両1は、ECU(Electronic Control Unit)100、VGRSアクチュエータ200、VGRS駆動装置300、EPSアクチュエータ400及びEPS駆動装置500を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えた電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の制御装置」の一例である。ECU100は、車両1の動作を統括的に制御する制御装置であり、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するLKA制御を実行可能に構成されている。LKA制御は、車両1の走行軌跡を目標軌跡(目標走行路)に追従させる制御であり、本発明に係る「軌跡制御」の一例である。尚、ECU100のこのような構成は、本発明に係る車両の制御装置が採り得る実践的態様の一例に過ぎず、本発明に係る車両の制御装置は、車両1の動作を統括的に制御する他の制御装置からの制御を受けて動作するサブプロセッサ等であってもよい。
車両1では、ステアリングホイル11を介して運転者より与えられる操舵入力が、ステアリングホイル11と同軸回転可能に連結され、ステアリングホイル11と同一方向に回転可能な回転軸たるアッパーステアリングシャフト12に伝達される。アッパーステアリングシャフト12は、その下流側の端部においてVGRSアクチュエータ200に連結された操舵入力軸である。
VGRSアクチュエータ200は、ハウジング201、VGRSモータ202及び減速機構203を備えた、本発明に係る「操舵装置」の一例である。
ハウジング201は、VGRSモータ202及び減速機構203を収容してなるVGRSアクチュエータ200の筐体である。ハウジング201には、前述したアッパーステアリングシャフト12の下流側の端部が固定されており、ハウジング201は、アッパーステアリングシャフト12と一体に回転可能となっている。
VGRSモータ202は、回転子たるロータ202a、固定子たるステータ202b及び駆動力の出力軸たる回転軸202cを有するDCブラシレスモータである。ステータ202bは、ハウジング201内部に固定されており、ロータ202aは、ハウジング201内部で回転可能に保持されている。回転軸202cは、ロータ202aと同軸回転可能に固定されており、その下流側の端部が減速機構203に連結されている。
減速機構203は、差動回転可能な複数の回転要素(サンギア、キャリア及びリングギア)を有する遊星歯車機構である。この複数の回転要素のうち、サンギアは、VGRSモータ202の回転軸202cに連結されており、また、キャリアは、ハウジング201に連結されている。そしてリングギアが、ロアステアリングシャフト13に連結されている。
このような構成を有する減速機構203によれば、ステアリングホイル11の操作量に応じたアッパーステアリングシャフト12の回転速度(即ち、キャリアに連結されたハウジング201の回転速度)と、VGRSモータ202の回転速度(即ち、サンギアに連結された回転軸202cの回転速度)とにより、残余の一回転要素たるリングギアに連結されたロアステアリングシャフト13の回転速度が一義的に決定される。この際、回転要素相互間の差動作用により、VGRSモータ202の回転速度を増減制御することによって、ロアステアリングシャフト13の回転速度を増減制御することが可能となる。即ち、VGRSモータ202及び減速機構203の作用により、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13とは相対回転可能である。また、減速機構203における各回転要素の構成上、VGRSモータ202の回転速度は、各回転要素相互間のギア比に応じて定まる所定の減速比に従って減速された状態でロアステアリングシャフト13に伝達される。
このように、車両1では、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13とが相対回転可能であることによって、アッパーステアリングシャフト12の回転量たる操舵角MAと、ロアステアリングシャフト13の回転量たる最終操舵角θstに応じて一義的に定まる(後述するラックアンドピニオン機構のギア比も関係する)操舵輪たる左右前輪の舵角との比たる操舵伝達比が、予め定められた範囲で連続的に可変となる。
尚、減速機構203は、ここに例示した遊星歯車機構のみならず、他の態様(例えば、アッパーステアリングシャフト12及びロアステアリングシャフト13に夫々歯数の異なるギアを連結し、各ギアと一部分で接する可撓性のギアを設置すると共に、係る可撓性ギアを、波動発生器を介して伝達されるモータトルクにより回転させることによって、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト13とを相対回転させる態様等)を有していてもよいし、上記と異なる物理的、機械的、又は機構的態様を有していてもよい。
VGRS駆動装置300は、VGRSモータ202のステータ202bに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。VGRS駆動装置300は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりVGRSモータ202に駆動電圧を供給可能に構成されている。また、VGRS駆動装置300は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。尚、VGRS駆動装置300は、VGRSアクチュエータ200と共に、本発明に係る「操舵装置」の一例を構成している。
ロアステアリングシャフト13の回転は、ラックアンドピニオン機構に伝達される。ラックアンドピニオン機構は、ロアステアリングシャフト13の下流側端部に接続されたピニオンギア14及び当該ピニオンギアのギア歯と噛合するギア歯が形成されたラックバー15を含む操舵力伝達機構であり、ピニオンギア14の回転がラックバー15の図中左右方向の運動に変換されることにより、ラックバー15の両端部に連結されたタイロッド及びナックル(符号省略)を介して操舵力が各操舵輪に伝達される構成となっている。
EPSアクチュエータ400は、永久磁石が付設されてなる回転子たる不図示のロータと、当該ロータを取り囲む固定子であるステータとを含むDCブラシレスモータとしてのEPSモータを備える。このEPSモータは、EPS駆動装置500を介した当該ステータへの通電によりEPSモータ内に形成される回転磁界の作用によってロータが回転することにより、その回転方向にアシストトルクTAを発生可能に構成されている。
一方、EPSモータの回転軸たるモータ軸には、不図示の減速ギアが固定されており、この減速ギアはまた、ピニオンギア14と噛合している。このため、EPSモータから発せられるアシストトルクTAは、ピニオンギア14の回転をアシストするアシストトルクとして機能する。ピニオンギア14は、先に述べたようにロアステアリングシャフト13に連結されており、ロアステアリングシャフト13は、VGRSアクチュエータ200を介してアッパーステアリングシャフト12に連結されている。従って、アッパーステアリングシャフト12に加えられる操舵トルクMTは、アシストトルクTAにより適宜アシストされた形でラックバー15に伝達され、運転者の操舵負担が軽減される構成となっている。
EPS駆動装置500は、EPSモータのステータに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。EPS駆動装置500は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりEPSモータに駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、EPS駆動装置500は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。EPSアクチュエータ400及びEPS駆動装置500は、本発明に係る「操舵装置」の他の一例である。
車両1には、操舵トルクセンサ16、操舵角センサ17及び回転センサ18を含む各種センサが備わっている。
操舵トルクセンサ16は、運転者からステアリングホイル11を介して与えられる操舵トルクMTを検出可能に構成されたセンサである。
具体的には、アッパーステアリングシャフト12は、上流部と下流部とに分割されており、図示せぬトーションバーにより相互に連結された構成を有している。係るトーションバーの上流側及び下流側の両端部には、回転位相差検出用のリングが固定されている。このトーションバーは、車両1の運転者がステアリングホイル11を操作した際にアッパーステアリングシャフト12の上流部を介して伝達される操舵トルク(即ち、操舵トルクMT)に応じてその回転方向に捩れる構成となっており、係る捩れを生じさせつつ下流部に操舵トルクを伝達可能に構成されている。従って、操舵トルクの伝達に際して、先に述べた回転位相差検出用のリング相互間には回転位相差が発生する。操舵トルクセンサ16は、係る回転位相差を検出すると共に、係る回転位相差を操舵トルクに換算して操舵トルクMTに対応する電気信号として出力可能に構成されている。また、操舵トルクセンサ16は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵トルクMTは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
操舵角センサ17は、アッパーステアリングシャフト12の回転量を表す操舵角MAを検出可能に構成された角度センサである。操舵角センサ17は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵角MAは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。尚、本実施形態では、この検出された操舵角MAが、本発明に係る「操舵入力」の一例として取り扱われる。
VGRS回転角センサ18は、VGRSアクチュエータ200におけるハウジング201(即ち、回転角で言うならばアッパーステアリングシャフト12と同等である)とロアステアリングシャフト13との回転位相差たるVGRS相対回転角θvgrsを検出可能に構成されたロータリーエンコーダである。VGRS回転角センサ18は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたVGRS相対回転角θvgrsは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。尚、先に述べた最終操舵角θstは、操舵角MAとこのVGRS相対回転角θvgrsとの総和である。
車速センサ19は、車両1の速度たる車速Vvを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ19は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vvは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
車載カメラ20は、車両1のフロントノーズに設置され、車両1の前方における所定領域を撮像可能に構成された撮像装置である。車載カメラ20は、ECU100と電気的に接続されており、撮像された前方領域は、画像データとしてECU100に一定又は不定の周期で送出される構成となっている。ECU100は、この画像データを解析し、LKA制御に必要な各種データを取得することが可能である。
尚、本発明に係る「操舵装置」とは、車両の操舵状態を変化させることが可能な装置を包括する。例えば、本発明に係る操舵装置は、ステアリングホイル側に連結される操舵入力軸と操舵輪に連結される操舵出力軸との相対回転角を変化させることが可能な、本実施形態に一例が示されたVGRS(Variable Gear Ratio Steering)等の操舵伝達比可変装置であってもよい。或いは、操舵輪に対し舵角(実舵角又は転舵角とも称される)の変化を促す駆動力を供給することによって舵角を直接制御するSBW(Steer By Wire)等の舵角可変装置であってもよい。或いは、操舵軸等への操舵トルクの付与により操舵輪の舵角変化を促す、本実施形態に一例が示されたEPS(Electronic Power Steering)等の操舵トルク補助装置であってもよい。その他にも、前輪と後輪とのうち少なくとも一方の左右制駆動力差を変化させることにより車両にヨーモーメントや車体スリップ角の変化を与える装置であってもよい。
<実施形態の動作>
次に、図2を参照し、本実施形態の動作として、LKA制御について説明する。ここに、図2は、ECU100においてLKA制御に関する部分の概念的ブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。尚、LKA制御について説明するにあたっては、ECU100の詳細な構成についての説明を必要とするところ、ここでは、適宜ECU100の構成を交えてLKA制御を説明することとする。尚、本実施形態において、LKA制御は、車両1の車室内に設置されたLKA制御発動用の操作ボタンが運転者により操作される等した結果として実行される。
図2において、ECU100は、オーバーライド判定部110、基本LKA制御量演算部120、オーバーライド協調制御部130、スイッチング装置140及び加算器150を備える。
オーバーライド判定部110は、LPF処理部111、第1不感帯処理部112、判定部113及び制御量演算部114を備え、LKA制御中に生じた操舵入力Sinを処理する構成となっている。尚、操舵入力Sinとしては、例えば、操舵角MA、操舵角速度dMA、最終操舵角θst及び操舵トルクMT等を利用することが出来るが、本実施形態では、操舵角MAが利用される。
LPF処理部111は、操舵入力Sinの中高周波成分を減衰させ低周波成分を抽出する所謂LPFであり、本発明に係る「第1フィルタ手段」の一例である。LPF処理部111は、RCフィルタ等の公知の各種アナログフィルタであってもよいし、公知の各種ディジタルフィルタであってもよい。LPF処理部111は、操舵入力Sinを所定のLPFゲインに従って減衰させ、LPF出力Sinlpfに変換する構成となっている。LPF出力Sinlpfは、本発明に係る「第1フィルタ出力」の一例である。
ここで、図3を参照し、LPF処理部111の特性について説明する。ここに、図3は、LPF処理部111のゲイン特性を例示する図である。
図3において、縦軸及び横軸に夫々LPF処理部111のゲインであるLPFゲイン(dB)及び周波数f(Hz)が示される。LPFゲインの最大値は大略0dBであり、カットオフ周波数fc未満の低周波領域において、入力信号の大部分が減衰することなく通過する。入力信号の50%が減衰する(ゲインが−3dBとなる)カットオフ周波数fcはfc1(fc1=1Hz前後)であり、車両1に固有のヨー共振周波数fyよりも低い値に設計されている。
尚、本実施形態に係るLPF処理部111はフィルタ回路として構成されるため、操舵入力Sinの周波数を特定するプロセスを必ずしも必要としない。一方、操舵角センサ17により検出された操舵角MAに、公知のFFT(Fast Fourier Transfer:高速フーリエ変換)処理を施すこと等によって、操舵角MAの周波数を算出することも出来る。この場合、LPF処理部111によるフィルタ処理の代わりに、算出された周波数と、LPF処理部111のLPFゲインと同様の減衰特性とに従って、操舵角MAを減衰させLPF出力Sinlpfと同等の出力を得る構成としてもよい。
図2に戻り、LPF処理部111から出力されるLPF出力Sinlpfは、第1不感帯処理部112に入力される。第1不感帯処理部112は、LPF出力Sinlpfに下記(1)式に従った第1不感帯処理を施して第1不感帯出力Sindzを出力する演算処理回路である。第1不感帯処理部112は、本発明に係る「第1不感帯処理手段」の一例である。尚、下記(1)式中のK1は補正係数である。
Sindz=K1×Sinlpf・・・(1)
ここで、図4を参照し、第1不感帯処理について説明する。ここに、図4は、第1不感帯処理を説明する図である。
図4において、縦軸に補正係数K1が、横軸にLPF出力Sinlpfが夫々示される。
図4において、LPF出力Sinlpfの正領域は、車両1の一操舵方向に対応しており、同じく負領域は他の操舵方向に対応している。LPF出力Sinlpfの絶対値が第1基準値C1未満となる範囲では、補正係数K1はゼロであり、上述した(1)式に従えば、第1不感帯出力Sindzはゼロとなる。即ち、「−C1<Sinlpf<C1」なる関係が満たされる領域は、本発明に係る「不感帯」の一例である。
一方、LPF出力Sinlpfの絶対値が第1基準値C1以上となる範囲では、補正係数K1は1であり、上述した(1)式に従えば、第1不感帯出力SindzはLPF出力Sinlpfと一致する。即ち、第1不感帯処理とは、所定以下のLPF出力Sinlpfを無効化する処理である。
第1不感帯処理の不感帯を規定する第1基準値C1は、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められる適合値であるが、予め車速Vvに応じて複数の値が用意されている。第1不感帯処理部112は、その時点の車両1の車速Vvに該当する第1基準値C1を選択して第1不感帯処理に使用する構成となっている。
このように車速Vvに応じて第1基準値C1を変化させることにより、車速Vvに応じた車両1の横方向加速度特性やヨー方向加速度特性の変化に対して、オーバーライド判定精度を安定させることが出来る。
具体的には、高車速領域では、舵角変化に対する車両挙動が相対的に大きくなる。従って、運転者がLKA制御中に一の車両挙動を実現しようとして行うオーバーライドの規模は小さくて済む。即ち、高車速領域程、操舵入力Sinの大きさは小さくなる傾向がある。これに対して、不感帯を規定する第1基準値C1を一定とすると、運転者は、高車速領域程、自身の操舵入力がLKA制御中の車両挙動に反映されないと感じることになる。そのような違和感を軽減するために、本実施形態では、車速Vvが上昇するに連れて第1基準値C1が小さくされる。その結果、オーバーライドの判定精度が安定する。
図2に戻り、第1不感帯処理部112の出力値である第1不感帯出力Sindzは、判定部113及び制御量演算部114に入力される。
判定部113は、操舵入力Sinが運転者の意思に基づいたオーバーライドであるか否かを判定する、本発明に係る「判定手段」の一例である。判定部113は、第1不感帯出力Sindzの絶対値に応じてオーバーライド判定フラグFlagorを設定する構成となっている。オーバーライド判定フラグFlagorは、操舵入力Sinがオーバーライドであると判定された場合に「1」に、オーバーライドでない(端的には、外乱である)と判定された場合に「0」に夫々設定される。
判定部113は、第1不感帯出力Sindzの絶対値が0よりも大きい場合に、オーバーライド判定フラグFlagorを「1」に、第1不感帯出力Sindzの絶対値が0である場合に、オーバーライド判定フラグFlagorを「0」に夫々設定する構成となっている。設定されたオーバーライド判定フラグFlagorは、スイッチング装置140に送出される。
尚、第1不感帯出力Sindzは、LPF出力Sinlpfと第1基準値との比較により決定される値であるが、LPF出力Sinlpfは、操舵入力Sinの周波数に応じて変化するLPFゲインと操舵入力Sinの大きさとによって規定される値である。即ち、オーバーライド判定部110においては、操舵入力Sinの大きさと周波数とに基づいて操舵入力Sinがオーバーライドであるか否かの判定がなされる。定性的には、操舵入力Sinの周波数が高い程、操舵入力Sinがオーバーライドであると判定されるために必要となる操舵入力Sinの大きさは大きくなる。
制御量演算部114は、第1不感帯出力Sindzに基づいて運転者入力分制御量Cdrvを算出する、本発明に係る「第2目標制御量設定手段」の一例である。運転者入力分制御量Cdrvとは、運転者のオーバーライドをLKA制御に反映させるための制御量であり、操舵入力Sinに応じてその実践的態様は異なる。本実施形態では、操舵角MAが操舵入力Sinとして利用されるので、運転者入力分制御量Cdrvは、最終操舵角θstとなる。算出された運転者入力分制御量Cdrvは、加算器150に送出される。
尚、最終操舵角θstは、先述したように、操舵角MAと、操舵角MAに応じて付与されるVGRS相対回転角θvgrsとの総和である。操舵角MAに対して付与すべきVGRS相対回転角θvgrsは、予めROMに制御マップとして格納されている。尚、VGRS相対回転角θvgrsの設定は自由であり、また公知でもあるため、ここではその詳細を割愛するが、定性的な傾向として、VGRS相対回転核θvgrsは、車速Vvが上昇するに連れて小さくなる。これは、車速が上昇するに連れて、舵角に対する車両応答が鋭敏になるためである。
次に、基本LKA制御量演算部120について説明する。基本LKA制御量演算部120は、LKA制御を実現するための制御量を演算する、本発明に係る「第1目標制御量設定手段」の一例である。基本LKA制御量演算部120は、基本LKA制御量算出処理により基本LKA制御量Clkabを算出する構成となっている。
ここで、図5を参照し、基本LKA制御量算出処理について説明する。ここに、図5は、基本LKA制御量算出処理のフローチャートである。
図5において、基本LKA制御量演算部120は、車両1に備わる各種スイッチ類の操作信号、各種フラグ及び上記各種センサに係るセンサ信号等を含む各種信号を読み込む(ステップS101)。
続いて、車載カメラ20から送出される画像データに基づいて、LKA制御における車両1の目標走行路(本発明に係る「目標軌跡」の一形態である)を規定する白線が検出されているか否かが判別される(ステップS102)。白線が検出されていない場合(ステップS102:NO)、目標走行路を設定することができないため、基本LKA制御量演算部120は、LKA可否フラグFlaglkaを、LKA制御の実行が不可能である旨を表す「0」に設定し(ステップS107)、処理をステップS101に戻す。
尚、ECU100は、LKA可否フラグFlaglkaが「0」である場合には、LKA制御を一時的に中断する。LKA制御の一時中断期間が所定時間以上継続すると、ECU100は、LKA制御を終了する。LKA制御が終了した場合、再度LKA制御の実行が要求されない限りLKA制御は発動しない。
一方、白線が検出された場合、(ステップS102:YES)、ECU100は、上述したLKA可否フラグFlaglkaを、LKA制御を実行可能である旨を表す「1」に設定し(ステップS103)、状態量偏差及び路面情報を取得する(ステップS104)。
状態量偏差は、車両1の状態量と、目標走行路に対して採るべき目標状態量と偏差であり、実践的態様は多義である。状態量偏差は、例えば、車両1と目標走行路との横方向位置偏差やヨー角偏差等を含み得る。一方、路面情報とは、目標走行路の形状を規定する情報であり、例えば、目標走行路の曲率R(目標走行路の半径の逆数)等を含み得る。
続いて基本lKA制御量演算部120は、これら状態偏差及び路面情報に基づいて、車両1を目標走行路へ追従させるために必要となる目標横加速度GYTGを算出する(ステップS105)。目標横加速度GYTGとこれら状態偏差及び路面情報との相互関係は、予めROMに制御マップとして格納されている。
目標横加速度GYTGが算出されると、この算出された目標横加速度GYTGを得るための制御量として、基本LKA制御量Clkabが算出される(ステップS106)。目標横加速度GYTGと基本LKA制御量Clkabとの相互関係は、予めROMに制御マップとして格納されている。基本LKA制御量Clkabが算出されると、処理はステップS101に戻される。
ここで、本実施形態では、VGRSアクチュエータ200を介して操舵輪の舵角を変化させることによって車両1を目標走行路に追従させる構成を採るため、基本LKA制御量Clkabは最終操舵角θstに相当する値である。但し、基本LKA制御量Clkabの採り得る実践的態様は、LKA制御を実現するための装置により異なる。
例えば、目標走行路への追従は、操舵トルクMTの制御によっても実現可能である。EPSアクチュエータ400を介して操舵トルクMTが運転者の意思から独立して制御された場合、操舵輪の舵角は直接の制御対象とはならないが、付与される操舵トルクMTにより各ステアリングシャフトを介して舵角も変化する。従って、上述した状態偏差を減少させるように操舵トルクMTを制御することにより、車両1を目標走行路へ追従させることが出来る。
或いは、VGRSアクチュエータ200とEPSアクチュエータ400とが相互に協調的に制御されることによりLKA制御が実現されてもよい。例えば、運転者がステアリングホイル11を保舵しない手放し運転を実現する場合、VGRSアクチュエータ200でロアステアリングシャフト13を回転させようとすると、保舵力がないアッパーステアリングシャフト12が路面からの反力に負けて、アッパーステアリングシャフト12が逆方向に操舵されることがある。このような問題を克服するため、EPSアクチュエータ400を介して保舵トルクに相当する操舵トルクを付与しつつVGRSアクチュエータ200による目標走行路への追従が図られてもよい。
図2に戻り、基本LKA制御量演算部120により演算された基本LKA制御量Clkabは、オーバーライド協調制御部130とスイッチング装置140とに送出される。
オーバーライド協調制御部130は、運転者のオーバーライドをLKA制御に反映させるために設けられており、HPF処理部131及び第2不感帯処理部132を備える。基本LKA制御量Clkabは、このHPF処理部131に入力される。
HPF処理部131は、基本LKA制御量Clkabの低周波成分を減衰させ中高周波成分を抽出する所謂HPFであり、本発明に係る「第2フィルタ手段」の一例である。HPF処理部131は、RCフィルタ等の公知の各種アナログフィルタであってもよいし、公知の各種ディジタルフィルタであってもよい。HPF処理部131は、基本LKA制御量Clkabを所定のHPHゲインに従って減衰させ、HPF出力Clkahpfに変換する構成となっている。HPF出力Clkahpfは、本発明に係る「第2フィルタ出力」の一例である。
ここで、図6を参照し、HPF処理部131の特性について説明する。ここに、図6は、HPF処理部131のゲイン特性を例示する図である。
図6において、縦軸及び横軸に夫々HPF処理部131のゲインであるHPFゲイン(dB)及び周波数f(Hz)が示される。HPFゲインの最大値は大略0dBであり、カットオフ周波数fc以上の中高周波領域において、入力信号の大部分が減衰することなく通過する。入力信号の50%が減衰する(ゲインが−3dBとなる)カットオフ周波数fcはfc2(fc2>fc1)であり、車両1に固有のヨー共振周波数fyよりも高い値に設計されている。
図2に戻り、HPF処理部131から出力されるHPF出力Clkahpfは、第2不感帯処理部132に入力される。第2不感帯処理部132は、HPF出力Clkahpfに下記(2)式に従った第2不感帯処理を施して第2不感帯出力Clkadzを出力する演算処理回路である。第2不感帯処理部132は、本発明に係る「第2不感帯処理手段」の一例である。尚、下記(2)式中のK2は補正係数である。
Clkadz=K2×Clkahpf・・・(2)
ここで、図7を参照し、第2不感帯処理について説明する。ここに、図7は、第2不感帯処理を説明する図である。
図7において、縦軸に補正係数K2が、横軸にHPF出力Clkahpfが夫々示される。
図7において、HPF出力Clkahpfの正領域は、車両1の一操舵方向に対応しており、同じく負領域は他の操舵方向に対応している。HPF出力Clkahpfの絶対値が第2基準値C2未満となる範囲では、補正係数K2はゼロであり、上述した(2)式に従えば、第2不感帯出力Clkadzはゼロとなる。即ち、「−C2<Clkahpf<C2」なる関係が満たされる領域は、本発明に係る「不感帯」の他の一例である。一方、HPF出力Clkahpfの絶対値が第2基準値C2以上となる範囲では、補正係数K2は1であり、上述した(2)式に従えば、第2不感帯出力ClkadzはHPF出力Clkahpfと一致する。即ち、第2不感帯処理とは、所定以下のHPF出力Clkahpfを無効化する処理である。
尚、第2不感帯処理の不感帯を規定する第2基準値C2は、予め実験的に、経験的に又は理論的に適合された値である。
スイッチング装置140は、判定部113から出力されるオーバーライド判定フラグFlagorに応じて入力側のスイッチング状態が切り替わるスイッチング回路である。スイッチング装置140の出力端子は加算器150に電気的に接続されている。スイッチング装置140の入力端子は二つあり、一方の端子は基本LKA制御量演算部120と接続されている。また、他方の端子は第2不感帯処理部132に接続されている。
ここで、オーバーライド判定フラグFlagorが「0」、即ち、LKA制御中にオーバーライドが検出されない場合には、基本LKA制御量演算部120に接続された入力端子が選択され、オーバーライド判定フラグFlagorが「1」、即ち、LKA制御中にオーバーライドが検出された場合には、第2不感帯処理部131に接続された入力端子が選択される(図2はこの状態である)。
加算器150は、下記(3)式及び(4)式に従って、LKA制御の最終目標制御量Clkaを演算する回路である。尚、本実施形態では、LKA制御にVGRSアクチュエータ200を使用する構成であるので、最終目標制御量Clkaは、最終操舵角θstの目標値である。加算器150の出力、即ち最終目標制御量Clkaは、軌跡制御用の操舵装置(即ち、ここではVGRSアクチュエータ200及びVGRS駆動装置300)を制御するECU100の他の制御ブロックに供給され、この最終目標制御量Clkaに応じて車両挙動が制御される。LKA制御はこのように行われる。
Clka=Cdrv+Clkab・・・(3)
Clka=Cdrv+Clkadz・・・(4)
LKA制御中にオーバーライドが検出されない場合、上記(3)式が適用され、最終目標制御量Clkaは基本LKA制御量Clkabと運転者入力分制御量Cdrvとの加算値になるが、オーバーライド非検出時には、第1不感帯出力Sindzはゼロであるから、運転者入力分制御量Cdrvもゼロである。即ち、この場合、最終目標制御量Clkaは基本LKA制御量Clkabと等しくなって、車両1の走行軌跡を目標軌跡に追従させるための通常の軌跡制御が実現される。
一方、LKA制御中にオーバーライドが検出された場合、上記(4)式が適用され、最終目標制御量Clkaは第2不感帯出力Clkadzと運転者入力分制御量Cdrvとの加算値になる。オーバーライド検出時には、第1不感帯出力Sindzはゼロではなく、特に、LPF処理部111によりほぼ減衰せずに通過する周波数帯域(例えば、1Hz以下の低周波帯域)については、操舵入力Sinは殆ど100%運転者入力分制御量Cdrvに反映される。その結果、LKA制御中であっても、運転者のオーバーライドが車両挙動に反映される。
一方、オーバーライド検出時に使用されるLKA制御用の目標制御量である第2不感帯出力Clkadzは、HPF処理部131によりオーバーライドに相当する低周波帯域が十分に減衰された結果、第2不感帯処理部132における不感帯処理により当該低周波帯域の成分がゼロとなる。このため、最終目標制御量Clkaに従ってLKA制御用の操舵装置(即ち、本実施形態ではVGRSアクチュエータ200)が制御された場合、先の運転者入力分制御量Cdrvによる車両の挙動変化は、本来の軌跡制御による影響を受けずに許容される。即ち、運転者のオーバーライドをLKA制御に確実に反映させ、また当該オーバーライドとLKA制御との干渉を防止しつつ、車両1を目標走行路に追従させることができる。
更に、操舵入力Sinのうちオーバーライドよりも高周波の入力である各種外乱については、LPF処理部111により減衰された結果、第1不感帯処理部112における不感帯処理によりカットされる。そのため、車両1において、外乱による挙動変化は好適に抑制される。また、同じく外乱であっても、路面凹凸、路面傾斜、路面摩擦或いは横風等により車両1の挙動変化が生じた結果、操舵入力Sinが生じた場合(即ち、所謂ハンドル取られが生じた場合)には、基本LKA制御量Clkabに当該外乱抑制成分が含まれるが、この外乱抑制成分は、HPF処理部131を通過する。このため、この外乱抑制成分は、第2不感帯処理部132においても殆どカットされることなく加算器150に供給される。従って、基本LKA制御量Clkabに従った車両1の軌跡制御により、操舵入力のうち外乱に起因する車両挙動の変化は、速やかに抑制される。
このように、本実施形態に係るLKA制御によれば、操舵入力が、LKA制御により車両挙動を補正すべきでないオーバーライドであるか、軌跡制御により車両挙動を補正すべき外乱であるかを、操舵入力の大きさ及び周波数を考慮することによって的確に判定することが出来る。また、オーバーライド判定時には、LKA制御用の基本LKA制御量Clkabのうちオーバーライドに対応する低周波成分を減衰させることにより、オーバーライドによる挙動変化とLKA制御による挙動変化との干渉を防止することが出来る。一方、操舵入力が外乱である場合には、LKA制御により係る外乱による挙動変化を迅速に収束せしめることが出来る。即ち、高品質な軌跡制御を実現することが出来るのである。
<第2実施形態>
第1実施形態では、オーバーライド判定時に、HPF処理部131及び第2不感帯処理部132の作用により、基本LKA制御量Clkabの低周波成分を減衰させてLKA制御とオーバーライドとの干渉を防止しつつ可及的にLKA制御を維持する構成としたが、オーバーライド判定時の制御態様はこれに限定されない。このような趣旨に基づいた第2実施形態について説明する。
LKA制御に係るECU100の構成としては、図2に例示したものから、オーバーライド協調制御部130を除いたものとなる。即ち、判定部113によりオーバーライド判定がなされた場合、スイッチング装置140は開放される。その結果、基本LKA制御量Clkabは加算器150に供給されず、車両挙動は、運転者入力分制御量Cdrvに応じた通常の車両挙動となる。即ち、本実施形態では、オーバーライドが生じている期間について、LKA制御は一時的に中断する。このようにすれば、運転者の主権がより明確に確立され、運転者の意思を車両挙動に忠実に反映することが出来る。
尚、オーバーライド判定時にLKA制御を停止するための構成は、ここで説明したものに限定されない。例えば、スイッチング装置140の類を設けることなく、ECU100が制御上の一プロセスとして、オーバーライド判定時にLKA制御を終了してしまってもよい。
また、オーバーライド判定時において、LKA制御を終了させるのではなく、LKA制御による挙動変化が生じ難くなる方向へ何らかの制限措置を講じてもよい。例えば、オーバーライド判定時には、基本LKA制御量Clkabに対して1未満の補正係数を乗じて、目標軌跡への追従を緩慢にしてもよい。或いは、基本LKA制御量Clkabに対して1次フィルタ処理を施し、基本LKA制御量Clkabを全体的になまして下流側へ供給してもよい。
<第3実施形態>
第1及び第2実施形態においては、操舵入力Sinがオーバーライドであるか否かの判定が、オーバーライド判定部110により実現されている。より具体的には、オーバーライド判定部110は、LPF処理部111及び第1不感帯処理部112の作用により、理想的には、オーバーライドに相当する操舵入力のみを抽出する構成となっている。
しかしながら、LKA制御の実行期間に生じるオーバーライドの周波数は、人間工学的には概ね一定の範囲(上述してきた低周波帯域)に類するものの、厳密に個々を見れば、運転者の操舵能力に応じて様々である。具体的には、運転者が成人男性である場合と、女性或いは高齢者である場合とでは、前者の方がオーバーライドの最大周波数が高くなる傾向がある。無論、LPF処理部111のカットオフ周波数fc1を、前者に適合させておけば、より低周波側の後者について問題なくオーバーライドを検出することは出来る。しかしながら、外乱までを考慮すると、前者ではオーバーライドであるはずの周波数が、後者では外乱となり得る。外乱発生時の操舵特性もまた、運転者に応じて異なるからである。この点からすると、LPF処理部111のカットオフ周波数fc1を、運転者の操舵能力を反映する形で可変とするのも有効となる。ここでは、このような趣旨に基づく第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、LPF処理部111のカットオフ周波数fc1が可変である。従って、LPF処理部111は、望ましくはディジタルフィルタである。LPF処理部111のカットオフ周波数は、ECU100が実行する操舵特性学習処理に応じてLPF処理部111自身が設定する構成となっている。
ここで、操舵特性学習処理とは、運転者の最大操舵周波数を学習する処理である。操舵特性学習処理は、定常走行状態において一定以上の操舵角変化を伴う操舵入力が生じた場合に、その操舵入力の周波数を検出し(例えば、先述したFFT処理等がなされてもよい)、その最大値を適宜更新することによって行われる。このような学習は、望ましくはLKA制御の実行期間以外の通常の走行期間において行われる。
一方、LPF処理部111は、LKA制御が開始されると、操舵特性学習処理の学習値(現在車両を運転している運転者の最大操舵周波数)に基づいてカットオフ周波数fc1を設定する。具体的には、学習値が小さい、即ち最大操舵周波数が低い程、カットオフ周波数fc1は二値的に、段階的に或いは連続的に低周波側の値に変更される。
このようにすれば、運転者の操舵特性又は操舵能力に対して過不足のない低周波帯域をオーバーライド判定に利用することが出来、運転者個々の事情に即したLKA制御が実現され得る。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…車両、11…ハンドル、12…アッパーステアリングシャフト、100…ECU、200…VGRSアクチュエータ、300…VGRS駆動装置

Claims (14)

  1. 操舵装置を備えた車両を制御する装置であって、
    前記車両の軌跡を目標軌跡に追従させる軌跡制御のための前記操舵装置に関する第1目標制御量を設定する第1目標制御量設定手段と、
    前記設定された第1目標制御量に基づいて前記操舵装置を制御することにより前記軌跡制御を実行する制御手段と、
    前記軌跡制御の実行期間において、操舵入力の大きさ及び周波数に基づいて前記操舵入力がオーバーライドであるか否かを判定する判定手段と
    を具備することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記操舵入力は、操舵角、該操舵角に対する前記操舵装置の目標角、操舵角速度又は操舵トルクである
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の制御装置。
  3. 前記操舵入力における前記オーバーライドに対応付けられた低周波帯域の成分を通過させ、該低周波帯域を除く中高周波帯域の成分を減衰又は遮断する第1フィルタ手段を具備し、
    前記判定手段は、前記第1フィルタ手段の出力である第1フィルタ出力の大きさが所定値以上である場合に、前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の制御装置。
  4. 前記第1フィルタ出力に対し、絶対値が第1基準値以下となる範囲を不感帯とする第1不感帯処理を実行する第1不感帯処理手段と、
    前記第1不感帯処理手段の出力である第1不感帯出力に基づいて前記操舵入力に対応する前記操舵装置に関する第2目標制御量を設定する第2目標制御量設定手段と
    を具備し、
    前記制御手段は、前記設定された第1及び第2目標制御量に基づいて前記操舵装置を制御する
    ことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記第1基準値は、前記操舵入力に対する前記車両の応答特性に応じて設定される
    ことを特徴とする請求の範囲4項に記載の車両の制御装置。
  6. 前記第1フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記車両のヨー共振周波数よりも低周波側の値である
    ことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の車両の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定された場合に、前記軌跡制御を停止又は制限する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の制御装置。
  8. 前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定された場合に、前記設定された第1目標制御量における前記オーバーライドに対応付けられた低周波帯域の成分を減衰又は遮断し、該低周波帯域を除く中高周波帯域の成分を通過させる第2フィルタ手段と、
    前記第2フィルタ手段の出力である第2フィルタ出力に対し、絶対値が第2基準値以下となる範囲を不感帯とする第2不感帯処理を実行する第2不感帯処理手段と
    を具備し、
    前記制御手段は、前記第2不感帯処理の出力である第2不感帯出力に基づいて前記操舵装置を制御する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の制御装置。
  9. 前記第2フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記車両のヨー共振周波数よりも高周波側の値である
    ことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の車両の制御装置。
  10. 前記操舵入力における前記オーバーライドに対応付けられた第1低周波帯域の成分を通過させ、該第1低周波帯域を除く第1中高周波帯域の成分を減衰又は遮断する第1フィルタ手段と、
    前記第1フィルタ手段の出力である第1フィルタ出力に対し、絶対値が第1基準値以下となる範囲を不感帯とする第1不感帯処理を実行する第1不感帯処理手段と、
    前記第1不感帯処理手段の出力である第1不感帯出力に基づいて前記操舵入力に対応する前記操舵装置に関する第2目標制御量を設定する第2目標制御量設定手段と、
    前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定された場合に、前記設定された第1目標制御量における前記オーバーライドに対応付けられた第2低周波帯域の成分を減衰又は遮断し、該第2低周波帯域を除く第2中高周波帯域の成分を通過させる第2フィルタ手段と、
    前記第2フィルタ手段の出力である第2フィルタ出力に対し、絶対値が第2基準値以下となる範囲を不感帯とする第2不感帯処理を実行する第2不感帯処理手段と
    を具備し、
    前記判定手段は、前記第1フィルタ出力の大きさが所定値以上である場合に、前記操舵入力が前記オーバーライドであると判定し、
    前記制御手段は、前記第2不感帯処理手段の出力である第2不感帯出力と前記設定された第2目標制御量とに基づいて前記操舵装置を制御する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の制御装置。
  11. 前記第2フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記第1フィルタ手段のカットオフ周波数よりも高周波側で設定される
    ことを特徴とする請求の範囲第10項に記載の車両の制御装置。
  12. 前記第2フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記車両のヨー共振周波数よりも高周波側の値である
    ことを特徴とする請求の範囲第10項又は11項に記載の車両の制御装置。
  13. 前記第1フィルタ手段のカットオフ周波数は、前記車両のヨー共振周波数よりも低周波側の値である
    ことを特徴とする請求の範囲第10項又は11項に記載の車両の制御装置。
  14. 運転者の操舵特性を学習する学習手段と、
    前記学習された操舵特性に応じて前記第1フィルタ手段のカットオフ周波数を設定するカットオフ周波数設定手段と
    を具備する
    ことを特徴とする請求の範囲第10項に記載の車両の制御装置。
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