JPWO2013002309A1 - 非特異反応抑制剤、非特異反応抑制方法及びキット - Google Patents

非特異反応抑制剤、非特異反応抑制方法及びキット Download PDF

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Abstract

免疫学的測定法において、測定に伴う非特異反応を簡便かつ効果的に抑制し、検体中の微量成分(標的物質)の正確な検出ならびに定量を実現するための非特異反応抑制剤を提供する。前記非特異反応抑制剤は、式I:〔式中、R1及びR2は、一緒になって、それらが各々直接結合する炭素間に二重結合を形成するか、あるいは、R1が水素原子であって、且つ、R2が、SH基含有化合物からHを除いた基であり、Bは支持体であり、Lはスペーサーアーム部分である〕で表される物質を含む。

Description

本発明は、免疫学的測定法において用いる、微量な標的物質を正確に検出、定量するための障害となる非特異反応を抑制するための非特異反応抑制剤、これを用いる非特異反応抑制方法及びこれを含む免疫測定キットに関する。
抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法は測定対象とする微量成分を特異的に検出あるいは精度よく測定できることから、臨床検査に広く利用されている。これらの免疫学的測定法においては、本来の目的とする標的物質の特異的な抗原抗体反応以外の非特異反応により、測定値の信頼性が損なわれてしまうことがしばしば認められている。この現象は、検体中に含まれる標的物質(抗原)以外の成分が測定系の成分と反応することによって引き起こされる。
従来より、非特異反応を抑制し正しい測定値を得るために色々な試みが行われてきた。例えば、測定すべき検体を加熱や適当な試薬により前処理したり、各種動物血清、免疫グロブリン画分、アルブミン、スキムミルク、ゼラチン、界面活性剤等を測定系に添加したりすることが一般的に行われてきた。リウマチ因子のように抗体のFc部位に結合することにより引き起こされる非特異反応を回避するためには、FabやF(ab’)等の抗体断片を特異反応に使用することも行われている。また、測定系に使用するモノクローナル抗体とは反応特異性が異なりかつ測定系に係わる反応を阻害しないモノクローナル抗体を測定系に添加することも行われている。
また、特許文献1のように、ストレプトアビジンをマレイミドなどを使用して架橋/重合したものを利用したり、特許文献2のように、アシル化タンパク質凝集体を利用したりするものも知られている。また、N置換マレイミド化合物の存在下において、検出可能な物質で標識された第1の抗体と第2の抗体と試料とを反応させ、それにより、検出可能な物質と試料に含まれるチオール基(即ち、SH基)とによる非特異的な結合を抑制することも知られている(特許文献3)。また、担体に対する生体関連分子の非特異的吸着を阻害する方法では、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、カルボキシル基、マレイミド基およびアミノ基からなる群から選択される化学修飾基を表面に有する担体に対して、前記担体上の化学修飾基と反応しうる官能基であって、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、メルカプト基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を末端に有するポリアルキレンオキシドを含むブロッキング剤を用いることが開示されている(特許文献4)。
しかし、これらの方法は非特異反応の抑制にある程度の効果はあるものの、一部の検体ではその効果はまだ不十分であり、誤診断が重篤な結果を招くことになる臨床検査の現場では、未だ満足できるものではなかった。
特許第3027770号明細書 特表平8−506907号公報 特許第4571999号明細書 特開2006−308307号公報
このような状況に鑑み、免疫学的測定法において、測定に伴う非特異反応を簡便かつ効果的に抑制し、検体中の微量成分(標的物質)の正確な検出ならびに定量を実現するための非特異反応抑制剤とその使用方法、及び測定キットを提供することが本発明の目的である。
本発明者らは、前記の問題点を解決すべく非特異反応について鋭意検討した結果、マレイミド基を有する物質(Sulfo−SMCC:スルホサクシイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレートあるいはSulfo−HMCS:N−(8−マレイミドカプリルオキシ)スルホスクシニミド)を結合させたキャリアータンパク質を反応液中に添加することによって、検体中の干渉物質(非特異反応物質)の影響を回避できることを見出し、本発明に至った。すなわち、後述する実施例で詳述するが、検体中に、非特異反応物質として、マレイミド基を結合したキャリアータンパク質に反応する物質が存在することがわかった。本発明はこの知見に基づいて、検体中の標的物質を正確に測定するための非特異反応抑制剤および該非特異反応抑制剤を使用する測定方法および測定試薬を完成させたものである。
すなわち、本発明は、
[1]式I:
Figure 2013002309
〔式中、R及びRは、一緒になって、それらが各々直接結合する炭素間に二重結合を形成するか、あるいは、Rが水素原子であって、且つ、Rが、SH基含有化合物からHを除いた基であり、Bは支持体であり、Lはスペーサーアーム部分である〕
で表される物質を含む、免疫学的測定用の非特異反応抑制剤、
[2]支持体がキャリアータンパク質あるいはキャリアー固相担体である、[1]の非特異反応抑制剤、
[3]キャリアータンパク質がアルブミンである、[2]の非特異反応抑制剤、
[4]キャリアー固相担体が粒子である、[2]の非特異反応抑制剤、
[5][1]〜[4]のいずれかの非特異反応抑制剤を用いる、免疫学的測定方法、
[6]免疫学的測定方法が、ラテックス凝集光学的測定法、エンザイムイムノアッセイ、免疫比ろう法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、又は放射免疫測定法である、[5]の免疫学的測定方法、
[7]検体に含まれる標的物質との特異的な免疫反応工程を行う前に、該検体と非特異反応抑制剤とを反応させる、[5]又は[6]の免疫学的測定方法、
[8]非特異反応抑制剤の共存下に、検体に含まれる標的物質との特異的な免疫反応工程を行う、[5]又は[6]の免疫学的測定方法、
[9]免疫測定がサンドイッチ法による測定であり、検体に含まれる標的物質との特異的な免疫反応工程の一つ以上の工程を非特異反応抑制剤の共存下で行う、[5]又は[6]の免疫学的測定方法、
[10][1]〜[4]のいずれかの非特異反応抑制剤を含有する、免疫学的測定キット、
に関する。
本発明の非特異反応抑制剤とその使用方法、及び測定キットを用いることにより、検体中の非特異反応物質の影響を簡便かつ効果的に抑制し、検体中の微量成分(標的物質)を正確に測定することができる。
本発明で発見した非特異反応物質は、本発明の非特異反応抑制物質である、マレイミド基又はその誘導体が結合した支持体(特にはタンパク質)に良く反応することから、特異的な免疫反応工程中にマレイミド基が結合した支持体が存在する場合に特に効果が高い。よって、免疫学的測定法のうちマレイミド法を用いて抗体や抗原などを固相化または標識化して調製される試薬においては、特に本発明が有効であると考えられる。
本発明の非特異反応抑制剤は、公知の免疫学的測定法に利用することができる。
免疫学的測定法としては、一元放射免疫拡散法、比濁法、比ろう法、凝集法、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法等があるが、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法は測定感度も高く、特に極微量成分の測定に好適である。
放射免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法はそれぞれ放射性物質、酵素、蛍光物質を、標的物質に特異的に反応する抗体に結合した標識抗体を用いる方法で、一般的には、抗体や抗原を不溶性担体に結合した固相化抗体または固相化抗原と組み合わせた固相法で使用される。固相法には「固相化抗体−抗原−標識抗体」複合物を作らせ測定するサンドイッチ法や、固相化抗原と検体中の遊離抗原が反応系内に添加された一定量の標識抗体に対して競合的に反応することを原理とする競合法がある。
本発明において使用される検体としては、例えば全血、血清、血漿、髄液、唾液等の体液や尿、糞便抽出液等が挙げられる。
標的物質としては、検体中に含有する可能性のあり、免疫学的な反応性を有するものであれば制限はないが、疾患の診断や病態の把握に役立つものが好ましい。例えば、B型肝炎ウィルス表面抗原(HBsAg)、C型肝炎ウィルス(HCV)抗体および抗原、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)抗体、ヒトT細胞白血病ウィルス−1(HTLV−1)抗体、梅毒トレポネーマ(TP)抗体等が挙げられる。また、各種心筋マーカー(クレアチンキナーゼ(CKMB)、ミオグロビン、トロポニン)、各種ホルモン類、血清蛋白等が挙げられる。
本発明の非特異反応抑制剤は、前記式Iで表される、支持体にマレイミド基又はその誘導体を直接または間接的に結合させたものを、非特異反応抑制物質として含む。なお、本明細書において、マレイミド基の誘導体とは、マレイミド基(スルフヒドリル基と反応)をSH基含有化合物でブロッキングしたものを意味する。支持体としては、測定系において不活性な物質(以下で、キャリアーと称することがある)であれば特に限定しないが、例えば、タンパク質、固相担体などが挙げられる。キャリアータンパク質としては、アルブミン(ウシ血清アルブミン:BSAやヒト血清アルブミン:HSAなど)、不活性化アルカリホスファターゼ(不活性化ALP)、不活性化ホースラディッシュペルオキシダーゼ(不活性HRP)、ストレプトアビジン、アビジン、ゼラチン、カゼイン、抗体などが挙げられる。キャリアー固相担体としては、マイクロタイタープレート、試験管、ビーズ、粒子、ナノ粒子、膜などが挙げられる。粒子としては、磁性粒子、ポリスチレンラテックスのような疎水性粒子、粒子表面にアミノ基、カルボキシル基などの親水基を有する共重合ラテックス粒子、赤血球、ゼラチン粒子などが挙げられる。測定系において不活性とは、測定対象の物質との免疫学的な反応に影響しないものや、酵素反応に影響しないものなどを指す。当業者であれば、測定原理に合わせて、適宜、好適なキャリアーを選択することができる。
キャリアータンパク質としては、生体試料から精製したものでも、遺伝子組み換えにより好適なタンパク質として作製したものでも良い。
キャリアータンパク質へのマレイミド基の結合は、公知の架橋剤を使用することができる。架橋剤は、マレイミド基と、キャリアータンパク質への結合用官能基(例えば、アミノ基反応性官能基、カルボキシル基反応性官能基、ビオチン)とを含んでいれば、マレイミド基とキャリアータンパク質の間に、環状あるいは直鎖状の官能基を有していても良い。
使用可能な架橋剤の具体例としては、アミノ基反応性官能基を有する架橋剤として、例えば、式:S−L−M(Sはアミノ基反応性官能基であり、Mはマレイミド基であり、Lはスペーサーアーム部分である)で表される化合物、より具体的には、succinimidyl 4-[N-maleimidomethyl]cyclohexane-1-carboxylate (SMCC)、sulfosuccinimidyl 4-[N-maleimidomethyl]cyclohexane-1-carboxylate (Sulfo-SMCC)、Succinimidyl-4-[N-Maleimidomethyl]cyclohexane-1-carboxy-[6-amidocaproate] (LC-SMCC)、N-[e-Maleimidocaproyloxy]succinimide ester (EMCS)、N-[e-Maleimidocaproyloxy]sulfosuccinimide ester (Sulfo-EMCS)、N-[γ-maleimidobutyryloxy]succinimide ester (GMBS)、N-[γ-maleimidobutyryloxy]sulfosuccinimide ester (Sulfo-GMBS)、N-(11-Maleimidoundecanoyloxy)succinimide (KMUS)、N-[k-Maleimidoundecanoyloxy]-sulfosuccinimide ester (Sulfo-KMUS)、m-maleimidobenzoyl-N-hydoxysuccinimide ester (MBS)、m-maleimidobenzoyl-N-hydoxysulfosuccinimide ester (Sulfo-MBS)、succinimidyl 4-[p-maleimidophenyl]butyrate (SMPB)、sulfosuccinimidyl 4-[p-maleimidophenyl]butyrate (Sulfo-SMPB)、N-[α-Maleimidoacetoxy]succinimide ester (AMAS)、N-[β-Maleimidopropyloxy]succinimide ester (BMPS)、Succinimidyl-6-[β-maleimidopropionamido]hexanoate (SMPH)、N-(8-Maleimidocapryloxy)succinimide (HMCS)、N-(8-Maleimidocapryloxy)sulfosuccinimide (Sulfo-HMCS)などが挙げられる。
カルボキシル基反応性官能基を有する架橋剤として、例えば、式:H−L−M(Hはカルボキシル基反応性官能基であり、Mはマレイミド基であり、Lはスペーサーアーム部分である)で表される化合物、より具体的には、β-Maleimidopropionic acid hydrazide(BMPH)、3,3´-N-[e-Maleimidocaproic acid] hydrazide (EMCH), N-[k-Maleimidoundecanoic acid]-hydrazide (KMUH)、4-[4-N-maleimidophenyl]butyric acid hydrazide hydrochloride (MPBH)、3-[2-Pyridyldithio]propionyl hydrazide (PDPH)などが挙げられる。
ビオチンを有する架橋剤として、例えば、式:X−L−M(Xはビオチンであり、Mはマレイミド基であり、Lはスペーサーアーム部分である)で表される化合物、より具体的には、1-Biotinamido-4-[4´-(maleimidomethyl)cyclohexanecarboxamido]butane (Biotin-BMCC)、Maleimide-PEG11-Biotin、Maleimide-PEG2-Biotinなどが挙げられる。
なお、前記架橋剤におけるスペーサーアーム部分の長さは、通常の架橋剤と同様であり、例えば、4〜52オームストロング、好ましくは9〜20オームストロングである。
これらの架橋剤の結合は、公知の方法に従って行うことができる。該マレイミド基は、前記架橋剤を結合させた後、SH基含有化合物(例えば、タンパク質、アミノ酸)を用いて公知の方法でブロッキングしても良い。前記SH基含有化合物としては、SH基を有し、前記SH基を介してマレイミド基と反応することにより、前記マレイミド基への反応性をブロックすることのできる化合物であれば、特に限定されるものではない。
キャリアー粒子へのマレイミド基の結合は、キャリアー粒子の作製時にマレイミド基を有する化合物を使用することで行っても良いし、アミノ基あるいはカルボキシル基を有する化合物を使用し、更にアミノ基反応性官能基あるいはカルボキシル基反応性官能基及びマレイミド基を有する架橋剤を結合させても良いし、前記マレイミド基を有するキャリアータンパク質を結合させても良い。キャリアー粒子の作製粒子へのキャリアータンパク質の結合は、物理吸着あるいは共有結合のいずれも使用することができる。公知の化合物あるいは前記架橋剤を使用することができる。
本発明の測定原理は上述した免疫学的測定方法を使用することができる。
該免疫学的測定方法に使用可能な抗体は、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよく、抗体を産生する任意の動物種、例えば家兎、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウマ、マウスまたはラットなど由来の抗体が使用できる。
また、使用可能な抗体としては完全抗体や、それを酵素処理や化学処理により切断したF(ab’)やFab’等のような抗体断片が挙げられる。
「固相化抗体−抗原−標識抗体」複合物を作らせ測定するサンドイッチ法の場合、これらの抗体は、固相担体あるいは標識物質に固定化される。固相担体としては、マイクロタイタープレート、試験管、ビーズ、粒子、ナノ粒子、膜などが挙げられる。粒子としては、磁性粒子、ポリスチレンラテックスのような疎水性粒子、粒子表面にアミノ基、カルボキシル基などの親水基を有する共重合ラテックス粒子、赤血球、ゼラチン粒子などが挙げられる。中でも、迅速簡便なB/F分離を実現する観点においては磁性粒子が特に好ましく、具体的には、例えば、四酸化三鉄(Fe)、三酸化二鉄(Fe)、種々のフェライト、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、クロムなどの金属、コバルト、ニッケル、マンガンなどの合金からなる微粒子等の磁性粒子が好ましく用いられる。また、これらの磁性粒子を、ポリスチレン等の高分子のラテックスや、ゼラチン、リポソーム等の内部に含まれる形で調製したり、表面に固定化したりしたものを好ましく用いることができる。膜としては、ニトロセルロース膜、セルロース濾紙、ナイロン膜などが挙げられ、イムノクロマトグラフィーなどを原理とする簡易測定キットの試験片にも使用することも可能である。
該免疫学的測定方法に使用可能な標識物質としては、例えば、酵素、蛍光物質、放射性同位元素、不溶性粒状物質などが挙げられる。該標識用の酵素としては、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、チロシナーゼ、酸性ホスファターゼなどが挙げられる。蛍光物質としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、ルシフェリンなどが挙げられる。放射性同位元素としては、125I、14C、32Pなどが挙げられる。
また、標識物質が酵素である場合、該酵素に対する基質を用いて発光、蛍光又は発色反応を行うことにより、標識物質を測定できる。例えば、酵素がアルカリホスファターゼである場合、基質としては、CDP−star(登録商標)(4−クロロ−3−(メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2'−(5'−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウム)、CSPD(登録商標)(3−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2−(5'−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウム)、AMPPD(登録商標)(アダマンチルメトキシフェニルホスホリルジオキシセタン)、APS−5などの化学発光基質;4−メチルウンベリフェリルフォスフェート(4−methylumbelliferylphosphate)などの蛍光基質;p−ニトロフェニルホスフェート、BCIP(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−リン酸)、NBT(4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリド)、INT(ヨードニトロテトラゾリウム)などの発色基質を用いることができる。
該抗体(断片)はそれのみで、あるいは蛋白質、多糖類、または合成高分子物質等の他の高分子物質とともに、有機化学的手法、または生物学的親和性に基づく相互作用などを介して文献から公知の方法により結合体を製造することができる。
有機化学的方法では、例えば、架橋試薬を用いて共有結合させることにより結合体を製造することができる。主な架橋試薬としてはカルボジイミド、イソシアネート、ジアゾ化合物、ベンゾキノン、グルタルアルデヒド、過ヨウ素酸、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル化合物、マレイミド化合物、ピリジル・ジスルフィド化合物等があげられる。これらの架橋試薬を使用した結合体の製造は、例えば酵素標識抗体で酵素と抗体を結合する方法と同一の方法で行うことができ、石川らの「酵素免疫測定法第3版(医学書院、1987年)75〜126頁」やP.Tijssenの「エンザイムイムノアッセイ(生化学実験法11、東京化学同人、1989年)196〜251頁」等に詳細に記載されている。
生物学的親和性を利用した結合体の製造方法の例としては、アビジンとビオチンの結合を利用した方法がある。例えば同一抗体の抗体(断片)とアルブミンなどの他の高分子物質の両方にビオチン分子を導入しアビジンにより架橋する方法や、あるいは両者の一方にアビジンを導入し、もう一方にビオチンを導入して架橋する方法がある。ビオチン分子の導入にはビオチニル−ε−アミノカプロン酸−N−ヒドロキシスクシミニドエステルなどが試薬として使われる。
本発明の非特異反応抑制剤の使用方法としては、標的物質とそれに対する特異的な抗体との特異的な免疫反応工程の前に、予め適当な緩衝液中で非特異反応抑制剤と検体を接触させ、適当な時間(例えば1分〜2時間)インキュベートする方法がある。この間に、検体中の非特異反応を起こす物質(非特異反応物質)は非特異反応抑制剤と反応し、特異的な免疫反応工程での標識抗体との非特異反応活性は失われる。
非特異反応抑制剤が、特異的免疫反応工程に影響しない測定法を使用する場合には、インキュベートを完了した検体と非特異反応抑制剤の混合液をそのまま用いればよく、一方、特異的免疫反応工程に影響する測定法を使用する場合には、特異的免疫反応工程を行う前に、インキュベートを完了した後の非特異反応抑制剤を除去すれば良い。
特異的免疫反応工程に影響しない測定法とは、例えば、最も一般的に用いられるサンドイッチ法の場合、特異的免疫反応で分離される「固相化抗体−非特異反応物質−標識抗体」サンドイッチ複合体に関わらない測定法である。このような場合、具体的には、前記複合体と共に分離されない非特異反応抑制剤(例えば、遊離のタンパク質や分離されない粒子などを含むもの)が使用できる。
特異的免疫反応工程に影響する測定法とは、例えば、最も一般的に用いられるサンドイッチ法の場合、特異的免疫反応で分離される「固相化抗体−非特異反応物質−標識抗体」サンドイッチ複合体に関わる測定法である。このような場合、具体的には、前記複合体と共に分離される非特異反応抑制剤(例えば、前記複合体が磁性粒子を含み、磁力体で分離される場合、同様な磁性粒子などを含むもの)が使用できる。
別の本発明の非特異反応抑制剤の使用方法としては、非特異反応抑制剤の共存下に特異的免疫反応工程を行う方法がある。例えば、最も一般的に用いられるサンドイッチ法の場合、固相化抗体と検体中の抗原(標的物質)とを反応させる第一免疫反応工程の緩衝液に非特異反応抑制剤を添加する。非特異反応が検出されるのは、抗体の特異的反応部位を介さずに「固相化抗体−非特異反応物質−標識抗体」サンドイッチ複合体を形成するためであるが、この場合、第一免疫反応中に非特異反応物質の標識抗体に対する反応活性が非特異反応抑制剤により吸収される。さらに、抗体の特異反応部位を介して固定化された抗原と標識抗体とを反応させる第二免疫反応工程の緩衝液にも添加すれば、第一免疫反応工程で完全に吸収されなかった非特異反応物質も吸収されるため、測定の信頼性をより一層高めることができる。
上記と同様に、いずれの測定法も使用可能であるが、特異的免疫反応工程で非特異反応抑制剤が使用されるため、前記特異的免疫反応工程に影響しない測定法で行う方が好ましい。
また、1段階サンドイッチ法においても免疫反応工程の緩衝液に非特異反応抑制剤を添加して反応させることにより、非特異反応は回避される。
上記と同様に、いずれの測定法も使用可能であるが、特異的免疫反応工程で非特異反応抑制剤が使用されるため、前記特異的免疫反応工程に影響しない測定法で行う方が好ましい。
非特異反応抑制剤の添加時期は、標的物質や測定法に合わせて、好適な方法を適宜選択すれば良い。
例えば、本発明で発見した非特異反応物質は、本発明の非特異反応抑制物質である、マレイミド基又はその誘導体が直接または間接的に結合した支持体(特にはキャリアータンパク質)に良く反応することから、特異的な免疫反応工程中にマレイミド基又はその誘導体が結合した支持体(特にはタンパク質)が存在する場合に特に効果が高い。よって、免疫学的測定法のうちマレイミド法を用いて抗体や抗原などを固相化または標識化して調製される試薬においては、特に好ましい。
例えば、先述のような、式:S−L−M又はH−L−M又はX−L−Mで表される架橋剤を用いて調製した抗体含有物質(抗体結合担体、標識化抗体など)を使用する免疫学的測定においては、前記式Iで表される非特異反応抑制物質を、反応工程の少なくとも1つに共存させることができる。従って、本発明には、式:S−L−M又はH−L−M又はX−L−Mで表される架橋剤を用いて調製した抗体含有物質と、前記式Iで表される非特異反応抑制物質とを含む、免疫学的測定キットが含まれる。なお、前記架橋剤の化学式と、前記式Iには、スペーサーアーム部分を示す記号として、同じ「L」を使用しているが、架橋剤における官能基S又はHの種類や支持体Bの構造によって、スペーサーアーム部分の構造が異なる場合がある。
本発明の非特異反応抑制剤は、免疫反応工程の前に予め適当な緩衝液に添加して使用されるか、あるいは免疫反応工程の緩衝液に添加して使用される。非特異反応抑制剤の支持体が、キャリアータンパク質である場合、非特異反応物質と反応させる系における非特異反応抑制物質の濃度は0.1〜1000μg/mLであることが好ましく、さらに好ましくは1〜500μg/mLである。使用される緩衝液は公知の通常免疫反応に使われる適当な緩衝液であってよい。非特異反応抑制物質の支持体が、キャリアー固相担体である場合も、当業者であれば、前記キャリアータンパク質と同等の活性を有する濃度や使用条件を容易に決定することができる。
また、緩衝液中に通常用いられる添加剤たとえば反応促進剤、洗浄剤または安定剤と共に使用することができる。さらに別の非特異反応抑制剤と共に用いることもできる。適当な緩衝液として例えば、20〜100mmol/Lリン酸塩緩衝液(pH6〜8)または50mmol/Lトリス−塩酸/100mmol/L NaCl(pH7〜8)などが使用できる。反応促進剤としては例えばデキストランサルフェートまたはポリエチレングリコールなど、洗浄剤としては例えばTritonX−100、Tween20などを、また安定化剤としてアルブミン、スキムミルク、ゼラチンなどの蛋白質やアジ化ナトリウム、チメロサール、ケーソンCG、プロクリンなどの防腐剤を挙げることができる。
本発明の非特異反応抑制剤を含む測定キットとしては、従来の免疫学的測定キットに非特異反応抑制剤を更に含ませることができる。一般に、ELISA法による測定キットは標識抗体液、固相化抗体、標準物質などの試薬から構成され、さらに必要に応じて、サンドイッチ法で検体と固相化抗体を反応させるため緩衝液、酵素反応のための発色液と反応停止液、固相を洗浄するための洗浄液、検体の前処理剤などを含んで構成される。これらの構成試薬が凍結乾燥品の場合、復元のための溶液も添付される場合がある。
本発明の非特異反応抑制剤は単独でキットの構成試薬にしてもよいし、他の構成試薬に予め添加してもよい。しかし、測定操作を増やすことなしに非特異反応抑制効果が得られることを考慮すれば、構成試薬の一成分として添加するのが好ましい。例えば、本発明の非特異反応抑制剤は、検体処理液や検体と固相化抗体を反応する緩衝液や標識抗体溶液に添加してキットの構成試薬とすることが挙げられる。これらの構成試薬が凍結乾燥品の場合には復元液に添加することもできる。標識抗体に対して非特異反応抑制剤は0.1〜1000重量倍用いるのが好ましく、特に1〜500重量倍用いるのが好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:非特異反応抑制剤(SMCC−BSA)の作製》
ウシ血清アルブミン(BSA:シグマ社)を0.1mol/L HEPES(pH7.0)で10mg/mLになるように溶解し、更に、ジメチルスルホキシド(DMSO)で溶解した50mg/mL Sulfo−SMCC(スルホサクシイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート)(ピアス社)溶液と混合し、37℃で一晩放置した。この反応液に114mg/mLシステアミンHCl溶液を添加し、末端のマレイミド基をブロッキングした。これを非特異反応抑制剤として以下の検討に使用した。
Figure 2013002309
《実施例2:HBs抗原測定系の構築》
(1)磁性粒子結合抗体溶液の作製
(1−1)マレイミド法を用いて作製を行った磁性粒子結合抗体溶液
磁性粒子(JSR社)とBSA(シグマ社)を結合させた後に、さらに抗HBsマウスモノクローナル抗体をSulfo−SMCC(ピアス社)を用いて結合させた磁性粒子溶液を作製した。なお、抗HBsマウスモノクローナル抗体は、公知の方法に従って、CH1細胞により組換えHBs抗原を作製し、これをマウスに免疫して作製した。
(1−2)EDC法を用いて作製を行った磁性粒子結合抗体溶液
磁性粒子(JSR社)と抗HBsマウスモノクローナル抗体を、カルボジイミド(シグマ社)を用いて結合させた磁性粒子溶液を作製した。
(2)標識抗体溶液の作製
抗HBsウサギポリクローナル抗体をマレイミド法によりアルカリホスファターゼ(ALP)標識した標識抗体溶液を作製した。抗HBsウサギポリクローナル抗体は、(1−1)で作製した組換えHBs抗原をウサギに免疫した作製した。
(3)発光基質溶液
2−クロロ−5−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2´−(5´−クロロ)−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)−1−フェニルホスフェート・二ナトリウム(CDP−Star(登録商標):アプライドバイオシステム社)を使用した。
(4)測定法
測定は、全自動臨床検査システムSTACIA(三菱化学メディエンス社製)を使用した。
50μLの検体にマレイミド法あるいはEDC法で作製した60μLの磁性粒子結合抗体溶液を加え、37℃で3.5分間加温した後、60μLの標識抗体溶液を加え、37℃で8.6分間加温し、BF分離、洗浄した後、100μLの発光基質溶液を加え、37℃で2.7分反応後に発光量(counts)を測定した。
《実施例3:非特異反応抑制剤による検体中の干渉物質の影響回避効果の確認》
実施例2の方法において、実施例1で作製した非特異反応抑制剤を最終濃度が0.03%になるように添加し、その効果の有無を検討した。
HBs抗原検査依頼のあった患者群から得られたHBs抗原陽性検体1例、及び非特異反応が確認されたHBs抗原陰性検体5例について、各条件で測定を行った。マレイミド法によって感作した磁性粒子結合抗体を使用した場合には、EDC法(カルボジイミド法)によって感作した磁性粒子結合抗体を使用した場合に比べ、高い非特異反応が認められたが、マレイミド法感作磁性粒子結合抗体に、非特異反応抑制剤を添加したところ、その非特異反応が有意に抑制された。
このことから、検討に使用した非特異検体には、磁性粒子への固定化方法に起因する非特異反応物質が含まれていることが示唆された。また、マレイミド法において顕著に起こることから、磁性粒子に固定されたマレイミド基に対して非特異反応が起こっていると予想された。
Figure 2013002309
《実施例4:非特異反応抑制剤の添加濃度の検討》
実施例2に従って、検体中のHBs抗原を測定した。構成試薬中の磁性粒子結合抗体溶液に、実施例1で調製したSMCC−BSAをそれぞれ、0.00003%、0.0003%、0.003%、0.03%、0.3%濃度になるように添加し、実施例3と同様な非特異反応を示す非特異検体6を測定し、その反応性を比較した。その結果、SMCC−BSAを磁性粒子結合抗体溶液に0.0003%以上添加することによって、非特異検体の影響を回避できることが確認できた。
Figure 2013002309
《実施例5:非特異反応の原因検討1》
実施例2に従って、検体中のHBs抗原を測定した。検討を行うにあたり、MGLTX(magnetic latex)−BSA−SMCC−Ab、MGLTX−BSA−SMCC、MGLTX−BSAの作製を、以下のとおりに行った。
(1)MGLTX−BSA−SMCC−Ab
磁性粒子(JSR社)とBSA(シグマ社)を結合させた後に、さらに実施例2で作製した抗HBsマウスモノクローナル抗体をSulfo−SMCC(ピアス社)を用いて結合させた磁性粒子溶液を作製した。
(2)MGLTX−BSA−SMCC
磁性粒子(JSR社)とBSA(シグマ社)を結合させた後に、Sulfo−SMCC(ピアス社)を結合させた磁性粒子溶液を作製した。
(3)MGLTX−BSA
磁性粒子(JSR社)とBSA(シグマ社)を結合させた磁性粒子溶液を作製した。
構成試薬中の磁性粒子結合抗体溶液を該磁性粒子の作製過程でできるMGLTX−BSA−SMCC−AbあるいはMGLTX−BSA−SMCCあるいはMGLTX−BSAに変更し、以下の条件でHBs抗原陰性検体と非特異検体1の測定を行った。
(A)(1)のみ
(B)(1)及び 最終濃度0.03% SMCC−BSA
(C)(2)のみ
(D)(3)のみ
その結果、(A)及び(C)の非特異検体で測定値の上昇が認められ、また、(B)では、(A)に対して非特異反応抑制剤(SMCC−BSA)を加えることによって、(A)で認められた測定値の上昇が抑制され、陰性検体と同等の測定値を得た。以上より、磁性粒子に結合した架橋剤(SMCC)が非特異反応の発生に大きく関わっていることが示唆された。
Figure 2013002309
《実施例6:非特異反応の原因検討2》
実施例2に従って、検体中のHBs抗原を測定した。検討を行うにあたり、実施例5(2)と同様に作製したMGLTX−BSA−SMCCを、更に3種類のマレイミド基ブロッキング剤で処理した磁性粒子を、以下のとおりに作製した。
(1)システアミン(2MEA)
磁性粒子(JSR社)とBSA(シグマ社)を結合させた後に、Sulfo−SMCCを結合させた磁性粒子溶液に対しシステアミン(Wako社)でブロッキング処理を行い、調製した。
(2)チオグルコース
磁性粒子(JSR社)とBSA(シグマ社)を結合させた後に、Sulfo−SMCCを結合させた磁性粒子溶液に対しチオグルコース(Wako社)でブロッキング処理を行い、調製した。
(3)メルカプトこはく酸
磁性粒子(JSR社)とBSA(シグマ社)を結合させた後に、Sulfo−SMCCを結合させた磁性粒子溶液に対しメルカプトこはく酸(Wako社)でブロッキング処理を行い、調製した。
構成試薬中の磁性粒子結合抗体溶液を該磁性粒子の作製時に用いるマレイミド基ブロッキング剤の種類を上記のようにした変更し、HBs抗原陰性検体、及び非特異検体1の測定を行った。実験条件としては以下を行った。
(A)(1)のみ
(B)(1)及び 最終濃度0.03% SMCC−BSA
(C)(2)のみ
(D)(3)のみ
その結果、(A)(C)(D)のいずれでも非特異検体で測定値の上昇が認められ、また、(B)では、(A)に対して非特異反応抑制剤(SMCC−BSA)を加えることによって、(A)で認められた測定値の上昇が抑制され、陰性検体と同等の測定値を得た。よって、マレイミド基のブロッキング剤の種類に関係なく非特異反応が発生することがわかった。
以上より、磁性粒子に結合した架橋剤(SMCC)が非特異反応の発生に大きく関わっていることが、示唆された。
Figure 2013002309
《実施例7:非特異反応の原因検討3》
実施例2に従って、検体中のHBs抗原を測定した。検討を行うにあたり、実施例1と同様にシステアミンHClでブロッキングしたSMCC−BSAと、システアミンHClでブロッキングしないSMCC−BSAの2種類の非特異反応抑制剤を作製した。これらの非特異反応抑制剤を添加し非特異検体の測定を行ったが、どちらも同程度に非特異反応抑制効果があることがわかった。
以上より、マレイミド基を有するキャリアータンパク質により、非特異反応を抑制できることがわかった。
Figure 2013002309
本発明者らにより、本発明で発見した非特異反応物質による非特異反応は、疾患に関係なく、健常人検体の300〜1000件に1件の頻度で生じることが判明している。
本発明の非特異反応抑制剤とその使用方法、及び測定キットを用いることにより、このような高頻度で起こる検体中の非特異反応物質の影響を簡便かつ効果的に抑制し、検体中の微量成分を正確に測定することが可能となり、様々な疾患の診断に有用である。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (10)

  1. 式I:
    Figure 2013002309
    〔式中、R及びRは、一緒になって、それらが各々直接結合する炭素間に二重結合を形成するか、あるいは、Rが水素原子であって、且つ、Rが、SH基含有化合物からHを除いた基であり、Bは支持体であり、Lはスペーサーアーム部分である〕
    で表される物質を含む、免疫学的測定用の非特異反応抑制剤。
  2. 支持体がキャリアータンパク質あるいはキャリアー固相担体である、請求項1に記載の非特異反応抑制剤。
  3. キャリアータンパク質がアルブミンである、請求項2に記載の非特異反応抑制剤。
  4. キャリアー固相担体が粒子である、請求項2に記載の非特異反応抑制剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の非特異反応抑制剤を用いる、免疫学的測定方法。
  6. 免疫学的測定方法が、ラテックス凝集光学的測定法、エンザイムイムノアッセイ、免疫比ろう法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、又は放射免疫測定法である、請求項5に記載の免疫学的測定方法。
  7. 検体に含まれる標的物質との特異的な免疫反応工程を行う前に、該検体と非特異反応抑制剤とを反応させる、請求項5又は6に記載の免疫学的測定方法。
  8. 非特異反応抑制剤の共存下に、検体に含まれる標的物質との特異的な免疫反応工程を行う、請求項5又は6に記載の免疫学的測定方法。
  9. 免疫測定がサンドイッチ法による測定であり、検体に含まれる標的物質との特異的な免疫反応工程の一つ以上の工程を非特異反応抑制剤の共存下で行う、請求項5又は6に記載の免疫学的測定方法。
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の非特異反応抑制剤を含有する、免疫学的測定キット。
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