JP4664967B2 - シリコン鋳造装置およびシリコン基板の製造方法 - Google Patents

シリコン鋳造装置およびシリコン基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4664967B2
JP4664967B2 JP2007503670A JP2007503670A JP4664967B2 JP 4664967 B2 JP4664967 B2 JP 4664967B2 JP 2007503670 A JP2007503670 A JP 2007503670A JP 2007503670 A JP2007503670 A JP 2007503670A JP 4664967 B2 JP4664967 B2 JP 4664967B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
heating
cooling
casting apparatus
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007503670A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2006088037A1 (ja
Inventor
恭二郎 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumco Solar Corp
Original Assignee
Sumco Solar Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumco Solar Corp filed Critical Sumco Solar Corp
Publication of JPWO2006088037A1 publication Critical patent/JPWO2006088037A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4664967B2 publication Critical patent/JP4664967B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B11/00Single-crystal growth by normal freezing or freezing under temperature gradient, e.g. Bridgman-Stockbarger method
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/02Elements
    • C30B29/06Silicon

Description

本発明は、周方向に分割されるとともに水冷された導電性の銅坩堝(以下、「冷却坩堝」という)を用いた電磁鋳造技術を適用し、シリコン太陽電池基板に使用される多結晶インゴットを製造するシリコン鋳造装置およびこれを用いたシリコン基板の製造方法に関するものである。
電磁誘導を用いた連続鋳造(以下、「電磁鋳造」という)による鋳造装置では、電気伝導度の高い銅からなる冷却坩堝が金属材料を溶解保持するようにるつぼ形状に配置され、誘導コイルが冷却坩堝を取り囲むように配置されて構成されている。この誘導コイルに中高周波の交流電流を印加すると、これに誘導される交流磁場により、冷却坩堝に保持される金属材料中に電流が誘発され、溶解加熱されるとともに、溶融金属を半径方向の内側に押す力が発生する。このようにして、溶融金属には冷却坩堝から離間する作用とともに、攪拌作用が働くことになる。
したがって、電磁鋳造では、溶解された物質と冷却坩堝との間で接触がなく、シリコンの鋳造に利用した場合に、シリコンの不純物汚染を防止することができる。また、溶解された物質と冷却坩堝との間で接触がないことから、坩堝の長寿命化が図れるとともに、溶解された物質を固化するための鋳型を必要としないことから、設備コストを著しく低下することができる。また、結晶学上も冷却坩堝の底部および側壁から結晶化が進行するので、方向性凝固が容易である。このため、電磁鋳造で製造される多結晶シリコンインゴットは、ウェーハに切り出されて、シリコン太陽電池の基板材として広く使用されている。
このため、電磁鋳造法は従来からシリコンの鋳造に対して適用されており、例えば、特公平2−58022号公報では、冷却坩堝の内側形状について、誘導コイルの下端位置を基準にしてそれよりも下方においては下広がりの形状を付与することによって、鋳造されるシリコンの接触磨耗による汚染と電気的接触による電気系統の障害を除く装置が、また、特許第2657240号公報では、凝固シリコンの引き下げ路に沿って冷却坩堝の下方に加熱手段を設置するシリコン鋳造装置が開示されている。
図1は、電磁鋳造による多結晶シリコンインゴットを鋳造する全体構成を説明する図である。チャンバー1は、内部の発熱から保護されるように二重壁構造で水冷式の密閉容器になっており、上部に密閉手段2によって仕切られた原料装入装置10と連結され、底部にインゴットを抜き出すための引出し口3を有している。チャンバー1には上部側壁に不活性ガス導入口4および下部側壁に真空吸引口5が設けられている。
チャンバー1の中央部には電磁鋳造手段としての冷却坩堝6、誘導コイル7および加熱炉8が設けられている。冷却坩堝6は銅製の水冷筒体で、上部を残して周方向に複数分割されている。誘導コイル7は、冷却坩堝6の外周側に同芯に周設され、図示されていない同軸ケーブルにて電源に接続される。加熱炉8は、冷却坩堝6の下方に同芯に連設され、冷却坩堝6から引き下げられる凝固インゴット12を加熱して、その軸方向に所定の温度勾配を与える。
チャンバー1内に設けられた密閉手段2の下方には原料装入装置10が設けられ、原料装入装置10内に装入された粒状、塊状のシリコン材料9が冷却坩堝6内の溶融シリコン11に供給されるようになっている。冷却坩堝6の直上には黒鉛製の補助ヒーター13が昇降可能に設けられ、下降した状態で冷却坩堝6内に挿入されるようになっている。
チャンバー1の底部に設けられた引出し口3の下方には、シリコンインゴット12を支えながら下方へ引き出す引き抜き装置14が設けられている。さらに、引出し口3の下方でチャンバー1の外部には、インゴットの切断手段(図示せず)が設けられ、チャンバー1外に引き出されてくるシリコンインゴット12は所定の長さに適宜切断される。
通常、多結晶シリコンインゴットの電磁鋳造において、シリコン太陽電池の基板材として優れた性能を発揮させるには、溶融シリコンが凝固する際に液体と固体とを分離する固液界面における断面形状を安定して制御することが重要になる。前記図1に示すように、溶融したシリコンが下方に移動しながら鋳造される過程において、凝固するシリコンインゴットの冷却過程が固液界面の形状に影響を及ぼすことから、固液界面の形状が鋳造状態を示し、多結晶シリコンインゴット中の残留歪や残留応力を決定することになる。
シリコン太陽電池用基板では、残留歪や残留応力が可能なかぎり存在しないことが望ましいことから、太陽電池用の多結晶シリコンインゴットの電磁鋳造では、溶融シリコンの固液界面における形状は可能なかぎり平坦にすることが望ましい。また、前述の通り、固液界面の形状は、凝固するシリコンインゴットの冷却条件の影響を受けることから、凝固が進行する液体および固体が存在する系における熱の移動、並びに液体および固体がそれらの表面を通して受ける加熱および冷却の諸条件によって決定される。
ところが、前記図1に示すように、従来の電磁鋳造によるシリコン鋳造装置においては、シリコンインゴットの冷却を促進させることによって凝固および凝固速度を制御することについて配慮がなされておらず、専ら、鋳造される凝固シリコンの保温が意図され、凝固シリコン表面に対する加熱手段(加熱炉)のみが用いられていた。このため、溶融シリコンの固液界面における形状を安定して、平坦に制御するのが困難になる。
具体的には、従来の電磁鋳造によるシリコン鋳造装置では、シリコンインゴットを徐冷するために設置した加熱手段には、シリコンインゴットの引き下げ方向に沿う熱伝達を抑止する手段が設けられていない。このため、水冷坩堝の下部に連設される上方の加熱手段から、下方に位置する加熱手段への熱伝達が存在することになる。
したがって、従来のシリコン鋳造装置では、シリコンインゴットを徐冷するために設置された加熱手段により、凝固したシリコンインゴットの保温効果を高めることができるが、鋳造速度を速くした場合には、上方の加熱手段では凝固シリコンの表面からの受熱により高温になるが、下方への熱伝達を抑止する手段がないため、下方に隣接する加熱手段に熱伝達が行われ、下方の加熱手段が高温になる。
このため、凝固したシリコンインゴットを冷却するために設定した温度勾配が消失し、溶融シリコンの固液界面における形状が過度に下方向に突出した半円球形状、または円錐形状となり、未凝固のシリコン融液部の中心部が深くなる。
このシリコン融液部の中心部は、鋳造速度を大きくすると著しく深くなり、鋳造状態が不安定になることから、凝固後のシリコンインゴットには大きな残留歪と残留応力が存在することになる。さらに、このようにシリコン融液部の中心部の深さが増大すれば、固液界面における形状の安定性が失われ、極端な場合には、溶融シリコンが坩堝底部を外れた下方において、インゴットの凝固側面を局所的に破壊し、溶融シリコンの吐出(湯漏れ)を発生することがある。
このような理由から、従来の電磁鋳造によるシリコン鋳造装置においては、鋳造されたシリコンインゴットの残留歪および残留応力を減少させることに限界があり、電磁鋳造によるシリコンインゴットから得られた太陽電池用シリコン基板の光電変換効率は十分なものとは言えなかった。また、電磁鋳造の際に鋳造速度を高めることにも制限があり、鋳造装置当たりの生産性にも限界があった。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、電磁誘導によるシリコンの鋳造に際し、シリコンインゴットの内部に存在する残留歪および残留応力を減少させるとともに、高い生産性でシリコンインゴットを製造することのできるシリコン鋳造装置、および太陽電池用として光電変換効率に優れるシリコン基板の製造方法を提供することを目的としている。
本発明のシリコン鋳造装置における、第1の構成は、軸方向の少なくとも一部が周方向で複数に分割された導電性の冷却坩堝と、この冷却坩堝を取り囲む誘導コイルを設け、電磁誘導により溶融したシリコンを下方に引き下げて凝固させるシリコンの鋳造装置において、前記冷却坩堝の下方で、かつ同芯に、前記凝固シリコンに対する加熱手段と冷却手段とを単数組または複数組で交互に配置し、前記冷却坩堝の直下に加熱手段を設置することを特徴としている。
第1の構成では、加熱手段が複数段の加熱炉からなり、当該加熱炉が耐火物で構成されること、または冷却手段が複数段で構成され、冷却水を流通させる冷却管構造であることが望ましい。
本発明のシリコン鋳造装置における、第2の構成は、軸方向の少なくとも一部が周方向で複数に分割された導電性の冷却坩堝と、この冷却坩堝を取り囲む誘導コイルを設け、電磁誘導により溶融したシリコンを下方に引き下げて凝固させるシリコンの鋳造装置において、前記冷却坩堝の下方で、かつ同芯に、前記凝固シリコンに対する加熱手段とこの加熱手段からの伝熱を遮蔽する断熱手段とを単数組または複数組で交互に配置し、前記冷却坩堝の直下に断熱手段を設置することを特徴としている。
第2の構成では、加熱手段が複数段の熱遮蔽炉からなり、当該熱遮蔽炉が伝熱を遮蔽する遮蔽板を配置して構成されていること、または断熱手段が耐火物で構成され、または/および加熱手段の間隙を形成する空間で構成され、複数段に配置されることが望ましい。
本発明の製造方法は、上記第1、2の構成からなるシリコン鋳造装置を用いて多結晶シリコンインゴットを育成した後、当該シリコンインゴットから切り出して太陽電池用シリコン基板を得ることを特徴としている。
本発明のシリコン鋳造装置によれば、電磁誘導によるシリコンの鋳造に際し、シリコンインゴットの引き下げ方向に沿う温度勾配を有効に付与できるので、溶融シリコンの固液界面における形状を安定して平坦に保持することが可能であり、残留歪および残留応力を減少させたシリコンインゴットを鋳造することができ、同時に鋳造速度を高めて鋳造装置当たりの生産性を向上させることが可能になる。
また、本発明のシリコン基板の製造方法によれば、上記残留歪および残留応力を減少させたシリコンインゴットから切り出すことにより、光電変換効率に優れる太陽電池用シリコン基板を得ることができる。
図1は、電磁鋳造による多結晶シリコンインゴットを鋳造する全体構成を説明する図である。
図2は、実施例1で採用したシリコン鋳造装置の要部(冷却坩堝および加熱手段等)の部分断面の構成を模式的に説明する図である。
図3は、実施例2で採用したシリコン鋳造装置の要部(冷却坩堝および加熱手段等)の部分断面の構成を模式的に説明する図である。
図4は、実施例3で採用したシリコン鋳造装置の要部(冷却坩堝および加熱手段等)の部分断面の構成を模式的に説明する図である。
図5は、比較例で採用したシリコン鋳造装置の要部(冷却坩堝および加熱手段)の部分断面の構成を模式的に説明する図である。
図6は、実施例1〜3および比較例で用いたシリコン鋳造装置の加熱手段における温度分布を示す図である。
本発明のシリコン鋳造装置では、電磁誘導による溶融シリコンの鋳造を行うため、内圧が制御可能な密閉容器となるチャンバー内に、軸方向の少なくとも一部が周方向で複数に分割された導電性の冷却坩堝を設置し、この冷却坩堝の周囲を取り囲むように誘導コイルを設け、電磁誘導により溶融したシリコンを下方に引き下げ凝固させる構成を前提としている。
本発明のシリコン鋳造装置における第1の形態では、電磁誘導により溶融したシリコンを収容する冷却坩堝の下方で、かつ同芯に、凝固させたシリコンに対する加熱手段と冷却手段とを交互に配置したことを特徴とする。
このように、加熱手段と冷却手段を交互に配置することにより、シリコンインゴットの引き下げ方向に沿って保温作用と抜熱作用を交互に発揮させることができる。これと同時に、上方の加熱手段と下方の加熱手段との間に冷却手段を挟むことにより、上方の加熱手段から下方の加熱手段への熱伝達が抑止され、下方の加熱手段の設定温度が異常に上昇することがない。
これにより、適切な温度制御が可能であり、凝固インゴットを冷却するために最適な温度勾配を付与することができる。このため、溶融シリコンの固液界面における形状を安定して平坦にでき、残留歪および残留応力を減少させたシリコンインゴットを鋳造することができるとともに、インゴットの凝固速度を速めることができる。
本発明のシリコン鋳造装置における第2の形態では、電磁誘導により溶融したシリコンを収容する冷却坩堝の下方で、かつ同芯に、凝固させたシリコンに対する加熱手段とこの加熱手段からの伝熱を遮蔽する断熱手段とを交互に配置したことを特徴とする。
このように、凝固シリコンに対する加熱手段とこの加熱手段からの伝熱を遮蔽する断熱手段とを交互に配置することにより、上方の加熱手段と下方の加熱手段との間に断熱手段を設けることになり、上方の加熱手段から下方の加熱手段への熱伝達が抑止され、下方の加熱手段の設定温度が異常に上昇することがない。
このため、断熱手段によって隔離された各加熱手段において温度制御が可能になり、シリコンインゴットの引き下げ方向に沿って温度勾配を有効に付与できる。これにより、溶融シリコンの固液界面における形状を安定的に平坦化でき、残留歪および残留応力を減少させたシリコンインゴットを鋳造することができるとともに、インゴットの凝固速度を速めることができる。
本発明のシリコン鋳造装置における加熱手段としては、後述する実施例に示すように、耐火物で構成される加熱炉、または熱遮蔽板を配置する熱遮蔽炉のいずれであってもよい。温度制御に関しては、熱遮蔽炉が温度変化に対する応答性に優れることから、耐火物で構成される加熱炉に比べ良好である。
本発明のシリコン鋳造装置では、それぞれの加熱手段が独立に出力制御できるようにすることが望ましく、発熱体としては抵抗加熱方式および高周波加熱方式など慣用される手法を採用することができる。発熱体の適用材質としては、耐熱性およびコストの点からは、黒鉛製の抵抗加熱ヒータを採用するのが望ましい。
本発明のシリコン鋳造装置における冷却手段としては、上方の加熱手段から下方の加熱手段への熱伝達が抑止され配管内に冷媒として水またはガスを流通させた冷却管方式を用いることがより簡便であるが、何らこれに限定されるものではなく、その他の冷却手段として慣用されている手段であればよい。
本発明のシリコン鋳造装置における断熱手段は、上方の加熱手段から下方の加熱手段への熱伝達を抑止する機能を発揮すればよく、耐熱性に優れる金属(ステンレス、モリブデン等)で構成することが望ましく、シリカやアルミナ質の耐火物で表面を覆うことが望ましい。さらに、本発明のシリコン鋳造装置では、断熱手段として加熱手段の間隙を形成する空間で構成してもよい。
本発明のシリコン鋳造装置における加熱手段、冷却手段、および断熱手段の設置数(段数)は、使用する装置の大きさおよび目的とするシリコンインゴットの大きさに応じて適宜選定される。
本発明のシリコン基板の製造方法では、上記のシリコン鋳造装置によって多結晶シリコンインゴットを育成した後、当該シリコンインゴットから切り出して太陽電池用シリコン基板を得ることを特徴としている。上記残留歪および残留応力を減少させたシリコンインゴットから切り出すことにより、光電変換効率に優れる太陽電池用シリコン基板を得ることができる。
本発明の製造方法において、シリコンインゴットから太陽電池用シリコン基板を切り出す手段として、慣用されているマルチ・ワイヤ・ソーやマルチ・ブレード・ソーを活用することができる。シリコン基板の厚みは基板の強度および光電変換効率の観点から100〜450μm程度とするのが望ましい。
本発明のシリコン鋳造装置による効果を確認するため、前記図1に示すように、内圧が制御可能な密閉容器を構成するチャンバー1内に、軸方向の少なくとも一部が周方向で複数に分割された導電性の冷却坩堝6を設置し、この冷却坩堝6の周囲を取り囲むように誘導コイル7を設け、電磁誘導により溶融したシリコンを下方に引き下げて凝固させる鋳造装置を用いて、次の実施例1〜3および比較例によるシリコン電磁鋳造を行った。
(実施例1)
図2は、実施例1で採用したシリコン鋳造装置の要部(冷却坩堝および加熱手段等)の部分断面の構成を模式的に説明する図である。実施例1では、冷却坩堝6とこれを取り囲む誘導コイル7を設置して、冷却坩堝6の直下から凝固シリコン12の引き下げ方向に沿って1〜8段の加熱手段15と1〜8段の冷却手段17とを交互に設置した。図2において、冷却坩堝や冷却手段での冷却水の取り入れ・取り出し、誘導電源と誘導コイルの連結、加熱手段や冷却手段の取り付け、発熱体の取り付けと電気的連結等の詳細な図示は省略した。後述する図3〜5においても同様とする。
本発明のシリコン鋳造装置では、シリコンインゴット12の断面形状は円形、正方形、または長方形にすることができるが、太陽電池用のシリコンインゴットでは正方形が一般的であることから、実施例1では、その断面形状を正方形とし、その一辺の長さを16cmとした。すなわち、冷却坩堝6の引き下げ方向に直交する断面の内側寸法を、溶融シリコン11の凝固が開始する位置において16cmとした。
冷却坩堝6の直下に1段目の加熱手段15として、高さが16cmの加熱炉を設置した。加熱炉はステンレス鋼材を用いて骨組みし、その炉体はシリカ・アルミナ質の耐火物で構成した。発熱源として高さ9cmおよび厚さ0.7cmの黒鉛製の発熱体16を用い、加熱炉高さの中心位置であって、凝固インゴット12の側面と対面するように設置した。
この発熱体16の上方および下方は厚さが1.5cmのシリカ・アルミナ質の耐火物で覆い、1段目の加熱炉では内側寸法を19cmとし、シリコンインゴット12の4側面を1.5cmの離間を保って取り囲んだ。この発熱体16は通電によって最高出力を3kWとし、4側面の合計出力で12kWの発熱が可能になるように構成した。
上記1段目の加熱手段15の下方には、1段目の冷却手段17を設置した。冷却手段17は厚さ0.2cmの銅板を用いて、高さ4cm、内側寸法19cm、外側寸法29cmの角筒状として、シリコンインゴット12を取り囲むように構成した。この冷却手段17は冷却水出入口で冷却水供給パイプと連結されており、冷却水を循環する。
上記1段目の冷却手段17の下方には、2段目の加熱手段15を隣接して設置した。2段目の加熱手段15としては、1段目の加熱手段15と同一の構造からなる加熱炉で構成した。さらに、2段目の加熱手段の下方には2段目の冷却手段17を隣接して設置した。2段目の冷却手段17は1段目の冷却手段17と同一の構造からなる角筒状の冷却管構造で作製した。
2段目の加熱手段15および冷却手段17以降は、上記と同様の構成で、加熱手段15と冷却手段17をそれぞれが合計で8段になるように交互に設置した。しかし、4段目の加熱手段15以降の発熱体16では、最大出力を1kWとし、1段当たりの加熱炉の最大発熱量をシリコンインゴット12の4側面の合計で4kWとした。
実施例1では、上述の装置構成からなるシリコン鋳造装置を用い、最初に、引き下げ方向に直交する断面形状の一辺が16cmの黒鉛製の台座を、その上面が誘導コイル7の下端位置と同一になるように冷却坩堝6に下方から挿入し、この台座の上に6.0kgのシリコン塊を装入した。
次いで、前記図1に示すように、装入したシリコン塊から2cm上方に、断面形状が正方形で、その一辺が14cm、高さが5cmの黒鉛製の補助ヒーター13を上方から挿入した。チャンバー1内を真空ポンプによって0.1Torrまで減圧した後、アルゴンガスを大気圧まで送入し、周波数20kHzの交流電流を誘導コイル7に出力250kWまで印加した。
誘導コイル7への通電を開始すると、シリコン塊の上方に挿入された補助ヒーター13が誘導発熱して昇温して赤色になり、次に装入されたシリコン塊が補助ヒーター13の輻射熱によって昇温される。その後、装入されたシリコン塊の温度が約600℃になると、半導体であるシリコン塊の電気抵抗値が低下し、シリコン塊中の誘導電流が増加して自己発熱を開始した。
シリコン塊が自己発熱を開始すると同時に、黒鉛製の補助ヒーター13を冷却坩堝6から上方に引き上げて抜き出した。自己発熱を開始したシリコン塊はさらに昇温して、完全に溶解し溶融シリコン11となる。冷却坩堝6内の溶融シリコン11は、冷却坩堝6の内面壁と対面する側面は電磁気力を受けて離間することから、冷却坩堝6とは非接触の状態で収容される。
一方、上記の手順でシリコンの溶解を開始するとともに、冷却坩堝6の下方に設置した1〜8段目の加熱炉の昇温も開始し、同時に冷却手段17に冷却水を循環させた。1〜8段目の加熱炉の温度設定は、1段目の加熱炉では1250℃、各1段下方の加熱炉では1段上方の加熱炉よりも順次120℃低く設定して、最も下方の8段目の加熱炉では410℃に設定した。各加熱炉の温度測定は、各加熱炉における高さ方向の中心位置で、シリコンインゴット12の側面と発熱体16の間の中間点に配置した熱電対で測定した。
装入したシリコン塊が完全に溶解し、溶融シリコン11として安定的に保持された後、上方に位置する原料供給装置10から粒状のシリコンを冷却坩堝6に連続的に装入しながら、溶融シリコン11を保持している黒鉛製の台座を下降させて鋳造を開始し、シリコンインゴット12の全長が200cmになった時点で鋳造を停止した。実施例1では、鋳造速度を毎分2.0mmとした。
シリコン鋳造を開始した初期の段階では、各加熱炉の温度制御のための電力所要量は、1段目の加熱炉では約10kW、2段目の加熱炉では約7kW、3段目以下の加熱炉では1〜3kWを消費した。
ところが、鋳造時間が経過して、引き下げられたシリコンインゴット12が1〜8段目の加熱炉全体の長さよりも長くなると、各加熱炉の電力所要量は減少した。すなわち、1段目の加熱炉では約4kW、2段目の加熱炉では約3kW、3段目以下の加熱炉では1〜2kWになって安定した。
また、1〜8段目の冷却手段17には毎分5リットルの冷却水を循環させたが、冷却水の入口温度と出口温度の差は、1段目の冷却手段17では2℃、他の段の冷却手段17では1℃以下であった。
得られたシリコンインゴット12をワイヤソーで切断して、太陽電池用基板を製作するため、多結晶シリコン基板を切り出した。多結晶シリコン基板は一辺が12.5cmの正方形で、厚さは0.35mmとした。実施例1によって鋳造されたシリコンインゴットの全長から均等に100枚のシリコン基板を抜き取り、太陽電池用の基板を製作した。
太陽電池の製作工程では水素パッシベーション技術を用いて、それぞれのシリコン基板から太陽電池を製作した。実施例1で製作された太陽電池の光電変換効率の平均値は、14.8%であった。
(実施例2)
図3は、実施例2で採用したシリコン鋳造装置の要部(冷却坩堝および加熱手段等)の部分断面の構成を模式的に説明する図である。実施例2では、冷却坩堝6とこれを取り囲む誘導コイル7を設置して、冷却坩堝6の直下に凝固シリコン12の引き下げ方向に沿って加熱手段15と断熱手段18を交互に設置した。
実施例2では、シリコンインゴット12の断面形状を正方形で、その一辺の長さを22cmとした。冷却坩堝6の直下で、冷却坩堝6と1段目の加熱手段15との間に厚さ2cmのアルミナ質の材料で作製した1段目の断熱手段18を設置した。1段目の断熱手段18に隣接する1段目の加熱手段15として、高さが18cmの熱遮蔽炉を配置し、複数の金属製の熱遮蔽板19を配して構成した。発熱源として15cmの高さと0.7cmの厚さを持つ黒鉛製の発熱体16を用い、シリコンインゴット12の側面と熱遮蔽板19の間に設置した。
1段目の加熱手段15に用いられる熱遮蔽板19は、厚さ1.5mmの金属板であり、それぞれ1 cm間隔に配し合計で10枚の金属板を設置した。発熱体16に近接する最も内側の金属板はモリブデン製として、他の金属板はステンレス鋼製とした。また、1段目の加熱手段の発熱体16は、通電による最大発熱量20kWとした。
上記1段目の加熱手段15の下方には、2段目の断熱手段18を設置した。2段目の断熱手段18は、1段目の断熱手段18と同一の材料を用いて同じ大きさとし、厚さが2cmであり、シリコンインゴット12を取り囲む内側寸法を25cmとし、幅を17cmとした。断熱手段18の幅は、上下に隣接する熱遮蔽炉と同一寸法とした。2段目の断熱手段18以降は、同様に加熱手段15と断熱手段18を引き下げ方向に沿って交互に設置して、合計で8段の熱遮蔽炉と9段の断熱手段18を設置した。
実施例2では、上述のシリコン鋳造装置の構成において、2段目の熱遮蔽炉における最大発熱量を10kWとし、3段目以降の熱遮蔽炉における最大発熱量を5kWとした。また、配置する熱遮蔽板19は、1〜3段目の熱遮蔽炉で10枚とし、4〜6段目の熱遮蔽炉で7枚とし、7〜8段目の熱遮蔽炉で4枚とした。
次に、上述の装置構成からなるシリコン鋳造装置を用い、シリコンの鋳造を実施した。初期装入したシリコン塊の溶解手順は、実施例1の場合と同様に、溶融シリコン11を保持する黒鉛製の台座の寸法を一辺が22cmとし、冷却坩堝6に装入して、台座に初期装入するシリコン塊を11kg装入した。さらに、装入したシリコン塊の上面に、断面形状が正方形で、その一辺が20cmの黒鉛製の補助ヒーター13を装入した。
さらに、チャンバー1内をアルゴンガスで置換した後、周波数20kHzの交流電流を誘導コイル7に出力350kWまで通電した。実施例1の場合と同様に、シリコンの溶解が開始するのにともない、冷却坩堝6の下方に加熱手段15として設置された、1〜8段目の熱遮蔽炉の昇温を開始した。
熱遮蔽炉の温度設定は、1段目の加熱炉では1260℃とし、各1段下方の加熱炉では1段上方の加熱炉よりも順次110℃低く設定して、最も下方の8段目の加熱炉では490℃とした。各熱遮蔽炉での温度測定は、実施例1の場合と同様に、シリコンインゴット12の側面と発熱体16の間の中間点に配置した熱電対で測定した。
装入したシリコンが溶解し、溶融シリコン11として安定的に保持された後、原料シリコンを装入しながら、溶融シリコン11を保持する黒鉛製の台座を下降させてシリコン鋳造を開始し、シリコンインゴット12の全長が200cmになった時点で鋳造を停止した。実施例2における鋳造速度は、毎分2.0mmとした。
鋳造を開始した初期の段階では、各熱遮蔽炉の温度制御のための電力所要量は1段目の熱遮蔽炉では約18kW、2段目の熱遮蔽炉では約10kW、3段目以降の熱遮蔽炉では1〜5kWを消費した。しかし、時間が経過してシリコンインゴット12が1〜8段目までの熱遮蔽炉全体の長さよりも長くなると、各熱遮蔽炉の電力所要量は減少し、1段目の熱遮蔽炉では約7kW、2段目の熱遮蔽炉では約4kW、3段目以下の熱遮蔽炉では1〜2kWになって安定した。
得られたシリコンインゴット12をワイヤーソーで切断して、太陽電池用基板を製作するための多結晶シリコン基板を切り出した。多結晶シリコン基板の大きさは一辺が10cmで厚さ0.35mmの正方形の多結晶シリコン基板を切り出した。実施例2によって鋳造されたシリコンインゴットの全長から均等に100枚のシリコン基板を抜き取り、太陽電池用の基板を製作した。
実施例1の場合と同様に、太陽電池の製作工程では水素パッシベーション技術を用いて、それぞれのシリコン基板から太陽電池を製作した。実施例2で製作された太陽電池の光電変換効率の平均値は、14.8%であった。
(実施例3)
図4は、実施例3で採用したシリコン鋳造装置の要部(冷却坩堝および加熱手段等)の部分断面の構成を模式的に説明する図である。実施例3では、冷却坩堝6とこれを取り囲む誘導コイル7を設置して、冷却坩堝6の直下に凝固シリコン12の引き下げ方向に沿って、加熱手段15、並びに断熱手段18および断熱手段としての空間20を交互に設置した。
実施例3では、シリコンインゴット12の断面形状は正方形で、その一辺の長さは22cmとした。冷却坩堝6直下で、冷却坩堝6と1段目の加熱手段15との間に厚さ2cmのアルミナ質の材料で作製した1段目の断熱手段18を設置した。1段目の断熱手段18に隣接する1段目の加熱手段15として、高さが18cmの熱遮蔽炉を配置し、複数の金属製の熱遮蔽板19を配して構成した。発熱源として15cmの高さと0.7cmの厚さを持つ黒鉛製の発熱体16を用い、シリコンインゴット12の側面と対向するように設置した熱遮蔽版19とその他の熱遮蔽板19の間に設置した。
1段目の加熱手段15に用いられる熱遮蔽板19は、厚さ1.5mmの金属板であり、それぞれ1 cm間隔に配し合計で10枚の金属板を設置し、さらにシリコンインゴット12と発熱体16の間に1枚の金属板を設置した。その結果、熱遮蔽板19は合計で11枚が用いられた。シリコンインゴット12と発熱体16の間に設置された金属板および発熱体16に近接し最も内側の金属板はモリブデン製とし、他の金属板はステンレス鋼製とした。また、1段目の加熱手段の発熱体16は、通電による最大発熱量20kWとした。
1段目の加熱手段15の下方には、2段目の断熱手段としての空間20を設けた。具体的には、2段目の断熱手段としての空間20は、1段目の加熱手段15と2段目の加熱手段15とが1.5cm離間するように構成した。2段目の加熱手段15以降は、同様に加熱手段15と断熱手段としての空間20とを引き下げ方向に沿って交互に設置して、1〜8段の熱遮蔽炉、1段の断熱手段18および1〜7段の断熱手段としての空間20を設置した。
実施例3では、上述のシリコン鋳造装置の構成において、2段目の熱遮蔽炉における最大発熱量を10kWとし、3段目以降の熱遮蔽炉における最大発熱量を5kWとした。また、配置する熱遮蔽板19は、1〜3段目の熱遮蔽炉で11枚とし、4〜6段目の熱遮蔽炉で8枚とし、7〜8段目の熱遮蔽炉で5枚とした。
次に、上述の装置構成からなるシリコン鋳造装置を用い、シリコンの鋳造を実施した。初期装入したシリコン塊の溶解手順は、実施例1の場合と同様に、溶融シリコン11を保持する黒鉛製の台座の寸法を一辺が22cmとし、冷却坩堝6に装入して、台座に初期装入するシリコン塊を11kg装入した。さらに、装入したシリコン塊の上面に、断面形状が正方形で、その一辺が20cmの黒鉛製の補助ヒーター13を装入した。
さらに、チャンバー1内をアルゴンガスで置換した後、周波数20kHzの交流電流を誘導コイル2に出力350kWまで通電した。実施例1の場合と同様に、シリコンの溶解が開始するのにともない、冷却坩堝6の下方に加熱手段15として設置された、1〜8段目の熱遮蔽炉の昇温を開始した。
熱遮蔽炉の温度設定は、実施例2の場合と同様であり、1段目の加熱炉では1260℃とし、各1段下方の加熱炉では1段上方の加熱炉よりも順次110℃低く設定して、最も下方の8段目の加熱炉では490℃とした。各熱遮蔽炉での温度測定は、実施例1の場合と同様に、シリコンインゴット4の側面と発熱体16の間の中間点に配置した熱電対で測定した。
装入したシリコンが溶解し、溶融シリコン11として安定的に保持された後、原料シリコンを装入しながら、溶融シリコン11を保持する黒鉛製の台座を下降させてシリコン鋳造を開始し、シリコンインゴット12の全長が200cmになった時点で鋳造を停止した。実施例3における鋳造速度は毎分1.7mmとした。
鋳造を開始した初期の段階では、各熱遮蔽炉の温度制御のための電力所要量は1段目の熱遮蔽炉では約20kW、2段目の熱遮蔽炉では約12kW、3段目以降の熱遮蔽炉では1〜5kWを消費した。しかし、時間が経過してシリコンインゴット12が1〜8段目までの熱遮蔽炉全体の長さよりも長くなると、各熱遮蔽炉の電力所要量は減少し、1段目の熱遮蔽炉では約8kW、2段目の熱遮蔽炉では約5kW、3段目以下の熱遮蔽炉では1〜2kWになって安定した。
得られたシリコンインゴット12をワイヤーソーで切断して、太陽電池用基板を製作するための多結晶シリコン基板を切り出した。多結晶シリコン基板の大きさは一辺が10cmで厚さ0.35mmの正方形の多結晶シリコン基板を切り出した。実施例3によって鋳造されたシリコンインゴットの全長から均等に100枚のシリコン基板を抜き取り、太陽電池用の基板を製作した。
実施例1の場合と同様に、太陽電池の製作工程では水素パッシベーション技術を用いて、それぞれのシリコン基板から太陽電池を製作した。実施例2で製作された太陽電池の光電変換効率の平均値は、14.8%であった。
(比較例)
図5は、比較例で採用したシリコン鋳造装置の要部(冷却坩堝および加熱手段)の部分断面の構成を模式的に説明する図である。比較例では、冷却坩堝6とこれを取り囲む誘導コイル7を設置して、冷却坩堝6の直下に凝固シリコン12の引き下げ方向に沿って8段の加熱手段15を配置した。
シリコンインゴット12の断面形状は正方形で、その一辺の長さは16cmとし、冷却坩堝6直下の加熱手段15は、高さが20cmの加熱炉を8段で隣接させて配設した。加熱炉はステンレス鋼材を用いて骨組みし、その炉体はシリカ・アルミナ質の耐火物で構成した。発熱源として高さ14cmおよび厚さ0.7cmの黒鉛製の発熱体16を用い、加熱炉高さの中心位置であって、凝固インゴット12の側面と対面するように設置した。
この発熱体16の上方および下方は厚さが1.5cmのシリカ・アルミナ質の耐火物で覆い、1段目の加熱炉では内側寸法を19cmとし、シリコンインゴット12の4側面を1.5cmの離間を保って取り囲んだ。この発熱体16は通電によって最高出力を3kWとし、4側面の合計出力で12kWの発熱が可能になるように構成した。しかし、全加熱炉のうち3〜8段目の加熱炉では、発熱体16の最高発熱量は1kWとし、加熱炉当たりの最高発熱量を4kWとした。
比較例では、上述の装置構成からなる図5に示すシリコン鋳造装置を用いて、シリコンの鋳造を実施した。初期装入したシリコン塊の溶解手順は、実施例1の場合と同様とし、黒鉛製の台座を冷却坩堝6に挿入し、この台座の上に6.0kgのシリコン塊を装入した。
装入したシリコン塊から2cm上方に、断面形状が正方形で、その一辺が14cm、高さが5cmの黒鉛製の補助ヒーター13を挿入し、チャンバー1内を減圧した後にアルゴンガスを大気圧まで送入し、周波数20kHzの交流電流を誘導コイル2に出力250kWまで印加した。
補助ヒーター13を誘導発熱させた後、シリコン塊が自己発熱を開始すると同時に、補助ヒーター13を上方に引き抜き、自己発熱を開始したシリコン塊はさらに昇温させて完全に溶解し、溶融シリコンとして冷却坩堝6に非接触の状態で収容した。
一方、シリコンの溶解にともない、冷却坩堝6の下方に設置した1〜8段目の加熱炉の昇温も開始した。前記図5に示す装置構成では、引き下げ方向に沿う温度勾配を各加熱炉間で直線的に降下させることが困難であるために、1段目の加熱炉での温度を1250℃、さらに8段目の加熱炉での温度を410℃に設定した。そして、2〜7段目の加熱炉での設定温度は、上方に設置した加熱炉の設定温度を超えないように経時的に変更した。また、加熱炉の温度測定は、高さ方向の中心位置でシリコンインゴット12の側面と発熱体16の間の中間点に配置した熱電対で測定した。
比較例では、鋳造速度を毎分1.3mmとした。実施例1と同様な手順で、シリコン鋳造を開始し、シリコンインゴット12の全長が200cmになった時点で鋳造を停止した。鋳造を開始した初期の段階での電力所要量は、1段目の加熱炉では約10kW、2段目の加熱炉では約2kW、3〜8段目の加熱炉では1kWを消費した。しかし、時間が経過して鋳造されたシリコンインゴット12が1〜8段目の加熱炉全体の長さよりも長くなると、各加熱炉の電力所要量は大幅に減少した。
すなわち、1段目の加熱炉では約4kWであり、2段目〜6段目までの5つの加熱炉ではまったく電力消費はなく、7段目の加熱炉では約1kW、8段目の加熱炉では約2kWが消費された。
得られたシリコンインゴット12をワイヤーソーで切断して、太陽電池用基板を製作するための多結晶シリコン基板を切り出した。多結晶シリコン基板の大きさは一辺が12.5cmで厚さ0.35mmの正方形の多結晶シリコン基板を切り出した。比較例によって鋳造されたシリコンインゴットの全長から均等に100枚のシリコン基板を抜き取り、太陽電池用の基板を製作した。
実施例1の場合と同様に、太陽電池の製作工程では水素パッシベーション技術を用いて、それぞれのシリコン基板から太陽電池を製作した。比較例で製作された太陽電池の光電変換効率の平均値は、14.2%であった。
(鋳造速度および光電変換効率の比較)
上述の実施例の結果から明らかなように、本発明で規定するシリコン鋳造装置を用いた実施例1〜3では、比較的速い鋳造速度を確保できるとともに(毎分1.7〜2.0mm)、得られたシリコンインゴットから作製された太陽電池の光電変換効率はいずれも優れた値であった(いずれも14.8%)。
これに対し、1〜8段目の加熱炉を配置するシリコン鋳造装置を用いた比較例では、それほど速い鋳造速度を確保することができず(毎分1.3mm)、得られたシリコンインゴットから作製された太陽電池の光電変換効率も劣った値であった(14.2%)。
(加熱手段での温度制御の比較)
図6は、実施例1〜3および比較例で用いたシリコン鋳造装置の加熱手段における温度分布を示す図である。加熱手段における温度測定は、加熱手段(加熱炉、または熱遮蔽炉)の高さ方向の中心位置であり、凝固シリコンの側面と発熱体との中間位置に配置した熱電対によって測定した。図6に示す温度分布は、鋳造されたシリコンインゴットが1段目の加熱炉から8段目の加熱炉に至る全体の距離を超えて引き下げられた時点における温度測定結果に基づいて示す。図中では、冷却坩堝の直下からの引き下げ距離(cm)も併せて示している。
図6に示す結果から、本発明で規定するシリコン鋳造装置を用いた実施例1では、1〜8段目の加熱炉における温度分布は、凝固シリコンの引き下げ方向に沿って直線的に降下しており、望ましい温度制御が行われたことが示されている。これにより、残留歪および残留応力を減少させたシリコンインゴットを鋳造することができることが分かる。
さらに、本発明で規定するシリコン鋳造装置であって、加熱手段として熱遮蔽炉を用いた実施例2、3では、1〜8段目の熱遮蔽炉における温度分布は、実施例1に比べ、さらに直線的に降下しており、より望ましい温度制御が行われたことが分かる。
これは、熱遮蔽炉では輻射熱の伝播によって熱移動するために温度変化に対する応答速度が速いことに起因している。したがって、熱遮蔽炉の応答性は、耐火物固有の大きな熱伝達抵抗を利用する耐火物による加熱炉が温度変化に対し応答速度が緩慢であることと好対照となる。さらに、実施例2、3では、熱遮蔽炉の温度変化に対する応答性と、各熱遮蔽炉間に設けられた断熱手段による遮断効果によって、1〜8段目の熱遮蔽炉における温度制御が容易になる。
一方、1〜8段の加熱炉を配置するシリコン鋳造装置を用いた比較例では、各加熱炉の温度は凝固シリコンの引き下げが進行する領域の加熱炉で高くなり易く、また、引き下げ方向に設置された加熱炉のうちで、中間部の加熱炉の温度が高くなり易い傾向がある。これらが要因となり、望ましい温度制御は得られなかった。
産業上の利用の可能性
本発明のシリコン鋳造装置によれば、電磁誘導によるシリコンの鋳造に際し、凝固シリコンの引き下げ方向に沿って加熱手段と冷却手段とを交互に配置し、または加熱手段と断熱手段とを交互に配置することにより、加熱手段の温度制御が容易となり、凝固するシリコンインゴットに温度勾配を有効に付与することができるので、溶融シリコンの固液界面における形状を安定して保持することが可能であり、残留歪および残留応力を減少させたシリコンインゴットを鋳造することができる。さらに、鋳造速度を高めて鋳造装置当たりの生産性を向上させることができる。
また、本発明のシリコン基板の製造方法によれば、上記残留歪および残留応力を減少させたシリコンインゴットから切り出すことにより、光電変換効率に優れる太陽電池用シリコン基板を得ることができる。これにより、太陽電池用の多結晶シリコンインゴットの製造に広く適用することができる。

Claims (8)

  1. 軸方向の少なくとも一部が周方向で複数に分割された導電性の冷却坩堝と、この冷却坩堝を取り囲む誘導コイルを設け、電磁誘導により溶融したシリコンを下方に引き下げて凝固させるシリコンの鋳造装置において、
    前記冷却坩堝の下方で、かつ同芯に、前記凝固シリコンに対する加熱手段と冷却手段とを単数組または複数組で交互に配置し、前記冷却坩堝の直下に加熱手段を設置することを特徴とするシリコン鋳造装置。
  2. 前記加熱手段が複数段の加熱炉からなり、当該加熱炉が耐火物で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコン鋳造装置。
  3. 前記冷却手段が複数段で構成され、冷却水を流通させる冷却管構造であることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン鋳造装置。
  4. 軸方向の少なくとも一部が周方向で複数に分割された導電性の冷却坩堝と、この冷却坩堝を取り囲む誘導コイルを設け、電磁誘導により溶融したシリコンを下方に引き下げて凝固させるシリコンの鋳造装置において、
    前記冷却坩堝の下方で、かつ同芯に、前記凝固シリコンに対する加熱手段とこの加熱手段からの伝熱を遮蔽する断熱手段とを単数組または複数組で交互に配置し、前記冷却坩堝の直下に断熱手段を設置することを特徴とするシリコン鋳造装置。
  5. 前記加熱手段が複数段の熱遮蔽炉からなり、当該熱遮蔽炉が伝熱を遮蔽する熱遮蔽板を配置して構成されていることを特徴とする請求項4に記載のシリコン鋳造装置。
  6. 前記断熱手段が耐火物で構成され、前記冷却坩堝の下方で複数段に配置されることを特徴とする請求項4または5に記載のシリコン鋳造装置。
  7. 前記断熱手段が耐火物で構成され、または/および前記加熱手段の間隙を形成する空間で構成され、前記冷却坩堝の下方で複数段に配置されることを特徴とする請求項4または5に記載のシリコン鋳造装置。
  8. 前記請求項1〜7のいずれかに記載のシリコン鋳造装置を用いて多結晶シリコンインゴットを育成した後、当該シリコンインゴットから切り出して太陽電池用シリコン基板を得ることを特徴とするシリコン基板の製造方法。
JP2007503670A 2005-02-17 2006-02-15 シリコン鋳造装置およびシリコン基板の製造方法 Expired - Fee Related JP4664967B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005040236 2005-02-17
JP2005040236 2005-02-17
PCT/JP2006/302604 WO2006088037A1 (ja) 2005-02-17 2006-02-15 シリコン鋳造装置およびシリコン基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006088037A1 JPWO2006088037A1 (ja) 2008-07-03
JP4664967B2 true JP4664967B2 (ja) 2011-04-06

Family

ID=36916441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007503670A Expired - Fee Related JP4664967B2 (ja) 2005-02-17 2006-02-15 シリコン鋳造装置およびシリコン基板の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4664967B2 (ja)
WO (1) WO2006088037A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008156166A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Sumco Solar Corp シリコンインゴットの鋳造方法および切断方法
JP5141020B2 (ja) * 2007-01-16 2013-02-13 株式会社Sumco 多結晶シリコンの鋳造方法
UA95131C2 (uk) * 2009-08-25 2011-07-11 Частное Акционерное Общество «Пиллар» Спосіб одержання зливків мультикристалічного кремнію індукційним методом
US10766777B2 (en) 2009-11-20 2020-09-08 Consarc Corporation Method for electromagnetic casting of silicon in a conductive crucible using a highest- and lowest-disposed induction coil
JP2012036059A (ja) * 2010-08-11 2012-02-23 Sumco Corp シリコンの電磁鋳造装置
JP2012041209A (ja) * 2010-08-16 2012-03-01 Sumco Corp シリコンの電磁鋳造装置

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6453732A (en) * 1987-08-25 1989-03-01 Osaka Titanium Method for casting silicon
JPH0258022B2 (ja) * 1987-01-15 1990-12-06 Yuuropeenu Do Jirukoniumu Sejusu Co
JPH08119786A (ja) * 1994-10-24 1996-05-14 Mitsubishi Materials Corp 単結晶引上装置
JP2657240B2 (ja) * 1988-04-15 1997-09-24 住友シチックス株式会社 シリコン鋳造装置
JPH09286700A (ja) * 1995-03-16 1997-11-04 Kobe Steel Ltd 単結晶の製造方法および単結晶製造装置並びにそれに用いる原料収納容器
JPH09309716A (ja) * 1996-03-19 1997-12-02 Kawasaki Steel Corp シリコンの精製方法
JPH1143396A (ja) * 1997-07-23 1999-02-16 Nippon Steel Corp シリコン単結晶およびその製造方法ならびに製造装置
JPH11199216A (ja) * 1998-01-12 1999-07-27 Kawasaki Steel Corp シリコンの一方向凝固装置
JPH11314911A (ja) * 1998-05-07 1999-11-16 Sumitomo Sitix Amagasaki:Kk 多結晶シリコンインゴットの製造方法
JP2001019594A (ja) * 1999-07-01 2001-01-23 Sumitomo Sitix Of Amagasaki Inc シリコン連続鋳造方法
JP3309141B2 (ja) * 1991-12-18 2002-07-29 ノヴァ・サイエンス株式会社 電子ビーム溶解による結晶シリコンインゴットの鋳造方法および装置
JP2003165791A (ja) * 2001-11-29 2003-06-10 Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp シリコン単結晶製造方法及び装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0258022B2 (ja) * 1987-01-15 1990-12-06 Yuuropeenu Do Jirukoniumu Sejusu Co
JPS6453732A (en) * 1987-08-25 1989-03-01 Osaka Titanium Method for casting silicon
JP2657240B2 (ja) * 1988-04-15 1997-09-24 住友シチックス株式会社 シリコン鋳造装置
JP3309141B2 (ja) * 1991-12-18 2002-07-29 ノヴァ・サイエンス株式会社 電子ビーム溶解による結晶シリコンインゴットの鋳造方法および装置
JPH08119786A (ja) * 1994-10-24 1996-05-14 Mitsubishi Materials Corp 単結晶引上装置
JPH09286700A (ja) * 1995-03-16 1997-11-04 Kobe Steel Ltd 単結晶の製造方法および単結晶製造装置並びにそれに用いる原料収納容器
JPH09309716A (ja) * 1996-03-19 1997-12-02 Kawasaki Steel Corp シリコンの精製方法
JPH1143396A (ja) * 1997-07-23 1999-02-16 Nippon Steel Corp シリコン単結晶およびその製造方法ならびに製造装置
JPH11199216A (ja) * 1998-01-12 1999-07-27 Kawasaki Steel Corp シリコンの一方向凝固装置
JPH11314911A (ja) * 1998-05-07 1999-11-16 Sumitomo Sitix Amagasaki:Kk 多結晶シリコンインゴットの製造方法
JP2001019594A (ja) * 1999-07-01 2001-01-23 Sumitomo Sitix Of Amagasaki Inc シリコン連続鋳造方法
JP2003165791A (ja) * 2001-11-29 2003-06-10 Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp シリコン単結晶製造方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2006088037A1 (ja) 2008-07-03
WO2006088037A1 (ja) 2006-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7682472B2 (en) Method for casting polycrystalline silicon
US6994835B2 (en) Silicon continuous casting method
JP5141020B2 (ja) 多結晶シリコンの鋳造方法
EP0349904B1 (en) Apparatus for casting silicon
JP2008156166A (ja) シリコンインゴットの鋳造方法および切断方法
JP4664967B2 (ja) シリコン鋳造装置およびシリコン基板の製造方法
KR100778019B1 (ko) 용해효율 및 회수율이 우수한 전자기 연속주조기용 도가니
JP2000264775A (ja) 電磁誘導鋳造装置
KR100564770B1 (ko) 고 용해효율 전자기 연속주조장치
JP3646570B2 (ja) シリコン連続鋳造方法
JP2657240B2 (ja) シリコン鋳造装置
KR101335147B1 (ko) 유도방식에 의해 다결정 실리콘 잉곳들을 생산하는 방법 및 이를 위한 장치
JP3603676B2 (ja) シリコン連続鋳造方法
EP2502880A1 (en) Electromagnetic casting apparatus for silicon
JP2012101963A (ja) シリコンインゴットの電磁鋳造装置および電磁鋳造方法
WO2012111850A1 (ja) 多結晶ウェーハ及びその製造方法、並びに多結晶材料の鋳造方法
JP2012056826A (ja) シリコンインゴットの電磁鋳造方法
EP2518015B1 (en) Electromagnetic casting apparatus for silicon
JP2013112539A (ja) シリコンインゴットの連続鋳造方法
JP2013112564A (ja) 多結晶シリコンの連続鋳造方法および連続鋳造装置
WO2012011159A1 (ja) シリコンインゴットの連続鋳造方法
WO2013035498A1 (ja) 多結晶シリコンインゴットの製造方法
WO2011104796A1 (ja) 太陽電池用多結晶シリコン
JP2012091964A (ja) 多結晶シリコンの製造方法
JP2013049586A (ja) シリコンインゴットの連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees