JPWO2013047305A1 - 感光性樹脂組成物及びドライフィルムレジスト - Google Patents

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Abstract

アルカリ性水溶液で現像でき、高感度で絶縁性、耐熱性等の諸特性とともに、誘電特性の優れた硬化膜を容易に形成することができる感光性樹脂組成物及びドライフィルムを提供する。(A)成分:ジビニル化合物(a)20〜99モル%及びモノビニル化合物(b)80〜1モル%を共重合して得られる共重合体であって、ジビニル化合物(a)に由来するビニル基を側鎖に有する溶剤可溶性多官能ビニル共重合体、(B)成分:ポリオール化合物と多価カルボン酸類とを反応させて得られるカルボキシル基含有共重合体(b)を含むアルカリ可溶性樹脂成分と、(C)成分:光開始剤を含み、(A)成分〜(C)成分の合計に対する(A)成分が1〜98.9wt%、(B)成分が98.9〜1wt%、(C)成分が0.1〜10wt%であるアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物。

Description

本発明は、高感度、高絶縁、誘電特性、耐熱性等に優れた感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物を使用したドライフィルムレジストに関する。
近年、電子機器の分野における実装方法の小型化、高密度化への指向は著しいものがあり、それに伴って材料の面でもより優れた特性が要求されている。例えばプリント配線板に用いられる絶縁樹脂材料においても耐熱、微細加工性、電気特性等が要求されている。絶縁樹脂材料の微細加工の有効な手段としては露光、現像によってパターニングする方法が知られており、そこには感光性樹脂組成物が用いられてきたが高感度、基板に対する密着性、電気特性、耐メッキ性、耐熱性、寸法安定性等の多くの諸特性が要求されるようになってきている。特に、電気特性においては高周波領域での誘電特性が悪いという欠点を持っており、高周波数回路を搭載する多層プリント配線板の材料としては対応できないものとなっていた。
一方、これらの分野において用いられる感光性樹脂組成物は、一般的に、不飽和二重結合を有する重合性オリゴマー、重合性モノマー、及び光重合開始剤を必須成分としている。感光性成分として主に用いられる上記重合性オリゴマーとしては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート及びエポキシアクリレート等があり、これら重合性オリゴマーは、重合性の不飽和基を有しているので、光重合開始剤によるラジカルで他の重合性モノマーとともに反応し、架橋することで硬化物となる。
これら重合性化合物は、一般に分子量が小さく、光照射により瞬間的に硬化するため、塗膜中に残留応力が生じ、基材への密着性、機械的特性が低下するといった問題があった。この問題点を解決するために、重合性化合物の高分子量化も検討されてはいるが、塗工可能な粘度に調整するためには多量の溶媒や反応性希釈剤が必要となり、そのため、このような感光性樹脂組成物は機械強度、耐薬品性などに乏しいものであった。さらに、高分子量化によりアルカリ現像液に対する溶解性が下がり、現像できないなどの問題もあった。また、これら感光性樹脂組成物を塗布乾燥したドライフィルムでは、基材への貼り付け前の状態でワレ、タックなどが無く、貼り付け時には基材への追従性、平坦性が求められている。
特許文献1では、アルカリ現像性の感光性多官能のビニル化合物を使用することで、誘電特性を改善することが試みられている。また、特許文献2、3には溶剤可溶性の多官能ビニル共重合体が開示されているが、アルカリ現像性は有していなかった。
特開2004−27145号公報 特開2004−123873号公報 特開2005−213443号公報
本発明の目的は、アルカリ性水溶液で現像でき、高感度であり、しかも、絶縁性、耐熱性等の諸特性とともに、従来これらの特性と同時に実現することが困難であった誘電特性の優れたパターン状薄膜を容易に形成することができる感光性樹脂組成物及びドライフィルムレジストを提供することにある。
本発明は、(A)成分:ジビニル化合物(a)20〜99モル%及びモノビニル化合物(b)80〜1モル%を共重合して得られる共重合体であって、ジビニル化合物(a)に由来する下記式(a1)で表される未反応のビニル基を含有する構造単位の含有量が10〜90モル%である溶剤可溶性多官能ビニル共重合体、
(B)成分:ポリオール化合物と多価カルボン酸類とを反応させて得られるカルボキシル基含有共重合体(b)を含み、酸価が50〜200mgKOH/gであるアルカリ可溶性樹脂成分、及び
(C)成分:光開始剤
を含む感光性樹脂組成物であって、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計に対する(A)成分の配合量が1〜98.9wt%、(B)成分の配合量が98.9〜1wt%、(C)成分の配合量が0.1〜10wt%であることを特徴とするアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物に関する。
Figure 2013047305

(式中、Rは炭素数6〜30の芳香族炭化水素基を示す。)
上記が溶剤可溶性多官能ビニル共重合体が末端にフェノール性水酸基を有し、その導入量が2.2個/分子以上であること、又は溶剤可溶性多官能ビニル共重合体が末端に下記式(a2)で表される不飽和結合を含有する末端基を有することが好ましい。
Figure 2013047305

(ここで、Rはエーテル性の酸素原子又はチオエーテル性の硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜18の炭化水素基であり、Rは水素又はメチル基である。)
また、上記カルボキシル基含有共重合体(b)の重量平均分子量が3,000〜40,000であることが好ましい。
更に、本発明は、剥離可能な支持基材上に感光性樹脂層が設けられたドライフィルムレジストにおいて、感光性樹脂層が上記の感光性樹脂組成物から構成されていることを特徴とするドライフィルムレジストに関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤可溶性多官能ビニル共重合体(以下、(A)成分、又は多官能ビニル共重合体ともいう)と、(B)成分としてのアルカリ水溶液による現像が可能なアルカリ可溶性樹脂成分主たる成分とする。本明細書中、主たる成分とは50wt%以上、好ましくは80wt%以上含むことをいう。このアルカリ可溶性樹脂成分は、露光後においてアルカリ水溶液による現像が可能となる樹脂を与える成分を含有していれば特に限定されるものではないが、光で重合可能な樹脂(樹脂の他、モノマー等の樹脂となる成分を含む意味である)を含有することが好ましい。以下の説明においては、感光性樹脂組成物中の多官能ビニル共重合体を除く樹脂又は樹脂形成成分を単にアルカリ可溶性樹脂と称することもある。
また、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計に対する(A)成分の配合量が1〜98.9wt%、(B)成分の配合量が98.9〜1wt%である。好ましくは(A)成分の配合量が1〜50wt%、更に好ましくは5〜24wt%であり、(A)成分の配合量が少ないと低誘電性、耐湿性に対する効果が低くなる。多すぎると現像性が悪化するため好ましくない。
(A)成分の多官能ビニル共重合体は、公知であり、これらを選択して使用することができる。例えば、特開2004−123873号公報、特開2005−213443号公報、WO2009/110453等に開示されている方法に準じて得ることができる。具体的には、ジビニル化合物と少なくとも1種以上のモノビニル化合物を使用し、共重合させて、式(a1)で示される反応性のペンダントビニル基を有する共重合体を得るものである。さらに、上記特許文献に記載されるように末端にビニル基以外の他の末端基が導入されたものを使用することもでき、特にフェノキシメタクリレート類のような不飽和結合を分子内に有する化合物にて末端変性されたものは(a1)以外にも架橋点として作用することが可能となるため好ましい。この場合は、末端の不飽和結合含有構造単位(a2)もビニル基を有するので、式(a1)の構造単位との合計のモル分率(a3)は、全体のビニル基の存在量を示すことになる。
ここで使用するジビニル化合物としては、ジビニルベンゼンに代表されるジビニル芳香族化合物類やエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに代表される肪族族、脂環式(メタ)アクリレート類等が例示される。
また、ここで使用するモノビニル化合物としては、スチレンと共重合可能なオレフィン性二重結合を有するものであればよく、パラメチルスチレン等の芳香族ビニル系モノマー類、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニルモノマー、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル等のアクリル系モノマーや無水マレイン酸、フマル酸等のα,β−エチレン不飽和カルボン酸類、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のイミド系モノマー類が挙げられる。
多官能ビニル共重合体の製造方法としては、例えば、ジビニル芳香族化合物、モノビニル芳香族化合物及び他のモノビニル化合物から選ばれる2種以上の化合物を、ルイス酸触媒、エステル化合物から選ばれる助触媒の存在下、カチオン共重合させることにより得ることができる。また(メタ)アクリレート系のジビニル、モノビニル化合物を使用する場合は、カチオン重合では反応が進行しないため過酸化物等のラジカル触媒の存在下でラジカル重合することにより得ることができる。
ジビニル化合物とモノビニル化合物の使用量は、本発明で使用される多官能ビニル共重合体の組成を与えるように決められるが、ジビニル化合物を20〜99モル%、好ましくは全単量体の20〜50モル%、より好ましくは30〜50モル%使用する。モノビニル化合物を80〜1モル%、好ましくは全単量体の80〜50モル%、より好ましくは70〜50モル%使用する。ここで、2−フェノキシエチルメタクリレートのようなカチオン重合においては末端変性剤として作用するものは単量体としては計算しない。
多官能ビニル共重合体の製造で用いられるルイス酸触媒としては、金属イオン(酸)と配位子(塩基)からなる化合物であって、電子対を受け取ることのできるものであれば特に制限なく使用できる。分子量及び分子量分布の制御及び重合活性の観点から、三フッ化ホウ素のエーテル(ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等)錯体が最も好ましく使用される。ルイス酸触媒は単量体化合物1モルに対して、0.001〜10モルの範囲内で用いるが、より好ましくは0.001〜0.01モルである。ルイス酸触媒の使用量が過大であると、重合速度が大きくなりすぎるため、分子量分布の制御が困難となるので好ましくない。
助触媒としてはエステル化合物から選ばれる1種以上が挙げられる。その中で、重合速度及び共重合体の分子量分布制御の観点から炭素数4〜30のエステル化合物が好適に使用される。入手の容易さの観点から、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチルが好適に使用される。助触媒は単量体化合物1モルに対して0.001〜10モルの範囲内で使用するが、より好ましくは0.01〜1モルである。助触媒の使用量が過大であると、重合速度が減少し、共重合体の収率が低下する。一方、助触媒の使用量が過少であると、重合反応の選択性が低下し、分子量分布の増大、ゲルの生成等が生じる他、重合反応の制御が困難となる。
またラジカル重合で多官能ビニル共重合体を製造する際に用いられる触媒としては、アゾビスイソブチロニトリルに代表されるアゾ系化合物、ジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の単官能性の過酸化物や1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンのような2官能性以上の多官能性の過酸化物が例示され、単独または2種以上を併用して使用することができる。
本発明で使用する多官能ビニル共重合体は上記のような製造方法で得ることができるが、単量体として使用するジビニル化合物のビニル基の一部は重合させずに残すことが必要である。そして、少なくとも平均して1分子中に2以上、好ましくは3以上のビニル基が存在するようにする。このビニル基は主として上記式(a1)で表わされる構造単位として存在する。そして、ビニル基の一部は重合させずに残すことにより架橋反応を抑制し、溶剤可溶性を与えることができる。ここで、溶剤可溶性とは、トルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶であることをいい、具体的にはこれらの溶媒100gに、25℃において5g以上が溶解し、ゲルが発生しないことをいう。一方、ジビニル化合物の一部は2つビニル基が反応して架橋又は分岐することが必要であり、これにより分岐構造を有する共重合体とすることができる。このように、ジビニル化合物の一部については2つビニル基の一つは反応させ、一つは重合させずに残し、他の一部については2つビニル基を反応させることにより本発明で使用する多官能ビニル共重合体を得ることができる。このような多官能ビニル共重合体を得る重合方法は、上記のように公知であり、上記のようにして製造することができる。
多官能ビニル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜70,000がより好ましい。1000より小さい場合は、感光性樹脂組成物とした時の粘度が低くなり、塗工した場合の厚膜の形成が困難になる、ドライフィルムとしたときタックが発生するなど、加工、取り扱い性が低下する。また、Mwが100,000以上であると、組成物としたときの溶解性が低下し、外観不良が発生したり、高分子量化によりアルカリ溶解性が低下するため現像性が悪化する傾向にある。
また、多官能ビニル共重合体はその末端の一部に重合添加剤に由来するフェノール性水酸基または上記式(2)で表される構造単位を有していることが好ましく、さらにフェノール性水酸基の末端への導入量は2.2個/分子以上であることが好ましい。末端にフェノール性水酸基が導入されることによって、アルカリ溶液による現像特性が向上した樹脂組成物を得ることができる。なお、多官能ビニル共重合体の末端の一部にフェノール性水酸基が導入された場合、アルカリ可溶性樹脂としての性能を示す場合があるが、この場合は多官能ビニル共重合体として計算し、アルカリ可溶性樹脂としては計算しない。上記式(2)において、R2及びR3は上記の意味を有するが、R2としては炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
多官能ビニル共重合体に導入されるジビニル化合物由来のビニル基を含有するユニットは上記式(a1)で表わされる構造単位を有するが、この構造単位(a1)のモル分率は、0.1〜0.9であることがよく、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.1〜0.3である。モル分率が、0.1より少ない場合は、硬化物の架橋密度が低くなり、耐水性や耐マイグレーション、耐熱性が低下するため好ましくない。一方、0.9を超える場合は、硬化物の過度の架橋が進行し、脆くなるため好ましくない。また、上記したように不飽和結合を分子内に有する化合物にて末端変性したものは、式(a1)で表わされる構造単位の他に、末端の不飽和結合含有構造単位(a2)もビニル基を有するので、両者の合計のモル分率(a3)が、0.1〜0.9であることがよく、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.1〜0.3である。この末端の不飽和結合含有構造単位(a2)は光反応性に優れており、この構造が導入されることで解像性、感度が向上する。上記モル分率の計算においては、共重合体を構成する主鎖、側鎖及び末端を形成する単位(基)の合計を1として計算する。
式(a1)において、R1はジビニル化合物由来の2価の基であり、ジビニル化合物がジビニルベンゼンである場合は、R1はフェニレン基である。
B)成分のアルカリ可溶性樹脂成分は、ポリオール化合物と多価カルボン酸類とを反応させて得られるカルボキシル基含有共重合体(b)を含み、酸価が50〜200mgKOH/gである。このカルボキシル基含有共重合体(b)は、酸価が50〜200mgKOH/gで、重量平均分子量が3,000〜40,000であることが好ましい。カルボキシル基含有共重合体(b)は、アルカリ可溶性樹脂成分にアルカリ可溶性を与える主たる成分となる。そのため、カルボキシル基含有共重合体(b)は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、10〜30重量部で含有されていることが好ましい。
B)成分のアルカリ可溶性樹脂成分は、硬化後においてアルカリ可溶性を与えることができる酸価を有する。B)成分のアルカリ可溶性樹脂成分は、上記カルボキシル基含有共重合体(b)のみからなってもよいが、樹脂組成物に要求される各種の物性を調整するため、カルボキシル基含有共重合体(b)を含むアルカリ可溶性樹脂成分を得る際に、原料中に光重合可能なエチレン性不飽和結合を一分子中に1つ以上含む不飽和化合物(c)、及びエポキシ樹脂(d)を存在させ、これらを共重合又は重合又は混合させたものとすることがよく、好ましくは共重合させることである。この場合も、アルカリ可溶性樹脂成分の酸価が上記範囲となるように、カルボキシル基含有化合物の使用量を調整する。ポリオール化合物と多価カルボン酸類のいずれかが不飽和結合を有すれば、不飽和化合物(c)との共重合が可能となり、エポキシ樹脂(d)はポリオール化合物と多価カルボン酸類のOH基又はCOOH基と反応性であるので、少なくとも一部は共重合すると考えられる。
上記カルボキシル基含有共重合体(b)を得るためのポリオール化合物としては、重合反応時の分子量増加の観点から、分子中に2つのヒドロキシル基を持つものが好ましく、このヒドロキシル基と多価カルボン酸類、好ましくは酸二無水物中の2つの酸無水物基との反応性が等しくなる、例えば対称な分子構造を有するものが好ましい。
ポリオール化合物の好ましい具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水添ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキフェニル)フルオレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、4,4’−ビフェノール、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、あるいはフェノールノボラックやクレゾールノボラックの一部がグリシジルエーテル化された化合物等が挙げられる。また、これらポリオール化合物から誘導した各種ポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加化合物、脂環系エポキシと(メタ)アクリル酸との付加物、前述のビスフェノール類とエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドとの付加物等が好ましく挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸付加物は多価カルボン酸類との反応後に同一分子中に重合性不飽和結合とアルカリ可溶性カルボキシル基を持つために、露光感度の向上と高解像度化に対して好ましい。
カルボキシル基含有共重合体の中でも、優れた耐熱性を発現させるために、単位構造中にフルオレン骨格を有する樹脂(以下、フルオレン骨格含有樹脂という)が好ましく、カルボキシル基含有共重合体中30重量%以上、好ましくは50重量%以上用いることが樹脂組成物の耐熱性発現に効果がある。
フルオレン骨格含有樹脂として特に好ましいのは、ビスフェノールフルオレンエポキシ(メタ)アクリレートを多価カルボン酸又はその無水物と反応させて得られるフルオレン骨格を有する樹脂である。ビスフェノールフルオレン型エポキシ(メタ)アクリレートを多価カルボン酸又はその酸無水物と反応させることにより、アルカリ可溶性とすることができる。
多価カルボン酸類としては、多価カルボン酸、その酸無水物、酸塩化物等が挙げられるが、酸無水物が好ましい。多価カルボン酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等を挙げることができるが、少なくとも一部はテトラカルボン酸又は酸二無水物であることが好ましい。これらはその1種のみを単独で用いることができるほか、2種以上を併用することもできる。
エポキシ(メタ)アクリレート等のポリオール化合物と多価カルボン酸類との反応は公知の方法で行うことができる。また、使用する多価カルボン酸類については、得られたフルオレン骨格含有樹脂の酸価を10mgKOH/g以上にして十分なアルカリ可溶性を発現させるために、好ましくは3塩基酸以上である多価カルボン酸の酸無水物若しくはこれらの混合物であるのがよい。
光重合可能なエチレン性不飽和結合を一分子中に1つ以上含む単量体(c)を使用する場合、その代表的なものとしては、アクリレート類が挙げられる。アクリレート類としては、例えばポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有するものや、例えばアリル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラフロオロプロピル(メタ)アクリレート、ジブロモプロピル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート類や、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式変性(メタ)アクリレート類、その他芳香族(メタ)アクリレート類、リン含有(メタ)アクリレート類等が挙げられる。また、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等の二官能化合物が挙げられる。更に、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート等の三官能以上の化合物が挙げられる。
そして、エチレン性不飽和結合を有する上記の単官能化合物、二官能化合物及び三官能以上の化合物に関して、そのカプロラクトン、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド変性物等も同様に使用可能である。また、他の重合性モノマー、例えばビニルアセテート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、スチレン等のビニル化合物等の単官能化合物も必要により使用することができる。更に、ポリエステル樹脂、ポリビニル系樹脂等も必要により使用することができる。そして、これらの単官能化合物、二官能化合物及び三官能以上の化合物並びにその変性物又は樹脂については、その1種のみを単独で使用できることはもちろん、2種以上を併用して使用することもできる。また、1分子当たりの平均のエチレン性不飽和結合の数は1.5以上であることが好ましい。
特に、本発明の感光性樹脂組成物として、アルカリ可溶性に加えて優れた光硬化性、すなわち高感度化が要求される場合には、重合可能な二重結合を1分子中に2つ(二官能)以上、より好ましくは3つ(三官能)以上有する樹脂又はモノマーを配合することが好ましい。光重合可能なエチレン性不飽和結合を一分子中に1つ以上含む単量体(c)の使用量は、上記(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して3〜25重量部の範囲にあることが好ましい。
エポキシ樹脂(d)を配合する場合、エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、フェニルグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を少なくとも1個有する化合物等が挙げられる。このエポキシ樹脂の使用量は、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性の性質が維持される範囲内で配合するのがよく、上記(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して10〜35重量部の範囲で配合するのがよい。
光重合開始剤(C)としては、例えばミヒラーズケトン等のラジカル発生型のものや、トリアリールスルフォニウム塩、ジアリールヨウドニウム塩等のカチオン発生型等が挙げられる。そして、これらは単独でも、また、2種類以上を併用することもできる。この光重合開始剤の使用量は、上記(A)成分と(B)成分、(C)成分の合計100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の範囲で配合するのがよい。10重量部を超えると吸光割合が大きくなり、光が下部まで浸透しなくなるおそれがある。
これら光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等が挙げられる。
また、このような光重合開始剤の他に、例えばN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等のような公知の光増感剤と組み合わせて用いることができ、その際にこれらの光増感剤は単独で用いることができるほか、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。光増感剤は光重合開始剤に対し10〜70重量%の範囲で使用することが好ましい。
更に、本発明の感光性樹脂組成物には、硬化物の低熱膨張化、弾性率や吸湿性の改善等を目的に、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、窒化ホウ素等の無機フィラーの1種又は2種以上を配合してもよい。また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、エポキシ樹脂硬化促進剤、重合禁止剤、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、さらには難燃剤として、臭素系化合物、リン系化合物、アンチモン類等の添加剤を配合することができる。また、過マンガン酸塩溶液等による表面粗面化のための助剤として、ポリブタジエンなどのゴム成分も添加してよい。さらにエポキシ樹脂硬化剤や溶媒可溶性樹脂等を配合することもできるが、硬化剤や樹脂はアルカリ可溶性樹脂として計算する。溶媒可溶性樹脂としては、多官能ビニル共重合体との相溶性に優れるポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましい。ポリフェニレンエーテル系樹脂は硬化物の耐熱性の向上とともに誘電特性に優れる。
エポキシ樹脂硬化促進剤としては、例えばアミン化合物類、イミダゾール化合物、カルボン酸類、フェノール類、第4級アンモニウム塩類又はメチロール基含有化合物類等が挙げられる。熱重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられる。可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げられる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を配合してその粘度を調整することもできる。溶剤としては、上記感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂成分を溶解し、かつ、アルカリ可溶性樹脂成分の樹脂及び添加剤と反応しないものである必要があり、これらの条件を満たせば特に制限されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記のように溶剤、フィラー等を配合することができるが、溶剤及びフィラーを除いた感光性樹脂組成物として、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を次の範囲で含むことが好ましい。%はwt%である。
(A)成分:1〜50%、好ましくは5〜24%
(B)成分:50〜98%、好ましくは75〜94%
(C)成分:0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%
本発明の感光性樹脂組成物の使用方法は、1)ワニスとして調整した後、これを目的対象物に塗布して絶縁樹脂層を形成して使用する方法や2)感光性樹脂組成物を予め後に剥離除去される支持基材上に塗布し、溶剤を除去した積層体(ドライフィルム)を形成して使用する方法が挙げられる。
ワニスとして使用する場合は、例えばワニス状に調整した本発明の感光性樹脂組成物をスピンコート、カーテンコート等の手段により基板上に塗布し、乾燥、露光、現像により、パターンを形成した後、熱硬化する方法が挙げられる。また、予めドライフィルムレジストを形成して使用する場合には、本発明の感光性樹脂組成物を支持基材上に均一に塗布し、熱風乾燥などにより溶剤を乾燥後、必要に応じて保護フィルムをかけて巻きとる方法が例示される。乾燥温度は、不飽和化合物の熱安定性と生産性を考えて80〜120℃が好ましい。また、乾燥時の塗膜表面の皮張り現象、発泡を防ぐために多段階で昇温するのが望ましい。
本発明のドライフィルムレジストは、上記のようにして製造することができる。乾燥後の樹脂層には、有機溶剤が残存することが多いが、その含有量は15重量%以下、好ましくは10重量%以下にすることが望ましい。ここでいう含有量は乾燥後の樹脂層重量を100重量%として、再び200℃にて30分間乾燥した後を絶対乾燥重量としたときの減少した重量%である。これが15重量%を越えるとコ−ルドフロ−が生じやすくなる。
感光性樹脂組成物からなる乾燥後の絶縁樹脂層の厚みは、用途によって異なるが、液晶ディスプレイ向けには1〜10μm、回路基板用には5〜100μmである。樹脂層の厚みが薄いほど解像度は向上し、樹脂層の厚みと同等以下のヴィア並びに微細なラインを形成することができる。例えば、30μm膜厚のとき、30μmのヴィア、20μmのライン&スペ−スを形成可能である。また、5μmでは20μmの孤立ライン、孤立ドットも形成可能である。
感光性樹脂組成物を塗布する支持基材(フィルム)としては、活性光を透過する透明なものが望ましい。このような活性光を透過する支持層としては、公知のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、光学用ポリプロピレンフィルム、セルロース誘導体フィルムなどがあげられる。これらのフィルムの厚みは薄い方が画像形成性、経済性の面で有利だが、強度を維持する必要等から10〜30μmのものが一般的である。また、本発明の積層体においては、支持基材とは接しない方の絶縁樹脂層表面に、必要に応じて保護フィルムを積層することが出来る。この保護フィルムは、支持フィルムよりも感光性樹脂組成物層との密着力が十分に小さく、容易に剥離できることが望ましい。このようなフィルムとしては、例えばポリエチレンフィルムがある。
本発明の感光性樹脂組成物の硬化膜を用いた回路基板の作成、マルチチップモジュールの作成、液晶ディスプレイ用カラーフィルターやスペーサーの作成は、公知の技術により行われるが、以下に回路基板の作成を例にその工程を簡単に述べる。
保護フィルムがある場合は、まず保護フィルムを剥離した後、絶縁樹脂層を基板表面にホットロールラミネーターなどにより加熱圧着し積層する。この時の加熱温度は70〜120℃、好ましくは80〜110℃である。70℃を下回ると基板との密着性に劣り、120℃を越えるとサイドエッジから感光性樹脂層がはみ出して膜厚精度が損なわれる。次に、支持基材を剥離しマスクを通して活性光により画像露光する。続いて、アルカリ水溶液を用いて感光性樹脂層の未露光部を現像除去する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、ジエタノ−ルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド等の水溶液を用いることができる。これらの現像液は樹脂層の特性に合わせて選択されるが、界面活性剤との併用も可能である。そして、熱により重合又は硬化(両者を合わせて硬化ということがある)を完結させ永久絶縁膜等の硬化物とする。このとき、樹脂に耐熱性を付与するため、160〜200℃の範囲での熱硬化が好ましい。
熱硬化された樹脂層表面は、必要に応じバフ研磨による平坦化処理を行い、次いで、過マンガン酸塩を用いた公知のデスミアプロセスを適用することで粗化を行い、次いで公知の手段により無電解銅メッキを施し、必要により電解銅メッキを行い、導体層を形成する。なお、電解銅メッキ後は、アニール処理することが好ましい。導体層を選択的にエッチング除去することで回路を形成した後、再び絶縁層を積層する工程から繰り返せば、多層の回路基板を形成できる。
以下、合成例、実施例、比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の合成例における樹脂の評価は、断りのない限り以下の通りである。
[固形分濃度]
得られた樹脂溶液の約1g強を、ガラスフィルターW0(g)に含浸させて秤量W1(g)し、160℃にて2時間加熱した後の重量W2(g)から次式により求めた。
固形分濃度(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0)
[酸価]
得られた樹脂溶液を、ジオキサン−エタノール等量混合溶液にいれ、フェノールフタレインを指示薬として1/10N−KOHエタノ−ル(50%)水溶液で滴定して求めた。
[分子量]
テトラヒドロフランを展開溶媒としてRI(屈折率)検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。示した分子量は、未反応原料を除いたカルボキシル基含有共重合体部分のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
[ポリマーの構造]
日本電子製JNM−LA600型核磁気共鳴分光装置を用い、13C−NMR及び1H−NMR分析により決定した。溶媒としてクロロホルム−d1を使用し、テトラメチルシランの共鳴線を内部標準として使用し、構造単位(a1)のモル分率を求めた。
[末端フェノール性水酸基]
上記のGPC測定より得られる数平均分子量と1H−NMR測定と元素分析の結果より得られる末端のフェノール性水酸基量とから算出した。
また、合成例、実施例で使用する略号は次のとおりである。
FHPA:フルオレンビスフェノール型エポキシ樹脂とアクリル酸との等当量反応物(新日鐵化学社製、ASF−400の溶液:固形分濃度50wt%、固形分換算の酸価1.28mgKOH/g、エポキシ当量21300)
BPDA:ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
THPA:テトラヒドロ無水フタル酸
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
TEABr:テトラエチルアンモニウムブロミド
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
DPHA:KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製)
YD−134及び128:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製エポトート)
PPE:ポリフェニレンエーテル(三菱ガス化学株式会社製、極限粘度0.45品)
合成例1
(多官能ビニル共重合体 PV−A)
ジビニルベンゼン159.8g(14.4wt%)、エチルビニルベンゼン93.8g(8.5wt%)、スチレン223.2g(20.1wt%)、2−フェノキシエチルメタクリレート632.7g(57.0wt%)、トルエン1081gを3Lの反応器内に投入し、50℃で56.8gの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、6時間反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、室温で反応混合液を大量のメタノールに投入し、重合体を析出させた。得られた重合体をメタノールで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、多官能ビニル共重合体PV−Aを340.8g(収率:30.7wt%)得た。この多官能ビニル共重合体αの重量平均分子量Mwは8000で、ジビニル化合物由来のビニル基を含有する構造単位(a1)のモル分率は0.18、末端の2−フェノキシエチルメタクリレート由来の二重結合(a2)は0.02、両者を合わせた合計のモル分率(a3)は0.20であった。
合成例2
(多官能ビニル共重合体 PV−B)
ジビニルベンゼン332.0g(26.2wt%)、エチルビニルベンゼン195.0g(15.4wt%)、スチレン109.6g(8.6wt%)、2−フェノキシエチルメタクリレート631.1g(49.8wt%)、トルエン865.0gを3Lの反応器内に投入し、50℃で35.5gの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、3時間反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、室温で反応混合液を大量のメタノールに投入し、重合体を析出させた。得られた重合体をメタノールで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、多官能ビニル共重合体PV−Bを564g(収率:44.5wt%)得た。この多官能ビニル共重合体PV−BのMwは8000で、ジビニル化合物由来のビニル基を含有する構造単位(a1)のモル分率は0.34、末端の2−フェノキシエチルメタクリレート由来の二重結合(a2)は0.03、両者を合わせた合計のモル分率(a3)は0.37であった。
合成例3
(多官能ビニル共重合体 PV−C)
ジビニルベンゼン4230g(58.6wt%)、エチルビニルベンゼン169g(2.3wt%)、スチレン1170g(16.2wt%)、2,6−キシレノール1649g(22.8wt%)、酢酸エチル158g、トルエン12745gを30Lの反応器内に投入し、70℃で18g(120ミリモル)の三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、2時間反応させた。重合溶液を1−ブタノール53.3gで停止させた後、室温で反応混合液を大量のn−へキサンに投入し、多官能ビニル共重合体を析出させた。得られた共重合体をn−へキサンで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、多官能ビニル共重合体PV−Cを3948g(収率:70.9wt%)得た。
得られた多官能ビニル共重合体PV−CのMnは2820、Mwは10800、Mw/Mnは3.84であった。元素分析結果を行った結果、C:88.2wt%、H:7.9wt%、O:3.3wt%であった。元素分析結果と標準ポリスチレン換算の数平均分子量から算出される可溶性多官能ビニル芳香族重合体のフェノール性水酸基の導入量は5.8(個/分子)であった。また、ジビニルベンゼン由来の構造単位を79.2モル%及びスチレンとエチルベンゼン由来の構造単位を合計20.7モル%含有していた。多官能ビニル共重合体PV−C中に含まれるジビニル化合物由来のビニル基を含有する構造単位(a1)のモル分率は0.32であった。共重合体PV−Cはトルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルムに可溶であり、ゲルの生成は認められなかった。
合成例4
(アルカリ可溶性樹脂溶液 AD−A)
還留冷却器付き300ml四つ口フラスコ中にFHPA溶液96.0gと、BPDA14.4g、PGMEA2.5g及びTEABr0.15gを仕込み、120〜125℃に加熱下に2時間撹拌し、更に60〜62℃にて8時間の加熱撹拌を行って、カルボキシル基含有共重合樹脂を含むアルカリ可溶性樹脂溶液AD−Aを得た。得られた樹脂溶液の固形分は56.5wt%、酸価(固形分換算)は90.3mgKOH/g、GPC分析による樹脂溶液中のカルボキシル基含有共重合体の面積%は90%、重量平均分子量は15000であった。
合成例5
(アルカリ可溶性樹脂溶液 AD−B)
還留冷却器付き300ml四つ口フラスコ中にFHPA溶液96.0gと、BPDA10.8g、THPA5.6g、PGMEA1.64g及びTEABr0.15gを仕込み、120〜125℃に加熱下に2時間撹拌し、更に60〜62℃にて8時間の加熱撹拌を行って、カルボキシル基含有共重合樹脂を含むアルカリ可溶性樹脂溶液AD−Bを得た。得られた樹脂溶液の固形分は56.5wt%、酸価(固形分換算)は88.1mgKOH/g、GPC分析による樹脂溶液中のカルボキシル基含有共重合体の面積%は96%、Mwは5400であった。
合成例6
(アルカリ可溶性樹脂溶液 AD−C)
エチルカルビトールアセテート中において、エポキシ当量が220で、かつ1分子中に平均して7個のフェノール残基と、エポキシ基を有するクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対し、アクリル酸を1モルの割合で反応させて得られた反応物に、THPAを0.6モルの割合で反応させ、カルボキシル基含有共重合樹脂を含むアルカリ可溶性樹脂溶液AD−Cを得た。得られた樹脂溶液の固形分は66.7wt%の粘ちょうな液体であり、樹脂分の酸価は88mgKOH/gであった。
合成例7
(ビニルベンジルエーテル化合物:比較用)
ビスフェノールA92g、水酸化カリウム45gをジメチルスルホキシド200g、水30g中に溶解し、これにクロルメチルスチレン124g、ハイドロキノン0.1gをジメチルスルホキシド100gに溶解したものを、70℃で1時間かけて滴下し、さらに70℃で2時間反応を続けた。次に、系内に大過剰の水を加え、ベンゼンで抽出した。ベンゼン層は、水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水で洗浄、中和、乾燥した。ベンゼン溜去後、エタノールで再結晶し(収率90%)、下記式(3)で示されるビニルベンジルエーテル化合物(VB)を得た。
Figure 2013047305
実施例1
(樹脂組成物の調製)
前記合成例4で得られたアルカリ可溶性樹脂溶液AD−Aを樹脂成分換算で55重量部、不飽和化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)10重量部、多官能ビニル共重合体として合成例1で得られた多官能ビニル共重合体PV−Aを7重量部、光重合開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1−オン(開始剤A)を2重量部、エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製エポトートYD−134)を26重量部、増感剤(保土ヶ谷化学工業製EABF)を0.04重量部と酢酸エチル100重量部とを混合し、攪拌機により1時間、溶解させて樹脂組成物溶液を調製し感光性樹脂組成物を調製した。
(ドライフィルムレジストの作成)
上記のように調整した樹脂組成物溶液をダイコーターにより厚み25μm、幅600mmのポリエステルフィルムに塗布し、80〜120℃の温度範囲で設定した連続4段乾燥炉中で乾燥し、残存溶剤率2.3%、膜厚30μmの絶縁樹脂層を得た。その乾燥塗膜上に厚さ60μmのポリエチレン製保護フィルムをラミネートし、ドライフィルムレジストを作製した。
(多層プリント配線板の製造)
市販の0.8mm厚のガラスエポキシ基板上の導体回路パターンを黒化処理した後、上記ドライフィルムレジストから保護フィルムを剥がし、80℃、転写圧力3kgf/cm、転写速度25cm/分でラミネートした後、ポリエステルフィルムを冷却後剥離して、導体回路パターン上に30μm厚の感光性樹脂層を形成した。次に、上記パネルの感光性樹脂層上にバイアホールパターンを設けたネガ型マスクを介して超高圧水銀ランプ(ハイテック社製、照度11mJ/cm、I線基準)で250mJ/cm の条件で紫外線照射による露光を行った後、1.2%テトラメチルアンモニウムヒドリド溶液を現像液として使用し、28℃で揺動しながら導体回路パターンが露出するまで1分間の現像の後、3.0kg/cmの圧力で純水リンスを30秒間行い、直径30μmのバイアホールを形成した。引き続き、空気雰囲気下で180℃、60分の条件で熱硬化させ絶縁膜を得た。
(絶縁膜の粗化プロセス)
得られた絶縁膜の表面を♯1000の紙やすりで3g/cm相当バフ研磨した後、荏原電産デスミアプロセスに従い、DI−464の50%水溶液を用い液温70℃の条件で5分間浸漬して表面を膨潤させて直ちに水洗1分、50℃での湯洗2分を行った後、過マンガン酸カリウム系の粗化液PM‐465A(50g/l)、PM‐465B(15%)を用い液温60℃の条件で5分間浸漬させ表面を祖化した。引き続き水洗を1分間行った後、表面の過マンガン酸カリウム液の残渣を除去するためにN‐466中和液を用い室温にて5分間処理した。更に、水洗1分の後に超音波洗浄器により10分間の洗浄を行い、80℃で1時間乾燥することで絶縁層の表面に祖化されたアンカー部分を形成した。
(粗化表面のメッキ工程)
次に上記基板を奥野製薬工業株式会社OPCプロセスにより無電解銅メッキを行った後、上村工業株式会社ピロブライトプロセスにて電流密度2〜2.5A/dmで電解メッキを行い、ピンホールのない厚さ18μmの析出メッキを形成し、更に、110℃の条件で60分間、次いで180℃の条件で60分間熱処理を行うことで、上層に銅箔導体層が形成された絶縁膜を形成した。
(導体層のパターン形成工程)
引き続き、形成された導体上に周知のエッチングレジストを形成して不要部分の銅を除去し、レジストを溶解することにより、メッキバイアホールを有する多層プリント配線板が得られた。
次に、上記のように作成したドライフィルム、多層プリント配線板の評価を下記の様に行った。
一方、絶縁膜そのものの物性として、市販の4インチシリコンウエハにアルミニウムを蒸着したアルミ蒸着ウエハを用い、保護フィルムを剥がした前記積層体を80℃の条件で、転写圧力3kgf/cm、転写速度25cm/分でラミネ−トした後、ポリエステルフィルムを冷却後剥離して、アルミ蒸着ウエハ上に30μm厚の絶縁層を形成した。次に、上記ウエハの絶縁層上に試験片パターンを設けたネガ型マスクを介して超高圧水銀ランプ(ハイテック社製、照度11mJ/cm、I線基準)で250mJ/cmの条件で紫外線照射による露光を行った後、1.2%テトラメチルアンモニウムヒドリド溶液を現像液として使用し、28℃で揺動しながらアルミ蒸着ウエハが露出するまで1分間の現像の後、3.0kg/cmの圧力で純水リンスを30秒間行い、各種試験片を形成した。引き続き、空気雰囲気下で180℃、90分の条件で熱硬化させ、硬化した絶縁膜を得た。このようにして得た試験片を各種物性測定に使用した。
[タック性]
上記のドライフィルムの乾燥した塗膜表面に指を軽く押しつけ、指に対する張り付き程度を以下の基準で評価した。
A:全く張り付きなし
B:殆ど張り付きなし
C:ほんの僅かに張り付きあり
×:張り付きあり
[感度]
上記のドライフィルムを黒化処理銅箔上にラミネートした後、感度測定用ステップタブレット(コダック21段)を設置し、このステップタブレットを通して、超高圧水銀ランプ(ハイテック社製、照度11mJ/cm、I線基準)で250mJ/cmの条件で紫外線照射による露光を行った後、1.2%テトラメチルアンモニウムヒドリド溶液を現像液として使用し、28℃で揺動しながら導体回路パターンが露出するまで1分間の現像の後、3.0kg/cmの圧力で純水リンスを30秒間行った後の露光部分の除去されない部分を数字(ステップ数)で表す方法(ステップ数が大きいほど感光特性が良好)により測定し、その得られた数字で感度を表した。
[ガラス転移温度(Tg)]
硬化した絶縁膜を動的粘弾性法を用いて測定した。
[誘電率、誘電正接(Tanδ)]
硬化した絶縁膜を測定装置としてインピーダンスアナライザーHP4291(アジレントテクノロジー社製)を用いて、1GHzで測定を行なった。
[密着性]
JIS−C6481に従って絶縁膜上に形成された銅箔の90度ピール試験を行い、引き剥がし強さ(kg/cm)を測定した。
[耐湿性]
上記の硬化膜上に銅メッキが施された基板を試験片として、その試験片をプレッシャークッカー装置内に投入し、温度121℃、圧力2気圧、湿度100%の雰囲気下で200時間放置後、その層間絶縁膜の状態を目視により観察し、以下の基準に従い評価した。
A:全く変化が認められないもの
B:ほんの僅か変化しているもの
C:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
[はんだ耐熱性(耐熱性)]
上記の硬化膜上に銅メッキが施された基板を試験片として、JIS−C6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒浸漬後、粘着テープによるピーリング試験を計3サイクル行い、塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従い評価した。
A:3サイクル後も塗膜に変化がないもの
B:3サイクル後に僅かに変化しているもの
C:2サイクル後に変化しているもの
×:1サイクル後に剥離が生じているもの
実施例2〜7、比較例1〜3
アルカリ可溶性樹脂成分、不飽和化合物、エポキシ樹脂、その他樹脂を表1に示す配合として、実施例1と同様に感光性樹脂組成物、ドライフィルムを作成し、各種試験を行った。結果をまとめて表1に示す。表中、(A)成分、(B)成分及び(C)成分は、本発明の(A)成分、(B)成分及び(C)成分に対応する成分(比較のための成分、副成分を含む)であり、配合量は重量部である。
Figure 2013047305
産業上の利用の可能性
本発明によれば、低誘電率、低い誘電正接に優れ、作業性がよく、光硬化性、現像性その他の現像特性も損なわないことが可能な感光性樹脂組成物を提供することができる。この感光性樹脂組成物からは、これを硬化して得られる硬化膜を層間絶縁膜として有する多層プリント配線板や、感光性樹脂組成物の塗膜を設けたドライフィルムレジストを提供することができる。また、本発明の感光性樹脂組成物、ドライフィルムレジストは、取り扱い性に優れ、硬化することでプリント配線板の層間絶縁膜やソルダーレジス膜として用いることができる。

Claims (5)

  1. (A)成分:ジビニル化合物(a)20〜99モル%及びモノビニル化合物(b)80〜1モル%を共重合して得られる共重合体であって、ジビニル化合物(a)に由来する下記式(a1)で表される未反応のビニル基を含有する構造単位の含有量が10〜90モル%である溶剤可溶性多官能ビニル共重合体、
    Figure 2013047305

    式中、Rは炭素数6〜30の芳香族炭化水素基を示す。
    (B)成分:ポリオール化合物と多価カルボン酸類とを反応させて得られるカルボキシル基含有共重合体(b)を含み、酸価が50〜200mgKOH/gであるアルカリ可溶性樹脂成分、及び
    (C)成分:光開始剤
    を含む感光性樹脂組成物であって、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計に対する(A)成分の配合量が1〜98.9wt%、(B)成分の配合量が98.9〜1wt%、(C)成分の配合量が0.1〜10wt%であることを特徴とするアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物。
  2. 溶剤可溶性多官能ビニル共重合体が、末端にフェノール性水酸基を有し、その導入量が2.2個/分子以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 溶剤可溶性多官能ビニル共重合体が、末端に下記式(a2)で表される不飽和結合を含有する末端基を有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2013047305

    ここで、Rは(チオ)エーテル性の酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜18の炭化水素基であり、Rは水素又はメチル基である。
  4. カルボキシル基含有共重合体(b)が、一つ以上のビニル基を有するポリオール化合物と多価カルボン酸類とを反応させて得られるカルボキシル基含有共重合体であって、重量平均分子量が3,000〜40,000、酸価が50〜200mgKOH/gである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 剥離可能な支持基材上に感光性樹脂層が設けられたドライフィルムレジストにおいて、感光性樹脂層が請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から構成されていることを特徴とするドライフィルムレジスト。
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