JP4147508B2 - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フイルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフレキシブルプリント配線板等の製造に使用できるエッチングレジスト又は保護膜(カバーレイ)形成用に好適な感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板の製造には、液状またはフイルム状の感光性樹脂組成物が用いられている。例えば、銅張積層板の銅箔をエッチングするレジストとして、配線の形成されたプリント配線板には、はんだ付け位置の限定及び配線の保護等に用いられている。プリント配線板には、カメラ等の小型機器に折り曲げて組み込めることが可能なフイルム状のものがあり、これはFPC(flexible printed circuit boardと呼ばれている。このFPCにも、はんだ付け位置の限定及び配線の保護のためにレジストが必要であり、それはカバーレイ又はカバーコートと呼ばれいてる。カバーレイは、接着剤層を有するポリイミドやポリエステルを所定の型に打ち抜いた後、FPC上に熱圧着等で形成され、また、カバーコートは、熱硬化や光硬化性のインクを印刷、硬化させて形成される。
【0003】
FPCのはんだ付け位置の限定及び配線の保護の目的に用いられるこれらのレジストには、可撓性が特に重要な特性となり、そのため可撓性に優れるポリイミドカバーレイが多く用いられている。しかし、このカバーレイは、型抜きのため高価な金型が必要であり、また、型抜きフイルムの人手による張り合わせ、接着剤のはみ出し等のため、歩留まりが低く製造コストが高くなり、FPCの市場拡大の障害となっており、更に、近年の高密度化に対応することが困難となっている。
【0004】
そこで、写真現像法(イメージ露光に続く現象により画像を形成する方法)で、寸法精度、解像性に優れた高精度、高信頼性のカバーレイを形成する感光性樹脂組成物、特に感光性フイルムの出現が望まれてきた。この目的のために、ソルダマスク形成用感光性樹脂組成物を用いることが試みられた。例えば、アクリル系ポリマー及び光重合性モノマーを主成分とする感光性樹脂組成物(特開昭53−56018号公報、特開昭54−1018号公報等)耐熱性の良好な感光性樹脂組成物として、主鎖にカルコン基を有する感光性エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を主成分とする組成物(特開昭54−82073号公報、特開昭58−62636号公報等)、エポキシ基を含有するノボラック型エポキシアクリレート及び光重合開始剤を主成分とする組成物(特開昭61−272号公報等)、安全性及び経済性に優れたアルカリ水溶液で現像可能なソルダマスク形成用感光性樹脂組成物としては、カルボキシル基含有ポリマー、単量体、光重合開始剤及び熱硬化性樹脂を主成分とする組成物(特開昭48−73148号公報、特開昭57−178237号公報、特開昭58−42040号公報、特開昭59−151152号公報等)などが挙げられるが、いずれも可撓性が不充分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来の技術の欠点を解消し、作業性が良好で、可撓性、はんだ耐熱性等に優れた感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フイルムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
1.分子中に2個のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)と分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られる不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)と熱可塑性重合体(B)及び現象可能な感光性樹脂組成物、
2.不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の酸価が10〜150mgKOH/gである1項記載の樹脂組成物、
3.熱可塑性重合体(B)がカルボキシル基を有する重合体である1項記載の樹脂組成物、
4.支持フイルム上に1項、2項又は3項記載の感光性樹脂組成物の層を積層してなる感光性フイルムに関する。
5.フレキシブルプリント配線板用の4項に記載の感光性フィルム。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性樹脂組成物は、上記の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、熱可塑性重合体(B)及び光重合開始剤(C)を含有する混合物である。ここで使用される不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の酸価(mgKOH/g)は、10〜150が好ましく、特に好ましくは30〜120である。
【0008】
本発明で用いる不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)は、分子中に2個のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)と分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させることにより得られる。具体的には、前記(b)成分中のエポキシ基1当量に対して、前記(a)成分のカルボキシル基1.1〜2.2当量、より好ましくは1.3〜2.0当量を反応させることにより得ることができる。
【0009】
前記(a)成分の具体例としては、例えば、分子中に2個の酸無水物基を有する多塩基酸無水物(a’−1)1モルと水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(a’−2)約2モルを反応させることにより得られる半エステル化合物(a−1)や無水トリメリット酸1モルと前記(a’−2)約1モルを反応させることにより得られる半エステル化合物(a−2)等を挙げることができる。
【0010】
前記(a’−1)の具体例としては、例えば、無水ピロメリット酸、ベンゾウェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。単独、又は2種を混合して使用することができる。
【0011】
前記(a’−2)の具体例としては、例えば、スーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、カプロラフトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−フェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】
前記(a’−1)や無水トリメリット酸と前記(a’−2)の反応物である半エステル化合物(a−1)や(a−2)は、公知のエステル化法で行うことができ、エステル化反応の温度は通常60〜100℃、反応時間は1〜10時間が好ましい。又、反応触媒にしてトリエチルアミン等のアミン化合物を通常反応混合物100重量部に対し、0.1〜5重量%添加してもよい。反応中、重合を防止するために、重合禁止剤として、P−メトキシフェノール、ハンドロキノン、メチルハンドロキノン等を100〜3000ppmを添加してもよい。
【0013】
更に、必要に応じて、反応時に希釈剤を使用することができる。希釈剤としては、例えば、有機溶剤類や光重合性モノマー類を挙げることができる。有機溶剤類としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素及び石油エーテル、石油ナフサなどの石油系溶剤等を挙げることができる。これら有機溶剤類は、1種又は2種以上を加えても良い。
【0014】
光重合性モノマー類の具体例としては、例えば、カルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0015】
前記、エポキシ化合物(b)の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物(b−1)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物(b−2)等を挙げることができる。
【0016】
前記、(a)成分と(b)成分の反応は、反応温度は通常60〜150℃、反応時間は5〜40時間が好ましい。反応触媒としては、例えばテトラメチルアンモニウムクロライド、P−N,N−ジメチルアミノフェノール、2,4,6−トリスN,N−ジメチルアミノフェノール、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等の塩基性化合物を、通常反応混合物100重量部に対し0.1〜5重量%添加してもよい。反応中、希釈剤として、前記の有機溶剤類や光重合性モノマー類を用いることができる。
【0017】
本発明の樹脂組成物に含まれる(A)成分の量は、組成物中10〜80重量%が好ましく、特に20〜70重量%が好ましい。
【0018】
本発明では、希釈剤を含有することができる。希釈剤の具体例としては、前記の水酸基を有しない有機溶剤類や水酸基を有する有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、カルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等、あるいは前記の水酸基を有しない光重合性モノマー類や水酸基を有する光重合性モノマー類、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,2−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0019】
本発明の感光性樹脂組成は、熱可塑性重合体(B)を必須成分として含有する。例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。これら熱可塑性重合体(B)には、カルボキシル基を有する重合体とカルボキシル基を有しない重合体があるが、好ましくは、カルボキシル基を有する重合体が好ましく用いることができる。より具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、スチレン/マイレン酸共重合体のハーフエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0020】
(B)成分の重量平均分子量は、10,000〜300,000とすることが好ましい。この重量平均分子量が10,000未満では、フイルム性が低下する傾向があり、300,000を超えると、現像性が低下する傾向がある。また、(B)成分のカルボキシル基含有率は、0〜50モル%であることが好ましい。より好ましくは、15〜50モル%である。50モル%を超えると、パターン形成が困難となる傾向がある。また、この(B)成分は、アルカリ水溶液に可溶又は膨潤可能であることが好ましい。
【0021】
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる(B)成分の量は、組成物中5〜75重量%が好ましく特に10〜70重量%が好ましい。
本発明では、光重合開始剤(C)を使用する。光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フエニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノープロパン−1−オンなどのアセトフエノン類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフエノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等が挙げられる。
【0022】
これらは、単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等の安息香酸誘導体等の促進剤などと組み合わせて使用することができる。
【0023】
光重合開始剤(C)の使用量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して通常1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部となる割合である。
【0024】
本発明では、熱硬化成分(D)を使用することができる。これを用いることにより、半田耐熱性や電気特性を更に向上させることができる。熱硬化成分(D)としては、例えばエポキシ樹脂、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、フェノール化合物などを挙げる事ができる。エポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ビキレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル類;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンなどの脂環式エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル類;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどのグリシジルアミン類;トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂などが挙げられる。なかでも、融点が50℃以上のエポキシ樹脂が乾燥後タックのない光重合性皮膜を形成することができ好ましい。
【0025】
メラミン化合物としては、メラミン、メラミンとホルマリンとの重縮合物であるメラミン樹脂が挙げられる。尿素化合物としては、尿素、尿素とホルマリンの重縮合物である尿素樹脂などが挙げられる。
【0026】
オキサゾリン化合物としては、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,5−ジメチル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−フェニル−2−オキサゾリン、2,4−ジフェニルオキサゾリン等が挙げられる。
【0027】
フェノール化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、キレノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ピロガロール、レゾールなどが挙げられる。
【0028】
また、上記熱硬化成分(D)としてエポキシ樹脂を使用する場合は、硬化促進剤を用いることが好ましい。エポキシ樹脂の硬化促進剤として、具体的には、2−メチルイミダゾール、2−エチル−3−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、等のイミダゾール化合物;メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、エチルジアミノトリアジン、2,4−ジアミノトリアジン、2,4−ジアミノ−6−トリルトリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリルトリアジン等のトリアジン誘導体;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、ピリジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類;ポリフェノール類などが挙げられる。これらの硬化促進剤は単独または併用して使用する事が出来る。
【0029】
本発明では、更に必要に応じて各種の添加剤等を添加することができる。各種の添加剤としては、例えば、タルク硫酸バリウム炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ、クレーなどの充填剤、アエロジルなどのチキソトロピー付与剤、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタンなどの着色剤、シリコーン、フッ素系のレベリング剤や消泡剤、染料、ハイドロキノン、P−メトキシフェノール、ハイドロキノンモノチルエーテル等の重合禁止剤等である。
【0030】
本発明の感光性フイルムは、支持体フイルム上に、前記本発明の感光性樹脂組成物の層(感光層)を積層することにより製造することができる。支持体としては、重合体フイルム、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなるフイルムが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレートフイルムが好ましい。これら重合体フイルムは、後に感光層から除去しなくてはならないため、除去不可能となるような表面処理が施されたものであったり、材質であってはならない。また、これら重合体フイルムの厚さは、5〜100μmとすることが好ましく、10〜30μmとすることがより好ましい。これらの重合体フイルムは、一つの感光層の支持フイルムとして、他の一つは感光層の保護フイルムとして感光層の両面に積層することができる。保護フィルムとしては、例えばポリエステルなどのプラスチックフィルムなどが挙げられる。
【0031】
本発明の感光性樹脂組成物及び感光性フイルムの製造法としては、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び前記の希釈剤、熱硬化成分(D)あるいは各種添加剤等を溶解、混合、混練することにより樹脂組成物を調製することができる。
【0032】
次いで、調製された樹脂組成物を、前記支持フイルムの重合体フイルム上に、均一に塗布した後、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去し、乾燥皮膜とすることができる。乾燥皮膜の厚さは、特に制限はなく、10〜100μmとすることが好ましく、20〜60μmとすることがより好ましい。
【0033】
このように得られた感光層と重合体フイルムとの2層からなる本発明の感光性フイルムは、そのままで又は感光層の他の面に保護フイルムをさらに積層してロール状に巻き取って貯蔵することができる。
【0034】
本発明の感光性樹脂組成物及び感光性フイルムは、特にフレキシブルプリント配線基板用のエッチングレジストやソルダーレジスト等のレジストとして有用である他、塗料、コーティング剤、接着剤等としても使用できる。
【0035】
本発明の感光性フイルムを用いて、フォトレジスト画像を製造する方法としては、前記保護フイルムが存在している場合には、保護フイルムを除去後、感光層を加熱しながら基板に圧着させることにより積層することができる。この時、減圧下で積層することが好ましい。積層される表面としては、特に制限はなく、エッチング等により配線の形成されるFPCであることが好ましい。感光層の加熱温度としては、特に制限はなく、90〜130℃とすることが好ましい。また、圧着圧力としては、特に制限はなく、減圧下で行われることが好ましい。
【0036】
このようにして積層が完了した感光層は、ネガフイルム又はポジフイルムを用いて活性光に画像的に露光される、この時感光層上に存在する重合体フイルムが透明の場合には、そのまま露光することができるが、不透明の場合には、除去する必要がある。感光層の保護という点からは、重合体フイルムは透明で、この重合体フイルムを残存させたまま、それを通して露光することが好ましい。活性光としては、公知の活性光源が使用でき、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク、その他から発生する光等が挙げられる。感光層に含まれる光重合開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるため、その場合の活性抗原は紫外線を有効に放射するものが好ましい。
【0037】
次いで、露光後、感光層上に重合体フイルムが存在している場合には、これを除去した後、アルカリ水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング等の公知方法により未露光部を除去して現像することができる。アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、又はカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸、ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが挙げられ、中でも、炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。現像に用いるアルカリ水溶液のPHとしては、9〜11とすることが好ましい。また、現像温度としては、感光層の現像性に合わせて調整することができる。また、前記アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機・溶剤等を混入させることができる。
【0038】
さらに、現像後、FPCのカバーレイとしての半田耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことができる。紫外線の照射量としては、0.2〜10J/cm2とすることが好ましく、この照射の時に、60〜150℃の熱を伴うことが好ましい。また、加熱時の加熱温度としては、100〜170℃とすることが好ましい。これら紫外線の照射と加熱は、どちらを先に行ってもよい。このようにしてカバーレイの特性を付与された後、LSI等の部品の実装(はんだ付け)、カメラ等機器へ装着される。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。本発明が下記、実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限り「重量部」を示す。
【0040】
合成例1(分子中に2個のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)合成例)無水ピロメリット酸218g(1モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート232g(2モル)、カルビトールアセテート112.5g及びP−メトキシフェノール0.3gを仕込み85℃で10時間反応し、固形分の酸価(mgKOH/g)247.7である分子中に2個のカルボキシル基を有するジアクリレート化合物のカルビトールアセテート(20%)混合物を得た。
【0041】
合成例2(不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の合成例)
合成例1で得た化合物1132.5g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ(株)製、エピコ−ト828、エポキシ当量180、分子量360)252g,ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1001、エポキシ当量600、分子量1200)360g、カルビトールアセテート153g、トリフェニルホスフイン5.7g及びP−メイキシフェノール0.9gを仕込み、95℃で約30時間反応し、固形分の酸価(mgKOH/g)73のカルビトールアセテート20%希釈品を得た。
【0042】
合成例3(カルボキシル基を有する熱可塑性重合体(B)の合成例)
メチルセロソルブ/トルエン=重量比3/2溶液の121.5gをフラスコに入れておき、85℃に昇温し1時間放置した。次に、メタクリル酸13.5g、メタクリル酸メチル46.8g、アクリル酸エチル38.2g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.2g、アクリル酸2−エチルヘキシル1.5g、アゾビスイソブチロニトリル0.17g、メチルセルソルブ18.7g及びトルエン12.5gの溶解液を4時間で滴下反応させた。その後メチルセロソルブ7.1gを加え2時間保温し、メタクリル酸0.6g、アゾビスイソブチロニトリル0.54g、メチルセロソルブ2.9g及びトルエン1.9gの溶解液を添加し更に2時間保温した。その後、アゾビスイソブチロニトリル0.024gをメチルセロソルブ1.2gに溶解した溶液を添加して5時間保温後、ハイドロキノン0.01gを加え冷却し、平均分子量84000、不揮発分38.5重量%の固形分酸価値(mgKOH/g)85のカルボキシル基を有する熱可塑性重合体を得た。
【0043】
実施例1
表1に示す材料を配合した感光性樹脂組成物を25μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフイルム上に均一に塗布し、乾燥し溶剤を除去した。感光層の乾燥後の厚さは、50μmであった。次いで、感光層の上に、ポリエチレンフイルムを保護フイルムとして貼り合わせ、感光性積層体をえた。
【0044】
Figure 0004147508
【0045】
別に、35μm厚銅箔をポリイミド基材に積層したFPC用基板(ニッカン工業(株)製、商品名、F30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシで研磨、水洗し、乾燥した。この基板(23℃)に、真空ラミネーターを用いて、前記感光性フイルムを積層した。
【0046】
次いで、得られた試料にストーファーの21段ステップタブレットと、150μm/150μmのライン/スペースになった直線状のラインのネガフイルムを使用して、200mJ/cm2で露光した後、常温で30分間放置した。次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で100秒間スプレー現像した。ここで残存ステップタブレット段数を測定し、結果を表3に示した。次いで、150℃で45分間の加熱処理を行い、更に、3J/cm2の紫外線照射を行いカバーレイを得た。
【0047】
この試料を、可撓性評価のため、180°折り曲げを行い、カバーレイにクラック等の異常の有無を観察し、次いで、ロジン系クラックMH−820V(タムラ化研(株)製、商品名)を用いて、260℃で10秒間はんだ付け処理し、はんだ耐熱性として、ふくれ等の異常の有無を観察し、さらに、ここで可撓性評価のため180°の折り曲げを行い、カバーレイにクラック等の異常の有無を観察した。以上の評価結果を表3に示した。
【0048】
実施例2及び比較例1〜3
実施例1で使用したA成分及び光重合性モノマー類を、表2に示す化合物に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性フイルムを積層し、カバーレイとして加工し、評価した、その結果を表3にまとめて示した。
【0049】
Figure 0004147508
【0050】
Figure 0004147508
【0051】
表3から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物を用いた場合には、はんだ耐熱性、折り曲げ性(可撓性)ともに良好なカバーレイを得られることを示す。
【0052】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物は、作業性が良好で可撓性及びはんだ耐熱性に優れ、FPC用エッチングレジストやカバーレイ用の感光性フイルムに好適である。

Claims (5)

  1. 分子中に2個のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(a)と分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られる不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)とアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂および塩化ビニル酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種又は2種以上(B)及び光重合開始剤(C)を含有してなるアルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物。
  2. 不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の酸価が10〜150mgKOH/gである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂および塩化ビニル酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1種又は2種以上(B)がカルボキシル基を有する重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 支持体フィルム上に請求項1、2又は3記載の感光性樹脂組成物の層を積層してなる感光性フィルム。
  5. フレキシブルプリント配線板用の請求項4に記載の感光性フィルム。
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