JP2013202482A - 遠心機、それに用いられる変動成分重畳機構、及び、処理方法 - Google Patents

遠心機、それに用いられる変動成分重畳機構、及び、処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大型化を招くことなく、収納した被処理材料に対する遠心機の処理性能を高めることが可能な遠心機を提供する。
【解決手段】遠心機1は、公転軸線L1を中心に回転可能な公転体20と、公転体20に保持されて、自転軸線L2を中心に回転可能な自転体30と、自転体30と共に回転して、被処理材料Mを収納する収納容器50と、公転体20と自転体30とを回転させる駆動部60と、少なくとも公転体20の回転速度に、周期性を有する変動成分を重畳する重畳部70と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理材料を公転させながら自転させることによって、当該被処理材料を処理する遠心機及び処理方法に関する。併せて、本発明は、遠心機に用いられる変動成分重畳機構に関する。
被処理材料を収納した収納容器を公転させながら自転させることによって、当該被処理材料を処理する遠心機(自転公転式の遠心機)が知られている。この遠心機は、例えば特許文献1にあるように、被処理材料の撹拌処理と脱泡処理とを同時に行う、撹拌脱泡装置として利用される。あるいはこの遠心機は、被処理材料を粉砕するボールミル(特許文献2参照)や、被処理材料を乳化する乳化装置(特許文献3参照)等として利用される。
ここで、遠心機においては、被処理材料の処理性能を更に高めることが要求されている。これを実現するためは、例えば公転半径を大きくすることで、被処理材料に働く遠心力を高めることが考えられる。
特許第4084493号公報 特開2002-143706号公報 特開2010-194470号公報
しかしながら、上記のように公転半径を大きくした場合には、遠心機が大型化してしまう。このことは、遠心機の高コスト化等にもつながってしまう。
本発明は、上記事情を鑑みなされたものであって、大型化を招くことなく、収納した被処理材料に対する処理性能を高めることが可能な遠心機を提供することを目的とする。併せて、本発明は、遠心機に用いられる変動成分重畳機構、及び、被処理材料の処理方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の一つの実施態様は、
公転軸線を中心に回転可能な公転体と、
前記公転体に保持されて、自転軸線を中心に回転可能な自転体と、
前記自転体と共に回転して、被処理材料を収納する収納容器と、
前記公転体と前記自転体とを回転させる駆動部と、
少なくとも前記公転体の回転速度に、周期性を有する変動成分を重畳する重畳部と、
を備える遠心機を提供する。
この遠心機は、重畳部により、公転体の回転速度に周期性を有する変動成分を重畳することで、被処理材料に働くせん断力を高めることができる。これにより、本遠心機は、大型化を招くことなく、被処理材料に対する高い処理能力を発揮する。
(2)この遠心機において、
前記重畳部は、非円形歯車機構を有し構成されてもよい。
(3)この遠心機において、
前記重畳部は、前記公転体が1回転する間に周期性を有する回転速度の変動が1周期分以上行われるように重畳をおこなうものであってもよい。
(4)本発明の別の実施態様は、
被処理材料を収納した収納容器を、公転軸を中心に回転させつつ、自転軸を中心に回転させる遠心機に用いられる変動成分重畳機構であって、
少なくとも前記公転軸を中心とした回転の回転速度に、周期性を有する変動成分を重畳する変動成分重畳機構を提供する。
この変動成分重畳機構は、遠心機において、公転軸を中心とした回転の回転速度に周期性を有する変動成分を重畳する。これにより、被処理材料に働くせん断力を高めることができるので、本変動成分重畳機構は、遠心機の大型化を招くことなく、その被処理材料に対する処理能力を向上させる。
(5)本発明の別の実施態様は、
被処理材料を収納した収納容器を、公転軸を中心に回転させつつ、自転軸を中心に回転させることで前記被処理材料を処理する処理方法であって、
少なくとも前記公転軸を中心とした回転の回転速度に、周期性を有する変動成分を重畳する処理方法を提供する。
この処理方法は、公転軸を中心とした回転の回転速度に周期性を有する変動成分を重畳する。これにより、被処理材料に働くせん断力を高めることができるので、本処理方法は、被処理材料に対する高い処理能力を発揮する。
本実施の形態に係る遠心機の概略断面図。 重畳部の動作の一例を示すグラフ。
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。すなわち、以下の実施の形態で説明するすべての構成が本発明にとって必須であるとは限らない。又、本発明は、以下の内容を自由に組み合わせたもの、又、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更を加えたものを含む。
(1)遠心機1の構成
以下、本実施の形態に係る遠心機1の構成について、図面を参照して説明する。遠心機1は、図1に示すように、回転軸10と、該回転軸10に固定された公転体20と、該公転体20に取り付けられる自転体30及びバランス錘40と、自転体30と共に回転する収納容器50と、公転体20と自転体30とを回転させる駆動部60と、公転体20と自転体30との回転速度に周期性を有する変動成分を重畳する重畳部70とを備える。この遠心機1は、収納容器50に収納した被処理材料Mを処理するものであり、より具体的には、収納容器50を公転させながら自転させることによって、被処理材料Mを撹拌・脱泡、粉砕、乳化等するものである。
尚、遠心機1は、図示しない筐体や、駆動部60等を支持する支持基板80a、80bを支持し、その振動を防止する図示しない防振手段(防振ワイヤや防振バネ等)を備えるように構成してもよい。
回転軸10は、図1に示すように、仮想の直線である公転軸線L1を中心に回転するように構成される。尚、回転軸10は、図示するように鉛直に伸びる公転軸線L1を中心に回転するように構成してよい。但し、回転軸10は、これに限定されるものでなく、例えば、水平に伸びる公転軸線L1を中心に回転するように構成してもよい。
公転体20は、図1に示すように、回転軸10に固定されて該回転軸10と共に公転軸線L1を中心に回転する。又、公転体20は、公転軸線L1に対し直交する一方向に延び、途中に屈曲部21が形成された自転体30を取り付けるための第1アーム22と、該第1アーム22と逆方向に延びてバランス錘40を取り付けるための第2アーム24とを備える。
自転体30は、図1に示すように、有底形状で、上端側が開口した自転体本体32と、該自転体本体32の底部に取り付けられた自転軸34とを備える。又、自転体30は、自転軸34がベアリング36を介して、公転体20の第1アーム22に回転可能に取り付けられる。より具体的に、自転体30は、屈曲部21を介して公転軸線L1から所定距離離れた位置に回転可能に取り付けられる。これにより、自転体30は、公転体20の回転に伴って、公転軸線L1を中心に公転することになる。併せて、自転体30は、公転体20に対して、該公転体20を通る仮想の直線である自転軸線L2を中心に自転可能となる。
尚、自転体30は、公転体20が屈曲部21を有していることに基づき、その自転中心である自転軸線L2が、公転中心である公転軸線L1に対し所定の角度で斜めに交差する。この角度は限定されるものではないが、例えば、図示するように45度としてよい。又、自転体30は、公転体20に屈曲部21を設けないことによって、自転軸線L2が公転軸線L1に対し交差しないように構成してもよい。
バランス錘40は、図1に示すように、公転体20の第2アーム24に、公転軸線L1からの距離が変更可能に取り付けられている。このバランス錘40は、公転体20のバランスを調整するものであり、公転軸線L1からの距離を適宜調整することにより、遠心機1を安定して動作させる。
収納容器50は、図1に示すように、底部を有する円筒状に形成されて、被処理材料Mを収納可能な本体部52と、該本体部52の開口した部分を封止する蓋部54とを備える。
本体部52は、自転体30の自転体本体32に装着されて、該自転体本体32と共に、公転軸線L1を中心に公転、かつ、自転軸線L2を中心に自転可能に構成される。この本体部52は、自転体本体32に装着されることで、当該本体部52の中心を通る仮想の直線である中心軸線が自転軸線L2と重なるように配置される。尚、本体部52には、より確実に自転体本体32と共に回転できるように、自転体本体32に対し固定するための図示しない公知の固定機構等を設けてもよい。又、変形例として、本体部52は、自転体本体32に装着された際に、当該本体部52の前記中心軸線と自転軸線L2とが重ならないように配置してもよい。
蓋部54は、本体部52の開口した部分に取り付けられる。この蓋部54は、例えば、本体部52と螺合できるようにする図示しないねじ機構を利用して、本体部52に取り付けられる。
駆動部60は、公転体20と自転体30とを回転させることで、収納容器50を公転させながら自転させるものであり、図1に示すように、モータ61と、自転駆動機構62とを備える。モータ61は、支持基板80bに固定されており、重畳部70を介して、回転軸10に回転力を付与して公転体20を回転させることで、公転軸線L1を中心に収納容器50を公転させる。
自転駆動機構62は、自転体30の自転軸34に固定された自転プーリー64と、回転軸10と同心となるように支持基板80aに固定された自転力付与プーリー66と、公転体20の屈曲部21に固定されたアイドラプーリー67と、該アイドラプーリー67により屈曲した状態で、自転プーリー64及び自転力付与プーリー66に掛け回されるベルト68とを備える。
上記構成を有することにより、自転駆動機構62は、ベルト68によって、自転プーリー64及び自転力付与プーリー66の回転角速度が関連付けされるため、自転プーリー64及び自転力付与プーリー66が遊星歯車機構と同様の挙動を示す。従って、自転駆動機構62は、モータ61が駆動して重畳部70を介し公転体20を回転させることにより、自転プーリー64が回転して、自転軸線L2を中心に収納容器50を自転させる。
重畳部70は、駆動部60により回転させられる公転体20と自転体30との回転速度に、周期性を有する変動成分を重畳することで、周期性を有する変動成分が重畳された回転速度にて、収納容器50を、公転軸線L1を中心として公転させると共に、自転軸線L2を中心として自転させるものである。この重畳部70は、図1に示すように、モータ61の回転軸に取り付けられる第1歯車72と、回転軸10に取り付けられる第2歯車74とにより構成される非円形歯車機構を備える。尚、重畳部70は、被処理材料Mに働くせん断力をより高めるために、公転体20が1回転する間、即ち、収納容器50が公転軸線L1を中心に1回転分公転する間に、周期性を有する回転速度の変動が1周期分以上行われるように、上記の重畳を行えるよう構成することが好ましい。
第1歯車72、第2歯車74としては、非円形歯車機構を構成するものであれば、種々のものを採用できる。例えば、第1歯車72、第2歯車74は、図2のグラフ中に歯部を省略して模式的に示すようなものとすることができる。この図示する第1歯車72、第2歯車74は、略同形であって、ピッチ円が非真円形である楕円の歯車であり、一方の長径と他方の短径とが接触可能に噛み合うように配置される。
上記ように構成される第1歯車72、第2歯車74では、図2のグラフに線LSで示すように、第1歯車72の回転(回転角度)に応じて、第1歯車72の回転速度に対する第2歯車74の回転速度の比(以下、「速度比」と記す)が変化する。即ち、第1歯車72の長径と第2歯車74の短径とが接触可能に噛み合う際に速度比が最大(P1)となり、その後、第1歯車72が回転することで速度比が低下して1となり(P2)、更に第1歯車72が回転することで速度比が更に低下して、第1歯車72の短径と第2歯車74の長径が接触可能に噛み合う際に速度比が最小(P3)となる。その後、第1歯車72が回転することで速度比が上昇に転じて1となり(P4)、更に第1歯車72が回転することで、再び第1歯車72の長径と第2歯車74の短径とが接触可能に噛み合う際に速度比がP1と同じ値(P5)となる。以降も同様に、第1歯車72の回転に伴い速度比の変動が周期性を有して繰り返される。
従って、上記のように構成される第1歯車72、第2歯車74は、駆動部60のモータ61が1回転した際に、2周期分の周期性を有する変動成分を重畳して公転軸線L1を中心に収納容器50を1回転分公転させる。即ち、第1歯車72、第2歯車74は、収納容器50が公転軸線L1を中心に1回転分公転する間に行われる周期性を有する回転速度の変動が、2周期分となるように周期性を有する変動成分の重畳を行う。尚、第1歯車72、第2歯車74は、モータ61が定速運転、加速運転、減速運転の何れの運転状態であっても、上記周期性を有する変動成分の重畳を行う。又、収納容器50は、公転体20が周期性を有する回転速度の変動を行いつつ回転することで、駆動部60の自転駆動機構62により駆動されて、周期性を有する回転速度の変動を行いつつ自転軸線L2を中心に自転する。
(2)被処理材料M
本実施の形態に適用可能な被処理材料Mは、流体として挙動するものであればよく、その組成や用途は特に限定されるものではない。被処理材料Mとして、流体成分(樹脂等)のみを含む材料や、流体成分のほかに粒状成分(粉状成分)を含む材料などを適用することができる。被処理材料Mとして、例えば、接着剤、シーラント剤、液晶材料、LEDの蛍光体と樹脂とを含む混合材料、半田ペースト、歯科用印象材料、歯科用セメント(穴埋め剤等)、液状の薬剤等の種々の材料を適用することができる。又、被処理材料Mとして、粒状(粉状)材料と、これを粉砕するためのメディア(例えばジルコニアボール)を適用することも可能である。あるいは、被処理材料Mとして、乳化処理の対象となる流体を適用することも可能である。
(3)被処理材料Mの処理方法
本実施の形態における処理方法は、まず被処理材料Mを収納容器50の本体部52内に収納して、蓋部54により封止する。続いて、本体部52を自転体30の自転体本体32に装着する。その後、遠心機1を動作させることで、公転軸線L1を中心に本体部52を公転させつつ、自転軸線L2を中心に自転させ、被処理材料Mを処理する。
(4)作用効果
以下、本実施の形態における遠心機1が奏する作用効果について説明する。
遠心機1では、自転体30の自転体本体32に装着され、被処理材料Mを収納した収納容器50が、重畳部70の作用により、周期性を有する回転速度の変動を行いつつ公転軸線L1を中心に公転する。これにより、遠心機1は、収納容器50を、周期性を有する回転速度の変動を行わず公転軸線L1を中心に公転させる(以下、「非変動回転させる」と記載)場合と比較して、被処理材料Mに強いせん断力を作用させることができるので、大型化を招くことなく、被処理材料Mに対する高い処理能力を発揮する。
以下では、遠心機1が被処理材料Mに対し高い処理能力を発揮できることを説明するために、収納容器50の本体部52内に収納された被処理材料Mに気泡が混入していることを仮定して、その気泡と接する材料のひずみを評価する。尚、以下のひずみの評価においては、理想気体を想定する式等を利用している。従って、下記評価は、厳密なものではないが、本目的の範囲において十分な意義を有するものである。
まず、被処理材料Mに混入した気泡内の圧力Pは、下記の数式1にて求めることができる。尚、数式1において、密度ρは被処理材料Mの密度、遠心加速度aは収納容器50の公転軸線L1を中心とする公転による遠心加速度、距離hは、気泡から被処理材料Mの液面までの距離である。
Figure 2013202482
又、遠心加速度aは、下記の数式2にて求めることができる。尚、数式2において、角速度ωは収納容器50の公転軸線L1を中心とする公転の角速度、距離Lは公転軸線L1から気泡までの距離である。
Figure 2013202482
又、気泡の体積Vは、下記の数式3にて求めることができる。尚、数式3において、半径rは気泡の半径である。
Figure 2013202482
ここで、遠心機1では、上記のように、収納容器50が公転軸線L1を中心に公転する際の回転速度が周期性を有し変動している。これより、駆動部60のモータ61が定速運転しているとして、収納容器50の公転軸線L1を中心とする公転が最も遅い状態における角速度(以下、「最小角速度」と記載)をω、最も速い状態における角速度(以下、「最大角速度」と記載)をωとする。又、最小角速度ωにおける気泡の半径をr、気泡内の圧力をP、気泡の体積をVとし、最大角速度ωにおける気泡の半径をr、気泡内の圧力をP、気泡の体積をVとする。
以上に基づき、最大角速度ωにおける気泡の半径rに対する最小角速度ωにおける気泡の半径rは、下記数式4に示す温度一定時のボイル法則に基づく式に、数式1〜3を代入した数式5を変形することにより、数式6のように計算される。
Figure 2013202482
Figure 2013202482
Figure 2013202482
又、気泡と接する被処理材料Mのひずみεは、数式7のように計算される。
Figure 2013202482
ここで、例えば、遠心機1において、最小角速度ωに対する最大角速度ωが3であるならば、最大角速度ωにおける気泡の半径rに対する最小角速度ωにおける気泡の半径rは2.1となり、気泡と接する被処理材料Mのひずみεは1.1となる。一方、収納容器50を、公転軸線L1を中心に非変動回転をさせた場合には、最小角速度ωと最大角速度ωとは等しくなるので、気泡と接する被処理材料Mのひずみεは0となる。
以上の評価に基づき、遠心機1は、収納容器50を、公転軸線L1を中心に非変動回転をさせた場合において生じなかった成分である被処理材料Mのひずみを生じさせる。即ち、遠心機1は、収納容器50を、非変動回転させる場合に被処理材料Mに働かなかった成分であるせん断力を、被処理材料Mに働かせる。
これより明らかであるように、遠心機1は、収納容器50を、非変動回転させる従来の遠心機と比べて、大型化を招くことなく、被処理材料Mに対する高い処理能力を発揮する。例えば、遠心機1は、攪拌脱泡装置として使用した際に、被処理材料Mに混入した気泡を上記従来の遠心機と比べて効率よく脱泡できる。
尚、上記において、被処理材料Mに気泡が混入していることを仮定して説明を行ったが、遠心機1では、被処理材料M自体も、当然に周期的に変動する遠心加速度を受ける。従って、遠心機1では、被処理材料Mへの気泡の混入の有無にかかわらず、周期的に変動する遠心加速度に基づくせん断力が被処理材料Mに作用するので、非変動回転させる従来の遠心機と比べて、被処理材料Mに対する高い処理能力を発揮する。
又、遠心機1は、収納容器50が公転軸線L1を中心に1回転分公転する間に周期性を有する回転速度の変動が1周期分以上行われるように、重畳部70が周期性を有する変動成分の重畳を行うよう構成することが好ましい。これは、上記のようなせん断力を短時間に繰り返し被処理材料Mに作用させることで、被処理材料Mに対するより高い処理能力を発揮できるためである。
又、遠心機1は、非円形歯車機構を用いて重畳部70を構成することで、周期性を有する変動成分が重畳された回転速度にて、容易に且つ簡便に、収納容器50を、公転軸線L1を中心として公転させると共に、自転軸線L2を中心として自転させることができる。このことは、特に、公転軸線L1を中心に収納容器50を1回転分公転させる間に、周期性を有する回転速度の変動を1周期分以上行わせる際に有効である。
(5)変形例
尚、遠心機1は、非円形歯車機構を用いず、他の構成により重畳部70を実現してもよい。例えば、重畳部70は、図示しないプーリーを用いて構成してよい。又、重畳部70は、駆動部60のモータ61の回転速度を公知の制御手法を用いて制御することにより実現してもよい。この場合においては、モータ61の回転速度そのものに、周期性を有する変動成分が重畳される。本変形例に係る遠心機1では、周期性を有する変動成分が重畳されたモータ61の回転を、回転軸10に伝達することにより、周期性を有する変動成分が重畳された回転速度にて、収納容器50を、公転軸線L1を中心として公転させると共に、自転軸線L2を中心として自転させることができる。
又、遠心機1は、収納容器50の公転軸線L1を中心とした公転と、自転軸線L2を中心とした自転との何れか一方のみに周期性を有する変動成分を重畳することも考えられる。特に、遠心機1では、収納容器50の自転軸線L2を中心とした自転の回転速度に、周期性を有する変動成分を重畳することを行わなくとも、上記のような効果が発揮されることが確認されている。従って、遠心機1は、公転軸線L1を中心とする収納容器50の公転の回転速度のみが、周期性を有し変動するよう構成してもよい。例えば、遠心機1は、駆動部60の自転駆動機構62にかわって、モータ61と異なる図示しないモータを備えるように構成してよい。この変形例に係る遠心機1では、前記図示しないモータを用いて、周期性を有する回転速度の変動が発生しないように収納容器50を、自転軸線L2を中心に自転させる。
1…遠心機、 10…回転軸、 20…公転体、 21…屈曲部、 22…第1アーム、 24…第2アーム、 30…自転体、 32…自転体本体、 34…自転軸、 36…ベアリング、 40…バランス錘、 50…収納容器、 52…本体部、 54…蓋部、 60…駆動部、 61…モータ、 62…自転駆動機構、 64…自転プーリー、 66…自転力付与プーリー、 67…アイドラプーリー、 68…ベルト、 70…重畳部、 72…第1歯車、 74…第2歯車、 80a…支持基板、 80b…支持基板、 L1…公転軸線、 L2…自転軸線、 LS…線、 M…被処理材料
(1)本発明の一つの実施態様は、公転軸線を中心に回転可能な公転体と、前記公転体に保持されて、自転軸線を中心に回転可能な自転体と、前記自転体と共に回転して、被処理材料を収納する収納容器と、前記公転体と前記自転体とを回転させる駆動部と、周期性を有し、前記公転体が1回転する間に1周期分以上の速度変動を生じさせる変動成分を、少なくとも前記公転体の回転速度に重畳する重畳部と、を備える遠心機を提供する。
この遠心機は、重畳部により、周期性を有し、公転体が1回転する間に1周期分以上の速度変動を生じさせる変動成分を、少なくとも公転体の回転速度に重畳することで、被処理材料に働くせん断力を高めることができる。これにより、本遠心機は、大型化を招くことなく、被処理材料に対する高い処理能力を発揮する。
(2)この遠心機において、前記重畳部は、非円形歯車機構を含み構成されてもよい。
)本発明の別の実施態様は、被処理材料を収納した収納容器を、公転軸を中心に回転させつつ、自転軸を中心に回転させる遠心機に用いられる変動成分重畳機構であって、周期性を有し、前記公転軸線を中心とした1回転の間に1周期分以上の速度変動を生じさせる変動成分を、少なくとも前記公転軸を中心とした回転の回転速度に重畳する変動成分重畳機構を提供する。
この変動成分重畳機構は、遠心機において、周期性を有し、公転軸線を中心とした1回転の間に1周期分以上の速度変動を生じさせる変動成分を、少なくとも公転軸を中心とした回転の回転速度に重畳する。これにより、被処理材料に働くせん断力を高めることができるので、本変動成分重畳機構は、遠心機の大型化を招くことなく、その被処理材料に対する処理能力を向上させる。
)本発明の別の実施態様は、被処理材料を収納した収納容器を、公転軸を中心に回転させつつ、自転軸を中心に回転させることで前記被処理材料を処理する処理方法であって、周期性を有し、前記公転軸線を中心とした1回転の間に1周期分以上の速度変動を生じさせる変動成分を、少なくとも前記公転軸を中心とした回転の回転速度に重畳する処理方法を提供する。
この処理方法は、周期性を有し、公転軸線を中心とした1回転の間に1周期分以上の速度変動を生じさせる変動成分を、少なくとも公転軸を中心とした回転の回転速度に重畳する。これにより、被処理材料に働くせん断力を高めることができるので、本処理方法は、被処理材料に対する高い処理能力を発揮する。

Claims (5)

  1. 公転軸線を中心に回転可能な公転体と、
    前記公転体に保持されて、自転軸線を中心に回転可能な自転体と、
    前記自転体と共に回転して、被処理材料を収納する収納容器と、
    前記公転体と前記自転体とを回転させる駆動部と、
    少なくとも前記公転体の回転速度に、周期性を有する変動成分を重畳する重畳部と、
    を備える遠心機。
  2. 前記重畳部は、非円形歯車機構を有し構成される請求項1記載の遠心機。
  3. 前記重畳部は、前記公転体が1回転する間に周期性を有する回転速度の変動が1周期分以上行われるように重畳を行う請求項1又は請求項2記載の遠心機。
  4. 被処理材料を収納した収納容器を、公転軸を中心に回転させつつ、自転軸を中心に回転させる遠心機に用いられる変動成分重畳機構であって、
    少なくとも前記公転軸を中心とした回転の回転速度に、周期性を有する変動成分を重畳する変動成分重畳機構。
  5. 被処理材料を収納した収納容器を、公転軸を中心に回転させつつ、自転軸を中心に回転させることで前記被処理材料を処理する処理方法であって、
    少なくとも前記公転軸を中心とした回転の回転速度に、周期性を有する変動成分を重畳する処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020093221A (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 株式会社ビートセンシング 粉砕装置用容器及びこれを備えた粉砕装置。

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