JP4419790B2 - 圧電ダイヤフラムポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子を用いたダイヤフラムポンプに関するものである。
従来の圧電ダイヤフラムポンプは、ダイヤフラム板のたわみが増減し、ポンプの筐体内部の空間の容積が増減することで吸入側の弁より動作流体を吸入し、吐出側の弁より動作流体を吐出する。ダイヤフラム板のたわみの増減は、円盤状の圧電素子の両面に設けられた電極に電圧が印加されることにより、圧電素子が変形することで実現される。
一般に、ポンプによる液体吐出用途の一つとして、燃料電池へのアルコールの微少量供給や、静電噴霧する水の供給などが挙げられる。これらの用途では、吐出先の液体の液面状態や表面位置が重要な問題となるため、吐出液体の流量は安定していることが望ましい。しかし、ダイヤフラムポンプ等の往復動ポンプでは、吸入行程と吐出行程が交互に行われることで動作するため、一般に脈動量が大きくなる。
この往復動ポンプにおける脈動量を小さくするための技術として、例えば特許文献1に開示されるように、プランジャ往復動型液体クロマトグラフ用ポンプにおいて、プランジャの液体吐出行程時間を液体吸入行程時間に比較して短くし、液体の脈動を小さくするプランジャ動作制御手段がある。なお、この特許文献1の従来技術として、送液ポンプにおいて、吸入行程時間を吐出行程時間に比べて短くすることが示されている。
また、ポンプではないが、例えば、特許文献2に開示されるように、一般に管路を流れる流体の脈動を低減させるための技術として、流体の脈動とは逆位相で同振幅の反転信号を出力し、該反転信号に応じて、管路の流体が導入される流体室に配された圧力調節部材に、脈動を打ち消す圧力変化を生じさせるように変位を与えるとともに、該圧力調節部材を流体の静圧に抗する方向に付勢する静圧低減手段が知られている。
特開昭64−32163号公報 特開平6−101793号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されるように、吐出行程時間を短くすると、ダイヤフラムポンプにおいては脈動がむしろ目立つことになり、また、同文献1の従来技術としての記載は、プランジャ式のポンプではキャビテーションの問題があることを説明するものであって、ダイヤフラム式のポンプで適用されるものではない。また、特許文献2に示される技術は、ダイヤフラム式ポンプにそのまま適用できるものではない。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、圧電素子に印加する電圧の制御方法を変更することで、吐出流体の脈動を低減することができる圧電ダイヤフラムポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1の発明は、平板形状の圧電素子と、前記圧電素子の一面に配された導電部材よりなる電極層と、前記圧電素子の他面を覆うように接合され、圧電素子の変形に応じて弾性変形可能な導電部材よりなるダイヤフラム板と、前記ダイヤフラム板の圧電素子が接合された面の反対面を覆うように配された絶縁層と、前記ダイヤフラム板の端部近傍を保持し、前記絶縁層の下面に気体または液体でなる流体を圧縮するための空間を持ち、該空間に連通して前記流体を該空間に吸入する吸入口および前記流体を該空間から吐出する吐出口とを持つ筐体と、前記電極層と前記ダイヤフラム板の間に電圧を印加することにより圧電素子を変形させて前記流体の吸入時間および吐出時間を制御する制御部とを備えた圧電ダイヤフラムポンプにおいて、前記ダイヤフラム板は、圧電素子の接合に因り、電圧を印加していない初期状態において前記空間が膨らんだ方向に湾曲しており、電圧印加により空間内の流体を吐出するように構成されており、記制御部、流体吸入のための電圧印加時間よりも流体吐出のための電圧印加時間が長くなるように設定し、流体吐出時に印加する電圧の上昇が矩形波形よりも上昇速度が低くなるように制御可能であり、該電圧の下降が矩形波形の下降速度となるように設定したものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記制御部を、吐出時に印加する電圧の上昇が積分波形の電圧となるように設定したものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記制御部を、吐出時に印加する電圧の上昇が階段状のステップ波形の電圧となるように設定したものである。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記制御部を、吐出時に印加する電圧の上昇が三角波形の電圧となるように設定したものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項の発明において、前記制御部吐出時に印加する電圧を、ポンプの始動開始時には矩形波形に、定常状態時には矩形波形よりも上昇速度が低い波形切替え可能とする回路を備えたものである。請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項の発明において、前記制御部は、流体の種類に応じて、吐出時に印加する電圧を、矩形波形よりも上昇速度が低く、互いに上昇速度が異なる複数の波形のいずれかに切替え可能とする回路を備えたものである。
請求項1の発明によれば、圧電ダイヤフラムポンプの流体吐出時間が長くなることから、一定の吐出流量としたとき、流体吸入のための電圧印加時間と流体吐出のための電圧印加時間が等しいときと比べて、吐出時間が長くなる分、吐出流の脈動量を低減することができる。ダイヤフラムポンプにおいては、動作周波数をプランジャ式などのポンプに比べて高くすることができるので、一回当りの吸入と吐出の流量が少なくても、時間当たりの流量は通常用途での所要量が得られ、吸入の脈動量が大きくなってもキャビテーションの発生は少ない。従って、吸入時間を吐出時間に比べ相対的に短くしても問題はない。
また、圧電ダイヤフラムポンプにおいて、電圧を印加していない初期状態でダイヤフラム板はポンプ内の空間が膨らんだ方向に湾曲しており、この状態から電圧印加によりフラットに戻るように変位することで空間内の流体を吐出し、ダイヤフラム板自体の復元力で元の状態に戻るときに流体を吸入する。ここに、電圧を印加する吐出時間の方が電圧を印加しない吸入時間より長いことで、吐出側の脈動を低減することが容易となる。
請求項2の発明によれば、電圧印加に対する圧電素子の変形は緩やかに起こり、流体の吐出流量は急激に増加することなく徐々に増加していくため、吐出時に矩形波形の電圧を印加したときと比べて吐出流体の脈動を小さくすることができる。
請求項3の発明によれば、電圧印加に対して圧電素子は段階的に変形し、瞬間吐出流量は直接吐出時電圧を印加したときと比べて小さくなり、吐出流体の脈動を小さくすることができる。
請求項4の発明によれば、電圧印加に対する圧電素子の変形は緩やかに起こり、瞬間吐出流量が平均的となって平均吐出流量との乖離も小さくなるので、吐出時に矩形電圧を印加したときと比べて吐出流体の脈動を小さくすることができる。
請求項5及び請求項6の発明によれば、構造を変更することなく粘度の異なる複数の流体に対応可能となり、また、ポンプの作動開始時には流体搬送効率の良い矩形波形の電圧を印加して流体吐出までの時間を短縮させ、定常状態においては積分波形等の印加電圧を用いて脈動の少ない吐出流を得ることができ、より効率的に請求項1の発明の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る圧電ダイヤフラムポンプについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態による圧電ダイヤフラムポンプの概略構成を示す。圧電ダイヤフラムポンプは、平板形状の圧電素子1と、圧電素子1の一面に配された導電部材よりなる電極層2と、圧電素子1の他面を覆うように接合され、圧電素子1の変形に応じて弾性変形可能な導電部材よりなるダイヤフラム板3と、ダイヤフラム板3の圧電素子1が接合された面の反対面を覆うように配された絶縁層3aと、ダイヤフラム板3の端部近傍を保持し、絶縁層3aの下面に気体または流体を圧縮するための空間4と、該空間4に連通した吸入口7cおよび吐出口7dとを備えた筐体5と、電極層2とダイヤフラム板3に接続された電極10の間に電圧を印加することにより、圧電素子1を変形させて吸入・吐出時間を制御する制御部6を備える。
本実施形態では、円形の真鍮製のダイヤフラム板3上に円形の圧電素子(PZT)1が貼り付けられ、前記ダイヤフラム板3は、円形に成形されたプラスチック、例えばポリアセタール(POM)やポリカーボネイト(PC)、ポリフェニルスチレン(PPS)等からなる筐体5に固定される。圧電素子1の寸法は、例えば直径14mm、厚み0.13mmであり、ダイヤフラム板3は、例えば直径20mm、厚み0.10mmの真鍮板である。
吸入口7c、吐出口7dにはそれぞれ連通して吸入弁7a、吐出弁7bが接続される。これらの弁は筐体5と弁押え8との間に配置される。弁部分の構造に関しては本発明で限定するものではないが、例えば弁前後の圧力差により開閉するゴム製の片持ち弁を用いることが可能である。吸入される流体は、流体容器12から吸入管路11aを経て吸入口7cよりポンプに吸入される。吐出される流体は、吐出口7dより吐出管路11bを経て吐出される。
また、本実施形態の圧電ダイヤフラムポンプの製造工程において、ダイヤフラム板3上に圧電素子1が接着(接合)されるが、このときダイヤフラム板3が熱収縮し、ダイヤフラム板3は湾曲した状態となる。圧電素子1に電圧が印加されていない初期状態においては、ダイヤフラム板3は空間4が膨らんだ方向となるように筐体5に固定される。
図2(a)(b)は圧電素子1の電圧印加による変形を説明する図である。ここでは、圧電素子1の厚み方向を上下方向として示し、+−は分極方向を示す。図1に示した電極層2とダイヤフラム板3に設けられた電極10間に電圧を印加することで、圧電素子1の厚み方向に電界(白抜き矢印)が発生し、この電界により圧電素子1は黒矢印方向に変形する。図2(a)のように正電圧を印加し電界の向きが圧電素子1の分極の向きと同じ方向となるとき、圧電素子1は厚み方向に伸び、径方向に縮む。逆に、図2(b)のように負電圧を印加し電界の向きが圧電素子1の分極の向きと逆方向となるとき、圧電素子1は厚み方向に縮み、径方向に伸びる。
図3(a)(b)は本実施形態による圧電ダイヤフラムポンプの動作を示す。同ダイヤフラムポンプは、図1に示したように電圧を印加していない初期状態から、正電圧を印加すると、圧電素子1は径方向に縮むが、ダイヤフラム板3は伸びないため、図3(a)のように圧電素子1の変形に伴ってダイヤフラム板3のたわみが減少する。これにより、絶縁層3aと筐体5によって構成されている空間4の体積が減少して空間4内の圧力が増加し、吸入弁7aが閉じて吐出弁7bが開き、吐出行程となり、吐出口7dより流体を吐出する。
上記のように正電圧を印加した状態から、印加電圧を接地電圧とすると、ダイヤフラム板3は、図3(b)のようにダイヤフラム板3自身の復元力によって初期状態の形状まで戻る。つまり、ダイヤフラム板3のたわみが増加することにより、空間4の体積が増加して空間4内の圧力が減少し、吐出弁7bが閉じて吸入弁7aが開き、吸入行程となり、吸入口7cより流体を吸入する。
ここで、印加電圧を正電圧と接地電圧の交番電圧としたとき、ダイヤフラム板3は厚み方向に振動し、ポンプは前記吐出行程と前記吸入行程を交互に繰り返す。交番電圧の周波数(駆動周波数)が低い時には、吐出のための電圧を印加したとき、圧電素子1が急激に変形するため、吐出される流体は電圧の印加直後が最も流量が多く、吐出によりポンプ内部の流体が減少することにより瞬間の流量は徐々に減少していき、ほぼ零に収束する。その後、印加電圧が接地電圧となると、吸入行程が始まり、吐出行程と同様に、流体の瞬間吸入量は印加電圧を接地電圧とした瞬間がもっとも大きく、その後、徐々に減少していく。
駆動周波数を増加させていくと、瞬間の吸入流量または吐出流量が減少して零となった瞬間に逆方向の電圧が印加される状態となる。この場合がポンプを流れる流体の流量が最も大きくなる。被駆動流体が水である場合、駆動周波数が約40Hzで最も流体流量が大きくなる。駆動周波数を上記より高くすると、吐出行程において瞬間の吐出流量が零となる前に吸入行程に移る。このとき、ポンプを流れる流体の流量は、上記の場合よりも減少し、印加した電圧により期待される流量は確保されない。
次に、圧電素子1に印加する電圧波形の例について、図4〜図7を参照して説明する。
図4は、請求項1の発明に係る実施例1における印加電圧の波形と、同時刻でのポンプを流れる流体の流量を模式的に示す。本実施例では、印加電圧は+120Vと0Vの交番電圧とし、図4に実線にて示されるようなDuty比(正電圧印加時間比)が70%とした電圧を用いる。図4において時刻t1に+120Vの電圧を印加したときにポンプは吐出行程を開始し、時刻t3に0Vの電圧を印加した時にポンプは吸入行程を開始する。印加する交番電圧の周波数を100Hzとすると、図4の時刻t3から時刻t4に示される吸入電圧印加時間は3msとなる。時刻t1から時刻t3に示される吐出電圧(0V)印加時間は7msであり、この時間で完全に吐出が終了するような条件を設定することで、ポンプの平均流量が最も大きくなるため、最大流量と平均流量との差が最も小さくなり吐出流の脈動を小さくすることができる。
このための条件は、例えば吐出側の流路抵抗を吸入側よりも大きくして、流体を完全に吐出するのに要する時間を電圧の印加時間と一致させ、また吸入側の流路抵抗を小さくし、吸入に要する時間を電圧の印加時間と一致させることで設定できる。このとき、吸入流量波形は図4の実線のようになり、時刻t3に最大となる瞬間吸入流量は、破線にて示したようなDuty比が50%のときの、時刻t2に最大となる瞬間吸入流量と比較して大きくなるが、この吸入側の脈動は吐出側の脈動には影響しない。また、ダイヤフラムポンプにおいては、動作周波数をプランジャ式などのポンプに比べて高くすることができるので、一回当りの吸入と吐出の流量が少なくても、時間当たりの流量は、例えば液体噴霧装置などに液体を供給するなど、通常の用途での所要量が得られ、吸入の脈動量が大きくなってもキャビテーションの発生は少ない。したがって、吸入時間を吐出時間に比べ相対的に短くしても問題はない。
図5は、請求項2の発明に係る実施例2における印加電圧の波形と、同時刻でのポンプを流れる流体の流量を模式的に示す。本実施例では、印加電圧は+120Vと0Vの交番電圧とし、図5に実線で示されたような積分波形の電圧とする。このような波形は、例えば電圧印加時に高電圧と圧電素子電極の中間に適切な抵抗を挿入するか、あるいはトランジスタにより印加電圧をコントロールすることにより実現可能であるが、実現手段はこれに限定されない。矩形波形の印加電圧を用いると、吐出直後の瞬間流量が大きくなる問題があったが、本実施例では図5の実線に示されるように、時刻t1から時刻t3まで吐出時に印加する電圧が連続的に増加することにより、電圧印加に対する圧電素子の変形は緩やかに起こるため、吐出流量は急激に増加することなく徐々に増加する。時刻t3から時刻t4の間は吸入電圧印加時間である。こうして、矩形波形の印加電圧を用いたときより瞬間吐出流量の最大値が小さくなるため、吐出流の脈動が小さくなる。また、吐出電圧を印加する時間割合が大きいため、最終的な吐出流量は、矩形電圧を印加するときと同等の流量が得られる。
図6は、請求項3の発明に係る実施例3における印加電圧の波形と、同時刻でのポンプを流れる流体の流量を示す。本実施例において、吸入時電圧を0V、吐出時電圧を+120Vに定める。図6の時刻t1以前の印加電圧が0Vである状態において、時刻t1より、吸入時電圧と吐出時電圧の中間の電圧として+60Vを印加した後、時刻t2より印加電圧を+120Vまで上昇させる。つまり、吐出時に段階上のステップ波形の電圧を印加する。時刻t1における圧電素子1の初期状態からの変形量は、時刻t1に+120Vの電圧を印加したときより小さくなるため、図6の実線で示されるように、瞬間的な吐出流量は+120Vを印加したときより少なくなる。この定常状態を時刻t1から時刻t2まで一定時間維持することで、瞬間の流量はこの時間徐々に減少する。その後、時刻t2から+120Vを印加したときの圧電素子1の変形は、+60V印加時の状態からの変形量となるため、やはり瞬間吐出流量は0Vから直ぐに+120Vを印加するときよりも小さくなる。これらの結果として、吸入時電圧と吐出時電圧の間の電位を、吐出行程中に挿入することで、矩形波形の印加電圧を用いたときより瞬間吐出流量の最大値が小さくなるため、吐出流体の脈動は減少することになる。
図7は、請求項4の発明に係る実施例4における印加電圧の波形と、同時刻でのポンプを流れる流体の流量を模式的に示す。本実施例において、印加電圧は+120Vと0Vの交番電圧とし、図7に実線で示されたような三角波形の電圧とする。このような波形は、例えばトランジスタまたはオペアンプにより電圧の増幅を行うことによって実現可能であるが、実現手段はこれに限定されない。吐出時に矩形波形の電圧を印加したときには、吐出直後の瞬間吐出流量が大きい問題があったが、時刻t1からt2まで吐出時に印加する電圧の上昇を一定割合にすることで、圧電素子1は緩やかに変形するので、瞬間吐出流量を平均的にすることができ、平均流量との乖離も小さくなる。つまり、矩形波形の印加電圧を用いたときより瞬間吐出流量の最大値が小さくなるため、吐出流の脈動が小さくなる。また、吐出電圧を印加する時間割合が大きいため、最終的な吐出流量は、矩形電圧を印加するときと同等の流量が得られる。
図8は、請求項5の発明に係る実施例5における回路図と、印加電圧の波形を模式的に示す。本実施例では、印加電圧の波形として、図8(b)のような矩形波形と、図8(c)のような積分波形を切替え可能な制御部6を持つ。この制御部6は、図8(a)に例示されるように、抵抗Rが挿入された経路(Y)と挿入されていない経路(X)を切替えるスイッチSWと、このスイッチSWと電圧印加時間を制御する部位(Z)とを備える。矩形波形の電圧を印加するとき、一般に流体の脈動は大きいが流量は大きい。これに対して、積分波形の電圧を印加したときは、流量は小さいが脈動は小さくなる。このことから、ポンプの始動開始時に吐出口7dの先端まで流体を送るときは、吐出流への脈動の影響はないため、図8(b)に示した吸入効率の高い矩形波形の印加電圧で作動させて、吐出口7dから流体が吐出し始めた後(定常状態)は、図8(c)に示した積分波形の印加電圧に切替えることで、定常状態において吐出流の脈動の低減が実現できる。
図9には、請求項5の発明に係る、実施例6における回路図と、印加電圧の波形を模式的に示す。本実施例では、印加電圧の波形として、図9(b)のような電圧上昇速度が高い積分波形と、図9(c)のような電圧上昇速度が低い積分波形を切替え可能な制御部6を持つ。この制御部6は、図9(a)に例示されるように、抵抗Rが挿入された経路(X)と2つの抵抗Rが挿入された経路(Y)を切替えるスイッチSWと、このスイッチSWと電圧印加時間を制御する部位(Z)とを備える。このような構成によれば、ポンプを、粘度の異なる流体として、例えば油(粘度0.02)と水(粘度0.001Pa・s)とを吐出する用途に用いる場合、粘度が20倍異なるため、同一の電圧波形で制御すると、流量は油と水で異なるが、スイッチSWを切替えて、流体の粘度に合った積分波形の電圧上昇速度に変更することで、ポンプの流路径などの構造を変更することなく複数の流体の種類に対応することが可能となる。なお、図9(b)は油用電圧波形であり、(c)は水用電圧波形である。
図10は、実施例7による圧電ダイヤフラムポンプの概略構成を示す。実施例7は、上記実施例1〜実施例4において、吐出管路11bの吐出口7dの近傍にポンプからの吐出流量の変動を測定するための流量センサ13を配設し、制御部6によって流量センサ13からの値を基に吸入の電圧印加時間と吐出の電圧印加時間をフィードバック制御するものである。その他の構成は図1に示したものと同等である。
本実施例において、流量センサ13より計測された流量値が設定値よりも大きくなったとき、制御部6は吸入の電圧印加時間を短くすることにより、総流量を減少させる。また、流量が設定値よりも小さいとき、制御部6は吸入の電圧印加時間を長くすることで、総流量を増加させる。吸入と吐出の電圧印加時間比率は任意に変更可能であるが、吐出流の脈動を低減するためには吐出の印加電圧の時間割合が大きい範囲に設定しておくことが望ましい。このように、吐出流量を計測しながら吸入と吐出の電圧印加時間比率をフィードバック制御するので、吐出流の脈動を小さくしながら、安定した設定流量を確保することが可能となり、吸入の電圧印加時間が不足して流体が完全に吸入できないことによる流量の低下を防止することができる。
図11は、実施例8による圧電ダイヤフラムポンプの概略構成を示す。実施例8は、上記実施例1〜実施例4において、吸入管路11aの吸入口7cの近傍に流体容器12からの吸入流量の変動を測定するための流量センサ14を配設し、制御部6によって流量センサ14の値を基に吸入の電圧印加時間をフィードバック制御するものである。その他の構成は図1に示したものと同等である。
本実施例において、流量センサ14により計測された流量値が設定値よりも大きくなったとき、制御部6は吸入の電圧印加時間を短くすることにより、総流量を減少させる。また、流量が設定値よりも小さいとき、制御部6は吸入の電圧印加時間を長くすることで、総流量を増加させる。この制御は予め最適化された吐出流量の脈動低減の条件には影響しない。吐出流の脈動を低減するには、吸入と吐出の電圧印加時間比率は、実施例7と同様に設定しておくことが望ましい。このように、吸入流量を計測しながら電圧印加時間をフィードバック制御するので、吸入の電圧印加時間が不足して流体が完全に吸入できないことによる流量の低下を防止することができる。また、吐出流量の脈動を低減した最適化条件を変更することなく、吸入量(吐出量)の確保が可能となる。
図12及び図13は、実施例9における印加電圧の波形を模式的に示す。本実施例は、上記実施例8の構成において、制御部6にて流量センサ14からの最大流量値を基に、図12及び図13に示したような定常電圧の領域を含んだ積分波形の印加電圧の、定常電圧である時間をフィードバック制御するものである。図12は定常電圧時間を短くしたとき、図13は定常電圧時間を長くしたときを示す。いずれも、時刻t1から時刻t3までが吐出の電圧印加時間であり、時刻t3から時刻t4までが吸入の電圧印加時間であり、吸入時電圧を0V、吐出時電圧を+120Vに定め、吸入時電圧と吐出時電圧の中間の定常電圧として+60Vを設定し、時刻t1より積分波形で電圧を上昇させ、時刻t2-1 より所定時間後の時刻t2-2 まで印加電圧+60Vの定常状態とし、時刻t2-2 より再び積分波形にて+120Vまで印加電圧を上昇させる。
本実施例において、流量センサ14によって測定された瞬間流量の最大値が設定値よりも大きくなったときには、図13に示すように、制御部6により時刻t2-1 から時刻t2-2 までの定常電圧の印加時間を長くすることにより、ポンプの総流量を減少させることができ、逆に、流量の最大値が設定値よりも小さくなったときには、図12に示すように定常電圧の印加時間を短くすることにより、流量を増加させることができる。この定常電圧印加時間を制御することによる流量調整は、脈動低減のための条件とは独立して設定可能であり、最適な吐出条件を維持したまま安定して設定流量を確保することができる。また、吸入時電圧と吐出時電圧の中間の電位を吐出行程の間に挿入し、また積分波形で電圧を印加しているので、実施例3と同様に脈流低減効果が得られるとともに、圧電素子が段階的に、緩やかに変形するため、圧電素子が過変形することを防ぐことができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限定するものではなく、発明の範囲を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、吸入のために印加する電圧を負電圧としてもよい。また、圧電素子の分極の向きが逆である場合も、圧電素子に印加する電圧を負電圧とする、あるいは圧電素子に電圧を印加する向きを逆にすることでまったく同等の動作を実現できる。
本発明の実施の形態による圧電ダイヤフラムポンプの概略構成を示す図。 (a)は同上圧電ダイヤフラムポンプに用いられる圧電素子に正電圧を印加したときの動作を示す図、(b)は同圧電素子に負電圧を印加した時の動作を示す図。 本発明の実施の形態による圧電ダイヤフラムポンプの動作を示す図であり、(a)は吐出の電圧を印加した状態を示す図、(b)は吸入の電圧を印加した状態を示す図。 実施例1に係る圧電ダイヤフラムポンプの制御を説明する図。 実施例2に係る圧電ダイヤフラムポンプの制御を説明する図。 実施例3に係る圧電ダイヤフラムポンプの制御を説明する図。 実施例4に係る圧電ダイヤフラムポンプの制御を説明する図。 (a)は実施例5に係る圧電ダイヤフラムポンプの制御のための回路図、(b)、(c)は制御を説明する図。 (a)は実施例6に係る圧電ダイヤフラムポンプの制御のための回路図、(b)、(c)は制御を説明する図。 実施例7に係る圧電ダイヤフラムポンプの概略構成を示す図。 実施例8に係る圧電ダイヤフラムポンプの概略構成を示す図。 実施例9に係る圧電ダイヤフラムポンプの制御を説明する図。 同上の圧電ダイヤフラムポンプの制御を説明する図。
符号の説明
1 圧電素子
2 電極層
3 ダイヤフラム板
3a 絶縁層
4 空間
5 筐体
6 制御部
7c 吸入口
7d 吐出口

Claims (6)

  1. 平板形状の圧電素子と、前記圧電素子の一面に配された導電部材よりなる電極層と、前記圧電素子の他面を覆うように接合され、圧電素子の変形に応じて弾性変形可能な導電部材よりなるダイヤフラム板と、前記ダイヤフラム板の圧電素子が接合された面の反対面を覆うように配された絶縁層と、前記ダイヤフラム板の端部近傍を保持し、前記絶縁層の下面に気体または液体でなる流体を圧縮するための空間を持ち、該空間に連通して前記流体を該空間に吸入する吸入口および前記流体を該空間から吐出する吐出口とを持つ筐体と、前記電極層と前記ダイヤフラム板の間に電圧を印加することにより圧電素子を変形させて前記流体の吸入時間および吐出時間を制御する制御部とを備えた圧電ダイヤフラムポンプにおいて、
    前記ダイヤフラム板は、圧電素子の接合に因り、電圧を印加していない初期状態において前記空間が膨らんだ方向に湾曲しており、電圧印加により空間内の流体を吐出するように構成されており、
    前記制御部は、流体吸入のための電圧印加時間よりも流体吐出のための電圧印加時間が長くなるように設定され、流体吐出時に印加する電圧の上昇が矩形波形よりも上昇速度が低くなるように制御可能であり、該電圧の下降が矩形波形の下降速度となるように設定されていることを特徴とする圧電ダイヤフラムポンプ。
  2. 前記制御部は、吐出時に印加する電圧の上昇が積分波形の電圧に設定されていることを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。
  3. 前記制御部は、吐出時に印加する電圧の上昇が階段状のステップ波形の電圧に設定されていることを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。
  4. 前記制御部は、吐出時に印加する電圧の上昇が三角波形の電圧に設定されていることを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。
  5. 前記制御部は、出時に印加する電圧を、ポンプの始動開始時には矩形波形に、定常状態時には矩形波形よりも上昇速度が低い波形切替え可能とする回路を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の圧電ダイヤフラムポンプ。
  6. 前記制御部は、体の種類に応じて、吐出時に印加する電圧を、矩形波形よりも上昇速度が低く、互いに上昇速度が異なる複数の波形のいずれかに切替え可能とする回路を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の圧電ダイヤフラムポンプ。
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