JPWO2013058270A1 - ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

優れた難燃性を有し、耐候性にも優れ、耐熱性にも優れ、且つ耐衝撃性(室温における耐衝撃性のみでなく、低温における耐衝撃性も含む)にも優れるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供する。
難燃剤を配合したポリブチレンテレフタレートに対して、特定のエラストマーとポリカーボネートとを配合する。特定のエラストマーとは、グリシジル基含有ビニル系共重合体、又はコアがアクリル系ゴムであり、シェルがビニル系重合体であるコアシェル系エラストマーである。

Description

本発明は、太陽光発電モジュール用接続構造体等の屋外で使用される屋外用電気部材の原料として好適なポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関する。
太陽の光エネルギーを電気に変換する太陽光発電モジュール(以下、単に「モジュール」という場合がある)には、その電気を有用な形で取り出すため、モジュール間のケーブルを接続するためのジャンクションボックスやコネクタが、モジュール毎に設けられている。ジャンクションボックス内には、バイパスダイオード等が配置されていて、太陽光発電モジュールの表面に部分的な影がかかったり,電池セルが故障してモジュールの出力が低下したりする場合でも、その影響を最小限に抑える工夫がなされている。この場合、バイパスダイオードは発熱し発火するおそれがあるため、ジャンクションボックス全体は難燃性、耐熱性を有することが求められる。かかる発熱対策には、ダイオードの数を増やしたり、金属製の放熱板をバイパスダイオードに取り付けることで熱伝導させたり、ジャンクションボックスの容積を大型化したりすることで放熱する方法が提案されている(特許文献1及び2参照)。
ジャンクションボックスは、太陽光発電モジュールの付属部品として、屋根上等の屋外に設置されることもあるため、飛来物に対する耐衝撃性を有することが求められ、特に低温時においても耐衝撃性を有することが求められる。ジャンクションボックスの耐衝撃性を向上させるために、製品肉厚を厚くしたり、ボックスを大型化したりすることが行われている。太陽光発電モジュール用コネクタについてもジャンクションボックスと同様に耐衝撃性が求められている。また、屋外用電気部材には耐候性も求められる。このように屋外用電気部材には、優れた難燃性、耐熱性、耐衝撃性、耐候性が求められる場合が多い。
ところで、ポリブチレンテレフタレートは、その優れた機械特性、電気特性、耐熱性、耐薬品性等を活かして、電気電子部品、自動車部品、機構部品等の原料として利用されている。電気電子部品、産業機器、建築用途においては、電気電子部品からの発火、産業機器では溶接、スパッタ等による延焼の危険性から難燃性が強く求められており、難燃剤を配合したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が原料として利用される場合がある(例えば、特許文献3参照)。
国際公開第2005/117141号パンフレット 実開平5−1253号公報 特開2010−006937号公報
難燃剤を配合したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、屋外用電気部材の原料として好適であるように思われる。しかし、難燃剤を配合したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の場合、当該樹脂組成物を成形してなる成形体の、低温での耐衝撃性は低下する傾向にある。また、難燃剤や難燃助剤の含有量が多くなると耐候性も低下させる可能性がある。そして、上記成形体の、低温での耐衝撃性を向上させようとして、エラストマーを添加すると難燃性が高まらない傾向にある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、優れた難燃性を有し、耐候性にも優れ、耐熱性にも優れ、且つ耐衝撃性(室温における耐衝撃性のみでなく、低温における耐衝撃性も含む)にも優れるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、難燃剤を配合したポリブチレンテレフタレートに対して、特定のエラストマーとポリカーボネートとを配合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) ポリブチレンテレフタレートと、ポリカーボネートと、エラストマーと、難燃剤とを含み、前記ポリブチレンテレフタレートと前記ポリカーボネートとの質量比(ポリブチレンテレフタレートの含有量/ポリカーボネートの含有量)が、6/4以上9/1以下であり、前記エラストマーの含有量が、全組成物中の5質量%以上20質量%以下であり、前記難燃剤の含有量が、10質量%以上15質量%以下であり、前記エラストマーは、グリシジル基含有ビニル系共重合体、又はコアがアクリル系ゴムであり、シェルがビニル系重合体であるコアシェル系エラストマーであるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(2) 前記シェルのビニル系重合体は、グリシジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含む(1)に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(3) 前記難燃剤は、臭素含有エポキシ系樹脂である(2)に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。
(5) 屋外用電気部材である(4)に記載の樹脂成形体。
(6) 前記屋外用電気部材が太陽電池用部材、屋外ブレーカー、屋外スイッチ、電気車両用コネクタ、又は電気車両用電子部品筐体である(5)に記載の樹脂成形体。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、優れた難燃性を有し、耐候性にも優れ、耐熱性にも優れ、且つ耐衝撃性(室温における耐衝撃性のみでなく、低温における耐衝撃性も含む)にも優れる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートと、ポリカーボネートと、エラストマーと、難燃剤とを含む。
<ポリブチレンテレフタレート>
ポリブチレンテレフタレートとは、少なくともテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(C〜Cのアルキルエステルや酸ハロゲン化物等)を含むジカルボン酸成分と、少なくとも炭素原子数4のアルキレングリコール(1,4−ブタンジオール)又はそのエステル形成性誘導体を含むグリコール成分とを重縮合して得られるポリブチレンテレフタレートである。ポリブチレンテレフタレートはホモポリブチレンテレフタレートに限らず、ブチレンテレフタレート単位を60モル%以上(特に75モル%以上95モル%以下)含有する共重合体であってもよい。
ポリブチレンテレフタレートにおいて、テレフタル酸及びそのエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分(コモノマー成分)としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル等のC〜C14の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のC〜C16のアルキルジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等のC〜C10のシクロアルキルジカルボン酸;これらのジカルボン酸成分のエステル形成性誘導体(C〜Cのアルキルエステル誘導体や酸ハロゲン化物等)が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリブチレンテレフタレートにおいて、1,4−ブタンジオール以外のグリコール成分(コモノマー成分)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオール等のC〜C10のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール;シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール;ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加体等の、ビスフェノールAのC〜Cのアルキレンオキサイド付加体;又はこれらのグリコールのエステル形成性誘導体(アセチル化物等)が挙げられる。これらのグリコー成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
以上説明したコモノマー成分を共重合したポリブチレンテレフタレート共重合体は、何れもポリブチレンテレフタレートとして好適に使用できる。また、ポリブチレンテレフタレートとして、ホモポリブチレンテレフタレート重合体とポリブチレンテレフタレート共重合体とを組み合わせて使用してもよい。
本発明のポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基量は、本発明の目的を阻害しない限り特に制限されない。ポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基量は、30meq/kg以下が好ましく、25meq/kg以下がより好ましい。かかる範囲の末端カルボキシル基量のポリブチレンテレフタレートを用いる場合には、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が特に耐ヒートショック性に優れたものとなり、且つ、湿熱環境下での加水分解による強度低下をより受けにくくなる。
また、本発明のポリブチレンテレフタレートのメルトフローレートは本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。ポリブチレンテレフタレートのメルトフローレートは6g/10min以上50g/10min以下であるのが好ましい。さらに好ましくは7g/10min以上30g/10min以下である。かかる範囲のメルトフローレートのポリブチレンテレフタレートを用いる場合には、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が特に成形性に優れたものとなる。また、異なるメルトフローレートを有するポリブチレンテレフタレートをブレンドして、メルトフローレートを調整することもできる。例えば、メルトフローレート50g/10minのポリブチレンテレフタレートとメルトフローレート8g/10minのポリブチレンテレフタレートとをブレンドすることにより、メルトフローレート20g/10minのポリブチレンテレフタレートを調製することができる。ポリブチレンテレフタレートのメルトフローレートは、ISO1133に準拠した条件で測定することができる。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中のポリブチレンテレフタレートの含有量は特に限定されないが、後述するポリカーボネートの含有量と調整して決定されることが好ましい。
<ポリカーボネート>
ポリカーボネートは、溶剤法、即ち、塩化メチレン等の溶剤中で公知の酸受容体、分子量調整剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応又は二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応によって製造することができる。ここで、二価フェノールとしてはビスフェノール類を例示することができる。より具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、即ちビスフェノールAを例示することができる。また、ビスフェノールAの一部又は全部を他の二価フェノールで置換したものであってもよい。ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えばハイドロキノン、4,4−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのような化合物又はビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類を例示することができる。これら二価フェノールは二価フェノールのホモポリマー又は2種以上のコポリマーであってもよい。さらに本発明で用いるポリカーボネートは多官能性芳香族化合物を二価フェノール及び/又はカーボネート前駆体と反応させた熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであってもよい。なお、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には複数種のポリカーボネートを含有させてもよい。
本発明のポリカーボネートのメルトフローレートは本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。ポリカーボネートのメルトフローレートは3g/10min以上30g/10min以下が好ましい。さらに好ましくは13g/10min以上24g/10min以下である。かかる範囲のメルトフローレートのポリカーボネートを用いる場合には、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が特に成形性に優れたものとなる。
ポリカーボネートの種類は特に限定されない。また、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中のポリカーボネートの含有量も特に限定されず、ポリブチレンテレフタレートの含有量と調整して決定されることが好ましく、耐衝撃性の観点からは、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。ポリブチレンテレフタレートの含有量とポリカーボネートの含有量の詳細は後述する。
前記ポリブチレンテレフタレートの含有量とポリカーボネートの含有量の詳細については、ポリブチレンテレフタレートとポリカーボネートとの質量比(ポリブチレンテレフタレートの含有量/ポリカーボネートの含有量)が、6/4以上9/1以下である。6/4以上であることはポリブチレンテレフタレートの有する優れた機械特性、電気特性、耐乾熱性及び耐薬品性を示すという理由で必要であり、9/1以下であることは耐衝撃性に優れるという理由で必要である。より好ましくは6/4以上8/2以下である。
<エラストマー>
本発明で使用可能なエラストマーは、グリシジル基含有ビニル系共重合体、又はコアがアクリル系ゴムであり、シェルがビニル系重合体であるコアシェル系エラストマーである。
グリシジル基含有ビニル系共重合体(グリシジル基を有するビニル系共重合体)は、グリシジル基を有する重合性単量体(グリシジル基を有するビニル系単量体等)と、他の共重合性単量体との共重合体で構成される。
グリシジル基を有する重合性単量体は、グリシジル基とともに、少なくとも1つの重合性基(エチレン性不飽和結合(ビニル基等)、アセチレン結合等)を有している。このような単量体としては、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、カルコングリシジルエーテル、2−シクロヘキセン−1−グリシジルエーテル等のグリシジルエーテル;グリシジル(メタ)アクリレート、マレイン酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、ビニル安息香酸グリシジルエステル、アリル安息香酸グリシジルエステル、ケイ皮酸グリシジルエステル、シンナミリデン酢酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル、エポキシ化ステアリルアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル、脂環式グリシジルエステル(シクロヘキセン−4,5−ジグリシジルカルボキシレート等)等のグリシジル又はエポキシエステル(特に、α,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステル等);エポキシヘキセン、リモネンオキシド等のエポキシ化された不飽和の鎖状又は環状オレフィン;N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド等が挙げられる。これらの単量体のうち、グリシジル基を有するビニル系単量体、例えば、α,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルが好ましい。また、これらのグリシジル基含有重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
上記α,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルには、例えば、下記式(1)で表されるグリシジル基を有するビニル系単量体が含まれる。
Figure 2013058270
(式中、Rは水素原子、又はグリシジルエステル基で置換されていてもよいアルキル基を示す)
上記式(1)において、Rで表されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル基等の低級アルキル基(例えば、C1−6アルキル基等)等が挙げられる。グリシジルエステル基を置換基として有するアルキル基において、グリシジルエステル基の個数は特に制限されず、例えば、1〜3個、通常1又は2個程度であってもよい。
α,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルのうち、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
グリシジル基を有する共重合体において、上記グリシジル基を有する重合性単量体の割合は、1〜50質量%、好ましくは2〜40質量%、さらに好ましくは2〜30質量%程度であってもよい。なお、共重合性単量体として、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン系単量体等の比較的重合性の低い単量体を用いる場合には、グリシジル基を有する重合性単量体の割合を少なくしてもよい(例えば、1〜40重量%程度)。
上記グリシジル基を有する重合性単量体と共重合可能な前記他の共重合性単量体としては、オレフィン系単量体(エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のα−オレフィン等)、ジエン系単量体(ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン等)、芳香族ビニル系単量体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体等)、アクリル系単量体((メタ)アクリル酸、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)、ビニルエーテル類等が挙げられる。共重合性単量体は、α,β−不飽和二重結合を有する単量体であるのが好ましい。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。上記共重合性単量体のうち、オレフィン系単量体、アクリル系単量体((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等)等が好ましい。
グリシジル基含有ビニル系共重合体は、少なくとも上記共重合性単量体としてオレフィン系単量体(エチレン等のC2−4オレフィン等)を用いて得られる共重合体が好ましく、必要により(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステル等)を組み合わせてもよい。上記共重合体の具体例としては、例えば、エチレン−メタクリル酸グリシジルエステル共重合体等のC2−4オレフィン−(メタ)アクリル酸グリシジルエステル共重合体;エチレン−アクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジルエステル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジルエステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジルエステル共重合体等のC2−4オレフィン−(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステル−(メタ)アクリル酸グリシジルエステル共重合体等が挙げられる。
続いて、コアがアクリル系ゴムであり、シェルがビニル系重合体であるコアシェル系エラストマーについて説明する。グリシジル基含有ビニル系共重合体を使用する場合と比較して、下記に説明するコアシェル系エラストマーを使用すると、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の流動性が高まり、本発明の樹脂組成物は優れた成形性を有する。
コアのアクリル系ゴムは、アルキルアクリレート等のアクリル系モノマーを主成分として重合して得られる重合体が好ましい。アクリル系ゴムのモノマーとして用いるアルキルアクリレートは、ブチルアクリレート等のアクリル酸のC1〜C12のアルキルエステルが好ましく、アクリル酸のC2〜C6のアルキルエステルがより好ましい。
アクリル系ゴムは、アクリル系モノマーの単独重合体でもよく、共重合体でもよい。アクリル系ゴムがアクリル系モノマーの共重合体である場合、アクリル系モノマー同士の共重合体でも、アクリル系モノマーと他の不飽和結合含有モノマーとの共重合体であってもよい。アクリル系ゴムが共重合体である場合、アクリル系ゴムは架橋性モノマーを共重合したものであってもよい。
シェルのビニル系重合体は、例えば、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、メタクリル酸エステル系単量体、及びアクリル酸エステル単量体の中から選ばれた少なくとも一種の単量体を重合あるいは共重合させて得られる。
シェルのビニル系重合体としては、グリシジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含むものが好ましい。ここで、グリシジル(メタ)アクリレートとは、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートである。
上記のグリシジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含むビニル系重合体は、実質的に、グリシジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位から構成されるものであってもよく、また、グリシジル(メタ)アクリレート以外のモノマーに由来する繰り返し単位も含むものであってもよい。
また、上記ビニル系重合体が、グリシジル(メタ)アクリレート以外のモノマーに由来する繰り返し単位も含む場合、その他のモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン等のビニル重合性モノマーを挙げることができる。
続いて、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物におけるエラストマーの含有量は、5質量%以上20質量%以下であることが必要である。エラストマーの含有量が5質量%以上であることは耐衝撃性が付与されるという理由で必要である。また、エラストマーの含有量が20質量%以下であることは難燃性が維持されるという理由で必要である。より好ましいエラストマーの含有量は。15質量%以上20質量%以下である。
<難燃剤>
難燃剤の種類は特に限定されず、例えば、ハロゲン含有難燃剤、リン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、イオウ含有難燃剤、ケイ素含有難燃剤、アルコール系難燃剤、無機系難燃剤、芳香族樹脂難燃剤等を例示することができる。本発明においては、ハロゲン含有難燃剤の使用が好ましく、より好ましくは臭素含有難燃剤である。臭素含有難燃剤としては、臭素含有アクリル系樹脂、臭素含有スチレン系樹脂、臭素含有ポリカーボネート系樹脂、臭素含有エポキシ系樹脂、臭素化ポリアリールエーテル化合物、臭素化芳香族イミド化合物、臭素化ビスアリール化合物、臭素化トリ(アリールオキシ)トリアジン化合物等が挙げられる。剛性、耐衝撃性、流動性、耐熱性、耐候性をバランスよく向上させられるという理由で臭素含有エポキシ系樹脂が好ましい。
臭素含有エポキシ系樹脂としては、末端が封止されたものを使用してもよい。末端を封止した臭素含有エポキシ系樹脂を使用すれば、成形時の樹脂組成物の流動性が高くなるため好ましい。末端封止された臭素含有エポキシ系樹脂の中でも、ビスフェノールA型エポキシ系樹脂が特に好ましい。また、末端封止にはブロモフェノールが好ましく使用されるが、ブロモフェノールの中でもトリブロモフェノールが特に好ましく使用される。なお、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、複数種類の難燃剤が含まれていてもよい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が難燃剤を含有する場合、難燃剤は樹脂組成物の耐衝撃性を低下させる傾向にある。しかし、本発明においては、特定のエラストマーとポリカーボネートとを併用することで、樹脂組成物の耐衝撃性(特に低温における耐衝撃性)が顕著に高められている。その結果、本発明の樹脂組成物は難燃剤を含みつつ、優れた耐衝撃性を有する。
また、コアがアクリル系ゴム、シェルがグリシジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含むビニル系共重合体を用い、臭素含有エポキシ系樹脂を難燃剤として用いると、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は機械特性、耐熱性、耐候性に優れたものとなる。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中の難燃剤の含有量は、特に限定されないが、10質量%以上15質量%以下である。難燃剤の含有量が10質量%以上であることは難燃性が付与されるという理由で必要であり、15質量%以下であることは耐衝撃性が維持されるという理由で必要である。
<その他の成分>
以上の必須成分である、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、コアシェル系エラストマー、難燃剤以外のその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、難燃助剤、ドリッピング防止剤、安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、離型剤、着色剤等を挙げることができる。
難燃助剤として、その種類は特に限定されないが、臭素含有難燃剤を使用する場合には、例えば酸化アンチモンの使用が好ましい。酸化アンチモンとしては三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等を例示することができる。また、難燃助剤の含有量は2質量%以上10質量%以下であることが好ましい。なお、難燃剤と難燃助剤との合計の含有量が24質量%以上になると、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の耐候性が低下する傾向にあるため好ましくない。
ドリッピング防止剤として、例えば、フッ素含有樹脂を使用することができる。入手しやすさ、効果の高さ、取り扱いの容易さから、特にテトラフルオロエチレン重合体が好ましい。テトラフルオロエチレン重合体の含有量は、1質量%以下であることが好ましい。
安定剤についても、その種類は特に限定されないが、ポリブチレンテレフタレートとポリカーボネートのエステル交換を抑制する目的として、例えばリン系安定剤を好ましく用いることができる。また、安定剤の含有量も特に限定されないが、0.1質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
酸化防止剤についても、その種類は特に限定されず、適宜好ましいものを用いることができる。また、酸化防止剤の含有量は、0.1質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
<ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の調製方法>
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の調製法の具体的態様は特に限定されるものではなく、一般に樹脂組成物又はその成形体の調製法として公知の設備と方法により、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を調製することができる。例えば、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押出機又はその他の溶融混練装置を使用して混練し、成形用ペレットとして調製することができる。また、押出機又はその他の溶融混練装置は複数使用してもよい。また、樹脂組成物の混練温度(シリンダー温度)は250℃以上280℃以下が好ましく、より好ましくは260℃以上270℃以下である。混練温度が280℃より高いと混練中に樹脂の分解が進行しやすく、250℃より低いと得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中の各成分の分散状態が優れない場合があり好ましくない。
<成形体の製造方法>
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を用いて、従来公知の成形方法(例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形、ガスインジェクション成形等の方法)で、種々の成形体を成形することができる。
上記のような方法で得られた成形体は、難燃性に優れる。また、上記のような方法で得られた成形体は、室温及び低温においても優れた耐衝撃性を備え、さらに、引張り特性や曲げ特性も良好である。また、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、耐候性、耐熱性にも優れる。
本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体は上記の性質を有するため、屋外で使用される屋外用電気部材の原料として好ましい。ここで、屋外用電気部材とは、屋外で使用される電気製品の一部を構成する樹脂部品を指す。屋外用電気部材には難燃性が求められる場合が多く、また、耐候性、耐熱性、室温や低温での耐衝撃性も求められる場合も多い。
屋外用電気部材の具体例としては、太陽電池用部材、屋外ブレーカー、屋外スイッチ、電気車両に用いられるコネクタ、又は電気車両に用いられる筐体が挙げられる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ポリブチレンテレフタレート樹脂1(PBT1):ウィンテックポリマー社製、メルトフローレート:23g/10min
ポリブチレンテレフタレート樹脂2(PBT2):ウィンテックポリマー社製、メルトフローレート:6.5g/10min
ポリカーボネート(PC):帝人化成社製、「パンライトL−1225」
エラストマー1(MBS):シェルがメタクリレート、コアがブタジエンスチレンのコアシェル系エラストマー(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製、「パラロイドEXL2602」)
エラストマー2(アクリル系コアシェル):コア層がアクリル系ゴム、シェル層がビニル系重合体のコアシェルエラストマー(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製、「パラロイドEXL2314」)
エラストマー3(EMA−GMA):エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学工業社製、「BONDFAST 7M」)
難燃剤1:臭素含有アクリル樹脂(アイシーエル・アイピー・ジャパン社製、「FR1025」)
難燃剤2:臭素含有エポキシ系樹脂(アイシーエル・アイピー・ジャパン社製、「F3100」、末端封止有り)
難燃助剤1:三酸化アンチモン(日本精鉱社製、「PATOX−M」)
ドリッピング防止剤(PTFE):ポリテトラフルオロエチレン樹脂(旭硝子(株)製、フルオンCD−076)
安定剤1:リン酸二水素ナトリウム(米山化学工業社製、「リン酸一ナトリウム」)
安定剤2:リン系安定剤(ADEKA社製、「アデカスタブPEP36」)
酸化防止剤:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、「Irganox1010」)
離型剤:ジグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、「リケマールB100」)
<ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造>
上記の材料を以下の表1に示す割合(単位は質量%)でドライブレンドし、30mmφのスクリューを有する2軸押出機((株)日本製鋼所製)にホッパーから供給して260℃で溶融混練し、ペレット状のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。
<評価>
実施例の試験片及び比較例の樹脂組成物を用いて、引張り特性、曲げ特性、衝撃性、低温衝撃性、燃焼性、流動性の評価を以下の方法で行った。
[引張り特性]
得られたペレット状の樹脂組成物を、成形温度260℃、金型温度80℃で、射出成形して試験片を作製し、ISO527−1,2に準拠し、引張り強さ(MPa)、及び引張り伸び(%)の測定を行った。測定結果を表1に示した。
[曲げ特性]
得られたペレット状の樹脂組成物を、成形温度260℃、金型温度80℃で、射出成形して試験片を作製し、ISO178に準拠し、曲げ強さ(MPa)、及び曲げ弾性率(MPa)の測定を行った。測定結果を表1に示した。
[衝撃性]
得られたペレット状の樹脂組成物を、成形温度260℃、金型温度80℃で、射出成形し、シャルピー衝撃試験片を作製し、ISO179/1eAに定められている評価基準に従い、23℃の条件で評価した。評価結果を表1に示した。
[低温衝撃]
−40℃の条件で行う衝撃性の評価であり、−40℃で行う以外については、上記の衝撃性と同様の方法で行った。評価結果を表1に示した。
[燃焼性]
得られたペレット状の樹脂組成物を、成形温度260℃、金型温度80℃で、射出成形して製造した試験片(0.75mm厚み)について、アンダーライターズ・ラボラトリーズのUL−94規格垂直燃焼試験により燃焼性の評価を実施した。結果を表1に示した。
[流動性]
ペレット状の樹脂組成物について、東洋精機製作所社製キャピログラフ1Bを用いて、ISO11443に準拠して、炉体温度260℃、キャピラリーφ1mm×20mmLにて、剪断速度1000sec−1にて溶融粘度を測定した。測定結果を表1に示した。
[耐熱性]
成形温度260℃、金型温度80℃で、実施例及び比較例の樹脂組成物を射出成形し、ASTM D1822−61T記載のS型ダンベル形状の試験片を得た。引張試験機(株式会社エー・アンド・ディ社製
CIT−150T−20)にチャック間20mmで試験片を固定し、所定の速度(ハンマー角度150°)で、試験を行った。測定データよりx軸を歪量、y軸を応力として、応力−歪量曲線を作成し、得られた応力−歪量曲線を用い、応力−歪量曲線の終点(破断時の点)を通りy軸(歪量が0の直線)に平行な直線と、x軸(応力が0の直線)と、応力−歪量曲線とに囲まれる部分の面積から、破断エネルギー(単位:kJ)を求めた。また試験前の試験片再狭部の断面積(単位:m)を求め引張衝撃(単位kJ/m)を求めた。試験は23℃で行った。
また、上記の方法で製造した試験片をさらに三つ用意し、東洋精機製作所社製ギアオーブンに三つの試験片を入れ、温度150℃の条件下で、10時間放置した試験片、48時間放置した試験片、144時間放置した試験片を得た。各試験片について引張衝撃を上記と同様の方法で求めた。結果を表1に示した。
[耐候性]
成形温度260℃、金型温度80℃で、実施例及び比較例の樹脂組成物を射出成形し、ASTM D1822−61T記載のS型ダンベル形状の試験片を得た。同様の試験片をさらに一つ作製した。この二つの試験片を温度150℃の環境に放置し、100時間放置した試験片を用意した。それぞれの試験片について、上記の方法で引張衝撃を測定した。結果を表1に示した。
Figure 2013058270
実施例1〜4と比較例2及び3との結果から明らかなように、特定のエラストマーとポリカーボネートとの組み合わせであれば、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、優れた難燃性、耐熱性、耐候性、機械的性質(引張特性、曲げ特性)を有しつつ、低温及び室温での耐衝撃性にも優れる。
実施例1と比較例1の結果から、エラストマーの使用量が多くなると、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の難燃性を低下させることが確認された。
実施例2と比較例4との結果から難燃剤と難燃助剤との使用量の合計量が多くなると、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の耐候性、低温及び室温での耐衝撃性が低下することが確認された。
実施例1及び3と実施例2及び4の結果から、エラストマーとしてコアシェル系エラストマーを用いることで、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の流動性が高まることが確認された。
実施例1〜4の結果から、コアがアクリル系ゴム、シェルがグリシジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含むビニル系重合体を用い、臭素含有アクリル系樹脂を難燃剤として用いると、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の低温における耐衝撃性が非常に高くなることが確認された。
また、実施例1の結果から、ポリカーボネートと特定のコアシェル系エラストマーと臭素含有エポキシ系樹脂とを組み合わせると、機械的性質と耐衝撃性と流動性を同時に高められることが確認された。

Claims (6)

  1. ポリブチレンテレフタレートと、ポリカーボネートと、エラストマーと、難燃剤とを含み、
    前記ポリブチレンテレフタレートと前記ポリカーボネートとの質量比(ポリブチレンテレフタレートの含有量/ポリカーボネートの含有量)が、6/4以上9/1以下であり、
    前記エラストマーの含有量が、全組成物中の5質量%以上20質量%以下であり、
    前記難燃剤の含有量が、10質量%以上15質量%以下であり、
    前記エラストマーは、グリシジル基含有ビニル系共重合体、又はコアがアクリル系ゴムであり、シェルがビニル系重合体であるコアシェル系エラストマーであるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  2. 前記シェルのビニル系重合体は、グリシジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含む請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. 前記難燃剤は、臭素含有エポキシ系樹脂である請求項2に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。
  5. 屋外用電気部材である請求項4に記載の樹脂成形体。
  6. 前記屋外用電気部材が太陽電池用部材、屋外ブレーカー、屋外スイッチ、電気車両用コネクタ、又は電気車両用電子部品筐体である請求項5に記載の樹脂成形体。
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