JP3857543B2 - 操舵装置におけるモータ回転角加速度演算装置及び慣性補償指令値演算装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵装置におけるモータ回転角加速度演算装置及び慣性補償指令値演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの車両では、その車輪のいくつかの向きを変えることにより操舵が行われる。この操舵において、運転者の力を補償するための力(アシストトルク)を発生するパワーステアリング装置が存在する。
【0003】
このパワーステアリング装置では、いくつかの異なる性質の補償を行うが、その一つに慣性補償がある。この慣性補償は、ステアリング系の慣性モーメントを補償するものである。つまり、ステアリング系の慣性モーメントがたとえ大きくても、操舵者が小さな力でハンドルを操作することを可能とする。
【0004】
慣性補償においては、操舵角加速度に応じたアシストトルクが発生される。ここで、ステアリング系の構成より、操舵角はピニオン回転角及びモータ回転角に対応する。
【0005】
操舵角加速度は、操舵角速度信号の1階微分や操舵角信号の2階微分によって求めることができる。しかし、微分操作は高周波領域のノイズを増幅することになるので、従来の慣性補償では、特開平8−175404号公報に開示されるように、微分操作とローパスフィルタとを組み合わせたハイパス又はバンドパスフィルタを用いて、操舵角速度信号又は操舵角信号から擬似的に操舵角加速度信号を生成し、この信号を用いて慣性補償制御を行っていた。
【0006】
また、特開平5−23410号公報に開示されるように、操舵トルクの微分信号にゲインを乗じて慣性補償を行う技術も知られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
操舵角速度信号又は操舵角信号にハイパス又はバンドパスフィルタ処理を施すことによって擬似的に操舵角加速度信号を生成する場合、高周波ノイズは除去可能である。しかし、その一方で、ローパスフィルタの影響によって、位相遅れが生じるという問題があった。
【0008】
次に操舵トルクの微分信号を用いる慣性補償を行う場合には、やはり微分によって高周波領域のノイズが増幅されるという問題があり、これを除去するためにローパスフィルタを挿入した場合には、位相遅れが生じるという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、位相遅れが抑制され、操舵に対してアシストトルクが発生するまでの時間レスポンスが向上した操舵装置を実現するモータ回転角加速度演算装置及び慣性補償指令値演算装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る操舵装置のモータ回転角加速度演算装置は、モータの回転角加速度信号の低周波領域成分を、前記モータの回転角速度信号又は回転角信号に対して所定の第1の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第1演算手段と、前記回転角加速度信号の高周波領域成分を、操舵トルクとアシストトルクとの加算信号に対して所定の第2の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第2演算手段と、前記低周波領域成分と前記高周波領域成分とを加算して前記回転角加速度信号を生成する加算手段とを有する。
【0011】
モータの回転角加速度信号は、ある特性を有するローパスフィルタと当該ローパスフィルタと相補的な特性を有するハイパスフィルタとに対応して、低周波領域成分と高周波領域成分とに区分することができる。この低周波領域成分は、回転角速度に所定のハイパスフィルタ(第1の高域通過フィルタ)を作用させる形で表すことができる。一方、高周波領域成分は、ステアリング系の回転運動方程式を用いて回転角加速度をステアリング系に作用するトルクに置き換えることにより、当該トルクに所定のハイパスフィルタ(第2の高域通過フィルタ)を作用させる形で表される。ここで回転運動方程式に現れるトルクは、基本的に、操舵者によってハンドルに加えられる操舵トルク、モータにより発生されるアシストトルク、及び外力によるトルクを合成したものである。このうち、外力によるトルクは、一般には、路面から車輪に入力するセルフアライニングトルク(以下、SATと記す)などの低周波外乱が主であり、回転角加速度信号の高周波領域成分への寄与を無視することが可能である。本発明のモータ回転角加速度演算装置によれば、回転角速度信号又は回転角信号と、ステアリング系に作用するトルクとの両方を組み合わせて回転角加速度信号が算出される。また、その組み合わせ方として、低周波領域成分を回転角速度信号又は回転角信号に基づいて算出し、高周波領域成分をトルクに基づいて算出することを提示する。この構成では、回転角加速度信号の低周波領域成分及び高周波領域成分のいずれもがハイパスフィルタを用いて求められるので、微分演算による高周波ノイズの増幅や、ローパスフィルタを組み合わせることによる位相遅れが回避される。
【0012】
本発明に係る操舵装置の慣性補償指令値演算装置は、慣性補償指令値信号の低周波領域成分を、モータの回転角速度信号又は回転角信号に対して所定の第1の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第1演算手段と、前記慣性補償指令値信号の高周波領域成分を、操舵トルクとアシストトルクのうち慣性補償トルク成分を除く成分との加算信号に対して所定の第2の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第2演算手段と、前記低周波領域成分と前記高周波領域成分とを加算して前記慣性補償指令値信号を生成する加算手段とを有する。
【0013】
慣性補償トルク成分は、モータの回転角加速度に比例して発生される。回転角加速度は、上述の本発明のモータ回転角加速度演算装置で述べたように、低周波領域成分と高周波領域成分とに区分され、これに対応して、慣性補償トルク成分も低周波領域成分と高周波領域成分とに分けられ、各成分は、回転角速度信号又は回転角信号及び、操舵トルクとアシストトルクのうち慣性補償トルク成分を除く成分との加算信号に、それぞれに応じたハイパスフィルタを作用することにより得られる。つまり、この構成でも回転角加速度信号の場合と同様に、慣性補償指令値信号の低周波領域成分及び高周波領域成分のいずれもがハイパスフィルタを用いて求められるので、微分演算による高周波ノイズの増幅や、ローパスフィルタを組み合わせることによる位相遅れが回避される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。図1は、本実施形態にかかる操舵装置20の概略構成図である。操舵装置20は、ラックアンドピニオン機構を有するパワーステアリング装置である。運転者が車両の旋回などを行うために操作するステアリングホイール22は、ステアリングシャフト24を介して、前記ラックアンドピニオン機構のピニオン26に結合している。ピニオン26は、ラックロッド28上に設けられたラックとかみ合い、ここでステアリングホール22の回転運動がラックロッド28の直線運動に変換される。このラックロッド28の動きがタイロッドを介してナックルに伝達され操舵車輪30,32の向き、すなわち実操舵角が変更される。さらに、運転者の操舵操作を補助するアシストトルクを発生するためにモータ34が備えられ、モータ34の出力は、ボールねじのナット38に伝達される。ナット38は、ラックロッド28上に設けられたボールねじに係合し、ここでモータ34の回転が直線運動に変換される。
【0015】
ステアリングシャフト24上には、このシャフトに加わるトルクを検出するトルクセンサ40と、シャフトの回転角速度である操舵角速度を検出する操舵角速度センサ42が設けられている。これらのセンサの出力は、制御部50に送られる。ここでは、ステアリングシャフト24(又はピニオン26)の回転角速度を直接測定しているが、モータ34の回転角速度から推定することもできる。この場合、シャフトのねじれ剛性を無視して、ギア比のみで換算してもよいし、ねじれ剛性を考慮して補正してもよい。
【0016】
制御部50は、CPU(中央処理装置)52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM(読み出し専用メモリ)54と、一時的にデータを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)56と、入出力ポート(図示せず)とを備える。制御部50には、トルクセンサ40からの操舵トルク信号や、操舵角速度センサ42からの操舵角速度信号が入力される。また、制御部50は、車体に設けられた車速センサ58からの車速信号も入力される。
【0017】
制御部50は、前述の入力信号に従い所定のアシストトルクが発生されるようにモータ34の駆動電流を制御する。これによって、操舵装置の状態を含む車両の状態に適した操舵力のアシストトルクが発生される。
【0018】
図2は、制御部50の概略のブロック構成図である。制御部50では、操舵力に対して、位相補償、慣性補償、粘性補償の3種類のトルク補償を行う。位相補償は操舵トルクの位相を制御し、トルクリップルなどを低減するものであり、位相補償器70は入力された操舵トルク信号から操舵トルクの位相を検知し、その位相に対応するアシストトルク指令値をアシストマップ72から読み出して出力する。
【0019】
慣性補償器74は、ステアリング系の慣性モーメントを補償するものであり、操舵トルク信号と操舵角速度信号とを入力され、ステアリング系の慣性モーメントに応じたアシストトルク指令値を出力する。この慣性補償により、慣性モーメントがたとえ大きくても、操舵者が小さな力でハンドルを操作することが可能となる。
【0020】
粘性補償器76は、操舵角速度に比例して発生する粘性トルクを補償するものであり、操舵角速度にゲインを乗じて粘性トルクに対するアシストトルク指令値を算出する。
【0021】
これら3つの補償器70,74,76を用いて得られる各アシストトルク指令値は加算器78にて加算され、それら指令値の総和が電流制御部80に入力される。電流制御部80は入力されたアシストトルクの総和指令値に応じたアシストトルクが発生されるような駆動電流をモータ34に供給する。ここで、CPU52が位相補償器70、慣性補償器74、粘性補償器76の役割を担い、各補償器の処理に応じた演算がCPU52にて実行される。アシストマップ72は、例えばROM54又はRAM56に格納され、CPU52は位相補償処理において、これを読み出す。
【0022】
本操舵装置の特徴は慣性補償器74にある。慣性補償器74は、操舵トルク及び操舵角速度を協調させることによって、ノイズに強く、また位相遅れの抑制された慣性補償を行う。以下、その原理を説明する。
【0023】
操舵装置20のステアリングシャフト24に関するトルク運動方程式は次式で表される。なお、ピニオン26の回転角(これはモータ34の回転角に対応付けることができる。)をθp、角速度をω、角加速度をαと記す。
【0024】
【数1】
ここで、Mrはラック質量、Jmはモータ慣性、gpはピニオンギアのリード、gbはボールねじのリード、TdはSATなどの外力、Tpはピニオントルク、Tmはモータアシストトルクである。トルクセンサ40が出力する操舵トルク信号は、ステアリングシャフト24に作用する各トルク成分の合成トルクを表すものであり、トルクセンサ40による測定値は制御部50に入力される。
【0025】
(1)式はラプラス演算子sを用いて次の簡潔な形式に書き直すことができる。
【0026】
【数2】
但し、Jは次の(3)式で表される慣性であり、TcJは慣性補償のための制御トルク、Tcは慣性補償以外の制御トルクであり(4)式の関係を有する。
【0027】
【数3】
さて、ωにラプラス演算子sを作用させたsωは角速度の時間微分、すなわち回転角加速度αを意味する。ここでsωを低周波領域成分と高周波領域成分とに分解することを考える。この分解は、次の(5)式で表すように互いに足すと1になる、すなわち相補的な低域通過フィルタ(ローパスフィルタ:LPF)演算子及び高域通過フィルタ(ハイパスフィルタ:HPF)演算子をsωに作用させることにより実現される。ちなみに、左辺第1項がLPF演算子であり、第2項がHPF演算子である。τは時定数パラメータであり、これに応じてLPFの通過帯域の上限、HPFの通過帯域の下限が定まる。
【0028】
【数4】
これら演算子を作用させることにより、sωは次式のように分解される。
【0029】
【数5】
(6)式は(2)式を第2項に代入して次のように変形される。
【0030】
【数6】
(7)式は、sωの低周波領域成分に起因する右辺第1項がωに所定のHPF演算子を作用させることにより得られ、sωの高周波領域成分に起因する右辺第2項がステアリングシャフト24に作用するトルクの総和に所定のHPF演算子を作用させることにより得られることを表している。
【0031】
Tdは、ヒステリシス特性などの低周波外乱や路面外乱などの高周波外乱を含むが、通常は低周波外乱が主成分であると考えることができる。よって、第2項のHPF処理においてTdの寄与を無視する近似を行うことができる。この近似によりピニオン26(又はモータ34)の回転角加速度は次の形式に示されるように、操舵角速度センサ42により検知される回転角速度信号ωに対して所定のHPF処理を施して得られる低周波領域成分と、操舵トルクTpとモータ34により発生されるアシストトルク(Tc+TcJ)との加算信号に対して所定のHPF処理を施して得られる高周波領域成分とを加算したものとして表される。
【0032】
【数7】
制御部50は、位相補償器70及び粘性補償器76によるアシストトルク指令値の合計値をTc、慣性補償器74によるアシストトルク指令値をTcJとして、モータ34の回転角加速度の指令値を定めることができる。
【0033】
また、制御部50は、以下のようにして慣性補償トルクの指令値TcJを算定する。つまり、慣性補償トルクTcJを表す次式、
【数8】
に(8)式を代入して整理することにより、
【数9】
となる。但し、kは次式で定義される慣性の補償率である。
【0034】
【数10】
(8)式を用いて(10)式を得る具体的な式変形過程から明らかであるように、(10)式の右辺第1項は(8)式の右辺第1項に起因するものであり、右辺第2項は(8)式の右辺第2項に起因するものであって、よって(10)式の右辺第1項はTcJの低周波領域成分、右辺第2項はTcJの高周波領域成分となる。また(10)式の右辺第1項におけるωに対する演算子はHPF処理であり、右辺第2項における(Tp+Tc)に対する演算子もHPF処理である。すなわち、慣性補償指令値信号TcJは、回転角速度信号ωに対して所定のHPF処理を施して得られる低周波領域成分と、操舵トルクTpと慣性補償以外のアシストトルクTcとの加算信号に対して所定のHPF処理を施して得られる高周波領域成分とを加算したものとして表される。
【0035】
制御部50は(10)式を用いて、慣性補償の制御トルクTcJを算出する。さらに制御部50は、慣性補償以外の制御トルクTcを位相補償器70及び粘性補償器76に相当する処理により算出する。これら各制御トルクが加算器78にて加算され、その値に応じて電流制御部80からモータ34の駆動電流が供給され、ステアリングホイール22に適切なアシストトルクが与えられる。
【0036】
本装置は、回転角加速度αや慣性補償制御トルクTcJの高周波領域成分をトルクセンサ値を用いて求める構成である。この構成により、高周波領域でのノイズを抑制することができる。
【0037】
また(8)式の回転角加速度、(10)式の慣性補償トルクを導出する際に、Tdに含まれる高周波成分を無視した。このことは、高周波の路面外乱に関しては慣性補償を行わないことを意味し、すなわち、路面外乱に応答しにくいロバストな好適な特性が得られる。
【0038】
上述の実施形態の操舵装置は、ステアリングシャフト24に操舵角速度センサ42を有し、制御部50が操舵角速度センサ42の出力である回転角速度ωと操舵トルクTpとを用いて回転角加速度α、慣性補償指令値TcJを求める構成であった。しかし、ステアリングシャフト24に操舵角度センサを設け、制御部50が操舵角度センサの出力である回転角θと操舵トルクTpとを用いて回転角加速度α、慣性補償指令値TcJを求める操舵装置を構成することも可能である。この構成においては、(5)式に代えて例えば次式の関係を有するLPFとHPFとを用いる。
【0039】
【数11】
これを用いると、(8)式と同様にして、回転角加速度を表す次式が得られる。
【0040】
【数12】
なお、ここで、
【数13】
であることを用い、またTdを無視する近似を行った。(13)式は、ピニオン26(又はモータ34)の回転角加速度αが、操舵角度センサにより検知される回転角度信号θに対して所定のHPF処理を施して得られる低周波領域成分と、操舵トルクTpとモータ34により発生されるアシストトルク(Tc+TcJ)との加算信号に対して所定のHPF処理を施して得られる高周波領域成分とを加算したものとして表されることを意味している。
【0041】
また、(10)式と同様にして、慣性補償指令値を表す次式が得られる。
【0042】
【数14】
(15)式は、慣性補償指令値信号TcJが、回転角度信号θに対して所定のHPF処理を施して得られる低周波領域成分と、操舵トルクTpと慣性補償以外のアシストトルクTcとの加算信号に対して所定のHPF処理を施して得られる高周波領域成分とを加算したものとして表されることを意味している。さらに、
【数15】
と選ぶことによって、(15)式の分母はバタワースの極配置となる。
【0043】
なお、操舵角速度ωと操舵トルクとを用いて回転角加速度α、慣性補償指令値TcJを求める際のω及びトルクに対する各HPF、及び操舵角θと操舵トルクとを用いて回転角加速度α、慣性補償指令値TcJを求める際のθ及びトルクに対する各HPFは上述のものに限られない。また上述の各パラメータτ、k、ωc、ζは好適なステアリング特性が得られるように選択される。
【0044】
【発明の効果】
本発明のモータ回転角加速度演算装置及び慣性補償指令値演算装置によれば、回転角加速度や慣性補償指令値を求める際に、微分操作を行わないので、高周波領域のノイズが低減される。また、当該ノイズを除去するために微分操作にローパスフィルタを組み合わせる必要がないので、位相遅れの発生を回避することができる。すなわち、本発明によれば、位相遅れが抑制され、操舵に対してアシストトルクが発生するまでの時間レスポンスが向上した操舵装置を実現するモータ回転角加速度演算装置及び慣性補償指令値演算装置が得られる。
【0045】
また、本発明の慣性補償指令値演算装置によれば、操舵角速度又は操舵角のほか、操舵者の入力トルクと慣性補償以外の制御トルクをフィードバックする構成となっており、操舵者のステアリング操作に対しては慣性補償が実施されて低慣性のステアリング操作が実現される。またこのとき、高周波の路面外乱に対する補償を行わないことにより、高周波の路面外乱に関しては高慣性の状態となり、路面外乱に起因した振動がステアリングホイールに伝達されにくくなり、操舵者に滑らかなステアリング操作の感触が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態にかかる操舵装置の概略構成図である。
【図2】 制御部の概略のブロック構成図である。
【符号の説明】
20 操舵装置、22 ステアリングホイール、24 ステアリングシャフト、26 ピニオン、28 ラックロッド、34 モータ、38 ナット、50 制御部、52 CPU、70 位相補償器、74 慣性補償器、76 粘性補償器、80 電流制御部。
Claims (2)
- ハンドルの操作に応じたアシストトルクをモータにより発生し前記ハンドルに作用する操舵装置において、前記モータの回転角加速度を求めるモータ回転角加速度演算装置であって、
前記モータの回転角加速度信号の低周波領域成分を、前記モータの回転角速度信号又は回転角信号に対して所定の第1の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第1演算手段と、
前記回転角加速度信号の高周波領域成分を、操舵トルクと前記アシストトルクとの加算信号に対して所定の第2の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第2演算手段と、
前記低周波領域成分と前記高周波領域成分とを加算して前記回転角加速度信号を生成する加算手段と、
を有することを特徴とするモータ回転角加速度演算装置。 - ハンドルの操作に応じたアシストトルクをモータにより発生し前記ハンドルに作用する操舵装置において、前記アシストトルクのうち慣性補償トルク成分に関する指令値を求める慣性補償指令値演算装置であって、
慣性補償指令値信号の低周波領域成分を、前記モータの回転角速度信号又は回転角信号に対して所定の第1の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第1演算手段と、
前記慣性補償指令値信号の高周波領域成分を、操舵トルクと前記アシストトルクのうち前記慣性補償トルク成分を除く成分との加算信号に対して所定の第2の高域通過フィルタ処理を行うことによって算出する第2演算手段と、
前記低周波領域成分と前記高周波領域成分とを加算して前記慣性補償指令値信号を生成する加算手段と、
を有することを特徴とする慣性補償指令値演算装置。
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