JPWO2012172664A1 - 攪拌・脱泡装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る攪拌・脱泡装置1の例を示す正面断面図(概略図)であり、図2は、その一部を拡大した斜視図(概略図)である。なお、各実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図の簡素化のために、一部のボルト・ナット類については図示を省略している。
本実施形体においては、容器ホルダ11と当該容器ホルダ11に保持された容器2、公転部材12、およびアウターリング13がケース20の内部に配設される。なお、構造材料として、一般構造材料(金属材料、樹脂材料)が用いられ、特に限定されるものではない(他の構成に関しても同様)が、強度部材にはジュラルミン等を用いると好適である。
また、本実施形体においては、4個の容器ホルダ11を周方向に等間隔で(すなわち回転軸12aを中心とする十字状に)備えて、4個の容器2を保持できる構造としているが、これに限定されるものではない。
特に、本実施形態においては、公転部材12の公転方向すなわち容器ホルダ11および当該容器ホルダ11に保持された容器2の公転方向と、容器ホルダ11および当該容器ホルダ11に保持された容器2の自転方向を逆方向とすることが可能となる。その結果、容器ホルダ11(容器2)の公転方向と自転方向とが同方向である場合と比較して、容器2内の材料の攪拌効果を格段に向上させることが可能となる。なお、この効果はグリス等の高粘度攪拌材料を用いた比較実験の結果、実証されたものである。
例えば、樹脂弾性リング31として、ゴム材料(一例として、硬度50のシリコンゴムが好適である)からなるOリングが用いられ、緩み・撓み・滑り等が生じないように、縮径する方向に所定の張力を生じさせた状態で凹状溝14内に嵌設されている。
なお、当接の際に樹脂弾性リング31に軸方向への分力(押動力)が作用するのは、曲率の異なる部材同士すなわち容器ホルダ11(凹状溝14の樹脂弾性リング31)とアウターリング13(凸状レール15の頭頂面15a)とが角度(ここではθ)を持って当接するためである。
例えば、樹脂弾性リング31として、直径7[mm]のOリングを用いて、つぶししろL2を径方向寸法の30[%]つまりL2=2.1[mm]に設定すると、最も圧接された状態の径方向寸法L1は、L1=4.9[mm]となる。したがって、上記の隙間Fは、寸法が2.45[mm]以下となるように設定される。
これによれば、ケース20内を真空にして、攪拌・脱泡を行うことで、より一層、脱泡作用を高めることが可能となる。
攪拌・脱泡を行う対象物となる材料は、中蓋2Bおよび外蓋2Cを取り外した状態で、開口部2aから本体部2Aに入れられて、その後本体部2Aに中蓋2Bおよび外蓋2Cが嵌合および羅合される。
なお、本実施形態においては、中蓋2Bおよび外蓋2Cには、それぞれ通気孔2bおよび2cが設けられているが、適宜、当該通気孔2b、2cを省略する構成としてもよい。また、適宜、中蓋2B、外蓋2Cを省略する構成としてもよい。
これによれば、容器ホルダ11が回転(自転)する際に、容器ホルダ11に対して容器2が周方向に回動することが防止され、容器ホルダ11の回転力が容器2に伝達されて、当該容器2を回転(自転)させる作用を得ることができる。
なお、本実施形態においては、容器2と容器ホルダ11とを別体に形成しているが、一体に形成する構成とすることも考えられる。
これによれば、蓋部22を開くことによって、容器ホルダ11への容器2の着脱が可能となる。一方、蓋部22を閉めることによって、ケース20内を真空状態とすることができ、その状態で、容器2を自転および公転させて容器2内の材料の攪拌・脱泡を行うことが可能となる。一例として、蓋部22は、透明な樹脂材料を用いて形成される。
これによれば、公転速度(回転速度[rpm])に対して、自転速度(回転速度[rpm])を高速化することが可能となり、攪拌能力を高めることができる。
一例として、凸状レール15の頭頂面15aの全長を、容器ホルダ11の樹脂弾性リング31の全長の2倍に設定している。したがって、公転速度が800[rpm]に設定された場合、レール部13bの全長と凸状レール15の頭頂面15aの全長との比(ここでは2:1)に応じて、自転速度が1600[rpm]に設定されることとなる。なお、当該公転速度および自転速度は上限ではなく、さらなる高速化もなし得るものである。
なお、前述の通り、公転部材12の回転速度に応じて、容器2の自転速度も自動的に設定されるため、複雑な制御機構が不要となり、製造コストの低減が達成される。
続いて、本発明の第二の実施形態に係る攪拌・脱泡装置1について説明する。第二の実施形態に係る攪拌・脱泡装置1は、前述の第一の実施形態と基本的な構成は同様であるが、特にアウターリング13、凹状溝14等の構成において相違点を有する。ここで、図6は、第二の実施形態に係る攪拌・脱泡装置1の例を示す正面断面図(概略図)であり、図7は、その一部を拡大した斜視図(概略図)である。また、凹状溝14およびその周辺構造の拡大図として、図6におけるY部の拡大図(断面図)を図8に示す。図9は、樹脂弾性リング31のアウターリング13への当接状態を示す図であり、自転軸Rと直交する樹脂弾性リング31配設面における断面で図示している。以下、第一の実施形態との相違点を中心に説明する。
このように、樹脂弾性リングの脱落・切断が防止できるため、容器ホルダ(および容器)の公転・自転速度をより高速化することが可能となり、効率的な攪拌・脱泡作用を得ることができる。
Claims (6)
- 容器を自転させる手段および公転させる手段を備え、該容器を回転させて該容器内に収容された材料の攪拌および脱泡の少なくとも一方を行う攪拌・脱泡装置において、
複数の容器を各々保持する複数の容器ホルダと、
前記各容器ホルダを自転可能に支持すると共に、回転軸を中心に回転可能に設けられて、該各容器ホルダを該回転軸の周りに公転させる公転部材と、
前記公転部材を回転駆動する駆動手段と、
内周部が全ての前記容器ホルダの外周部と当接するように該容器ホルダを取り囲んで配設された環状のアウターリングと、を備え、
前記容器ホルダと前記アウターリングとは、該容器ホルダの外周部に環状に設けられた凹状溝内に嵌設された樹脂弾性リングと、該アウターリングの内周部に設けられた当接面とが当接するように配設されると共に該アウターリング配設面に対して該容器ホルダの自転軸が所定の角度をなすように配設され、且つ、前記当接を開始する位置から前記当接を終了する位置までにおける該容器ホルダの凹状溝と該アウターリングとの間の隙間が、該アウターリングとの当接により最も圧接された状態における前記樹脂弾性リングの径方向寸法の2分の1以下となるように配設されており、
前記容器ホルダは、前記公転部材の公転によって、前記回転軸の周りに公転し且つ前記アウターリングから受ける摩擦力によって自転すること
を特徴とする攪拌・脱泡装置。 - 前記アウターリングの当接面は、該アウターリングの内周部に環状に設けられた凸状レールの頭頂面として形成され、
前記容器ホルダと前記アウターリングとは、該アウターリングの周方向において前記樹脂弾性リングと前記凸状レールの頭頂面とが当接を開始する位置以前から当接を終了する位置以後まで、該頭頂面が前記容器ホルダの凹状溝内に入り込んだ状態となるように配設されていること
を特徴とする請求項1記載の攪拌・脱泡装置。 - 前記容器ホルダは、前記凹状溝の上部頭頂面と前記アウターリングの当接面との間隔が相対的に大きく、前記凹状溝の下部頭頂面と前記アウターリングの当接面との間隔が相対的に小さくなるように設けられていること
を特徴とする請求項1記載の攪拌・脱泡装置。 - 前記容器ホルダは、前記樹脂弾性リングのつぶししろが径方向寸法の20〜30%となるように前記アウターリングに圧接されて配設されていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の攪拌・脱泡装置。 - 少なくとも前記容器、前記容器ホルダ、前記公転部材、および前記アウターリングが配設されるケースを備え、
前記ケースは密閉可能に形成され、
前記ケース内を真空にする真空ポンプをさらに備えること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の攪拌・脱泡装置。 - 前記容器は、内壁面に一または複数の凸状部を有すること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の攪拌・脱泡装置。
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