JPWO2012157214A1 - 鋳型、鋳造装置及び鋳造棒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

鋳型13は、溶湯2を受け入れるための凹部21を備えている。凹部21は、溶湯2に接触して溶湯2を凝固物へと変化させるための内壁面29で構成されているとともに、凝固物の引き抜き方向D1に向かって開口している。第1輪郭線23pと第2輪郭線25pとによる曲線は、開始点43及び45の位置に尖点を有している。幅方向D2に関する第1輪郭線23pから第2輪郭線25pまでの距離は、引き抜き方向D1の上流側から下流側に進むにつれて連続的に増加している。第1終了点33又は第2終了点35を通り、鋳型13の断面に垂直な軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に鋳造棒3が回転変位できるように、凹部21における内壁面29の形状が定められている。

Description

本発明は、鋳型、鋳造装置及び鋳造棒の製造方法に関する。
鋳造は、鉄鋼及び非鉄金属の分野で使用されている技術である。鋳造技術の1つとして、連続鋳造が知られている。連続鋳造とは、鋳型で成形された鋳造棒を垂直方向又は水平方向に引き抜く工程を含む方法である。ルツボにて原料を溶解し、ルツボの下部に設けられたノズルを通じてパイプ状の鋳型に溶湯を流し込み、鋳型内で原料を順次凝固させ、得られた鋳造片を連続的に引き抜くことで鋳造棒が得られる。水平連続鋳造の場合には、ルツボ又はタンディッシュから鋳型に溶湯を滴下することも可能である。
鋳型には、引き抜き時に鋳造棒に加わる摩擦抵抗を軽減し、引き抜き不良及び鋳造棒の破損を防止する目的でテーパーが設定される。通常は、鉄鋼等の材料の凝固時の体積収縮を計算に入れて、溶湯の供給側で鋳型の幅が広くなり、引き抜き方向に進むにつれて幅が狭くなるようにテーパーが設定される(特許文献1及び2参照)。
鉄鋼以外の材料を鋳造法で成形することもある。例えばシリコンは、鉄鋼等の金属材料に添加されるほか、半導体、太陽電池等に用いられている。特に、太陽電池用シリコンの製造方法として、近年、鋳造法によるシリコンの成形が試みられている(特許文献3及び4参照)。
また、本発明者らは、鋳造法で成形したシリコン棒を用いてルツボにシリコンを供給することで、高効率かつ低コストでシリコン蒸着膜を得る方法を提案している(特許文献5参照)。
特開平4−266456号公報 特許4057831号明細書 特開平7−256624号公報 特開平5−213691号公報 特許第4331791号明細書
鉄鋼等の多くの材料は、溶湯から凝固するときに密度が増加し、体積が収縮する性質を有する。しかし、シリコンは、水と同じく凝固時に膨張する性質を有している。そのため、従来の鉄鋼業界で用いられてきた先細りのテーパーがついた鋳型を用いると、鋳型内でのシリコンの膨張により鋳造棒が鋳型に押しつけられて引き抜けない。また、鋳型内でシリコンが不均一に凝固し始めた場合、鋳型内で軸ブレ又は回転を起こすような応力が鋳造棒に働くことによって、引き抜き時の摩擦抵抗の増加、ブレークアウト等の不具合が発生する可能性がある。
上記事情に鑑み、本発明は、凝固時に体積の増加を伴う材料の鋳造に適した鋳型を提供することを目的とする。本発明は、さらに、その鋳型を用いた鋳造装置及び鋳造棒の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本開示は、
原料の溶湯を供給し、供給された前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜くことによって、前記原料の鋳造棒を製造するための鋳型であって、
前記溶湯を受け入れるための凹部を備え、
前記凹部は、前記溶湯に接触して前記溶湯を前記凝固物へと変化させるための内壁面で構成されているとともに、前記凝固物の引き抜き方向に向かって開口しており、
前記引き抜き方向に平行な基準平面で前記凹部を切断したときに観察される断面において、前記内壁面が、それぞれ前記引き抜き方向に沿って延びる第1輪郭線及び第2輪郭線を示し、
前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、曲線で構成されており、
前記断面上で、(i)前記引き抜き方向に垂直な方向を幅方向、(ii)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も下流側の位置を第1終了点、(iii)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も下流側の位置を第2終了点、(iv)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も上流側の位置を第1開始点、(v)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も上流側の位置を第2開始点とそれぞれ定義したとき、
前記断面において前記第1開始点が前記第2開始点に一致するように、前記引き抜き方向における前記凹部の最も上流側の位置で前記第1輪郭線が前記第2輪郭線に接続しており、
前記第1輪郭線と前記第2輪郭線とによる曲線が前記第1開始点及び前記第2開始点の位置に尖点を有しており、
前記幅方向に関する前記第1輪郭線から前記第2輪郭線までの距離は、前記引き抜き方向の上流側から下流側に進むにつれて連続的に増加しており、
前記断面に垂直かつ前記第1終了点又は前記第2終了点を通る軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に前記鋳造棒が回転変位できるように、前記凹部における前記内壁面の形状が定められている、鋳型を提供する。
上記の鋳型によれば、引き抜き方向に平行な基準平面で凹部を切断したときに観察される断面に垂直かつ第1終了点又は第2終了点を通る軸を中心として、凝固物(鋳造棒の先端部)が回転変位できるように、凹部における内壁面の形状が定められている。つまり、原料の体積変化に伴って発生した応力を鋳造棒のトルクとして逃がすことができる。そのため、応力及び応力の発生に伴う摩擦抵抗が低減され、ひいては、鋳造棒の引き抜き不良及びブレークアウトを防止できる。
本発明の第1実施形態に係る鋳造装置の概略図 第1実施形態に係る鋳型の作用説明図 従来の鋳型の作用説明図 本実施形態に係る鋳型の三面図 本実施形態に係る鋳型のIV-IV線に沿った横断面図 図4と同様の横断面図 図4と同様の横断面図 変形例1に係る鋳型の横断面図 変形例2に係る鋳型の三面図 本発明の第2実施形態に係る鋳造装置の概略図 第2実施形態に係る鋳型のXA-XA線に沿った横断面図 第2実施形態に係る鋳型の正面図 第2実施形態に係る鋳型のXC-XC線に沿った縦断面図 変形例3に係る鋳型のXIA-XIA線に沿った横断面図 変形例3に係る鋳型の正面図 変形例3に係る鋳型の側面図 本発明の第3実施形態に係る鋳型の横断面図 変形例4に係る鋳型の正面図 比較例1の鋳型の平面図 実施例1の鋳型の平面図 実施例2の鋳型の平面図 実施例3の鋳型の平面図 比較例2の鋳型の平面図 実施例4の鋳型の平面図 実施例5の鋳型の平面図 実施例6の鋳型の平面図 実施例7の鋳型の平面図
本開示に係る第1の態様は、
原料の溶湯を供給し、供給された前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜くことによって、前記原料の鋳造棒を製造するための鋳型であって、
前記溶湯を受け入れるための凹部を備え、
前記凹部は、前記溶湯に接触して前記溶湯を前記凝固物へと変化させるための内壁面で構成されているとともに、前記凝固物の引き抜き方向に向かって開口しており、
前記引き抜き方向に平行な基準平面で前記凹部を切断したときに観察される断面において、前記内壁面が、それぞれ前記引き抜き方向に沿って延びる第1輪郭線及び第2輪郭線を示し、
前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、曲線で構成されており、
前記断面上で、(i)前記引き抜き方向に垂直な方向を幅方向、(ii)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も下流側の位置を第1終了点、(iii)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も下流側の位置を第2終了点、(iv)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も上流側の位置を第1開始点、(v)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も上流側の位置を第2開始点とそれぞれ定義したとき、
前記断面において前記第1開始点が前記第2開始点に一致するように、前記引き抜き方向における前記凹部の最も上流側の位置で前記第1輪郭線が前記第2輪郭線に接続しており、
前記第1輪郭線と前記第2輪郭線とによる曲線が前記第1開始点及び前記第2開始点の位置に尖点を有しており、
前記幅方向に関する前記第1輪郭線から前記第2輪郭線までの距離は、前記引き抜き方向の上流側から下流側に進むにつれて連続的に増加しており、
前記断面に垂直かつ前記第1終了点又は前記第2終了点を通る軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に前記鋳造棒が回転変位できるように、前記凹部における前記内壁面の形状が定められている、鋳型を提供する。
本開示に係る第2の態様は、
原料の溶湯を供給し、供給された前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜くことによって、前記原料の鋳造棒を製造するための鋳型であって、
前記溶湯を受け入れるための凹部を備え、
前記凹部は、前記溶湯に接触して前記溶湯を前記凝固物へと変化させるための内壁面で構成されているとともに、前記凝固物の引き抜き方向に向かって開口しており、
前記引き抜き方向に平行な基準平面で前記凹部を切断したときに観察される断面において、前記内壁面が、それぞれ前記引き抜き方向に沿って延びる第1輪郭線及び第2輪郭線を示し、
前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、曲線で構成されており、
前記断面上で、(i)前記引き抜き方向に垂直な方向を幅方向、(ii)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も下流側の位置を第1終了点、(iii)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も下流側の位置を第2終了点、(iv)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も上流側の位置を第1開始点、(v)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も上流側の位置を第2開始点とそれぞれ定義したとき、
前記断面において前記第1開始点が前記第2開始点に一致するように、前記引き抜き方向における前記凹部の最も上流側の位置で前記第1輪郭線が前記第2輪郭線に接続しており、
前記第1輪郭線と前記第2輪郭線とによる曲線が前記第1開始点及び前記第2開始点の位置に尖点を有しており、
前記幅方向に関する前記第1輪郭線から前記第2輪郭線までの距離は、前記引き抜き方向の上流側から下流側に進むにつれて連続的に増加しており、
前記第1終了点又は前記第2終了点を中心として、前記第1輪郭線又は前記第2輪郭線上の任意の1点を通る仮想円を前記断面上で描いたとき、前記仮想円が、前記任意の1点においてのみ前記第1輪郭線若しくは前記第2輪郭線と交差する、又は前記第1輪郭線若しくは前記第2輪郭線に重なる、鋳型を提供する。
第2の態様によれば、鋳造棒は、第1終了点又は第2終了点を中心として、鋳型と干渉することなく回転できる。その結果、鋳造棒を鋳型からスムーズに引き抜くことができる。
第3の態様は、第1の態様に加え、前記第1終了点又は前記第2終了点を中心として、前記第1輪郭線又は前記第2輪郭線上の任意の1点を通る仮想円を前記断面上で描いたとき、前記仮想円が、前記任意の1点においてのみ前記第1輪郭線若しくは前記第2輪郭線と交差していてもよい、又は前記第1輪郭線若しくは前記第2輪郭線に重なっていてもよい、鋳型を提供する。第3の態様によれば、第2の態様と同じ理由により、鋳造棒をスムーズに引き抜くことができる。
第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれか1つに加え、前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、楕円の一部又は円弧で構成されていてもよい、鋳型を提供する。第4の態様によれば、第1内壁面及び第2内壁面は、円柱又は楕円柱の外周面の一部で構成されうる。この場合、鋳型の設計が容易である。
第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれか1つに加え、前記凹部によって占有された空間を左右対称に等分する対称面が存在していてもよい、鋳型を提供する。前記基準平面が、前記対称面に対して垂直かつ前記引き抜き方向に平行な平面であってもよい。前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、前記対称面に関して左右対称な円弧で構成されていてもよい。前記基準平面上で、(a)前記第1輪郭線と前記対称面との交点を第1交点、(b)前記第1輪郭線を構成する前記円弧の中心と前記第1交点とを結ぶ直線を開始基準線、(c)前記対称面と前記開始基準線とのなす角度を開始角度θ2と定義したとき、前記開始角度θ2が、0度より大きく30度以下の範囲にあってもよい。開始角度θ2が適切な範囲にあると、鋳造棒をよりスムーズに鋳型から引き抜くことができる。
第6の態様は、第5の態様に加え、前記開始角度θ2が、3度以上30度以下の範囲にあってもよい、鋳型を提供する。開始角度θ2が適切な範囲にあると、鋳造棒をよりスムーズに鋳型から引き抜くことができる。
第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれか1つに加え、水平連続鋳造用の鋳型を提供する。前記引き抜き方向及び前記基準平面が、それぞれ、水平方向に平行であってもよい。本開示に係る鋳型は、水平連続鋳造に適している。
第8の態様は、第1〜第7の態様のいずれか1つに加え、前記溶湯を滴下することによって前記凹部に前記溶湯を供給できるように、前記凹部の上部が開口していてもよい、鋳型を提供する。前記内壁面が、前記第1輪郭線の起源となる第1内壁面と、前記第2輪郭線の起源となる第2内壁面と、前記第1内壁面及び前記第2内壁面の両方に隣接している底面とで構成されていてもよい。凹部の上部が開口していると、鋳造棒に発生した応力を効率的に緩和することができる。
本開示に係る第9の態様は、
原料の溶湯を供給し、供給された前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜くことによって、前記原料の鋳造棒を製造するための鋳型であって、
前記溶湯を受け入れるための凹部と、前記凹部への前記溶湯の供給口として、前記凝固物の引き抜き方向における前記凹部の最も上流側の部分と当該鋳型の外部とを連通しているノズル穴とを備え、
前記凹部は、前記溶湯に接触して前記溶湯を前記凝固物へと変化させるための内壁面で構成されているとともに、前記引き抜き方向に向かって開口しており、
前記引き抜き方向に平行な基準平面で前記凹部を切断したときに観察される断面において、前記内壁面が、前記ノズル穴の端からそれぞれ前記引き抜き方向に沿って延びる第1輪郭線及び第2輪郭線を示し、
前記凹部によって占有された空間を左右対称に等分する対称面が存在し、
前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、楕円の一部又は円弧で構成されており、かつ前記対称面に関して対称であり、
前記断面上で、(i)前記引き抜き方向に垂直な方向を幅方向、(ii)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も下流側の位置を第1終了点、(iii)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も下流側の位置を第2終了点、(iv)前記楕円又は前記円弧に沿って、前記引き抜き方向の上流側に前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線をそれぞれ仮想的に延長することによって得られる2つの仮想線と前記対称面との交点を仮想開始点とそれぞれ定義したとき、
前記仮想開始点において、前記2つの仮想線による曲線が尖点を有しており、
前記幅方向に関する前記第1輪郭線から前記第2輪郭線までの距離は、前記引き抜き方向の上流側から下流側に進むにつれて連続的に増加しており、
前記断面に垂直かつ前記第1終了点又は前記第2終了点を通る軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に前記鋳造棒が回転変位できるように、前記凹部における前記内壁面の形状が定められている、鋳型を提供する。
第9の態様によれば、第1の態様と同じ理由により、鋳造棒を鋳型からスムーズに引き抜くことができる。
本開示に係る第10の態様は、
原料の溶湯を供給し、供給された前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜くことによって、前記原料の鋳造棒を製造するための鋳型であって、
前記溶湯を受け入れるための凹部を備え、
前記凹部は、前記溶湯に接触して前記溶湯を前記凝固物へと変化させるための内壁面で構成されているとともに、前記凝固物の引き抜き方向に向かって開口しており、
前記引き抜き方向に平行な基準平面で前記凹部を切断したときに観察される断面において、前記内壁面が、それぞれ前記引き抜き方向に沿って延びる第1輪郭線及び第2輪郭線を示し、
前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、複数の線分で構成されており、
前記断面上で、(i)前記引き抜き方向に垂直な方向を幅方向、(ii)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も下流側の位置を第1終了点、(iii)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も下流側の位置を第2終了点とそれぞれ定義したとき、
前記幅方向に関する前記第1輪郭線から前記第2輪郭線までの距離は、前記引き抜き方向の上流側から下流側に進むにつれて連続的に増加しており、
前記断面に垂直かつ前記第1終了点又は前記第2終了点を通る軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に前記鋳造棒が回転変位できるように、前記凹部における前記内壁面の形状が定められている、鋳型を提供する。
第10の態様によれば、第1の態様と同じ理由により、鋳造棒を鋳型からスムーズに引き抜くことができる。
本開示に係る第11の態様は、
原料の溶湯を保持するためのルツボと、
前記ルツボから前記溶湯を受け入れて前記原料を凝固させるための、第1〜第10の態様のいずれか1つの鋳型と、
前記原料の鋳造棒が製造されるように前記鋳型から前記原料の凝固物を引き抜くための搬送装置と、
を備えた、鋳造装置を提供する。
第12の態様は、第11の態様に加え、前記ルツボに前記原料を供給するための原料供給装置と、前記鋳型内での前記原料の凝固速度を調節するための加熱装置をさらに備えていてもよい、鋳造装置を提供する。
第13の態様は、第11又は第12の態様に加え、水平連続鋳造用の鋳型を提供する。前記溶湯を滴下することによって前記ルツボから前記凹部に前記溶湯を供給できるように、前記鋳型の前記凹部の上部が開口していてもよい。
本開示に係る第14の態様は、
原料の溶湯を保持するためのルツボと、
前記ルツボから前記溶湯を受け入れて前記原料を凝固させるための、第9の態様の鋳型と、
前記原料の鋳造棒が製造されるように前記鋳型から前記原料の凝固物を引き抜くための搬送装置と、
を備え、
前記ルツボから前記鋳型の前記凹部に前記溶湯を供給できるように、前記ルツボと前記鋳型の前記ノズル穴とが接続されている、鋳造装置を提供する。
本開示に係る第15の態様は、第1〜第10の態様のいずれか1つの鋳型に原料の溶湯を供給する工程と、
前記原料の鋳造棒が製造されるように、前記鋳型内で前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜く工程と、
を含む、鋳造棒の製造方法を提供する。
第16の態様は、第15の態様に加え、前記鋳型が、水平連続鋳造用の鋳型であってもよい、鋳造棒の製造方法を提供する。前記鋳型の前記凹部の上部が開口していてもよい。前記供給工程において、前記溶湯を滴下することによって前記ルツボから前記凹部に前記溶湯を供給してもよい。
本開示に係る第17の態様は、
第9の態様の鋳型に原料の溶湯を供給する工程と、
前記原料の鋳造棒が製造されるように、前記鋳型内で前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜く工程と、
を含み、
前記供給工程において、前記ノズル穴を通じて前記ルツボから前記鋳型の前記凹部に前記溶湯を供給する、鋳造棒の製造方法を提供する。
第11〜第17の態様によれば、鋳造棒を効率的に製造できる。
第18の態様は、第15〜第17の態様のいずれか1つに加え、前記原料が、液相から固相へと変化するときに体積の増加を伴う材料であってもよい、鋳造棒の製造方法を提供する。本開示によって提供された鋳型は、これらの材料の鋳造に適している。
第19の態様は、第18の態様に加え、前記原料が、シリコン又はシリコン化合物であってもよい、鋳造棒の製造方法を提供する。本開示によって提供された鋳型は、これらの材料の鋳造に適している。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。本明細書では、特定の数値及び特定の材料を例示する場合があるが、本発明は、それらによって何ら限定解釈されない。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係る鋳造装置100は、原料供給装置11、ルツボ12、鋳型13、搬送装置14、加熱装置15及びチャンバ16を備えている。各構成要素は、チャンバ16の内部に配置されている。これらの構成要素の一部は、チャンバ16の外部に位置していてもよい。図1は、鋳造棒3を製造する際の様子を表している。鋳型13に原料1の溶湯2を供給する。供給された原料1を鋳型13内で凝固させながら原料1の凝固物(鋳造棒3の先端部)を引き抜く。これにより、鋳造棒3が連続的に製造される。原料1としては、液相から固相へと変化するときに体積の増加を伴う材料を使用できる。具体的には、シリコン又はシリコン化合物を原料1として使用できる。
鋳造装置100は、いわゆる水平連続鋳造装置として構成されている。従って、鋳型13は、水平連続鋳造用の鋳型であり、鋳造棒3は、水平方向に引き抜かれる。
チャンバ16には、真空ポンプ18及びガス導入管19が接続されている。原料1が溶解中に酸化することを防止するために、真空ポンプ18及びガス導入管19を使用できる。真空ポンプ18を動かせば、チャンバ16の内部の圧力を大気圧よりも低い圧力(真空状態)に保持することができる。ガス導入管19を通じて任意のガスをチャンバ16の内部に供給すれば、チャンバ16の内部の空気をそのガスで置換することができる。例えば、アルゴン等の不活性ガス、水素等の還元性ガス、それらの混合ガスを使用できる。もちろん、鋳造棒3を製造する際の圧力及び雰囲気は特に限定されない。場合によっては、大気下で鋳造棒3を製造することも可能である。
原料供給装置11は、原料貯蔵部11a及び傾斜台11bで構成されており、ルツボ12に原料1を供給する役割を担う。原料1は、固体の状態で原料貯蔵部11aに貯蔵されている。ルツボ12に供給される前の原料1の形状は、典型的には、粒状又は塊状である。原料1は、原料貯蔵部11aから傾斜台11bに送られ、傾斜台11bを通ってルツボ12に到達する。ルツボ12への原料1の供給方法は特に限定されない。すなわち、パーツフィーダー方式、バスケット方式、押し棒方式、傾斜すべり方式、ベルトコンベア方式等の方法を採用した供給装置を使用できる。チャンバ16の内部に原料1を保持することが困難な場合には、原料供給装置11の一部、例えば原料貯蔵部11aをチャンバ16の外部に配置し、チャンバ16の外部からルツボ12に原料1を供給することも可能である。
原料1は、原料供給装置11からルツボ12に連続的に供給されてもよいし、間欠的に供給されてもよい。原料1の供給速度は、例えば、0.1g/秒〜20g/秒の範囲にある。供給速度を適切に調節することによって、以下の利益が得られる。すなわち、溶解中に原料1が気化しにくくなり、高い材料利用率を達成できる。また、原料1の溶解及び鋳造に大きいエネルギー移動が伴うことを回避できるので、鋳造装置100の大型化、ひいては生産コストの高騰を回避できる。もちろん、原料1の供給速度は、鋳造棒3の寸法等に依存するので特に限定されない。
原料供給装置11は、原料1の前処理を実施するための前処理部を有していてもよい。前処理部としては、原料1を乾燥させるための乾燥機、原料1を適切な寸法に破砕するための破砕機等が挙げられる。
ルツボ12は、原料1の溶湯2を生成及び保持する役割を担う。原料1は、原料供給装置11からルツボ12に供給され、ルツボ12で加熱され、溶解する。原料1をルツボ12内で溶かすための加熱方法は特に限定されず、抵抗加熱、誘導加熱、アーク放電による加熱、電子線照射による加熱等の加熱方法を採用できる。ルツボ12の材料も特に限定されない。ルツボ12は、典型的には、黒鉛で作られている。原料1の酸化が問題にならないのであれば、ルツボ12の材料として耐火物を使用してもよい。
ルツボ12には、鋳型13に溶湯2を供給するためのノズル12aが設けられている。ノズル12aを通じて、溶湯2が鋳型13に向けて滴下される。ルツボ12の外壁に設けられた溝を通じて鋳型13に溶湯2を滴下してもよいし、ルツボ12の底部に設けられた孔を通じて鋳型13に溶湯2を滴下してもよい。
ルツボ12は、適切な量の溶湯2を保持できる容量を有する。例えば、原料供給装置11からルツボ12に連続的に原料1を供給する場合、ルツボ12は、例えば、10〜600秒の連続供給を可能にする容量を有している。1g/秒でルツボ12に原料1を供給する場合、ルツボ12は、10〜600gの原料1を保持できる容量を有している。ルツボ12が適切な容量を有していると、以下の利益が得られる。すなわち、未溶解の原料1が鋳型13に流出する可能性を低減できる。原料1に含まれた気体成分及び低沸点不純物をルツボ12内で十分に除去することができるため、鋳造棒3に気泡が入りにくい。溶解中に原料1が気化しにくくなり、高い材料利用率を達成できる。溶解で消費される電力も節約できる。
未溶解の原料1の流出を防ぐこと、原料1の脱ガスを行うこと、鋳型13への溶湯2の供給速度を安定化すること等の付加的な目的を達成するために、複数のルツボ12を並列又は直列で設けてもよい。
なお、本明細書において「ルツボ」の用語は、鋳造の分野で使用される「タンディッシュ」の意味を広く含む。
鋳型13は、鋳造棒3が得られるように、ルツボ12から溶湯2を受け入れて原料1を凝固させる役割を担う。鋳型13は、典型的には、金属材料又は黒鉛で作られている。金属材料として、銅、アルミニウム、鉄、タングステン、モリブデン等の金属を使用できる。摩擦抵抗を軽減する目的で、鋳型13は、アモルファスカーボン等の低摩擦材料でコーティングされた表面を有していてもよい。
鋳造装置100は、鋳型13を冷却するための冷却系を備えていてもよい。例えば、鋳型13の内部に流路が設けられているとき、その流路に冷媒を流すことによって鋳型13を効率的に冷却できる。液体の冷媒としては、水、油等が挙げられる。気体の冷媒としては、空気等が挙げられる。冷媒を流すための流路は、鋳型13の外周面に沿って設けられていてもよい。さらに、鋳型13に向けて冷却ガスを吹き付けることによって、鋳型13を冷却することも可能である。
鋳型13の出口の寸法、すなわち、鋳型13で製造されるべき鋳造棒3の寸法(幅及び高さ)は、例えば30〜150mmの範囲にある。鋳造棒3の長さは、鋳型13から鋳造棒3を引き抜く距離で任意に設定できる。このような寸法の鋳造棒3は、以下の理由により、鋳型13を用いて比較的容易に製造することができる。すなわち、ルツボ12から鋳型13に溶湯2を滴下するとき、高い位置精度が要求されない。また、滴下後の溶湯2が鋳型13に均一に充填されやすい。
鋳型13の下流側には、支持体17が設けられている。支持体17は、鋳型13から引き抜かれた鋳造棒3を支持するとともに、所定の引き抜き方向に鋳造棒3を誘導する役割を担う。支持体17は、鋳造棒3の下面とともに側面を支持するように構成されていてもよいし、鋳造棒3の下面に代えて側面を支持するように構成されていてもよい。
加熱装置15は、鋳型13の上方に設けられており、鋳型13内での原料1の凝固速度を調節する役割を担う。加熱装置15によって、直接又は鋳型13を通じて間接的に溶湯2が加熱され、凝固速度及び凝固位置が調節される。加熱装置15として、抵抗加熱、誘導加熱、アーク放電による加熱、電子線照射による加熱等の加熱方法を採用した加熱装置を使用できる。
搬送装置14は、原料1の鋳造棒3が連続的に製造されるように鋳型13から原料1の凝固物を引き抜く役割を担う。本実施形態において、搬送装置14は、鋳造棒3を支えることができる複数のローラ14aで構成されている。ローラ14aで鋳造棒3を挟み、ローラ14aを回転させることによって鋳造棒3を搬送できる。もちろん、搬送装置14の構造は特に限定されない。搬送装置14は、鋳造棒3を固定する保持具を備え、保持具を引き抜き方向に移動させることによって鋳造棒3を搬送するように構成されていてもよい。
搬送装置14の一部がチャンバ16の外部に延びていてもよい。この場合、鋳造棒3をチャンバ16の外部に容易に搬出できる。また、搬送装置14は、鋳造棒3を任意の長さで切断するカッターを有していてもよい。鋳造棒3の切断は、チャンバ16の内部で行われてもよいし、外部で行われてもよい。さらに、鋳造棒3を必要とする別の装置、例えば特許文献5(特許第4331791号明細書)に記載された成膜装置に鋳造装置100を接続すれば、その成膜装置に鋳造棒3を連続的に供給できる。
次に、鋳型13の構造を詳細に説明する。
原料1が凝固時に膨張する性質を持っている場合、凝固に伴って鋳型13の内部で原料1の体積が増加する。すると、図2Aに示すように、鋳造棒3と鋳型13との境界の近傍の領域41で圧縮応力(太い矢印)が発生する。本実施形態の鋳型13は、鋳造棒3の回転変位を許容することによって、この圧縮応力を緩和するように構成されている。また、振動によって鋳造棒3の引き抜き方向が設計上の方向からずれて鋳造棒3に応力が発生したとしても、鋳造棒3の回転によって応力を緩和することができる。
他方、図2Bに示す鋳型130によれば、鋳造棒3を回転させようとしても鋳造棒3が鋳型130と干渉する。従って、鋳造棒3の回転変位が許容されず、圧縮応力(太い矢印)を緩和できない。この場合、鋳造棒3が鋳型130に押しつけられて引き抜けなかったり、鋳造棒3に圧縮応力が働いてブレークアウトが発生したりする。
図3は、鋳型13の三面図である。鋳型13は、溶湯2を受け入れるための凹部21を備えている。凹部21は、内壁面29で構成されているとともに、鋳造棒3の引き抜き方向D1に向かって開口している。溶湯2を滴下することによって凹部21に溶湯2を供給できるように、凹部21の上部は開口している。内壁面29は、溶湯2に接して溶湯2を凝固物へと変化させるための面であって、右内壁面23(第1内壁面)、左内壁面25(第2内壁面)及び底面27を含む。右内壁面23と底面27との境界には、稜線が存在している。左内壁面25と底面27との境界にも稜線が存在している。右内壁面23と左内壁面25との境界にも稜線が存在している。本実施形態において、鋳型13は、平面視で矩形の形状を有しているが、鋳型13の全体的な形状は特に限定されない。
本実施形態の鋳型13には、凹部21によって占有された空間を左右対称に等分する対称面36が存在する。従って、右内壁面23及び左内壁面25は、対称面36に関して実質的に鏡映対称である。右内壁面23と左内壁面25とによる稜線は、対称面36の上に存在する。鋳造棒3の中心軸は、対称面36の上に存在する。凹部21が左右対称な構造を有していると、溶湯2が鋳型13に均一に充填されやすく、原料1を均一に凝固させることができる。なお、鋳造棒3が角柱の形状を有している場合、その中心軸は、鋳造棒3の矩形の断面の対角線の交点を通る。鋳造棒3が円柱の形状を有している場合には、その中心軸は、円柱の中心を通る。
溶湯2は、右内壁面23と左内壁面25とによって囲まれた斜線領域31に滴下され、鋳型13に放熱する。原料1は、基本的には、凹部21の開口端に到達する前に凝固する。ただし、鋳造棒3の形状及び寸法の精度を高めるために、鋳型13の下流側に補助鋳型を設け、鋳造棒3の表面を追加的に成形してもよい。この場合、原料1の凝固が鋳型13で完了している必要はない。
図4は、IV-IV線に沿った鋳型13の断面、すなわち、引き抜き方向D1に平行な基準平面で凹部21を切断したときに観察される鋳型13の断面を表している。基準平面は、対称面36に対して垂直かつ引き抜き方向D1に平行な平面である。基準平面は、また、水平方向に平行な平面であり、図4に示す断面は鋳型13の水平断面である。さらに、鋳造棒3の中心軸は、基準平面と対称面36との交線に一致している。
図4に示す断面において、内壁面29は、右輪郭線23p(第1輪郭線)及び左輪郭線25p(第2輪郭線)を示す。右輪郭線23p及び左輪郭線25pは、それぞれ、引き抜き方向D1に沿って延びている。この断面上で、引き抜き方向D1に垂直な方向を幅方向D2、引き抜き方向D1における右輪郭線23pの最も下流側の位置を右終了点33(第1終了点)、引き抜き方向D1における左輪郭線25pの最も下流側の位置を左終了点35(第2終了点)とそれぞれ定義する。また、引き抜き方向D1における右輪郭線23pの最も上流側の位置を右開始点43(第1開始点)、引き抜き方向D1における左輪郭線25pの最も上流側の位置を左開始点45(第2開始点)と定義する。
本実施形態において、右輪郭線23p及び左輪郭線25pは、それぞれ、曲線で構成されている。詳細には、右輪郭線23p及び左輪郭線25pは、それぞれ、円弧で構成されている。言い換えれば、右輪郭線23pの起源となる右内壁面23は、円柱の外周面の一部で構成されている。左輪郭線25pの起源となる左内壁面25も円柱の外周面の一部で構成されている。右内壁面23をなす円柱は、左内壁面25をなす円柱の外径に等しい外径を有する。右輪郭線23p及び左輪郭線25pは、対称面36に関して対称な円弧で構成されている。図4に示す断面において、右開始点43が左開始点45に一致するように、引き抜き方向D1における凹部21の最も上流側の位置で右輪郭線23pが左輪郭線25pに接続している。右輪郭線23pと左輪郭線25pとによる曲線は、右開始点43及び左開始点45の位置に尖点を有している。つまり、右輪郭線23pと左輪郭線25pとによる一連の曲線は、右開始点43及び左開始点45で微分不可能である。開始点43及び45は、対称面36の上に存在する。すなわち、尖点は、右内壁面23と左内壁面25とによる稜線に由来する。
幅方向D2に関する右輪郭線23pから左輪郭線25pまでの距離は、引き抜き方向D1の上流側から下流側に進むにつれて連続的に(かつ単調に)増加している。右終了点33及び左終了点35の各位置まで凹部21が凝固物で占有されているとき、図4の断面に垂直かつ右終了点33又は左終了点35を通る軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に凝固物(鋳造棒3)が回転変位できるように、凹部21における内壁面29の形状が定められている。詳細には、以下の条件を満たすとき、鋳造棒3の回転変位が許容される。
図4に示すように、右終了点33又は左終了点35を中心として、右輪郭線23p又は左輪郭線25p上の任意の1点を通る仮想円を図4に示す断面上で描いたとき、仮想円が、任意の1点においてのみ右輪郭線23p若しくは左輪郭線25pと交差する、又は右輪郭線23p若しくは左輪郭線25pに重なる。すなわち、仮想円は、右輪郭線23p及び左輪郭線25pと2点以上で交差しない。
図4には、3つの仮想円51,53及び55が示されている。これらの仮想円51,53及び55は、左終了点35を中心として描かれている。仮想円51は、左輪郭線25pと1点のみで交差している。仮想円53は、左輪郭線25pと1点のみで交差している。仮想円55は、右輪郭線23pと1点のみで交差している。
左終了点35を中心に鋳造棒3が回転するとき、鋳造棒3の外周面上の点は、これら仮想円51,53及び55に沿って移動する。つまり、鋳造棒3は、鋳型13と干渉することなく回転できる。原料1の膨張によって鋳造棒3と鋳型13との間に応力が発生したとき、応力は、右内壁面23又は左内壁面25に垂直に加わる。すると、鋳造棒3は、応力の反作用で終了点33又は35を中心に回転し、応力を緩和することができる(図2A参照)。その結果、引き抜き不良、ブレークアウト等の不具合を防止できる。
また、右終了点33又は左終了点35を中心とする仮想円が右輪郭線23p又は左輪郭線25pに重なっている場合にも鋳造棒3の回転変位は許容される。従って、この場合にも、応力を緩和することに基づく効果を得ることができる。ただし、鋳造棒3の外周面が鋳型13の右内壁面23又は左内壁面25を摺動する形となるため、仮想円が右輪郭線23p又は左輪郭線25pと1点のみで交差する場合と比べると、効果は限定的かもしれない。
なお、「鋳造棒3が回転変位できる」とは、360度の回転が許容されることを意味するものではない。例えば0.1〜0.5度の微小な角度の回転が許容されるだけで、上記した効果を得ることができる。鋳造棒3の動きは、基本的には、搬送装置14、支持体17等によって制限される。
本実施形態において、右輪郭線23p及び左輪郭線25pは、それぞれ、円弧で構成されている。しかし、加工及び操業上の理由でこれらが円弧から僅かにずれたとしても、上記した効果を得ることができる。
次に、鋳型13のより好ましい形状を説明する。以下の説明は、「右」と「左」を相互に入れ替えても成り立つことに注意すべきである。
図5に示すように、基準平面上で、左終了点35と右開始点43とを結ぶ直線を第1基準線47、第1基準線47と対称面36とのなす角度を第1角度θ1、右輪郭線23pを構成する円弧の中心37と右開始点43とを結ぶ直線を第2基準線49(開始基準線)、対称面36と第2基準線49とのなす角度を第2角度θ2(開始角度)、右輪郭線23pを構成する円弧の中心37と右終了点33とを結ぶ直線を第3基準線48(終了基準線)、第3基準線48と対称面36とのなす角度を第3角度θ3(終了角度)とそれぞれ定義する。角度θ1〜θ3は、引き抜き方向D1を0度の軸とし、引き抜き方向D1と反対の方向を180度の軸としたときの値である。
右開始点43は、右輪郭線23pと対称面36との交点(第1交点)でもある。ただし、後述するように、鋳型13にノズル穴が設けられている場合には、右輪郭線23pが対称面36に交差しない。この場合には、右輪郭線23pをなす円弧に沿って、引き抜き方向D1の上流側に右輪郭線23pを仮想的に延長することによって得られる2つの仮想線と対称面36との交点を仮想開始点と定義し、その仮想開始点と円弧の中心37を結ぶ直線を第2基準線49として取り扱う。左輪郭線25pと対称面36との交点が実際に存在しない場合も同様とする。
第3角度θ3が90度より大きいとき、右終了点33から左終了点35までの距離は、鋳型13で成形された鋳造棒3の幅よりも小さいことになる。この場合、明らかに、鋳造棒3を引き抜くことができない。従って、第3角度θ3は90度以下である。第3角度θ3の下限は特に限定されず、例えば0度より大きい。
第3角度θ3が90度以下のとき、円弧の中心37は、右終了点33と左終了点35とを結ぶ直線上に存在するか、それよりも引き抜き方向D1の下流側に存在する。図6に示すように、右輪郭線23pに重なった仮想円54と、仮想円54に内接する仮想円52とを想定する。仮想円52の中心は、左終了点35に一致している。仮想円52と仮想円54との接点57は、仮想円54の中心37と左終了点35とを結ぶ直線Lの上に存在する。周方向に沿って直線Lから遠ざかるにつれて、仮想円52と仮想円54との距離が拡大する。
さらに、本実施形態では、第1角度θ1が第2角度θ2以上となるように、凹部21の形状が定められている。
本実施形態のように、第1角度θ1が第2角度θ2以上のとき、図6に示された接点57は凹部21の外に位置する。仮想円54と仮想円52の間の距離は接点57から離れるほど大きくなる。図4を参照して説明したように、左終了点35を中心に鋳造棒3が回転するとき、鋳造棒3の外周面上の特定の点は、左終了点35を中心とする仮想円(図4では仮想円51,53及び55、図6では仮想円52)に沿って移動する。その特定の点は、鋳造棒3の回転角度が大きくなればなるほど右内壁面23又は左内壁面25から遠ざかる。故に、鋳造棒3の回転が許容され、回転による応力の緩和が可能となる。
これに対し、第1角度θ1が第2角度θ2よりも小さい場合を考える。この場合、鋳造棒3を回転させようとすると、鋳造棒3は、鋳型13の右内壁面23又は左内壁面25に押し付けられる。すなわち、図2Bを参照して説明したように、鋳造棒3の回転が許容されず、回転によって応力を緩和することができない。
また、第1角度θ1は、例えば30〜60度の範囲にあり、第2角度θ2は、例えば0度よりも大きく30度以下の範囲にある。第1角度θ1が30度よりも小さい場合、図4を参照して説明した仮想円が、2点以上で右輪郭線23p又は左輪郭線25pと交差することとなる。この場合、鋳造棒3の回転変位が許容されず、応力を緩和する効果も得られない。言い換えれば、右終了点33と左終了点35とを結ぶ線分から開始点43(又は45)までの距離は、例えば、右終了点33と左終了点35とを結ぶ線分の長さの(3/4)1/2以下である。なお、第1角度θ1が60度を超えたとしても、鋳造棒3を引き抜くことは可能である。しかし、第1角度θ1が60度よりも大きい場合、引き抜き方向D1に関する凹部21の長さが極端に短くなるため、凹部21で原料1を十分に凝固することが困難になる。
図2Aに示すように、鋳造棒3の回転が発生するとき、鋳型13と鋳造棒3との界面には、界面と垂直な方向に引張応力が働き、界面に平行な方向にせん断応力が働く。これにより、鋳型13から鋳造棒3が剥がされる。鋳造棒3の回転方向と内壁面29の接線方向とが平行に近ければ近いほどせん断応力の寄与が大きくなり、垂直に近ければ近いほど引張応力の寄与が大きくなる。図2Aに示すように、鋳造棒3を時計回りに回転させる応力が発生したとき、左内壁面25の上の点で引張応力の寄与が大きくなり、右内壁面23の上の点でせん断応力の寄与が大きくなる。ただし、内壁面29の上の点のうち、開始点43及び45は、右内壁面23及び左内壁面25の交点であり、特異点である。そのため、開始点43及び45に応力が集中しやすく、鋳造棒3が鋳型13から剥がれるときの起点になりうる。
他方、第2角度θ2が0度に近づけば近づくほど、すなわち、右内壁面23と左内壁面25とが連続した曲面に近づけば近づくほど、鋳造棒3が鋳型13から剥がれるときの起点が無くなる。この場合、鋳造棒3が凹部21を摺動しながら回転することになるため、鋳造棒3を回転させようとすると、鋳造棒3と鋳型13との界面全体に大きいせん断応力が発生することになる。すなわち、鋳造棒3の回転に大きい力が必要となり、鋳型13からの鋳造棒3の剥離は次第に困難となる。従って、第2角度θ2が小さすぎることは好ましくない。第2角度θ2は、例えば3度以上30度以下であることが好ましい。
(変形例1)
図7に示すように、変形例1に係る鋳型63の凹部21は、楕円柱の外周面の一部で構成された内壁面を有する。すなわち、鋳型63の断面(水平断面)において、右輪郭線23p及び左輪郭線25pが、それぞれ、楕円の一部で構成されている。この鋳型63において、鋳造棒3を回転させる応力が発生したとき、鋳造棒3の外周面上の点は、終了点33又は35を中心とする仮想円に沿って移動する。このことは、図4等を参照して説明したように、円柱の外周面の一部で内壁面が構成されている場合と同じである。
ただし、凹部21の内壁面が楕円柱の外周面の一部で構成されている場合、鋳造棒3の回転とともに鋳造棒3の外周面上の点が凹部21の内壁面から遠ざかる速度は、凹部21の内壁面が円柱の外周面の一部で構成されている場合のそれに比べて速い。円の場合の速度に対する楕円の場合の速度の比率は、円から楕円に変形したときの拡大率に比例する。
なお、鋳造棒3の回転が許容される限りにおいて、円及び楕円以外の曲線、例えば、正弦曲線等の曲線の一部で輪郭線が構成されていてもよい。さらに、内壁面は、球面の一部で構成されていてもよい。
(変形例2)
図8は、変形例2に係る鋳型73の三面図である。鋳型73の内壁面29には、テーパーが設定されている。すなわち、引き抜き方向D1及び幅方向D2に垂直な高さ方向D3に関して、底面27から遠ざかるにつれて、幅方向D2に関する右内壁面23から左内壁面25までの距離が拡大している(好ましくは連続的かつ単調に拡大している)。凹部21の上部は開口しているため、内壁面29にテーパーが設定されていると、高さ方向D3に関して鋳造棒3に発生した応力を効率的に緩和することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る鋳造装置を説明する。第2実施形態と第1実施形態とで共通する構成要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の鋳造装置200は、鋳型83及びノズル71を備えている。鋳型83は、ノズル71を介して、ルツボ12に接続されている。
図10A〜図10Cに示すように、鋳型83は、溶湯2を受け入れるための凹部81と、凹部81への溶湯2の供給口としてのノズル穴83hとを備えている。ノズル穴83hを通じて、ルツボ12から鋳型83の凹部81に溶湯2を供給することができる。凹部81は、引き抜き方向D1に向かって開口しているだけであり、その上部は閉じられている。ノズル穴83hは、引き抜き方向D1における凹部81の最も上流側の部分と鋳型83の外部とを連通している。鋳造装置200に鋳型83を組み込んだとき、ルツボ12から鋳型83の凹部81に溶湯2を供給できるように、ノズル71によってルツボ12が鋳型83のノズル穴83hに接続されている。原料1の溶解状態を保ったまま溶湯2が鋳型83に供給されるように、ノズル71の外部に加熱装置75が設けられている。
ノズル71は、典型的には黒鉛で作られており、アルミナ、シリカ、これらの混合物を主成分(質量比で最も多く含まれる成分)として含む耐火物等で作られていてもよい。加熱装置75として、抵抗加熱、誘導加熱、アーク放電による加熱、電子線照射による加熱等の加熱方法を採用した加熱装置を使用できる。抵抗加熱装置で構成された加熱装置75にてノズル71を加熱することが比較的容易である。加熱能力が不足する場合には、加熱装置75として誘導加熱装置を使用し、ノズル71の中の溶湯2を直接加熱してもよい。加熱装置75は、また、鋳型83内での原料1の凝固速度及び凝固位置を調節する役割を担う。
図10Bに示すように、鋳型83の凹部81は、右内壁面23、左内壁面25、下内壁面24及び上内壁面26で構成されている。内壁面23〜26は、それぞれ、円柱の外周面の一部にて構成されている。対称面36に関して、右内壁面23と左内壁面25とが対称である。下内壁面24と上内壁面26も図示しない対称面に関して対称である。
本実施形態の鋳型83は、基本的には、第1実施形態で説明した鋳型13によって満たされた要件と同じ要件を満足する。すなわち、図10Aに示す水平断面において、右終了点33又は左終了点35を通るとともに当該水平断面に垂直な軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に鋳造棒3が回転変位できるように、凹部81の形状が定められている。鋳造棒3の回転を許容するための要件は、第1実施形態で説明した通りである。さらに、本実施形態の鋳型83は、水平断面だけでなく、対称面36を含む垂直断面においても、鋳造棒3の回転を許容するための要件を満たしている。
なお、本実施形態の鋳型83において、左内壁面23及び右内壁面25は、ノズル穴83hの端からそれぞれ引き抜き方向D1に沿って延びる右輪郭線23p及び左輪郭線25pを示している。右開始点43及び左開始点45は、それぞれ、ノズル穴83hの終端に位置している。右輪郭線23p及び左輪郭線25pは、それぞれ、楕円の一部又は円弧で構成されており、かつ対称面36に関して対称である。図10Aに示すように、楕円又は円弧に沿って、引き抜き方向D1の上流側に右輪郭線23p及び左輪郭線25pをそれぞれ仮想的に延長することによって得られる2つの仮想線23k及び25kと対称面36との交点を仮想開始点44と定義する。この仮想開始点44において、2つの仮想線23k及び25kによる曲線が尖点を有している。第1実施形態で説明した第1角度θ1及び第2角度θ2は、それぞれ、仮想開始点44を用いて定義されうる。
図10B及び図10Cに示すように、本実施形態の鋳型83において、下内壁面24及び上内壁面26は、ノズル穴83hの端からそれぞれ引き抜き方向D1に沿って延びる下輪郭線24p及び上輪郭線26pを示している。下開始点84及び上開始点86は、それぞれ、ノズル穴83hの終端に位置している。下輪郭線24p及び上輪郭線26pは、それぞれ、楕円の一部又は円弧で構成されており、かつ第2対称面88に関して対称である。第2対称面88は、凹部81によって占有された空間を上下対称に等分する仮想的な面である。楕円又は円弧に沿って、引き抜き方向D1の上流側に下輪郭線24p及び上輪郭線26pをそれぞれ仮想的に延長することによって得られる2つの仮想線24k及び26kと第2対称面88との交点を第2仮想開始点46と定義する。この第2仮想開始点46において、2つの仮想線24k及び26kによる曲線が尖点を有している。第1実施形態で説明した第1角度θ1及び第2角度θ2は、それぞれ、第2仮想開始点46を用いて定義されうる。なお、図10Aに示す仮想開始点44は、図10Cに示す仮想開始点46に一致している。
このように、本実施形態の鋳型83は、水平面における鋳造棒3の回転と垂直面における鋳造棒3の回転とを許容するように構成されていてもよい。
本実施形態では、ノズル71及びノズル穴83hの中心が、鋳造棒3の中心軸に一致している。ノズル71は、ノズル穴83hに挿入されており、ノズル71の先端71tが凹部81とノズル穴83hとの境界に位置している。すなわち、ノズル71を通じて凹部81に溶湯2が供給されるとき、ノズル穴83hの内周面が溶湯2に接触しない。ただし、鋳型83が黒鉛で構成され、かつ鋳型83を加熱することによってノズル穴83hにおける原料1の溶融状態を維持できる場合には、ノズル穴83hの内周面が溶湯2に接触してもよい。
本実施形態において、ノズル71の内径は、開始点43及び45における凹部81の幅、すなわち、右開始点43から左開始点45までの距離と同じ寸法に設定されている。このようにすれば、鋳造棒3の回転時に鋳造棒3とノズル71との干渉を確実に回避できる。他方、ノズル71の内径が右開始点43から左開始点45までの距離よりも小さい場合、凹部81内での溶湯2の凝固位置等にもよるが、鋳造棒3がノズル71に干渉する可能性がある。ノズル71の先端に鋳造棒3が接触したときに鋳造棒3の接触部分が再溶解するようにノズル71の温度を高く設定すれば、この干渉を防止することができる。ただし、この方法はエネルギー効率の面で不利かもしれない。同様の問題は、ノズル71の内径が右開始点43から左開始点45までの距離よりも大きい場合にも存在する。
右開始点43及び左開始点45の場合と同様に、ノズル71の内径は、開始点84及び86における凹部81の幅、すなわち、下開始点84から上開始点86までの距離と同じ寸法に設定されていてもよい。
本実施形態の鋳型83を使用すれば、角柱状の鋳造棒だけでなく、円柱状の鋳造棒を製造することも可能である。また、本実施形態の鋳型83を使用すれば、引き抜き方向D1が水平方向に限定されない。すなわち、凹部81が上に向かって開口するように鋳型83を垂直に保持し、下から溶湯2を供給し、鋳造棒3を上に向かって引き抜くことができる。このように、本発明において引き抜き方向は特に限定されない。本発明を垂直連続鋳造に適用することも可能である。
(変形例3)
図11A〜図11Cに示す鋳型93は、溶湯2を受け入れる凹部21と、凹部21への溶湯2の供給口としてのノズル穴93hとを備えている。凹部21は、右内壁面23、左内壁面25及び底面27で構成されている。右内壁面23及び左内壁面25は、それぞれ、円柱の外周面の一部で構成されている。底面27は、平坦な面である。すなわち、鋳型93は、その上部が開口している点で図10A〜図10Cを参照して説明した鋳型83と相違する。また、ノズル穴93hが設けられている点で図3等を参照して説明した鋳型13と相違する。ノズル穴93hが設けられている点を除けば、鋳型93の構造は、第1実施形態の鋳型13の構造と同じである。
(第3実施形態)
図12Aに示すように、本実施形態の鋳型103において、凹部21は、右内壁面23及び左内壁面25を有する。引き抜き方向D1に平行な基準平面で凹部21を切断したときに観察される断面(凹部21の水平断面)において、右内壁面23は、引き抜き方向D1に沿って延びる右輪郭線23pを示している。同様に、左内壁面25は、引き抜き方向D1に沿って延びる左輪郭線25pを示している。右輪郭線23p及び左輪郭線25pは、それぞれ、複数の線分で構成されている。すなわち、右内壁面23及び左内壁面25は、平面の組み合わせによって構成されている。鋳型103のその他の構造は、第1実施形態で説明した鋳型13の構造と同じである。
本実施形態の鋳型103は、基本的には、第1実施形態で説明した鋳型13によって満たされた要件と同じ要件を満足する。すなわち、図12Aに示す水平断面において、右終了点33又は左終了点35を通るとともに当該水平断面に垂直な軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に鋳造棒3が回転変位できるように、凹部21の形状が定められている。鋳造棒3の回転を許容するための要件は、第1実施形態で説明した通りである。すなわち、第1終了点33(又は第2終了点35)を中心として、右輪郭線23p(又は第2輪郭線25p)上の任意の1点を通る仮想円を図12Aに示す水平断面上で描いたとき、仮想円が、任意の1点においてのみ右輪郭線23p若しくは左輪郭線25pと交差する、又は右輪郭線23p若しくは第2輪郭線25pに重なっている。
本実施形態のように、右輪郭線23p及び左輪郭線25pが曲線であることは必須ではない。さらに、右輪郭線23p及び左輪郭線25pは、それぞれ、複数の線分で構成されているか、少なくとも1つの線分と少なくとも1つの曲線とで構成されていてもよい。鋳造棒3の回転が許容される限り、鋳造棒3を鋳型103からスムーズに引き抜くことができる。
(変形例4)
図12Bに示すように、鋳型113は、溶湯2を受け入れるための凹部21と、凹部21への溶湯2の供給口としてのノズル穴93hとを備えている。凹部21の水平断面において、右輪郭線23p及び左輪郭線25pが、それぞれ、複数の線分で構成されている点を除き、鋳型113は、第2実施形態で説明した鋳型83又は93の構造と同じ構造を有する。第1終了点33(又は第2終了点35)を中心として、右輪郭線23p(又は第2輪郭線25p)上の任意の1点を通る仮想円を図12Aに示す水平断面上で描いたとき、仮想円が、任意の1点においてのみ右輪郭線23p若しくは左輪郭線25pと交差する、又は右輪郭線23p若しくは第2輪郭線25pに重なっている。これにより、鋳造棒3の回転が許容される。
第3実施形態と同様に、右輪郭線23p及び左輪郭線25pは、それぞれ、複数の線分で構成されているか、少なくとも1つの線分と少なくとも1つの曲線とで構成されていてもよい。凹部21の上部は、図10A〜図10Cを参照して説明したように閉じられていてもよいし、図11A〜図11Cを参照して説明したように開口していてもよい。
(その他)
本発明は、連続鋳造に適用できる技術を提供する。ただし、「連続」の用語は、ルツボへの原料の供給、ルツボでの原料の溶解、鋳型への溶湯の供給、及び鋳造棒の引き抜きの各工程が必ずしも同時に行われることを意味しない。また、これらの工程が常に実施されている必要もない。すなわち、原料を間欠的にルツボに供給してもよい。ルツボから鋳型に溶湯を間欠的に供給してもよい。鋳型から間欠的に鋳造棒を引き抜いてもよい。例えば、数秒に1回程度、上記各工程を実施することができる。
図3等を参照して説明した鋳型を基本構造として採用し、実施例及び比較例の鋳型として、第2角度θ2(開始角度)及び/又は第3角度θ3(終了角度)が互いに異なる複数の鋳型を作製した。すなわち、これらの鋳型の内壁面は、円柱の外周面の一部にて構成されていた。比較例1、実施例1〜3、比較例2及び実施例4〜7の鋳型の平面図を図13A〜図13Iに示す。これらの鋳型を用い、以下の条件で鋳造を行い、鋳造棒の引き抜きに必要な張力を測定した。必要な張力は、以下の方法で測定した。すなわち、鋳造棒の後端部にロードセルを取り付け、ロードセルを介して鋳型から鋳造棒を引き抜いたときの最大荷重を必要な張力として記録した。結果を表1に示す。
原料:シリコン
原料の供給速度:20g/分
溶解温度:1800℃
鋳型の材料:銅(水冷)
鋳造棒の形状:角柱
鋳造棒の幅(右終了点から左終了点までの距離):55mm
鋳造棒の高さ:40mm
Figure 2012157214
実施例1〜3、比較例1及び比較例2の鋳型は、いずれも87度の第3角度θ3を有し、0〜40度の範囲に第2角度θ2を有する。比較例1及び2の鋳型は、それぞれ、0度及び40度の第2角度θ2を有する。すなわち、比較例1の鋳型は、開始点の位置に尖角を有していない。そのため、比較例1では、鋳造棒の回転運動が発生せず、100Nの荷重をかけても鋳造棒を引き抜くことができなかった。比較例2の鋳型は、設計上、鋳造棒の回転変位を許容しない。そのため、100Nの荷重をかけても鋳造棒を引き抜くことができなかった。
実施例1〜3の鋳型は、3度以上30度以下の第2角度θ2を有する。実施例1〜3の鋳型を使用したとき、鋳造棒を引き抜くことができた。特に、実施例3の鋳型を使用したとき、必要張力は0.57Nであった。すなわち、鋳造棒を引き抜くのに殆ど力が必要なかった。
実施例4〜7の鋳型は、いずれも30度の第2角度θ2を有し、60〜90度の範囲に第3角度θ3を有する。実施例4〜7の鋳型を使用したとき、引き抜き不良は発生せず、鋳造棒を極めてスムーズに引き抜くことができた。
本発明は、シリコン等の凝固時に膨張する材料の鋳造に好適に採用できる。本発明に係る方法で製造された鋳造棒は、電子デバイス、蓄電デバイス、記録媒体等の製造に使用できる。本発明に係る方法で製造された鋳造棒は、さらに、FZ法、CZ法等のシリコン精製法における原料棒又は種棒として使用することもできる。
右開始点43は、右輪郭線23pと対称面36との交点(第1交点)でもある。ただし、後述するように、鋳型13にノズル穴が設けられている場合には、右輪郭線23pが対称面36に交差しない。この場合には、右輪郭線23pをなす円弧に沿って、引き抜き方向D1の上流側に右輪郭線23pを仮想的に延長することによって得られる仮想線と対称面36との交点を仮想開始点と定義し、その仮想開始点と円弧の中心37を結ぶ直線を第2基準線49として取り扱う。左輪郭線25pと対称面36との交点が実際に存在しない場合も同様とする。
本実施形態の鋳型103は、基本的には、第1実施形態で説明した鋳型13によって満たされた要件と同じ要件を満足する。すなわち、図12Aに示す水平断面において、右終了点33又は左終了点35を通るとともに当該水平断面に垂直な軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に鋳造棒3が回転変位できるように、凹部21の形状が定められている。鋳造棒3の回転を許容するための要件は、第1実施形態で説明した通りである。すなわち、第1終了点33(又は第2終了点35)を中心として、右輪郭線23p(又は輪郭線25p)上の任意の1点を通る仮想円を図12Aに示す水平断面上で描いたとき、仮想円が、任意の1点においてのみ右輪郭線23p若しくは左輪郭線25pと交差する、又は右輪郭線23p若しくは輪郭線25pに重なっている。
(変形例4)
図12Bに示すように、鋳型113は、溶湯2を受け入れるための凹部21と、凹部21への溶湯2の供給口としてのノズル穴93hとを備えている。凹部21の水平断面において、右輪郭線23p及び左輪郭線25pが、それぞれ、複数の線分で構成されている点を除き、鋳型113は、第2実施形態で説明した鋳型83又は93の構造と同じ構造を有する。第1終了点33(又は第2終了点35)を中心として、右輪郭線23p(又は輪郭線25p)上の任意の1点を通る仮想円を図12Aに示す水平断面上で描いたとき、仮想円が、任意の1点においてのみ右輪郭線23p若しくは左輪郭線25pと交差する、又は右輪郭線23p若しくは輪郭線25pに重なっている。これにより、鋳造棒3の回転が許容される。

Claims (18)

  1. 原料の溶湯を供給し、供給された前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜くことによって、前記原料の鋳造棒を製造するための鋳型であって、
    前記溶湯を受け入れるための凹部を備え、
    前記凹部は、前記溶湯に接触して前記溶湯を前記凝固物へと変化させるための内壁面で構成されているとともに、前記凝固物の引き抜き方向に向かって開口しており、
    前記引き抜き方向に平行な基準平面で前記凹部を切断したときに観察される断面において、前記内壁面が、それぞれ前記引き抜き方向に沿って延びる第1輪郭線及び第2輪郭線を示し、
    前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、曲線で構成されており、
    前記断面上で、(i)前記引き抜き方向に垂直な方向を幅方向、(ii)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も下流側の位置を第1終了点、(iii)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も下流側の位置を第2終了点、(iv)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も上流側の位置を第1開始点、(v)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も上流側の位置を第2開始点とそれぞれ定義したとき、
    前記断面において前記第1開始点が前記第2開始点に一致するように、前記引き抜き方向における前記凹部の最も上流側の位置で前記第1輪郭線が前記第2輪郭線に接続しており、
    前記第1輪郭線と前記第2輪郭線とによる曲線が前記第1開始点及び前記第2開始点の位置に尖点を有しており、
    前記幅方向に関する前記第1輪郭線から前記第2輪郭線までの距離は、前記引き抜き方向の上流側から下流側に進むにつれて連続的に増加しており、
    前記断面に垂直かつ前記第1終了点又は前記第2終了点を通る軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に前記鋳造棒が回転変位できるように、前記凹部における前記内壁面の形状が定められている、鋳型。
  2. 前記第1終了点又は前記第2終了点を中心として、前記第1輪郭線又は前記第2輪郭線上の任意の1点を通る仮想円を前記断面上で描いたとき、
    前記仮想円が、前記任意の1点においてのみ前記第1輪郭線若しくは前記第2輪郭線と交差する、又は前記第1輪郭線若しくは前記第2輪郭線に重なる、請求項1に記載の鋳型。
  3. 前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、楕円の一部又は円弧で構成されている、請求項1に記載の鋳型。
  4. 前記凹部によって占有された空間を左右対称に等分する対称面が存在し、
    前記基準平面が、前記対称面に対して垂直かつ前記引き抜き方向に平行な平面であり、
    前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、前記対称面に関して左右対称な円弧で構成され、
    前記基準平面上で、(a)前記第1輪郭線と前記対称面との交点を第1交点、(b)前記第1輪郭線を構成する前記円弧の中心と前記第1交点とを結ぶ直線を開始基準線、(c)前記対称面と前記開始基準線とのなす角度を開始角度θ2と定義したとき、
    前記開始角度θ2が、0度より大きく30度以下の範囲にある、請求項1に記載の鋳型。
  5. 前記開始角度θ2が、3度以上30度以下の範囲にある、請求項4に記載の鋳型。
  6. 前記鋳型が、水平連続鋳造用の鋳型であり、
    前記引き抜き方向及び前記基準平面が、それぞれ、水平方向に平行である、請求項1に記載の鋳型。
  7. 前記溶湯を滴下することによって前記凹部に前記溶湯を供給できるように、前記凹部の上部が開口しており、
    前記内壁面が、前記第1輪郭線の起源となる第1内壁面と、前記第2輪郭線の起源となる第2内壁面と、前記第1内壁面及び前記第2内壁面の両方に隣接している底面とで構成されている、請求項1に記載の鋳型。
  8. 原料の溶湯を供給し、供給された前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜くことによって、前記原料の鋳造棒を製造するための鋳型であって、
    前記溶湯を受け入れるための凹部と、前記凹部への前記溶湯の供給口として、前記凝固物の引き抜き方向における前記凹部の最も上流側の部分と当該鋳型の外部とを連通しているノズル穴とを備え、
    前記凹部は、前記溶湯に接触して前記溶湯を前記凝固物へと変化させるための内壁面で構成されているとともに、前記引き抜き方向に向かって開口しており、
    前記引き抜き方向に平行な基準平面で前記凹部を切断したときに観察される断面において、前記内壁面が、前記ノズル穴の端からそれぞれ前記引き抜き方向に沿って延びる第1輪郭線及び第2輪郭線を示し、
    前記凹部によって占有された空間を左右対称に等分する対称面が存在し、
    前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、楕円の一部又は円弧で構成されており、かつ前記対称面に関して対称であり、
    前記断面上で、(i)前記引き抜き方向に垂直な方向を幅方向、(ii)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も下流側の位置を第1終了点、(iii)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も下流側の位置を第2終了点、(iv)前記楕円又は前記円弧に沿って、前記引き抜き方向の上流側に前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線をそれぞれ仮想的に延長することによって得られる2つの仮想線と前記対称面との交点を仮想開始点とそれぞれ定義したとき、
    前記仮想開始点において、前記2つの仮想線による曲線が尖点を有しており、
    前記幅方向に関する前記第1輪郭線から前記第2輪郭線までの距離は、前記引き抜き方向の上流側から下流側に進むにつれて連続的に増加しており、
    前記断面に垂直かつ前記第1終了点又は前記第2終了点を通る軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に前記鋳造棒が回転変位できるように、前記凹部における前記内壁面の形状が定められている、鋳型。
  9. 原料の溶湯を供給し、供給された前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜くことによって、前記原料の鋳造棒を製造するための鋳型であって、
    前記溶湯を受け入れるための凹部を備え、
    前記凹部は、前記溶湯に接触して前記溶湯を前記凝固物へと変化させるための内壁面で構成されているとともに、前記凝固物の引き抜き方向に向かって開口しており、
    前記引き抜き方向に平行な基準平面で前記凹部を切断したときに観察される断面において、前記内壁面が、それぞれ前記引き抜き方向に沿って延びる第1輪郭線及び第2輪郭線を示し、
    前記第1輪郭線及び前記第2輪郭線が、それぞれ、複数の線分で構成されており、
    前記断面上で、(i)前記引き抜き方向に垂直な方向を幅方向、(ii)前記引き抜き方向における前記第1輪郭線の最も下流側の位置を第1終了点、(iii)前記引き抜き方向における前記第2輪郭線の最も下流側の位置を第2終了点とそれぞれ定義したとき、
    前記幅方向に関する前記第1輪郭線から前記第2輪郭線までの距離は、前記引き抜き方向の上流側から下流側に進むにつれて連続的に増加しており、
    前記断面に垂直かつ前記第1終了点又は前記第2終了点を通る軸を中心として、時計回り方向又は反時計周り方向に前記鋳造棒が回転変位できるように、前記凹部における前記内壁面の形状が定められている、鋳型。
  10. 原料の溶湯を保持するためのルツボと、
    前記ルツボから前記溶湯を受け入れて前記原料を凝固させるための、請求項1に記載の鋳型と、
    前記原料の鋳造棒が製造されるように前記鋳型から前記原料の凝固物を引き抜くための搬送装置と、
    を備えた、鋳造装置。
  11. 前記ルツボに前記原料を供給するための原料供給装置と、
    前記鋳型内での前記原料の凝固速度を調節するための加熱装置をさらに備えた、請求項10に記載の鋳造装置。
  12. 前記鋳型が、水平連続鋳造用の鋳型であり、
    前記溶湯を滴下することによって前記ルツボから前記凹部に前記溶湯を供給できるように、前記鋳型の前記凹部の上部が開口している、請求項10に記載の鋳造装置。
  13. 原料の溶湯を保持するためのルツボと、
    前記ルツボから前記溶湯を受け入れて前記原料を凝固させるための、請求項8に記載の鋳型と、
    前記原料の鋳造棒が製造されるように前記鋳型から前記原料の凝固物を引き抜くための搬送装置と、
    を備え、
    前記ルツボから前記鋳型の前記凹部に前記溶湯を供給できるように、前記ルツボと前記鋳型の前記ノズル穴とが接続されている、鋳造装置。
  14. 請求項1に記載の鋳型に原料の溶湯を供給する工程と、
    前記原料の鋳造棒が製造されるように、前記鋳型内で前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜く工程と、
    を含む、鋳造棒の製造方法。
  15. 前記鋳型が、水平連続鋳造用の鋳型であり、
    前記鋳型の前記凹部の上部が開口しており、
    前記供給工程において、前記溶湯を滴下することによって前記ルツボから前記凹部に前記溶湯を供給する、請求項14に記載の鋳造棒の製造方法。
  16. 請求項8に記載の鋳型に原料の溶湯を供給する工程と、
    前記原料の鋳造棒が製造されるように、前記鋳型内で前記原料を凝固させながら前記原料の凝固物を引き抜く工程と、
    を含み、
    前記供給工程において、前記ノズル穴を通じて前記ルツボから前記鋳型の前記凹部に前記溶湯を供給する、鋳造棒の製造方法。
  17. 前記原料が、液相から固相へと変化するときに体積の増加を伴う材料である、請求項14に記載の鋳造棒の製造方法。
  18. 前記原料が、シリコン又はシリコン化合物である、請求項17に記載の鋳造棒の製造方法。
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