JP6718725B2 - 三次元式の自転・公転式の撹拌装置 - Google Patents

三次元式の自転・公転式の撹拌装置 Download PDF

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本発明は、被混練物を公転ならびに自転させて生じる歳差運動により被混練物を混練する自転・公転式の撹拌装置に関するものである。
従来、被混練物を自転ならびに公転させることにより複合遠心力を用いた自転・公転式の撹拌装置が知られており、通常の撹拌作業では混練しにくい被混練物についても短時間で確実に混練されることから、各種の分野において使用されている。
特に、近頃、この種の撹拌装置は、例えばプリント回路基板による電気回路装置の製造においてプリント配線部に対して半導体デバイスを接続する半田付けのために用いられるソルダーペーストや各種の製造過程で用いられるエポキシ樹脂接着剤、コーティング剤のようにきわめて粘性の高い混練剤をシリンジに充填した被混練物を使用時に混練する際や乳液などの混練などに用いられている。
ところが、前述のような被混練物は高粘度であることから従来から用いられている被混練物を自転軸に沿って配置する形式の自転・公転式の撹拌装置では特定の一部しか混練させることができなかった。
そこで、公転軸(基準軸)を中心として水平面内で回転する公転回転体と、前記回転体の回転中心から径方向位置に設けた自転軸を中心として回転する自転回転体に被混練物を収納した縦長の被混練物収納容器を前記自転軸に対して斜めに配置することにより自転と公転とによる二重の遠心力に加えて歳差運動(首振り状に回転)して上下方向にも大きな移動運動による混練作用が作用して全体が混練される自転・公転式の撹拌装置が提案されており、たとえば、特開平6−343913号公報、特開2006−130492号公報などに提示されている。
前記公報に提示されている自転・公転式の撹拌装置は、図9に示すように公転軸(基準軸)Aを中心として水平面内で例えば電動機5により回転する公転回転体1と、前記公転回転体1の回転中心から径方向位置に設けた自転軸Bを中心として回転する自転回転体2に被混練物を収納した縦長の被混練物収納容器9の中心軸Cを前記自転軸Bに対して斜めに配置したものであり、それまでの自転軸Bを中心として被混練物を収納した被混練物収納容器9の中心軸Cを同軸に配置した自転・公転式の撹拌装置(図示せず)に比べて歳差運動による上下方向への移動による混練作用により大きな撹拌力を発揮させることができるという利点を有している。
ところで、例えばシリンジに収納されたペースト状を呈する高粘性の被混練物を対象とする場合には自転回転体を例えば2,000rpmを超える高速回転とさせる必要があることが一般に知られており、前記公報に提示されているような被混練物収納容器9の下部を支持するような自転回転体2への取り付け手段では構造上から1,000rpm程度が限界であって必要とされる高速回転に耐えることができない、という問題がある。
一方、例えば図10に示すように、公転軸(基準軸)Aを中心として水平面内で回転する公転回転体と、前記公転回転体の回転中心から径方向位置に設けた自転軸を中心として回転する自転回転体にその自転軸に交差する軸心を有する被混練物を充填した被混練物収納容器を配置した自転・公転式の撹拌装置が例えば特開平3−109931号公報、特開2010−194470号公報などに提示されている。
これらの自転・公転式の撹拌装置によると、自転軸に交差して配置された被混練物収納容器内の被混練物が前記公転と自転により生じる混合遠心力により前記容器の軸線方向および側面方向に往復運動として加えられることになり比較的良好な混練を行うことができる。
特開平6−343913号公報 特開2006−130492号公報 特開平3−109931号公報 特開2010−194470号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、被混練物を自転と公転とによる二重の遠心力に加えて自転中心軸を中心とする歳差運動(首振り状に回転)させて公転による遠心力による上下方向への移動運動による混練作用を作用させて全体が混練される自転・公転式の撹拌装置において、自転回転体を高速で回転可能にするとともに、粘性の高い被混練物についても対応可能なものを提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた本発明は、公転軸(基準軸)を中心として水平面内で回転する公転回転体と、前記公転回転体の回転中心から径方向位置に設けた第1自転軸を中心として回転する第1自転回転体に前記第1自転軸に交差する第2自転軸を中心として回転する第2自転回転体が配置されているとともに、前記第2自転回転体に被混練物を充填した被混練物収納容器がその長さ方向の軸心を前記第2自転軸に沿って配置され、前記第2自転回転体に配置された前記被混練物収納容器が前記公転回転体、前記第1自転回転体および第2自転回転体により三次元式に回転して前記被混練物収納容器に充填した被混練物が混練されることを特徴とする。
本発明は、前記従来の自転・公転式の撹拌装置と同様に、第1自転軸に交差して配置された被混練物収納容器内の被混練物が前記公転と第1自転により生じる混合遠心力により前記被混練物収納容器の軸線方向および側面方向に往復運動として加えられることにより、前記公報に提示されている従来の自転・公転式の撹拌装置と同様に比較的良好な混練を行うことができることに加えて、前記被混練物収納容器を前記第1自転軸に交差する第2自転軸を中心として自転させることにより、更に、前記被混練物収納容器の内壁に付着する被混練物を残さず撹拌することが可能であり、より一層の撹拌効果を生じさせることができる。
また、本発明において、前記第1自転回転体が頂面を開口した容器型のホルダーであって、前記第2自転回転体は前記第1自転回転体に着脱自由に嵌挿される差し込み容器の頂部に前記被混練物を充填した被混練物収納容器をその軸心を第2自転軸として回転可能に且つ着脱自由に保持する前記被混練物収納容器の保持部を有する外装体を有しているとともに前記差し込み容器内に前記保持部を自転させるための少なくとも電動機および前記電動機を駆動させるための固定電源および前記電動機と前記外装体の保持部との間に介装される駆動機構からなる駆動装置が内蔵されている場合には、従来の自転・公転式の撹拌装置の仕様を変更せずにそのまま従来の使用をも可能にした状態で実施させることができ、特に、前記第2自転回転体の回転駆動を含めて前記第1自転回転体と独立して駆動可能としたので構造も簡単で取り扱いも容易である。
更に、前記駆動装置が前記差し込み容器内に固定されていることにより第1自転回転体を高速で自転させても確実に第2自転回転体を高速で回転させることが可能である。
特に、本発明は被混練物収納容器として混練し難いといわれている粘性の高い被混練物に用いられる細長のシリンジ型の容器である場合にも十分に対応することができる。
更にまた、本発明において、前記第1自転回転体の回転を停止させ或いは減速させると同時に前記公転回転体を公転させることにより前記被混練物収納容器内の被混練物に公転回転体の回転による遠心力を与えて脱泡を行うことにより粘性の高い被混練物であっても効率よく、脱泡を行うことができ、特に、混練後に脱泡を行うと効果的である。
殊に、前記公転回転体を回転させる前記公転軸(基準軸)と前記第1自転回転体の第1自転軸とが連動して前記公転軸(基準軸)の駆動により前記第1自転回転体が回転するとともに、前記公転軸(基準軸)と前記第1自転軸との連動を解除し或いは駆動率を低下させて前記第1自転回転体の回転を停止させ或いは減速させる構成とする場合には少ない部品と省エネルギーとを両立させることができるものである。
本発明によれば、粘性の高い被混練物を被混練物収納容器の歳差運動による上下方向への移動による混練作用が行えるとともに上下方向に配置されたベアリング軸受で支えられた自転軸を中心とする自転回転体の高速での回転を可能として、細長いシリンジ型の被混練物収納容器に充填した粘性の高い被混練物についても対応可能なものを提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態を示す説明図。 図1に示した実施の形態において第2自転回転体の詳細を示す説明図。 図1に示した実施の形態における蓋体を装着する際の説明図。 図1に示した実施の形態における混練状態の説明図。 図1に示した実施の形態における混練状態の説明図。 図1に示した実施の形態における混練状態の説明図。 本発明の異なる実施の形態を示す説明図。 本発明の更に異なる実施の形態を示す説明図。 従来例を示す説明図。 異なる従来例を示す説明図。
図1乃至図6は本発明である三次元式の自転・公転式の撹拌装置の好ましい実施の形態を示すものであり、内部に同心の回転軸4を配置した中空公転回転軸6を電動機5が備えており、これら同心の回転軸4および中空公転回転軸6は公転軸Aを構成し、前記中空公転回転軸6には円板状の公転回転体1が水平状態で回転可能に固着されている。前記回転軸4は前記公転回転体1を貫通するとともに前記公転回転体1の上面に沿って配置したかさ歯車41が固着されていて、前記回転軸4は前記公転回転体1の反対側に位置する端部42と回転制御装置7をギア・ベルト等の任意の接続手段43で接続させ、また前記中空公転回転軸6は前記電動機5の制御により回転数を制御可能としていることにより、前記公転回転体1とかさ歯車41はそれぞれ別々に速度制御が可能とされている従来周知の構造を有している。なお前記回転制御装置7についても電磁ブレーキや電磁クラッチにより制御を行う従来周知のものを用いる。
また、前記公転回転体1は中心に配置した回転軸4および中空公転回転軸6(公転軸A)を挟んで所定の距離を隔てた径方向位置に嵌挿孔11が形成されているとともに、この嵌挿孔11には軸受21を介して第1自転回転体2が回転自在に嵌挿配置されている。尚、本実施の形態では前記公転回転体1は前記第1自転回転体2の取付部が上方へ向けて所定の角度に傾斜しており、前記第1自転回転体2における公転・自転による撹拌効果の向上を図っている。
そして、前記第1自転回転体2は、全体が頂面を開口した容器型のホルダーであって下部に前記公転回転体1の中空公転回転軸6に固着したかさ歯車41に噛み合うかさ歯車22の軸23に軸着された平歯車24に接触する平歯車25を外周に配置して、前記回転軸4に固着したかさ歯車41の回転がかさ歯車41およびかさ歯車22から平歯車24,25を介して伝達することで前記公転回転体1の駆動力により第1自転回転体2が回転する構成とする従来から一般に知られている自転・公転式の撹拌装置であって、そのままの状態で従来の用途に使用可能であり、また、このような構成を有する従来から使用されている自転・公転式の撹拌装置をそのまま使用することができるので経済面でも極めて有利である。尚、図面中、符号26は第1自転回転体2の軸受21の下端に取り付けられたバランス錘、符号8は前記公転回転体1における回転軸4および中空公転回転軸6を挟んで前記第1自転回転体2と対象位置に配置された重量バランス装置であり、錘81の位置がねじ体82によって前記公転回転体1の半径方向に調節可能に配置されている。
そして、本発明では、更に、前記第1自転回転体2の第1自転軸Bに交差する第2自転軸Cを有する第2自転回転体3が設けられていることが特徴である。
本実施の形態では第2自転回転体3は、前述のように前記第1自転回転体2である頂面を開口した容器型のホルダーに着脱自由に嵌挿される差し込み容器31と、その頂部に配置した外装体32を有する。
前記外装体32は前記差し込み容器31の頂部に設置された外ケース33とその内部にベアリング軸受34を介して自転可能に支持される保持部35からなる。このとき、前記ベアリング軸受34は必要に応じ1箇所または複数箇所に設ける事ができる。
また、前記差し込み容器31内には、前記外装体32内に設置した前記保持部35を自転させるための電動機36、前記電動機36の駆動用の二次電池からなる電源37、前記電動機36と前記保持部35との間に介装される駆動機構38からなる駆動装置を内蔵している。
本実施の形態では、前記駆動機構38は、前記電動機36の回転軸に減速機381を介して連結された回転体382と、この回転体382に接触配置される保持部35に装着される回転体383とからなり、前記電動機36の駆動力により外装体32内の被混練物収納容器9を保持する前記保持部35がその軸心である第2自転軸Cを中心として回転するものである。
尚、本実施の形態は電源として二次電池を用いたことから充電して使用することができ、また駆動機構38についても他の周知の機構を用いることが可能である。更に、本実施の形態では例えば保持部35を弾性を有する材料により形成するとともにその端部に形成した開口を介して被混練物収納容器9を圧接により脱着可能且つ一体的に保持可能としているが、これに限るものでなく、外装体32内部に被混練物収納容器9を保持させた保持部35を差し込み容器31内に設置した駆動装置により自転可能にできる機構であれば、他の周知技術を用いてもよい。
例えば、図3に示すように前記保持部35へ前記被混練物収納容器9を挿入した後に、前記外装体32の両端の開口部に蓋体321,321を圧入・螺着などの適宜の手段で装着することで、自転・公転による遠心力によって前記被混練物収納容器9が前記保持部35ひいては前記外装体32から外部へ脱落してしまう不具合を回避する構成とする事などが考えられる。
以上の構成を有する本実施の形態は、前述のように、公転回転体1の駆動力により自転回転体2が回転する構成である従来から一般に知られている自転・公転式の撹拌装置を用いているので、そのままの状態で従来の用途に使用可能である。そして、シリンジに粘性の高い被混練物を充填したような混練し難い被混練物10の撹拌を行うには、前記保持部35に被混練物10を充填した被混練物収納容器9を装着した状態で差し込み容器31部分を差し込み固定した後に、例えば外部に露出して設置した電源スイッチ39をオン作動させて電動機36の電源を供給させた状態で保持部35を所定の回転数で回転させるとともに前記電動機5を駆動させて第2自転回転体3を装着した第1自転回転体2を公転ならびに自転させる。このとき、本実施の形態は、従来周知の自転・公転式の撹拌装置を用いているので第1自転回転体2を例えば2,000rpmを超える高速回転させることができる。
図5乃至図6は本実施の形態である三次元式の自転・公転式の撹拌装置の被混練物収納容器9の撹拌状態を示すものであり、まず、図4(a)および図5(a)に示すように、前記被混練物収納容器9は公転により生じる遠心力の方向と前記被混練物収納容器9の角度にほぼ水平に配置され、前記被混練物収納容器9内の被混練物10は前記被混練物収納容器9の頭部方向へ押しつけられる。
そして、図4(b)および図5(b)に示すように、前記被混練物収納容器9は公転により生じる遠心力の方向と前記被混練物収納容器9の角度は、ほぼ垂直に配置され、前記被混練物収納容器9内の被混練物10は前記被混練物収納容器9の側面方向へ押しつけられる。
また、図4(c)および図5(c)に示すように、被混練物収納容器9は公転により生じる遠心力の方向と前記被混練物収納容器9の角度は、ほぼ水平に配置され、前記被混練物収納容器9内の被混練物10は前記被混練物収納容器9の底部方向へ押しつけられる。
更に、図4(d)および図5(d)に示すように、前記被混練物収納容器9は公転により生じる遠心力の方向と前記被混練物収納容器9の角度は、ほぼ垂直に配置され、前記被混練物収納容器9内の被混練物10は前記被混練物収納容器9の側面方向へ押しつけられる。
従って、公転および第1自転により前記被混練物収納容器9内の被混練物10は前記被混練物収納容器9内の上下左右への移動を繰り返して撹拌作用が加えられる。
加えて、本実施の形態では、図6(a)(b)に示すように、第2自転により前記被混練物収納容器9はその側面の全面(360°)にわたって移動するので特に前記被混練物収納容器9の内壁に付着している被混練物10を残さずに撹拌させることができるものである。
以上のように本実施の形態では公転と二つの自転を組み合わせた従来にない三次元式の自転・公転式の撹拌装置により従来困難とされていた細長のシリンジであって粘性の高い被混練物10が充填される被混練物収納容器9にも十分に対応して使用の範囲を広げることができる。
また、構造も複雑でなく、基本的に従来の自転・公転式の撹拌装置を使用することができるなど経済面でも有利であり、第2自転回転体が着脱式であり、複数個を使用することにより被混練容器の脱着に要する時間を最小限にして連続的な操業も可能である。
図7は本発明の異なる実施の形態を示す説明図であり、この実施の形態においては中空公転回転軸6ではない公転回転軸61を有する電動機51を用いた場合を示すものであるが、前記公転回転軸61と公転回転体1をギア・ベルトなどの任意の接続手段52で接続することで図1に示した実施の形態と同様の効果を奏するものである。
尚、前記図1および図7に示した実施の形態において、混練の完了後などに脱泡を行う場合においては、従来周知のように図1に示した回転軸4を回転制御装置7による制御を行わない回転フリー状態にした上で電動機5により中空公転回転軸6を回転させる事により、前記かさ歯車41と前記平歯車25のギア比が公転:自転の比となるため、自転は公転に追随して回転することとなり、公転の遠心力による脱泡効果を用いて脱泡を行うことができる。
図8は脱泡に適した本発明の更に異なる実施の形態を示すものであり、内部に同心の回転軸4を配置した中空公転回転軸6を有する電動機5が、防振バネ12を介して立設された例えば平面において四方に配置された4本の脚13により支持された支持板14に吊設されており、前記中空公転回転軸6が公転軸Aを構成し、前記中空公転回転軸6には円板状の公転回転体1が水平状態で回転可能に固着されている。
また、前記回転軸4の上端は前記公転回転体1を貫通するとともに前記公転回転体1の上面に沿って配置したかさ歯車41が固着されているとともに前記回転軸4の下端は前記中空公転回転軸6を貫通してその先端に少なくとも頂面が磁性体により形成された平板状の回転制御板71が固着されており、更に、前記電動機5の底面に沿って配置された前記公転回転軸6の下端に固着された前記回転制御板71とほぼ同径の回転板72が対向して配置されており、更に、前記回転板72の下面には前記回転制御板71に近接して電磁石73が外周付近に設置されおり、前記電磁石73に電流を流して前記回転板72に設置している電磁石73に回転制御板71を吸着させたときに回転軸4に固着した回転制御板71が回転して電動機5が中空公転回転軸6と公転回転体1とを回転させるものである。
尚、本実施の形態では回転板72に設置した電磁石73により回転制御板71を吸着させて回転軸4に伝達させる構成であるが、更に、電磁石73への電流の供給を制限或いは停止することで回転制御板71を停止させるだけでなくスリップさせることで減速して回転させることから前記公転回転体1とかさ歯車41とをそれぞれ別々に速度制御が可能とされており、本実施の形態では前記支持板14および回転板72に設置した回転検出センサー74,75により公転回転体1およびかさ歯車41の回転を検出することにより前記電磁石73の電流を制御して公転回転体1の回転数に対するかさ歯車41の回転数の比率を調節することができる。尚、図面中の符号76は前記支持板14に設置した回転検出センサー74による公転回転体1の回転数を検出するため公転回転体1と連動する回転検出板である。
そして、公転回転体1に固着した前記かさ歯車41が噛み合うかさ歯車22の軸23に軸着された平歯車24に接触する平歯車25を外周に配置して、前記回転軸4に固着したかさ歯車41の回転がかさ歯車41およびかさ歯車22から平歯車24,25を介して伝達することで第1自転回転体2が回転する構成であり、更に、前記第1自転回転体2の第1自転軸Bに交差する第2自転軸Cを有する第2自転回転体3が設けられている点は前記実施の形態と同様である。
以上の構成を有する本実施の形態は、前記第2自転回転体3に配置した被混練物収納容器9に収納した被混練物10を撹拌するには、前記電磁石73に電流を流して公転回転体1と第1自転回転体2を一体とした状態で電動機5を回転させる。
このとき、電磁石73に通電すると前記第1自転回転体2の回転は最大となり、公転回転数に対して、平歯車24,25における歯数の比で前記第1自転回転体2の回転数が決定される。例えば平歯車24の歯数10、平歯車25の歯数20、公転回転数1,000rpmの時、自転回転数は500rpmとなる。
そして、電磁石73への通電を止めると回転軸4は公転回転数と同じ回転数で回転し、前記第2自転回転体2には動力が伝わらないため回転数はゼロとなるので、電磁石73への通電量を制御して回転制御板71をスリップさせると、第1自転回転体2の自転はゼロから最大回転の間で制御することができる。
尚、本実施の形態では、被混練物収納容器9としてシリンジ容器やチューブ容器を使用しているので、例えば自転1:公転5〜20のように自転と公転の回転比が離れた方が撹拌力が強くなって適切であるが、軟膏容器を使用する場合は、自転と公転の回転比が1:1に近い方が撹拌力は強くなる。
特に、本実施の形態では、撹拌行程を終えた後、第1自転回転体の自転をゼロ或いはゼロ近くに設定することで効率よく公転の遠心力で脱泡することができるものであり、部品点数の削減と耐久性、更には脱泡に適したものを提供することができる。
1 公転回転体、2 第1自転回転体、3 第2自転回転体、4 回転軸、5 電動機、6 中空公転回転軸、7 回転制御装置、8 重量バランス装置、9 被混練物収納容器、10 被混練物、11 嵌挿孔、12 防振バネ、13 脚、14 支持板、21 軸受、22 かさ歯車、23 軸、24 平歯車、25 平歯車、26 バランス錘、31 差し込み容器、32 外装体、33 外ケース、34 ベアリング軸受、35 保持部、36 電動機、37 電源、38 駆動機構、39 電源スイッチ、41 かさ歯車、42 端部、43 接続手段、51 電動機、52 接続手段、61 公転回転軸、71 回転制御板、72 回転板、73 電磁石、74,75 回転検出センサー、76 回転検出板、81 錘、82 ねじ体、381 減速機、382 回転体、383 回転体

Claims (6)

  1. 公転軸(基準軸)を中心として水平面内で回転する公転回転体と、前記公転回転体の回転中心から径方向位置に設けた第1自転軸を中心として回転する第1自転回転体に前記第1自転軸に交差する第2自転軸を中心として回転する第2自転回転体が配置されているとともに前記第2自転回転体に被混練物を充填した被混練物収納容器がその長さ方向の軸心を前記第2自転軸に沿って配置され、前記第2自転回転体に配置された前記被混練物収納容器が前記公転回転体、前記第1自転回転体および第2自転回転体により三次元式に回転して前記被混練物収納容器に充填した被混練物が混練され三次元式の自転・公転式の撹拌装置において、
    前記第1自転回転体が頂面を開口した容器型のホルダーであって、前記第2自転回転体は前記第1自転回転体に着脱自由に嵌挿される差し込み容器の頂部に前記被混練物を充填した被混練物収納容器をその軸心を第2自転軸として回転可能に且つ着脱自由に保持する前記被混練物収納容器の保持部を有する外装体を有しているとともに前記差し込み容器内に前記保持部を自転させるための少なくとも電動機および前記電動機を駆動させるための固定電源および前記電動機と前記保持部との間に介装される駆動機構からなる駆動装置が内蔵されていることを特徴とする三次元式の自転・公転式の撹拌装置。
  2. 前記駆動装置が前記差し込み容器内に固定されていることを特徴とする請求項1記載の三次元式の自転・公転式の撹拌装置。
  3. 前記外装体が前記被混練物収納容器を前記差し込み容器に収納した後に前記外装体の両端に装着して前記被混練物収納容器を前記外装体内部に固定可能とする蓋体を有することを特徴とする請求項1または2記載の三次元式の自転・公転式の撹拌装置。
  4. 前記被混練物収納容器がシリンジ型の容器であることを特徴とする請求項1,2または3記載の三次元式の自転・公転式の撹拌装置。
  5. 前記第1自転回転体の回転を停止させ或いは減速させると同時に前記公転回転体を公転させることにより前記被混練物収納容器内の被混練物に前記公転回転体の回転による遠心力を与えて脱泡を行うことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の三次元式の自転・公転式の撹拌装置。
  6. 前記公転回転体を回転させる前記公転軸(基準軸)と前記第1自転回転体の第1自転軸とが連動して前記公転軸の駆動により前記第1自転回転体が回転するとともに、前記公転軸と前記第1自転軸との連動を解除し或いは駆動率を低下させて前記第1自転回転体の回転を停止させ或いは減速させることを特徴とする請求項5記載の三次元式の自転・公転式の撹拌装置。
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