JP4483117B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両が車線から逸脱するのを防止するようにした車線逸脱防止装置や、横風等の外乱により車両がふらつくのを防止できるようにした自動操舵装置等に用いて好適の、操舵制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、前輪及び後輪をともに操舵する四輪操舵機構を利用して、レーンキープ制御(車線逸脱防止制御)等の操舵制御を行なうようにした技術が提案,開発されている。例えば、特開平10−147251号公報等には、後輪側操舵機構の操舵アクチュエータを制御して車線逸脱を防止する技術が開示されている。
【0003】
また、このような四輪操舵機構のうち前輪側操舵機構及び後輪側操舵機構にそれぞれ前輪及び後輪を操舵するアクチュエータを設け、これらのアクチュエータを制御することで自動操舵を実現したいという要望もある。
この場合、種々のセンサ類からの情報に基づいて、車両の目標ヨーレイトを算出し、この目標ヨーレイトとなるように各アクチュエータに対する制御信号を出力して、前輪及び後輪を操舵するような技術が一般的に良く知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この目標ヨーレイトは、種々のセンサから入力される多数の情報(パラメータ)に基づいて算出されるが、センサからの情報にはさまざまなノイズが含まれており、また、車両自体にも路面の凹凸や横風等のさまざまな外乱が入力される。したがって、算出された目標ヨーレイトは、このようなノイズを含んだものとなる。なお、理想的には目標ヨーレイトからこのようなノイズを完全に除去するのが望ましいが、ノイズを除去すると補正が必要な外乱情報まで除去されてしまうという課題がある。
【0005】
また、前輪操舵機構にはハンドルが接続されているため、このようなノイズがアクチュエータに入力されると、ノイズの主に高周波成分に起因してハンドルが細かく左右に振られるという課題がある。また、このようにハンドルが振動すると、ドライバはハンドルの細かい動きを抑制しようとして操舵力を入力する場合があるが、この場合、アクチュエータによる操舵とドライバによる操舵が干渉してしまい、この結果ドライバビリティが損なわれてしまうという課題がある。
【0006】
なお、特開平10−152063号公報には、後輪側操舵機構に後輪を操舵する電動モータを設けた車両において、車両が走行レーンから逸脱しないように後輪の操舵制御を行なった場合に、運転者のハンドル操作と操舵制御とが干渉するのを防止するようにした技術が開示されている。しかしながら、後輪のみの制御では車両挙動の低周波から高周波までを制御できず、上述の課題を何ら解決しうるものではなっかた。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、前輪を操舵するアクチュエータと後輪を操舵するアクチュエータとをそれぞれそなえた車両の操舵制御において、前輪を操舵するアクチュエータに伝達される高周波成分を抑制して、ドライバの操舵とアクチュエータによる操舵との干渉を防止できるようにした、操舵制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の操舵制御装置では、車両の走行状態に基づいて目標ヨーレイト演算手段により車両の目標ヨーレイトが演算され、目標ヨーレイト演算手段で演算された目標ヨーレイトが周波数分離手段により低周波成分と高周波成分とに分離される。そして、周波数分離手段で得られる目標ヨーレイトの低周波成分に基づいて車両の前輪を操舵する前輪操舵手段の作動が制御されるとともに、周波数分離手段で得られる目標ヨーレイトの高周波成分に基づいて後輪操舵手段の作動が制御される。
【0009】
また、請求項2記載の本発明の操舵制御装置は、上記請求項1において、ヨーレイト検出手段により車両の実ヨーレイトが検出されるとともに、横加速度検出手段により車両の横加速度が検出される。また、ヨーレイト検出手段及び横加速度検出手段で得られた実ヨーレイト及び横加速度に基づいて外乱推定手段により、車両に作用する外乱が推定される。そして、目標ヨーレイト演算手段では、外乱推定手段で推定された外乱に対する影響を抑制するように目標ヨーレイトを演算する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の第1実施形態にかかる操舵制御装置について説明すると、図1はその要部の機能に着目した模式的なブロック図、図2は本発明が適用される車両の操舵系について示す模式図、図3はその作用を説明するための図、図4はその制御シミュレーションの一例を示す図である。
【0011】
第1実施形態は、本発明の操舵制御装置を車線逸脱防止制御(レーンキープ制御)に適用したものであり、以下では、まず車両の操舵系の構成ついて簡単に説明する。
本発明が適用される車両1は、図2に示すように、前輪41,42のみならず後輪51,52も操舵可能な四輪操舵(4WS)システムをそなえて構成されている。すなわち、この車両1には、前輪41,42を操舵する前輪操舵機構10及び後輪51,52を操舵する後輪操舵機構20がそれぞれ設けられており、これらの操舵機構10,20により前輪41,42と後輪51,52とがそれぞれ独立して操舵されるようになっている。
【0012】
このうち、前輪操舵機構10にはドライバにより操舵力が入力される操舵ハンドル11が設けられている。操舵ハンドル11はステアリングシャフト12を介してステアリングギヤボックス13内のピニオンギヤ(図示省略)に接続され、ピニオンギヤはラック14と噛合している。そして、操舵ハンドル11が操作されると、ハンドル11の回転運動が往復運動に変換されてラック14に伝達されるようになっている。
【0013】
また、ラック14の両端には左右タイロッド15a,15bが接続されている。これらのタイロッド15a,15bは左右ナックルアーム16a,16bを介してそれぞれ左右前輪41,42に接続されており、これにより、ハンドル11の操舵量に応じて左右前輪41,42が操舵されるようになっている。
また、図示するように、ステアリングギヤボックス13には、前輪に操舵力を付与するアクチュエータとしての電動モータ(前輪操舵手段)17が付設されている。このモータ17の回転軸は減速機構を介してラック14に接続されており、モータ17の作動に応じて前輪41,42が操舵可能に構成されている。
【0014】
また、後輪操舵機構20は後輪を操舵するアクチュエータとしての電動モータ21を備えている。電動モータ21の回転軸はステアリングギヤボックス22内において減速機構を介して軸方向に変位可能に支持されたリレーロッド23に接続されており、モータ21の回転に応じてリレーロッド23が軸方向に変位するようになっている。また、リレーロッド23側からの入力により電動モータ21が回転駆動されることがないように、モータ21とリレーロッド23とは例えばボールネジ機構により接続されている。
【0015】
リレーロッド23の両端にはタイロッド24a,24b及びナックルアーム25a,25bを介して左右後輪51,52が接続されており、左右後輪51,52はリレーロッド23の軸方向の変位に応じて操舵されるようになっている。
また、上記の各電動モータ17,21はいずれも後述する電子制御回路(ECU)30に電気的に接続されており、ECU30からの制御信号に基づいてその作動が制御されるようになっている。
【0016】
次に、図1に基づいて、本第1実施形態における操舵制御装置の要部構成について説明すると、ECU30内には、車両の目標ヨーレイトを演算する目標ヨーレイト演算部(目標ヨーレイト演算手段)31、上記目標ヨーレイト演算部31で算出された目標ヨーレイトを低周波成分と高周波成分とに分離するフィルタ(周波数分離手段)32、フィルタ32で処理された情報に基づいて前後のモータ17,21の作動をそれぞれ制御する前輪舵角制御手段33a及び後輪舵角制御手段33bが機能要素として設けられている。なお、図1では、便宜上ECU30を車両1の外に示すがECU30が車両1に設けられているのは言うまでもない。
【0017】
また、この車両1には、前方の道路状況を撮像するカメラ37が設けられており、ECU30では、このカメラ37からの画像情報に基づいて自車の走行している走行レーンや道路の曲がり具合が判定されるようになっている。
すなわち、ECU30にはカメラ37で撮像された画像情報に基づいて道路のレーンを認識するレーン認識手段40が設けられている。このレーン認識手段40には、図示はしないが、カメラ37で撮像された画像情報をディジタル変換するA/Dコンバータや、A/Dコンバータで変換されたディジタル情報に基づいて画像処理を行なう画像処理手段や、画像処理手段で処理された情報に基づき道路状況を判定する道路状況判定手段等が設けられており、この道路状況判定手段では、上記画像情報に基づいて道路のレーンを区画する車線61,62(図3参照)を認識するとともに、この車線情報から自車の走行する走行レーンを認識するようになっている。
【0018】
また、図3に示すように、走行レーンの中央線(実際には存在しない仮想の線)を基準として道路の曲率ρが算出されるとともに、走行レーンの中央線に対する車両1の傾き角θ、即ち、対レーンヨー角θや、車両1の横ずれ量yが算出されるようになっている。なお、このようにカメラ37からの画像情報を処理して走行レーンを認識したり、道路の曲率ρ,対レーンヨー角θ及び横ずれ量yを算出する技術は公知のものである。
【0019】
そして、目標ヨーレイト演算部31では、これら対レーンヨー角θと横ずれ量yと曲率ρとに基づいて、下式により車両の目標ヨーレイトrt が算出されるようになっている。
t =ky ・y+kθ・θ+kρ ・ρ(ky ,kθ ,kρ はともに所定のゲイン)
このようにして目標ヨーレイトrt が算出されると、フィルタ32により、目標ヨーレイトrt の周波数が低周波成分と高周波成分とに分離されるようになっている。ここで、フィルタ32は、目標ヨーレイトrt の低周波成分のみを抽出するローパスフィルタ32aと高周波成分のみを抽出するハイパスフィルタ32bとから構成されており、ローパスフィルタ32aにより抽出された低周波成分は、前輪舵角制御手段33aに入力され、ハイパスフィルタ32bにより抽出された高周波成分は、後輪舵角制御手段33bに入力されるようになっている。
【0020】
これにより、目標ヨーレイトrt の低周波成分が前輪操舵機構10の電動モータ17の制御量として出力され、高周波成分が後輪操舵機構20の電動モータ21の制御量として出力されるようになっている。つまり、前輪操舵機構10の電動モータ17は、目標ヨーレイトrt の低周波成分に基づいて前輪舵角制御手段33aによりその作動が制御され、後輪操舵機構20の電動モータ21は、目標ヨーレイトrt の高周波成分に基づいて後輪舵角制御手段33bによりその作動が制御されるようになっているのである。
【0021】
なお、前輪操舵機構10にはハンドル11からドライバの操舵力も入力されるが、この操舵力は加算部36を介して電動モータ17の操舵力に加算され、ドライバによる操舵力と電動モータ17の操舵力との合力により前輪41,42が操舵されるようになっている。
ところで、このように目標ヨーレイトrt を低周波成分と高周波成分とに分離して、前輪側の制御では低周波領域のみを補償し、後輪側の制御では高周波領域のみを補償するのは、主に以下の理由による。
【0022】
即ち、目標ヨーレイトを算出するために、ECU30には種々のセンサから多数の情報(パラメータ)が入力されるが、このような情報にはノイズが含まれており、また、車両1自体にも路面の凹凸や横風等のさまざまな外乱が入力される。したがって、算出された目標ヨーレイトは、このようなノイズや外乱を含んだものとなるが、目標ヨーレイトからノイズの高周波成分を除去すると外乱の影響を抑制するのが困難となる。
【0023】
一方、前輪操舵機構10にはハンドル11が接続されているため、このようなノイズの高周波成分がハンドル11に伝達されるとハンドル11が細かく振動する。ドライバはハンドル11の細かい動きを抑制しようとするため、ドライバによる操舵とモータ17による操舵とが干渉してしまい、この結果、ドライバビリティが損なわれてしまう。
【0024】
そこで、本第1実施形態では、算出された目標ヨーレイトを低周波成分と高周波成分とに分離して、前輪側の制御では低周波領域のみを補償し、後輪側の制御では高周波領域のみを補償しているのである。
このように目標ヨーレイトを低周波成分と高周波成分とに分離することにより、前輪側では、電動モータ17に入力される高周波ノイズが低減されてハンドル11の振動が抑制され、ハンドル11から入力される操舵とモータ17による操舵との干渉が低減される。したがって、ドライバによる操舵との協調制御が可能となる。また、後輪側操舵機構20で高周波領域を補償することで制御の安定性を確保することができる。
【0025】
本発明の第1実施形態にかかる操舵制御装置は上述のように構成されているので、以下のようにして前輪操舵機構及び後輪操舵機構が操舵される。
すなわち、まずカメラ37で前方の道路状況が撮像され、この画像情報から走行レーンが認識され、道路の曲率ρ,対レーンヨー角θ及び横ずれ量yが算出される。そして、これら対レーンヨー角θと横ずれ量yとに基づいて目標ヨーレイト演算部31で目標ヨーレイトrt が算出される。
【0026】
目標ヨーレイトrt が算出されると、この目標ヨーレイトrt の周波数がローパスフィルタ32a及びハイパスフィルタ32bを介して分離される。そして、目標ヨーレイトrt の低周波成分に基づいて前輪操舵機構10の電動モータ17の作動が制御され、目標ヨーレイトrt の高周波成分に基づいて後輪操舵機構20の電動モータ21の作動が制御される。
【0027】
これにより、対レーンヨー角θや横ずれ量yがとも0になるように前輪操舵機構10及び後輪操舵機構20が制御されて、車両1の走行レーンからの逸脱が防止される。
図4はこのような操舵制御装置を用いてレーンキープ制御を行なったときのシミュレーションの結果を示す特性を示す図であり、(a)は車両1の横ずれ量、(b)は車両1の対レーンヨー角、(c)は目標ヨーレイト、(d)は前輪舵角、(e)は後輪舵角の特性を示している。
【0028】
図4(c)に示すように、目標ヨーレイトはノイズの影響を受けて変動しているが、これを低周波成分と高周波成分とに分離して、低周波成分及び高周波成分に基づいてそれぞれ前輪及び後輪の舵角を制御することにより、図4(d)に示すように、前輪側では高周波ノイズが低減して周波数の低い制御となり、舵角の変動幅が低減する。また、図4(e)に示すように、後輪側は周波数の高い制御となる。
【0029】
そして、このような特性で前輪及び後輪を操舵することにより、図4(a),(b)に示すように車両1の横ずれ量及びヨー角がともに0に収束し、安定した制御が行なわれる。
特に、目標ヨーレイトrt の低周波成分に基づいて前輪操舵機構10の電動モータ17の作動を制御することで、各センサから入力されるノイズが低減されて、ハンドル11に伝えられる細かな振動が大幅に低減する。したがって、電動モータ17の作動時の操舵フィーリング及びドライバビリティが大幅に向上する。さらに、ハンドル11に伝達される振動が低減されることで、振動を抑制しようとするドライバの操舵力も低減され、結果的にドライバの操舵と電動モータ17による操舵との干渉が防止でき、ドライバや乗員にとって違和感のない操舵制御が実行される。また、後輪側操舵機構20で高周波領域を補償することで制御の安定性が確保される。
【0030】
なお、目標ヨーレイトの算出手法については上述のものに限定されるものではなく、例えばナビゲーションシステム等を利用して前方の道路の曲率や自車の横ずれ量を検出し、これに基づいて目標ヨーレイトを算出するもの等、他の種々の手法が適用可能である。また、上記のゲイン算出式において、kρ ・ρの項を省略してゲインを求めてもよい。
【0031】
次に、本発明の第2実施形態にかかる操舵制御装置について説明すると、図5はその要部の機能に着目した模式的なブロック図である。
この第2実施形態は、本発明の操舵制御装置を、車両1に作用する外乱を推定してこの外乱を抑制するべく操舵を行なうような外乱抑制制御に適用したものであり、第1実施形態に対して、主にECU30の機能構成が異なっている。したがって、以下では、主にECU30の構成について説明する。なお、車両1の操舵機構については第1実施形態と同様に構成されているため、その詳細な説明は極力省略する。
【0032】
図5に示すように、ECU30には、第1実施形態と同様に、車両の目標ヨーレイトを演算する目標ヨーレイト演算部(目標ヨーレイト演算手段)31、上記目標ヨーレイト演算部31で算出された目標ヨーレイトを低周波成分と高周波成分とに分離するフィルタ(周波数分離手段)32、フィルタ32で処理された情報に基づいて前後のモータ17,21の作動をそれぞれ制御する前輪舵角制御手段33a及び後輪舵角制御手段33bが機能的に設けられている。また、フィルタ32は、目標ヨーレイトrt の低周波成分のみを抽出するローパスフィルタ32aと高周波成分のみを抽出するハイパスフィルタ32bとから構成されており、ローパスフィルタ32aにより抽出された低周波成分は、前輪舵角制御手段33aに入力され、ハイパスフィルタ32bにより抽出された高周波成分は、後輪舵角制御手段33bに入力されるようになっている。
【0033】
一方、このECU30には外乱推定部(外乱推定手段)38が設けられている。そして、この外乱推定手段38では、車両1に設けられたヨーレイトセンサ34及び横加速度センサ39から得られるヨーレイトr及び横加速度ygに基づいて、車両に作用する外乱φが推定されるようになっている。ここで、外乱は、例えば定常状態では力の釣り合いから路面勾配の外乱を推定することができ、過渡状態であってもハンドル角センサを追加すれば、外乱を推定することが可能である。
【0034】
そして、この外乱推定手段38で外乱φが推定されると、この外乱φが目標ヨーレイト演算部31に入力されて、この外乱φを抑制するための目標ヨーレイトrt が下式に基づいて算出されるようになっている。
t =kφ・φ(kφは所定のゲイン)
このようにして目標ヨーレイトrt が算出されると、ローパスフィルタ32a,及びハイパスフィルタ32bにより目標ヨーレイトrt の周波数が低周波成分と高周波成分とに分離され、このうち低周波成分は前輪舵角制御手段33aに入力されるとともに高周波成分は後輪舵角制御手段33bに入力されるようになっている。
【0035】
そして、前輪舵角制御手段33aにより、目標ヨーレイトrt の低周波成分に基づいて前輪操舵機構10の電動モータ17の作動が制御され、後輪舵角制御手段33bにより、目標ヨーレイトrt の高周波成分に基づいて後輪操舵機構20の電動モータ21の作動が制御されるようになっている。
また、ハンドル11から前輪操舵機構10に入力されるドライバの操舵力は、加算部36を介して電動モータ17の操舵力に加算され、ドライバによる操舵力と電動モータ17の操舵力との合力により前輪41,42が操舵されるようになっている。
【0036】
本発明の第2実施形態にかかる操舵制御装置は上述のように構成されているので、外乱の影響を抑制する(又は相殺する)ように前輪操舵機構10及び後輪操舵機構20が制御されて、車両1のふらつき等が防止される。
また、目標ヨーレイト演算部31で算出された目標ヨーレイトrt を低周波成分と高周波成分とに分離して、低周波成分に基づいて前輪操舵機構10の電動モータ17の作動を制御し、且つ、高周波成分に基づいて後輪操舵機構20の電動モータ21の作動を制御することで、上記第1実施形態と同様の作用,効果を得ることができる。
【0037】
すなわち、目標ヨーレイトrt の低周波成分に基づいて前輪操舵機構10の電動モータ17の作動が制御されることで、外乱による高周波ノイズが低減されて、ハンドル11に伝えられる細かな振動が大幅に低減される。そして、これにより、電動モータ17の作動時の操舵フィーリング及びドライバビリティが大幅に向上する。さらに、ハンドル11に伝達される振動が低減されることで、振動を抑制しようとするドライバの操舵力も低減され、結果的にドライバの操舵と電動モータ17による操舵との干渉が大幅に抑制されて、ドライバや乗員にとって違和感のない操舵制御が実行される。また、後輪側操舵機構20で高周波領域を補償することで制御の安定性が確保される。
【0038】
なお、目標ヨーレイトの算出手法については上述のものに限定されるものではなく、他の種々のセンサからの情報に基づいて外乱を演算してもよい。
また、本発明の操舵制御装置は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である、例えば第1実施形態において、ヨーレイトセンサ34や横加速度センサ39を追加して、これらのセンサから得られる情報をフィードバックして制御を実行するようにしてもよい。
【0039】
また、前輪操舵機構10及び後輪操舵機構20に適用されるアクチュエータは電動モータに限定されるものではなく、流体圧により作動するアクチュエータ(例えば油圧シリンダ機構)等種々のアクチュエータを適用することができる。また、上述の各実施形態で説明した細部の構成についても、種々変形可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1にかかる本発明の操舵制御装置によれば、目標ヨーレイト演算手段で車両の走行状態に基づいて目標ヨーレイトを演算し、目標ヨーレイト演算手段で演算された目標ヨーレイトを周波数分離手段で低周波成分と高周波成分とに分離するとともに、周波数分離手段で得られる目標ヨーレイトの低周波成分に基づいて、車両の前輪を操舵する前輪操舵手段の作動を制御し、周波数分離手段で得られる目標ヨーレイトの高周波成分に基づいて後輪操舵手段の作動を制御するという簡素な構成で、前輪を操舵する前輪操舵手段に伝達されるノイズが極力抑制されて、ドライバの操舵と前輪操舵手段による操舵との干渉を防止でき、ドライバによる操舵との協調制御が可能となる。また、後輪操舵手段により高周波領域を補償することで制御の安定性を確保することができ、ドライバや乗員にとって違和感のない操舵制御が実行できる利点がある。
【0041】
また、請求項2にかかる本発明の操舵制御装置によれば、目標ヨーレイト演算手段が、外乱推定手段で推定された外乱に基づいて目標ヨーレイトを演算するので、この外乱を抑制するように制御を行なうことで、上記請求項1の効果に加えて、車両のふらつき等を防止した操舵制御を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる操舵制御装置の要部の機能に着目した模式的なブロック図である。
【図2】本発明が適用される車両の操舵系について示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる操舵制御装置の作用を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる操舵制御装置の制御シミュレーションの一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる操舵制御装置の要部の機能に着目した模式的なブロック図である。
【符号の説明】
1 車両
17 アクチュエータとしての電動モータ(前輪操舵手段)
21 アクチュエータとしての電動モータ(後輪操舵手段)
31 目標ヨーレイト演算部(目標ヨーレイト演算手段)
32 フィルタ(周波数分離手段)
32a ローパスフィルタ
32b ハイパスフィルタ
34 ヨーレイトセンサ(ヨーレイト検出手段)
38 外乱推定部(外乱推定手段)
39 横加速度センサ(横加速度検出手段)
41,42 前輪
51,52 後輪

Claims (2)

  1. 車両の前輪を操舵する前輪操舵手段と、
    該車両の後輪を操舵する後輪操舵手段と、
    該車両の走行状態に基づいて該車両の目標ヨーレイトを演算する目標ヨーレイト演算手段と、
    該目標ヨーレイト演算手段で演算された目標ヨーレイトを低周波成分と高周波成分とに分離する周波数分離手段とをそなえ、
    該周波数分離手段で得られる該目標ヨーレイトの低周波成分に基づいて該前輪操舵手段の作動が制御されるとともに、該周波数分離手段で得られる該目標ヨーレイトの高周波成分に基づいて該後輪操舵手段の作動が制御されるように構成されている
    ことを特徴とする、操舵制御装置。
  2. 該車両の実ヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、
    該車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    該ヨーレイト検出手段及び該横加速度検出手段からの検出情報に基づいて該車両に作用する外乱を推定する外乱推定手段とをそなえ、
    該目標ヨーレイト演算手段が、該外乱推定手段で推定された外乱に対する影響を抑制するように目標ヨーレイトを演算するように構成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の操舵制御装置。
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