JPWO2013051555A1 - 研磨液 - Google Patents

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Abstract

本発明は、結晶構造に由来する原子ステップとテラスとからなる原子ステップ・テラス構造を有する主面を備え、前記原子ステップ・テラス構造において、前記原子ステップのフロント端線部の平均線粗さが、前記原子ステップの高さに対して20%以下の割合である、炭化ケイ素単結晶基板に関する。

Description

本発明は、炭化ケイ素単結晶基板および研磨液に係り、より詳しくは、高品質な半導体層をエピタキシャル成長させて形成するために適した炭化ケイ素単結晶基板、およびそのような基板を得るための研磨液に関する。
炭化ケイ素(SiC)半導体は、シリコン半導体よりも絶縁破壊電界、電子の飽和ドリフト速度および熱伝導率が大きいため、炭化ケイ素半導体を用いて、従来のシリコンデバイスよりも高温で、高速動作が可能なパワーデバイスを実現する研究・開発がなされている。なかでも、電動二輪車、電気自動車やハイブリッドカー等のモータを駆動するための電源に使用する高効率なスイッチング素子の開発が注目されている。このようなパワーデバイスを実現するには、エピタキシャル成長により高い品質の炭化ケイ素半導体層を形成するための、表面が平滑な炭化ケイ素単結晶基板が必要である。
また、高密度で情報を記録するための光源として、青色レーザーダイオードが注目されており、さらに、蛍光灯や電球に代わる光源としての白色ダイオードへのニーズが高まっている。このような発光素子は窒化ガリウム(GaN)半導体を用いて作製されており、高品質の窒化ガリウム半導体層を形成するための基板として、炭化ケイ素単結晶基板が使用されている。
このような用途に用いる炭化ケイ素単結晶基板には、基板の平坦度、基板表面の平滑性等において高い加工精度が要求され、また、研磨剤由来の砥粒等の残渣についても高い洗浄性が要求される。しかし、炭化ケイ素単結晶は硬度が極めて高く、かつ耐腐食性に優れるため、基板を作製する場合の加工性が悪く、高い研磨速度を維持しながら平滑性の高い炭化ケイ素単結晶基板を得ることは難しい。また、炭化ケイ素単結晶は耐腐食性に優れるため、前記砥粒等の除去においても、シリコン基板の洗浄で用いられるような、フッ酸等の薬液を使用してリフトオフにより砥粒の残渣を除去する方法の適用が難しい。そのため、高い洗浄度の基板表面を得ることが難しい。
一般に、半導体単結晶基板の平滑な面は、研磨によって形成される。炭化ケイ素単結晶を研磨する場合、炭化ケイ素よりも硬いダイヤモンド等の砥粒を研磨材として、表面を機械的に研磨し平坦な面を形成するが、ダイヤモンド砥粒で研磨した炭化ケイ素単結晶基板の表面には、ダイヤモンド砥粒の粒径に応じた微小なスクラッチが導入される。また、機械的な歪みを有する加工変質層が表面に生じるため、そのままでは基板表面の平滑性が十分ではない。
半導体単結晶基板の製造では、機械研磨後の半導体基板の表面を平滑にする方法として、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:以下、CMPということがある。)技術が用いられる。CMPは、酸化等の化学反応を利用して被加工物の表面を酸化物等に変え、生成した酸化物を、被加工物よりも硬度の低い砥粒を用いて除去することにより表面を研磨する方法である。この方法は、被加工物の表面に歪みを生じさせることなく、結晶構造由来の原子ステップとテラスとからなる原子ステップ・テラス構造を生成し、原子レベルで極めて平滑な面を形成できるという利点を有する。
炭化ケイ素単結晶基板へのエピタキシャル成長による炭化ケイ素半導体層の形成は、前記CMPにより原子ステップ・テラス構造が生成された、原子レベルで極めて平滑な面に対して、熱CVD法によりケイ素原子および炭素原子を堆積して行われる。その際、原子ステップのフロント端線部がエピタキシャル成長の起点になることから、結晶欠陥のない高い品質の炭化ケイ素半導体層を得るためには、炭化ケイ素単結晶基板に求められる表面性状として、結晶構造由来の原子ステップ・テラス構造が生成されているだけでなく、生成された原子ステップの形状についても高い加工精度が求められる。特に、原子ステップのフロント端線部においては、研磨による機械的ダメージに由来する結晶欠陥が抑制されていることが必要である。
なお、本明細書において、「原子ステップ・テラス構造」とは、単結晶基板の主面に沿って段差を介して互いに並列するように配設された平坦な複数の「テラス」と、各テラス間をつなぐ段差部である「原子ステップ」とからなるミクロな階段状構造をいう。そして、原子ステップの上端部がテラスと接する線状の部位を、「原子ステップのフロント端線部」という。「テラス」、「原子ステップ」、「原子ステップのフロント端線部」については、後でさらに説明する。
高品質の炭化ケイ素半導体層を形成させるために、ダイヤモンド研磨後に、コロイダルシリカスラリーまたは酸化剤を含有したコロイダルシリカスラリーによりCMPを行い、結晶構造由来の原子ステップ・テラス構造を有する平滑性の高い表面を生成し、さらに気相法によりエッチングを行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。そして、特許文献1では、エッチング処理を行わずに炭化ケイ素半導体層を製膜した場合は、CMP後に基板表面の極近傍に生成する酸化物により、ステップバンチングが発生するが、エッチング処理することで、CMP後の基板表面の高い平滑性を維持しつつ、CMPにより発生する表面酸化物層のみを除去でき、ステップバンチング等の結晶欠陥を抑制できるとしている。
しかしながら、特許文献1においては、結晶構造由来の原子ステップ・テラス構造の生成については考慮されているものの、結晶のエピタキシャル成長に対する原子ステップの端部形状や結晶欠陥の影響については、何ら考慮されていない。また、エッチングにより炭化ケイ素半導体層の結晶欠陥を抑制するだけでは、高品質の半導体層を得るには不十分である。さらに、コスト的観点から、より高い研磨速度を実現することが求められる。
また、従来から、炭化ケイ素単結晶基板の表面を、高い研磨速度でかつ平滑に研磨するための研磨剤として、シリカ砥粒と過酸化水素のような酸化剤(酸素供与剤)とバナジン酸塩とを含む研磨用組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2の研磨用組成物では、炭化ケイ素単結晶基板に対する研磨速度が低く、研磨に要する時間が非常に長くなるという問題があった。また、研磨後の表面に、原子ステップ・テラス構造は生成されるものの、研磨の際の機械的ダメージにより、原子ステップのフロント端線部は欠けやえぐれのある形状となり、結晶欠陥が発生するという問題があった。さらに、洗浄により除去できなかったシリカ砥粒が基板上に残り、この砥粒残渣が、研磨後の基板表面にエピタキシャル成長される半導体層の結晶欠陥の原因になるという問題もあった。
国際公開2010−090024号 日本国特開2008−179655号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、結晶欠陥がない高品質の半導体層をエピタキシャル成長させるために適した炭化ケイ素単結晶基板と、そのような炭化ケイ素単結晶基板をCMPにより得るための研磨液の提供を目的とする。
本発明の炭化ケイ素単結晶基板は、結晶構造に由来する原子ステップとテラスとからなる原子ステップ・テラス構造を有する主面を備え、前記原子ステップ・テラス構造において、前記原子ステップのフロント端線部の平均線粗さが、前記原子ステップの高さに対して20%以下の割合であることを特徴とする。
本発明の炭化ケイ素単結晶基板において、前記主面は、結晶をエピタキシャル成長させて炭化ケイ素半導体層または窒化ガリウム半導体層を形成する面であることが好ましい。
本発明の研磨液は、炭化ケイ素単結晶基板の所定の面方向の主面を、結晶構造に由来する原子ステップとテラスとからなる原子ステップ・テラス構造を有し、かつ該原子ステップ・テラス構造において、前記原子ステップのフロント端線部の平均線粗さが、前記原子ステップの高さに対して20%以下の割合となるように、化学的機械的に研磨するための研磨液であり、酸化還元電位0.5V以上の遷移金属を含む酸化剤と水とを含み、砥粒を含まないことを特徴とする。
本発明の研磨液において、前記酸化剤は過マンガン酸イオンであることが好ましい。また、前記過マンガン酸イオンの含有量は研磨剤全量に対して0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましい。さらに、本発明の研磨液は、pHが11以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
本発明の炭化ケイ素単結晶基板は、結晶構造に由来する原子ステップ・テラス構造を有し、かつ原子ステップのフロント端線部の平均線粗さ(R)の原子ステップの高さ(h)に対する割合が20%以下であり、ステップフロー方式によるエピタキシャルな結晶成長の起点となるフロント端線部の結晶欠陥等が抑制されているので、この炭化ケイ素単結晶基板の主面にエピタキシャル成長させることで、高い品質の炭化ケイ素半導体層または窒化ガリウム半導体層を得ることができる。
本発明の研磨液は、酸化還元電位0.5V以上の遷移金属を含む酸化剤と水とを含み、砥粒を含有しないので、この研磨液を用いて炭化ケイ素単結晶基板の所定の面方向の主面を化学的機械的に研磨することによって、結晶構造由来の原子ステップ・テラス構造を有し、かつ原子ステップのフロント端線部に研磨の際の機械的ダメージによる結晶欠陥がない、平滑性の高い面が得られる。また、この研磨液によれば、洗浄後の炭化ケイ素単結晶基板に砥粒の残渣を発生させない。
図1(a)及び(b)は、本発明の実施形態の炭化ケイ素単結晶基板において、主面に生成された原子ステップ・テラス構造を模式的に示し、(a)は平面図であり、(b)は拡大斜視図である。 図2は、4H−SiC単結晶の結晶構造を示す図である。 図3は、本発明の実施形態の研磨液を用いる研磨に使用可能な研磨装置の一例を示す図である。 図4は、従来の研磨剤液を使用して研磨された炭化ケイ素単結晶基板において、主面に生成された原子ステップ・テラス構造を模式的に示し、(a)は平面図であり、(b)は拡大斜視図である。 図5は、炭化ケイ素単結晶基板上でのステップフロー方式によるエピタキシャル成長を模式的に示す図である。 図6は、例1〜6において、CMP研磨後に生成する原子ステップ・テラス構造のフロント端線部の線粗さの測定位置を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<炭化ケイ素単結晶基板>
本発明の実施形態の炭化ケイ素単結晶基板は、図1(a)および図1(b)に模式的に示すように、結晶構造に由来する平坦なテラス1領域と段差領域である原子ステップ2とが、交互に連続する原子ステップ・テラス構造を持つ、平滑性の高い主面を有する。この原子ステップ・テラス構造において、原子ステップ2の上端部がテラス1と接するフロント端線部2aは、直線状を呈し、湾曲や欠け、えぐれがない。また、テラス1の幅は、全テラスで略同一であり、かつ各テラスで各部略均一となっている。なお、図1(b)に示すC軸は、図1(a)において紙面に垂直な方向である。
さらに、このような原子ステップ・テラス構造において、原子ステップ2のフロント端線部2aの平均線粗さ(R)の、原子ステップ2の高さ(h)に対する割合は、20%以下となっている。すなわち、(R/h)×100≦20となっている。R/hは、原子ステップ・テラス構造におけるフロント端線部2aへの機械的ダメージの程度を表す指標ということができる。
ここで、原子ステップ・テラス構造を有する主面は、所定の面方向の主面であり、C軸に対して所定のオフ角をなす主面である。また、フロント端線部2aの平均線粗さ(R)は、フロント端線部2aの断面粗さ曲線の中心線算術平均粗さ(Ra)であり、例えば、以下に示す方法により測定することができる。すなわち、炭化ケイ素単結晶基板の主面の所定の範囲(例えば、横2μm×縦1μmの範囲)を、AFM(原子間力顕微鏡)により観察し、得られたAFM像から、前記範囲にある複数のフロント端線部2aのそれぞれについて算術平均面粗さ(Ra)を測定し、その平均値としてRを求める。
原子ステップの高さ(h)は、炭化ケイ素単結晶基板では約0.25nmである。
例えば、4H−SiC基板は、図2に示す結晶構造を有し、C軸方向の結晶格子間隔(格子定数)であるC0(1.008nm)の1/4が原子ステップの高さ(h)となる。すなわち、4H−SiC基板では、原子ステップの高さ(h)は1.008nm/4により算出される値(約0.25nm)になる。
6H−SiC基板における原子ステップの高さ(h)も、4H−SiC基板と同様に約0.25nmになる。すなわち、6H−SiC基板において、C軸方向の格子定数C0は1.542nmであり、この値の1/6が原子ステップの高さ(h)であるので、原子ステップの高さ(h)は約0.25nmになる。
なお、前記4H−SiC基板、6H−SiC基板については、研磨対象物の項で説明する。
実施形態の炭化ケイ素単結晶基板においては、所定の面方向の主面が結晶構造に由来する原子ステップ・テラス構造を有し、平滑性が高いうえに、フロント端線部2aの平均線粗さ(R)の原子ステップ2の高さ(h)に対する割合が20%以下となっているので、ステップフロー方式によるエピタキシャルな結晶成長の起点となるフロント端線部2aの結晶欠陥等が抑制されている。したがって、この炭化ケイ素単結晶基板の主面に結晶をエピタキシャル成長させることで、高い品質の炭化ケイ素半導体層または窒化ガリウム半導体層を得ることができる。なお、ステップフロー方式については、後述するエピタキシャル成長の項で詳細に説明する。
フロント端線部2aの平均線粗さ(R)の原子ステップ2の高さ(h)に対する割合が20%を超えると、原子ステップ・テラス構造におけるフロント端線部1aの機械的ダメージに由来する結晶欠陥等が大きくなり、高品質の炭化ケイ素半導体層または窒化ガリウム半導体層をエピタキシャル成長により形成できない。
このようなフロント端線部2aの形状に優れ、該部の結晶欠陥が抑制された炭化ケイ素単結晶基板の主面は、酸化還元電位が0.5V以上の遷移金属を含む酸化力の大きい酸化剤を含有し、実質的に砥粒を含有しない本発明の研磨液を用いてCMPを行うことにより得ることができる。
<研磨液>
本発明の実施形態の研磨液は、炭化ケイ素単結晶基板の所定の面方向の主面を、化学的機械的に研磨するための研磨液であり、酸化還元電位0.5V以上の遷移金属を含む酸化剤と水とを含み、砥粒を含有しないことを特徴とする。
この研磨液を使用して炭化ケイ素単結晶基板の前記主面のCMPを行うことで、研磨の際の機械的ダメージによる、表面へのスクラッチや原子ステップのフロント端線部の結晶欠陥を抑制できる。そして、前記したように、結晶構造由来の原子ステップ・テラス構造を有し、かつフロント端線部の平均線粗さ(R)の原子ステップの高さ(h)に対する割合が20%以下((R/h)×100≦20)である研磨された主面(以下、研磨済み主面と示すことがある。)を得ることができる。
また、このような原子レベルでの加工に酸化力の強い酸化剤を用いることで、炭化ケイ素単結晶基板のような硬度が高く化学的安定性が高い基板を、十分に高い研磨速度で研磨できる。さらに、この研磨液を使用した場合は、洗浄後の炭化ケイ素単結晶基板に砥粒が残留しないので、砥粒残渣に起因する結晶欠陥の発生も防止できる。
なお、本発明の実施形態の研磨液に含有される酸化剤としては、過マンガン酸イオンが好ましく、その含有量は0.05質量%以上5質量%以下が好ましい。さらに、研磨液のpHは11以下とすることが好ましく、pH5以下がさらに好ましい。pHを11以下に調整するために、研磨液にはpH調整剤を添加できる。研磨液のpHを11以下とした場合には、前記酸化剤が効果的に作用するため、研磨速度が高く研磨特性が良好である。
以下に、本発明の研磨液の各成分、およびpHについて記載する。
(酸化剤)
本発明の実施形態の研磨液に含有される、酸化還元電位が0.5V以上の遷移金属を含む酸化剤は、研磨対象物である炭化ケイ素単結晶基板の被研磨面に酸化層を形成するものである。この酸化層を機械的な力で被研磨面から除去することにより、研磨対象物の研磨が促進される。すなわち、非酸化物である炭化ケイ素単結晶は、難研磨材料であるが、研磨液中の酸化還元電位が0.5V以上の遷移金属を含む酸化剤により、表面に酸化層を形成でき、形成された酸化層は、研磨対象物に比べて硬度が低く研磨されやすいので、砥粒を内包しない研磨パッドとの接触によっても除去できる。したがって、十分に高い研磨速度を得ることができる。酸化還元電位測定法としては、一般的に市販されている酸化還元電位計を使用できる。参照電極としては、飽和塩化カリウム水溶液を内部液に用いた銀/塩化銀電極が挙げられ、作用電極としては、白金等の金属電極が使用できる。測定時の水溶液は温度及びpHについては、25度付近の室温で行い、pHは適宜調整した試料を準備して測定できる。
なお、本発明において、「被研磨面」とは研磨対象物の研磨される面であり、例えば表面を意味する。
研磨液に含有される、酸化還元電位が0.5V以上の遷移金属を含む酸化剤としては、例えば、過マンガン酸イオン、バナジン酸イオン、二クロム酸イオン、硝酸セリウムアンモニウム、硝酸鉄(III)九水和物、硝酸銀、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸等を挙げることができ、特に過マンガン酸イオンが好ましい。過マンガン酸イオンの供給源としては、過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウム等の過マンガン酸塩が好ましい。
炭化ケイ素単結晶基板の研磨における酸化剤として、過マンガン酸イオンが特に好ましい理由を以下に示す。
(1)過マンガン酸イオンは、炭化ケイ素単結晶を酸化する酸化力が強い。
酸化剤の酸化力が弱すぎると、炭化ケイ素単結晶基板の被研磨面との反応が不十分となり、その結果十分に平滑な表面を得ることができない。酸化剤が物質を酸化する酸化力の指標として、酸化還元電位が用いられる。過マンガン酸イオンの酸化還元電位は1.70Vであり、酸化剤として一般に用いられる過塩素酸カリウム(KClO)(酸化還元電位1.20V)や次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化還元電位1.63V)に比べて、酸化還元電位が高い。
(2)過マンガン酸イオンは反応速度が大きい。
過マンガン酸イオンは、酸化力の強い酸化剤として知られている過酸化水素(酸化還元電位1.76V)に比べて、酸化反応の反応速度が大きいので、酸化力の強さを速やかに発揮できる。
(3)過マンガン酸イオンは、人体に対して毒性が低く安全である。
(4)過マンガン酸塩は、後述する分散媒である水に、溶解度曲線から得られる水温に依存した溶解濃度以下であれば完全に溶解する。したがって、溶解残渣が基板の平滑性に悪影響を与えることがない。
高い研磨速度を得るために、研磨液中の過マンガン酸イオンの含有割合(濃度)は、0.05質量%以上5質量%以下が好ましい。0.05質量%未満では、酸化剤としての効果が期待できず、研磨により平滑な面を形成するのに非常に長時間を要したり、あるいは被研磨面にスクラッチが発生するおそれがある。過マンガン酸イオンの含有割合が5質量%を超えると、研磨液の温度によっては、過マンガン酸塩が完全に溶解しきれずに析出し、固体の過マンガン酸塩が被研磨面と接触することにより、スクラッチが発生するおそれがある。研磨液に含まれる過マンガン酸イオンの含有割合は、0.1質量%以上4質量%以下がさらに好ましく、0.2質量%以上3.5質量%以下が特に好ましい。
(砥粒)
本発明の実施形態の研磨液は、酸化ケイ素(シリカ)粒子、酸化セリウム(セリア)粒子、酸化アルミニウム(アルミナ)粒子、酸化ジルコニウム(ジルコニア)粒子、酸化チタン(チタニア)粒子等の研磨砥粒を、実質的に含有していないことを特徴とする。研磨液が砥粒を含有せず、前記したように洗浄後に砥粒の残渣が生じないので、砥粒残渣に起因する結晶欠陥の発生を防止できる。また、砥粒の分散性に留意することなく研磨液を使用できる、実質的に砥粒の凝集が発生しないため、被研磨面への機械的ダメージが抑制される、という利点がある。
(pHおよびpH調整剤)
本発明の実施形態の研磨液のpHは、研磨特性の点から、11以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が特に好ましい。pHが11超では、十分な研磨速度が得られないばかりでなく、被研磨面の平滑性が悪化するおそれがある。
研磨液のpHは、pH調整剤である酸または塩基性化合物の添加・配合により調整できる。酸としては、硝酸、硫酸、リン酸、塩酸のような無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の飽和カルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等のヒドロキシ酸、フタル酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、アミノ酸、複素環系のカルボン酸のような有機酸を使用できる。硝酸およびリン酸の使用が好ましく、中でも硝酸の使用が特に好ましい。塩基性化合物としては、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウム等の4級アンモニウム化合物、モノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、プロピレンジアミン等の有機アミンを使用できる。水酸化カリウム、水酸化ナトリウムの使用が好ましく、中でも水酸化カリウムが特に好ましい。
これらの酸または塩基性化合物の含有割合(濃度)は、研磨液のpHを所定の範囲(pH11以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下)に調整する量とする。
(水)
本発明の実施形態の研磨液においては、分散媒として水が含有される。水は、前記酸化剤および必要に応じて添加される後述する任意成分を分散・溶解するための媒体である。水については、特に制限はないが、配合成分に対する影響、不純物の混入、pH等への影響の観点から、純水、超純水、およびイオン交換水(脱イオン水)が好ましい。
(研磨液の調製および任意成分)
本発明の実施形態の研磨液は、前記した各成分が前記所定の割合で含有され、均一に溶解した混合状態になるように調製されて、使用される。混合には、研磨液の製造に通常用いられる撹拌翼による撹拌混合方法を採ることができる。研磨液は、必ずしも、構成する研磨成分を予めすべて混合したものとして、研磨の場に供給する必要はない。研磨の場に供給される際に、研磨成分が混合されて、研磨液の組成になってもよい。
本発明の実施形態の研磨液には、本発明の趣旨に反しない限り、潤滑剤、キレート化剤、還元剤、粘性付与剤、粘度調節剤、防錆剤等を、必要に応じて適宜含有させることができる。ただし、これらの添加剤が、酸化剤、酸または塩基性化合物の機能を有する場合は、酸化剤、酸または塩基性化合物として扱うものとする。
潤滑剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の界面活性剤、多糖類、水溶性高分子等を使用できる。界面活性剤としては、疎水基として脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有し、またそれら疎水基内にエステル、エーテル、アミド等の結合基、アシル基、アルコキシル基等の連結基を1つ以上導入したもの、親水基として、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル、リン酸、リン酸エステル、アミノ酸からなるものを使用できる。多糖類としては、アルギン酸、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、カードラン、プルラン、キサンタンガム、カラギナン、ジェランガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、タマリンド、サイリウム等を使用できる。水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリスチレンスルホン酸等を使用できる。
<研磨方法>
本発明の実施形態の研磨液を使用して研磨を行うには、砥粒を内包しない公知の研磨パッドを使用し、この研磨パッドに前記した研磨液を供給しながら、研磨対象物である炭化ケイ素単結晶基板の被研磨面と研磨パッドとを接触させ、両者間の相対運動により研磨を行う。研磨対象物については、後述する。
この研磨方法において、研磨装置としては従来公知の研磨装置を使用できる。図3に、使用可能な研磨装置の一例を示す。
図3に示す研磨装置10においては、研磨定盤11がその垂直な軸心C1の回りに回転可能に支持された状態で設けられており、この研磨定盤11は、定盤駆動モータ12により、図に矢印で示す方向に回転駆動されるようになっている。この研磨定盤11の上面には、砥粒を内包しない公知の研磨パッド13が貼り着けられている。
一方、研磨定盤11上の軸心C1から偏心した位置には、下面において研磨対象物14を吸着または保持枠等を用いて保持する基板保持部材(キャリヤ)15が、その軸心C2の回りに回転可能でかつ軸心C2方向に移動可能に支持されている。この基板保持部材15は、図示しないキャリヤ駆動モータにより、あるいは上記研磨定盤11から受ける回転モーメントにより、矢印で示す方向に回転されるように構成されている。基板保持部材15の下面、すなわち上記研磨パッド13と対向する面には、研磨対象物14である炭化ケイ素単結晶基板が保持されている。研磨対象物14は、所定の荷重で研磨パッド13に押圧されている。
また、基板保持部材15の近傍には、滴下ノズル16またはスプレーノズル(図示を省略。)が設けられており、図示しないタンクから送出された前記した研磨液17が研磨定盤11上に供給されるようになっている。
このような研磨装置10による研磨に際しては、研磨定盤11およびそれに貼り着けられた研磨パッド13と、基板保持部材15およびその下面に保持された研磨対象物14とが、定盤駆動モータ12およびキャリヤ駆動モータによりそれぞれの軸心の回りに回転駆動された状態で、滴下ノズル16等から研磨液17が研磨パッド13の表面に供給されつつ、基板保持部材15に保持された研磨対象物14がその研磨パッド13に押し付けられる。それにより、研磨対象物14の被研磨面、すなわち研磨パッド13に対向する面が化学的機械的に研磨される。
基板保持部材15は、回転運動だけでなく直線運動をしてもよい。また、研磨定盤11および研磨パッド13も回転運動を行うものでなくてもよく、例えばベルト式で一方向に移動するものであってもよい。
研磨パッド13としては、不織布、発泡ポリウレタン等の多孔質樹脂等からなり、砥粒を含有しない公知のものを使用できる。また、研磨パッド13への研磨液17の供給を促進し、あるいは研磨パッド13に研磨液17が一定量溜まるようにするために、研磨パッド13の表面に格子状、同心円状、らせん状などの溝加工が施されていてもよい。さらに、必要により、パッドコンディショナーを研磨パッド13の表面に接触させて、研磨パッド13表面のコンディショニングを行いながら研磨してもよい。
このような研磨装置10による研磨条件には特に制限はないが、基板保持部材15に荷重をかけて研磨パッド13に押し付けることでより研磨圧力を高め、研磨速度を向上させることが可能である。研磨圧力は5〜80kPa程度が好ましく、被研磨面内における研磨速度の均一性、平坦性、スクラッチ等の研磨欠陥防止の観点から、10〜50kPa程度がより好ましい。研磨定盤11および基板保持部材15の回転数は、50〜500rpm程度が好ましいがこれに限定されない。また、研磨液17の供給量については、研磨液の組成や上記した研磨条件等により適宜調整され選択される。
<研磨対象物>
本発明の実施形態の研磨液を用いて研磨する研磨対象物は、非酸化物単結晶である炭化ケイ素単結晶基板や窒化ガリウム単結晶基板であり、より好適には炭化ケイ素単結晶基板である。より具体的には、3C−SiC、4H−SiC、あるいは6H−SiCの結晶構造を有する炭化ケイ素単結晶基板が挙げられる。なお、前記3C−、4H−、および6H−は、Si−C対の積層順序により決まる炭化ケイ素の結晶多形を表す。実施形態の研磨液を使用することで、高い研磨速度を得ることができる。また、以下に示す表面性状の主面(研磨済み主面)を得ることができる。
次に、図面を参照しながら、本発明の実施形態の研磨液を使用した場合と、酸化剤である過酸化水素とコロイダルシリカ砥粒を含む従来の研磨スラリーを使用した場合のそれぞれにおいて、CMPにより得られる炭化ケイ素単結晶基板の主面の表面性状、および研磨済み主面へのエピタキシャル成長による半導体層の形成について説明する。
<研磨済み主面の表面性状>
CMP工程の前工程であるダイヤモンド研磨後の炭化ケイ素単結晶基板の主面には、ダイヤモンド研磨による機械的ダメージが生じており、表面にスクラッチが形成されているだけでなく、内部まで結晶歪等の欠陥が生じた加工変質層が生成されている。前記した従来の研磨スラリーによるCMPでも、相当長時間の研磨を行うことで、ダイヤモンド研磨により生じた加工変質層を除去することは可能であり、図4(a)および図4(b)に模式的に示すように、結晶構造に由来する、平坦なテラス1領域と段差領域である原子ステップ2とが交互に連続する原子ステップ・テラス構造を有する研磨済み主面を得ることができる。なお、図4(b)に示すC軸は、図4(a)において紙面に垂直な方向である。
しかし、前記した従来の研磨スラリーによるCMPでは、原子ステップ2のフロント端線部2aは、研磨の際の機械的ダメージにより、欠けやえぐれのある形状となり、結晶欠陥が発生する。この原因としては、機械的作用の強い砥粒によるフロント端線部2aの過剰研磨が考えられる。
一方、本発明の実施形態の研磨液は、実質的に砥粒を含有しないため、研磨済み主面に生成された原子ステップ・テラス構造において、原子ステップのフロント端線部2aに加えられる機械的ダメージが著しく低減されている。したがって、図1(a)および図1(b)に示すように、欠けやえぐれ、結晶欠陥のないフロント端線部2aを形成することができ、平滑性が高くかつフロント端線部2aが優れた形状を維持した、原子レベルの加工精度を実現できる。さらに、実施形態の研磨液を使用した場合は、含有される酸化力の強い酸化剤の作用によって、砥粒による機械的作用がないにもかかわらず、砥粒よりも硬度の低い研磨パッドによる機械的作用だけで、ダイヤモンド研磨による加工変質層を高い研磨速度で速やかに除去できる。そして、炭化ケイ素単結晶基板の被研磨面へのダメージを抑制した、原子レベルの高い加工精度が可能である。
<エピタキシャル成長>
ステップフロー方式による炭化ケイ素単結晶基板上への半導体層のエピタキシャル成長のメカニズムと、原子ステップのフロント端線部の役割について、図5に基づいて説明する。
炭化ケイ素単結晶基板に、例えば炭化ケイ素半導体層をエピタキシャル成長させるには、前記炭化ケイ素単結晶基板の原子ステップ・テラス構造が形成された研磨済み主面に、熱CVD法によりケイ素原子と炭素原子とを堆積させ、結晶成長させる。原子ステップ・テラス構造のテラス1に付着した各原子は、フロント端線部2aに到達し、フロント端線部2aの未結合手を持った原子と結合して、テラス1の表面を横方向(フロント端線部2aに直交する方向、図5中に矢印で示す)に結晶が成長することで、製膜される。すなわち、原子ステップ2のフロント端線部2aは、エピタキシャル成長において結晶成長の起点として機能する。
そして、炭化ケイ素単結晶基板上に製膜された半導体層の結晶品質は、基板の結晶欠陥や表面状態により強く影響を受けることが知られている。炭化ケイ素単結晶基板の結晶欠陥としては、マイクロパイプ欠陥、螺旋転位欠陥、刃状転位欠陥等が挙げられる。表面状態については、研磨によるスクラッチや研磨剤由来の砥粒等の異物のテラス1表面への付着、テラス1の表面酸化物等が挙げられる。エピタキシャル成長の起点である原子ステップ2のフロント端線部2aについても、この部分に存在する欠陥の伝搬が考えられることから、より高品質の半導体層を製膜するためには、原子ステップ・テラス構造の生成のみを考慮した研磨加工ではなく、原子ステップ2のフロント端線部2aの形状や結晶欠陥も考慮した原子レベルの加工精度が必要である。
このような点から考察すると、前記した従来の研磨スラリーを用いて得られた炭化ケイ素単結晶基板の研磨済み主面は、原子ステップ・テラス構造が生成されて平滑化されているので、テラス1表面のスクラッチ等に起因する半導体層の結晶欠陥は抑制できるが、結晶成長の起点であるフロント端線部2aは、欠けやえぐれ等があり結晶欠陥が避けられない形状となっているので、その上に高品質の炭化ケイ素半導体層や窒化ガリウム半導体層をエピタキシャル成長により形成できない。
これに対して、本発明の実施形態の研磨液を用いたCMP加工では、原子ステップ・テラス構造を有し、かつこの原子ステップ・テラス構造において、原子ステップ2のフロント端線部2aへの機械的ダメージが抑制された高平滑な主面を得ることができるので、より高品質の半導体層の結晶成長が可能になる。また、本発明の実施形態の研磨液は、砥粒を含まないので、洗浄後も炭化ケイ素単結晶基板の表面に砥粒が残留することがなく、研磨剤由来の砥粒残渣に起因する半導体層の結晶欠陥を防止可能である。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。例1〜4は本発明の実施例であり、例5、6は比較例である。
(1)研磨液および研磨剤液の調製
(1−1)
例1〜4の各研磨液を、以下に示すようにして調製した。まず、表1に示す酸化剤である過マンガン酸カリウムに純水を加え、撹拌翼を用いて10分間撹拌した。次いで、この液に、pH調整剤として、例1〜3では硝酸を、例4では水酸化カリウムを撹拌しながら徐々に添加して、表1に示す所定のpHに調整し、研磨液を得た。各例において使用した酸化剤である過マンガン酸カリウムの研磨液全体に対する含有割合(濃度;質量%)を、表1に示す。なお、表1における酸化剤濃度は、過マンガン酸イオンの濃度ではなく、過マンガン酸カリウムの濃度である。
(1−2)
例5および例6の研磨剤液を、以下に示すようにして調製した。例5においては、1次粒子径が40nm、2次粒子径が約70nmのシリカ固形分が約40質量%のコロイダルシリカ分散液に、純水を加え、撹拌翼を用いて10分間撹拌した。次いで、この液に、金属塩としてバナジン酸アンモニウムを撹拌しながら加え、最後に過酸化水素水を添加して30分間撹拌し、表1に示す各成分濃度に調整された研磨剤液を得た。
例6においては、1次粒子径が80nm、2次粒子径が約110nmのシリカ固形分が約40質量%のコロイダルシリカ分散液に、純水を加えて10分間撹拌した。次いで、この液に、酸化剤として過マンガン酸カリウムを撹拌しながら加えた後、硝酸を徐々に添加して表1に示すpHに調整し、研磨剤液を得た。例5および例6で使用した各成分の研磨剤全体に対する含有割合(濃度;質量%)を、表1に示す。
なお、表1における酸化剤濃度は、過マンガン酸イオンの濃度ではなく、過マンガン酸カリウムの濃度である。また、例5、6で配合されたシリカ粒子の1次粒子径については、BET法で得られた比表面積から換算して求め、2次粒子径については、動的光散乱式粒度分布測定装置であるマイクロトラックUPA(日機装社製)を用いて測定した。
(2)pHの測定
例1〜4で得られた各研磨液および例5,6で得られた各研磨剤液のpHを、横河電機社製のpH81−11を使用し25℃で測定した。測定結果を表1に示す。
(3)研磨特性の評価
例1〜4で得られた各研磨液および例5,6で得られた各研磨剤液について、以下の方法で研磨特性の評価を行った。
(3−1)研磨条件
研磨機としては、MAT社製小型片面研磨装置を使用した。研磨パッドとしては、SUBA800−XY−groove(ニッタハース社製)を使用し、研磨前にダイヤディスクおよびブラシを用いて、研磨パッドのコンディショニングを行った。
研磨液または研磨剤液の供給速度を25cm/分、研磨定盤の回転数を68rpm、基板保持部の回転数を68rpm、研磨圧を5psi(34.5kPa)として、30分間研磨を行った。
(3−2)被研磨物
被研磨物として、ダイヤモンド砥粒を用いて予備研磨処理を行った3インチ径の4H−SiC基板を準備した。そして、主面(0001)のC軸に対するオフ角が0°+0.25°以内のSiC単結晶基板(On−axis基板)を使用し、Si面側を研磨し評価した。
(3−3)研磨速度の測定
研磨速度は、前記SiC単結晶基板の単位時間当たりの厚さの変化量(nm/hr)で評価した。具体的には、厚さが既知の未研磨基板の質量と各時間研磨した後の基板質量とを測定し、その差から質量変化を求めた。そして、この質量変化から求めた基板の厚さの時間当たりの変化を、下記の式を用いて算出した。研磨速度の算出結果を表1に示す。
(研磨速度(V)の計算式)
Δm=m0−m1
V=Δm/m0 × T0 × 60/t
(式中、Δm(g)は研磨前後の質量変化、m0(g)は未研磨基板の初期質量、m1(g)は研磨後基板の質量、Vは研磨速度(nm/hr)、T0は未研磨基板の厚さ(nm)、tは研磨時間(min)を表す。)
(3−4)原子ステップのフロント端線部の平均線粗さ(R)の測定
例1〜4の各研磨液および例5,6の各研磨剤液で研磨したOn−axis基板の研磨後の主面を、横2μm×縦1μmの範囲で、AFMにより観察したところ、いずれも原子ステップ・テラス構造の生成が確認された。次いで、得られたAFM像から、前記範囲にある複数のフロント端線部のそれぞれについて平均線粗さ(Ra)を測定し、その平均値としてRを求めた。なお、AFMとしては、D3100(Veeco社製)を使用した。
図6に、フロント端線部2aの平均線粗さ(Ra)の測定位置を破線で示す。この図において、符号1は、原子ステップ・テラス構造におけるテラスを示す。
次いで、前記(3−4)で求められたフロント端線部の平均線粗さ(R)から、下記式を用いて、原子ステップの高さ(h)に対する平均線粗さ(R)の割合(A)を算出した。結果を表1に示す。
A(%)=(R(nm)/h(nm))×100
なお、ケイ素と炭素対からなるバイレーヤー原子ステップの高さ(h)は、前記したように1.008nm/4により計算され、約0.25nmになる。
Figure 2013051555
表1からわかるように、例1〜4の研磨液を使用した場合は、SiC単結晶のOn−axis基板に対して、高い研磨速度が得られており、高速研磨が可能であった。また、研磨後の主面のAFM像から、原子ステップ・テラス構造の生成が確認され、高平滑な研磨済み主面が得られた。また、原子ステップ・テラス構造において、原子ステップのフロント端線部の平均線粗さ(R)の原子ステップの高さ(h)の理論値に対する割合(A)は、20%以下であり、研磨による機械的ダメージを抑制した原子レベルの高い加工精度が得られた。さらに、研磨液が砥粒を含まないので、砥粒残渣のない清浄度の高い研磨済み主面が得られた。
これに対して、砥粒であるコロイダルシリカと酸化剤である過酸化水素、およびバナジン酸アンモニウムを含有する例5の研磨剤液を使用した場合は、例1〜4の研磨液を使用した場合に比べて、研磨速度が著しく低い値となった。また、研磨後の主面のAFM像から、原子ステップ・テラス構造の生成が確認されるものの、原子ステップの高さ(h)の理論値に対する原子ステップのフロント端線部の平均線粗さ(R)の割合は、24%と例1〜4に比べて大きくなって表面粗さが悪化しており、研磨による機械的ダメージによって、原子ステップのフロント端線部に欠けやえぐれが発生していることがわかった。また、研磨済み主面に、コロイダルシリカと思われる砥粒残渣が観察された。
また、酸化剤として過マンガン酸カリウムを含有し、さらに砥粒としてコロイダルシリカを含有する例6の研磨剤液を使用した場合も、例1〜4の研磨液を使用した場合に比べて、研磨速度が大幅に低下した。さらに、研磨後の主面のAFM像から、原子ステップ・テラス構造の生成が確認されたものの、原子ステップの高さ(h)の理論値に対する原子ステップのフロント端線部の平均線粗さ(R)の割合は、28%と例1〜4に比べて大きくなって表面粗さが悪化しており、研磨による機械的ダメージによって、原子ステップのフロント端線部に欠けやえぐれが発生していることがわかった。また、研磨済み主面に、コロイダルシリカと思われる砥粒残渣が観察された。
本発明の研磨液によれば、硬度が高く化学的安定性の高い炭化ケイ素単結晶基板を高い研磨速度で研磨でき、キズがなく平坦性および平滑性に優れ、原子ステップ・テラス構造が生成され、かつ、ステップフロー方式によるエピタキシャル成長において結晶成長の起点となる原子ステップフロント端線部の機械的ダメージが抑制された、原子レベルで加工精度の高い主面を得ることができる。したがって、炭化ケイ素単結晶基板上への高品質な半導体層の製膜が可能となり、そのように製膜された半導体層を有する炭化ケイ素単結晶基板を用いた電子デバイス等の生産性の向上に寄与できる。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2011年10月7日出願の日本特許出願2011−222782に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1…テラス、2…原子ステップ、2a…フロント端線部、10…研磨装置、11…研磨定盤、12…定盤駆動モータ、13…研磨パッド、14…研磨対象物、15…基板保持部材、16…滴下ノズル、17…研磨液
本発明の炭化ケイ素単結晶基板は、結晶構造に由来する原子ステップとテラスとからなる原子ステップ・テラス構造を有する主面を備え、前記原子ステップ・テラス構造において、AFM(原子間力顕微鏡)像から求められた前記原子ステップのフロント端線部の平均線粗さが、前記原子ステップの高さに対して20%以下の割合であることを特徴とする。
本発明の研磨液は、炭化ケイ素単結晶基板の所定の面方向の主面を、結晶構造に由来する原子ステップとテラスとからなる原子ステップ・テラス構造を有し、かつ該原子ステップ・テラス構造において、AFM(原子間力顕微鏡)像から求められた前記原子ステップのフロント端線部の平均線粗さが、前記原子ステップの高さに対して20%以下の割合となるように、砥粒を内包しない研磨パッドを使用して化学的機械的に研磨するための研磨液であり、過マンガン酸イオンと水とを含み、砥粒を含まないことを特徴とする。
本発明の研磨液において、前記過マンガン酸イオンの含有量は0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましい。さらに、本発明の研磨液は、pHが11以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
ここで、原子ステップ・テラス構造を有する主面は、所定の面方向の主面であり、C軸に対して所定のオフ角をなす主面である。また、フロント端線部2aの平均線粗さ(R)は、フロント端線部2aの断面粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)から、例えば、以下に示す方法により測定することができる。すなわち、炭化ケイ素単結晶基板の主面の所定の範囲(例えば、横2μm×縦1μmの範囲)を、AFM(原子間力顕微鏡)により観察し、得られたAFM像から、前記範囲にある複数のフロント端線部2aのそれぞれについて算術平均粗さ(Ra)を測定し、その平均値としてRを求める。
(3−4)原子ステップのフロント端線部の平均線粗さ(R)の測定
例1〜4の各研磨液および例5,6の各研磨剤液で研磨したOn−axis基板の研磨後の主面を、横2μm×縦1μmの範囲で、AFMにより観察したところ、いずれも原子ステップ・テラス構造の生成が確認された。次いで、得られたAFM像から、前記範囲にある複数のフロント端線部のそれぞれについて算術平均粗さ(Ra)を測定し、その平均値としてRを求めた。なお、AFMとしては、D3100(Veeco社製)を使用した。
図6に、フロント端線部2aの算術平均粗さ(Ra)の測定位置を破線で示す。この図において、符号1は、原子ステップ・テラス構造におけるテラスを示す。
本発明は、研磨液に係り、より詳しくは、高品質な半導体層をエピタキシャル成長させて形成するために適した炭化ケイ素単結晶基板を得るための研磨液に関する。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、結晶欠陥がない高品質の半導体層をエピタキシャル成長させるために適した炭化ケイ素単結晶基板をCMPにより得るための研磨液の提供を目的とする。
化ケイ素単結晶基板は、結晶構造に由来する原子ステップ・テラス構造を有し、かつ原子ステップのフロント端線部の平均線粗さ(R)の原子ステップの高さ(h)に対する割合が20%以下で、ステップフロー方式によるエピタキシャルな結晶成長の起点となるフロント端線部の結晶欠陥等が抑制されているので、この炭化ケイ素単結晶基板の主面にエピタキシャル成長させることで、高い品質の炭化ケイ素半導体層または窒化ガリウム半導体層を得ることができる。
図1(a)および(b)は、炭化ケイ素単結晶基板において、主面に生成された原子ステップ・テラス構造を模式的に示し、(a)は平面図であり、(b)は拡大斜視図である。 図2は、4H−SiC単結晶の結晶構造を示す図である。 図3は、本発明の実施形態の研磨液を用いる研磨に使用可能な研磨装置の一例を示す図である。 図4は、従来の研磨剤液を使用して研磨された炭化ケイ素単結晶基板において、主面に生成された原子ステップ・テラス構造を模式的に示し、(a)は平面図であり、(b)は拡大斜視図である。 図5は、炭化ケイ素単結晶基板上でのステップフロー方式によるエピタキシャル成長を模式的に示す図である。 図6は、例1〜6において、CMP研磨後に生成する原子ステップ・テラス構造のフロント端線部の線粗さの測定位置を示す図である。
<炭化ケイ素単結晶基板>
化ケイ素単結晶基板は、図1(a)および図1(b)に模式的に示すように、結晶構造に由来する平坦なテラス1領域と段差領域である原子ステップ2とが、交互に連続する原子ステップ・テラス構造を持つ、平滑性の高い主面を有する。この原子ステップ・テラス構造において、原子ステップ2の上端部がテラス1と接するフロント端線部2aは、直線状を呈し、湾曲や欠け、えぐれがない。また、テラス1の幅は、全テラスで略同一であり、かつ各テラスで各部略均一となっている。なお、図1(b)に示すC軸は、図1(a)において紙面に垂直な方向である。
化ケイ素単結晶基板においては、所定の面方向の主面が結晶構造に由来する原子ステップ・テラス構造を有し、平滑性が高いうえに、フロント端線部2aの平均線粗さ(R)の原子ステップ2の高さ(h)に対する割合が20%以下となっているので、ステップフロー方式によるエピタキシャルな結晶成長の起点となるフロント端線部2aの結晶欠陥等が抑制されている。したがって、この炭化ケイ素単結晶基板の主面にエピタキシャル成長させることで、高い品質の炭化ケイ素半導体層または窒化ガリウム半導体層を得ることができる。なお、ステップフロー方式については、後述するエピタキシャル成長の項で詳細に説明する。

Claims (7)

  1. 結晶構造に由来する原子ステップとテラスとからなる原子ステップ・テラス構造を有する主面を備え、前記原子ステップ・テラス構造において、前記原子ステップのフロント端線部の平均線粗さが、前記原子ステップの高さに対して20%以下の割合である、炭化ケイ素単結晶基板。
  2. 前記主面は、結晶をエピタキシャル成長させて炭化ケイ素半導体層または窒化ガリウム半導体層を形成する面である、請求項1に記載の炭化ケイ素単結晶基板。
  3. 炭化ケイ素単結晶基板の所定の面方向の主面を、結晶構造に由来する原子ステップとテラスとからなる原子ステップ・テラス構造を有し、かつ該原子ステップ・テラス構造において、前記原子ステップのフロント端線部の平均線粗さが、前記原子ステップの高さに対して20%以下の割合となるように、化学的機械的に研磨するための研磨液であり、
    酸化還元電位0.5V以上の遷移金属を含む酸化剤と水とを含み、砥粒を含まない、研磨液。
  4. 前記酸化剤は過マンガン酸イオンである、請求項3に記載の研磨液。
  5. 前記過マンガン酸イオンの含有量は研磨剤全量に対して0.05質量%以上5質量%以下である、請求項4に記載の研磨液。
  6. pHが11以下である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の研磨液。
  7. pHが5以下である、請求項6に記載の研磨液。
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