JPWO2012161201A1 - 導電ペーストおよびこれを用いた導電膜付き基材、ならびに導電膜付き基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

酸化被膜の形成が抑制され、低い体積抵抗率を長期間維持し得る導電膜を形成可能な導電ペーストを提供する。銅粒子(A)と、25℃、イオン強度0.1mol/Lにおける銅イオンとの安定度定数logKCuが5〜15である化合物からなるキレート剤(B)と、熱硬化性樹脂(C)と、pKaが1〜4の有機酸の、エステルまたはアミド(D)を含有する導電ペーストである。この導電ペーストを基材上に塗布した後、150℃未満の温度で加熱し硬化させて導電膜を形成する。

Description

本発明は、導電ペーストおよびこれを用いた導電膜付き基材、ならびに導電膜付き基材の製造方法に関する。
従来、電子部品や印刷配線板(プリント基板)等の配線導体の形成に、導電ペーストを用いる方法が知られている。このうち、例えばプリント基板の製造は、ガラス、セラミックス等からなる絶縁性基材上に導電ペーストを所望のパターン形状に塗布した後、150℃以上に加熱して焼成し、配線パターンを形成することにより行われている。
導電ペーストとしては、高い導電性を確保する観点から、銀(Ag)を主成分とした銀ペーストが主として適用されていた。しかしながら、銀ペーストは、高温高湿の環境下で通電すると、銀原子がイオン化して電界に引かれて移動するイオンマイグレーション(銀の電析)が生じ易い。配線パターンにイオンマイグレーションが生じると、配線間でショートが生じるなどの不具合が発生し、配線基板の信頼性が妨げられるおそれがある。
電子機器や配線基板の信頼性を高める観点から、導電ペーストとして、銀ペーストに代えて銅ペーストを用いる技術が提案されている。銅ペーストは、マイグレーション現象が生じにくいため、電気回路の接続信頼性を高めることが可能である。
しかしながら、一般に銅は酸化し易いため、高湿度の環境下で大気中に放置すると、大気中の水分や酸素等との反応により酸化銅を生じやすい。このため、銅ペーストを焼成して形成した導電膜は、酸化被膜の影響で体積抵抗率が高くなり易いという問題がある。
このような問題を解決するため、銅ペーストに配合する銅粉末を湿式還元法により製造する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。しかしながら、上述した従来からの技術によっても、配線導体用の導電ペーストにおける酸化被膜の形成による体積抵抗率の上昇は、十分に改善されていないのが実情であった。
一方、近年、プリント基板の絶縁性基材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネートのような樹脂基材が使用されているため、このような基材の耐熱温度よりも十分に低い150℃未満の温度、具体的には120〜140℃で加熱することにより配線パターンとなる導電膜を形成し得る導電ペーストが求められている。
しかしながら、前記した従来からの銅ペーストを120〜140℃という低い温度で加熱した場合には、銅ペースト中の樹脂の硬化が不十分となり、熱硬化性樹脂中のメチロール基のOH基の残存率が高くなり、銅ペーストにより形成された膜の親水性が増大する。その結果、高湿度の環境下で銅ペーストにより形成された膜中に水蒸気が拡散しやすくなるため、拡散した水分や酸素等との反応により酸化銅を生じやすく、体積抵抗率が大きく上昇するという問題があった。
日本国特開2007−184143号公報 日本国特開平1−158081号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、従来よりも低い温度で硬化させて酸化被膜の形成を抑制することができ、低い体積抵抗率を長期間維持し得る導電膜を形成可能な導電ペーストの提供を目的とする。また、本発明は、上記導電ペーストを用いた導電膜を有する導電膜付き基材の提供を目的とする。
本発明は、以下の導電ペースト、導電膜付き基材、及び、導電膜付き基材の製造方法を提供する。
(1)銅粒子(A)と、25℃、イオン強度0.1mol/Lにおける銅イオンとの安定度定数logKCuが5〜15である化合物からなるキレート剤(B)と、熱硬化性樹脂(C)と、pKaが1〜4の有機酸の、エステルまたはアミド(D)を含有することを特徴とする導電ペースト。
(2)前記銅粒子(A)は、X線光電子分光法によって求められる表面酸素濃度比O/Cuが0.5以下である(1)記載の導電ペースト。
(3)前記銅粒子(A)は、pH値が3以下の分散媒中で還元処理された表面改質銅粒子である(1)または(2)に記載の導電ペースト。
(4)前記銅粒子(A)は、平均一次粒子径が0.3〜20μmの金属銅粒子表面に、平均一次粒子径が1〜20nmの金属銅微粒子が凝集して付着した複合金属銅粒子である(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の導電ペースト。
(5)前記キレート剤(B)は、窒素原子を含む官能基(a)と、窒素原子以外の孤立電子対を有する原子を含む官能基(b)とが、芳香環のオルト位に配置された芳香族化合物である(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の導電ペースト。
(6)前記窒素原子以外の孤立電子対を有する原子を含む官能基(b)は、水酸基またはカルボキシル基である(5)記載の導電ペースト。
(7)前記窒素原子と前記窒素原子以外の孤立電子対を有する原子とは、2個または3個の原子を介在して結合している(5)または(6)記載の導電ペースト。
(8)前記キレート剤(B)は、サリチルヒドロキサム酸、サリチルアルドキシムおよびo−アミノフェノールからなる群から選択される少なくとも1種である(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の導電ペースト。
(9)前記熱硬化性樹脂(C)は、フェノール樹脂、メラミン樹脂および尿素樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の導電ペースト。
(10)前記有機酸のエステルまたはアミド(D)は、ホルムアミド、サリチル酸メチル、シュウ酸ジメチル、マロン酸ジメチルおよびマレイン酸ジメチルからなる群から選択される少なくとも1種である(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の導電ペースト。
(11)前記キレート剤(B)の含有量は、前記銅粒子(A)100質量部に対して0.01〜1質量部である(1)乃至(10)のいずれか1つに記載の導電ペースト。
(12)前記熱硬化性樹脂(C)の含有量は、前記銅粒子(A)100質量部に対して5〜50質量部である(1)乃至(11)のいずれか1つに記載の導電ペースト。
(13)前記有機酸のエステルまたはアミド(D)の含有量は、前記熱硬化性樹脂(C)100質量部に対して0.5〜15質量部である(1)乃至(12)のいずれか1つに記載の導電ペースト。
(14)基材と、該基材上に(1)乃至(13)のいずれか1つに記載の導電ペーストを硬化させて形成された導電膜を有する導電膜付き基材。
(15)前記基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種である(14)記載の導電膜付き基材。
(16)前記導電膜の体積抵抗率が1.0×10−4Ωcm以下である(14)または(15)記載の導電膜付き基材。
(17)(1)乃至(13)のいずれか1つに記載の導電ペーストを基材上に塗布する工程と、前記導電ペーストを150℃未満の温度で加熱し硬化させて導電膜を形成する工程と、を含む導電膜付き基材の製造方法。
本発明の導電ペーストによれば、150℃未満という従来より低い温度で硬化させることが可能であり、高湿度の環境下で酸化銅の形成が抑制され、低い体積抵抗率を長期間維持し得る導電膜を形成することができる。また、このような導電ペーストを用いることで、絶縁基材として樹脂等が使用し、配線基板等としての信頼性が高く、また酸化被膜の形成による体積抵抗率の上昇が抑制された導電膜付き基材を得ることができる。
本発明の導電膜付き基材の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の実施形態である導電ペーストは、銅粒子(A)と、25℃、イオン強度0.1mol/Lにおける銅イオンとの安定度定数logKCuが5〜15である化合物からなるキレート剤(B)と、熱硬化性樹脂(C)と、pKaが1〜4の有機酸のエステルまたはアミド(D)をそれぞれ含有する。
本発明の実施形態の導電ペーストによれば、銅粒子(A)とともに、キレート剤(B)として、25℃、イオン強度0.1mol/Lにおける銅イオンとの安定度定数logKCuが所定範囲にある化合物が配合されているので、大気中に含まれる酸素等と反応する銅イオンの量を低減でき、酸化銅の形成が抑制された導電ペーストとすることができる。
また、熱硬化性樹脂(C)の硬化剤(硬化促進剤)として、pKaが1〜4の有機酸のエステルまたはアミド(D)が配合されているので、150℃未満より具体的には120〜140℃の低い温度で加熱することで、導電ペーストを十分に硬化することができ、大気中に含まれる酸素と反応する銅イオンの量を低減でき、酸化銅の形成が抑制された導電ペーストとすることができる。
さらに、このような導電ペーストで形成された導電膜においては、酸化銅を主成分とする酸化被膜が形成されにくいため、高湿度の環境下でも、体積抵抗率の上昇が抑制された導電膜付き基材とすることができる。
[導電ペースト]
実施形態の導電ペーストは、銅粒子(A)とキレート剤(B)と熱硬化性樹脂(C)、およびpKaが1〜4の有機酸の、エステルまたはアミド(D)を含有する。以下、導電ペーストを構成する各成分について説明する。
<銅粒子(A)>
銅粒子(A)は、導電ペーストの導電成分となるものであり、X線光電子分光法によって求められる表面酸素濃度比O/Cuが0.5以下である。以下、X線光電子分光法によって求められる表面酸素濃度比O/Cuを、単に「表面酸素濃度比O/Cu」と示す。
表面酸素濃度比O/Cuは、X線光電子分光分析により測定した、銅粒子の表面銅濃度(原子%)に対する表面酸素濃度(原子%)の比で表される。本明細書において、「表面銅濃度(原子%)」および「表面酸素濃度(原子%)」は、それぞれ、銅粒子表面から中心に向けて約3nmの深さまでの範囲の粒子表層域に対して、X線光電子分光分析を行って得た測定値である。銅粒子表面から中心に向けて約3nmの深さまでの範囲は、この範囲の粒子領域について各成分の濃度測定を行うことで、銅粒子の表面状態が十分に把握される範囲である。
銅粒子(A)の表面酸素濃度比O/Cuが0.5を超えると、銅粒子(A)表面の酸化銅の存在量が過多であり、導電膜としたときに、粒子間の接触抵抗が大きく、体積抵抗率が高くなるおそれがある。表面酸素濃度比O/Cuが0.5以下である銅粒子(A)を用いることで、銅粒子間の接触抵抗を低減でき、導電膜としたときの導電性を向上させることができる。銅粒子(A)の表面酸素濃度比O/Cuは、0.3以下であることが好ましい。
また、銅粒子(A)は、粒子全体に含まれる酸素濃度が700ppm以下であることが好ましい。銅粒子に含まれる酸素濃度は、例えば酸素濃度計を用いて測定できる。
銅粒子(A)としては、表面酸素濃度比O/Cuが0.5以下のものであれば、種々の銅粒子を使用できる。銅粒子(A)は、金属銅粒子であってもよく、水素化銅微粒子、または水素化銅微粒子を加熱した金属銅微粒子(以下、銅微粒子ともいう)であってもよい。また、銅粒子(A)としては、これら金属銅粒子と銅微粒子とが複合した形の複合粒子であってもよい。複合粒子としては、例えば金属銅粒子の表面に銅微粒子が付着または結合した形態のものを挙げることができる。複合粒子については、詳細は後述する。
銅粒子(A)の平均粒子径は0.01〜20μmであることが好ましい。銅粒子(A)の平均粒子径は、銅粒子(A)の形状に応じて、0.01〜20μmの範囲内において適宜調整できる。銅粒子(A)の平均粒子径が0.01μm以上であれば、この銅粒子を含む導電ペーストの流動特性が良好となる。また、銅粒子(A)の平均粒子径が20μm以下であれば、この銅粒子を含む導電ペーストにより、微細配線を作製し易くなる。
銅粒子(A)が金属銅粒子を含む場合、その平均粒子径(平均一次粒子径)は0.3〜20μmであることが好ましい。また、銅粒子(A)が銅微粒子のみからなる場合、その凝集粒子の平均粒子径は0.01〜1μmであることが好ましく、0.02〜0.4μmであることがより好ましい。
銅粒子(A)が金属銅粒子を含む場合にその平均粒子径(平均一次粒子径)が0.3μm以上の場合、この銅粒子を含む導電ペーストの流動特性が良好となる。また、銅粒子(A)が銅微粒子のみからなる場合にその凝集粒子の平均粒子径が0.01μm以上の場合には、この銅粒子を含む導電ペーストの流動特性が良好となる。
また、銅粒子(A)が金属銅粒子を含む場合にその平均粒子径(平均一次粒子径)が20μm以下の場合には、この銅粒子を含む導電ペーストにより、微細配線を作製しやすくなる。また、銅粒子(A)が銅微粒子のみからなる場合にその凝集粒子の平均粒子径が1μm以下の場合には、この銅粒子を含む導電ペーストにより、微細配線を作製しやすくなる。
表面酸素濃度比O/Cuが0.5以下の銅粒子(A)としては、例えば、下記銅粒子(A1)〜(A5)を好適に使用できる。
(A1)金属銅粒子であって、その平均一次粒子径が0.3〜20μmである金属銅粒子。
(A2)金属銅粒子であって、その平均一次粒子径が0.3〜20μmである金属銅粒子と、上記金属銅粒子表面に付着した水素化銅微粒子であって、その凝集粒子の平均粒子径が20〜400nmである水素化銅微粒子と、を有する銅複合粒子。
(A3)水素化銅微粒子であって、その凝集粒子の平均粒子径が10nm〜1μmである水素化銅微粒子。
(A4)金属銅粒子であって、その平均一次粒子径が0.3〜20μmである金属銅粒子と、上記金属銅粒子表面に付着した水素化銅微粒子を加熱した金属銅微粒子であって、その凝集粒子の平均粒子径が20〜400nmである金属銅微粒子と、を有する複合金属銅粒子。
(A5)金属銅微粒子であって、その凝集粒子の平均粒子径が10nm〜1μmである金属銅微粒子。
なお、複合金属銅粒子(A4)は、銅複合粒子(A2)の水素化銅微粒子が、加熱処理により金属銅微粒子に変換されたものである。また、金属銅微粒子(A5)は、水素化銅微粒子(A3)が加熱処理により変換されたものである。
本明細書中において、平均粒子径は、以下のようにして求めたものである。
すなわち、金属銅粒子についての平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」と記す。)像の中から無作為に選んだ100個の粒子のFeret径を測定し、これらの粒子径を平均して算出したものである。
また、銅微粒子からなる凝集粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(以下、「TEM」と記す。)像の中から無作為に選んだ100個の粒子のFeret径を測定し、これらの粒子径を平均して算出したものである。
また、例えば銅複合粒子(A2)のように、金属銅粒子である銅粒子と、この銅粒子表面に付着した水素化銅微粒子とを含む複合粒子の場合には、この複合粒子全体をSEMによって観察し、銅微粒子も含む粒子全体のFeret径を測定し、得られた粒子径を平均して算出したものである。
本発明における複合金属銅粒子(A4)は、既に述べたように、金属銅粒子表面の少なくとも一部に、金属銅微粒子を付着させたものである。「複合金属銅粒子」は、金属銅粒子表面に水素化銅微粒子が付着してなる「銅複合粒子」を加熱し、水素化銅微粒子を金属銅微粒子に変換して得られるものである。なお、金属銅粒子表面の微粒子の付着の有無は、SEM像を観察して確認できる。また、金属銅粒子の表面に付着した水素化銅微粒子の同定は、X線回折装置(リガク社製、TTR−III)を用いて行うことができる。
銅複合粒子の金属銅粒子は、導電ペーストに一般的に用いられる公知の銅粒子を使用できる。金属銅粒子の粒子形状は、球状であってもよく、板状であってもよい。
銅複合粒子の金属銅粒子の平均粒子径は、0.3〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。
金属銅粒子の平均粒子径が0.3μm未満であると、導電ペーストとしたときに、十分な流動特性を得られない。一方、金属銅粒子の平均粒子径が20μmを超えると、得られる導電ペーストによる、微細配線の作製が困難となるおそれがある。金属銅粒子の平均粒子径は、1〜10μmであることがより好ましい。なお、金属銅粒子の平均粒子径は、SEM像の中から無作為に選出した100個の金属銅粒子のFeret径を測定し、この測定値を平均して算出したものである。
銅複合粒子の水素化銅微粒子は、主として1〜20nm程度の水素化銅微粒子が凝集した状態で存在している。水素化銅微粒子の粒子形状は球状であってもよく、板状であってもよい。水素化銅微粒子の凝集粒子の平均粒子径は、20〜400nmであることが好ましく、30〜300nmであることがより好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。特に好ましくは80〜150nmである。水素化銅微粒子の凝集粒子の平均粒子径が20nm未満であると、水素化銅微粒子の融着・成長が生じ易くなり、導電膜としたときに、体積収縮に伴うクラック等の不具合が発生するおそれがある。一方、水素化銅微粒子の凝集粒子の平均粒子径が400nmを超えると、粒子表面積が十分でなく、表面融解現象が生じ難くなり、緻密な導電膜を形成するのが難しくなるおそれがある。水素化銅微粒子の平均粒子径は、TEM像の中から無作為に選出した100個の水素化銅微粒子のFeret径を測定し、その測定値を平均して算出したものである。
金属銅粒子表面に付着する水素化銅微粒子の量は、金属銅粒子の量の5〜50質量%であることが好ましく、10〜35質量%であることがより好ましい。
水素化銅微粒子の量が、金属銅粒子の量に対して5質量%未満であると、金属銅粒子間に導電パスが十分に形成されず、導電膜の体積抵抗率を低減する効果を十分に得られないおそれがある。一方、水素化銅微粒子の量が、金属銅粒子の量に対して50質量%を超えると、導電ペーストとして十分な流動性を確保するのが困難となる。
なお、金属銅粒子の表面に付着した水素化銅微粒子の量は、例えば、還元剤を加える前の水溶性銅化合物溶液中の銅イオン濃度と、水素化銅微粒子生成終了後の反応液中に残存する銅イオン濃度との差から算出できる。
複合金属銅粒子は、金属銅粒子間に存在する金属銅微粒子によって、導電パスを確実に形成でき、導電膜としたときの体積抵抗率を低減できる。また、上記のように、水素化銅微粒子を金属銅微粒子に変換することで、金属銅粒子からの金属銅微粒子の剥離を生じ難いものとできる。従って、導電ペースト中に金属銅微粒子が遊離することによる、導電ペーストの粘度上昇が抑制された導電ペーストとできる。
銅複合粒子の加熱処理は、60〜120℃の温度で行うことが好ましく、60〜100℃で行うことがより好ましく、60〜90℃で行うことがさらに好ましい。加熱温度が120℃を超えると、金属銅微粒子同士の融着が生じ易くなり、導電膜としたときの体積抵抗率が高くなるおそれがある。一方、加熱温度が60℃未満であると、加熱処理に要する時間が長くなり、製造コストの面から好ましくない。なお、加熱処理後に得られた複合金属銅粒子の残存水分量は、3質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましい。
銅複合粒子の加熱処理は、相対圧力で−101〜−50kPaの減圧下で行うことが好ましい。−50kPaより大きい圧力下で加熱処理を行うと、乾燥に要する時間が長くなり、製造コストの面から好ましくない。一方、加熱処理時の圧力を−101kPa未満とすると、例えば水等の余分な溶媒の除去、乾燥に、大型の装置を用いることが必要となり、かえって製造コストが高くなる。
「複合金属銅粒子」の金属銅粒子の平均粒子径が0.3μm未満であると、導電ペーストとしたときに、十分な流動特性を得られないおそれがある。一方、金属銅粒子の平均粒子径が20μmを超えると、得られる導電ペーストによる、微細配線の作製が難しくなるおそれがある。「複合金属銅粒子」における金属銅粒子の平均粒子径は、1〜10μmであることがより好ましい。
「複合金属銅粒子」の銅微粒子は、銅複合粒子における水素化銅微粒子と同様に、主として1〜20nm程度の銅微粒子が凝集した状態で存在している。銅微粒子の粒子形状は球状であってもよく、板状であってもよい。銅微粒子の凝集粒子の平均粒子径が20nm未満であると、銅微粒子の融着・成長が生じ易くなり、導電膜としたときに、体積収縮に伴うクラック等の不具合が発生するおそれがある。一方、銅微粒子の凝集粒子の平均粒子径が400nmを超えると、粒子表面積が十分でなく、表面融解現象が生じ難くなり、緻密な導電膜を形成するのが困難となる。銅微粒子の凝集粒子の平均粒子径は、30〜300nmであることがより好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。特に好ましくは80〜150nmである。
なお、金属銅粒子の平均粒子径は、SEM像の中から無作為に選出した100個の金属銅粒子のFeret径を測定し、この測定値を平均して算出したものである。また、銅微粒子の平均粒子径は、TEM像の中から無作為に選出した100個の水素化銅微粒子のFeret径を測定し、その測定値を平均して算出したものである。
また、銅粒子(A)としては、例えば銅粒子表面を還元処理してなる「表面改質銅粒子」が好適に使用できる。
本発明における「表面改質銅粒子」は、銅粒子表面を、pH値が3以下の分散媒中で還元処理して得られる。「表面改質銅粒子」は、例えば、(1)銅粒子を分散媒に分散して「銅分散液」とする工程、(2)銅分散液のpH値を所定値以下に調整する工程、(3)銅分散液に還元剤を添加する工程、の下記の(1)〜(3)の工程を有する、湿式還元法により製造できる。
上記(1)〜(3)の工程により得られる表面改質銅粒子は、主に金属銅粒子で構成されるものである。表面改質銅粒子の平均一次粒子径は0.3〜20μmであることが好ましい(金属銅粒子(A1))。表面改質銅粒子において、その平均一次粒子径が0.3μm以上であれば、この銅粒子を含む導電ペーストの流動特性が良好となる。また、表面改質銅粒子の平均一次粒子径が20μm以下であれば、この銅粒子を含む導電ペーストにより、微細配線を作製しやすくなる。
以下に、表面改質銅粒子を製造する工程(1)〜(3)について説明する。
(1)銅分散液の作製
銅分散液に分散させる銅粒子は、導電ペーストとして一般に用いられる銅粒子を用いることができる。銅分散液に分散させる銅粒子の粒子形状は球状であってもよく、板状であってもよい。
銅分散液に分散させる銅粒子の平均粒子径は、0.3〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。銅粒子の平均粒子径が0.3μm未満であると、導電ペーストの流動性を低下させるおそれがある。一方、銅粒子の平均粒子径が20μmを超えると、得られる導電ペーストでの微細配線の作製が困難となる。銅粒子の平均粒子径を0.3〜20μmとすることで、流動性が良好で、かつ微細配線の作製に適した導電ペーストとできる。
なお、銅粒子の平均粒子径は、SEM像の中から無作為に選出した100個の金属銅粒子のFeret径を測定し、その平均値を算出して得たものである。
銅分散液は、上記の銅粒子を粉末状としたものを、分散媒に投入して得ることができる。銅分散液の銅粒子の濃度は、0.1〜50質量%であることが好ましい。銅粒子の濃度が0.1質量%未満であると、銅分散液に含まれる分散媒量が過多となり、生産効率を十分なレベルに維持できないおそれがある。一方、銅粒子の濃度が50質量%を超えると、粒子同士の凝集の影響が過大となり、表面改質銅粒子の収率が低減するおそれがある。銅分散液の銅粒子の濃度を0.1〜50質量%の範囲とすることで、表面改質銅粒子を高収率で得ることができる。
銅分散液の分散媒としては、銅粒子を分散可能なものであれば特に限定されないが、高極性を有するものが好適に使用できる。高極性の分散媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール等のグリコール類、およびこれらを混合した混合媒体等を使用できる。高極性の分散媒としては、特に水を好適に使用できる。
(2)銅分散液のpH値の調整
上記(1)で得られた銅分散液のpH値を調整する。pH値の調整は、銅分散液にpH調整剤を添加して行うことができる。
銅分散液のpH調整剤としては、酸を使用できる。銅分散液のpH調整剤としては、例えばギ酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸や、硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸を好適に使用できる。
銅分散液のpH値は3以下とすることが好ましい。銅分散液のpH値を3以下とすることで、後の還元処理工程で、粒子表面の酸化膜の除去を円滑に行うことができ、得られる表面改質銅粒子の表面酸素濃度を低減できる。分散液のpH値が3を超えると、銅粒子表面に形成された酸化膜を除去する効果を十分に得ることができず、銅粒子表面の酸素濃度を十分に低減できないおそれがある。一方、分散液のpH値は0.5以上とすることが好ましい。分散液のpH値が0.5未満であると、銅イオンが過度に溶出し、銅粒子の表面改質が円滑に進行し難くなるおそれがある。分散液のpH値は、0.5以上2以下とすることがより好ましい。なお、分散液のpH値が3以下の場合は、この分散液をそのまま還元処理してもよい。
(3)銅分散液の還元処理
pH値を調整した銅分散液に還元剤を添加して還元処理を行う。
銅分散液に添加する還元剤としては、金属水素化物、ヒドリド還元剤、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウムなどの次亜リン酸塩、ジメチルアミンボラン等のアミンボラン、およびギ酸から選ばれる少なくとも1種を使用できる。金属水素化物としては、水素化リチウム、水素化カリウム、および水素化カルシウムが挙げられる。ヒドリド還元剤としては、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、および水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。これらのうち、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウムを好適に用いることができる。
上記工程(1)〜(3)の表面処理を行うことで、出発原料としての銅粒子表面に存在していた酸化銅(CuO、CuO)を、銅原子に還元でき、導電性を阻害する要因となる酸化銅の存在量を低減できる。
<キレート剤(B)>
本発明の実施形態の導電ペーストに含有されるキレート剤(B)は、銅イオンに配位し、下記式(1)で示す反応により銅イオンと錯体を形成し得る化合物からなるものである。
Figure 2012161201
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
M:銅イオン
Z:キレート剤(B)
MZ:錯塩
x:銅1個と結合するキレート剤(B)の数
キレート剤(B)は、25℃、イオン強度0.1mol/Lでの、上記式(1)のx=1の場合における銅イオンとの安定度定数logKCuが5〜15である化合物からなるものである。安定度定数logKCuは、キレート剤と金属との結合力の強さを示す指標であり、上記式(1)で示した反応式の平衡定数KCuの対数値として求めることができる。KCuは、具体的には、下記式(2)により求めることができる。
Figure 2012161201
(上記式(2)において、[ ]は括弧内の各成分の濃度を表す。)
本発明における「安定度定数logKCu」に関し、種々の化合物についての具体的な数値としては、例えば、化学便欄(丸善)、Stability Constants of Metal−Ion Complexes(PERGAMON PRESS)、Journal of Chemical Engineering Data(ACS Publications)等の文献に記載されている。
キレート剤(B)として、銅イオンとの前記安定度定数logKCuが5以上の化合物を配合することで、ペースト内で生じた銅イオンの少なくとも一部は、キレート剤(B)と錯体を形成すると考えられる。そのため、大気中の水分や酸素等(例えばO、HO等。)と反応する銅イオンの量を低減でき、ペースト内での酸化銅の形成を抑制できる。また、キレート剤(B)は、銅イオンと解離しにくいため、高湿度の環境下で放置しても錯体の状態を長期間維持することができる。そのため、酸化被膜が形成されにくく、体積抵抗率の上昇が抑制された導電膜を形成可能な導電ペーストとできる。
キレート剤(B)の前記安定度定数logKCuが5未満であると、銅イオンに対する結合力が十分でないため、大気中の水分や酸素等と反応する銅イオンの量を十分に低減できず、酸化銅の生成を抑制することが困難となる。また、キレート剤(B)の前記安定度数logKCuが15を超えると、キレート剤(B)の銅イオンに対する結合力が強すぎて、銅粒子同士の接触を阻害し、導電性を低下させるおそれがある。これは、キレート剤(B)が、銅粒子表面に存在する銅イオンだけでなく、銅(金属銅)にも作用するためと推定される。安定度定数logKCuは、より好ましくは7〜14である。
キレート剤(B)としては、窒素原子を含む官能基(a)と、窒素原子以外の孤立電子対を有する原子を含む官能基(b)とが、芳香環のオルト位に配置されており、官能基(a)の「窒素原子」と官能基(b)の「孤立電子対を有する原子」とが、2個または3個の原子を介在して結合した芳香族化合物を好適に使用できる。
上記の分子構造を有する化合物を、キレート剤(B)として配合することで、銅イオンと安定した錯体を形成できる。
官能基(a)の「窒素原子」と官能基(b)の「孤立電子対を有する原子」との間に介在する原子としては、炭素原子が挙げられる。すなわち、キレート剤(B)としては、前記芳香族化合物の中でも、官能基(a)の窒素原子と官能基(b)の孤立電子対を有する原子とが、2個または3個の炭素原子を介在して結合しているものが、好適に用いられる。
孤立電子対を有する、窒素原子以外の原子を含む官能基(b)として好適なものとしては、例えば、水酸基、カルボキシル基等を挙げることができる。
キレート剤(B)として、具体的には、サリチルヒドロキサム酸、サリチルアルドキシム、o−アミノフェノールから選択される少なくとも1種を使用できる。
キレート剤(B)として、サリチルアルドキシムを用いた場合には、下記式(I)で示す反応により、銅イオンとの錯体が形成される。
Figure 2012161201
導電ペーストにおけるキレート剤(B)の含有量は、前記銅粒子(A)100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましく、0.05〜0.5質量部がより好ましい。
キレート剤(B)の含有量が0.01質量部未満であると、導電膜としたとき、体積抵抗率の上昇を抑制する効果を十分に得られないおそれがある。一方、キレート剤(B)の含有量が1質量部を超えると、銅粒子同士の接触を阻害し、導電性を低下させるおそれがある。
<熱硬化性樹脂(C)>
本発明の実施形態の導電ペーストに含有される熱硬化性樹脂(C)としては、通常の導電ペーストの樹脂バインダとして用いられる公知の熱硬化性樹脂を用いることができる。
熱硬化性樹脂(C)としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等を好適に使用できる。これらの中でも、フェノール樹脂が特に好適に使用できる。フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂を使用できるが、これらの中でも、レゾール型フェノール樹脂を特に好適に使用できる。
なお、樹脂のガラス転移点(Tg)を調節するために、上述の熱硬化性樹脂中に、ジアリルフェタレート樹脂、不飽和アルキド樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ビスマレイドトリアジン樹脂、シリコーン樹脂およびアクリル樹脂から選択される少なくとも一種を適宜含有してもよい。
熱硬化性樹脂(C)は、硬化後の樹脂成分が導電性を阻害しない範囲で添加できる。
導電ペーストにおける熱硬化性樹脂(C)の含有量は、銅粒子の体積と、銅粒子間に存在する空隙の体積との比率に応じて適宜選択できる。銅粒子(A)100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。熱硬化性樹脂(C)の含有量が5質量部未満であると、導電ペーストとして十分な流動特性を得るのが困難となる。一方、熱硬化性樹脂(C)の含有量が50質量部を超えると、硬化後の樹脂成分により銅粒子間の接触が妨げられて、導電体の体積抵抗率を上昇させるおそれがある。
<有機酸の、エステルまたはアミド(D)>
本発明の実施形態の導電ペーストに含有される有機酸の、エステルまたはアミド(D)は、前記熱硬化性樹脂(C)の硬化を促進することで、150℃未満の温度で硬化させるために配合される。エステルまたはアミドを構成する有機酸は、pKaが1〜4のものとする。有機酸のpKaが1未満であると、導電ペーストの保存性に悪影響を及ぼすおそれがある。また、有機酸のpKaが4を超えると、前記熱硬化性樹脂(C)の硬化を促進する中間体の生成が遅くなり、結果として樹脂の硬化促進効果が得られないおそれがある。有機酸のpKaは、より好ましくは1〜3である。
pKaが1〜4である有機酸としては、シュウ酸(1.27)、マレイン酸(1.92)、マロン酸(2.86)、サリチル酸(2.97)、フマル酸(3.02)、酒石酸(3.06)、クエン酸(3.16)、ギ酸(3.76)等が挙げられる。
これらのpKaが1〜4である有機酸の中で、エステルまたはアミドが好適に使用できる理由としては、以下のことが挙げられる。
(1)pKaが1〜4の有機酸の、エステルまたはアミドを用いると、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂やメラミン樹脂、尿素樹脂)の中間体を安定に存在させる効果が大きい。なぜならば、上述のエステルまたはアミドは、前記熱硬化性樹脂の中間体であるジメチレンエーテル型の中間体に配位する。この配位により、反応部位の一方のメチロール基の酸素上の電子密度が増大し、相対するメチロール基の炭素上の電子密度が減少する。そのため、ジメチレンエーテル型の中間体が安定に存在するので、中間体の反応確率が上昇し硬化が促進される。その結果、硬化後の導電膜の高温高湿時の耐久性を向上させることができる。
(2)pKaが1〜4の有機酸の、エステルまたはアミドの配位により、上述の中間体のメチレンカルボニウムイオンの反応性を大きく向上させることが可能である。そのため、硬化促進への寄与が大きく、硬化後の導電膜の高温高湿時の耐久性を向上させることができる。
(3)有機酸のエステルやアミドは、有機酸と比較して金属との反応性が小さいために金属を腐食する効果が小さく、硬化後の導電膜の体積抵抗率の上昇を抑えることができる。pKaが1〜4である有機酸単体を使用した場合は、導電ペースト中の金属を腐食して硬化後の導電膜の体積抵抗率を上昇させるおそれがある。
(4)有機酸のエステルやアミドは、ペースト保存時にペースト中の熱硬化性樹脂の硬化を促進する効果が小さいので、導電ペーストの保存性(ポットライフ)に与える悪影響が小さい。
(5)有機酸のエステルやアミドは、硬化後の導電膜の耐久性向上に寄与するキレート剤の働きを阻害しないので、耐久性を十分に維持できる。
前記したpKaが1〜4である有機酸の、エステルまたはアミドとしては、例えば、ホルムアミド、サリチル酸メチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、シュウ酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、マロン酸ジメチル等が挙げられる。これらに限定されるものではないが、これらから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらのpKaが1〜4である有機酸の、エステルまたはアミドの中でも、硫黄(S)を含有しない有機酸の、エステルまたはアミドを好適に使用できる。この理由としては、Sが銅と反応して硫化物を生成するおそれがあるので、有機酸のエステルやアミドであってもペースト保存性に悪影響を与えるおそれがあるからである。具体的には、ホルムアミド、サリチル酸メチル、シュウ酸ジメチル、マロン酸ジメチル、マレイン酸ジメチルを好適に使用できる。
導電ペーストにおける前記有機酸エステルまたはアミド(D)の含有量は、前記熱硬化性樹脂(C)100質量部に対して、0.5〜15質量部であることが好ましく、1〜10質量部がより好ましい。前記有機酸エステルまたはアミド(D)の含有量が0.5質量部未満であると、樹脂の硬化を促進する効果を十分に得られないおそれがある。一方、前記有機酸エステルまたはアミド(D)の含有量が15質量部を超えると、銅粒子同士の接触を阻害し、導電性を低下させるおそれがある。
<その他の成分>
本発明の導電ペーストは、必要に応じて、前記(A)〜(D)の各成分に加えて溶剤や各種添加剤(レベリング剤、カップリング剤、粘度調整剤、酸化防止剤、密着剤等。)等のその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。特に、適度な流動性を有するペースト体を得るために、熱硬化性樹脂を溶解し得る溶剤を含有させることが好ましい。
導電ペーストに含有させる溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、テルピネオール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等を好適に使用できる。
印刷用ペースト体として適度な粘度範囲とする観点から、導電ペーストに含有させる溶剤の量は、銅粒子(A)に対して1〜10質量%が好ましい。
本発明の実施形態の導電ペーストは、前記(A)〜(D)の各成分を、溶剤等のその他の成分と混合して得ることができる。
前記(A)〜(D)の各成分を混合する時には、熱硬化性樹脂の硬化や溶剤の揮発が生じない程度の温度で、加熱しながら行うことができる。混合、撹拌時の温度は、10〜40℃とすることが好ましい。より好ましくは20〜30℃とする。導電ペーストを形成するときに、10℃以上の温度にすることで、ペーストの粘度を十分に低下させることができ、撹拌を円滑かつ十分に行うことができる。また、銅粒子表面に生成した水素化銅を銅原子とすることができる。一方、導電ペーストを形成するときの温度が40℃を超えると、ペースト中で熱硬化性樹脂(C)の硬化が生じたり、粒子同士の融着が生じたりするおそれがある。
なお、混合時に銅粒子が酸化されるのを防止するため、不活性ガスで置換した容器内で混合することが好ましい。
以上説明した本発明の導電ペーストによれば、空気中でも酸化されにくく、従来の導電ペーストと比較して、酸化銅の生成による体積抵抗率の上昇が抑制された導電膜を形成できる。
[導電膜付き基材]
例えば図1に示すように、本発明の導電膜付き基材10は、基材11上に上述した導電ペーストを硬化させて形成された導電膜12を有する。この導電膜付き基材10は、前記導電ペーストを基材11の表面に塗布して導電ペースト膜を形成し、溶剤等の揮発性成分を除去した後、導電ペースト中の熱硬化性樹脂(C)を硬化させて導電膜12を形成することにより、製造できる。
基材11としては、ガラス基板、プラスチック基材(例えば、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等からなるフィルム状の基材。)、繊維強化複合材料(ガラス繊維強化樹脂基板等。)、セラミックス基板等を用いることができる。本発明の導電ペーストを使用した場合には、後述するように、150℃未満(例えば、120〜140℃)の温度での加熱により熱硬化性樹脂(C)を硬化させて導電膜12を形成することができるので、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル、ポリカーボネート等のプラスチック基材を特に好適に使用できる。
導電ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷法、ロールコート法、エアナイフコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、スライドコート法等の公知の方法が挙げられる。
これらの中でも、表面および側面における凹凸の発生が抑制された滑らかな配線形状を、基材11上に効率的に形成することができるので、スクリーン印刷法が好適に用いられる。
熱硬化性樹脂(C)の硬化は、導電ペースト膜を形成した基材を150℃未満(例えば、120〜140℃)の温度で保持することにより行うことができる。硬化温度を120℃以上とすることにより、熱硬化性樹脂を十分に硬化させることができる。一方、硬化温度を140℃以下とすることにより、プラスチックフィルム等の基材を用いた場合でも、基材を変形させずに硬化を行うことができる。加熱方法としては、温風加熱、熱輻射、IR加熱等の方法が挙げられる。なお、導電膜の形成は、空気中で行ってもよく、また酸素量が少ない窒素雰囲気下等で行ってもよい。
基材11上の導電膜12の厚さは、安定な導電性を確保し、かつ配線形状を維持し易くする観点から、1〜200μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。また、導電膜12の体積抵抗率は、1.0×10−4Ωcm以下であることが好ましい。導電膜12の体積抵抗率が1.0×10−4Ωcmを超えると、電子機器用の導電体として、十分な導電性を得られないおそれがある。
本発明に係る導電膜付き基材10においては、上述した本発明の導電ペーストを用いて導電膜12を形成しているため、酸化銅による酸化被膜が生成しにくく、従来の導電膜付き基材と比較して、体積抵抗率が低く、また高湿度の環境下で長期間使用しても体積抵抗率の上昇が抑制された導電膜付き基材とできる。
以上、本発明の導電膜付き基材について一例を挙げて説明したが、本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて適宜構成を変更することができる。また、本発明の導電膜付き基材の製造方法では、各部の形成順序等についても、導電膜付き基材の製造が可能な限度において適宜変更することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。例1〜4は本発明の実施例であり、例5〜10は比較例である。
銅粒子に還元処理を施し、銅粒子(A)(表面改質銅粒子)を得た。
すなわち、まず、ガラス製ビーカーにギ酸3.0gと50質量%次亜リン酸水溶液9.0gとを投入し、このビーカーをウォーターバスに入れて40℃に保持した。
次いで、このビーカー内に、銅粒子(三井金属鉱業社製、商品名:「1400YP」、平均一次粒子径7μm)5.0gを徐々に添加し、30分間撹拌して「銅分散液」を得た。得られた「銅分散液」から、遠心分離器を使用し回転数3000rpmで10分間遠心分離して、沈殿物を回収した。この沈殿物を蒸留水30gに分散させ、遠心分離によって再び凝集物を沈殿させ、沈殿物を分離した。得られた沈殿物を、−35kPaの減圧下、80℃で60分間加熱し、残留水分を揮発させて徐々に除去して、粒子表面が改質された銅粒子(A−1)を得た。
得られた銅粒子(A−1)について、X線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ社製、商品名:「ESCA5500」)により、下記の条件で表面酸素濃度[原子%]および表面銅濃度[原子%]の測定を行った。
・分析面積:800mmΦ
・Pass Energy:93.9eV
・Energy Step:0.8eV/step
得られた表面酸素濃度を表面銅濃度で除して、表面酸素濃度比O/Cuを算出したところ、銅粒子(A−1)の表面酸素濃度比O/Cuは0.16であった。
なお、銅粒子(A−1)中の酸素量を、酸素量計(LECO社製、商品名:「ROH−600」)を用いて測定したところ、460ppmであった。
(例1)
フェノール樹脂(群栄化学社製、商品名:「レジトップPL6220」、樹脂固形分58質量%)0.74gとエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート0.43gとを混合した樹脂溶液に、サリチルヒドロキサム酸0.005gを加えて溶解させた後、ホルムアミド0.0215gを加えて溶解させた。次いで、得られた樹脂溶液に、前記銅粒子(A−1)5.0gを配合し、乳鉢中で混合して導電ペースト1を得た。
この導電ペースト1を、PET基板上にスクリーン印刷法により幅1mm、厚さ20μmの配線形状(帯状)に塗布し、130℃で15分間加熱してフェノール樹脂を硬化させた。こうして、導電膜1を有する導電膜付き基材1を形成した。
(例2)
ホルムアミド0.0215gをサリチル酸メチル0.0215gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電ペースト2を得た。次いで、導電ペースト1に代えて、PET基板上に導電ペースト2を塗布し、導電膜2を形成したこと以外は例1と同様にして、導電膜付き基材2を得た。
(例3)
サリチルヒドロキサム酸0.005gをサリチルアルドキシム0.005gに変更し、ホルムアミド0.0215gをシュウ酸ジメチル0.0215gに変更した。それ以外は例1と同様にして、導電ペースト3を得た。次いで、導電ペースト1に代えて、PET基板上に導電ペースト3を塗布し、導電膜3を形成したこと以外は例1と同様にして、導電膜付き基材3を得た。
(例4)
シュウ酸ジメチル0.0215gをマレイン酸ジメチル0.0215gに変更したこと以外は、例3と同様にして、導電ペースト4を得た。次いで、導電ペースト3に代えて、PET基板上に導電ペースト4を塗布し、導電膜4を形成したこと以外は例3と同様にして、導電膜付き基材4を得た。
(例5)
樹脂溶液にホルムアミド0.0215gを添加しなかった。それ以外は例1と同様にして、導電ペースト5を得た。
(例6)
ホルムアミド0.0215gに代えて、プロピレンカーボネート0.0215gを樹脂溶液に添加したこと以外は例1と同様にして、導電ペースト6を得た。
(例7)
ホルムアミド0.0215gに代えて、酢酸フェニル0.0215gを樹脂溶液に添加したこと以外は例1と同様にして、導電ペースト7を得た。
(例8)
ホルムアミド0.0215gに代えて、サリチル酸0.0215gを樹脂溶液に添加したこと以外は例1と同様にして、導電ペースト8を得た。
(例9)
ホルムアミド0.0215gに代えて、シュウ酸0.0215gを樹脂溶液に添加したこと以外は例1と同様にして、導電ペースト9を得た。
(例10)
ホルムアミド0.0215gに代えて、マレイン酸0.0215gを樹脂溶液に添加したこと以外は例1と同様にして、導電ペースト10を得た。
次に、導電ペースト1に代えて、PET基板上に導電ペースト5〜10をそれぞれ塗布し、130℃で15分間加熱して導電膜5〜10を形成した。それ以外は、例1と同様にして、導電膜付き基材5〜10(例5〜10)を得た。
(導電体配線の抵抗)
得られた導電膜1〜10の抵抗値を、抵抗値計(ケースレー社製、商品名:「ミリオームハイテスタ」)を用いて測定し、初期の体積抵抗率を求めた。
(耐久性試験)
導電膜付き基材1〜10について、高温高湿の環境下での耐久性試験を行った。すなわち、導電膜付き基材1〜10を60℃、90%RHの高温高湿とした槽内で240時間保持した後、導電膜1〜10の抵抗値を測定した。そして、耐久性試験後の体積抵抗率を求めた。
こうして得られた初期の体積抵抗率と、耐久性試験後の体積抵抗率の変動率(上昇率)を、表1に示す。
なお、表1において、硬化剤の添加量は、フェノール樹脂の固形分100質量部に対する添加量(質量部)で示したものである。
Figure 2012161201
表1から明らかなように、pKaが1〜4である有機酸の、エステルまたはアミドを配合した導電ペースト1〜4により導電膜1〜4を形成した導電膜付き基材1〜4(例1〜4)では、体積抵抗率が低く、かつ高温高湿環境下での耐久性試験後の体積抵抗率の変動率(上昇率)も低く抑えられていた。
一方、有機酸のエステルまたはアミドを配合せずに形成した導電ペースト5により、導電膜5を形成した導電膜付き基材5(例5)では、高温高湿環境下での耐久性試験後の体積抵抗率の変動率が20%と高く、耐久性に劣るものであった。
また、pKaが4を超える有機酸の、エステルまたはアミドを配合した導電ペースト6、7により導電膜6〜7を形成した導電膜付き基材6〜7(例6および7)では、高温高湿環境下での耐久性試験後の体積抵抗率の変動率が20〜27%とさらに高くなっており、耐久性に劣るものであった。
さらに、エステルまたはアミドではなく、pKaが1〜4の有機酸そのものを配合した導電ペースト8〜10により導電膜8〜10を形成した導電膜付き基材8〜10(例8〜10)でも、高温高湿環境下での耐久性試験後の体積抵抗率の変動率が23〜26%と高くなっており、耐久性に劣るものであった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2011年5月23日出願の日本特許出願2011−114604に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の導電ペーストによれば、150℃未満という従来より低い温度で硬化させることが可能であり、高湿度の環境下で酸化銅の形成が抑制され、低い体積抵抗率を長期間維持し得る導電膜を形成することができる。また、このような導電ペーストを用いることで、絶縁基材として樹脂等が使用し、配線基板等としての信頼性が高く、また酸化被膜の形成による体積抵抗率の上昇が抑制された導電膜付き基材を得ることができる。
10…導電膜付き基材、11…基材、12…導電膜。

Claims (17)

  1. 銅粒子(A)と、25℃、イオン強度0.1mol/Lにおける銅イオンとの安定度定数logKCuが5〜15である化合物からなるキレート剤(B)と、熱硬化性樹脂(C)と、pKaが1〜4の有機酸の、エステルまたはアミド(D)を含有することを特徴とする導電ペースト。
  2. 前記銅粒子(A)は、X線光電子分光法によって求められる表面酸素濃度比O/Cuが0.5以下である請求項1記載の導電ペースト。
  3. 前記銅粒子(A)は、pH値が3以下の分散媒中で還元処理された表面改質銅粒子である請求項1または2に記載の導電ペースト。
  4. 前記銅粒子(A)は、平均一次粒子径が0.3〜20μmの金属銅粒子表面に、平均一次粒子径が1〜20nmの金属銅微粒子が凝集して付着した複合金属銅粒子である請求項1乃至3のいずれか1項記載の導電ペースト。
  5. 前記キレート剤(B)は、窒素原子を含む官能基(a)と、窒素原子以外の孤立電子対を有する原子を含む官能基(b)とが、芳香環のオルト位に配置された芳香族化合物である請求項1乃至4のいずれか1項記載の導電ペースト。
  6. 前記窒素原子以外の孤立電子対を有する原子を含む官能基(b)は、水酸基またはカルボキシル基である請求項5記載の導電ペースト。
  7. 前記窒素原子と前記窒素原子以外の孤立電子対を有する原子とは、2個または3個の原子を介在して結合している請求項5または6記載の導電ペースト。
  8. 前記キレート剤(B)は、サリチルヒドロキサム酸、サリチルアルドキシムおよびo−アミノフェノールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至7のいずれか1項記載の導電ペースト。
  9. 前記熱硬化性樹脂(C)は、フェノール樹脂、メラミン樹脂および尿素樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至8のいずれか1項記載の導電ペースト。
  10. 前記有機酸のエステルまたはアミド(D)は、ホルムアミド、サリチル酸メチル、シュウ酸ジメチル、マロン酸ジメチルおよびマレイン酸ジメチルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至9のいずれか1項記載の導電ペースト。
  11. 前記キレート剤(B)の含有量は、前記銅粒子(A)100質量部に対して0.01〜1質量部である請求項1乃至10のいずれか1項記載の導電ペースト。
  12. 前記熱硬化性樹脂(C)の含有量は、前記銅粒子(A)100質量部に対して5〜50質量部である請求項1乃至11のいずれか1項記載の導電ペースト。
  13. 前記有機酸のエステルまたはアミド(D)の含有量は、前記熱硬化性樹脂(C)100質量部に対して0.5〜15質量部である請求項1乃至12のいずれか1項記載の導電ペースト。
  14. 基材と、該基材上に請求項1乃至13のいずれか1項記載の導電ペーストを硬化させて形成された導電膜を有する導電膜付き基材。
  15. 前記基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種である請求項14記載の導電膜付き基材。
  16. 前記導電膜の体積抵抗率が1.0×10−4Ωcm以下である請求項14または15記載の導電膜付き基材。
  17. 請求項1乃至13のいずれか1項記載の導電ペーストを基材上に塗布する工程と、前記導電ペーストを150℃未満の温度で加熱し硬化させて導電膜を形成する工程と、を含む導電膜付き基材の製造方法。
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