JPWO2013073475A1 - ナノ中空粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】主にケイ酸カルシウムで構成された殻を有し、粒子径がナノサイズであるナノ中空粒子を製造する際に、ナノ中空粒子の粒子径、形状および殻厚を自由に制御可能な製造方法を提供する。【解決手段】カルシウムを含むコア粒子の表面に、非晶質のシリカからなるコーティング層を有するコア−シェル粒子を形成する第1工程と、コア−シェル粒子のコーティング層を、水熱法により、主にケイ酸カルシウムで構成された殻とする第2工程と、コア−シェル粒子の殻の部分を残しつつ、コア−シェル粒子のコア粒子の部分を除去する第3工程とを行う。【選択図】図2A

Description

本発明は、生体材料や食品添加物として利用され、より好適には、薬物、化粧品成分、触媒、肥料、香料などの担持体に利用されるものであって、主にケイ酸カルシウムで構成された殻を有し、粒子径がナノサイズであるケイ酸カルシウムナノ中空粒子およびその製造方法に関する。
中空粒子は中空構造と殻からなり、その構造から、低密度、高比表面積、物質内包能、断熱性などの特性を持つ。中でも、ケイ酸カルシウムは化学的安定性が高く、人体や環境に対して無害であり、安価であることから、殻がケイ酸カルシウムで構成されたケイ酸カルシウム中空粒子は、例えば薬物、化粧品成分、肥料、香料、触媒などの担持体として用いることができる。
中空粒子径がマイクロサイズであるケイ酸カルシウム中空粒子に関するものとして特許文献1がある。
特許文献1は、平均粒子径3.5μmの中空多孔質球状ケイ酸カルシウム微粒子を得るものである。それによれば、W/O型エマルジョンを用い、当該エマルジョンを多孔質膜に通すことによって、球状ケイ酸カルシウム微粒子の粒子径分布を狭くすることが可能である。
特開平4−154605号公報
ところで、中空粒子の粒子径がナノサイズ領域になると、ミクロンサイズ粒子には現れない特異な性質を発現する。
しかしながら、現在では、上記した特許文献1のように、粒子径がマイクロサイズのケイ酸カルシウム中空粒子については報告されているが、粒子径がナノサイズのケイ酸カルシウムナノ中空粒子についてまでは報告されていない。このため、粒子径がナノサイズであるケイ酸カルシウムナノ中空粒子を製造する際に、中空粒子の粒子径、形状および殻厚を自由に制御可能な製造方法も報告されていない。
なお、特許文献1に記載の技術では、その特徴から、製造する微粒子の形状は球状のみであり、また微粒子をナノサイズ化することは困難である。さらに、生成機構上、平均細孔径が1nm以下の緻密な殻を形成すること、さらに殻厚を20nm以下にすることが困難である。
本発明は上記点に鑑みて、主にケイ酸カルシウムで構成された殻を有し、粒子径がナノサイズであるナノ中空粒子を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、主にケイ酸カルシウムで構成された殻を有し、粒子径がナノサイズであるナノ中空粒子を製造する際に、ナノ中空粒子の粒子径、形状および殻厚を自由に制御可能な製造方法を提供することを第2の目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記課題を解決する、ケイ酸カルシウムで構成された殻からなるナノ中空粒子およびその製造方法を見出した。すなわち、以下のナノ中空粒子およびその製造方法が提供される。
本発明の第1の特徴は、平均粒子径が30〜300nmであり、主にケイ酸カルシウムで構成された殻を有するナノ中空粒子である。
このナノ中空粒子においては、殻を、結晶質のケイ酸カルシウムと非晶質のシリカとの複合体によって構成されたものとすることができる。また、殻が有する細孔の平均径を1nm以下とすることができる。また、殻の厚みを3〜20nmとすることができる。ナノ中空粒子の形態を、球状、回転楕円体状、または立方体状とすることができる。
本発明の第2の特徴は、第1の特徴のナノ中空粒子の製造方法であって、
カルシウムを含むコア粒子の表面に、非晶質のシリカからなるコーティング層を有するコア−シェル粒子を形成する第1工程と、
コア−シェル粒子のコーティング層を、水熱法により、主にケイ酸カルシウムで構成された殻とする第2工程と、
コア−シェル粒子の殻の部分を残しつつ、コア−シェル粒子のコア粒子の部分を除去する第3工程とを有するナノ中空粒子の製造方法である。
この製造方法の第1工程では、具体的には、コア粒子を有機溶媒に分散させる工程と、シリコンアルコキシドのゾル−ゲル反応により、分散したコア粒子の表面に、コーティング層を形成する工程とを行うことができる。
また、この製造方法の第2工程では、水熱法での加熱温度を80℃以上200℃未満とすることが好ましい。
本発明の第1の特徴により、上記した第1の目的が達成される。
本発明の第2の特徴により、上記した第2の目的が達成される。すなわち、本発明の第2の特徴によって得られるナノ中空粒子の粒子径および形状は、コア粒子の粒子径および形状に依存する。よって、本発明の第2の特徴によれば、コア粒子の粒子径および形状を変更することで、ナノ中空粒子の粒子径および形状を自由に制御することができる。また、本発明の第2の特徴によって得られるナノ中空粒子の殻厚は、コーティング層の原料とコア粒子の混合割合や水熱反応条件に依存する。よって、本発明の第2の特徴によれば、これらの条件を変更することによって、ナノ中空粒子の殻厚を自由に制御できる。
本発明の実施例1〜14のナノ中空粒子の製造手順を示す図である。 本発明の実施例2に係るナノ中空粒子のTEM写真である。 図2AのTEM写真を図示したものである。 本発明の実施例2に係るナノ中空粒子のTEM写真である。 本発明の実施例3に係るナノ中空粒子のTEM写真である。 図4AのTEM写真を図示したものである。 本発明の実施例3に係るナノ中空粒子のTEM写真である。 本発明の実施例3および比較例1に係るナノ中空粒子のXRD測定結果である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明のナノ中空粒子の製造方法は、カルシウムを含むコア粒子の表面に、非晶質のシリカからなるコーティング層を有するコア−シェル粒子を形成する第1工程と、コア−シェル粒子のコーティング層を、水熱法により、主にケイ酸カルシウムで構成された殻とする第2工程と、コア−シェル粒子の殻の部分を残しつつ、コア−シェル粒子のコア粒子の部分を除去する第3工程とを行うことで、ナノ中空粒子を製造するものである。
第1工程では、具体的には、コア粒子を有機溶媒に分散させる工程と、シリコンアルコキシドのゾル−ゲル反応により、分散したコア粒子の表面に、コーティング層を形成する工程とを行う。
カルシウムを含むコア粒子は、カルシウムとシリカの相互作用を利用して、コア表面にシリカコーティングを施すことができる。
シリカコーティングを行う前のカルシウムを含むコア粒子は、カルシウムイオンからなる無機ナノ粒子であればよく、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。このコア粒子は、粒子径がナノサイズのものである。
カルシウムを含むコア粒子を分散させる有機溶媒は、シリコンアルコキシドと水に対して溶解性があり、さらに、シリコンアルコキシドの加水分解を促進可能なものであればよく、例えば、アルコール類、グリコール類、グリコールエステル類、アセトン等のケトン類、脂肪族炭素、芳香族炭化水素等の単体溶媒もしくはこれら2種類以上の混合溶媒が挙げられる。中でも、リン酸カルシウム粒子とシリコンアルコキシドとの相互作用を向上させることができ、ナノ中空粒子の生産効率を向上させることができるという効果がより大きいアルコール類を有機溶媒として用いることが好ましい。
乾燥粉末状態のカルシウムを含むコア粒子を有機溶媒に分散させる分散機の種類について特に制限はなく、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機等が挙げられる。市販の撹拌機としては、例えば、ディスパー(PRIMIX社製)、クリアミクス(M−テクニック社製)、キャビトロン(太平洋機工社製)等が使用できる。
シリカコーティングに用いるシリコンアルコキシドとしては、その加水分解によりシリカを析出させることができるものであればよく、例えば、テトラエトキシシラン、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、テトラプロポキシシラン、トリブトキシシラン、トリブトキシシラン等を用いることができる。
ゾル−ゲル反応を行う場合、好適には塩基触媒が用いられ、塩基触媒としては、例えば、アンモニア、アミン類等が挙げられる。
ゾル−ゲル反応によるコーティング層の形成は、コア粒子を分散させた有機溶媒混合液にシリコンアルコキシド、塩基触媒を加えることにより行う。このとき、形成されるコーティング層は、非晶質のシリカからなるものである。このようにして、コア粒子の表面にシリカコーティング層を有するコア−シェル粒子を作製する。
次に、第2工程の水熱法は、蒸留水中に分散させたコア−シェル粒子混合液を耐圧容器に入れ、所定温度で、所定時間反応させて行う。これにより、シリカコーティング層が、コア粒子のカルシウムと反応して、主にケイ酸カルシウムで構成された殻となる。
ここで、水熱法での加熱温度は、80℃以上200℃未満の温度領域内であることが好ましい。この理由は、本発明者らの実験結果によるものである。すなわち、加熱温度が80℃未満のときでは、ケイ酸カルシウムの殻が形成されるまでに長時間を要し、ナノ中空粒子の生産性が悪くなる。一方、加熱温度が200℃以上のとき、シリカコーティング層だけでなく、コア粒子までがケイ酸カルシウムとなり、コア−シェル粒子がケイ酸カルシウムの中実粒子となる。
第2工程で形成される主にケイ酸カルシウムで構成された殻の厚さは、シリカコーティング層の厚さや水熱反応条件に依存する。シリカコーティング層の厚さは、第1工程におけるシリコンアルコキシドとコア粒子の添加割合により決まる。例えば、後述する実施例1、4を比較してわかるように、反応温度を高く、反応時間を長くすることで、殻厚が大きくなる。また、実施例2、6を比較してわかるように、TEOSの添加割合を大きくすると、殻厚が大きくなる。
よって、このシリカコーティング層の形成条件や水熱反応条件を変更することによって、殻の厚さを所望の厚さとすることができる。
また、殻に存在する細孔の細孔径も水熱反応条件に依存する。よって、水熱反応条件を変更することにより、殻に存在する細孔の平均径を制御することが可能である。細孔径を小さくするには、主に反応温度を高く、反応時間を長くすればよい。
そして、第3工程で、コア−シェル粒子のコア粒子の部分を除去するには、酸性水溶液をコア−シェル粒子分散液に添加する。
なお、上記した第1工程の説明では、シリコンアルコキシドのゾル−ゲル反応により、非晶質のシリカからなるコーティング層を形成したが、例えば、非晶質のシリカをコア粒子の表面に吸着させる等の他の方法により、コーティング層を形成しても良い。この場合、コア粒子の表面に吸着させるシリカもしくはそのシリカの原料とコア粒子との添加割合によって、シリカコーティング層の厚さが決まる。
以上のようにして、ナノ中空粒子が得られる。このナノ中空粒子は、粒子径がナノサイズ、すなわち、平均粒子径が30〜300nmのものであり、主にケイ酸カルシウムで構成された殻を有するものである。
この殻は、上述の通り、コーティング層を構成するシリカとコア粒子のカルシウムとの水熱反応によって形成されたものである。この水熱反応によって、殻の大半がケイ酸カルシウム結晶となるが、殻の一部に非晶質のシリカが残存する。この場合、この殻は、結晶質のケイ酸カルシウムと非晶質のシリカとの複合体によって構成されていると言える。なお、中空粒子の殻は、結晶質のケイ酸カルシウムのみから構成されていても良い。また、結晶質のケイ酸カルシウムは、具体的には、結晶質ケイ酸カルシウム水和物であり、例えば、後述する実施例に示すように、トバモライトである。ただし、後述する実施例よりも水熱反応温度を上げることで、トバモライトだけでなくゾノトライトが生成する可能性もある。
また、この殻は、細孔を有し、細孔の平均径が1nm以下である緻密な殻である。
また、この殻の厚みについては、3〜20nmとすることが可能である。本発明者の実験結果により、殻の厚みを3nmまで薄くできたことを確認している。また、殻を厚くすることについては自由に制御できるが、殻の厚さが20nmを超えるナノ中空粒子を製造しようとすると、ナノ中空粒子が凝集してしまった。このため、分散したナノ中空粒子を製造するという観点より、殻の厚さを20nm以下とすることが好ましい。
ナノ中空粒子の形状は、第1工程で用いるコア粒子の形状に依存する。このため、例えば、乾燥粉末状態で球状、回転楕円体状、または立方体状の形態を有するナノ粒子をコア粒子として用いることにより、得られるナノ中空粒子は、球状、回転楕円体状、または立方体状の形態を有する。ここで、球状とは、球状に限らず、球状に似た形状を含み、回転楕円体状、立方体状もそれぞれ同様な形状を含む。
なお、中空粒子の平均粒子径は、回転楕円体状の場合は、長径と短径の平均、立方体状の場合は、一辺の長さを言う。
上記した本発明のナノ中空粒子は、主にケイ酸カルシウムで構成された殻を有するものであり、ケイ酸カルシウムを含有することによって生体親和性を有している。このため、本発明のナノ中空粒子は、骨、歯の再生材料としての使用が期待される。この場合、本発明のナノ中空粒子は、中空構造を持つことによって、中空内に上述の用途に沿った薬液を封入できる。
本発明のナノ中空粒子は、殻が、結晶質のケイ酸カルシウムと非晶質のシリカとの複合体によって構成されたものとすることができる。この場合、殻が結晶質のケイ酸カルシウムのみによって構成された場合と比較して、殻に存在する細孔が多くなり、薬液の封入、放出が容易となることが考えられる。
図1に示す製造手順により、表1、2に示す実施例1〜14のナノ中空粒子を製造した。
立方体形状の炭酸カルシウム(CaCO)からなるコア粒子をエタノールに分散させ(分散処理)、当該分散液中にテトラエトキシシラン(TEOS)を加え、アンモニウム(28%NHOH)触媒中でゾル−ゲル反応により(ゾル−ゲル反応処理)、シリカコーティングされた炭酸カルシウム粒子を得た。すなわち、炭酸カルシウムからなるコア粒子の表面に、シリカからなるコーティング層を有するコア−シェル粒子を得た。
ここで、用いたコア粒子の平均粒子径は、実施例1〜8は60nm、実施例9〜14は150nmである。実施例1〜14において、添加したTEOSとCaCOの重量比、系中のNHOH濃度は、表1、2に示すとおりである。また、ゾル−ゲル反応の温度および時間は、室温、2時間である。
その後、コア−シェル粒子を耐圧容器に移し、表1、2に示す温度、反応時間で水熱処理を行った。
続いて、水熱処理したコア−シェル粒子を3規定の塩酸水溶液を使った酸処理によってコア粒子を溶解除去した。このとき、3N塩酸水溶液を塩酸/炭酸カルシウムが重量比で1.7付近となるよう希釈した。
その後、酸処理した粒子を蒸留水で洗浄し、洗浄液が中性になったことを確認してからエタノールで溶媒置換し、乾燥後、目的とするサンプルを得た。図2A、2B、3に、実施例1で製造されたナノ中空粒子を示し、図4A、4B、5に実施例2で製造されたナノ中空粒子を示す。実施例1〜14によって得られたサンプルは、これらの図に示すようなナノ中空粒子であった。
得られたサンプルについて各種分析および計測を行った。ケイ酸カルシウム殻生成の有無は、X線回折によるCa(OH)−SiO(トバモライト)由来の回折ピークの発現によりにより調べた。用いた装置は株式会社リガク製のRINT1000であり、測定条件はCuKα線、30 kVおよび20 mA、スキャン速度2 o/minである。また、中空粒子の粒子径および殻厚は透過型電子顕微鏡(TEM)観察写真から計測し、殻に存在する細孔の平均径は、BJH法を用いて窒素ガス吸着等温線より算出した。なお、中空粒子の粒子径とは、酸処理後の中空粒子の外径のことを指し、TEM写真より粒子を10個ランダムに選択して外径を計測し、この値の平均を平均粒子径[nm]とした。同様に、殻厚についても平均殻厚を算出した。
図2A、図4A等のTEM写真や、表1、2のコア除去粒子の平均粒子径からわかるように、実施例1〜14で得られたナノ中空粒子の平均粒子径および形状は、コア粒子の粒子径および形状に依存することが確認された。
図6に示すように、実施例1〜14ではケイ酸カルシウム(トバモライト)の生成が確認された。また、図6に示すように、実施例1〜14では非晶質のSiO(シリカ)由来の回折パターンが見られ、中空粒子の殻には、非晶質のシリカが存在することが確認された。
一方、比較例1および2は、水熱処理をせずに得られた中空粒子であり、比較例3〜6は、実施例1〜4よりも短い反応時間で水熱処理して得られた中空粒子であり、比較例1〜6では、いずれも、ケイ酸カルシウムの生成は確認されなかった。
また、実施例1〜14で得られた中空粒子をリン酸緩衝液中に浸漬したところ、中空粒子の表面にアパタイト構造を含むリン酸カルシウム結晶の析出が認められた。このリン酸カルシウム結晶の析出は、ナノ中空粒子の殻からカルシウムイオンが溶出し、リン酸イオンと反応したことによるものである。このリン酸カルシウム結晶の析出より、本発明のナノ中空粒子は生体親和性だけでなく、生体活性を有することが確認された。
本発明は、緻密なケイ酸カルシウムの殻からなる中空粒子を、様々な形状でかつナノサイズで提供することができる。ケイ酸カルシウムの生体親和性や化学的安定性を利用し、薬物、化粧品成分、触媒、肥料、香料などの担持体として用いることができる。

Claims (8)

  1. 平均粒子径が30〜300nmであり、主にケイ酸カルシウムで構成された殻を有するナノ中空粒子。
  2. 前記殻は、結晶質のケイ酸カルシウムと非晶質のシリカとの複合体によって構成された請求項1に記載のナノ中空粒子。
  3. 前記殻は細孔を有し、前記細孔の平均径が1nm以下である請求項1または2に記載のナノ中空粒子。
  4. 前記殻の厚みが3〜20nmである請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナノ中空粒子。
  5. 前記ナノ中空粒子が、球状、回転楕円体状、または立方体状の形態である請求項1ないし4のいずれか1つに記載のナノ中空粒子。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載のナノ中空粒子の製造方法であって、
    カルシウムを含むコア粒子の表面に、非晶質のシリカからなるコーティング層を有するコア−シェル粒子を形成する第1工程と、
    前記コア−シェル粒子の前記コーティング層を、水熱法により、主にケイ酸カルシウムで構成された殻とする第2工程と、
    前記コア−シェル粒子の前記殻の部分を残しつつ、前記コア−シェル粒子の前記コア粒子の部分を除去する第3工程とを有するナノ中空粒子の製造方法。
  7. 前記第1工程は、前記コア粒子を有機溶媒に分散させる工程と、シリコンアルコキシドのゾル−ゲル反応により、分散した前記コア粒子の表面に、前記コーティング層を形成する工程とを含む請求項6に記載のナノ中空粒子の製造方法。
  8. 前記第2工程における前記水熱法での加熱温度を、80℃以上200℃未満とする請求項7に記載のナノ中空粒子の製造方法。

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