JP2002302058A - 操舵制御装置 - Google Patents

操舵制御装置

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JP2002302058A
JP2002302058A JP2001108602A JP2001108602A JP2002302058A JP 2002302058 A JP2002302058 A JP 2002302058A JP 2001108602 A JP2001108602 A JP 2001108602A JP 2001108602 A JP2001108602 A JP 2001108602A JP 2002302058 A JP2002302058 A JP 2002302058A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、操舵制御装置に関し、前輪を操舵
するアクチュエータに伝達されるノイズを極力抑制し
て、ドライバの操舵とアクチュエータによる操舵との干
渉を防止できるようにする。 【解決手段】 目標ヨーレイト演算手段31で車両の走
行状態に基づいて目標ヨーレイトを演算し、目標ヨーレ
イト演算手段31で演算された目標ヨーレイトを周波数
分離手段32で低周波成分と高周波成分とに分離する。
そして、周波数分離手段32で得られる目標ヨーレイト
の低周波成分に基づいて車両の前輪を操舵する前輪操舵
手段33aの作動を制御し、周波数分離手段で得られる
目標ヨーレイトの高周波成分に基づいて後輪操舵手段3
3bの作動を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両が車線から逸
脱するのを防止するようにした車線逸脱防止装置や、横
風等の外乱により車両がふらつくのを防止できるように
した自動操舵装置等に用いて好適の、操舵制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、前輪及び後輪をともに操舵す
る四輪操舵機構を利用して、レーンキープ制御(車線逸
脱防止制御)等の操舵制御を行なうようにした技術が提
案,開発されている。例えば、特開平10−14725
1号公報等には、後輪側操舵機構の操舵アクチュエータ
を制御して車線逸脱を防止する技術が開示されている。
【0003】また、このような四輪操舵機構のうち前輪
側操舵機構及び後輪側操舵機構にそれぞれ前輪及び後輪
を操舵するアクチュエータを設け、これらのアクチュエ
ータを制御することで自動操舵を実現したいという要望
もある。この場合、種々のセンサ類からの情報に基づい
て、車両の目標ヨーレイトを算出し、この目標ヨーレイ
トとなるように各アクチュエータに対する制御信号を出
力して、前輪及び後輪を操舵するような技術が一般的に
良く知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この目標ヨ
ーレイトは、種々のセンサから入力される多数の情報
(パラメータ)に基づいて算出されるが、センサからの
情報にはさまざまなノイズが含まれており、また、車両
自体にも路面の凹凸や横風等のさまざまな外乱が入力さ
れる。したがって、算出された目標ヨーレイトは、この
ようなノイズを含んだものとなる。なお、理想的には目
標ヨーレイトからこのようなノイズを完全に除去するの
が望ましいが、ノイズを除去すると補正が必要な外乱情
報まで除去されてしまうという課題がある。
【0005】また、前輪操舵機構にはハンドルが接続さ
れているため、このようなノイズがアクチュエータに入
力されると、ノイズの主に高周波成分に起因してハンド
ルが細かく左右に振られるという課題がある。また、こ
のようにハンドルが振動すると、ドライバはハンドルの
細かい動きを抑制しようとして操舵力を入力する場合が
あるが、この場合、アクチュエータによる操舵とドライ
バによる操舵が干渉してしまい、この結果ドライバビリ
ティが損なわれてしまうという課題がある。
【0006】なお、特開平10−152063号公報に
は、後輪側操舵機構に後輪を操舵する電動モータを設け
た車両において、車両が走行レーンから逸脱しないよう
に後輪の操舵制御を行なった場合に、運転者のハンドル
操作と操舵制御とが干渉するのを防止するようにした技
術が開示されている。しかしながら、後輪のみの制御で
は車両挙動の低周波から高周波までを制御できず、上述
の課題を何ら解決しうるものではなっかた。
【0007】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、前輪を操舵するアクチュエータと後輪を操舵
するアクチュエータとをそれぞれそなえた車両の操舵制
御において、前輪を操舵するアクチュエータに伝達され
る高周波成分を抑制して、ドライバの操舵とアクチュエ
ータによる操舵との干渉を防止できるようにした、操舵
制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
操舵制御装置では、車両の走行状態に基づいて目標ヨー
レイト演算手段により車両の目標ヨーレイトが演算さ
れ、目標ヨーレイト演算手段で演算された目標ヨーレイ
トが周波数分離手段により低周波成分と高周波成分とに
分離される。そして、周波数分離手段で得られる目標ヨ
ーレイトの低周波成分に基づいて車両の前輪を操舵する
前輪操舵手段の作動が制御されるとともに、周波数分離
手段で得られる目標ヨーレイトの高周波成分に基づいて
後輪操舵手段の作動が制御される。
【0009】また、請求項2記載の本発明の操舵制御装
置は、上記請求項1において、ヨーレイト検出手段によ
り車両の実ヨーレイトが検出されるとともに、横加速度
検出手段により車両の横加速度が検出される。また、ヨ
ーレイト検出手段及び横加速度検出手段で得られた実ヨ
ーレイト及び横加速度に基づいて外乱推定手段により、
車両に作用する外乱が推定される。そして、目標ヨーレ
イト演算手段では、外乱推定手段で推定された外乱に対
する影響を抑制するように目標ヨーレイトを演算する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の第1
実施形態にかかる操舵制御装置について説明すると、図
1はその要部の機能に着目した模式的なブロック図、図
2は本発明が適用される車両の操舵系について示す模式
図、図3はその作用を説明するための図、図4はその制
御シミュレーションの一例を示す図である。
【0011】第1実施形態は、本発明の操舵制御装置を
車線逸脱防止制御(レーンキープ制御)に適用したもの
であり、以下では、まず車両の操舵系の構成ついて簡単
に説明する。本発明が適用される車両1は、図2に示す
ように、前輪41,42のみならず後輪51,52も操
舵可能な四輪操舵(4WS)システムをそなえて構成さ
れている。すなわち、この車両1には、前輪41,42
を操舵する前輪操舵機構10及び後輪51,52を操舵
する後輪操舵機構20がそれぞれ設けられており、これ
らの操舵機構10,20により前輪41,42と後輪5
1,52とがそれぞれ独立して操舵されるようになって
いる。
【0012】このうち、前輪操舵機構10にはドライバ
により操舵力が入力される操舵ハンドル11が設けられ
ている。操舵ハンドル11はステアリングシャフト12
を介してステアリングギヤボックス13内のピニオンギ
ヤ(図示省略)に接続され、ピニオンギヤはラック14
と噛合している。そして、操舵ハンドル11が操作され
ると、ハンドル11の回転運動が往復運動に変換されて
ラック14に伝達されるようになっている。
【0013】また、ラック14の両端には左右タイロッ
ド15a,15bが接続されている。これらのタイロッ
ド15a,15bは左右ナックルアーム16a,16b
を介してそれぞれ左右前輪41,42に接続されてお
り、これにより、ハンドル11の操舵量に応じて左右前
輪41,42が操舵されるようになっている。また、図
示するように、ステアリングギヤボックス13には、前
輪に操舵力を付与するアクチュエータとしての電動モー
タ(前輪操舵手段)17が付設されている。このモータ
17の回転軸は減速機構を介してラック14に接続され
ており、モータ17の作動に応じて前輪41,42が操
舵可能に構成されている。
【0014】また、後輪操舵機構20は後輪を操舵する
アクチュエータとしての電動モータ21を備えている。
電動モータ21の回転軸はステアリングギヤボックス2
2内において減速機構を介して軸方向に変位可能に支持
されたリレーロッド23に接続されており、モータ21
の回転に応じてリレーロッド23が軸方向に変位するよ
うになっている。また、リレーロッド23側からの入力
により電動モータ21が回転駆動されることがないよう
に、モータ21とリレーロッド23とは例えばボールネ
ジ機構により接続されている。
【0015】リレーロッド23の両端にはタイロッド2
4a,24b及びナックルアーム25a,25bを介し
て左右後輪51,52が接続されており、左右後輪5
1,52はリレーロッド23の軸方向の変位に応じて操
舵されるようになっている。また、上記の各電動モータ
17,21はいずれも後述する電子制御回路(ECU)
30に電気的に接続されており、ECU30からの制御
信号に基づいてその作動が制御されるようになってい
る。
【0016】次に、図1に基づいて、本第1実施形態に
おける操舵制御装置の要部構成について説明すると、E
CU30内には、車両の目標ヨーレイトを演算する目標
ヨーレイト演算部(目標ヨーレイト演算手段)31、上
記目標ヨーレイト演算部31で算出された目標ヨーレイ
トを低周波成分と高周波成分とに分離するフィルタ(周
波数分離手段)32、フィルタ32で処理された情報に
基づいて前後のモータ17,21の作動をそれぞれ制御
する前輪舵角制御手段33a及び後輪舵角制御手段33
bが機能要素として設けられている。なお、図1では、
便宜上ECU30を車両1の外に示すがECU30が車
両1に設けられているのは言うまでもない。
【0017】また、この車両1には、前方の道路状況を
撮像するカメラ37が設けられており、ECU30で
は、このカメラ37からの画像情報に基づいて自車の走
行している走行レーンや道路の曲がり具合が判定される
ようになっている。すなわち、ECU30にはカメラ3
7で撮像された画像情報に基づいて道路のレーンを認識
するレーン認識手段40が設けられている。このレーン
認識手段40には、図示はしないが、カメラ37で撮像
された画像情報をディジタル変換するA/Dコンバータ
や、A/Dコンバータで変換されたディジタル情報に基
づいて画像処理を行なう画像処理手段や、画像処理手段
で処理された情報に基づき道路状況を判定する道路状況
判定手段等が設けられており、この道路状況判定手段で
は、上記画像情報に基づいて道路のレーンを区画する車
線61,62(図3参照)を認識するとともに、この車
線情報から自車の走行する走行レーンを認識するように
なっている。
【0018】また、図3に示すように、走行レーンの中
央線(実際には存在しない仮想の線)を基準として道路
の曲率ρが算出されるとともに、走行レーンの中央線に
対する車両1の傾き角θ、即ち、対レーンヨー角θや、
車両1の横ずれ量yが算出されるようになっている。な
お、このようにカメラ37からの画像情報を処理して走
行レーンを認識したり、道路の曲率ρ,対レーンヨー角
θ及び横ずれ量yを算出する技術は公知のものである。
【0019】そして、目標ヨーレイト演算部31では、
これら対レーンヨー角θと横ずれ量yと曲率ρとに基づ
いて、下式により車両の目標ヨーレイトrt が算出され
るようになっている。 rt =ky ・y+kθ・θ+kρ ・ρ(ky ,kθ
ρ はともに所定のゲイン) このようにして目標ヨーレイトrt が算出されると、フ
ィルタ32により、目標ヨーレイトrt の周波数が低周
波成分と高周波成分とに分離されるようになっている。
ここで、フィルタ32は、目標ヨーレイトrt の低周波
成分のみを抽出するローパスフィルタ32aと高周波成
分のみを抽出するハイパスフィルタ32bとから構成さ
れており、ローパスフィルタ32aにより抽出された低
周波成分は、前輪舵角制御手段33aに入力され、ハイ
パスフィルタ32bにより抽出された高周波成分は、後
輪舵角制御手段33bに入力されるようになっている。
【0020】これにより、目標ヨーレイトrt の低周波
成分が前輪操舵機構10の電動モータ17の制御量とし
て出力され、高周波成分が後輪操舵機構20の電動モー
タ21の制御量として出力されるようになっている。つ
まり、前輪操舵機構10の電動モータ17は、目標ヨー
レイトrt の低周波成分に基づいて前輪舵角制御手段3
3aによりその作動が制御され、後輪操舵機構20の電
動モータ21は、目標ヨーレイトrt の高周波成分に基
づいて後輪舵角制御手段33bによりその作動が制御さ
れるようになっているのである。
【0021】なお、前輪操舵機構10にはハンドル11
からドライバの操舵力も入力されるが、この操舵力は加
算部36を介して電動モータ17の操舵力に加算され、
ドライバによる操舵力と電動モータ17の操舵力との合
力により前輪41,42が操舵されるようになってい
る。ところで、このように目標ヨーレイトrt を低周波
成分と高周波成分とに分離して、前輪側の制御では低周
波領域のみを補償し、後輪側の制御では高周波領域のみ
を補償するのは、主に以下の理由による。
【0022】即ち、目標ヨーレイトを算出するために、
ECU30には種々のセンサから多数の情報(パラメー
タ)が入力されるが、このような情報にはノイズが含ま
れており、また、車両1自体にも路面の凹凸や横風等の
さまざまな外乱が入力される。したがって、算出された
目標ヨーレイトは、このようなノイズや外乱を含んだも
のとなるが、目標ヨーレイトからノイズの高周波成分を
除去すると外乱の影響を抑制するのが困難となる。
【0023】一方、前輪操舵機構10にはハンドル11
が接続されているため、このようなノイズの高周波成分
がハンドル11に伝達されるとハンドル11が細かく振
動する。ドライバはハンドル11の細かい動きを抑制し
ようとするため、ドライバによる操舵とモータ17によ
る操舵とが干渉してしまい、この結果、ドライバビリテ
ィが損なわれてしまう。
【0024】そこで、本第1実施形態では、算出された
目標ヨーレイトを低周波成分と高周波成分とに分離し
て、前輪側の制御では低周波領域のみを補償し、後輪側
の制御では高周波領域のみを補償しているのである。こ
のように目標ヨーレイトを低周波成分と高周波成分とに
分離することにより、前輪側では、電動モータ17に入
力される高周波ノイズが低減されてハンドル11の振動
が抑制され、ハンドル11から入力される操舵とモータ
17による操舵との干渉が低減される。したがって、ド
ライバによる操舵との協調制御が可能となる。また、後
輪側操舵機構20で高周波領域を補償することで制御の
安定性を確保することができる。
【0025】本発明の第1実施形態にかかる操舵制御装
置は上述のように構成されているので、以下のようにし
て前輪操舵機構及び後輪操舵機構が操舵される。すなわ
ち、まずカメラ37で前方の道路状況が撮像され、この
画像情報から走行レーンが認識され、道路の曲率ρ,対
レーンヨー角θ及び横ずれ量yが算出される。そして、
これら対レーンヨー角θと横ずれ量yとに基づいて目標
ヨーレイト演算部31で目標ヨーレイトrt が算出され
る。
【0026】目標ヨーレイトrt が算出されると、この
目標ヨーレイトrt の周波数がローパスフィルタ32a
及びハイパスフィルタ32bを介して分離される。そし
て、目標ヨーレイトrt の低周波成分に基づいて前輪操
舵機構10の電動モータ17の作動が制御され、目標ヨ
ーレイトrt の高周波成分に基づいて後輪操舵機構20
の電動モータ21の作動が制御される。
【0027】これにより、対レーンヨー角θや横ずれ量
yがとも0になるように前輪操舵機構10及び後輪操舵
機構20が制御されて、車両1の走行レーンからの逸脱
が防止される。図4はこのような操舵制御装置を用いて
レーンキープ制御を行なったときのシミュレーションの
結果を示す特性を示す図であり、(a)は車両1の横ず
れ量、(b)は車両1の対レーンヨー角、(c)は目標
ヨーレイト、(d)は前輪舵角、(e)は後輪舵角の特
性を示している。
【0028】図4(c)に示すように、目標ヨーレイト
はノイズの影響を受けて変動しているが、これを低周波
成分と高周波成分とに分離して、低周波成分及び高周波
成分に基づいてそれぞれ前輪及び後輪の舵角を制御する
ことにより、図4(d)に示すように、前輪側では高周
波ノイズが低減して周波数の低い制御となり、舵角の変
動幅が低減する。また、図4(e)に示すように、後輪
側は周波数の高い制御となる。
【0029】そして、このような特性で前輪及び後輪を
操舵することにより、図4(a),(b)に示すように
車両1の横ずれ量及びヨー角がともに0に収束し、安定
した制御が行なわれる。特に、目標ヨーレイトrt の低
周波成分に基づいて前輪操舵機構10の電動モータ17
の作動を制御することで、各センサから入力されるノイ
ズが低減されて、ハンドル11に伝えられる細かな振動
が大幅に低減する。したがって、電動モータ17の作動
時の操舵フィーリング及びドライバビリティが大幅に向
上する。さらに、ハンドル11に伝達される振動が低減
されることで、振動を抑制しようとするドライバの操舵
力も低減され、結果的にドライバの操舵と電動モータ1
7による操舵との干渉が防止でき、ドライバや乗員にと
って違和感のない操舵制御が実行される。また、後輪側
操舵機構20で高周波領域を補償することで制御の安定
性が確保される。
【0030】なお、目標ヨーレイトの算出手法について
は上述のものに限定されるものではなく、例えばナビゲ
ーションシステム等を利用して前方の道路の曲率や自車
の横ずれ量を検出し、これに基づいて目標ヨーレイトを
算出するもの等、他の種々の手法が適用可能である。ま
た、上記のゲイン算出式において、kρ ・ρの項を省
略してゲインを求めてもよい。
【0031】次に、本発明の第2実施形態にかかる操舵
制御装置について説明すると、図5はその要部の機能に
着目した模式的なブロック図である。この第2実施形態
は、本発明の操舵制御装置を、車両1に作用する外乱を
推定してこの外乱を抑制するべく操舵を行なうような外
乱抑制制御に適用したものであり、第1実施形態に対し
て、主にECU30の機能構成が異なっている。したが
って、以下では、主にECU30の構成について説明す
る。なお、車両1の操舵機構については第1実施形態と
同様に構成されているため、その詳細な説明は極力省略
する。
【0032】図5に示すように、ECU30には、第1
実施形態と同様に、車両の目標ヨーレイトを演算する目
標ヨーレイト演算部(目標ヨーレイト演算手段)31、
上記目標ヨーレイト演算部31で算出された目標ヨーレ
イトを低周波成分と高周波成分とに分離するフィルタ
(周波数分離手段)32、フィルタ32で処理された情
報に基づいて前後のモータ17,21の作動をそれぞれ
制御する前輪舵角制御手段33a及び後輪舵角制御手段
33bが機能的に設けられている。また、フィルタ32
は、目標ヨーレイトrt の低周波成分のみを抽出するロ
ーパスフィルタ32aと高周波成分のみを抽出するハイ
パスフィルタ32bとから構成されており、ローパスフ
ィルタ32aにより抽出された低周波成分は、前輪舵角
制御手段33aに入力され、ハイパスフィルタ32bに
より抽出された高周波成分は、後輪舵角制御手段33b
に入力されるようになっている。
【0033】一方、このECU30には外乱推定部(外
乱推定手段)38が設けられている。そして、この外乱
推定手段38では、車両1に設けられたヨーレイトセン
サ34及び横加速度センサ39から得られるヨーレイト
r及び横加速度ygに基づいて、車両に作用する外乱φ
が推定されるようになっている。ここで、外乱は、例え
ば定常状態では力の釣り合いから路面勾配の外乱を推定
することができ、過渡状態であってもハンドル角センサ
を追加すれば、外乱を推定することが可能である。
【0034】そして、この外乱推定手段38で外乱φが
推定されると、この外乱φが目標ヨーレイト演算部31
に入力されて、この外乱φを抑制するための目標ヨーレ
イトrt が下式に基づいて算出されるようになってい
る。 rt =kφ・φ(kφは所定のゲイン) このようにして目標ヨーレイトrt が算出されると、ロ
ーパスフィルタ32a,及びハイパスフィルタ32bに
より目標ヨーレイトrt の周波数が低周波成分と高周波
成分とに分離され、このうち低周波成分は前輪舵角制御
手段33aに入力されるとともに高周波成分は後輪舵角
制御手段33bに入力されるようになっている。
【0035】そして、前輪舵角制御手段33aにより、
目標ヨーレイトrt の低周波成分に基づいて前輪操舵機
構10の電動モータ17の作動が制御され、後輪舵角制
御手段33bにより、目標ヨーレイトrt の高周波成分
に基づいて後輪操舵機構20の電動モータ21の作動が
制御されるようになっている。また、ハンドル11から
前輪操舵機構10に入力されるドライバの操舵力は、加
算部36を介して電動モータ17の操舵力に加算され、
ドライバによる操舵力と電動モータ17の操舵力との合
力により前輪41,42が操舵されるようになってい
る。
【0036】本発明の第2実施形態にかかる操舵制御装
置は上述のように構成されているので、外乱の影響を抑
制する(又は相殺する)ように前輪操舵機構10及び後
輪操舵機構20が制御されて、車両1のふらつき等が防
止される。また、目標ヨーレイト演算部31で算出され
た目標ヨーレイトrt を低周波成分と高周波成分とに分
離して、低周波成分に基づいて前輪操舵機構10の電動
モータ17の作動を制御し、且つ、高周波成分に基づい
て後輪操舵機構20の電動モータ21の作動を制御する
ことで、上記第1実施形態と同様の作用,効果を得るこ
とができる。
【0037】すなわち、目標ヨーレイトrt の低周波成
分に基づいて前輪操舵機構10の電動モータ17の作動
が制御されることで、外乱による高周波ノイズが低減さ
れて、ハンドル11に伝えられる細かな振動が大幅に低
減される。そして、これにより、電動モータ17の作動
時の操舵フィーリング及びドライバビリティが大幅に向
上する。さらに、ハンドル11に伝達される振動が低減
されることで、振動を抑制しようとするドライバの操舵
力も低減され、結果的にドライバの操舵と電動モータ1
7による操舵との干渉が大幅に抑制されて、ドライバや
乗員にとって違和感のない操舵制御が実行される。ま
た、後輪側操舵機構20で高周波領域を補償することで
制御の安定性が確保される。
【0038】なお、目標ヨーレイトの算出手法について
は上述のものに限定されるものではなく、他の種々のセ
ンサからの情報に基づいて外乱を演算してもよい。ま
た、本発明の操舵制御装置は、上述の各実施形態に限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々の変形が可能である、例えば第1実施形態におい
て、ヨーレイトセンサ34や横加速度センサ39を追加
して、これらのセンサから得られる情報をフィードバッ
クして制御を実行するようにしてもよい。
【0039】また、前輪操舵機構10及び後輪操舵機構
20に適用されるアクチュエータは電動モータに限定さ
れるものではなく、流体圧により作動するアクチュエー
タ(例えば油圧シリンダ機構)等種々のアクチュエータ
を適用することができる。また、上述の各実施形態で説
明した細部の構成についても、種々変形可能である。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1にかかる
本発明の操舵制御装置によれば、目標ヨーレイト演算手
段で車両の走行状態に基づいて目標ヨーレイトを演算
し、目標ヨーレイト演算手段で演算された目標ヨーレイ
トを周波数分離手段で低周波成分と高周波成分とに分離
するとともに、周波数分離手段で得られる目標ヨーレイ
トの低周波成分に基づいて、車両の前輪を操舵する前輪
操舵手段の作動を制御し、周波数分離手段で得られる目
標ヨーレイトの高周波成分に基づいて後輪操舵手段の作
動を制御するという簡素な構成で、前輪を操舵する前輪
操舵手段に伝達されるノイズが極力抑制されて、ドライ
バの操舵と前輪操舵手段による操舵との干渉を防止で
き、ドライバによる操舵との協調制御が可能となる。ま
た、後輪操舵手段により高周波領域を補償することで制
御の安定性を確保することができ、ドライバや乗員にと
って違和感のない操舵制御が実行できる利点がある。
【0041】また、請求項2にかかる本発明の操舵制御
装置によれば、目標ヨーレイト演算手段が、外乱推定手
段で推定された外乱に基づいて目標ヨーレイトを演算す
るので、この外乱を抑制するように制御を行なうこと
で、上記請求項1の効果に加えて、車両のふらつき等を
防止した操舵制御を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる操舵制御装置の
要部の機能に着目した模式的なブロック図である。
【図2】本発明が適用される車両の操舵系について示す
模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる操舵制御装置の
作用を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる操舵制御装置の
制御シミュレーションの一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる操舵制御装置の
要部の機能に着目した模式的なブロック図である。
【符号の説明】
1 車両 17 アクチュエータとしての電動モータ(前輪操舵手
段) 21 アクチュエータとしての電動モータ(後輪操舵手
段) 31 目標ヨーレイト演算部(目標ヨーレイト演算手
段) 32 フィルタ(周波数分離手段) 32a ローパスフィルタ 32b ハイパスフィルタ 34 ヨーレイトセンサ(ヨーレイト検出手段) 38 外乱推定部(外乱推定手段) 39 横加速度センサ(横加速度検出手段) 41,42 前輪 51,52 後輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 李 載寛 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC04 CC06 DA03 DA29 DA33 DA88 DC12 DC13 EA05 EA06 EB04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前輪を操舵する前輪操舵手段と、 該車両の後輪を操舵する後輪操舵手段と、 該車両の走行状態に基づいて該車両の目標ヨーレイトを
    演算する目標ヨーレイト演算手段と、 該目標ヨーレイト演算手段で演算された目標ヨーレイト
    を低周波成分と高周波成分とに分離する周波数分離手段
    とをそなえ、 該周波数分離手段で得られる該目標ヨーレイトの低周波
    成分に基づいて該前輪操舵手段の作動が制御されるとと
    もに、該周波数分離手段で得られる該目標ヨーレイトの
    高周波成分に基づいて該後輪操舵手段の作動が制御され
    るように構成されていることを特徴とする、操舵制御装
    置。
  2. 【請求項2】 該車両の実ヨーレイトを検出するヨーレ
    イト検出手段と、 該車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、 該ヨーレイト検出手段及び該横加速度検出手段からの検
    出情報に基づいて該車両に作用する外乱を推定する外乱
    推定手段とをそなえ、 該目標ヨーレイト演算手段が、該外乱推定手段で推定さ
    れた外乱に対する影響を抑制するように目標ヨーレイト
    を演算するように構成されていることを特徴とする、請
    求項1記載の操舵制御装置。
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