JPH05213691A - シリコン鋳造方法 - Google Patents

シリコン鋳造方法

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JPH05213691A
JPH05213691A JP4603392A JP4603392A JPH05213691A JP H05213691 A JPH05213691 A JP H05213691A JP 4603392 A JP4603392 A JP 4603392A JP 4603392 A JP4603392 A JP 4603392A JP H05213691 A JPH05213691 A JP H05213691A
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JP
Japan
Prior art keywords
silicon
crucible
induction coil
bottomless crucible
bottomless
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Pending
Application number
JP4603392A
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English (en)
Inventor
Kyojiro Kaneko
恭二郎 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Titanium Co Ltd
Original Assignee
Osaka Titanium Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁溶解によるシリコンの連続鋳造におい
て、製品鋳塊の品質を向上させる。 【構成】 誘導コイル2の巻き密度を上部で密、下部で
粗とする。誘導コイル2内に設置された導電性の無底る
つぼ1内でシリコンを溶解させる。シリコンの溶湯3
は、無底るつぼ1の内面に対して非接触の状態で保持さ
れ、無底るつぼ1の下方へ徐々に引き下げられて方向性
凝固鋳塊4とされる。無底るつぼ1内の磁界強度が上部
で強、下部で弱の軸方向分布となり、溶湯3の撹拌が抑
えられる。方向性凝固鋳塊4の結晶粒径が大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁溶解を用いてシリ
コンの方向性凝固鋳塊を連続的に製造するシリコン鋳造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池等の素材として使用されるシリ
コンの方向性凝固鋳塊の製造方法として、電磁溶解によ
る連続鋳造方法が、例えば特開平2−30698号公報
により提案されている。電磁溶解によるシリコンの連続
鋳造方法は、図4に示すように、導電性の無底るつぼ1
と、その外側に配設された誘導コイル2とを使用する。
無底るつぼ1は、軸方向の少なくとも一部が周方向に複
数分割されている。無底るつぼ1内に装入された原料シ
リコンは、誘導コイル2による電磁誘導を受けて、るつ
ぼ内面に非接触の状態で溶融する。そして、無底るつぼ
1内に原料シリコンを供給しながら、無底るつぼ1内の
溶湯3を下方へ除々に引き下げて凝固させることによ
り、シリコンの方向性凝固鋳塊4が連続的に製造され
る。
【0003】電磁溶解によるシリコンの連続鋳造方法に
よれば、るつぼに対するシリコン融液の接触がなく、る
つぼからシリコンへの汚染が完全に防止される。るつぼ
からの汚染がなければ、るつぼの材質を低級化でき、鋳
型を必要としないこととあいまって設備コストが著しく
低下し、大容量の電源装置と組合せることによって大型
で高品質のシリコン鋳塊が連続的に低コストで製造でき
る。また、結晶学上も、るつぼ側壁からの結晶化が抑制
されるので非常に好ましいものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、この電
磁溶解によるシリコン連続鋳造方法の工業化に向けての
研究を以前より続けている。その結果、この方法が太陽
電池用のシリコン鋳塊の量産に、品質面でも生産性の面
でも優れた適性を示すことが一層明確になってきた。し
かし、その一方では、従来の鋳型流し込み法では生じな
かった新しい問題も明らかになってきた。その新しく分
かった問題の一つは、無底るつぼ内に保持された溶湯の
撹拌である。電磁溶解によるシリコン鋳造方法での溶湯
撹拌現象を図7により説明する。
【0005】シリコンの溶湯3は、誘導コイル2内に設
置された無底るつぼ1の内側に、凝固鋳塊4の上に載っ
た状態で保持されている。溶湯3の攪拌は、その中心部
から上下に激しく生じる。この攪拌のため、溶湯3と凝
固鋳塊4の間の所謂固液界面に沿って溶湯3が流動し、
結晶の成長が阻害される。また、固液界面が、図に破線
で示す正規のレベルに対して下方へ深く窪む。これは、
凝固開始位置の低下を意味し、凝固鋳塊4の軸方向温度
勾配を急にする。そのため、温度勾配のコントロールが
難しくなり、これも結晶成長の阻害原因になる。従っ
て、製造された凝固鋳塊4は、結晶粒径が小さく、太陽
電池として最も重要な特性である光電変換効率が低くな
る。
【0006】結晶粒径は、ただ単に大きければよいとい
うものではない。しかし、1.5mm〜2mm程度までな
ら、光電変換効率に決定的な影響を与え、大きいほど良
い。従来の激しい攪拌下で製造された凝固鋳塊4の結晶
粒径は、高々1mm程度であり、攪拌は光電変換効率を
阻害しているわけである。
【0007】また、攪拌による固液界面の低下により、
溶湯3の下部周囲に薄い凝固シェルができ、ブレークア
ウトによる操業中断の危険性も高まる。
【0008】本発明の目的は、溶湯の攪拌を抑えて、高
品質な凝固鋳塊を安定に製造する電磁溶解によるシリコ
ン鋳造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のシリコン鋳造方
法は、誘導コイル内に、軸方向の少なくとも一部が周方
向で複数に分割された導電性の無底るつぼを設置し、該
無底るつぼ内でシリコンをるつぼ内面に対して非接触の
状態で電磁溶解し、その溶湯を下方へ引き下げて方向性
凝固鋳塊となすシリコンの連続鋳造方法において、誘導
コイルによって無底るつぼ内に生じる磁界の強度を、る
つぼ上部で強、るつぼ下部で弱の軸方向分布とすること
を特徴とする。
【0010】
【作用】図1は、無底るつぼ内のシリコンの溶湯に作用
する磁界の強さBおよびローレンツ力Fの軸方向分布を
示す模式図であり、左半分が本発明法での分布、右半分
が従来法での分布である。
【0011】従来法では、軸方向に均一な密度で巻かれ
た誘導コイル2が使用されている。そのため、無底るつ
ぼ1内の磁界強度は、軸方向中央で最も強く、上下に向
かうに連れて徐々に弱くなる上下対称の軸方向分布とな
る。そのため、無底るつぼ1内のシリコンの溶湯3が受
けるローレンツ力(水平方向に押圧力として生じる)
も、軸方向の中央で最も大きくなり、上下に向かうに連
れて徐々に弱くなる。この上下対称なローレンツ力によ
り、溶湯3は、軸方向中央で最も強く中心側へ抑され、
中心部から上下に向かう攪拌を生じる(図7参照)。
【0012】これに対し、本発明法では、無底るつぼ1
内の磁界強度を、るつぼ上部で強、るつぼ下部で弱の上
下非対称な軸方向分布とする。これにより、ローレンツ
力も上部で大、下部で小となる。その結果、シリコンの
溶湯3の上部は、下部より強い力で中心側へ絞られるこ
とになる。このときに、溶湯3の攪拌が抑えられ、大き
な結晶粒径の得られることは、種々の実験から確認して
いる。その理由は、必ずしも明確でないが、溶湯3の上
部が下部より強い力で絞られてその安定性が良くなるこ
とが、理由の一つであることは、間違いないと思われ
る。無底るつぼ内の磁界強度は、下から上へ向かうにつ
れて連続的に大きくなる軸方向分布とするのが良い。
【0013】無底るつぼ内の磁界強度を、るつぼ上部で
強、るつぼ下部で弱の軸方向分布とするためには、例え
ば、誘導コイル1の軸方向の巻密度を、コイル上部で
密、コイル下部で粗の所謂粗密巻きとする。粗密巻きの
形態としては、巻線の間隔を変えるだけでなく、図2に
示すように、水平方向に巻線を重ねることが可能であ
る。重ね巻きは、巻き数が多くなる例えば高周波操業
(100kHZ以上)で有効である。粗密巻き以外に
は、誘導コイル1の上部のコイル半径を小さく、下部の
コイル半径を大きくすることによって、無底るつぼ内の
磁界強度を軸方向の上部で強、下部で弱とする方法も有
効である。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。実施例に
用いた鋳造装置を図3に模式的に示す。
【0015】無底るつぼ1は、気密容器5内に設置さ
れ、上端部以外の部分が周方向に複数分割されている。
この無底るつぼ1は、銅からなり、内部を流通する冷却
水により強制冷却される。誘導コイル2は、無底るつぼ
1の分割部の外側に配設されており、巻き密度を上部で
密、下部で粗とした粗密巻きの構成としている。
【0016】凝固鋳塊4を製造するには、まず、気密容
器5内を吸引口5aから真空引きした後、気密容器5内
へガス口5bから不活性ガスを封入する。これと並行し
て、無底るつぼ1の底を種鋳塊で閉塞して、原料装入器
9から無底るつぼ1内へ粒塊状の原料シリコン10を装
入する。
【0017】次いで、誘導コイル2に所定周波数の交流
電流を供給した状態で、無底るつぼ1内の一部の原料シ
リコン10を外部加熱により初期溶融する。これによ
り、シリコンのプールが無底るつぼ1内の全体に広が
る。この状態で、無底るつぼ1内へ原料シリコン10を
補充しながら、搬送機11により種鋳塊を引き下げる。
これにより、無底るつぼ1内の溶湯3が、無底るつぼ1
内面に非接触の状態のまま順次下方へ引き抜かれてシリ
コンの方向性凝固鋳塊4とされる。無底るつぼ1内の溶
湯3からその下方の凝固鋳塊4にかけて好ましい温度勾
配となるように、凝固直後の凝固鋳塊4が、無底るつぼ
1の下方に連設された保温炉8により加熱される。
【0018】このような方法で、170mm角の角柱状
シリコン方向性凝固鋳塊を製造した。誘導コイル2は、
内部を通水路とした20mm角の銅製角管を、内寸法が
225mm角の角形に3ターン巻いた高さ120mmの
構造とし、上部の2巻きは絶縁体を介して密着させ、2
段目と3段目との間には60mmの間隔を設けた。比較
のために、同じ角管を同じ高さ及び同じ巻数に等間隔
(30mm)で巻いた均等巻きの誘導コイルも使用し
た。いずれの誘導コイルを使用した場合も、鋳造は表1
の条件で行った。
【0019】
【表1】
【0020】それぞれの誘導コイルを使用して製造され
たシリコン方向性鋳塊の結晶構造を示す顕微鏡写真を図
4に、平均結晶粒径の調査結果を図5にそれぞれ掲げ
る。また、製造されたシリコン方向性鋳塊から採取した
太陽電池セルの光電変換効率を図6に示す。
【0021】誘導コイルの構造を均等巻きから粗密巻き
に変えるだけで、平均結晶粒径は約1mmから約1.5m
mまで大きくなる。光電変換効率に影響を与える結晶粒
径の上限は、1.5〜2mmであり、粗密巻きによって得
られる鋳塊の品質は、結晶粒径の点から見ればほぼ充分
と言える。事実、光電変換効率は、この粗密巻きによ
り、約1%も向上する。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のシリコン鋳塊方法は、無底るつぼ内に保持された溶湯
の撹拌を抑え、その溶湯より製造される凝固鋳塊の品質
を高める。また、固液界面の低下を抑えることにより、
凝固シェルができ難くなくなり、安定な鋳造が行われ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】無底るつぼ内のシリコンの溶湯に作用する磁界
の強さおよびローレンツ力の軸方向分布を示す模式図で
ある。
【図2】誘導コイルの構造例を示す模式図である。
【図3】鋳造装置を模式図に示す縦断面図である。
【図4】誘導コイルを均等巻きから粗密巻きへ変えたこ
とによる結晶構造の変化を示す顕微鏡写真である。
【図5】誘導コイルを均等巻きから粗密巻きへ変えたこ
とによる結晶粒径の変化を示す図表である。
【図6】誘導コイルを均等巻きから粗密巻きへ変えたこ
とによる光電変換効率の変化を示す図表である。
【図7】溶湯攪拌現象を示す模式図である。
【符号の説明】
1 無底るつぼ 2 誘導コイル 3 溶湯 4 方向性凝固鋳塊

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導コイル内に、軸方向の少なくとも一
    部が周方向で複数に分割された導電性の無底るつぼを設
    置し、該無底るつぼ内でシリコンをるつぼ内面に対して
    非接触の状態で電磁溶解し、その溶湯を下方へ引き下げ
    て方向性凝固鋳塊となすシリコンの連続鋳造方法におい
    て、前記誘導コイルによって無底るつぼ内に生じる磁界
    の強度を、るつぼ上部で強、るつぼ下部で弱の軸方向分
    布とすることを特徴とするシリコン鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記誘導コイルの軸方向の巻密度を、コ
    イル上部で密、コイル下部で粗とすることを特徴とする
    請求項1に記載のシリコン鋳造方法。
JP4603392A 1992-01-31 1992-01-31 シリコン鋳造方法 Pending JPH05213691A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8991217B2 (en) 2011-05-17 2015-03-31 Panasonic Corporation Mold, casting apparatus, and method for producing cast rod

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