JP2002362394A - 操舵装置におけるモータ回転角加速度演算装置及び慣性補償指令値演算装置 - Google Patents

操舵装置におけるモータ回転角加速度演算装置及び慣性補償指令値演算装置

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JP2002362394A JP2001175843A JP2001175843A JP2002362394A JP 2002362394 A JP2002362394 A JP 2002362394A JP 2001175843 A JP2001175843 A JP 2001175843A JP 2001175843 A JP2001175843 A JP 2001175843A JP 2002362394 A JP2002362394 A JP 2002362394A
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洋 畔柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵装置の慣性補償に用いる回転角加速度の
高周波ノイズ及び位相遅れを防止する。 【解決手段】 回転角加速度αの低周波領域成分は操舵
角速度ωに所定のHPFを作用することにより得られ、
一方、高周波領域成分は操舵トルクTpにアシストトル
ク(Tc+TcJ)を加算した信号に所定のHPFを作用
することにより得られる。慣性補償器74はこれに基づ
き、Tpとωとの両方を用いてαを算出し、また慣性補
償指令値TcJを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵装置における
モータ回転角加速度演算装置及び慣性補償指令値演算装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの車両では、その車輪のいくつかの
向きを変えることにより操舵が行われる。この操舵にお
いて、運転者の力を補償するための力(アシストトル
ク)を発生するパワーステアリング装置が存在する。
【0003】このパワーステアリング装置では、いくつ
かの異なる性質の補償を行うが、その一つに慣性補償が
ある。この慣性補償は、ステアリング系の慣性モーメン
トを補償するものである。つまり、ステアリング系の慣
性モーメントがたとえ大きくても、操舵者が小さな力で
ハンドルを操作することを可能とする。
【0004】慣性補償においては、操舵角加速度に応じ
たアシストトルクが発生される。ここで、ステアリング
系の構成より、操舵角はピニオン回転角及びモータ回転
角に対応する。
【0005】操舵角加速度は、操舵角速度信号の1階微
分や操舵角信号の2階微分によって求めることができ
る。しかし、微分操作は高周波領域のノイズを増幅する
ことになるので、従来の慣性補償では、特開平8−17
5404号公報に開示されるように、微分操作とローパ
スフィルタとを組み合わせたハイパス又はバンドパスフ
ィルタを用いて、操舵角速度信号又は操舵角信号から擬
似的に操舵角加速度信号を生成し、この信号を用いて慣
性補償制御を行っていた。
【0006】また、特開平5−23410号公報に開示
されるように、操舵トルクの微分信号にゲインを乗じて
慣性補償を行う技術も知られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】操舵角速度信号又は操
舵角信号にハイパス又はバンドパスフィルタ処理を施す
ことによって擬似的に操舵角加速度信号を生成する場
合、高周波ノイズは除去可能である。しかし、その一方
で、ローパスフィルタの影響によって、位相遅れが生じ
るという問題があった。
【0008】次に操舵トルクの微分信号を用いる慣性補
償を行う場合には、やはり微分によって高周波領域のノ
イズが増幅されるという問題があり、これを除去するた
めにローパスフィルタを挿入した場合には、位相遅れが
生じるという問題があった。
【0009】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、位相遅れが抑制され、操舵に対してアシス
トトルクが発生するまでの時間レスポンスが向上した操
舵装置を実現するモータ回転角加速度演算装置及び慣性
補償指令値演算装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る操舵装置の
モータ回転角加速度演算装置は、モータの回転角加速度
信号の低周波領域成分を、前記モータの回転角速度信号
又は回転角信号に対して所定の第1の高域通過フィルタ
処理を行うことによって算出する第1演算手段と、前記
回転角加速度信号の高周波領域成分を、操舵トルクとア
シストトルクとの加算信号に対して所定の第2の高域通
過フィルタ処理を行うことによって算出する第2演算手
段と、前記低周波領域成分と前記高周波領域成分とを加
算して前記回転角加速度信号を生成する加算手段とを有
する。
【0011】モータの回転角加速度信号は、ある特性を
有するローパスフィルタと当該ローパスフィルタと相補
的な特性を有するハイパスフィルタとに対応して、低周
波領域成分と高周波領域成分とに区分することができ
る。この低周波領域成分は、回転角速度に所定のハイパ
スフィルタ(第1の高域通過フィルタ)を作用させる形
で表すことができる。一方、高周波領域成分は、ステア
リング系の回転運動方程式を用いて回転角加速度をステ
アリング系に作用するトルクに置き換えることにより、
当該トルクに所定のハイパスフィルタ(第2の高域通過
フィルタ)を作用させる形で表される。ここで回転運動
方程式に現れるトルクは、基本的に、操舵者によってハ
ンドルに加えられる操舵トルク、モータにより発生され
るアシストトルク、及び外力によるトルクを合成したも
のである。このうち、外力によるトルクは、一般には、
路面から車輪に入力するセルフアライニングトルク(以
下、SATと記す)などの低周波外乱が主であり、回転
角加速度信号の高周波領域成分への寄与を無視すること
が可能である。本発明のモータ回転角加速度演算装置に
よれば、回転角速度信号又は回転角信号と、ステアリン
グ系に作用するトルクとの両方を組み合わせて回転角加
速度信号が算出される。また、その組み合わせ方とし
て、低周波領域成分を回転角速度信号又は回転角信号に
基づいて算出し、高周波領域成分をトルクに基づいて算
出することを提示する。この構成では、回転角加速度信
号の低周波領域成分及び高周波領域成分のいずれもがハ
イパスフィルタを用いて求められるので、微分演算によ
る高周波ノイズの増幅や、ローパスフィルタを組み合わ
せることによる位相遅れが回避される。
【0012】本発明に係る操舵装置の慣性補償指令値演
算装置は、慣性補償指令値信号の低周波領域成分を、モ
ータの回転角速度信号又は回転角信号に対して所定の第
1の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する
第1演算手段と、前記慣性補償指令値信号の高周波領域
成分を、操舵トルクとアシストトルクのうち慣性補償ト
ルク成分を除く成分との加算信号に対して所定の第2の
高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第2
演算手段と、前記低周波領域成分と前記高周波領域成分
とを加算して前記慣性補償指令値信号を生成する加算手
段とを有する。
【0013】慣性補償トルク成分は、モータの回転角加
速度に比例して発生される。回転角加速度は、上述の本
発明のモータ回転角加速度演算装置で述べたように、低
周波領域成分と高周波領域成分とに区分され、これに対
応して、慣性補償トルク成分も低周波領域成分と高周波
領域成分とに分けられ、各成分は、回転角速度信号又は
回転角信号及び、操舵トルクとアシストトルクのうち慣
性補償トルク成分を除く成分との加算信号に、それぞれ
に応じたハイパスフィルタを作用することにより得られ
る。つまり、この構成でも回転角加速度信号の場合と同
様に、慣性補償指令値信号の低周波領域成分及び高周波
領域成分のいずれもがハイパスフィルタを用いて求めら
れるので、微分演算による高周波ノイズの増幅や、ロー
パスフィルタを組み合わせることによる位相遅れが回避
される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1は、
本実施形態にかかる操舵装置20の概略構成図である。
操舵装置20は、ラックアンドピニオン機構を有するパ
ワーステアリング装置である。運転者が車両の旋回など
を行うために操作するステアリングホイール22は、ス
テアリングシャフト24を介して、前記ラックアンドピ
ニオン機構のピニオン26に結合している。ピニオン2
6は、ラックロッド28上に設けられたラックとかみ合
い、ここでステアリングホール22の回転運動がラック
ロッド28の直線運動に変換される。このラックロッド
28の動きがタイロッドを介してナックルに伝達され操
舵車輪30,32の向き、すなわち実操舵角が変更され
る。さらに、運転者の操舵操作を補助するアシストトル
クを発生するためにモータ34が備えられ、モータ34
の出力は、ボールねじのナット38に伝達される。ナッ
ト38は、ラックロッド28上に設けられたボールねじ
に係合し、ここでモータ34の回転が直線運動に変換さ
れる。
【0015】ステアリングシャフト24上には、このシ
ャフトに加わるトルクを検出するトルクセンサ40と、
シャフトの回転角速度である操舵角速度を検出する操舵
角速度センサ42が設けられている。これらのセンサの
出力は、制御部50に送られる。ここでは、ステアリン
グシャフト24(又はピニオン26)の回転角速度を直
接測定しているが、モータ34の回転角速度から推定す
ることもできる。この場合、シャフトのねじれ剛性を無
視して、ギア比のみで換算してもよいし、ねじれ剛性を
考慮して補正してもよい。
【0016】制御部50は、CPU(中央処理装置)5
2を中心とするマイクロプロセッサとして構成されてお
り、処理プログラムを記憶したROM(読み出し専用メ
モリ)54と、一時的にデータを記憶するRAM(ラン
ダムアクセスメモリ)56と、入出力ポート(図示せ
ず)とを備える。制御部50には、トルクセンサ40か
らの操舵トルク信号や、操舵角速度センサ42からの操
舵角速度信号が入力される。また、制御部50は、車体
に設けられた車速センサ58からの車速信号も入力され
る。
【0017】制御部50は、前述の入力信号に従い所定
のアシストトルクが発生されるようにモータ34の駆動
電流を制御する。これによって、操舵装置の状態を含む
車両の状態に適した操舵力のアシストトルクが発生され
る。
【0018】図2は、制御部50の概略のブロック構成
図である。制御部50では、操舵力に対して、位相補
償、慣性補償、粘性補償の3種類のトルク補償を行う。
位相補償は操舵トルクの位相を制御し、トルクリップル
などを低減するものであり、位相補償器70は入力され
た操舵トルク信号から操舵トルクの位相を検知し、その
位相に対応するアシストトルク指令値をアシストマップ
72から読み出して出力する。
【0019】慣性補償器74は、ステアリング系の慣性
モーメントを補償するものであり、操舵トルク信号と操
舵角速度信号とを入力され、ステアリング系の慣性モー
メントに応じたアシストトルク指令値を出力する。この
慣性補償により、慣性モーメントがたとえ大きくても、
操舵者が小さな力でハンドルを操作することが可能とな
る。
【0020】粘性補償器76は、操舵角速度に比例して
発生する粘性トルクを補償するものであり、操舵角速度
にゲインを乗じて粘性トルクに対するアシストトルク指
令値を算出する。
【0021】これら3つの補償器70,74,76を用
いて得られる各アシストトルク指令値は加算器78にて
加算され、それら指令値の総和が電流制御部80に入力
される。電流制御部80は入力されたアシストトルクの
総和指令値に応じたアシストトルクが発生されるような
駆動電流をモータ34に供給する。ここで、CPU52
が位相補償器70、慣性補償器74、粘性補償器76の
役割を担い、各補償器の処理に応じた演算がCPU52
にて実行される。アシストマップ72は、例えばROM
54又はRAM56に格納され、CPU52は位相補償
処理において、これを読み出す。
【0022】本操舵装置の特徴は慣性補償器74にあ
る。慣性補償器74は、操舵トルク及び操舵角速度を協
調させることによって、ノイズに強く、また位相遅れの
抑制された慣性補償を行う。以下、その原理を説明す
る。
【0023】操舵装置20のステアリングシャフト24
に関するトルク運動方程式は次式で表される。なお、ピ
ニオン26の回転角(これはモータ34の回転角に対応
付けることができる。)をθp、角速度をω、角加速度
をαと記す。
【0024】
【数1】 ここで、Mrはラック質量、Jmはモータ慣性、gpはピ
ニオンギアのリード、gbはボールねじのリード、Tdは
SATなどの外力、Tpはピニオントルク、Tmはモータ
アシストトルクである。トルクセンサ40が出力する操
舵トルク信号は、ステアリングシャフト24に作用する
各トルク成分の合成トルクを表すものであり、トルクセ
ンサ40による測定値は制御部50に入力される。
【0025】(1)式はラプラス演算子sを用いて次の
簡潔な形式に書き直すことができる。
【0026】
【数2】 但し、Jは次の(3)式で表される慣性であり、TcJは
慣性補償のための制御トルク、Tcは慣性補償以外の制
御トルクであり(4)式の関係を有する。
【0027】
【数3】 さて、ωにラプラス演算子sを作用させたsωは角速度
の時間微分、すなわち回転角加速度αを意味する。ここ
でsωを低周波領域成分と高周波領域成分とに分解する
ことを考える。この分解は、次の(5)式で表すように
互いに足すと1になる、すなわち相補的な低域通過フィ
ルタ(ローパスフィルタ:LPF)演算子及び高域通過
フィルタ(ハイパスフィルタ:HPF)演算子をsωに
作用させることにより実現される。ちなみに、左辺第1
項がLPF演算子であり、第2項がHPF演算子であ
る。τは時定数パラメータであり、これに応じてLPF
の通過帯域の上限、HPFの通過帯域の下限が定まる。
【0028】
【数4】 これら演算子を作用させることにより、sωは次式のよ
うに分解される。
【0029】
【数5】 (6)式は(2)式を第2項に代入して次のように変形
される。
【0030】
【数6】 (7)式は、sωの低周波領域成分に起因する右辺第1
項がωに所定のHPF演算子を作用させることにより得
られ、sωの高周波領域成分に起因する右辺第2項がス
テアリングシャフト24に作用するトルクの総和に所定
のHPF演算子を作用させることにより得られることを
表している。
【0031】Tdは、ヒステリシス特性などの低周波外
乱や路面外乱などの高周波外乱を含むが、通常は低周波
外乱が主成分であると考えることができる。よって、第
2項のHPF処理においてTdの寄与を無視する近似を
行うことができる。この近似によりピニオン26(又は
モータ34)の回転角加速度は次の形式に示されるよう
に、操舵角速度センサ42により検知される回転角速度
信号ωに対して所定のHPF処理を施して得られる低周
波領域成分と、操舵トルクTpとモータ34により発生
されるアシストトルク(Tc+TcJ)との加算信号に対
して所定のHPF処理を施して得られる高周波領域成分
とを加算したものとして表される。
【0032】
【数7】 制御部50は、位相補償器70及び粘性補償器76によ
るアシストトルク指令値の合計値をTc、慣性補償器7
4によるアシストトルク指令値をTcJとして、モータ3
4の回転角加速度の指令値を定めることができる。
【0033】また、制御部50は、以下のようにして慣
性補償トルクの指令値TcJを算定する。つまり、慣性補
償トルクTcJを表す次式、
【数8】 に(8)式を代入して整理することにより、
【数9】 となる。但し、kは次式で定義される慣性の補償率であ
る。
【0034】
【数10】 (8)式を用いて(10)式を得る具体的な式変形過程
から明らかであるように、(10)式の右辺第1項は
(8)式の右辺第1項に起因するものであり、右辺第2
項は(8)式の右辺第2項に起因するものであって、よ
って(10)式の右辺第1項はTcJの低周波領域成分、
右辺第2項はTcJの高周波領域成分となる。また(1
0)式の右辺第1項におけるωに対する演算子はHPF
処理であり、右辺第2項における(Tp+Tc)に対する
演算子もHPF処理である。すなわち、慣性補償指令値
信号TcJは、回転角速度信号ωに対して所定のHPF処
理を施して得られる低周波領域成分と、操舵トルクTp
と慣性補償以外のアシストトルクTcとの加算信号に対
して所定のHPF処理を施して得られる高周波領域成分
とを加算したものとして表される。
【0035】制御部50は(10)式を用いて、慣性補
償の制御トルクTcJを算出する。さらに制御部50は、
慣性補償以外の制御トルクTcを位相補償器70及び粘
性補償器76に相当する処理により算出する。これら各
制御トルクが加算器78にて加算され、その値に応じて
電流制御部80からモータ34の駆動電流が供給され、
ステアリングホイール22に適切なアシストトルクが与
えられる。
【0036】本装置は、回転角加速度αや慣性補償制御
トルクTcJの高周波領域成分をトルクセンサ値を用いて
求める構成である。この構成により、高周波領域でのノ
イズを抑制することができる。
【0037】また(8)式の回転角加速度、(10)式
の慣性補償トルクを導出する際に、Tdに含まれる高周
波成分を無視した。このことは、高周波の路面外乱に関
しては慣性補償を行わないことを意味し、すなわち、路
面外乱に応答しにくいロバストな好適な特性が得られ
る。
【0038】上述の実施形態の操舵装置は、ステアリン
グシャフト24に操舵角速度センサ42を有し、制御部
50が操舵角速度センサ42の出力である回転角速度ω
と操舵トルクTpとを用いて回転角加速度α、慣性補償
指令値TcJを求める構成であった。しかし、ステアリン
グシャフト24に操舵角度センサを設け、制御部50が
操舵角度センサの出力である回転角θと操舵トルクTp
とを用いて回転角加速度α、慣性補償指令値TcJを求め
る操舵装置を構成することも可能である。この構成にお
いては、(5)式に代えて例えば次式の関係を有するL
PFとHPFとを用いる。
【0039】
【数11】 これを用いると、(8)式と同様にして、回転角加速度
を表す次式が得られる。
【0040】
【数12】 なお、ここで、
【数13】 であることを用い、またTdを無視する近似を行った。
(13)式は、ピニオン26(又はモータ34)の回転
角加速度αが、操舵角度センサにより検知される回転角
度信号θに対して所定のHPF処理を施して得られる低
周波領域成分と、操舵トルクTpとモータ34により発
生されるアシストトルク(Tc+TcJ)との加算信号に
対して所定のHPF処理を施して得られる高周波領域成
分とを加算したものとして表されることを意味してい
る。
【0041】また、(10)式と同様にして、慣性補償
指令値を表す次式が得られる。
【0042】
【数14】 (15)式は、慣性補償指令値信号TcJが、回転角度信
号θに対して所定のHPF処理を施して得られる低周波
領域成分と、操舵トルクTpと慣性補償以外のアシスト
トルクTcとの加算信号に対して所定のHPF処理を施
して得られる高周波領域成分とを加算したものとして表
されることを意味している。さらに、
【数15】 と選ぶことによって、(15)式の分母はバタワースの
極配置となる。
【0043】なお、操舵角速度ωと操舵トルクとを用い
て回転角加速度α、慣性補償指令値TcJを求める際のω
及びトルクに対する各HPF、及び操舵角θと操舵トル
クとを用いて回転角加速度α、慣性補償指令値TcJを求
める際のθ及びトルクに対する各HPFは上述のものに
限られない。また上述の各パラメータτ、k、ωc、ζ
は好適なステアリング特性が得られるように選択され
る。
【0044】
【発明の効果】本発明のモータ回転角加速度演算装置及
び慣性補償指令値演算装置によれば、回転角加速度や慣
性補償指令値を求める際に、微分操作を行わないので、
高周波領域のノイズが低減される。また、当該ノイズを
除去するために微分操作にローパスフィルタを組み合わ
せる必要がないので、位相遅れの発生を回避することが
できる。すなわち、本発明によれば、位相遅れが抑制さ
れ、操舵に対してアシストトルクが発生するまでの時間
レスポンスが向上した操舵装置を実現するモータ回転角
加速度演算装置及び慣性補償指令値演算装置が得られ
る。
【0045】また、本発明の慣性補償指令値演算装置に
よれば、操舵角速度又は操舵角のほか、操舵者の入力ト
ルクと慣性補償以外の制御トルクをフィードバックする
構成となっており、操舵者のステアリング操作に対して
は慣性補償が実施されて低慣性のステアリング操作が実
現される。またこのとき、高周波の路面外乱に対する補
償を行わないことにより、高周波の路面外乱に関しては
高慣性の状態となり、路面外乱に起因した振動がステア
リングホイールに伝達されにくくなり、操舵者に滑らか
なステアリング操作の感触が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態にかかる操舵装置の概略構成図で
ある。
【図2】 制御部の概略のブロック構成図である。
【符号の説明】
20 操舵装置、22 ステアリングホイール、24
ステアリングシャフト、26 ピニオン、28 ラック
ロッド、34 モータ、38 ナット、50制御部、5
2 CPU、70 位相補償器、74 慣性補償器、7
6 粘性補償器、80 電流制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 119:00 B62D 119:00 (72)発明者 浅井 彰司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 畔柳 洋 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 高橋 俊博 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 樅山 峰一 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC27 DA09 DA15 DA23 DA63 DC12 DC13 DC17 DD01 EC23 GG01 3D033 CA03 CA13 CA16 CA19 CA20 CA21 5H570 AA21 CC04 DD01 JJ03 JJ17 JJ25 KK05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルの操作に応じたアシストトルク
    をモータにより発生し前記ハンドルに作用する操舵装置
    において、前記モータの回転角加速度を求めるモータ回
    転角加速度演算装置であって、 前記モータの回転角加速度信号の低周波領域成分を、前
    記モータの回転角速度信号又は回転角信号に対して所定
    の第1の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出
    する第1演算手段と、 前記回転角加速度信号の高周波領域成分を、操舵トルク
    と前記アシストトルクとの加算信号に対して所定の第2
    の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第
    2演算手段と、 前記低周波領域成分と前記高周波領域成分とを加算して
    前記回転角加速度信号を生成する加算手段と、 を有することを特徴とするモータ回転角加速度演算装
    置。
  2. 【請求項2】 ハンドルの操作に応じたアシストトルク
    をモータにより発生し前記ハンドルに作用する操舵装置
    において、前記アシストトルクのうち慣性補償トルク成
    分に関する指令値を求める慣性補償指令値演算装置であ
    って、 慣性補償指令値信号の低周波領域成分を、前記モータの
    回転角速度信号又は回転角信号に対して所定の第1の高
    域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第1演
    算手段と、 前記慣性補償指令値信号の高周波領域成分を、操舵トル
    クと前記アシストトルクのうち前記慣性補償トルク成分
    を除く成分との加算信号に対して所定の第2の高域通過
    フィルタ処理を行うことによって算出する第2演算手段
    と、 前記低周波領域成分と前記高周波領域成分とを加算して
    前記慣性補償指令値信号を生成する加算手段と、 を有することを特徴とする慣性補償指令値演算装置。
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