JPWO2012153398A1 - 鋸鞘 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば実開平7−37585号(特許文献1)には、鞘体(2)に鋸身(1)を出し入れ操作する際に、鋸身差入用挿入口(3)付近に、鋸身(1)を案内接触させうる硬質ローラ部材(4)を、鞘体(2)に回転自在に軸着するように構成した鋸の鞘が開示されている。これによって、鋸身(1)の鞘体への出し入れ操作が容易となり、また鞘体(2)を傷つけるのを低減することができる。
また特開平11−9858号(特許文献2)には、鞘本体(1)の内部に鋸等の刃部(4)を差し入れ得る形の収容部(2)を形成すると共に、収容部(2)おける刃部(4)の差入れ口や内部に回転ローラー(3)を取り付けた鋸等の鞘が開示されている。
一方、特開2005−131073号(特許文献3)には、鞘(1)の上部の開口部(2)に絞り込み部(3)を形成し、鋸柄(4)の凹部(5)が前記鞘(1)の開口部(2)の絞込み部(3)で弾性嵌合して保持されるようにした鋸等の鞘が開示されている。これによって、鋸が鞘(1)に保持され、不本意に鞘から飛び出るのを防止することができる。
また一対の硬質ローラ部材(4)を入口付近に大雑把に配置する程度では、鞘(6)内に入った刃先面の向きを案内することができない問題があった。このため鋸身(1)の刃先面が鞘(6)内空の扁平面に対して回転ズレする結果、刃先が鞘内壁に接触して傷つけ、或いは内壁に閊えて、スムーズに挿入が行えない問題が残っていた。
また上記特許文献2の鋸等の鞘の場合は、ローラ(3)を鞘本体(1)内の片側に配置させることで、鋸の刃部(4)をそのロール上を移動させ、鋸刃によって鞘が削り取られるのを防止する効果を奏するものであるが、鞘本体(1)の入口からの鋸の挿入をスムーズにすることを目的とするものではなく、またそのような作用効果を発揮するものではない。
また上記特許文献3の鋸等の鞘の場合は、鞘(1)に挿入された鋸が鞘から抜けるのを防止するものであるが、鋸柄(4)と鞘(1)との弾性嵌合は、ローラとの組み合わせ使用を前提とするものではなく、薄い樹脂フィルムの有する弾性を利用した単なる凹凸嵌合によるものである。このため、包装を外した後も暫くは使用できるが、実際には包装容器であり、また鋸刃で削り取られ易く、何度も長期に亘って繰り返して利用できるような耐久性に問題が残っていた。
また本発明の鋸鞘は、上記第1の特徴に加えて、鞘口部の奥口内の幅方向とは直角な両側に、鞘本体に向けて侵入する鋸刃の向きを鞘本体の扁平方向に一致させるように案内する一対の第2案内ロールを備えたことを第2の特徴としている。
また本発明の鋸鞘は、上記第1又は第2の特徴に加えて、鞘本体の手前の鞘口部の幅方向両側に、刃先を前記鞘本体へ案内する一対の第3案内ロールを設けたことを第3の特徴としている。
また本発明の鋸鞘は、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、扁平な鞘口部は、下口体と上口体とからなる分割体を分離自在に結合することで構成されており、扁平な鞘本体は、その先端部が下口体と上口体との間に挟持されることで鞘口部と一体化されていることを第4の特徴としている。
また請求項1に記載の鋸鞘によれば、鞘口部の前記案内ロールの背後に一対のグリップ侵入阻止部を備えることで、鋸グリップ、即ち鋸のグリップがそれ以上鋸鞘に入るのを防止し、鋸刃の刃先が鋸鞘の底に当たるのを防止することができる。
特に、案内ロールとその背後のグリップ侵入阻止部との一定の間隙を、鋸グリップの一部を受け入れて弾性嵌合させるグリップ弾性嵌合用空間としたので、案内ロールによって鋸グリップの先端部が鞘口部内に案内され且つ前記グリップ侵入阻止部で停止された鋸は、同時に鋸グリップの部分が前記グリップ侵入阻止部と案内ロールとの間のグリップ弾性用空間において、両側から挟まれた状態に弾性嵌合され、その位置に保持される。また鋸を鞘から抜き出す場合は、鋸グリップを持って抜き出し方向に引っ張ることで、案内ロールが回って、鋸グリップの弾性嵌合が解除され、鋸が鞘の外に引き出される。
よって請求項1に記載の発明によれば、鞘に挿入された鋸は、その挿入位置で不動状態に保持されると共に、抜き出す場合は案内ロールの回転により容易に弾性嵌合を解除して、抜き出すことができる。
以上、請求項1に記載の発明によれば、鋸刃を広い入口から案内ロールによって入れ易く、且つ差し入れた状態で、確実に鋸刃を固定して、ガタつかせることなく、また鋸刃の飛び出し等の問題を確実に防止することができる。勿論、鋸刃の刃先を確実に案内することができるので、鞘内壁にも傷が付きにくい。
鞘口部の入口から中に入った鋸刃の刃先は、次に一対の第2案内ロールに達する。この第2案内ロールは前記入口の案内ロールとは直角に配置されている。即ち、扁平な鞘口部の口内の幅方向とは直角な両側に配置されているため、鋸刃の刃先はこの一対の第2案内ロールの間を通過する際に、その刃先面が鞘口部の口内の扁平方向と一致するように案内される。勿論、刃先の面に続いて侵入する鋸刃の面も順次扁平方向と一致するように案内される。即ち、第2案内ロールにより鋸刃の面が鞘の扁平方向と一致するように矯正され、鞘本体へのスムーズな差し入れが可能となる。
第3案内ロールにより、鞘口部の広い入口から入った刃先を鞘本体の手前で更に案内することができ、細くて軽量な鞘本体へスムーズに差し入れることができる。また鞘本体を鞘口部と別体として組み合わせたような場合であっても、鞘本体と鞘口部との嵌め合わせによって生じる段部等の不連続をカバーして、刃先を鞘口部から鞘本体に支障なく円滑に導いて挿入することができる。
特に、分割体を結合する際に、鞘本体を両者間に挟持することで、別体として用意した鞘本体に容易に鞘口部を構成し、鞘を完成することができる。
先ず図1を参照して、鋸鞘1は、鞘口部10と鞘本体20とからなる。この鋸鞘1に対して鋸30が差し入れ自在に挿入される。
図2に鋸30が鋸鞘1に挿入されて保持されている状態を示す。
この鋸鞘1は、図示しない取り付け具を用いて、作業者の腰等に取り付けられる。
作業者は必要に応じて鋸鞘1から鋸30を取り出し、また作業が終わると鋸鞘に収容することができる。
下口体10aと上口体10bとは、ネジ12で分離自在に結合され、鞘口部10となる。
上口体10bの外面には、長手方向の前、中、後の各位置において幅方向(短手方向)の両側の位置に、それぞれ一対の第1ネジ受部13a、一対の第2ネジ受部13b、一対の第3ネジ受部13cが設けられている。また前記一対の第2ネジ受部13bの手前の位置において、幅方向の左右に前記第2案内ロール11bを取り付けるための一対の枢軸ピン受部13dが設けられている。
下口体10aの外面は、十分には図示されていないが、前記した上口体10bの外面形状と同じである。即ち、下口体10aの外面にも同様に各一対の第1ネジ受部13a、第2ネジ受部13b、第3ネジ受部13c、枢軸ピン受部13dが設けられている。
前記ネジ12は、各ネジ受部13a、13b、13c、13dに共通のネジとしている。
なお、下口体10aと上口体10bは、特に位置における上下の関係はなく、鞘口部10という口部を構成する半部の一方を下口体、残る半部を上口体と便宜上称しているだけである。
鞘本体20の材質は、合成樹脂、アルミ等の軽金属、その他の材料を用いることが可能である。
鞘本体20の基端部付近には、前記下口体10a及び上口体10bとの嵌合用手段として、扁平な上下面に一対の嵌合用穴21或いは嵌合用凹所、両側部に一対の嵌合用凹条22或いは嵌合用切欠きが設けられている。
鞘本体20は、下口体10aと上口体10bとの間に挟持されることで鞘口部10と一体化される。
鞘口部10の口幅は、前記入口14aから口内14bの奥にいくにつれて狭くなるように構成している。口内14bの最奥部は、前記鞘本体20の基端部付近を丁度受け入れる形状の嵌合空間14cとされている。
前記鞘口部10の外形幅も先端部(前記入口14aがある端部)から長手方向に次第に細くなって、その後端部で前記鞘本体20の径に近い幅となっている。
鞘本体20の入口24aの口径に対して十分に口径を大きくした入口14aの両側に第1案内ロール11aを備えることで、鋸刃31の刃先31aを容易に鞘口部10内に案内することができ、しかも第1案内ロール11aによる回転を伴う案内であるので、鋸30の刃先31a等がロール11a面に接触しながら、ロールの回転に伴って進出し、スムーズに鞘口部10内に導かれる。
更に鞘口部10の奥口内、即ち口内14bの奥の位置において、幅方向の両側に、一対の第3案内ロール11cが備えられる。この第3案内ロール11cは鋸本体20の入口の手前に配置され、且つ一対の第3案内ロール11c間の間隙が鞘本体20の入口24aの幅以下となるように配置される。第3案内ロール11cの向きは第1案内ロール11aと同じである。これによって前記入口14aから口内14bを侵入してきた刃先31bは、第3案内ロール11cによって案内され、且つロールの回転と共に進出して、速やかに円滑に鞘本体20内に導かれる。
一対の第2案内ロール11bの間隙は、鞘本体20の扁平な入口24aの幅方向(扁平方向)と直角な方向(入口の短手方向)の寸法よりも小さくなるように配置される。これによって第1案内ロール11aを経て第2案内ロール11bに導かれた鋸刃31の刃先31aは、その刃先31aの面の向きが鞘口部10の口内14bの扁平方向、並びに鞘本体20の入口24aの扁平方向と一致するように矯正される。よって後続する鞘本体20の入口24aへのスムーズな刃先31aの侵入準備を完了することができる。
グリップ侵入阻止部15は、鞘口部10の入口14aから口内14bに入ってきた鋸グリップ32をそれ以上侵入できないようにするものである。グリップ侵入阻止部15は、より具体的には第1案内ロール11aの背後で且つ前記第2案内ロール11bの手前に配置される。
グリップ侵入阻止部15は、口内14bの幅方向の両側位置に第1案内ロール14aの軸方向と同方向に突出する柱として備えることができる。
グリップ侵入阻止部15は、その下半部が下口体10aに形成され、上半部が上口体10bに形成される。そして下口体10aと上口体10bとが合わされて一体化されることで、前記グリップ侵入阻止部15の下半部と上半部が合わされて1本の柱となる。
膨出部33は鋸グリップ32の一部をなし、弾性変形可能なゴム、プラスチックで構成される。
一方、前記一対の膨出部33間の距離は、前記一対の第1案内ロール11aの間隙よりも少しその寸法を大きくしている。一対の膨出部33は、前記材質として弾性変形できるものを用いることで、弾性変形しながら前記一対の第1案内ロール11aを越えて鞘口部10に侵入することができるようにしている。前記弾性変形の変形能は第1案内ロール11aを乗り越えることができる程度の変形能とすることができる。
グリップ弾性嵌合用空間16は、その空間に前記鋸グリップ32の膨出部33を弾性嵌合する空間である。膨出部33は前記グリップ侵入阻止部15と第1案内ロール11aとによって前後から挟まれた状態でグリップ弾性嵌合用空間16に弾性嵌合する。
鋸グリップ32の先端付近が鞘口部10に侵入する際、膨出部33が第1案内ロール11aを乗り越えて、グリップ弾性嵌合用空間16に弾性嵌合され、且つグリップ侵入阻止部15によってそれ以上の侵入を阻止される。一方、鋸30を鋸鞘1から抜き出す際には、鋸グリップ32を引っ張ることで、グリップ弾性嵌合用空間16にある膨出部33が第1案内ロール11aを乗り越えて、鞘口部10から脱出する。
図3、図7、図8等を参照して、下口体10aの入口14aの内面の両側には、一対の第1枢軸柱18aが立設状態(入口14aの長手方向に直角な短手方向)に一体成形されている。この第1枢軸柱18aは、第1案内ロール11aを回転自在に嵌めて枢軸となる柱である。この第1枢軸柱18aは筒状に構成され、前記ネジ12が通るようになされている。
同様に、下口体10aの口内14bの奥の両側には、一対の第2枢軸柱18bが立設状態に一体成形されている。この第2枢軸柱18bは、第3案内ロール11cを回転自在に嵌めて枢軸となる柱である。第2枢軸柱18bも筒状に構成され、前記ネジ12が通るようになされている。
上口体10bには前記第1枢軸柱18aと第2枢軸柱18bは成形されていない。対応する位置には、第1ネジ受部13a及び第2ネジ受部13bに通じる各穴18cと、第1案内ロール11a及び第3案内ロール11cを受ける各凹み18dが設けられているだけである。
下口体10a側に上口体10b側の分も一緒に成形することで、第1案内ロール11aや第3案内ロール11cの差し込みにおけるズレの問題や、ネジ12の差し込みのズレの問題が生じないようにしている。
下口体10aの口内14bの奥の第2枢軸柱18bの手前の位置には、その両側に一対の枢軸ピン受部13dが水平方向(口内14bの口幅方向)に相互に対向して設けられている。両枢軸ピン受部13dの間に一対の第2案内ロール11bの内の1個が回転自在に枢支されている。この第2案内ロール11bも下口体10aから取り外し自在である。
同様に、上口体10bの前記下口体10aと対応する位置に、一対の枢軸ピン受部13dが相互に対向して設けられ、また第2案内ロール11bの残る1個が設けられている。
また下口体10aの前記一対の第1枢軸柱18aの背後の口内14bの両側に、一対のグリップ侵入阻止部15の各下半部が、筒状柱として一体形成されている。このグリップ侵入阻止部15は筒状である必要はない。
同様に上口体10bの対応する位置に、一対のグリップ侵入阻止部15の各上半部が、筒状柱として一体形成されている。
また下口体10aの口内14aの奥の前記第2案内ロール11bが配置される手前の位置には、上下一対の傾斜案内面17のうち、下側の傾斜案内面17が成形されている。
同様に上口体10bの対応する位置には、上下一対の傾斜案内面17のうち、上側の傾斜案内面17が成形されている。
また下口体10aの口内14bの最奥部の嵌合空間14cの位置には、その中央部に嵌合用突部19aが形成されると共に、両側部に嵌合用突条19bと、穴19cが成形されている。前記嵌合用突部19aは鞘本体20の嵌合用穴21と嵌合し、前記嵌合用突条19bは鞘本体20の嵌合用凹条22と嵌合する。また前記穴19cは上記第3ネジ受部13cに続くネジ穴である。
同様に、上口体10bの対応する位置に、嵌合用突部19a、嵌合用突条19b、穴19cが成形されている。
先ず、下口体10aの第1枢軸柱18a、第2枢軸柱18bに第1案内ロール11a、第3案内ロール11cを嵌め込む。また下口体10aの嵌合空間14cに鞘本体20を嵌め合せる。嵌め合わせは、下口体10aの嵌合用突部19a、嵌合用突条19bに対して鞘本体20の基端付近に形成した前記嵌合用穴21、嵌合用凹条22を嵌め合せることにより行う。
次に、上口体10bを下口体10a及び鞘本体20の上から被せて嵌め合わせ、ネジ12を第1ネジ受部13a、第2ネジ受部13b、第3ネジ受部13cに挿入して締め付ける。
以上で鋸鞘1の組み立てが完了する。鋸鞘1の分解は、ネジ12を外すことで行うことができる。
鋸鞘1は通常において作業者が取付具を介して腰等にて取り付けており、鞘口部10の入口14aが上向きに開口した状態となっている。
先ず図9を参照して、鋸刃31を鋸鞘1に収納しようとする作業者は、鋸グリップ32を持った状態で、鋸刃31の刃先31aを鋸口部10の広くされた入口14aに当てる。入口14aにはフリーに回転する一対の第1案内ロール11aが両側で待ち構えているので、刃先31aは第1案内ロール11の何れか1つに当たって、ロールの回転と共に口内14bに案内される。
そして刃先31aは、第2案内ロール11bの回転を伴う案内を受けつつロール間を通過する際に、刃先31a面が第2案内ロール11bのロール間隙方向に一致するように修正を受ける。これによって、刃先31a面及びそれに続く鋸刃31の面が、後方で待機する鞘本体20の入口24aの扁平方向と一致される。
前記グリップ侵入阻止部15でそれ以上の侵入を阻止された膨出部33は、グリップ侵入阻止部15と第1案内ロール11aとの間のグリップ弾性嵌合用空間16に弾性嵌合された状態となって保持される。
鋸30は、図13に示す状態となって鋸鞘1に収容され、保持される。
鋸30を鋸鞘1から抜き出すときは、鋸グリップ32をもって、少し力を加えて引っ張れば、膨出部33が第1案内ロール11aを回転させながら乗り越えて、鋸30の抜き出しができる。
10 鞘口部
10a 下口体
10b 上口体
11a 第1案内ロール
11b 第2案内ロール
11c 第3案内ロール
12 ネジ
13a 第1ネジ受部
13b 第2ネジ受部
13c 第3ネジ受部
13d 枢軸ピン受部
14a 入口
14b 口内
14c 嵌合空間
15 グリップ侵入阻止部
16 グリップ弾性嵌合用空間
17 傾斜案内面
18a 第1枢軸柱
18b 第2枢軸柱
18c 穴
18d 凹み
19a 嵌合用突部
19b 嵌合用突条
19c 穴
20 鞘本体
21 嵌合用穴
22 嵌合用凹条
24a 入口
30 鋸
31 鋸刃
31a 刃先
32 鋸グリップ
33 膨出部
また本発明の鋸鞘は、上記第1の特徴に加えて、鞘口部の奥口内の幅方向とは直角な両側に、鞘本体に向けて侵入する鋸刃の向きを鞘本体の扁平方向に一致させるように案内する一対の第2案内ロールを備えたことを第2の特徴としている。
また本発明の鋸鞘は、上記第1又は第2の特徴に加えて、鞘本体の手前の鞘口部の幅方向両側に、刃先を前記鞘本体へ案内する一対の第3案内ロールを設けたことを第3の特徴としている。
また本発明の鋸鞘は、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、扁平な鞘口部は、下口体と上口体とからなる分割体を分離自在に結合することで構成されており、扁平な鞘本体は、その先端部が下口体と上口体との間に挟持されることで鞘口部と一体化されていることを第4の特徴としている。
また請求項1に記載の鋸鞘によれば、鞘口部の前記案内ロールの背後に一対のグリップ侵入阻止部を備えることで、鋸グリップ、即ち鋸のグリップがそれ以上鋸鞘に入るのを防止し、鋸刃の刃先が鋸鞘の底に当たるのを防止することができる。
特に、案内ロールとその背後のグリップ侵入阻止部との間に、鋸グリップの一部を受け入れて弾性嵌合させるグリップ弾性嵌合用空間を構成したので、案内ロールによって鋸グリップの先端部が鞘口部内に案内され且つ前記グリップ侵入阻止部で停止された鋸は、同時に鋸グリップの部分が前記グリップ侵入阻止部と案内ロールとの間のグリップ弾性用空間において、両側から挟まれた状態に弾性嵌合され、その位置に保持される。また鋸を鞘から抜き出す場合は、鋸グリップを持って抜き出し方向に引っ張ることで、案内ロールが回って、鋸グリップの弾性嵌合が解除され、鋸が鞘の外に引き出される。
よって請求項1に記載の発明によれば、鞘に挿入された鋸は、その挿入位置で不動状態に保持されると共に、抜き出す場合は案内ロールの回転により容易に弾性嵌合を解除して、抜き出すことができる。
以上、請求項1に記載の発明によれば、鋸刃を広い入口から案内ロールによって入れ易く、且つ差し入れた状態で、確実に鋸刃を固定して、ガタつかせることなく、また鋸刃の飛び出し等の問題を確実に防止することができる。勿論、鋸刃の刃先を確実に案内することができるので、鞘内壁にも傷が付きにくい。
また本発明の鋸鞘は、上記第1の特徴に加えて、鞘口部の奥口内の幅方向とは直角な両側に、鞘本体に向けて侵入する鋸刃の向きを鞘本体の扁平方向に一致させるように案内する一対の第2案内ロールを備えたことを第2の特徴としている。
また本発明の鋸鞘は、上記第1又は第2の特徴に加えて、鞘本体の手前の鞘口部の幅方向両側に、刃先を前記鞘本体へ案内する一対の第3案内ロールを設けたことを第3の特徴としている。
また本発明の鋸鞘は、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、扁平な鞘口部は、下口体と上口体とからなる分割体を分離自在に結合することで構成されており、扁平な鞘本体は、その先端部が下口体と上口体との間に挟持されることで鞘口部と一体化されていることを第4の特徴としている。
また請求項1に記載の鋸鞘によれば、鞘口部の前記案内ロールの案内方向背後に一対のグリップ侵入阻止部を備えることで、鋸グリップ、即ち鋸のグリップがそれ以上鋸鞘に入るのを防止し、鋸刃の刃先が鋸鞘の底に当たるのを防止することができる。
特に、案内ロールとその背後のグリップ侵入阻止部との間の一定の間隙を、弾性変形によって前記案内ロールを乗り越えてくる鋸グリップの一部を受け入れて嵌合させるグリップ弾性嵌合用空間として構成したので、案内ロールによって鋸グリップの先端部が鞘口部内に案内され且つ前記グリップ侵入阻止部で停止された鋸は、同時に鋸グリップの部分が前記グリップ侵入阻止部と案内ロールとの間のグリップ弾性用空間において、両側から挟まれた状態に弾性嵌合され、その位置に保持される。また鋸を鞘から抜き出す場合は、鋸グリップを持って抜き出し方向に引っ張ることで、案内ロールが回って、鋸グリップの弾性嵌合が解除され、鋸が鞘の外に引き出される。
よって請求項1に記載の発明によれば、鞘に挿入された鋸は、その挿入位置で不動状態に保持されると共に、抜き出す場合は案内ロールの回転により容易に弾性嵌合を解除して、抜き出すことができる。
以上、請求項1に記載の発明によれば、鋸刃を広い入口から案内ロールによって入れ易く、且つ差し入れた状態で、確実に鋸刃を固定して、ガタつかせることなく、また鋸刃の飛び出し等の問題を確実に防止することができる。勿論、鋸刃の刃先を確実に案内することができるので、鞘内壁にも傷が付きにくい。
Claims (4)
- 扁平な鞘口部とそれに続く扁平な鞘本体とを備え、鋸刃をその刃先から前記鞘口部を介して前記鞘本体に挿入するようにした鋸鞘であって、前記鞘口部は、その口幅をその入口で広く且つ奥にいくにつれて狭くなるように構成すると共に、前記鞘口部の入口の幅方向両側に、刃先を前記鞘口部内へ案内する一対の案内ロールを設け、且つ前記一対の案内ロールの背後には、それぞれ一定の間隙を持って、鋸グリップのそれ以上の侵入を阻止する一対のグリップ侵入阻止部を構成すると共に、該グリップ侵入阻止部と前記案内ロールとの間の一定の間隙を、鋸グリップの一部を受け入れて弾性嵌合させるグリップ弾性嵌合用空間として構成したことを特徴とする請求項1に記載の鋸鞘。
- 鞘口部の奥口内の幅方向とは直角な両側に、鞘本体に向けて侵入する鋸刃の向きを鞘本体の扁平方向に一致させるように案内する一対の第2案内ロールを備えたことを特徴とする請求項1に記載の鋸鞘。
- 鞘本体の手前の鞘口部の幅方向両側に、刃先を前記鞘本体へ案内する一対の第3案内ロールを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋸鞘。
- 扁平な鞘口部は、下口体と上口体とからなる分割体を分離自在に結合することで構成されており、扁平な鞘本体は、その先端部が下口体と上口体との間に挟持されることで鞘口部と一体化されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の鋸鞘。
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