JPWO2012147476A1 - 送液ポンプ及び流量制御装置 - Google Patents

送液ポンプ及び流量制御装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、パーティクルの発生が殆どない送液ポンプを提供する。ポンプハウジングと、凹部面との間にポンプ室123を形成し、ポンプ室123と孔とを区画するダイアフラム180と、孔に往復動可能に挿入され、往復動によってダイアフラム180を変形させる往復動部材と、往復動の方向に往復動部材を変位させる駆動部140と、凹部面の外周側で囲む位置において、ダイアフラム180を挟持することによってシールするシール部と、シール部と前記開口部との間に設けられ、変位とポンプ室123の内圧とに応じてダイアフラム180と当接する面の面積である当接面積が変化するダイアフラム受け面と、を備える。当接面積は、凹部面側への往復動部材の変位の増加に応じて減少し、ポンプ室123の内圧の上昇に応じて増大する。

Description

本発明は、液体クロマトグラフ等に使用される送液ポンプに関し、特にダイアフラムの変形によって送液を行うダイアフラムポンプに関する。
高速液体クロマトグラフィ(High performance liquid chromatography)用に種々の送液ポンプが提案されている。送液ポンプには、たとえばプランジャ方式(特許文献1)や圧電素子でダイアフラムを駆動する圧電方式(特許文献2)等が提案されている。ダイアフラムを駆動する圧電方式は、プランジャ方式のような摺動部分を有さないので、パーティクルの発生がなく、高寿命の送液ポンプを提供することができるという利点を有している。一方、プランジャ方式は、プランジャの先端部分の面積(ポンプ室のシリンダ底面の面積に相当)を小さくすることで高圧吐出を実現することができると共に、プランジャのストロークを長くすることによって、流量を確保することもできるという利点を有している。
近年、高速液体クロマトグラフィでは、分析において高圧での微少な流量の制御が必要とされるようになってきた。一方、溶離液の導入や置換、あるいは流路洗浄等においては低圧での大きな流量を必要としていた。このような要請に対して、高圧吐出と流量とを確保できるプランジャ方式を採用しつつ、溶離液の流れを分岐するスプリッター(分流器)の使用による高圧の微少流量と低圧の大流量の送液方法も実現されている(特許文献3)。
特開2007−292011号公報 特開2006−118397号公報 特開2003−207494号公報 特開2006−29314号公報 特開平6−2663号公報 特開平6−2664号公報 特開昭62−159778号公報
しかしながら、圧電方式は、パーティクルの発生がなく高寿命の送液ポンプを提供できるという利点を有しているもののストローク(変位)の設計自由度が小さいので、高圧の微少流量と低圧の大流量の送液が要請される高速液体クロマトグラフィへの適用が困難であった。
本発明は、上述の従来の課題を解決するために創作されたものであり、高圧の微少流量と低圧の大流量の送液を可能としつつ、パーティクルの発生が殆どない送液ポンプを提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段1.柱状の孔と、前記孔の開口部及びその周辺部に対向する凹部面と、前記凹部面に吸入口を有する吸入通路と、前記凹部面に吐出口を有する吐出通路とが形成されているポンプハウジングと、前記凹部面との間にポンプ室を形成し、前記ポンプ室と前記孔とを区画するダイアフラムと、前記孔に往復動可能に挿入され、前記往復動によって前記ダイアフラムを押すことにより変形させる往復動部材と、前記往復動の方向において、前記往復動のストロークを可変に前記往復動部材を周期的に変位させる駆動部と、前記凹部面の外周側で囲む位置において、前記ダイアフラムを挟持することによってシールするシール部と、前記シール部と前記開口部との間に設けられ、前記変位と前記ポンプ室の内圧とに応じて前記ダイアフラムと当接する面の面積である当接面積が変化するダイアフラム受け面と、を備え、前記当接面積は、前記凹部面側への前記往復動部材の変位の増加に応じて減少し、前記ポンプ室の内圧の上昇に応じて増大する送液ポンプ。
本手段は、ダイアフラムを変形させる往復動部材の変位とポンプ室の内圧とに応じてダイアフラムに当接する面の面積である当接面積が変化するダイアフラム受け面を備えている。従って、ダイアフラム受け面と往復動部材とで、ダイアフラムを分担して支持することができる。往復動部材が挿入されている開口部とシール部との間における当接面積は、ポンプ室の内圧の上昇に応じて増大するので、ポンプ室の内圧の上昇に応じてダイアフラム受け面の分担荷重が増大し、往復動部材の荷重分担を軽減させることができる。この際のダイアフラムの変形は、往復動部材が挿入されている開口部の近傍に限定されるので、往復動部材の変位に伴うポンプ室の容積変化も低減することになる。すなわち、ポンプ室の容積変化に伴う往復動部材の変位を大きくすることができる。
このように、本手段の送液ポンプは、往復動部材に印加される荷重を軽減させるとともに、ポンプ室の容積変化当たりの往復動部材の変位量を大きくすることができる。従って、駆動部の負荷を小さくするとともに、往復動部材の変位に伴うポンプ室の容積変化を微少とすることができる。これにより、高圧下での微少な流量の制御を実現することができる。一方、低圧での大きな流量は、ダイアフラムをダイアフラム受け面から分離させ、これにより、ピストンでダイアフラム全体を変形させることによって実現することができる。さらに、中間的な圧力では、高圧状態から低圧状態への遷移に応じて、ダイアフラム受け面からダイアフラムが離れる部分が拡大する。これによりダイアフラム受け面での荷重分担が減殺される一方、往復動部材の変位量当たりのポンプ室の容積変化が増大することになる。
このように、本手段は、吐出流体の圧力に応じて、ダイアフラムの変形範囲の大きさを自動的に調整しつつ吐出圧力に応じた吐出流量を実現することができる。これにより、パーティクルの発生がなく高寿命の送液ポンプを提供できるという利点を活かしつつ、流量のダイナミックレンジを拡大することができる。
手段2.前記シール部は、前記凹部面に連続する面であるシール加圧面と、前記ダイアフラム受け面に連続する面であるシール受け面とで前記ダイアフラムを挟持し、前記シール受け面は、前記ダイアフラム受け面と滑らかに連続している手段1記載の送液ポンプ。
手段2では、ダイアフラム受け面は、シール受け面と滑らかに連続する面を形成しているので、ダイアフラムの変形を滑らかなものとすることができる。これにより、ダイアフラム受け面とシール受け面との境界領域の近傍におけるダイアフラムの過度の変形に起因するダイアフラムの損耗を抑制することができる。
手段3.前記シール受け面は、環状の平面である手段2に記載の送液ポンプ。
手段3では、シール受け面が環状の平面なので、ポンプ室の封止のためにダイアフラムに印加される荷重(封止荷重)によってダイアフラムが過度に損傷する事態を回避することができる。これにより、シール部でダイアフラムを挟持する際の荷重管理を緩めることができ、ユーザ側によるダイアフラムの装着を容易化することができる。
手段4.前記ダイアフラム受け面は、環状の平面に形成されると共に、前記開口部は、前記ダイアフラム受け面と同心状に形成されている手段3に記載の送液ポンプ。
手段4では、開口部をダイアフラム受け面と同心状に形成したので、ダイアフラムにおけるシール部で囲われた領域の略中央部を往復動部材が押圧する構成とされている。従って、往復動部材からの負荷がダイアフラムに略均一に掛かるようになり、ダイアフラムに局所的な大きな負荷が掛かるのを抑制することができる。
手段5.前記ダイアフラム受け面は、前記シール受け面と同一平面を形成している手段2〜4のいずれか1つに記載の送液ポンプ。
手段5では、ダイアフラム受け面はシール受け面と同一平面を形成しているので、高圧時から低圧時までダイアフラムの作動範囲(変形範囲)を円滑に変化させることができる。
手段6.前記往復動部材は、前記ダイアフラムとの当接面が凸状の曲面を有する先端部を備えている手段1乃至5のいずれか1つに記載の送液ポンプ。
手段6では、往復動部材は、ダイアフラムとの当接面が凸状の曲面を有する先端部を備えている。これにより、シリンダ孔134の開口部136の周囲においてダイアフラムをダイアフラム受け面で支持しつつ、凸状の曲面でピストンに当接する領域を変形させることができる。さらに、ピストンの変位量に応じてダイアフラムの変形範囲が広がるように変形するので、高圧時における精密な吐出量の操作を実現することができる。
手段7.前記凹部面は、吐出方向に駆動された際のダイアフラムの形状に嵌合する方向に凹状の曲面である凹状曲面を有し、前記凹状曲面は、前記吸入通路の開口部から前記凹状曲面の中心方向に延びて前記ポンプ室に連通している吸入側溝部と、前記吐出通路の開口部から前記凹状曲面の中心方向に延びて前記ポンプ室に連通している吐出側溝部と、を有している手段1乃至6のいずれか一つに記載の送液ポンプ。
手段7では、ダイアフラムとの間にポンプ室を形成する凹部面は、吐出方向に駆動されたダイアフラムに対向する凹状の曲面を有するので、低圧時における大きな吐出量の操作を実現することができる。一方、ポンプハウジングは、吸入口から凹状曲面の中心方向に延びている吸入側溝部と吐出口から凹状曲面の中心方向に延びている吐出側溝部とを有しているので、ダイアフラムが凹状曲面側に大きく変形して凹状曲面に近接する状態でもポンプ室への吸入と吐出とを円滑化することができる。
手段8.前記駆動部は、前記ダイアフラムを駆動する圧電アクチュエータを備える手段1乃至7のいずれか1つに記載の送液ポンプ。
手段8では、駆動部は、ダイアフラムを駆動する圧電アクチュエータを備えるので、高い周波数でダイアフラムを駆動することができる。これにより、大きな流量と小さな脈動とを両立させて実現することができる。
手段9.送液ポンプを制御する流量制御装置であって、手段8記載の送液ポンプと、前記圧電アクチュエータに印加する電圧を操作して前記送液ポンプの吐出流量を制御する制御部と、を備える流量制御装置。
手段9では、圧電アクチュエータに印加される電圧を操作することによって、送液ポンプの吐出流量が制御されるので、たとえば電圧波形の操作によって高い自由度での制御を実現することができる。
手段10.手段9記載の流量制御装置であって、前記制御部は、前記圧電アクチュエータにパルス状の電圧であるパルス電圧を印加し、前記パルス電圧の最大値を操作して前記送液ポンプの吐出流量を制御する流量制御装置。
手段10では、圧電アクチュエータに印加されるパルス電圧の最大値を操作することによって、送液ポンプの吐出流量が制御されるので、吐出流量の変化に起因する脈動の変動を抑制することができる。脈動は、たとえば小流量時においてパルス幅が長くなることによって大きくなることが本発明者によって見出された。
手段11.手段9又は10に記載の流量制御装置であって、前記吐出通路から吐出された流体の吐出圧力を計測する圧力センサを備え、前記制御部は、前記計測された吐出圧力に応じて、前記ストロークが予め設定された所定値よりも小さくなるように制限する流量制御装置。
手段11では、吐出圧力に応じて圧電アクチュエータのストロークが制限されるので、吐出圧が高圧の際における圧電アクチュエータの過大な変位によるダイアフラムの損耗を防止することができる。
手段12.手段9乃至11のいずれか1つに記載の送液ポンプを制御する流量制御装置であって、前記吐出通路から吐出された流体の吐出流量を計測する流量センサを備え、前記制御部は、前記計測された吐出流量に応じて、前記往復動の駆動周期が予め設定された所定値よりも長くなるように制限する流量制御装置。
手段12では、吐出流量に応じて圧電アクチュエータの駆動周波数が制限されるので、大きな吐出流量を実現するために圧電アクチュエータが大きなストロークで駆動されている際に、過大な駆動周波数によってポンプが損耗するのを抑制することができる。
手段13.手段9乃至12のいずれか1つに記載の流量制御装置であって、前記吐出通路から吐出された流体の吐出流量を計測する流量センサを備え、前記制御部は、前記計測された吐出流量の増大に応じて前記往復動の駆動周期を長くし、前記吐出流量の減少に応じて前記往復動の駆動周期を短くする作動モードを有する流量制御装置。
手段13は、吐出流量の増大に応じて往復動の駆動周期を長くし、吐出流量の減少に応じて往復動の駆動周期を短くする作動モードを有する。これにより、吐出流量の増大時には長いストロークでの効率的な駆動を実現し、吐出流量の減少には短い駆動周期での脈動の小さな駆動を実現することができる。本制御部は、このような駆動周期の調整を常に行なう必要は無く、必要に応じて利用できる作動モードとして実装されていれば良いし、常に本作動モードで作動するようにしてもよい。駆動周期の操作は、連続的に変化させても良いし、予め設定されている複数の駆動周期のいずれかに切り替えるようにしてもよい。
手段14.手段9乃至13のいずれか1つに記載の流量制御装置であって、前記送液ポンプは、前記送液ポンプの吐出流量を計測する流量センサを有し、前記制御部は、前記往復動の駆動周期毎に複数の計測タイミングで計測された吐出流量をフィードバックすることによって流量を制御する流量制御装置。
手段14では、往復動の駆動周期毎に複数の計測タイミングで計測(サンプリング)された吐出流量をフィードバックすることによって流量が制御されるので、駆動周期内の相違するタイミング(あるいは位相)のズレに起因する計測誤差を抑制して正確なフィードバック制御を実現することができる。
複数の計測タイミングで計測された吐出流量は、平均化して利用するようにしても良いし、あるいは予め設定されたタイミングでの代表値を利用して波形を推測することによって推測するようにしてもよい。さらに、制御則の演算時間を考慮して、計測された周期から複数周期後のパルス電圧の操作にフィードバック値を反映するようにしてもよい。
なお、本発明は、送液ポンプや流量制御装置だけでなく、流量制御方法やこれらを実現するためのコンピュータプログラムやコンピュータプログラムを格納する記憶媒体として実現することができる。
第1実施形態における送液ポンプ100の断面図。 送液ポンプ100のダイアフラム180を示す拡大断面図。 送液ポンプ100のポンプ室123の内面を示す図。 ピストン144と開口部136との間の位置関係を示す拡大断面図。 第1実施形態の送液ポンプ100の作動の状態を示す断面図。 第1比較例の送液ポンプ100aの作動の状態を示す断面図。 第2比較例の送液ポンプ100bの作動の状態を示す断面図。 第1実施形態の送液ポンプ100のダイアフラム180の変位(変形)の状態を示す断面図。 送液ポンプ100のピストン144の許容変位量と吐出圧力の関係を示すグラフ。 送液ポンプ100のピストン144の許容駆動周波数と設定流量の関係を示すグラフ。 送液ポンプ100におけるダイアフラムの駆動周波数の切り替えの内容を示すグラフ。 送液ポンプ100の駆動電圧W1と吐出流量C3とピストン移動量C4とを示すグラフ。 送液ポンプ100の駆動に利用可能な三種類の駆動電圧W1,W2,W3のパルス形状を表すグラフ。 第1実施形態の高速クロマトグラフィ装置90の構成を示すブロック図。 第1実施形態の高速クロマトグラフィ装置90における流量センサ50の計測とそのフィードバックの内容を示す説明図。 第2実施形態の送液ポンプ100cに使用されているダイアフラム180aを示す断面図。 第2実施形態のダイアフラム180aと比較例のダイアフラム180bの作動状態を対比して示す断面図。 第2実施形態の送液ポンプ100cを分解した状態を示す分解斜視図。 第2実施形態の他の例のダイアフラム180cの外観を示す平面図。 第2実施形態の他の例のダイアフラム180cの積層状態を示す断面図。 第2実施形態の他の例のダイアフラム180cの装着状態を示す断面図。 第1変形例のダイアフラム180dの構成とポンプボディ110aを示す外観図。 第2変形例のダイアフラム180eの構成を示す外観図。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に従って説明する。各実施形態は、高圧ガスクロマトグラフィに使用される送液ポンプについて具体化している。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における送液ポンプ100の断面図を示している。図2は、送液ポンプ100のダイアフラム180を示す拡大断面図である。図3は、送液ポンプ100のポンプ室123の内壁面を示す図である。送液ポンプ100は、高速液体クロマトグラフィにおいて溶離液の圧送に使用されるポンプである。高速液体クロマトグラフィでは、溶離液(たとえばメタノールが使用される)が加圧されてカラム(後述)に通される。これにより、自然落下で溶離液をカラムに流すカラムクロマトグラフィ(中低圧クロマトグラフィとも呼ばれる。)に比較して、高速液体クロマトグラフィは、分析物である試料が固定相に留まる時間を短くすることができるとともに分離能や検出感度も高くすることができる。
送液ポンプ100は、ポンプボディ110と、チェック弁126,127と、金属製のダイアフラム180と、ダイアフラム180を駆動するアクチュエータ150とを備えるダイアフラムポンプである。ポンプボディ110には、溶離液が流れる流路として、入口側内部流路122と、出口側内部流路124と、チェック弁126,127とを有している。ポンプボディ110は、たとえば金属やPEEK材で製造することができる。
チェック弁126は、流入ポート121(INポート)から入口側内部流路122の方向への溶離液の流通のみを許容し、その反対方向への流通を許容しない逆止弁である。一方、チェック弁127は、出口側内部流路124から吐出ポート125(OUTポート)の方向への溶離液の流通のみを許容し、その反対方向への流通を許容しない逆止弁である。
なお、図1では、ポンプボディ110とポンプベース130とを締結する締結具の図示が省略されている。
ポンプボディ110は、円柱状の形状を有し、その一方の底面の中心位置に円錐台状の凹部面を有している。ポンプ室123は、図2及び図3に示されるように、その円錐台状の凹部面とダイアフラム180とによって囲まれている空間として形成されている。円錐台状の凹部面は、その中心位置に形成されている円形の平面である平面底部115と、平面底部115の周囲に形成されている円錐状の傾斜面112と、平面底部115と傾斜面112との間に形成されているドーナツ状の曲面112rとを有している。円錐台状の凹部面は、本実施形態では、吐出方向に駆動されたダイアフラムに嵌合する向きの凹状の曲面である凹状曲面として形成されている。
凹部の傾斜面112の外縁部には、入口側内部流路122と出口側内部流路124の開口部が形成されている。これらの開口部は、平面底部115を挟んで相互に対向する位置に配置されている。具体的には、入口側内部流路122および出口側内部流路124は、前記平面底部115の中心を挟んでそれぞれ上下の関係で配置されている。入口側内部流路122の開口部には、円錐台状の凹部面の中心位置に向かって図3の上方に延びている吸入側溝部113が連なって形成されている。出口側内部流路124の開口部には、円錐台状の凹部面の中心位置に向かって図3の下方に延びている吐出側溝部114が連なって形成されている。
このような構成により、ポンプ室123は、ダイアフラム180が変位して傾斜面112に近接した状態においても入口側内部流路122と出口側内部流路124との連通状態を十分に確保することができる。なお、入口側内部流路122と出口側内部流路124とは、それぞれ吸入通路と吐出通路とも呼ばれる。
ポンプベース130は、円柱状の孔であるシリンダ孔134が中心軸線の位置に配置されているドーナツ状の形状を有している。ポンプベース130には、その一方の底面に円錐台状の凸部面132,133,135と、シリンダ孔134の開口部136とが形成され、他方の面に円錐台状の凹部面131が形成されている。図1に示すように、凹部面131の底部には、前記シリンダ孔134を形成する環状凸部131pが設けられている。シリンダ孔134には、環状凸部131p側から挿入された滑り軸受け137bが装着されている。円錐台状の凸部面132,133,135は、傾斜面135によって周囲が囲まれている一体をなす環状の平面132,133を有している。シリンダ孔134の開口部136は、前記環状の平面132,133(後述するダイアフラム受け面133)に対し同心状に設けられている。すなわち、開口部136は、環状の平面132,133の中心位置に配置されている。また、シリンダ孔134の開口部136の中心は、前記凹部面の中心に対し、シリンダ孔134の軸線方向(図2では左側)に整列するよう構成されている。
ダイアフラム180は、ポンプボディ110とポンプベース130との間に挟持されている。ポンプボディ110が有する傾斜面112の周囲には、環状の平面であるシール加圧面111が形成されている。シール加圧面111の外縁の外周には、傾斜面116が形成され、シール加圧面111を環状の凸部として形成している。一方、ポンプベース130が有する環状の平面132,133は、シール加圧面111に対向して平行な面であるシール受け面132と、傾斜面112に向き合うダイアフラム受け面133の2つの領域を有する一体の平面である。ダイアフラム180は、シール加圧面111とシール受け面132との間に挟持されることによってポンプ室123を外部から封止している。
なお、シール加圧面111及びシール受け面132は、シール部とも呼ばれる。また、ダイアフラム受け面133の役割については後述する。
これにより、ポンプ室123は、ダイアフラム180の変形によって容積を変化させることができる封止空間として構成されていることになる。このような構成により、送液ポンプ100は、ポンプ室123に周期的に容積変化を生じさせて、チェック弁126からの吸入およびチェック弁127からの吐出を行うポンプとして機能することができる。なお、ポンプベース130及びポンプボディ110は、ポンプハウジングとも呼ばれる。
ダイアフラム180は、アクチュエータ150の駆動によって変形してポンプ室123の容積を変化させることができる。アクチュエータ150は、ダイアフラム180を駆動するピストン144を有する駆動部140と、ポンプベース130と、を備えている。なお、ピストン144は、往復動部材とも呼ばれる。
駆動部140は、ピストン144と、滑り軸受け137bと、付勢バネ145と、積層圧電アクチュエータ141と、アクチュエータハウジング147と、アジャスタ143と、鋼球142と、圧電アクチュエータ装着部146と、ダブルナットN1,N2とを備えている。ピストン144は、一方の底部(図1の左側の底部)において径方向に広がるフランジ144fを有し、他方の底部(図1の右側の底部)に凸状の先端面148(図2参照)と、を有する円柱状の部材である。ピストン144は、円柱状の形状を有するシリンダ孔134の内部において滑り軸受け137bによって支持され、シリンダ孔134の軸線方向に往復動することができる。
ピストン144には、鋼球142とアジャスタ143とを介して積層圧電アクチュエータ141から駆動力が与えられる。鋼球142は、フランジ144fの中央部に装着されているアジャスタ143の中心位置に形成されている凹部と、積層圧電アクチュエータ141の中心位置に形成されている凹部との間に摺動可能に挟持されている。これにより、積層圧電アクチュエータ141とピストン144との間の偏心誤差や傾斜を吸収することができる。付勢バネ145は、フランジ144fにおいて、ダイアフラム180への駆動力を減殺する方向にピストン144を付勢している。
積層圧電アクチュエータ141は、アクチュエータハウジング147の内部に形成されている円柱状の内孔149に格納され、圧電アクチュエータ装着部146を介して位置調整用ナットN1及び固定ナットN2でアクチュエータハウジング147に装着されている。そして、アクチュエータハウジング147の外周に形成されている雄ネジSと位置調整用ナットN1の内周に形成されている雌ネジの螺合の量(長さ)を操作することで、ピストン144の駆動方向における積層圧電アクチュエータ141とポンプベース130との相対的な位置関係を調整することができる。
この調整量は、アクチュエータハウジング147と圧電アクチュエータ装着部146との間のクリアランスCLで吸収することができる。固定ナットN2は、位置調整用ナットN1とともにダブルナットとして機能し、位置関係の調整後の圧電アクチュエータ装着部146の位置を固定することができる。
図4は、ピストン144と開口部136との間の位置関係を示す拡大断面図である。図4では、非駆動時のピストン144の位置が仮想線で示され、高圧モードにおける駆動時のピストン144の位置が実線で示されている。非駆動時には、ピストン144の変位方向においてピストン144の先端面148の頂部が開口部136と略同一位置となるよう積層圧電アクチュエータ141の位置が調整されている。一方、駆動時には、変位量δだけ変位して同変位方向において、ピストン144の先端面148の周縁部148eが開口部136と同一位置となるように積層圧電アクチュエータ141の駆動電圧が調整されている。
図5は、第1実施形態の送液ポンプ100の作動の状態を示す断面図である。図5(a)は、高圧時動作における駆動の状態を示している。図5(b)は、低圧時動作における駆動の状態を示している。高圧時動作は、計測時における溶離液の送液における作動状態である。低圧時動作は、非計測時における配管洗浄用の送液における作動状態である。
高圧時動作では、ダイアフラム180は、ダイアフラム受け面133とピストン144とによって支持されている。すなわち、ダイアフラム180は、ポンプ室123内の高圧の溶離液から受ける荷重をダイアフラム受け面133とピストン144とに流すことができる。具体的には、ダイアフラム180の中心位置における直径φBの円形範囲は、ピストン144によって支持され、直径φAの円形範囲から直径φBの円形範囲を除いた環状の範囲は、ダイアフラム受け面133によって支持されている。
これにより、高圧時動作においては、ダイアフラム180の変形範囲(作動範囲)を直径φBの円形範囲に限定することができるので、ダイアフラム180は、実質的に直径φBの円形範囲を有する小型のダイアフラムとして機能することになる。ダイアフラムが小型であれば、溶離液が高圧であってもダイアフラム180に印加される荷重に対抗して積層圧電アクチュエータ141によって適切に駆動することができる。
さらに、高圧時でのダイアフラム180の変形は、ピストン144が挿入されている開口部136の近傍に限定されるので、ピストン144の変位に伴うポンプ室123の容積変化も低減することになる。これにより、ポンプ室123の容積変化当たりのピストン144の変位量を大きくすることができるので、ダイアフラム180の作動形態は、高圧での微少流量の制御に適した変形状態となっていることが分る。
一方、低圧時動作においては、ダイアフラム180は、ピストン144のみによって支持されている。低圧時動作では、ダイアフラム180は、ダイアフラム受け面133から分離してポンプ室123の内部で大きく変形することができるので、ダイアフラム180は、実質的に直径φAの円形範囲を有する大型のダイアフラムとして機能することになる。ダイアフラムが大型であれば、積層圧電アクチュエータ141によって大きな吐出量で溶離液を供給することができ、配管等を円滑に洗浄することができる。
図6は、第1比較例の送液ポンプ100aの作動の状態を示す断面図である。図6(a)は、第1比較例の送液ポンプ100aの非駆動時の状態を示している。図6(b)は、第1比較例の送液ポンプ100aの高圧時の動作状態を示している。図6(c)は、第1比較例の送液ポンプ100aの低圧時の動作状態を示している。第1比較例は、ダイアフラム受け面133の効果を分かり易く説明するための比較例である。
第1比較例の送液ポンプ100aは、ダイアフラム受け面133を備えておらず、また、シリンダ孔134の径をダイアフラム受け面133の領域に拡大し、これによりシリンダ孔134aとしている点で第1実施形態の送液ポンプ100と相違する。第1比較例の送液ポンプ100aは、第1実施形態のダイアフラム受け面133を備えていないので、低圧時動作における大型のダイアフラムとして機能することになる。
すなわち、図6(c)に示されるように、第1比較例の送液ポンプ100aは、第1実施例と同様に、低圧で比較的大きな吐出量を有するダイアフラムポンプとして機能することができる。しかしながら、高圧時には、図6(b)に示されるように、ダイアフラム180がピストン144aに押し付けられて、ポンプ室123の容量縮小を減殺させる方向の変形である曲げ180k(ポンプ室123の容量を拡大する部分的変形)が生じるので、効率よく吐出できないことが本発明者によって見出された。さらに、曲げ180kは、過度の曲げとして損傷の原因となる。さらに、高圧時には、ダイアフラム180からピストン144aに掛かる荷重が第1の実施形態に比較して大きくなり、積層圧電アクチュエータ141に過度の荷重が印加されることになる。
このように、ダイアフラム受け面133は、高圧時の作動において、ダイアフラム180における不意の曲げ180kの発生を抑制するとともに、積層圧電アクチュエータ141に過度の荷重の印加を防止するという役割を果たしている。
図7は、第2比較例の送液ポンプ100bの作動の状態を示す断面図である。図7(a)は、第2比較例の送液ポンプ100bの非駆動時の状態を示している。図7(b)は、第2比較例の送液ポンプ100bの高圧時の動作状態を示している。図7(c)は、第2比較例の送液ポンプ100bの低圧時の動作状態を示している。第2比較例は、第1の実施形態のダイアフラム受け面133がシール受け面132と同一平面内(あるいは近接する平面内)に設けた意義を分かり易く説明するための比較例である。
第2比較例の送液ポンプ100bは、ダイアフラム受け面133がポンプ室123から離れる方向(図面では左側方向)に位置するよう設けられたダイアフラム受け面133aとされている点で第1実施形態の送液ポンプ100と相違する。一方、ピストン144の径は、第1実施形態の送液ポンプ100と同一である。
低圧時には、図7(c)に示されるように、第1実施例や第1比較例と同様に低圧で比較的大きな吐出量で作動するダイアフラムポンプとして作動することができる。しかしながら、高圧時には、図7(b)に示されるように、第1比較例と同様にダイアフラム180の全面で高圧の溶離液からの荷重を受けることになるので、ダイアフラム180がピストン144の周囲に押し込まれて不意の曲げ180kが発生して吐出が阻害され、損耗の原因となる。さらに、高圧時には、積層圧電アクチュエータ141に過度の荷重が印加されることになる点も第1比較例と同様である。
このように、第1の実施形態のダイアフラム受け面133は、シール受け面132と一体として連続する環状の平面を形成することで顕著な効果を奏している。ただし、必ずしもダイアフラム受け面133は、シール受け面132と一体として連続する環状の平面を形成する必要はなく、ピストン144の変位方向においてシール受け面132の近傍に配置されていれば良い。例えば、ダイアフラム受け面133が、シール受け面132側から開口部136側に向けて凹部面に近接する側(図2の右側)に傾斜する構成としてもよい。反対に、ダイアフラム受け面133が、シール受け面132側から開口部136側に向けて凹部面から離間する側(図2の左側)に傾斜する構成としてもよい。さらに、ダイアフラム受け面133とシール受け面132とが滑らかに連続していれば、たとえば一体の曲面を形成するなどのように、平面でなくてもダイアフラム180の変形を滑らかなものとすることができる。
図8は、第1実施形態の送液ポンプ100のダイアフラム180の変位(変形)の状態を示す断面図である。図8(a)は、高圧時の動作状態を示している。図8(b)は、中間的な圧力時の動作状態を示している。図8(c)は、低圧時の動作状態を示している。図8(a)及び図8(c)の作動状態は、それぞれ図5(a)及び図5(b)の作動状態に対応している。
高圧時には、ピストン144の変位量(ストローク)が制限されることによって、ダイアフラム180が変位する範囲(変形範囲あるいは作動範囲とも呼ばれる。)は、直径φBの円形範囲に限定されている。ピストン144の変位量は、ポンプ室123の内部圧力の上昇に伴って自動的に制限されることになるが、たとえば積層圧電アクチュエータ141の仕様によっては、制御則を高圧時用に切り替えて過大な荷重がダイアフラム180に印加されないようにしてもよい。
中間的な圧力時においては、ピストン144の変位量(ストローク)が拡大し、ダイアフラム180の作動範囲が直径φCの円形範囲に拡大されている。ダイアフラム180の作動範囲は、溶離液の圧力の低下に伴って拡大し、低圧時には、ピストン144の変位量(ストローク)がさらに拡大し、全域すなわち直径φAの円形範囲に拡大される。
このように、第1実施形態の送液ポンプ100は、溶離液の吐出圧力に応じて自動的にダイアフラム180の作動範囲を変化させることができる。具体的には、ダイアフラム180の作動範囲は、ポンプ室123の内部圧力の上昇に伴って狭くなり、ポンプ室123の内部圧力の降下に伴って広くなる。
送液ポンプ100の制御は、たとえば吐出流量の計測値をフィードバック量として使用し、操作量を積層圧電アクチュエータ141への印加電圧とする制御系を構成することができる。本制御系では、目標値に対して吐出流量の計測値が小さいときには、ピストン144の変位量が拡大する方向に操作され、目標値に対して吐出流量の計測値が大きいときには、ピストン144の変位量が縮小する方向に操作されることになる。なお、実施形態の制御系の具体的な構成については後述する。
このように、第1実施形態の送液ポンプ100は、ダイアフラム180を実質的に溶離液の吐出圧力に応じた適切な作動範囲を有するダイアフラムとして駆動することができる。この結果、送液ポンプ100は、高圧の少量吐出から低圧の大量吐出までの広いダイナミックレンジを有するダイアフラムポンプとして機能させることが可能である。
図9は、第1実施形態の送液ポンプ100のピストン144の許容変位量と吐出圧力の関係を示すグラフである。図10は、第1実施形態の送液ポンプ100のピストン144の許容駆動周波数と吐出流量(設定流量)の関係を示すグラフである。図9及び図10では、曲線C1,C2は、それぞれピストン144の変位と周波数に対する運用制限を表している。具体的には、たとえば吐出圧力が圧力P1のときには、ピストン144の変位量が変位δ1までに制限されることになる。一方、吐出流量が流量Q1のときには、ピストン144の駆動周波数が周波数f1までに制限されることになる。すなわち、ピストン144の運用変位は、2本の曲線C1,C2によって囲まれる範囲に制限されることになる。
吐出圧力に関する運用制限は、本発明者らによる以下の知見と解析とに基づいて設定されたものである。送液ポンプ100は、上述のように、溶離液の吐出圧力に応じて自動的に作動範囲を変化させるという好ましい特性を有している。
しかしながら、本発明者は、積層圧電アクチュエータ141の仕様の設定(たとえば過大な駆動力)によっては、ダイアフラム180の過度の変位(実質的にピストン144の変位)によりダイアフラム180に損耗を与える可能性を見出した。具体的には、高圧時において、積層圧電アクチュエータ141の過大な駆動力によって図8(c)の作動状態を繰り返すと、ピストン144の周囲においてダイアフラム180に損傷を与えることが本発明者によって見出された。
吐出流量に関する運用制限は、本発明者らによる以下の実験と解析とに基づいて設定されたものである。送液ポンプ100は、上述のように、溶離液の吐出圧力に応じて自動的にダイアフラム180の変位量が変化するという好ましい特性を有している。すなわち、ダイアフラム180の変位量(ストローク)は、溶離液の吐出圧力の上昇に応じて自動的に小さくなる。
しかしながら、本発明者は、吐出流量の低下に伴って脈動の影響が大きくなることを見出した。吐出流量の低下によって、脈動の比率が大きくなって脈動が顕在化してしまうからである。さらに、高速液体クロマトグラフィでは、吐出流量の少ない高圧動作時に計測が行われるので、脈動を小さくすることが望まれる。一方、本発明者は、吐出流量の低下によってポンプ動作(積層圧電アクチュエータ141の動作やチェック弁の動作)が小さくなると、駆動周波数を大きくできることを見出した。
図11は、第1実施形態の送液ポンプ100におけるダイアフラムの駆動周波数の切り替えの内容を示すグラフである。図11(a)及び図11(b)は、それぞれ低圧作動モードと高圧作動モードとにおける吐出流量(流量)とパルス電圧を示している。低圧作動モードでは、図10に示されるように、比較的に低い駆動周波数f1でのダイアフラム180の駆動で比較的に大きな吐出流量Q1の吐出がなされている。
一方、高圧作動モードでは、図10に示されるように、高い駆動周波数f2のダイアフラム180の駆動で小さな吐出流量Q2の吐出がなされている。これにより、高圧作動モードは、比較例との比較からも分るように流量の脈動が顕著に低減されていることが分る。
このように、第1実施形態の送液ポンプ100は、吐出流量に応じてダイアフラム180の駆動周波数を切り替えることができる。これにより、大きな吐出流量Q1においてはダイアフラムの駆動周波数の運用範囲内に維持しつつ、小さな吐出流量Q2においては駆動周波数を高くして脈動を抑制することができる。高圧動作時における吐出流量Q2は、計測時に利用される流量なので、脈動の低減は大きな意義を有することになる。
なお、ダイアフラムの駆動周波数は、必ずしも低圧作動モードと高圧作動モードとの間の切り替えに応じて操作されるだけでなく、たとえば高圧動作時における設定流量の変更に応じて操作するようにしてもよい。設定流量とは、計測対象や計測の目的等に応じてユーザが設定する吐出流量であり、後述する制御系において目標値となる値である。
ダイアフラム180の駆動周波数を増大させれば、脈動を低減させるだけではなくダイアフラム180のストロークを維持しつつ吐出流量を増大させることができるので、高圧動作時の送液ポンプ100の設定流量の範囲を拡大することができる。換言すれば、計測時の脈動をさらに低減して計測精度を向上させることができだけでなく、高圧動作時における送液ポンプ100の吐出流量のダイナミックレンジの拡大にも寄与することができる。
図12は、第1実施形態の送液ポンプ100の駆動電圧W1と吐出流量C3とピストン移動量C4とを示すグラフである。駆動電圧W1は、積層圧電アクチュエータ141に印加される電圧であり、矩形波である。
時刻t1では、送液ポンプ100は、駆動電圧W1が立ち上がりに応じて積層圧電アクチュエータ141によるピストン144の駆動を開始する。これにより、ピストン144は、ダイアフラム180の変位を開始させてポンプ室123の容積の縮小が始まるので、ポンプ室123の内部圧力が上昇することになる。チェック弁127は、ポンプ室123の内部圧力が吐出ポート125の圧力を超えたときに開いて薬液の吐出を開始する。
時刻t2では、駆動電圧W1が立ち上がりに応じたピストン144の移動が完了してピストン144が停止する。これにより、ポンプ室123の容積変化が停止するので、ポンプ室123からの薬液の吐出がなくなってチェック弁127が閉じることになる。
時刻t3では、送液ポンプ100は、駆動電圧W1が立ち下がりに応じて積層圧電アクチュエータ141によるピストン144の逆方向の駆動を開始する。これにより、ポンプ室123の内部圧力が降下することになる。チェック弁126は、ポンプ室123の内部圧力が流入ポート121の圧力未満となったときに開いて薬液の流入を開始させる。
吐出流量C3は、インジェクタやカラムといったユーザ側で用意する計測用の機器に供給される流量である。吐出流量C3は、後述する容積ダンパー80とオリフィス51の下流において流量センサ50によって計測される値である。吐出流量C3は、容積ダンパー80とオリフィス51とによって脈動が低減されている。
送液ポンプ100は、駆動電圧W1のパルス周波数を早くすることによって、吐出流量の脈動を小さくすることができる。積層圧電アクチュエータ141は、たとえば数kHzでの駆動が可能である。ただし、チェック弁126,127の応答性の限界が積層圧電アクチュエータ141の駆動周波数よりも低い場合には、チェック弁126,127の応答性に基づいて積層圧電アクチュエータ141の駆動周波数を設定するようにしてもよい。
図13は、送液ポンプ100の駆動に利用可能な三種類の駆動電圧W1,W2,W3のパルス形状を表すグラフである。駆動電圧W1は、前述のように矩形波であり、比較的高い周波数での駆動に適している。駆動電圧W2は、吐出流量の脈動を抑制する効果を有するランプ波であり、比較的低い周波数での駆動に適している。駆動電圧W3は、立ち上がりエッジにおいて電圧h以上の電圧で波形が丸められているので、比較的高い周波数において吐出流量の急上昇を抑制して脈動を低減させることができる。なお、駆動電圧W1,W2,W3は、パルス電圧とも呼ばれる。また、電圧hは、たとえば積層圧電アクチュエータ141の駆動によってダイアフラム180が変形を開始する電圧として設定することができる。
図14は、第1実施形態の高速クロマトグラフィ装置90の構成を示すブロック図である。高速クロマトグラフィ装置90は、溶離液を貯蔵する溶媒貯蔵瓶60と、送液ポンプ100と、容積ダンパー80と、圧力センサ40と、流量センサ50と、オリフィス51と、廃液瓶70と、廃液用バルブ71と、負荷30と、送液ポンプ100に駆動電圧を印加するドライバ回路20と、制御回路10とを備えている。負荷30は、インジェクタやカラム、検出器、記録計といったユーザ側で用意する計測用の機器が含まれている。
送液ポンプ100は、溶媒貯蔵瓶60から溶離液を吸引し、容積ダンパー80とオリフィス51と流量センサ50とを順に介して負荷30に供給している。容積ダンパー80とオリフィス51は、脈動を低減させる役割を果たしている。負荷30に供給される溶離液の流量は、流量センサ50によって計測され、その計測値が制御回路10に送信されている。圧力センサ40は、容積ダンパー80とオリフィス51との間における溶離液の圧力を計測している。なお、制御回路10及びドライバ回路20は、制御部とも呼ばれる。制御部、圧力センサ40及び流量センサ50は、制御装置とも呼ばれる。
制御回路10は、流量指令信号との流量センサ50の計測値に応じてドライバ回路20を操作して駆動電圧の電圧値を調整し、流量センサ50の計測値を流量指令信号に近づけるためのフィードバック制御を行なう。本フィードバック制御は、運用制限(図9及び図10参照)に基づいて予め設定されている許容変位量(許容駆動電圧)と許容駆動周波数(電圧パルス周波数)との範囲内で行なわれる。
図15は、第1実施形態の高速クロマトグラフィ装置90における流量センサ50の計測とそのフィードバックの内容を示す説明図である。制御回路10は、積層圧電アクチュエータ141の往復駆動の駆動周期毎に複数の計測タイミングで流量センサ50により計測(サンプリング)された吐出流量を、周期毎に平均化してフィードバックすることで流量を制御する。これにより、ポンプ動作によって周期的に変動する流量(脈動)に起因する計測誤差を抑制し、正確なフィードバック制御を実現することができる。脈動に起因する計測誤差は、各駆動周期における計測タイミングのずれ(位相差)によって発生する。
高速クロマトグラフィ装置90は、溶離液を導入する際や溶離液を置換する際に、廃液用バルブ71を開いて廃液瓶70に液を排出する。この際、送液ポンプ100は、低圧での大きな流量の吐出が要求されることになる。
(第2実施形態)
図16は、第2実施形態の送液ポンプ100cに使用されているダイアフラム180aを示す断面図である。ダイアフラム180aは、ニッケルコバルト合金の第1金属板181及び第2金属板182と、第1金属板181と第2金属板182とを相互に張り合わせる接着層をなす弾性接着層183とを含む三層構造を有している。弾性接着層183は、第1金属板181と第2金属板182とを、それらの面内方向において相互にずらす方向の弾性を有する樹脂層である。
弾性接着層183の形成には、たとえば変成シリコーン樹脂やエポキシ変成シリコーン樹脂を主成分とする一液形弾性接着剤、あるいはたとえば主剤(エポキシ樹脂)および硬化剤(変成シリコーン樹脂)からなる二液形弾性接着剤が利用可能である。
図17は、第2実施形態のダイアフラム180aと比較例のダイアフラム180bの作動状態を対比して示す断面図である。図17(a)は、第2実施形態のダイアフラム180aが変形している状態を示している。図17(b)は、比較例のダイアフラム180bが変形している状態を示している。比較例のダイアフラム180bは、第1金属板181と第2金属板182とが相互に重ね合わせられているが、第2の実施形態のような接着層を有していないダイアフラムである。
比較例のダイアフラム180bは、厚さtの第1金属板181と第2金属板182とが相互に重ね合わせられているので、耐圧性が2倍に向上している。耐圧性は、第1金属板181等の面内方向(広がり方向)の引っ張り強度に依存するので、ダイアフラム180aは、単層で2倍の厚さを有する金属製の板材と実質的に同一の耐圧性を有することになるからである。
一方、比較例のダイアフラム180bの曲げ剛性は、第1金属板181と第2金属板182とを相互に重ね合わせただけなので、それぞれの曲げ剛性の加算となる。すなわち、比較例のダイアフラム180bの曲げ剛性は、第1金属板181の曲げ剛性の2倍となる。
ただし、比較例のダイアフラム180bは、相互に張り合わされていないので、ダイアフラムの洗浄において分解されるので、洗浄後の装着時において積層状態が変化してしまう問題を生じさせることを本発明者は見出した。さらに、ダイアフラムの組立時において、第1金属板181と第2金属板182との間に異物が入り込み、耐久性を劣化させるという問題も本発明者によって見出された。
第2実施形態のダイアフラム180aは、第1金属板181と第2金属板182とが相互に張り合わせられている点で相違する。耐圧性は、第1金属板181等の面内方向(長手方向)の引っ張り強度に依存するので、張り合わせの有無に拘わらず耐圧性を2倍に向上させることができる。
一方、実施形態のダイアフラム180aの曲げ剛性は、第1金属板181と第2金属板182とが相互に張り合わせられているので、相互にズレや変形が生じないと仮定すると、曲げ剛性が8倍となる。第1金属板181および第2金属板182は、2倍の厚さを有する一枚の板材として挙動することになるからである。
しかしながら、ダイアフラム180aは、その面内方向において相互にずらす方向の弾性を有する弾性接着層183で相互に張り合わせられているので、このような過度な曲げ剛性を回避することができる。第1金属板181および第2金属板182は、その面内方向において相互にずらす方向の弾性を有する弾性接着層183で相互に張り合わせられているので、ダイアフラム180aは、比較例のダイアフラム180bに近い曲げ剛性を有するからである。
このように、ダイアフラム180aは、第1金属板181および第2金属板182が相互に張り合わされた構成とされているので、洗浄等のメンテナンス時にダイアフラムが分解されるのを抑制し得る。この結果、ダイアフラム180aは、整備性を向上させることができるとともに、メンテナンス後の装着時にダイアフラム180aの積層状態が変化してしまう問題を解決することができる。これにより、分解・洗浄等、メンテナンス後のダイアフラム180aの校正を不要あるいは簡略にすることもできる。
また、ダイアフラムの組立時において、第1金属板181と第2金属板182との間に異物が入り込み、耐久性を劣化させるという問題を抑制することもできる。さらに、ダイアフラム180aは、第1金属板181と第2金属板182との各々の最大歪を小さくすることができるので、耐久性を高めることもできる。
ただし、弾性接着層183の厚さは、10μm以下とすることが望ましい。弾性接着層183は、ポンプ室123の圧力によりダイアフラム180aの面外方向(厚さ方向)に変形してポンプ室123の容積を変化させてしまい、吐出量を不安定とする可能性があるからである。
図18は、第2実施形態の送液ポンプ100cを分解した状態を示す分解斜視図である。送液ポンプ100cは、ポンプボディ110とアクチュエータ150との間にダイアフラム180cを挟持する構成を有している。ポンプボディ110とアクチュエータ150とは、6本のボルトB1〜B6の各々をポンプボディ110の貫通孔h1〜h6を貫通させてアクチュエータ150に螺合させることで締結されている。
図19は、第2実施形態の他の例のダイアフラム180cの外観を示す平面図である。ダイアフラム180cは、装着用板材189を備えている。装着用板材189は、他の金属性の板材185等よりも外縁方向に突出する部位が、ポンプボディ110に装着されるための装着部189aとされている。装着部189aには、一対のキー孔K1h、K2hと、6本のボルトB1〜B6の各々が貫通される貫通孔dh1〜dh6とが形成されている。6本のボルトB1〜B6は、締結部材とも呼ばれる。なお、ポンプボディ110とアクチュエータ150とは、それぞれ第1の部材と第2の部材とも呼ばれる。
一対のキー孔K1h,K2hは、ダイアフラム180cの中心位置に対して対向する位置(一直線上の位置)に配置されている。本配置は、一対のキー孔K1h,K2hの間の距離を長く取って、キー孔K1h,K2hによる位置決め精度を高くするためである。キー孔K1h,K2hには、それぞれ付勢部K1s,K2sが設けられている。この付勢部K1s,K2sは、キー孔K1h,K2hの内縁に設けた複数の弾性突起として形成されている。そして、キー孔K1h,K2hにポンプボディ110に突設したキー(流体機器の一部)K1,K2を挿入した際に、付勢部K1s,K2sがキーK1,K2にそれぞれ係合するようになっている。これにより、ポンプボディ110からのダイアフラム180cの抜け落ちを防止して組立を容易にしている。付勢部K1s,K2sがキーK1,K2に係合した状態では、各付勢部K1s,K2sは、それぞれ係合による反力が打ち消されるようにキーK1,K2を付勢する。
一方、貫通孔dh1〜dh6は、不均等なピッチで環状に配置されている。具体的には、貫通孔dh1と貫通孔dh6との間の角度αは、貫通孔dh1と貫通孔dh2との間の角度βと相違する角度に設定されている。これにより、キーK1,K2は、それぞれキー孔K1h,K2hに装着され、逆に装着される事態を防止することができる。但し、貫通孔dh1〜dh6は、必ずしも環状に並んで形成する必要はない。すなわち、貫通孔dh1〜dh6の中心位置を結んで形成される形状(この場合、六角形)が、ダイアフラム180cの面内のいずれの方向の線分に対しても非対称な形状とされていればよい。これにより、ダイアフラム180cの誤装着を抑制することができる。
ポンプボディ110には、さらに取外用孔R1,R2が形成されている。取外用孔R1,R2は、分解時においてポンプボディ110からダイアフラム180cを取り外すために棒(図示省略)を挿入するための孔である。ユーザは、分解時において、ダイアフラム180cの反対側からポンプボディ110の取外用孔R1,R2に棒(図示省略)を挿入して容易にダイアフラム180cを取り外すことができる。
図20は、第2実施形態の他の例のダイアフラム180cの積層状態を示す断面図である。図21は、第2実施形態の他の例のダイアフラム180cの装着状態を示す断面図である。ダイアフラム180cは、たとえばニッケルコバルト合金の4枚の金属板185〜188と、ステンレス(たとえばSUS304やSUS316)の1枚の装着用板材189とを積層することによって構成されている。
具体的には、ステンレスの金属板である装着用板材189の両側にそれぞれ弾性接着層186a,187aを介して金属板186,187が貼り付けられ、さらに、金属板186,187には、それぞれ弾性接着層185a,188aを介して金属板185,188が貼り付けられている。このように、本実施形態では、ステンレスの装着用板材189の両面の各々に等しい数のニッケルコバルト合金の4枚の金属板185〜188が装着されている。なお、弾性接着層185a,186a,187a,188aには、たとえば数μmのシリコーン膜等が利用可能である。また、金属板188は、ポンプ室123に対向する面なので、研磨されていることが好ましい。
ニッケルコバルト合金は、高い弾性や強度、耐蝕性、耐熱性並びに恒弾性に優れた性質を有し、非磁性で耐久性に優れるという点で金属ダイアフラムに適した素材である。一方、ステンレスは、加工性に富み耐食性や靭性、延性といった特性を有している。特に、装着用板材189の材料であるステンレスの加工性の良さは、キー孔K1h、K2hや貫通孔dh1〜dh6を形成する加工を容易とし得る。
装着用板材189は、送液ポンプ100aの分解洗浄の際のダイアフラム180cの組みつけに使用されるものである。一方、ニッケルコバルト合金の4枚の金属板185〜188は、ダイアフラムとして機能するための部材である。シール加圧面111とシール受け面132との間には、ニッケルコバルト合金の4枚の金属板185〜188とステンレスの装着用板材189とが挟まれている。
このように、本実施形態の複層ダイアフラムは、ダイアフラムの耐圧性や操作性の観点から自由に積層枚数を設定することもできる。
以上詳述した各実施形態は以下の利点を有する。
(1)本実施形態の送液ポンプは、パーティクルの発生がなく高寿命を実現することができる。
(2)本実施形態の送液ポンプは、高圧の微少流と低圧の大流量の送液(広いダイナミックレンジ)を実現することができる。
(3)本実施形態の送液ポンプでは、ダイアフラム受け面がシール受け面と同一平面を形成しているので、高圧時から低圧時までダイアフラムの作動範囲(変形範囲)を円滑に変化させることができる。
(4)本実施形態の送液ポンプでは、シリンダ孔の開口部をダイアフラム受け面と同心状に形成したので、ダイアフラムにおけるシール加圧面およびシール受け面で囲われた領域の略中央部をピストンが押圧するようになっている。従って、ピストンからの負荷がダイアフラムに略均一に掛かるようになり、ダイアフラムに局所的な大きな負荷が掛かるのを抑制することができる。
(5)本実施形態の送液ポンプでは、シリンダ孔の開口部の中心が、凹部面の中心に対し、シリンダ孔の軸線方向に整列するよう構成されている。従って、ダイアフラムが変形した際にポンプ室の中央部が容積変化するから、ポンプ室内の圧力がバランスよく変化して、溶離液をスムーズに送ることができる。
(6)本実施形態の制御装置では、吐出圧力に応じて圧電アクチュエータの変位量が制限されるので、高圧時の圧電アクチュエータの過大な変位によるダイアフラムの損傷を防止することができる。
(7)本実施形態の複層ダイアフラムは、高い耐圧性と柔軟性とを両立させることができる。
(8)本実施形態の複層ダイアフラムは、誤った装着の抑制を実現して整備性が向上されている。
(9)本実施形態の複層ダイアフラムは、分解・洗浄後の校正を不要あるいは簡略にすることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、2個のキー孔K1h,K2hが位置決めに使用されているが、たとえば第1変形例のダイアフラム180dのように3個以上であっても良い。図22は、第1変形例のダイアフラム180dの構成とポンプボディ110aを示す外観図である。
第1変形例のダイアフラム180dには、キー孔K1h,K2hに加えて第3のキー孔K3hが形成されている。これにより、ダイアフラム180dがその中心軸線の周りに180度回転してキーK1とキーK2とが誤ったキー孔K1h,K2h(逆のキー孔)に装着される事態を防止することができる。すなわち、キーK1とキーK2とが、それぞれキー孔K2hとキー孔K1hとに装着される事態を防止することができる。
さらに、第3のキー孔K3hは、キー孔K1h,K2hの中心位置を結ぶ線の垂直二等分線から外れた位置に形成されている。すなわち、キー孔K1h,K2h,K3hは、ダイアフラム180dに不等ピッチで環状に並んで形成されている。これにより、ダイアフラム180dが裏返されて180度回転された状態で、逆のキー孔K2h,K1hに装着される事態を防止することができる。
このように、第1変形例のダイアフラム180dは、180度回転した状態での誤装着並びに裏返した状態において180度回転した状態での誤装着といった想定される種々の誤装着をキーおよびキー孔を設けることで防止することができる。キーK1,K2,K3とキー孔K1h,K2h,K3hは、位置決め部とも呼ばれる。キーK1,K2,K3は、位置決め用凸部とも呼ばれる。キー孔K1h,K2h,K3hは、位置決め孔とも呼ばれる。なお、キー孔K1h,K2h,K3hは、必ずしも環状に並んで形成する必要はない。すなわち、キー孔K1h,K2h,K3hの中心位置を結んで形成される形状(この場合、三角形)が、ダイアフラム180dの面内のいずれの方向の線分に対しても非対称な形状とされていればよい。これにより、ダイアフラム180dの誤装着を抑制することができる。
(2)上記実施形態では、キー孔K1h,K2hに装備されている付勢部K1s,K2sによってポンプボディ110からのダイアフラム180cの抜け落ちを抑制する構成とした。しかしながら、たとえば第2変形例のダイアフラム180eのように、キー孔K1h,K2h以外に抜け落ち防止用の付勢部を設けてもよい。
図23は、第2変形例のダイアフラム180eの構成を示す平面図並びに断面図である。ダイアフラム180eは、一対の仮止め用つば180s1,180s2を備えている。仮止め用つば180s1,180s2は、ポンプボディ110aを挟む方向(相互の間隔が小さくなる方向)に付勢力を発生させることができる。これにより、ポンプボディ110aからのダイアフラム180eの抜け落ちを防止し、組立を容易にしている。このように、ポンプボディ110の一部を反力が打ち消されるように付勢することで、ダイアフラム180eの抜け落ちを防止するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、ダイアフラム受け面は、シール受け面と同一平面を形成しているが、必ずしも同一平面を形成する必要はない。ただし、同一平面を形成すれば、高圧時から低圧時までダイアフラムの作動範囲(変形範囲)を円滑に変化させることができる。ダイアフラム受け面133は、ポンプ室123の内圧に応じてダイアフラム180と当接する面の面積である当接面積が変化するように構成されていれば良い。
(4)上記実施形態では、シール受け面は平面であるが、曲面であっても良い。ただし、シール受け面を平面とすれば、ポンプ室の封止のためにダイアフラムに印加される荷重(封止荷重)によってダイアフラムが過度に損傷する事態を回避することができる。これにより、封止荷重の管理を緩めることができるので、ダイアフラムの再装着時に、ユーザ側によるボルトB1〜B6のトルク管理を容易とすることができる。
(5)上記実施形態では、ピストンは、ダイアフラムとの当接面が凸状の曲面を有しているが、平面であっても良い。ただし、ダイアフラムとの当接面を凸状の曲面とすれば、シリンダ孔134の開口部136の周囲においてダイアフラムをダイアフラム受け面で支持しつつ、凸状の曲面でピストンに当接する領域を変形させることができる。さらに、ピストンの変位量に応じて、ダイアフラムは、変形範囲を広げながら変形するので、高圧時における精密な吐出量の操作を実現することができる。凸状の曲面は、たとえば加工容易な球面形状としても良い。
(6)上記実施形態では、吸入口と吐出口とが対向する位置に配置されているが、他の配置であってもよい。ただし、吸入口と吐出口とを対向する位置に配置すれば、たとえば鉛直方向において吸入口を下側とし、吐出口を上側とするように送液ポンプを設置し、これにより液溜まりをなくして液の置換性や気泡抜けを向上させることができる。
(7)上記実施形態では、ダイアフラムは、圧電アクチュエータで駆動されているが、他の駆動方法であってもよい。ただし、圧電アクチュエータで駆動すれば、高い周波数でダイアフラムを駆動することによってダイアフラムの小さな変位でも吐出量を確保することができるとともに、脈動を小さくすることもできる。
(8)上記実施形態では、非駆動時には、ダイアフラム受け面の全体がダイアフラムに当接する構成とした。しかしながら、たとえば吐出圧力が低圧の際には、ダイアフラム受け面の少なくとも一部がダイアフラムから分離する構成としたり、運用時の永久変形でそのような状態となる構成であっても良い。ダイアフラム受け面は、ポンプ室の内圧の上昇時にダイアフラムを支持して、ピストンに印加される荷重を軽減するように構成されていれば良い。
ダイアフラム受け面は、ポンプ室の内圧の上昇時において、ダイアフラムとダイアフラム受け面とが当接する面の面積にポンプ室の内圧を乗じた荷重を分担し、これにより、ピストンに印加される荷重を軽減することができる。なお、ダイアフラムとダイアフラム受け面とが当接する面の面積は、当接面積とも呼ばれる。
(9)上記実施形態では、ダイアフラムは、ピストンと接続されておらず、ピストンでダイアフラムを押すことによってダイアフラムを変形させているが、ダイアフラムとピストンとを接続する構成としても良い。ただし、ダイアフラムとピストンとを接続する構成では、ダイアフラムとピストンの頂部とを1点(あるいは十分に狭い領域)で接続するようにすることが好ましい。
(10)上記実施形態では、複層ダイアフラムは、送液ポンプに使用されているが、たとえば流量制御弁に利用することもできる。複層ダイアフラムは、広く一般にダイアフラムを使用する流体機器に使用することができる。
10…制御回路、20…ドライバ回路、30…負荷、40…圧力センサ、50…流量センサ、90…高速クロマトグラフィ装置、100,100a,100b…送液ポンプ、100c…送液ポンプ、110,110a…ポンプボディ、111…シール加圧面、123…ポンプ室、130…ポンプベース、132…シール受け面、133,133a…ダイアフラム受け面、134,134a…シリンダ孔、140…駆動部、141…積層圧電アクチュエータ、144…ピストン、144a…ピストン、145…付勢バネ、146…圧電アクチュエータ装着部、150…アクチュエータ、180,180a,180b,180c,180d,180e…ダイアフラム。

Claims (14)

  1. 柱状の孔と、前記孔の開口部及びその周辺部に対向する凹部面と、前記凹部面に吸入口を有する吸入通路と、前記凹部面に吐出口を有する吐出通路とが形成されているポンプハウジングと、
    前記凹部面との間にポンプ室を形成し、前記ポンプ室と前記孔とを区画するダイアフラムと、
    前記孔に往復動可能に挿入され、前記往復動によって前記ダイアフラムを押すことにより変形させる往復動部材と、
    前記往復動の方向において、前記往復動のストロークを可変に前記往復動部材を周期的に変位させる駆動部と、
    前記凹部面の外周側で囲む位置において、前記ダイアフラムを挟持することによってシールするシール部と、
    前記シール部と前記開口部との間に設けられ、前記変位と前記ポンプ室の内圧とに応じて前記ダイアフラムと当接する面の面積である当接面積が変化するダイアフラム受け面と、
    を備え、
    前記当接面積は、前記凹部面側への前記往復動部材の変位の増加に応じて減少し、前記ポンプ室の内圧の上昇に応じて増大する送液ポンプ。
  2. 前記シール部は、前記凹部面に連続する面であるシール加圧面と、前記ダイアフラム受け面に連続する面であるシール受け面とで前記ダイアフラムを挟持し、
    前記シール受け面は、前記ダイアフラム受け面と滑らかに連続している請求項1記載の送液ポンプ。
  3. 前記シール受け面は、環状の平面である請求項2に記載の送液ポンプ。
  4. 前記ダイアフラム受け面は、環状の平面に形成されると共に、前記開口部は、前記ダイアフラム受け面と同心状に形成されている請求項3に記載の送液ポンプ。
  5. 前記ダイアフラム受け面は、前記シール受け面と同一平面を形成している請求項2乃至4のいずれか1項に記載の送液ポンプ。
  6. 前記往復動部材は、前記ダイアフラムとの当接面が凸状の曲面を有する先端部を備えている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の送液ポンプ。
  7. 前記凹部面は、吐出方向に駆動された際のダイアフラムの形状に嵌合する方向に凹状の曲面である凹状曲面を有し、
    前記凹状曲面は、前記吸入通路の開口部から前記凹状曲面の中心方向に延びて前記ポンプ室に連通している吸入側溝部と、前記吐出通路の開口部から前記凹状曲面の中心方向に延びて前記ポンプ室に連通している吐出側溝部と、を有している請求項1乃至6のいずれか1項に記載の送液ポンプ。
  8. 前記駆動部は、前記ダイアフラムを駆動する圧電アクチュエータを備える請求項1乃至7のいずれか1項に記載の送液ポンプ。
  9. 送液ポンプを制御する流量制御装置であって、
    請求項8記載の送液ポンプと、
    前記圧電アクチュエータに印加する電圧を操作して前記送液ポンプの吐出流量を制御する制御部と、
    を備える流量制御装置。
  10. 請求項9記載の流量制御装置であって、
    前記制御部は、前記圧電アクチュエータにパルス状の電圧であるパルス電圧を印加し、前記パルス電圧の最大値を操作して前記送液ポンプの吐出流量を制御する流量制御装置。
  11. 請求項9又は10記載の流量制御装置であって、
    前記吐出通路から吐出された流体の吐出圧力を計測する圧力センサを備え、
    前記制御部は、前記計測された吐出圧力に応じて、前記ストロークが予め設定された所定値よりも小さくなるように制限する流量制御装置。
  12. 請求項9乃至11のいずれか1項に記載の送液ポンプを制御する流量制御装置であって、
    前記吐出通路から吐出された流体の吐出流量を計測する流量センサを備え、
    前記制御部は、前記計測された吐出流量に応じて、前記往復動の駆動周期が予め設定された所定値よりも長くなるように制限する流量制御装置。
  13. 請求項9乃至12のいずれか1項に記載の流量制御装置であって、
    前記吐出通路から吐出された流体の吐出流量を計測する流量センサを備え、
    前記制御部は、前記計測された吐出流量の増大に応じて前記往復動の駆動周期を長くし、前記吐出流量の減少に応じて前記往復動の駆動周期を短くする作動モードを有する流量制御装置。
  14. 請求項9乃至13のいずれか1項に記載の流量制御装置であって、
    前記送液ポンプは、前記送液ポンプの吐出流量を計測する流量センサを有し、
    前記制御部は、前記往復動の駆動周期毎に複数の計測タイミングで計測された吐出流量をフィードバックすることによって流量を制御する流量制御装置。
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